「通信制高校には行きたい。でも、泊まりのスクーリングは難しい」「知らない人との相部屋や、家から離れて眠ることが不安」。そう感じるのは、わがままではありません。結論から言うと、宿泊をともなわず、日帰りでスクーリングに参加して卒業できる通信制高校はあります。たとえば東京都立の通信制高校は、土曜日に本校へ通う形が基本です。
ただし、「オンライン中心」「登校は年に数日」という説明だけでは、宿泊がないとは判断できません。スクーリング(面接指導)は卒業に必要な学習の1つで、どこで、何日続けて受けるかによって、日帰りになるか泊まりになるかが決まるからです。
この記事では、宿泊なしで卒業できる学校の見分け方と、入学前に確かめる順番を整理します。スクーリングの時間数を決めている国の基準(高等学校学習指導要領・文部科学省のガイドライン)と、公立・私立の学校が公式に出している案内を実際に開いて確かめた内容だけを使っています。日程や会場は年度ごとに変わるため、最後は入学する年度の募集要項と学校の案内で確認してください。
泊まりのスクーリングが不安で、自宅から学べる形も探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:通信制高校のスクーリングを宿泊なしにする方法の早見
- 宿泊なしで卒業できる通信制高校はあります。たとえば都立の通信制高校は、原則土曜日に登校してスクーリングを受ける日帰りの形で、東京都教育委員会の案内(令和5年度入学者向けの資料)では年間約20〜24日です。
- ただし「登校ゼロ」で卒業できる通信制高校はありません。スクーリング(面接指導)の時間数は、教科ごとに国の標準で決まっています。
- ネットや放送の学習で、スクーリングの時間数は原則6割まで減らせます。病気や心因的な事情など特に必要な場合は最大8割ですが、文部科学省は「極めて例外的な取扱い」としています。
- 宿泊になるかどうかは「会場」と「連続日数」で決まります。近くの会場に通う形なら日帰り、遠くの本校で数日まとめて受ける形なら泊まりになりやすくなります。
- 見分ける手がかりは、学校が公表する「通信教育実施計画」と「面接指導等実施施設」です。1年間の計画と、スクーリングができる会場の場所が分かります。
- 宿泊型の学校にも、医師の診断などで別の会場を認める例外を設けているところがあります。入学前に条件と手続きを書面で確かめます。
- オンライン中心で学ぶ場として、ニジ高のような通信制高校サポート校を組み合わせる方法もあります。卒業資格とスクーリングは、在籍する通信制高校のものです。
宿泊なしで卒業できる通信制高校はあります。ただし「登校なし」ではありません
通信制高校は、自宅などでの自学自習を中心に、レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、試験の3つで単位を修得する高校です。文部科学省の通信制高等学校情報発信サイト「よくある質問」は、スクーリングを「本校や面接指導等実施施設に登校し、対面指導を受けること」と説明しています。
つまり、宿泊をなくすことはできても、登校をなくすことはできません。「宿泊なし」と「登校なし」は別の話です。ここを混ぜたまま学校を探すと、「オンラインコースだから泊まりは無いはず」「年に数日だから日帰りのはず」と思い込み、入学後に遠方での数日間の日程を知る、というすれ違いが起きます。
オンラインで授業を受ける仕組みはあっても、それだけで卒業できるわけではありません。文部科学省が2026年3月に示した資料では、広域通信制高校への点検調査で「面接指導を対面でなくオンラインのみで行っていた事案」が、不適切な例として挙げられています(文部科学省「通信制課程における教育課程について」)。スクーリングは対面で受けるもの、と考えておくのが安全です。
そのうえで、宿泊なしで卒業したい人が確かめるのは、次の3つです。
- 自分が受けるスクーリングの会場は、自宅から日帰りできる場所か
- スクーリングは何日続くか。連続する日程の間、毎日家から通えるか
- 宿泊が必須の行事や、振替のときだけ遠方へ行く決まりがないか
この3つは、学校名やコース名からは分かりません。入学する年度・コース・住所ごとに、学校へ聞いて確かめます。
