ディスレクシアでも高校は卒業できる?|音声教材・入試・共通テストの配慮【2026】

「板書を写すだけで授業が終わってしまう」「テストの問題文を読むのに時間がかかって、最後まで解けない」。ディスレクシア(読み書きの困難)のあるお子さんが高校生活で直面しやすいのは、こうした場面です。本人は人一倍がんばっているのに、「やる気がない」と誤解されてしまうこともあります。

先に結論を書くと、ディスレクシアがあっても、高校を卒業する道はあります。鍵になるのは「読む・書く」を別の手段に置きかえられる環境かどうかです。教科書を音声で聞ける音声教材は原則無償で、申請に医師の診断書は必須ではありません。一方で、大学入学共通テストの配慮には診断書が要ります。何に何が必要かを分けて知っておくと、準備の順番が見えてきます。

この記事は、文部科学省の音声教材Q&A・学校教育法(e-Gov)・高校入試の配慮に関する参考資料・通信制高校の実態調査、大学入試センターの「令和9年度 受験上の配慮案内」を実際に開いて確認した内容で、読み書きの困難に絞って整理しています。学習障害(LD)全般については学習障害 高校の記事にまとめています。

今の高校に通い続けるのが難しい場合や、読み書きの負担が少ない学び方を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。

目次

結論:ディスレクシアと高校選びの早見

  • ディスレクシアは知的な遅れではなく、「読む・書く」に特に大きな困難がある状態です。文部科学省の調査では、高校の通常の学級で担任が「読む」又は「書く」に著しい困難があると答えた生徒は0.6%でした(令和4年・診断ではなく担任の回答)。
  • 2024年4月1日から、私立高校を含む学校で合理的配慮の提供が法的義務になりました。配慮は本人・保護者の申し出から始まります。
  • 教科書を音声で聞ける音声教材は原則無償。申請に医師の診断書は必須ではなく、年度の途中からでも使えます(文部科学省Q&A)。
  • 高校にも学校教育法第34条が準用され、発達障害などで紙の教科書が使いにくい生徒は、教育課程の全部又は一部で、紙の教科書に代えてデジタル教科書で学ぶことができます。
  • 公立高校の入試では、令和4年度に3,752人が受検上の配慮を受け、ルビ振り415件・読み上げ62件・ICT機器の使用36件の例があります。申請は中学校を通します。
  • 令和9年度の共通テストで、発達障害の区分の主な配慮事項の例は5つ(試験時間1.3倍・チェック解答・拡大文字問題冊子・注意事項の文書伝達・別室)。例以外も申請できます。第2期の申請は2026年10月2日(金)必着です。
  • 一人で続けるのが不安なときは、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)を使って通信制高校の卒業をめざす方法もあります。
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ディスレクシアは「読み書きだけ」が極端に重い状態で、努力不足ではありません

ディスレクシア(発達性読み書き障害)は、聞く・話す・考える力に大きな遅れがないのに、文字を読む・書くことに著しい困難がある状態を指して使われる言葉です。国の教育の整理では、学習障害(LD)の中の「読む」「書く」の困難にあたります。

文部科学省の「障害のある子供の教育支援の手引」は、学習障害を「全般的に知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論するといった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力」の習得や発揮に困難がある状態と説明しています。気づきのサインとして、音読での読み間違いや読み飛ばし、拾い読み、書くのに時間がかかる、板書のときに何度も黒板を見る、といった様子が挙げられています(文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」Ⅸ 学習障害)。

同じ手引には、英語は日本語に比べて表記と読みの対応が複雑で不規則な表記が多く、読み書きの困難が目立ちやすいという指摘もあります。中学までは何とか乗り切れていたのに、高校で英語と長文が増えて急につまずく、というのは珍しいことではありません。

数字も確認しておきます。文部科学省が令和4年12月に公表した調査では、担任が「著しい困難を示す」と答えた割合は次のとおりでした。

  • 小学校・中学校:「読む」又は「書く」に著しい困難 3.5%
  • 高等学校:「読む」又は「書く」に著しい困難 0.6%

出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(概要)」令和4年12月。この数字は医師の診断ではなく担任の回答によるもので、高校は全日制・定時制の公立校が対象です。調査結果に付けられた有識者会議の考察でも、小中学校と高校は切り分けて考える必要があるとされています。

