鹿児島県で通信制高校を探すとき、最初につまずくのは「県内にどれだけ選べる場所があるのか」が分からないことです。県本土と離島では、通える場所も、行事が止まるリスクも違います。この記事では、鹿児島県教育委員会の入学者選抜実施要綱、鹿児島県立開陽高等学校が公開している学習のてびきと入学案内、文部科学省の通信制高等学校情報発信サイトの掲載データを実際に開いて、確認できたことだけを整理しました。
先に結論を書きます。鹿児島県内にある公立の通信制高校は開陽高校の1校だけで、スクーリングは鹿児島市の本校と、県内14の協力校で受けられます。離島の7地区もその中に入っています。私立は、県内に本校を置く学校が2校あり、そのほかに県外の広域通信制高校が県内に拠点を届け出ています。その数は県内で71か所ありますが、そこでスクーリングまで受けられるのは42か所です。この違いを知らないまま決めると、入学してから通学の負担が想定と変わってしまいます。
学校の名前を並べるだけの記事では、鹿児島で暮らす家庭の判断材料になりません。ここでは、費用、出願の期限、スクーリングの会場と回数、台風で日程が動いたときの実際の連絡のされ方まで、公式に書かれている範囲で書きます。分からなかったことは、分からなかったと書きます。
鹿児島県の学校に毎日通うのが難しい場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です(鹿児島市内の会場で受けられる場合もあります)。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:鹿児島県の通信制高校選びの早見
- 公立は1校だけ。鹿児島県立開陽高等学校(鹿児島市西谷山)の通信制課程が県内唯一の公立通信制で、在籍生徒数は2,322人です(文部科学省の掲載データ)。
- スクーリングは県内15か所で受けられる。本校のほか、県下14の地区協力校が会場になります。種子島・屋久島・大島・喜界・徳之島・沖永良部・与論の島しょ7地区も含まれます。
- 公立の受講料は1単位310円。開陽高校の令和8年度の学習のてびきに書かれた額です。就学支援金などで全部または一部の納入が不要になる制度があります。
- 出願は年2回、学力検査はありません。前期は3月、後期は8月に出願し、選考は書類選考です。転入学は、在籍する高校からの転学照会が出願の前に必要です。
- 私立で県内に本校があるのは2校。屋久島おおぞら高等学校(屋久島町)と神村学園高等部通信制課程(いちき串木野市)です。どちらも全国から生徒を受け入れる広域通信制です。
- 県内の拠点71か所のうち、スクーリングができるのは42か所。残る29か所は学習等支援施設で、そこに通ってもスクーリングは別の会場で受けます。
- 通信制高校に在籍しながら日々の学習と生活を支えてもらうサポート校という選び方もあり、ニジ高もその1つです。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取ります。
鹿児島県で公立の通信制高校は、開陽高校の1校だけです
鹿児島県立開陽高等学校は、平成12年4月に単位制の定時制課程と通信制課程を置く高校として開校し、平成15年4月に全日制課程を加えて谷山の校舎に移りました。通信制課程の学科は普通科と衛生看護科です。衛生看護科に入学する人は、技能連携を行っている准看護学校に在籍していることが条件になります(鹿児島県教育委員会 令和8年度入学者選抜実施要綱)。
文部科学省の通信制高等学校情報発信サイトの掲載データ(令和8年4月1日時点。在籍生徒数は入学式の日の数字と説明されています)で、鹿児島県内に本校を置く通信制高校を数えると3校でした。内訳は次のとおりです。
| 学校名 | 設置者 | 在籍生徒数 | 通信教育を行う区域 |
|---|---|---|---|
| 鹿児島県立開陽高等学校 | 鹿児島県(公立) | 2,322人 | 鹿児島県のみ(狭域) |
| 屋久島おおぞら高等学校 | 学校法人KTC学園(私立) | 10,374人 | 47都道府県(広域) |
| 神村学園高等部通信制課程 | 学校法人神村学園(私立) | 791人 | 47都道府県(広域) |