スクーリングの時間数は国の標準で決まり、ネット学習で原則6割まで減らせます
スクーリングが何時間必要かは、学校が自由に決めているわけではありません。高等学校学習指導要領(第1章総則 第2款5「通信制の課程における教育課程の特例」)で、1単位あたりの標準が教科ごとに決まっています。1単位時間は50分として計算します。
| 教科・科目 | レポート(1単位あたり) | スクーリング(1単位あたり) |
|---|---|---|
| 国語・地理歴史・公民・数学 | 3回 | 1単位時間 |
| 理科 | 3回 | 4単位時間 |
| 保健体育のうち「体育」 | 1回 | 5単位時間 |
| 保健体育のうち「保健」 | 3回 | 1単位時間 |
| 芸術・外国語 | 3回 | 4単位時間 |
| 家庭・情報・専門教科 | 2〜3回(科目に応じて) | 2〜8単位時間(科目に応じて) |
このほか、ホームルーム活動を含む特別活動は、卒業までに30単位時間以上が必要です。実際の学校の数字もこの標準に沿っています。都立一橋高校(通信制)の案内では、1年間に出席すべき回数の例として「数学Ⅰ」は3回、「生物基礎」は8回、「体育1」は10回、「英語コミュニケーションⅠ」は12回以上と書かれています(東京都立一橋高等学校 通信制「Q&A」)。
この時間数は、ネットや放送などの「多様なメディアを利用した学習」を計画的・継続的に取り入れ、報告課題などで成果が認められれば、減らすことができます。文部科学省の「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」(令和5年2月一部改訂)では、次のように整理されています。
- 原則として、スクーリング(と特別活動)の時間数の10分の6以内を免除できる
- 生徒の実態から特に必要がある場合は、複数のメディアを使うことで、合わせて10分の8まで免除できる
- 特に必要がある場合の例は、病気や事故で入院・自宅療養が必要な場合、いじめや人間関係など心因的な事情で登校が難しい場合、仕事や海外生活で時間の調整がつかない場合など
- 10分の6を超えて10分の8まで減らすのは「極めて例外的な取扱い」とされている
たとえば「体育」2単位の科目なら、標準のスクーリングは10単位時間です。6割を免除すると、残りは4単位時間になります。減らせるのは時間数であって、ゼロにはなりません。どの科目で、何割を減らしているかは学校ごとに違うので、「オンライン学習でスクーリングが減る科目はどれか」を学校に聞くと、登校日数の見通しが立ちます。スクーリングを減らす仕組みを詳しく知りたい場合は、通信制高校 スクーリング 行きたくないの記事で整理しています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

宿泊になるかどうかは「どこで・何日続けて受けるか」で決まります
スクーリングの呼び方は学校ごとに違いますが、参加のしかたは大きく3つに分けられます。実際には「月に数回の通学+年に1回の集中日程」のような組み合わせもあるため、名称ではなく年間の予定表を見て判断します。
| 形式 | 主な特徴 | 合いやすい人 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 日帰り・通学型 | 本校や近くの会場へ、土曜日などに年間を通して通う | 自宅以外で泊まるのが難しい、少しずつ慣れたい | 通う回数、朝の集合、交通費、欠席したときの振替 |
| 日帰り・集中型 | 夏休みなどに数日〜1週間ほど、毎日会場へ通う | 泊まりは避けたいが、短い期間なら連日参加できる | 連日の疲れ、1日の授業時間の長さ、帰りの交通 |
| 宿泊・集中型 | 遠方の本校や施設で、数日間まとめて受ける | 普段の登校を少なくしたい、まとめて終えたい | 相部屋、入浴、食事、服薬、移動費、欠席時の代わり |
文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」では、通学の頻度別に見た生徒数(合計300,406人)のうち、集中スクーリング型のコースに在籍する生徒は86,961人(28.9%)でした。週5日通うコースは37,505人(12.5%)、週1日は36,929人、月1〜2回や自由登校などのその他は99,722人(33.2%)です。集中型は珍しい形ではなく、およそ3〜4人に1人が選んでいる形だと分かります。ただし、集中型がすべて宿泊をともなうわけではありません。
