「不登校って、何日休んだらそう呼ばれるの?」。たとえば、欠席が20日を超えたころに担任から電話があり、「あと何日で不登校になるのか」とカレンダーを数え始めた。そんな場面を思い浮かべてください。数えているあいだは、30日という数字が、越えてはいけない線のように見えてくるかもしれません。
先に結論を書きます。文部科学省の調査でいう不登校は、年度間に30日以上欠席した児童生徒のうち、心理的・情緒的・身体的・社会的な要因や背景で、登校しない、またはしたくともできない状況にある人です(病気や経済的な理由による人は除きます)。30日は連続していなくてもよく、4月から翌年3月までの合計で数えます。そしてこの30日は、統計を取るための線引きです。30日を超えたら留年や退学になる、30日に届かなければ支援の対象にならない、という決まりではありません。
この記事は、文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の報告書と概要、指導要録についての通知、教育機会確保法とその省令、学校教育法施行規則(e-Gov)を実際に開いて確かめた内容でできています。確認できなかったことは、確認できなかったと書きます。小学校・中学校・高校で数字と決まりが違うので、学校段階を分けて整理します。
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結論:不登校の定義と「30日」の数え方の早見
- 文部科学省の調査での不登校は、年度間に30日以上欠席した児童生徒のうち、病気と経済的理由を除いたものです。心理的・情緒的・身体的・社会的な要因や背景で「登校しないあるいはしたくともできない状況」にある人を数えます。
- 30日は連続でなくてかまいません。報告書の注は「年度間に連続又は断続して30日以上欠席」と書いています。年度(4月1日〜翌年3月31日)の合計です。
- 30日以上の欠席(長期欠席)は、理由で4つに分けられます。病気・経済的理由・不登校・その他です。令和6年度は小・中学校で506,970人、うち不登校は353,970人でした。
- 最新の令和6年度の不登校は、小学校137,704人・中学校216,266人・高校67,782人です。在籍者に占める割合は、小学校2.3%・中学校6.8%・高校2.3%でした。
- 高校の数字は全日制と定時制のものです。高校では、年間の欠席日数とは別に、科目ごとの出席と単位の決まりが動きます。30日は進級や卒業の基準ではありません。
- 保健室や別室に登校した日、遅刻・早退、30日未満の欠席は、調査の「不登校」の数え方の外にあります。ただし、定義に入らないことと、困っていないことは別です。
- 教育機会確保法の定義には「30日」が書かれていません。法律は義務教育の段階が対象で、「相当の期間学校を欠席する児童生徒」と定めています。
「30日」は統計の線引きです。診断でも、処分の基準でもありません
まず、30日という数字がどこから来ているかを確かめます。出どころは、文部科学省が毎年行っている「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」です。国公私立の小学校・中学校・高校と教育委員会が答える統計調査で、学校が指導要録の「欠席日数」の欄をもとに、年度ごとの人数を数えます。
つまり、不登校は調査の上での区分であって、病院でつく診断名ではありません。30日目に子どもの状態が切り替わるわけでもありません。
保護者の方へ。数えること自体は、状況をつかむために役に立ちます。ただ、30日という線を「越えさせないこと」を目標にすると、親子ともに苦しくなりやすいところです。文部科学省の通知も、不登校の児童生徒への支援について、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があると書いています(文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日)。
本人のあなたへ。30日を超えたからといって、あなたに何かのラベルが貼られるわけではありません。数字の意味を正確に知って、数えることに振り回されないための材料を、この先でお渡しします。

文部科学省の定義は「年度間に30日以上の欠席」から病気と経済的理由を除いたものです
調査の報告書(令和6年度)には、次のように書かれています。
- 小・中学校:「児童・生徒指導要録」の「欠席日数」欄の合計の日数により、年度間に30日以上欠席した児童生徒数を理由別に調査する。
- 「不登校」には、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、「病気」や「経済的理由」による者を除く。)を計上する。
文部科学省の「生徒指導提要」(令和4年12月改訂)も、不登校を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と説明しています。
ポイントは、30日以上の欠席(長期欠席)という大きな枠が先にあり、その中を理由で4つに分けていることです。不登校はその1つです。