開陽高校は「狭域」の通信制です。つまり通信教育を行う区域が鹿児島県に限られていて、出願資格も、志願者(20歳未満の場合は保護者も)が鹿児島県内に住所を持っているか、入学日までに県内に住所を持つことが確実だと校長が認めた人、と決められています(開陽高校通信制 出願資格・出願方法)。県外へ引っ越す予定がある場合は、この点を先に確かめておくと安心です。
一方、屋久島おおぞら高等学校と神村学園高等部通信制課程は広域通信制なので、鹿児島県外の生徒も在籍できます。ただし、掲載データを見ると、屋久島おおぞら高等学校が届け出ている通信教育連携協力施設49か所は、仙台・大宮・名古屋・福岡などすべて鹿児島県外でした。鹿児島県内には本校のほかの拠点がありません。神村学園高等部通信制課程の15件(建物でまとめると14か所)も、京都・宮崎・広島・熊本など県外でした。県内から通うなら、スクーリングの会場は本校になります。
熊本市内の拠点を探す場合は、熊本市 通信制高校の記事で区ごとにまとめています。

スクーリングは本校と、県内14の協力校で受けられます
開陽高校の通信制課程の学習は、レポート、面接指導(スクーリング)、試験の3つが柱です。スクーリングの会場は、本校(鹿児島市)と、県下14の地区協力校です。令和8年度 学習のてびきに書かれている14の地区と協力校は次のとおりです。
| 地区 | 協力校 | 所在地 |
|---|---|---|
| 指宿 | 頴娃高校 | 南九州市 |
| 川辺 | 川辺高校 | 南九州市 |
| 川内 | 川内高校 | 薩摩川内市 |
| 出水 | 出水工業高校 | 出水市 |
| 大口 | 大口高校 | 伊佐市 |
| 志布志 | 志布志高校 | 志布志市 |
| 鹿屋 | 鹿屋高校 | 鹿屋市 |
| 種子島 | 種子島高校 | 西之表市 |
| 屋久島 | 屋久島高校 | 屋久島町 |
| 大島 | 大島高校 | 奄美市 |
| 喜界 | 喜界高校 | 喜界町 |
| 徳之島 | 徳之島高校 | 徳之島町 |
| 沖永良部 | 沖永良部高校 | 知名町 |
| 与論 | 与論高校 | 与論町 |
回数も公表されています。本校のスクーリングは前期・後期それぞれ日曜日に8回、月曜日に5回。地区協力校は前期・後期それぞれ日曜日に7回で、島しょ地区は8回です。ほかに、事前の申請がいる水曜日のスクーリング(前期・後期それぞれ6回)もあります。地区スクーリングの授業を担当するのは協力校を含むその地区の先生方で、本校の職員が出張するのは前期・後期それぞれ2回(島しょ地区は1回)と書かれています。
見落とされやすい決まりが2つあります。1つは、本校の生徒は協力校では受講できないこと。もう1つは、協力校の生徒は本校のスクーリングを受けられるものの、登録した協力校以外では受講できないことです。スクーリングの会場は入学時に提出する身上調査書で登録し、変更するときは担任に申し出ます。引っ越しや送迎の事情が変わりそうなら、登録の段階で相談しておくほうが動きやすくなります。
もう1つ覚えておきたいのは、同じ週に日曜・地区・月曜のスクーリングが重なっても、同じ科目は2時間までしか出席として認められないことです。「まとめて出て早く終わらせる」という組み方はできません。レポートも、6月15日・7月15日・7月31日(後期は11月16日・12月16日・12月28日)という最終提出期限が決まっていて、決められた枚数を出していないと試験が受けられず、単位が取れません。

公立の受講料は1単位310円。私立は学校ごとに大きく違います
開陽高校の通信制課程は、受講登録した単位数に応じて、1単位につき310円の受講料がかかります(令和8年度 学習のてびき)。国が高等学校等就学支援金で示している公立通信制の額は1単位336円ですが、開陽高校が案内している受講料はこの310円です。学習のてびきには、就学支援金・学び直し支援金・授業料免除という3つの制度で、受講料の全部または一部の納入が不要になる場合があることも書かれています。