集中スクーリングについて、ガイドラインは「合宿等を伴って特定時期に集中的に行う面接指導」と表現したうえで、1日の時間の目安を「例えば8時30分から17時15分まで」「多くとも1日当たり8単位時間まで」と示しています。宿泊型を考えるときは、この長さの日が数日続くことを前提に、本人の体力と相談します。
日帰り型がいつも負担の小さい方法とは限りません。片道2時間の会場に年20回通う場合と、年1回まとめて受ける宿泊型を比べると、移動の合計時間は宿泊型のほうが短いこともあります。一方で、夜に強い不安が出る人や、医療上の事情がある人にとっては、日数が少なくても宿泊そのものが大きな壁です。「年間何日か」だけでなく、本人にとってつらい場面を分けて比べることが大切です。
公式の案内で比べると、同じ通信制でも通い方はここまで違います
実際の学校が公式に出している案内から、形の違う例を3つ並べます。どれが良い・悪いではなく、「宿泊なし」を探すときにどこを見ればよいかの見本として読んでください(いずれも2026年9月24日に各校の公式ページ・学校案内で確認)。
| 学校(設置者) | スクーリングの形 | 宿泊 | 確かめたいこと |
|---|---|---|---|
| 都立一橋高校 通信制(公立) | 土曜日に本校でスクーリング。都立の通信制は年間約20〜24日(東京都教育委員会の令和5年度入学者向けの案内) | なし(日帰り) | 入学資格は都内に在住または在勤。土曜日に通い続けられるか |
| 都立新宿山吹高校 通信制(公立) | 土曜日スクーリングコースのほか、ネット学習と7月末の夏季集中(1週間程度・毎日1〜6限)を組み合わせるコースがある | なし(日帰りの集中) | 夏季集中のコースは第1学年相当で入学する人のみ、入学手続きのときに選ぶ |
| N高等学校(私立・広域) | 全国の会場での拠点スクーリングと、原則2年次に沖縄伊計本校での4泊5日の本校スクーリング(標準履修の場合)。拠点スクーリングへの参加が難しい場合はオンライン授業で受ける方法もある | 本校スクーリングは宿泊 | 住民税非課税世帯・生活保護世帯の人や、医師の診断で本校での参加が難しい人は、願い出て許可を得れば本校以外の会場で参加できる |
出典:東京都教育委員会「通信制課程」、都立一橋高校 通信制「Q&A」、都立新宿山吹高校 通信制課程 学校案内(2025年7月掲載)、N高グループ「スクーリングについて」
この3つからは、見分け方のコツが2つ読み取れます。1つ目は、住んでいる地域の公立の通信制高校は、宿泊なしで卒業したい人にとって最初に調べる候補になるということです。都立の例のように、本校へ日帰りで通う形の学校があります。その代わり、都立一橋高校のように、その都道府県に住んでいる人や働いている人を入学の条件にしていることがあるので、入学資格もあわせて確かめます。
2つ目は、宿泊型のスクーリングがある学校でも、条件つきで別の会場での参加を認める決まりを設けている場合があることです。こうした例外は、パンフレットの目立つ場所ではなく、スクーリングのページの注記に書かれていることがあるので、細かい字まで読むか、学校に直接聞きます。同じ学校でも学年やコース、入学時期によって参加するスクーリングが変わるため、「自分が入学する学年・コースの場合」を確かめてください。

宿泊なしを見分ける手がかりは「通信教育実施計画」と「面接指導等実施施設」です
学校のパンフレットは、魅力を伝えるための資料です。宿泊の有無を確かめるには、学校が法令にもとづいて公表している資料を見るほうが確実です。
高等学校通信教育規程(e-Gov法令検索)は、通信制高校に次のことを求めています。
- 第4条の3:校長は、科目ごとの通信教育の方法・内容と1年間の通信教育の計画などを書いた「通信教育実施計画」を作り、生徒にあらかじめ示す
- 第14条:学校は、通信教育連携協力施設ごとの名称と位置、通信教育実施計画、授業料などの費用、生徒への支援などの情報を公表する