| 区分 | 報告書の説明(要約) | 小・中学校 | 高校 |
|---|---|---|---|
| 病気 | 本人の心身の故障等(けがを含む)による入院・通院・自宅療養等 | 109,435人 | 26,488人 |
| 経済的理由 | 家計が苦しく教育費が出せない、働いて家計を助けなければならない等 | 28人 | 313人 |
| 不登校 | 心理的・情緒的・身体的・社会的な要因や背景により、登校しない・したくともできない(病気・経済的理由を除く) | 353,970人 | 67,782人 |
| その他 | 上の3つに当てはまらない理由(家庭の事情、外国での長期滞在、感染症の回避など) | 43,537人 | 9,025人 |
| 長期欠席の合計 | 年度間に30日以上 | 506,970人 | 103,608人 |
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(4-1・5-1の表と注)/文部科学省「生徒指導提要」第10章(2026年10月4日確認)
長期欠席のうち不登校が占める割合は、小・中学校で69.8%、高校で65.4%です。残りの3割ほどは、病気やその他の理由による長期欠席として数えられています。
「病気」の説明には、注がついています。自宅療養とは、医療機関の指示がある場合のほか、自宅療養を行うことが適切であると児童生徒本人の周囲の者が判断する場合も含む、という注です。頭痛や腹痛、朝起きられないといった体の症状がある欠席を、学校が「病気」と「不登校」のどちらに数えるか。個々のケースの細かい基準は、報告書では確認できませんでした。数えるのは学校なので、気になるときは学校に聞くのが確実です。
原因のくわしい内訳は、学校段階ごとに別の記事で整理しています。高校生は高校生 不登校 原因、中学生は中学生 不登校 原因をご覧ください。この記事は、定義と数え方に絞ります。
「30日」は連続でなくてよく、4月から翌年3月までの合計で数えます
「何日から不登校か」を調べる方がいちばん迷うのが、数え方です。報告書と通知で確かめた結果を並べます。
連続でなくてよい
報告書の注には、長期欠席者は「年度間に連続又は断続して30日以上欠席した児童生徒」と書かれています。文部科学省の学校基本調査の用語の解説にも、「欠席は連続である必要はない」とあります。週に1日ずつ休んだ場合も、月に3日ずつ休んだ場合も、合計が30日になれば同じ扱いです。月3日の欠席が10か月続くと30日になります。
年度の合計で数える
「年度間」は、学年の区切りと同じです。学校教育法施行規則第59条は、学年を4月1日から翌年3月31日までと定めています(中学校は第79条、高校は第104条第1項で準用)。前の学年の欠席を次の学年に足して数えるものではありません。
何が「欠席日数」に入るか
調査が使うのは、指導要録の「欠席日数」の欄です。指導要録の書き方を示した文部科学省の通知では、欠席日数は「出席しなければならない日数のうち病気又はその他の事故で生徒が欠席した日数」とされ、出席停止や忌引は別の欄に書くことになっています。
| 場面 | 欠席日数に入るか | 確かめた資料 |
|---|---|---|
| 飛び飛びの欠席 | 入る(年度の合計) | 報告書の注「連続又は断続して30日以上」 |
| 感染症などの出席停止、忌引 | 入らない(「出席停止・忌引等の日数」の欄) | 指導要録の通知 別紙2・別紙3 |
| 入試の受検などで校長が出席しなくてよいと認めた日 | 入らない(同じ欄) | 同上 |
| 遅刻・早退 | 中学校では「備考」に状況を書く事項 | 指導要録の通知 別紙2 |
| 学校外の施設や自宅での学習を、校長が出席扱いとした日 | 調査では欠席日数に含めて数える | 報告書の注 |
| 夏休みなどの休業日 | 入らない(授業日ではない) | 指導要録の通知(授業日数の説明) |
出典:文部科学省「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」別紙2・別紙3(平成31年3月29日)/文部科学省「学校基本調査-用語の解説」/学校教育法施行規則(2026年10月4日確認)
表の5行目は、見落とされやすい点です。フリースクールや教育支援センターに通った日、自宅でICTを使って学習した日を、校長が指導要録の上で出席扱いにすることがあります。それでも、この調査ではその日数も欠席日数に含めて数えます。出席扱いは指導要録の上の扱いで、統計の数え方とは別、ということです。
なお、令和2〜4年度の調査だけは、「欠席日数」と「出席停止・忌引き等の日数」を合計して30日以上登校しなかった人を数えていました。令和5年度からは、欠席日数だけで数える形に戻っています。年度をまたいで人数を比べるときは、この違いに注意が必要です。

最新の令和6年度は、小学校137,704人・中学校216,266人・高校67,782人でした