受講料のほかに諸会費があります。学習のてびきの「諸会費の納入方法(入学後2年目以降の生徒)」には、前期入学生は生徒会費3,100円・通信教育振興会費3,000円・諸費3,400円の合計9,500円、在校生は諸費が2,400円で合計8,500円、後期入学生は合計6,450円と書かれています。諸費にはバーコードシール代やレポート・教科書・学習書の送料が含まれます。教科書と学習書の代金は書店へ直接送金する形で、有職の生徒などに無償で給与する制度もあります。
私立の額は学校ごとに違います。神村学園高等部通信制課程が公開している鹿児島本校の基本情報(2026年度)では、受験料10,000円、入学金40,000円(入学時のみ)、施設設備費45,000円(年間・途中入学者も必要)、授業料1単位12,000円、教育充実費145,000円(年間)と示されていました。教科書・教材費・送料、特別活動参加費などは別途とあります。金額の考え方を並べると次のようになります。
| 項目 | 県立 開陽高校(令和8年度) | 私立の一例(2026年度) |
|---|---|---|
| 入学時の費用 | 入学料の記載なし | 受験料10,000円・入学金40,000円 |
| 授業料・受講料 | 1単位310円 | 1単位12,000円 |
| 年間の固定費 | 諸会費 6,450〜9,500円 | 施設設備費45,000円・教育充実費145,000円 |
| 教科書など | 実費(無償給与の制度あり) | 実費(別途) |
私立の授業料は高く見えますが、2026年度の高等学校等就学支援金は私立の通信制で1単位13,668円・年間337,200円までが上限で、所得制限はありません。上の例のように1単位12,000円であれば、1単位あたりの額は上限の範囲に収まります(年間の上限があるので、登録する単位数が多い年はそこも確かめてください)。ただし就学支援金の対象は授業料だけで、施設設備費や教育充実費、サポート校の費用には使えません。詳しい仕組みは通信制高校 学費の記事にまとめています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
出願は年2回。転入は在籍校からの転学照会が先に要ります
開陽高校の通信制課程は、募集定員を特に定めずに前期・後期の年2回募集します。選抜は学力検査ではなく、入学願書と調査書などの記録を総合した書類選考です。令和8年度の日程は次のとおりでした。
| 手続き | 前期入学(4月) | 後期入学(10月) |
|---|---|---|
| 願書の配布 | 2月中旬から | 7月下旬から |
| 転学照会(転入・転籍) | 3月6日〜3月25日正午 | 8月3日〜8月19日正午 |
| 出願の受付 | 3月9日〜3月27日正午 | 8月5日〜8月21日正午 |
| 選考結果の通知 | 4月1日〜4月2日 | 9月3日 |
いちばん見落とされやすいのが転学照会です。全日制や定時制から開陽高校の通信制へ移る転入学は、本人や家庭だけでは手続きができません。在籍している高校の校長が、期間内に転学照会文書・在学証明書・単位修得成績証明書・転学理由書などを開陽高校に提出します。しかも、休学したままの転学照会は受け付けられないと明記されています。転校を考え始めたら、まず今の学校の先生に相談する順番になります。
新入学の場合は志願者が自分で出願し、中学校が作成した調査書が要ります。編入学の場合は、在籍していた高校が作成した単位修得・成績証明書が要ります。どちらも入学願書・身上調査書・誓約書・住民票・作文・健康診断書・写真2枚などを期間内にそろえます。願書は本校の事務室で配布され、郵送を希望する場合は、宛名を書いて320円分の切手を貼った角形2号の返送用封筒を同封して請求します。
もう1つ、合格した後に注意したい点があります。入学者選抜の合格者は本校で受講登録を行い、この受講登録日を欠席すると入学が取り消されることがあると案内されています。離島や県本土の遠い地域から向かう場合は、船や飛行機の予定も含めて日程を確保しておきたいところです。
令和9年度(2027年4月入学)については、鹿児島県教育委員会が2026年4月10日に令和9年度公立高等学校入学者選抜日程を公表していますが、そこに通信制課程の日程は載っていません。2026年9月23日の時点で、令和9年度の入学者選抜実施要綱も公表を確認できませんでした。上の日程は令和8年度のものなので、実際の出願時期は開陽高校(099-263-3733)にご確認ください。