また、スクーリングは本校のほか、学校が届け出た「面接指導等実施施設」で受けられます。文部科学省の通信制高等学校情報発信サイト「学校検索」では、本校と面接指導等実施施設を区別して学校を探せます(掲載は令和8年4月1日時点)。自宅から日帰りできる場所に、その学校の本校か面接指導等実施施設があるかどうかが、宿泊なしで通えるかの第一の手がかりになります。
| 見る資料 | どこに載っているか | 宿泊なしかを判断するために見るところ |
|---|---|---|
| 通信教育実施計画 | 学校のホームページの情報公開のページなど | 1年間のスクーリングの計画、時期、科目ごとの時間数 |
| 通信教育連携協力施設の一覧 | 学校の情報公開のページ、文部科学省の学校検索 | 自宅から日帰りできる場所に、スクーリングができる施設があるか |
| 募集要項・学則 | 学校から取り寄せる、ホームページ | コースごとのスクーリングの形、入学資格(住所の条件)、費用 |
| スクーリングの案内・年間予定表 | 説明会・個別相談で受け取る | 会場、日数、開始と終了の時刻、宿泊が必須か、振替の決まり |
「通信教育連携協力施設」には2種類あり、名前が似ているので注意が必要です。スクーリングや試験ができる「面接指導等実施施設」と、日々の学習を支える「学習等支援施設」です。令和7年度の実態調査では、全国の通信教育連携協力施設4,341か所のうち、面接指導等実施施設は2,024か所、学習等支援施設は2,317か所でした。近くに「キャンパス」や「学習センター」があっても、そこでスクーリングが受けられるとは限りません。その施設がどちらに当たるかを確かめてください。住んでいる地域から入学できる学校の範囲は、広域通信制高校とはの記事で整理しています。
宿泊なしの学校を探すときは、この7つを順に確かめます
1. 卒業資格を出す通信制高校の正式名称を確かめる
ホームページにスクール名やコース名が大きく書かれていても、高校卒業の資格を出す学校が別にある場合があります。最初に、在籍する高校の正式名称、設置者、本校の所在地を確かめます。
2. 入学年度の年間スクーリング予定を出してもらう
「年に数日」だけでは情報が足りません。予定日、会場、開始と終了の時刻、何日続くか、宿泊が必須か、住んでいる地域の指定会場を確かめます。予定がまだ決まっていないなら、前年度の例と変更の予定を分けて聞きます。
3. コースと住所で条件が変わらないか聞く
同じ学校でも、通学コース、ネットのコース、集中のコースで日数や場所が違うことがあります。住んでいる地域によって参加する会場が指定されることもあります。「学校全体では」ではなく、検討しているコースと住所を伝えて答えてもらいます。
4. 欠席したときの振替を確かめる
体調不良で1日休んだとき、近くの会場で振り替えられるのか、遠方の本校へ行くのか、単位が次の年度に持ち越しになるのかを確かめます。「振替あり」だけでなく、場所、時期、追加の費用まで聞きます。
5. 宿泊が必要になる場面がないか確かめる
普段は日帰りでも、実習のある科目や特別活動、振替のときだけ宿泊が必要になる場合があります。宿泊が必要になったときに、別の会場や別の日程を選べるか、どんな手続きが必要かを入学前に聞きます。
6. 高校の費用とサポート校の費用を分けて総額を出す
授業料のほか、施設費、教材費、交通費、宿泊費、食費、サポート校の費用などがかかる場合があります。日帰り型でも、通う回数が多ければ年間の交通費は大きくなります。スクーリングにかかる交通費や宿泊費の考え方は、通信制高校 スクーリング 費用の記事にまとめています。サポート校の費用に就学支援金が使えない点は、サポート校 学費の記事が詳しいです。
7. 本人が一度、会場までの動きを試す
できれば説明会や見学の日に、実際のスクーリングと同じ時間帯で会場まで移動します。駅の混み具合、乗り換え、入口、教室、休める場所、帰ってからの疲れを書き留めます。「この移動を必要な回数続けられそうか」を、体験から判断します。

日帰りでも、朝・移動・連続日程の負担は残ります
「家に帰れる」という安心は大きい一方で、日帰り型には別の負担があります。特に不登校の経験や体調の波がある人は、授業の時間だけでなく、起きてから家に帰るまでを1日として考えます。
| 場面 | 学校に聞くこと | 家庭で試せること |