有病率そのものについて、国が公式に示した統一の数字は、今回の確認では見つかりませんでした。数字の大小よりも、「本人の努力の問題ではない」と周囲が理解することのほうが、高校生活では効いてきます。

イヤホンを着けて机の前で音声を聞く高校生
読みに時間がかかる人は、音声で内容をつかむ方法も選べます

高校でつまずきやすいのは板書・テスト・英語・提出物。場面ごとに「代わりの手段」があります

ディスレクシアの現れ方は一人ひとり違います。文字を音にするのに時間がかかる人もいれば、形を覚えて書くのが難しい人もいます。そのため「これさえすれば大丈夫」という一律の正解はありませんが、高校生活で困りやすい場面はある程度決まっています。

授業中の板書・ノートテイク

黒板の文字を目で追いながら手を動かして写す作業は、読み書きに困難があると人一倍の時間と集中力を使います。写すことで力を使い切ってしまい、肝心の授業内容が頭に入らないこともあります。

定期テスト・入試

問題文を読むのに時間がかかり、理解する前に試験時間が終わってしまうことがあります。記述問題では、答えが頭の中で分かっていても、文字にするのに時間がかかります。

音読・プレゼンテーション

人前で文章を読み上げる場面は、特に緊張が高まりやすい場面です。「うまく読めなかったらどうしよう」という不安が、学校に行くこと自体への抵抗感につながることもあります。

提出物・課題の期限

レポートや宿題に人一倍時間がかかるため、同じ期限に合わせようとして睡眠不足や疲労が続くことがあります。「間に合わない自分がダメなのだ」と自分を責めてしまう生徒も少なくありません。

文部科学省の手引は、こうした困難に対して「別の方法で代替する」「他の能力で補完する」配慮を挙げています。場面ごとに整理すると次のようになります。

場面起きやすいこと代わりの手段の例
板書写すだけで授業が終わるタブレットで板書を撮影、写す部分の色分け、パソコン入力
教科書を読む読むのに時間がかかり内容が入らない音声教材・デジタル教科書の読み上げ、ルビ、文字の拡大
テスト最後まで読み切れない時間延長、問題文の読み上げ、拡大した問題用紙、別室
書く課題漢字や綴りで止まるキーボード入力、音声入力、フリック入力、口頭での評価
音読人前で読むのがつらい音読する箇所の予告と練習時間、スリット(読む行だけ見える道具)

出典:文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」Ⅸ 学習障害の配慮例をもとに整理。どの手段が合うかは人によって違うため、試しながら選ぶことが勧められています。

読み書きの困難は、「サボっている」と見られやすいのがつらいところです。学校を休みがちになったり、行き渋りが強くなったりする背景に、読み書きの負担が隠れていることもあります。

配慮は「お願い」ではなく制度です。2024年4月から私立高校も義務になりました

「配慮してもらえるかどうかは学校次第」と思われがちですが、今は法律と制度で根拠がはっきりしています。

障害者差別解消法の改正により、2024年(令和6年)4月1日から、事業者による合理的配慮の提供が義務になりました(それまでは努力義務)。私立高校も対象です(内閣府「改正障害者差別解消法が施行されました」)。本人・保護者から配慮を求める意思が伝えられたとき、学校は過重な負担にならない範囲で対応することが求められます。

高校では、2018年度(平成30年度)から「通級による指導」が制度化されています。在籍校に籍を置いたまま、特性に応じた指導を受けられる仕組みです。ただし、前述の文部科学省の調査では、高校で「学習面又は行動面で著しい困難を示す」とされた生徒のうち、通級による指導を受けているのは推定5.6%、「個別の指導計画」を作成しているのは推定10.8%にとどまっていました。制度はあっても、使われているとは限らないのが高校の現状です。

だからこそ、困りごとを学校に伝えることが出発点になります。診断名がまだない段階でも、「板書が写しきれない」「問題文を読むのに時間がかかる」と具体的に伝えることはできます。

※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

学校での合理的配慮は診断名がなくても相談でき2024年4月から私立も義務、音声教材は原則無償で診断書は必須ではない、大学入学共通テストの配慮には令和9年度様式の診断書と状況報告書が必須であることを並べた図
出典:内閣府、文部科学省「音声教材に関するQ&A」、大学入試センター「令和9年度 受験上の配慮案内」