県内の拠点71か所のうち、スクーリングができるのは42か所です
「鹿児島にキャンパスがある通信制高校」を数えると、まとめサイトによって数がばらつきます。文部科学省の掲載データで、住所が鹿児島県内にある通信教育連携協力施設を数え直すと71か所でした(届け出の件数です。同じ建物に複数の高校が届け出ているものを1か所にまとめると53か所、うちスクーリングができる場所は33か所です)。その内訳は、面接指導等実施施設が42か所、学習等支援施設が29か所です。
この2つは名前が似ていますが、役割が違います。面接指導等実施施設は、そこでスクーリング(面接指導)を受けられる建物です。学習等支援施設は、日々の学習の相談や自習はできますが、スクーリングはそこでは受けません。本校や別の会場に行くことになります。パンフレットで「キャンパス」と書かれていても、どちらなのかは書き分けられていないことがあります。
市町村別にみると、鹿児島市が37か所(建物でまとめると23か所)と大きく偏っています。次いで薩摩川内市5か所、鹿屋市4か所、奄美市4か所、霧島市3か所。残りの18か所は、南九州市・姶良市・屋久島町など15の市町村に1〜2か所ずつです。県本土の南薩・北薩や大隅、そして離島では、自宅から無理なく通える拠点が1か所あるかどうか、という状況になります。
鹿児島市内の拠点を、同じ建物をまとめて場所ごとに数え直した一覧と、開陽高校への通い方は、鹿児島市 通信制高校の記事で整理しています。
面接指導等実施施設42か所のうち14か所は、先に挙げた開陽高校の地区協力校です。残る28か所は、県外に本校を置く広域通信制高校が県内に届け出た会場で、専門学校や大学の施設を使っているものが目立ちます。たとえば鹿児島市の専門学校や大学のキャンパスが、複数の広域通信制高校の面接指導等実施施設として登録されています。集中スクーリングの時期だけそこに通う、という通い方になります。スクーリングの回数や日数の目安は通信制高校 スクーリング 日数の記事で整理しています。
鹿児島で通えるサポート校は、提携する通信制高校とセットで選びます
サポート校は高校ではありません。高校の卒業資格は、あくまで在籍する通信制高校で取ります。サポート校は、その通信制高校の学習を進めるための毎日の居場所や学習支援を担う民間の施設です。文部科学省のデータでは、多くが学習等支援施設として届け出られています。鹿児島県内の学習等支援施設29か所から、施設名と連携する通信制高校が掲載データで確かめられたものを挙げます。
| 施設名 | 市町村 | 連携する通信制高校 |
|---|---|---|
| かごしま中央高等学院 | 鹿児島市 | 沖縄中央高等学校・中央国際高等学校 |
| 桜心高等学院 | 鹿児島市 | 八洲学園大学国際高等学校 |
| そらひフリースクール | 姶良市 | 八洲学園大学国際高等学校 |
| スタディルーム高等部 | 鹿屋市 | 八洲学園大学国際高等学校 |
| そよ風学舎鹿児島校 | 鹿児島市 | やまと高等学校 |
| MINE奄美キャンパス | 奄美市 | 鹿島朝日高等学校・鹿島山北高等学校 |
たとえば、かごしま中央高等学院は自らを通信制高校サポート校と明記していて、鹿児島中央駅から徒歩3分の場所にあり、週5日通学・週2日通学・在宅などのコースを公表しています(2026年9月確認)。このように、サポート校を選ぶときは「どの通信制高校と組むのか」「そこに通えば単位が取れるのか、スクーリングは別の会場なのか」「週に何日通うのか」の3つを最初に確かめると、後から驚くことが減ります。選び方の観点は通信制サポート校 選び方の記事にもまとめています。
費用についても、サポート校の分と通信制高校の分は別々にかかります。就学支援金が使えるのは通信制高校の授業料だけで、サポート校の費用には使えません。見学のときに、両方を足した年額を紙に書いてもらうと比べやすくなります。

台風と船の欠航が、鹿児島の通信制では現実的な障害になります