|---|---|---|
| 朝 | 集合時刻と、遅れたときの扱いは? | 同じ時刻に起きて準備してみる |
| 移動 | 混雑を避けた登校や、送迎はできる? | 実際の経路を往復してみる |
| 授業 | 1日何時間か。休憩はどこで取れる? | 同じ長さの外出を試す |
| 体調不良 | 別室での休憩、早退、振替はできる? | 連絡の方法と迎えの手段を決めておく |
| 帰ってから | 連続する日程は何日? | 次の日の回復の時間まで含めて予定を立てる |
日帰りの集中型は、1週間ほど毎日朝から夕方まで授業が続く形もあります(都立新宿山吹高校の夏季集中は、毎日1限から6限まで)。泊まらなくてよい代わりに、毎日の往復が続きます。連続する日数と、1日の授業時間の両方を確かめてください。
「宿泊なしがいい」理由を分けると、学校に相談できる形になります
本人が「泊まりは無理」と話したとき、すぐに説得する必要はありません。不安を細かく分けると、学校が提案できる配慮や、家庭が選ぶべき形が見えてきます。理由は1つとは限らず、本人にも言葉にしにくいことがあります。
- 知らない人との相部屋で眠れない
- 入浴、着替え、トイレなどのプライバシーが気になる
- 食物アレルギー、感覚過敏、偏食がある
- 服薬、通院、持病への対応が必要
- 夜になると不安やパニックが強くなる
- 家族と離れた経験が少なく、緊張が続く
- 人間関係のトラブルやいじめの経験がある
- 長い移動や集団行動で強く疲れる
学校への相談では、診断名を伝えることだけが目的ではありません。「夜は1人で静かに過ごせないと眠れない」「共同の浴場が使えない」「毎日この時間に薬を飲む」のように、困る場面と必要な条件を具体的に伝えます。そのうえで、個室、入浴時間の調整、食事の代わり、休める部屋、別の日程や別の会場が選べるかを聞きます。
本人に聞くときは、「泊まること全部が難しい?それとも相部屋、食事、お風呂、移動、朝の集合のどれが一番つらそう?」のように、選べる形で聞くと答えやすくなります。答えが出なければ、学校の写真や1日の予定を見てから、安心できる点と不安な点を1つずつ選んでもらいます。発達特性があって宿泊のスクーリングが心配な場合は、ASD 通信制高校の記事も参考になります。

宿泊型の学校を考えるときは、配慮と例外の決まりを入学前に確かめます
行きたい学校に宿泊型のスクーリングがある場合でも、すぐに候補から外す必要はありません。不安の原因に学校が対応できるかを確かめ、無理なら選ばない、工夫できるなら体験してみる、という順番で考えます。確かめたいのは次の12項目です。
- 個室・少人数の部屋・相部屋の人数を選べるか
- 部屋割りの決め方と、事前に相談する期限
- 浴室・トイレ・着替えの場所を1人で使えるか
- 食物アレルギー、偏食、感覚過敏への対応
- 薬を自分で管理するか学校が預かるか、緊急時の医療機関
- 保護者の同行、近くでの宿泊、送迎ができるか
- 1人で休める場所と、夜に相談できる担当者
- スマートフォンを使える時間と、家族への連絡の方法
- 授業、特別活動、移動、就寝までの1日の予定
- 途中で続けるのが難しくなったときの対応
- 欠席・早退したときの補講、再参加、単位への影響
- 交通・宿泊・食事・追加の対応を含めた総費用
あわせて確かめたいのが、宿泊をしない形に切り替えられる決まりがあるかどうかです。前の節で見たように、医師の診断などを条件に本校以外の会場での参加を認めている学校もあります。また、病気や心因的な事情で登校が難しい場合に、ネット学習でスクーリングの時間数を6割を超えて減らすこと(最大8割)は、国のガイドライン上は「極めて例外的な取扱い」です。認めるかどうか、どんな書類が必要かは学校ごとに決まっているので、入学相談の段階で聞いておきます。
配慮が必要なことは、スクーリングの直前ではなく入学を相談する段階で伝えます。学校にも施設や人手の限りがあり、すべての希望に対応できるとは限りません。できること、できないこと、代わりの方法を事前に確かめられる学校は、入学後のすれ違いを減らしやすくなります。
サポート校の教室に通っても、それだけではスクーリングになりません