2026年10月4日時点で、文部科学省のページに載っている最新の結果は令和6年度調査です(令和7年10月29日公表、令和8年1月16日一部修正)。令和7年度の結果は、まだ公表されていません。
| 学校段階 | 不登校の人数 | 在籍者に占める割合 | うち90日以上欠席 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 137,704人(前年度130,370人) | 2.3% | 60,737人(44.1%) |
| 中学校 | 216,266人(前年度216,112人) | 6.8% | 131,221人(60.7%) |
| 小・中学校の合計 | 353,970人(前年度346,482人) | 3.9% | 191,958人(54.2%) |
| 高校(全日制・定時制) | 67,782人(前年度68,770人) | 2.3% | 10,088人(14.9%) |
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」・同報告書(2026年10月4日確認)
読み方のポイントは3つあります。
- 小・中学校は12年連続で増え、過去最多でした。ただし増加率は2.2%で、前年度の15.9%から下がっています。前回の調査では不登校に数えられていなかった「新規」の人は153,828人で、9年ぶりに減りました。
- 中学校では在籍者の6.8%、およそ15人に1人にあたります。小学校と高校は2.3%です。
- 欠席の長さは、学校段階でかなり違います。中学校では不登校の生徒の60.7%が90日以上の欠席ですが、高校では14.9%です。高校は欠席30〜49日の人が39,395人(58.1%)で、もっとも多い層でした。
高校の数字は、小・中学校と同じ感覚では読めません。数える範囲と、欠席の先にある決まりが違うからです。次の節で整理します。
小学生の数字と家庭での対応は、小学生 不登校 原因の記事にまとめています。小・中学生のお子さんの学びの場を探している場合は、NIJINアカデミー(小中学生のオルタナティブスクール。ニジ高はその高等部)もあります。
高校の数字は全日制と定時制だけ。欠席と単位・進級は別の決まりで動きます
高校生と保護者の方が、いちばん取り違えやすいところです。小・中学校と高校では、同じ「30日以上」でも、周りの決まりが違います。
高校の調査に、通信制の区分はありません
報告書の課程別の表(5-4)は、全日制と定時制の2区分です。全日制53,128人(在籍者の1.9%)、定時制14,654人(同20.3%)で、合計が67,782人になります。通信制の欄はありません。
通信制が入っていない理由は、報告書には書かれていません。ただ、数え方と関係がありそうです。調査は指導要録の「欠席日数」欄を使いますが、指導要録の通知(別紙3)では、「出欠の記録」を書くのは全日制と定時制の課程で、通信制の課程は代わりに「出校の記録」(実際に出校した日数)を書くことになっています。この通知が通信制の課程について示している記入事項は、出校日数と備考の2つで、欠席日数はありません。
高校では「30日」と「単位」が別々に動きます
| 項目 | 小・中学校 | 高校(全日制・定時制) |
|---|---|---|
| 進級・卒業の決まり | 各学年の課程の修了や卒業は、平素の成績を評価して定める(施行規則第57条第1項、中学校は第79条で準用)。条文に欠席日数の基準は書かれていない | 74単位以上の修得が卒業の要件(第96条第1項)。単位は科目ごとに認められ、出席の基準は各学校の規程で決まる |
| 欠席中の学習の扱い | 欠席中に行った学習の成果を、成績評価で考慮できる(第57条第2項、中学校は第79条で準用) | 自宅などでの遠隔授業(第88条の3)や、授業に代わる通信教育(第88条の4)で単位を取る道がある。合わせて36単位まで(第96条第2項第2号・第3項) |
| 学校外の学びの出席扱い | 令和元年の通知の別記1・別記2による | 平成21年3月12日付けの別の通知による |
| 教育機会確保法 | 対象 | 法律の「学校」に高校は入っていない |
出典:学校教育法施行規則(e-Gov)/文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(2026年10月4日確認)
多くの高校で進級や卒業を左右するのは、年間の欠席日数の合計よりも、科目ごとに授業を何時間休んだかです。週1コマしかない科目は、数回の欠席で上限に近づくことがあります。「30日まではまだ余裕がある」とも、「30日を超えたらもう終わり」とも言えません。自分の学校の基準の調べ方は、高校 欠席日数と高校 出席日数の記事でくわしく書いています。
令和6年度の調査では、高校の不登校生徒のうち、第88条の3にもとづいて自宅などで遠隔授業を受けた人が全日制で2,050人・定時制で122人、そのうち遠隔授業で単位を修得した人が全日制1,357人・定時制48人でした。第88条の4にもとづいて授業に代えて通信教育を受けた人は全日制370人・定時制46人、単位を修得した人は268人・19人です。実施するかどうかは学校ごとなので、在籍校に聞いてみる価値があります。