これは鹿児島ならではの話です。開陽高校は2026年9月3日に、9月6日に予定していた前期追試験について、台風24号の影響が心配されるため島しょ地区(種子島・屋久島・大島・喜界・徳之島・沖永良部・与論)のみ中止するとお知らせを出しました。ほかの地区は実施予定とされています。
連絡のされ方も独特です。中止の場合は当日の朝6時30分までにホームページと安心・安全メールで知らせるが、実施の場合は何も掲載しない、と案内されています。つまり、何も出ていない日は「予定どおり」という意味です。早朝に自分で確認する習慣が要ります。
ここから分かることは、離島や半島部に住んでいる場合、スクーリングと試験の日程は天候に左右される前提で考えたほうがよい、ということです。地区スクーリングの回数は前期・後期それぞれ7回(島しょ地区は8回)しかないので、1回の中止が単位の見通しに響きます。体調の波がある生徒にとっては、この「動かせない日が年に十数回ある」という形が合うかどうかが、学校選びの分かれ目になります。
逆にいえば、県内14の協力校があることで、離島から鹿児島市まで毎回出てくる必要はありません。通学の距離という意味では、会場が県内に分散している設計です。宿泊をともなう移動が必要かどうかは、登録する会場によって変わるので、学校に直接聞いて確かめてください。公式資料からは、離島の生徒に宿泊費や旅費の補助があるかどうかは確認できませんでした。
よくある誤解:キャンパスがある=そこでスクーリングできる、ではありません
鹿児島の家庭からよく出る勘違いを3つ挙げます。
1つ目は、先ほどの拠点の話です。県内71か所のうち29か所は学習等支援施設で、そこに通ってもスクーリングは別の場所で受けます。「家から近いキャンパスがあるから安心」と決めてしまうと、集中スクーリングのときに県外や本校へ行くことになって慌てます。願書を出す前に、その学校の情報公開ページで面接指導等実施施設がどこかを見ておくと確実です。
2つ目は、公立のほうが通いやすいとは限らないことです。開陽高校の受講料は1単位310円で費用は抑えられますが、日曜日のスクーリングに年十数回、決まった日に出る形になります。一方、私立の広域通信制やサポート校には週1日から週5日まで通学日数を選べるところがあり、生活のリズムに合わせやすいことがあります。費用と通いやすさは、別の軸で考えるほうが失敗が減ります。
3つ目は、「通信制は少数派」という思い込みです。文部科学省の令和7年度通信制高等学校実態調査(2026年8月31日公表)によると、通信制高校の在籍生徒数は全国で306,711人、2025年度の入学者77,998人のうち中学3年生のときに不登校だった生徒は44,461人で57.0%でした。学校に行けなかった経験のある生徒が、いまの通信制の多数派です。開陽高校の通信制課程に2,322人が在籍していることも、鹿児島で珍しい進路ではないことを示しています。
不登校や体調の相談は、学校を決める前でも受けられます
「どの学校にするか」より先に、いまの状態を誰かに話したほうがよい時期もあります。鹿児島県教育委員会は不登校支援ガイドで、県の相談機関を一覧にしています。公開されている主なものを挙げます。
県総合教育センター教育相談課(鹿児島市宮之浦町862)は、24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310 と、かごしま教育ホットライン24 0120-783-574 を24時間受け付けています。かごしま教育ホットライン24は携帯電話からはつながらないと明記されているので、そこだけ注意してください。来所相談は月曜から金曜の午前8時30分から午後5時まで、事前予約(099-294-2788)が必要です。
ひきこもりや進路の悩みを含めて幅広く話したいときは、かごしま子ども・若者総合相談センター(鹿児島市鴨池新町1番8号、099-257-8230)が火曜から日曜の午前10時から午後5時まで受け付けています。発達の特性に関する相談は、県こども総合療育センター(099-265-2400。中学卒業までのこどもが対象と書かれています)と、併設の県発達障害者支援センター(099-264-3720。ライフステージに応じた相談に対応)が窓口です。