通信制高校は、レポート、スクーリング、試験を行い、単位を認めて卒業資格を出す学校です。サポート校は、日々の学習の計画、レポート、生活、交流、進路などを支える民間の教育施設です。サポート校の教室に週に何日通っていても、その時間がそのまま在籍する高校のスクーリングになるわけではありません。
文部科学省のガイドラインは、正規の教育課程ではない教育活動(いわゆる通学コース)と、学習指導要領にもとづいて行う面接指導(スクーリング)は「明確に区別される」としています。スクーリングを受けられるのは、本校か、学校が届け出た面接指導等実施施設です。
比べるときは、「ふだんどこで学ぶか」と「卒業に必要なスクーリングをどこで受けるか」を別の欄に書きます。高校とサポート校の説明が一緒になっている場合も、資格を出す学校、授業を担当する教員、会場、費用、欠席したときの扱いを分けて質問してください。スクーリングの内容や服装・持ち物など全体の流れは、通信制高校 スクーリングの記事で説明しています。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
NIJIN高等学院(ニジ高)は、NIJINアカデミーの高等部であり、オンライン中心の通信制高校サポート校です。担任制で、カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しています。
一方で、この記事のテーマに関わる注意点を先にお伝えします。
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取ります。
- ニジ高の中でのスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です(地元の会場で受けられる場合もあります)。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
- 提携する通信制高校のスクーリングに、ニジ高のスタッフが付き添うことはありません。ニジ高がするのは、日程の調整と準備の支援です。
- 費用は、在籍する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
また、ニジ高は、提携校以外の通信制高校に在籍しながら使うこともできます。たとえば、宿泊なしで通える通信制高校に在籍したまま、ふだんの学びや仲間づくりの場としてニジ高を組み合わせる形です。この場合も、卒業資格・スクーリング・単位は在籍する通信制高校のものになります。自分の在籍状況で合うかどうかは、個別相談で確かめてください。学校の全体像はニジ高とはのページで紹介しています。
ニジ高は、不登校の生徒を650名以上(グループ全体)サポートしてきました。小中学生の居場所としては、姉妹事業のNIJINアカデミーもあります。スクーリングの不安と、毎日の居場所や仲間がほしいという気持ちは、分けて考えてかまいません。両方に合う組み合わせを一緒に整理します。
説明会で聞く質問は、この15個にまとめられます
- 私の住所と希望のコースでは、スクーリングの会場はどこですか。
- 入学する年度の予定日はいつで、年間の合計は何日ですか。
- 宿泊が必須の日程はありますか。すべて日帰りにできますか。
- 開始と終了の時刻、1日あたりの授業時間を教えてください。
- ネット学習でスクーリングの時間数が減る科目はどれで、何割減りますか。
- 欠席したときの振替の会場、時期、追加の費用はどうなりますか。
- 体調が悪いときに、別室での休憩や早退はできますか。
- 宿泊がある場合、個室や少人数の部屋を相談できますか。
- 食事、服薬、入浴、感覚過敏への配慮はどこまでできますか。
- 保護者の同行や、近くで待つことはできますか。
- 医師の診断などで、別の会場や別の日程に替えられる決まりはありますか。
- 入学前に会場や宿泊施設を見学できますか。
- スクーリング費・交通費・宿泊費を含めた年間の総額はいくらですか。
- サポート校や学習センターへの通学は、スクーリングとして数えられますか。
- 今日の答えを確かめられる通信教育実施計画・募集要項・年間予定表はどこにありますか。
いくつかの学校に同じ質問をすると、比べやすくなります。答えは「できる/できない」だけでなく、条件、申請の期限、費用、担当者まで書き留めます。本人が説明会に参加できない場合は、保護者が先に確かめ、予定表や写真を持ち帰ってから一緒に考えてもかまいません。学校選び全体の進め方は、通信制高校 選び方のページでまとめています。