保健室登校・登校しぶり・「不登校傾向」は、定義の外にあります
調査の定義は「30日以上の欠席」が入り口なので、次のような状態は、不登校の人数には入りません。下の表は、この記事で整理したものです(公的な分類ではありません)。
| 状態 | 調査の「不登校」に入るか | 補足 |
|---|---|---|
| 欠席が年度で30日未満(登校しぶり、休みがち) | 入らない | 年度の合計が30日以上になれば長期欠席に入り、理由によって区分される |
| 保健室・相談室・別室に登校している | 登校した日は欠席ではないので、その日は数えられないのがふつう | 高校では、登校した日と授業ごとの出席は別に数える |
| 遅刻・早退が多い | 欠席日数ではなく、備考に書く事項(中学校) | 高校での扱いは学校の規程による |
| 教室にはいるが、行きたくない気持ちが強い | 入らない | 外からは見えにくい |
別室登校について、生徒指導提要は「教室に居場所感が持てない児童生徒の避難場所として、また一旦不登校になったものの学校に戻りたいと思った際の通過点として、別室登校を行うことは珍しくありません」と書いています。別室に登校した日を指導要録でどう記録するかを直接書いた文は、今回読んだ通知では確認できませんでした。扱いは学校に確かめてください。高校での単位との関係は、保健室登校とはの記事で整理しています。
「不登校傾向」の人数を推計したのは、民間の調査です
30日未満の層を「不登校傾向」と呼んで人数を推計した調査に、日本財団が2018年に公表したものがあります。中学生の年齢(12〜15歳)の6,500人にインターネットで聞いたもので、年間の欠席が30日未満でも学校になじめていない「不登校傾向にある中学生」は約33万人、全中学生の10.2%と推計されました。調査では、次のような類型に分けています。
- 1週間以上連続して休むなど、一定の期間学校に行っていない(欠席は30日未満)
- 教室外登校:校門・保健室・校長室などには行くが、教室には行かない
- 部分登校:基本的には教室で過ごすが、遅刻や早退が多いなど、授業に参加する時間が少ない
- 仮面登校:教室で過ごしているが、皆と違うことをしている、または心の中では学校がつらい・嫌だと感じている
出典:日本財団「不登校傾向にある子どもの実態調査」(2018年12月12日公表。2026年10月4日確認)
これは2018年に中学生を対象にした民間の調査で、文部科学省の定義ではありません。高校生や小学生に同じ割合が当てはまるかは分かりません。ただ、「30日」の外側にも、学校がつらい子どもがいることを数字で示した調査として、知っておく意味があります。
教育機会確保法の定義には「30日」が書かれていません
不登校には、調査の定義とは別に、法律の定義があります。2016年に成立した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(教育機会確保法)です。
第2条第3号は、不登校児童生徒を「相当の期間学校を欠席する児童生徒であって、学校における集団の生活に関する心理的な負担その他の事由のために就学が困難である状況として文部科学大臣が定める状況にあると認められるもの」と定義しています。その「状況」を定めた省令は、「何らかの心理的、情緒的、身体的若しくは社会的要因又は背景によって、児童生徒が出席しない又はすることができない状況(病気又は経済的理由による場合を除く。)」としています。
| 項目 | 文部科学省の調査 | 教育機会確保法 |
|---|---|---|
| 性格 | 毎年の統計調査 | 法律(第2条第3号)と省令 |
| 日数 | 年度間に30日以上の欠席 | 「相当の期間」。日数は書かれていない |
| 対象 | 小学校・中学校・高校(全日制・定時制) | 小学校・中学校・義務教育学校・中等教育学校の前期課程・特別支援学校の小学部と中学部に通う学齢の児童生徒 |
| 除くもの | 病気・経済的理由 | 病気・経済的理由 |
出典:義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(平成28年法律第105号)/同法第2条第3号の就学が困難である状況を定める省令(平成29年文部科学省令第2号)(e-Gov。2026年10月4日確認)
要因や背景の書き方は、調査の定義とほぼ同じです。違うのは、法律には30日という数字が無いことと、対象が義務教育の段階であることの2つです。
この法律の第13条は、国と地方公共団体が、不登校児童生徒の「休養の必要性を踏まえ」、状況に応じた学習活動が行われるように、本人と保護者に情報の提供や助言などの支援を行うための措置を講ずる、と定めています。調査の概要も、不登校が増えた背景の1つに、この法律の趣旨が広まったことを挙げています。
