「通信制高校なら学校に行かなくても卒業できる」と思っていたのに、実際にはスクーリングで通学しなきゃいけないと知って戸惑う方はとても多いものです。特に、これまで学校での人間関係でつらい思いをした経験があると、「できれば行きたくない…」と感じるのは自然なことでしょう。
今回は、もしも通信制高校のスクーリングに参加しないとどうなるのかをわかりやすく解説します。そして、行きたくないという気持ちの折り合いをつける方法を一緒に考えていきます。
スクーリングは”ゼロ”にできない
通信制高校は、通学せずに自宅を中心に学習できるスタイルの高校です。しかし、最低限の対面指導には必ず参加しなければなりません。これが「スクーリング」です。学校によって仕組みは異なり、年間数日のみの集中スクーリング、夏休みなどに合宿形式でまとめて実施、週数回の登校型など、形式はさまざまです。
「スクーリングなし」のように受け取れる宣伝をしている通信制高校もありますが、法律上、完全にゼロにすることは不可能です。「行かなくても大丈夫」という言葉を鵜呑みにしてしまうと、入学後に単位が取れない、卒業できないという状況につながるため注意が必要です。
スクーリングに行きたくないと感じる理由
通信制高校を選ぶ理由には、学び方の自由さや自分のペースを大切にしたいという想いがあるでしょう。そのため、通信制高校を志望していてもスクーリングには抵抗がある、という生徒は少なくありません。よく聞かれる声としては、人との会話に強い緊張を感じる、集団行動が苦手、長時間の拘束がしんどい、交通機関の利用が不安、決まった時間に行ける自信がない、自宅のほうが落ち着いて学習できる、といったものがあります。
体調に影響するほど不安が強い生徒がいる一方で、同じような悩みを持ちながら少しずつ慣れていき、無事に卒業できる生徒が多いというのも事実です。いきなり「大丈夫」とは思えなくても、「スクーリングは絶対に嫌」と頑なにならず、「もしかしていけるかもしれない」と少しずつ心の準備をしていくことをお勧めします。
スクーリングに欠席したらどうなる?
結論として、スクーリングに出席しなければ高校は卒業できません。
高校の卒業条件
通信制高校の多くは「単位制」を採用しています。卒業には、在籍期間が3年以上であること、必修を含む74単位以上を修得すること、面接指導(スクーリング)・レポート提出・試験を実施することが必要です。このように面接指導(スクーリング)も単位の一部として位置づけられているため、欠席すると単位が取れず、結果として卒業が遠のいてしまいます。
救済措置はあるのか
ただし、体調不良等でスクーリングを欠席してしまった場合、1日休んだら卒業できない、というわけではありません。学校によっては欠席時のフォローアップがあり、別の日程で実施されるスクーリングに参加したり、予備日に出席したりすることができます。ただし、スクーリングの代わりにレポート課題を出すといった代替手段は基本的にありません。面接指導、つまり通学が必要という点は変わらない点に注意しましょう。
スクーリングの仕組み:どれくらい参加する必要がある?
教科ごとに必要なスクーリング回数は決まっており、自宅でできるレポート提出とは区別されています。科目によっては最少1回で済むものもあれば、運動系科目のように複数回必要な分野もあります。高等学校学習指導要領で定められた、教科・科目ごとの1単位あたりの添削指導回数と面接指導回数の目安は次の通りです。
| 各教科・科目 | 添削指導(回数) | 面接指導(回数) |
|---|---|---|
| 国語、地理歴史、公民及び数学に属する科目 | 3 | 1 |
| 理科に属する科目 | 3 | 4 |
| 保健体育に属する科目の内「体育」 | 1 | 5 |
| 保健体育に属する科目の内「保健」 | 3 | 1 |
| 芸術及び外国語に属する科目 | 3 | 4 |
最近は、対面授業の一部をオンラインや映像授業で代替できる仕組みも整ってきました。ただし、すべてを自宅で完結させることはできず、一定の範囲内で「減らす」ことはできても「ゼロ」にはできないという点は変わりません。
スクーリングはなぜ必要なのか
スクーリングには、自宅学習だけではフォローしにくい分野や気づきにくい弱点を対面授業で補う「学習内容の理解度を確認する」目的、必要最小限ではあるものの外の世界と接する経験が卒業後の進路にも良い影響を与える「社会性・コミュニケーションを高める」目的、そして通信制教育が適切に行われているかを確認する「本人確認や不正防止」の目的があります。
スクーリングで得られるもの
「行きたくない」という気持ちが前に出やすいスクーリングですが、参加した生徒からは、初めて友達ができた、外出の練習になり自信がついた、思った以上に楽しかった、勉強の理解が進んだ、といった声も多く聞かれます。「すごく楽しかった」とまではいかなくとも「不安だったけれど大丈夫だった」「意外と何とかなった」という声も多く、心配していたほどではなく、むしろ思ってもみなかった経験ができたというケースも少なくありません。
短期合宿型のスクーリングでは、座学だけでなく体験学習や運動など、普段の生活では味わえない活動もできます。定期的に登校するスタイルのスクーリングでは、専門の先生の授業を直接受けたり、クラスメイトとの交流が充実したりします。通学頻度が高いことで生活リズムが整うだけでなく、学校に慣れ、自分の居場所づくりにもつながります。
行きたくない気持ちがあっても大丈夫
通信制高校のスクーリングに不安を感じるのは決して特別なことではありません。気持ちが落ち着くまで、無理なく進められる方法を一緒に探してくれる学校もあります。大切なのは、自分のペースで卒業を目指せる学校を選ぶこと、そしてスクーリングの内容・回数をしっかり確認しておくことです。登校頻度は学校によって大きく違うので、自分に合うスタイルを事前に確認しておきましょう。自分に合った通信制高校なら、スクーリングも負担が少なく、前向きに取り組めるはずです。「不安だけど、できるかも」と思えるように、心の準備をしていきましょう。
通信制高校について、もっと詳しく知りたい方へ
NIJIN高等学院のTOPページを見る
個別相談会に申し込む
「通信制高校って何?」という初めての方にはオンライン学校説明会もおすすめです。お気軽にご参加ください。