迷ったときの進め方(3ステップ)
ステップ1:泊まりの何がつらいかを分ける。相部屋、入浴、食事、夜の不安、移動など、つらい場面を本人と一緒に書き出します。ここが分かると、「日帰りしか無理」なのか「条件がそろえば泊まれる」のかが見えてきます。
ステップ2:候補の学校の会場と年間計画を調べる。住んでいる都道府県の公立の通信制高校と、気になる私立の通信制高校について、文部科学省の学校検索で本校と面接指導等実施施設の場所を確かめ、学校の通信教育実施計画や募集要項で年間のスクーリング計画を見ます。
ステップ3:説明会で15の質問をして、書面で確かめる。会場、日数、宿泊の有無、振替、配慮、例外の決まり、総額を聞き、答えを募集要項や年間予定表で確かめます。1校で決めず、2〜3校を同じ表で比べると判断しやすくなります。


泊まりが不安なまま決めずに、通い方から相談してみる
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校で、カメラやマイクをオフにしてチャットだけの参加から始められます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。スクーリングの形や日程、宿泊の不安のことも、決める前の段階から体験説明会でお聞きください。
よくある質問
Q. 宿泊なしで卒業できる通信制高校はありますか?
A. あります。たとえば都立の通信制高校は、原則土曜日に本校へ日帰りで通う形です。私立でも、近くの会場に日帰りで通える学校やコースがあります。ただし、住所、コース、科目、振替によって遠方への参加が必要になることがあるため、入学する年度の年間予定と、宿泊が必須かどうかを学校に確かめてください。
Q. オンラインだけで高校を卒業できますか?
A. できません。ネットや放送の学習でスクーリングの時間数を減らすことはできますが、原則6割まで、特に必要な場合でも最大8割までで、スクーリングがゼロになることはありません。試験も学校の監督のもとで受けます。
Q. 宿泊のスクーリングは相部屋と決まっていますか?
A. 学校や施設によって違います。相部屋が基本でも、事情によって個室や少人数の部屋を相談できる場合があります。追加の費用、診断書などが必要か、申請の期限を入学前に確かめます。
Q. 不登校の経験があり、連続して参加できるか不安です。
A. 年間の日程、1日の時間割、休める場所、別室、早退、欠席したときの振替を具体的に聞いてください。できれば説明会や短い体験から始め、参加している間だけでなく、次の日の疲れも確かめます。
Q. サポート校に通えば、通信制高校のスクーリングはいりませんか?
A. いります。サポート校の毎日の活動と、在籍する通信制高校が単位を認めるために行うスクーリングは、役割が違います。スクーリングを受けられるのは、本校か、学校が届け出た面接指導等実施施設です。
Q. ニジ高に入れば、宿泊なしで高卒資格を取れますか?
A. ニジ高は高校ではないため、ニジ高だけで高卒資格は取れません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。スクーリングの形や日程、ほかの通信制高校に在籍しながら組み合わせる方法も含めて、個別相談会でご案内しています。
泊まれるかどうかより、卒業まで続けられる条件で選んで大丈夫です
宿泊なしで参加できる通信制高校はあります。ただ、学校案内の「オンライン」「年に数日」という言葉だけでは、本人に合うかは判断できません。卒業資格を出す高校、会場、日程、宿泊が必須か、欠席したときの振替、配慮、費用を同じ表に並べて比べてください。
泊まりが難しい理由を分けると、日帰りの学校を選ぶべきか、宿泊型でも配慮を相談できるかが見えてきます。本人を無理に慣れさせることを最初の目標にしなくてかまいません。安心して単位を積み重ねられる仕組みを探すことが、卒業へのいちばんの近道です。
スクーリングの不安も、入学を決める前から相談できます
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