同じガイドには、市町村が設置する教育支援センターが55か所、県教育委員会が条件を確かめたフリースクール等が22件、名前と電話番号つきで載っています。小中学生の段階なら、在籍校での出席認定や成績評価の対象になる場合があることも書かれています。高校生の弟妹がいる家庭や、中学生のうちから進路を考えている家庭には役立つ一覧です。小中学生のオンラインの学び場としては、ニジ高の姉妹事業であるNIJINアカデミーもあります。
開陽高校の通信制課程でも、本校の職員による教育相談を行っています。案内についている申込書を出すか、電話で申し込む形です。在籍していない段階でも進路の相談に応じてもらえるかは公式には書かれていないため、まずは学校に問い合わせてみてください。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
鹿児島県内の学校を見たうえで、それでも「毎週決まった日に決まった場所へ行く」という形が難しいなら、オンライン中心のサポート校という選び方があります。NIJIN高等学院(ニジ高)は、全国どこからでも、担任制でオンラインから通える通信制高校サポート校です。カメラとマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。メタバースの校舎で担任や同級生が集まるクラス会議の時間もあります。生活リズムに波があっても続けられるよう、中学内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。
正直な注意点を先に書きます。ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。鹿児島市内の会場で受けられる場合もありますが、形や日程は個別相談会で確かめてください。宿泊をともなうスクーリングに、ニジ高のスタッフが付き添うことはありません。ニジ高がするのは日程の調整と準備の支援です。費用も、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内をご覧ください。
そのうえで、ニジ高が力を入れているのは、通信制で足りなくなりやすい人とのつながりです。1クラス8人の少人数で、生徒会・サークル・学園祭があり、行事は生徒が企画する側に回れます。企業や地域と関わる社会共創プロジェクト、総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座もあります。発達特性や障害については、本人を変えるのではなく、学びの構造や環境を変えることで支援するという考え方を取っています。診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。
これまでに、グループ全体で650名以上の不登校の生徒をサポートしてきました。姉妹事業のNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)全体では、累計入学者は約1,000名、現在の在籍は500名超です。ニジ高の生徒は、相談のうえでNIJINアカデミーの全国のリアルの教室に通うこともできます。転入・編入は途中の時期でもでき、出願費用はかかりません。ほかの通信制高校に在籍したまま、ニジ高を併用するという使い方もできます。
鹿児島で迷ったときの進め方(3ステップ)
ステップ1:通える範囲に会場があるかを地図で確かめる。開陽高校なら、上の表で自分の地区の協力校を見てください。私立や広域通信制を見るときは、その学校の情報公開ページで面接指導等実施施設がどこにあるかを確かめます。学習等支援施設しか近くにない場合は、集中スクーリングの行き先と日数を先に聞きます。
ステップ2:年間にかかるお金を、2つに分けて書き出す。1つは高校に払うお金(入学金・授業料または受講料・諸会費・教科書代)、もう1つはサポート校に払うお金です。そのうえで、就学支援金が使えるのは高校の授業料の部分だけだと確かめます。公立と私立で桁が変わるので、紙に書くとすぐ分かります。
