通信制高校のメリットとして「ほとんど通学することなく高卒資格が取得できる」と聞いたことがあるかと思います。それと似た話に「自宅で勉強して合格すれば高認資格が取得できる」というものもあります。
「通信制高校で高卒資格を取る」「試験を受けて高認資格を取る」、この2つにはどのような違いがあり、どちらを選ぶのがいいのでしょうか?この記事では「高卒資格」と「高認資格」の特徴や比較をしながらわかりやすく解説していきます。
得られる資格の違い
通信制高校で得られるのは「高卒資格」
通信制高校とは、高等学校の通信制課程のことです。正式名称は「○○高等学校通信制課程」となり、「通信制高校」というのはいわゆる通称です。卒業すると、全日制高校や定時制高校などと同じ「高校卒業資格」を取得することができます。つまり、卒業証書には同じ「○○高等学校○○科卒業」と記載がされます。履歴書に記載する時には、「学歴」の欄に「○○年3月○○高等学校卒業」と書きます。その後に「通信制課程」と書く必要はなく省略されるのが一般的ですから、履歴書を見た時には通信制かどうかはわかりません。
高認試験で得られるのは「高卒認定資格」
「高等学校卒業程度認定試験」は、文部科学省が実施する国家試験です。正式名称が長いので「高卒認定」とか「高認」と呼ばれることもあります。試験に合格すると、大学・専門学校や国家資格の受験資格を得ることができます。学歴というよりも資格に近いと考えるとよいでしょう。履歴書に記載する時には、「学歴」の欄に「○○年○月高等学校卒業程度認定試験 合格」と書くことができます。あるいは「資格」の欄に書いてもかまいません。
勉強の仕方の違い
通信制高校にはスクーリングがある
通信制高校は、自宅での学習がメインです。毎日校舎やキャンパスに通わなくてもいい、というわけです。ただし、スクーリングと言って年間7〜20日程度は校舎や学習センターなどに通学して授業を受ける必要があります。合宿形式のスクーリングを行っている学校もあります。なお、通信制高校での単位修得をサポートするための「サポート校」もあり、通信制高校入学と並行してサポート校にも入学する方が多くなっています。
高認試験は年に2回のみ
高卒認定試験は、試験当日だけ会場に行って受験し、合格すれば資格が取れます。試験は年に2回、8月と11月に行われます。試験は2日間にわたり、受験する科目は理科の選択方法により9〜10科目です。各都道府県に数か所しか会場が設定されていない場合もあるので、自宅から遠い場合には宿泊も必要となります。塾や予備校に通う人もいますが、教科書等を使って自宅で勉強するだけでも対策は可能です。
青春を楽しみたいなら
通信制高校のサポート校に通う
通信制高校は通信教育なので自宅学習がほとんどです。なかなか一人で勉強するのは難しい…という場合、サポート校を活用することができます。サポート校は、通信制高校の「卒業」をサポートするための民間の教育機関で、レポート課題の作成のアドバイス・フォローや、精神面のサポートを受けたりすることができます。そこでの活動を通じて友達をつくり、青春をエンジョイすることもできます。
高認生は時間が自由になる
高認試験を受けることの大きなメリットは、学校の授業がなく、また課題もないので、自由時間が圧倒的に多いということです。通信制高校生も学校による拘束時間は短いのですが、高認生はそれ以上に時間を自由に使えます。自分の好きなことや趣味に没頭したり、早めに大学受験の対策をしたり、アルバイトをしながら勉強したりしている人もいます。
学生割引(学割)
通信制高校は「高校生」
通信制高校に通っている生徒の場合、全日制高校と同じく「高校生」の扱いとなりますので、各種学生割引(学割)を利用することができます。
高認の受験生は所属による
高認試験を目指している場合、もし予備校や塾に通っていれば「学生証」を持つことも可能です。その場合「学生割引」が使えるかどうかは、施設やイベントによって扱いは異なります。
かかる時間の違い
通信制高校は卒業まで最短3年
通信制高校を卒業するためには、3年以上高校に在籍する必要があります。つまり、最短でも3年かかります。多くの通信制高校は「単位制」を取っており、決められた単位数を取得するために特別活動やスクーリングに参加しなければ卒業することができません。そのため、卒業までに3年よりも多くかかってしまうケースは珍しくありません。
高認資格は最短4か月で取得できる
高認は年2回、受験のチャンスがあります。試験に合格さえすれば、いつでも「高認資格」を取得することができます。例えば、4月に学習をスタートして8月の試験で合格すれば、その年の大学受験を目指すことも可能です(ただし年齢制限があります)。
費用の違い
通信制高校は年間およそ○○万円
公立の通信制高校の場合は年間5万円程度、私立の通信制高校の場合10万円以上で、30万円ほどかかることもあります。公立よりも私立の方が断然高くなりますが、その分充実したサポート体制や豊富な学習コースが用意されています。なお、公立・私立を問わず、高等学校等就学支援金制度を利用することが可能で、対象となれば授業料が無料になることもあります。
高認試験は受験料と教材費だけ
高認試験の受験料は、科目数によって異なりますが、全科目受験の場合は8,500円です。教材は自分で用意する必要があり、書店等で購入することが可能です。また、高認試験対策専門の予備校や塾、通信講座を受講する方も多く、その場合には別途学費や交通費等が必要となります。
大学進学を目指すなら
通信制高校からも、高認生も、大学進学はもちろん可能です。ただし、学習内容やレベルについて、通信制高校・高認試験と大学受験の溝を埋めていく必要があります。高認試験の出題レベルは高校1、2年生程度と言われています。通信制高校の場合も、単位取得・卒業が目的であるため、大学受験問題とは形式も難易度もギャップがあります。いずれの場合にも、いきなり大学受験の塾や予備校に入ってしまうと授業についていくことが難しいと言えます。
学習の基礎作りが必要
学校や資格対策の勉強から、受験勉強へと移行するためには基礎固めが欠かせません。通信制高校であれば在学中から塾や予備校に通うケースも少なくありません。高認生であれば、合格後にできるだけ早く基礎固めを行い、大学受験コースに合流するケースも見られます。
進路指導サポートを活用する
高認生の場合、特に独学で合格した場合には、大学受験に関する情報は自分自身で集めなければならず、負担も大きくなります。通信制高校の場合も、大学進学のための進路指導が十分にサポートされていない場合があります。迷った時の相談先がないのは大きなデメリットとなりますから、予備校や塾でアドバイスをもらったり、相談にのってもらったりすることで、志望校合格が現実的になってきます。
まとめ
通信制高校と高認は、どちらも「大学進学」という目標にたどり着くことができる道です。学校に籍を置いて学びたいか、時間を自由に使いたいかなど、自分に合った選び方を考えてみましょう。
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