「学校に行きたくない」「このまま続けていける自信がない」「高校辞めたい」といった声を聞くことがあります。それは決して珍しいことではありませんし、自分だけがそうなってしまったと思う必要もありません。実際そうした時期を経験しながら、大学進学という目標を実現した高校生はたくさんいます。
今日は、そんな生徒たちがどんな気持ちで、どんな選択をしたのかを、お話しさせてください。
理由は自分でもわからないことが多い
学校に行きたくなくなった理由について、実は本人も明確に言葉にできないことが多いんです。意外かもしれませんが、あとから「何となくそういえば…」と気づくことも多いんです。
・朝起きられない
・クラスに馴染めなかった
・授業についていけない
・なんとなく不安になる
理由はそれぞれですが、どれも単なる気持ちのせい、ではありません。では、何かと言えば、「その人に、合っていなかった環境」が原因である可能性が高いのです。
最初の一歩は、自分で情報を探しにいくこと
多くの生徒は、こうした気持ちになった時に「このままでいいのかな」「やばいかも」と、スマホでいろいろ調べてみるところから始めています。
誰かに勧められたパンフレットには気が乗らなくても、自分で検索して、自分のタイミングで情報にたどり着いたときには、素直に興味を持てることがあります。保護者があれこれ探してあげるよりも、本人が自分の言葉で検索し、自分から「これ、気になる」と言えることのほうが、最初の一歩を踏み出すうえで大切だったりします。生徒の自主性を大事にすることが、進路を選び直すときの支えになるのです。
「できること」から始める
落ち込んでいる生徒さんに「少しずつやればいいよ」と声をかけることが多いかと思います。もちろん、その通りなのですが…この「少し」が曲者だったりします。周りにとって「朝起きる」は少しの努力できることかもしれませんが、本人にとっては「ものすごく大きなこと」「ハードルが高いこと」であるかもしれないからです。小さなこと=できること、ではありません。
ですから「できることからやればいいよ」とぜひ言い換えていただきたいと思います。極端に言えば、「歩くことができる」「見ることができる」「読むことができる」これだけでまずは◎です。そして少しずつ「朝起きたら、家族に挨拶ができる」とか「体調の良い日は朝起きることができる」とか……それを1つずつ認めることで「じゃあ、明日も朝起きられるように頑張ってみよう。そのためには夜早く寝よう」というように、自分で考えて行動することへとつながっていきます。
「できる体験」を積み重ねて自信をつけるという考え方は、通信制高校の学び方の中にも活かされています。最初は小さな成功体験――「授業で先生の解説が理解できた」「今日のテストで合格ラインをクリアできた」「面談で自分の気持ちが言えた」そうした経験の積み重ねから、自信を喪失していた生徒たちも、少しずつ「●●大学へ行きたい」という言葉を口にできるようになっていきます。
まとめ「頑張らなかった」わけじゃない。合っていなかっただけ。
高校に通えなかった、あるいは今、行けなくなりそうだという状況は、あなた自身がダメだったからではありません。たまたま、今の環境が合わなかっただけなんです。それを忘れないでほしいと思います。
大学進学を考える生徒にも、まだ将来の夢が見つかっていない生徒にも、一人ひとりに合ったペースで学び直せる場所はあります。「自分の人生を取り戻したい」そう言って通信制高校に通い始める先輩たちがいます。学校に来られなかった生徒たちが、数か月後には前向きに「大学に行ってみたい」と言うようになる。そんな変化に立ち会うたびに、支える側として心から思うことがあります。
大丈夫。だれでも、それを開花させる環境に出会えれば変われます。
もし今、迷っているなら……今はまだ、「高校に戻る」とか「大学に行く」なんて考えられなくていいんです。ただ、「こんな選択肢もあるんだな」と知ってもらえるだけで十分。
自分に合った場所を見つけること。自分のペースで一歩を踏み出すこと。それが、未来を変えていく最初の一歩になります。
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