ステップ3:本人が動ける日数を、正直に見積もる。週5日は無理でも月2回なら出られるのか、家から出ること自体がいまは難しいのか。ここを正直に見積もらないと、どの学校を選んでも同じところでつまずきます。難しければ、まず県の相談窓口に電話して、いまの状態を誰かに話すところから始めてかまいません。
この3つが決まれば、候補はだいたい2〜3校に絞れます。そこまで来たら、学校見学や個別相談で、ここまで挙げた点を1つずつ確かめてください。進学や転居で県をまたぐ可能性があるなら、宮崎 通信制高校と、離島からの通学事情が近い沖縄 通信制高校の記事も、同じ見方で整理してあります。


鹿児島から通える形が見つからないとき、オンラインという選び方もあります
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラとマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、転入・編入も途中の時期にできます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。鹿児島市内の会場で受けられる場合もあります。
よくある質問
A. 1校です。鹿児島県立開陽高等学校の通信制課程が県内唯一の公立通信制で、鹿児島市西谷山にあります。学科は普通科と衛生看護科で、在籍生徒数は2,322人です(文部科学省の掲載データ、令和8年4月1日時点)。衛生看護科は、技能連携を行っている准看護学校に在籍していることが条件です。
A. 開陽高校の場合、種子島・屋久島・大島・喜界・徳之島・沖永良部・与論の各地区に協力校があり、日曜日にその協力校でスクーリングを受けられます。島しょ地区は前期・後期それぞれ8回です。ただし、台風などで中止になることがあり、2026年9月には島しょ地区のみ追試験が中止になりました。宿泊費や旅費の補助があるかどうかは公式には確認できなかったので、学校に直接お尋ねください。
A. 開陽高校の通信制課程への転入学は、本人や保護者だけでは手続きできません。在籍している高校の校長が、決められた期間内に転学照会を行う必要があります。休学したままの転学照会は受け付けられないとも明記されています。まずは今の学校の担任や進路の先生に、転校を考えていることを伝えてください。
A. 開陽高校の受講料は1単位310円で、年間の諸会費は6,450円から9,500円です。私立の一例では、授業料が1単位12,000円、年間の施設設備費と教育充実費が合わせて190,000円でした(2026年度・公開資料)。ただし2026年度の就学支援金は私立の通信制で1単位13,668円・年間337,200円まで、所得制限なしで支給されるため、授業料の部分は支援金でまかなえる場合があります。対象は授業料だけで、サポート校の費用には使えません。
A. できません。サポート校は高校ではないので、高校の卒業資格は在籍する通信制高校で取ります。卒業の条件は、3年以上の在籍、74単位以上の修得、特別活動30単位時間以上の3つです。サポート校はその学習を支える役割なので、費用も通信制高校の分と両方かかります。ニジ高も同じで、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。
いま決めなくて大丈夫です。鹿児島で選べる道は、思っているより多い
鹿児島県は、離島を含めて14の協力校でスクーリングを受けられる県です。県立が1校しかないと聞くと選択肢が少なく思えますが、実際には県内71か所の拠点があり、オンライン中心の学び方も加えれば、組み合わせはもっとあります。いまの学校がつらいからといって、進路がなくなるわけではありません。
まずは、通える会場がどこにあるのかを地図で見て、年間にかかるお金を紙に書いて、本人が動ける日数を正直に見積もる。その3つだけで十分です。答えが出るまでに何か月かかってもかまいません。台風で予定が飛ぶ土地に暮らしているなら、計画が崩れることにも慣れているはずです。
誰かに話したくなったら、県の相談窓口でも、学校でも、私たちのような場でもかまいません。話す相手を1人増やすところから始めてください。

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