高校はこの法律の対象ではありません。ただ、高校にも近い言い方の条文があります。学校教育法施行規則第88条の4は、授業に代えて通信教育を行える対象を「学校生活への適応が困難であるため、相当の期間高等学校を欠席し引き続き欠席すると認められる生徒」などと書いています。ここにも、30日という日数は出てきません。
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よくある誤解は5つ。「30日休んだら留年・退学」という決まりはありません
誤解1:30日休んだら、留年や退学になる
30日は調査の線引きで、進級や在籍の基準ではありません。小・中学校の進級と卒業は、施行規則第57条第1項(中学校は第79条で準用)で、児童の「平素の成績を評価して」定めるとされていて、条文に欠席日数の基準は書かれていません。高校は科目ごとの単位で決まり、基準は学校の規程にあります。
令和6年度の調査では、高校の不登校生徒67,782人のうち、原級留置(留年)になった人は2,963人(4.4%)、中途退学に至った人は10,566人(15.6%)でした。30日を超えると自動的にどうなる、という数字ではありません。一方で、少ない数でもありません。高校生は、日数より先に科目ごとの状況を確かめることが大切です。
誤解2:30日に届いていないから、不登校ではない。だから相談するほどではない
調査の人数に入らないだけです。教育機会確保法の定義には日数が書かれていませんし、先ほどの日本財団の調査のように、30日未満でも学校がつらい子どもはいます。日数が少ないうちに学校と話しておくと、選べることが残りやすくなります。
誤解3:連続して30日休まないと、不登校には数えられない
報告書の注は「連続又は断続して」です。週に1〜2日の欠席が続く、いわゆる五月雨登校でも、年度の合計が30日以上になれば長期欠席に入ります。
誤解4:フリースクールなどで出席扱いになれば、不登校の人数から外れる
外れません。報告書の注に、校長が出席扱いとした日数も欠席日数に含めて数える、とあります。令和6年度、小・中学校で学校外の機関等での相談・指導を指導要録上の出席扱いとされた児童生徒は42,978人、自宅でのICT等を使った学習を出席扱いとされた児童生徒は13,261人でした。出席扱いは、本人の学びを学校が認めるための仕組みで、統計の数とは別のものです。
誤解5:不登校は甘えで、本人の問題だ
調査の定義は「登校しないあるいはしたくともできない状況」です。したくてもできない場合を、定義そのものが含んでいます。文部科学省の通知は、不登校の時期が「休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある」と書き、同時に「学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意する」とも書いています。良い・悪いで片づけず、両方を見るという立場です。周りから甘えと言われたときの受け止め方は、不登校 甘えの記事に書いています。
学校に聞くのは4つ。「何日か」より先に「どの欄に何日か」を確かめます
ここまでの内容を、学校への質問の形にまとめます。日数の合計だけを聞くより、内訳を聞くほうが状況がはっきりします。
- 今年度の欠席日数は何日で、出席停止・忌引等の日数は何日ですか。体調不良で休んだ日が、どちらの欄に入っているかも分かります。
- (高校生)科目ごとの欠課時数と、単位が認められなくなる上限は何時間ですか。年間の欠席日数より、こちらが進級に直接関わります。
- 保健室や別室で過ごした日、遅刻・早退した日は、どう記録されていますか。
- 学校の外や自宅での学習は、出席扱いや成績の評価に反映されますか。高校生は、遠隔授業や通信教育で単位を取る仕組み(施行規則第88条の3・第88条の4)を実施しているかを聞きます。
令和6年度の調査では、小・中学校の不登校児童生徒の61.7%(218,246人)が、学校内外の機関等で専門的な相談・指導等を受けていました。受けていない135,724人(38.3%)のうち120,759人は、担任などから週1回程度以上の継続的な相談・指導等を受けています。相談先は、担任だけではありません。養護教諭、スクールカウンセラー、教育支援センターなど、話しやすいところからでかまいません。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
欠席が増えてきた高校生にとって、通信制高校は、毎日の出席・欠席とは違う形で学べる選択肢です。通信制高校の単位は、添削指導(リポート)・面接指導(スクーリング)・試験の3つで修得します。毎日の登校はありませんが、スクーリングへの出席は必要です。文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」では、2025年度の通信制高校の入学者77,998人のうち、44,461人(57.0%)が中学3年生のときに不登校でした(出典)。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも参加でき、担任がつきます。カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、授業のアーカイブ視聴や、中学校の内容の学び直しに対応しています。途中からの入学(転入・編入)ができ、出願費用は無料です。これまでにグループ全体で650名以上の不登校の生徒をサポートしてきました。
そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高は高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校で取ります。
- 学院の中でのスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。スクーリングの形や日程は、個別相談会で聞けます。
- 費用は、通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
- オンライン中心なので、毎日通う場所を求める人には合わない場合があります。
通信制高校やサポート校を比べるときの見方は、通信制高校 選び方のページにまとめています。個別相談会はオンラインで30分・無料で、保護者の方だけでも、カメラとマイクをオフにしたままでも参加できます。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- ステップ1:欠席日数を「欄ごと」に確かめる。学校に、今年度の欠席日数と、出席停止・忌引等の日数を聞きます。
- ステップ2:学校段階に合った決まりを確かめる。小・中学生は、学校外や自宅での学習の出席扱いと成績評価について。高校生は、科目ごとの欠課時数の上限と、遠隔授業・通信教育で単位を取れるかどうかです。
- ステップ3:今の学校で続ける道と、環境を変える道を並べる。高校生なら、別室や遠隔授業を使って続ける、休学する、転校する、といった道があります。転校の条件と手順は高校 転入に、卒業後までを見通した選択肢は不登校 進路にまとめています。
3つとも、何かを決める前の「確かめる」作業です。高校生の場合は、科目ごとの欠課が積み重なっていくので、ステップ2だけは早めに聞いておくと、選べる道が残りやすくなります。


欠席の日数を数える前に、これからの学び方を知っておく
ニジ高は高校ではなく、オンライン中心の通信制高校サポート校です。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。欠席が続いたあとの学び方や費用のことは、個別相談会で聞けます。
よくある質問
Q. 不登校は何日からですか?
A. 文部科学省の調査では、年度間に30日以上欠席した児童生徒のうち、心理的・社会的な要因などで登校しない、またはしたくともできない状況にある人を不登校として数えています(病気と経済的理由は除きます)。ただし、これは統計の線引きです。教育機会確保法の定義は「相当の期間学校を欠席する」で、日数は書かれていません。
Q. 30日は、連続して休んだ日数ですか?
A. 連続でなくてかまいません。報告書の注に「年度間に連続又は断続して30日以上欠席」とあります。4月1日から翌年3月31日までの合計で数えます。
Q. インフルエンザの出席停止や忌引は、30日に入りますか?
A. 入りません。出席停止や忌引は、指導要録では「出席停止・忌引等の日数」という別の欄に書き、欠席日数とは分けて記録します。かぜや体調不良で休んだ日は欠席日数に入りますが、30日以上になった場合は、理由によって「病気」「不登校」などの区分に分かれます。
Q. 保健室登校や別室登校は、不登校に数えられますか?
A. 調査は欠席日数で数えるので、登校した日は欠席には数えられないのがふつうです。保健室登校の日があっても、欠席の合計が30日未満なら調査の不登校には入りません。ただし高校では、登校した日数と授業ごとの出席は別に数えるため、単位については学校に確かめてください。
Q. 高校生や通信制高校の生徒も、同じ定義ですか?
A. 高校の調査も「年度間に30日以上」で数えますが、報告書の課程別の表は全日制と定時制の2区分です。通信制の課程は、指導要録の通知では、欠席日数ではなく出校日数を記録することになっています。また、教育機会確保法の定義は義務教育の段階が対象で、高校は入っていません。
日数は、状態を知るための目盛りです。数え終えたら、次のことを1つ選べます
30日という数字は、国が全国の状況をつかむために引いた線です。あなたやお子さんの価値を測る線でも、将来を決める線でもありません。定義を正確に知ると、「超えたらどうなるのか」という漠然とした不安が、「学校に何を聞けばいいか」という具体的な問いに変わります。
数えていた手をいったん止めて、欠席の内訳を学校に聞いてみる。高校生なら、科目ごとの状況を確かめてみる。今日することは、それだけでかまいません。
そのうえで、今の学校を続ける道も、環境を変える道もあります。材料を並べてから、自分たちのペースで選んでください。
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