教科書は「聞いて読む」ことができます。音声教材は原則無償で、診断書は必須ではありません

読み書きに困難がある高校生にとって、いちばん身近な支えになるのが音声教材と学習者用デジタル教科書です。名前が似ていますが、根拠も入手方法も違います。

音声教材:教科書バリアフリー法にもとづく教材

文部科学省は、発達障害などで通常の教科書の文字や図形を認識することが困難な児童生徒向けに、パソコンやタブレットで使う音声教材を製作団体に委託しています。令和8年度は4団体が受託し、原則として無償で提供しています。高等学校用の発行状況一覧(令和8年4月現在)も公開されています(文部科学省「音声教材」)。

文部科学省の音声教材に関するQ&Aには、次のように書かれています。

  • 申請に医師の診断書・意見書は必須ではない。教員や特別支援の担当者の判断で申請することもできる(質問8)
  • 通常学級に在籍していても使える(質問2)
  • 合わなければ別の団体の教材に変えられ、年度の途中からでも使い始められる(質問13)
  • 再生する端末(パソコン・タブレットなど)は個人や学校で用意する(質問11)

学習者用デジタル教科書:学校教育法第34条

学校教育法第34条第3項は、視覚障害や発達障害などで紙の教科書を使って学ぶことが困難な場合に、文字の拡大や音声への変換などで学習上の困難を減らす必要があるときは、教育課程の全部又は一部で紙の教科書に代えてデジタル教科書を使えると定めています。この規定は第62条で高等学校にも準用されています(e-Gov 学校教育法/文部科学省「学習者用デジタル教科書に関する法令の概要」)。

項目音声教材学習者用デジタル教科書
何か教科書を音声・拡大などで使える教材紙の教科書と同じ内容のデジタル版
根拠教科書バリアフリー法学校教育法第34条(高校は第62条で準用)
費用原則無償(端末は各自・学校で用意)学校・教科書による
申し込み製作団体へ(個人・学校から)学校が採用・導入する
診断書必須ではない法令上の要件としては書かれていない

出典:文部科学省「音声教材」「音声教材に関するQ&A」「音声教材の提供申請について」、e-Gov 学校教育法(2026年9月22日確認)。デジタル教科書が自分の学校・教科で使えるかは、在籍校に確認してください。

音声教材を作っている団体と教材名は、日本障害者リハビリテーション協会の「マルチメディアデイジー教科書」、東京大学先端科学技術研究センターの「AccessReading」、茨城大学の「ペンでタッチすると読める音声付教科書」、広島大学の「UD-Book教科書」などです(申請先は文部科学省「音声教材の提供申請について」)。

高校入試でも読み上げ・ルビ・ICTの配慮例があります。申請は中学校を通します

これから高校を選ぶ中学生の家庭にとって、気になるのが入試です。文部科学省は、都道府県教育委員会が配慮を行う際の参考資料をまとめています(文部科学省「高等学校入学者選抜における受検上の配慮に関する参考資料」令和4年12月)。

その中にある令和4年度の公立高校入試の状況では、障害のある生徒で実際に配慮を受けたのは3,752人でした。読み書きに関係する主な配慮は次のとおりです。

  • 問題文等へのルビ振り:415件
  • 解答方法は変えず、試験時間の延長のみ:257件
  • 拡大文字問題冊子の配布:171件
  • 問題文等の読み上げ(音声も含む):62件
  • ICT機器(PC・タブレット等)の使用:36件

同じ資料には、学習障害のある生徒の事例も載っています。読字の困難がある生徒は、中学校でデイジー教科書を使って学んでいたことを踏まえ、入試では別室で教員による読み上げを受け、読む部分だけが見えるスリットの使用も認められました。書字の困難がある生徒は、別室でタブレット端末のワープロ機能を使って解答しています(漢字の書き取りと作図は紙で解答)。

どちらの事例も、本人・保護者と中学校で相談し、中学校長から申請しています。入試の配慮は「中学校で実際にやってきた配慮」が土台になるため、中学生のうちから、使っている支援を学校と共有しておくことが大切です。小中学生の学び方や居場所に迷っている場合は、小中学生のためのオルタナティブスクールNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のような選択肢もあります。

通信制高校の入試は、学力検査の比重が小さい傾向があります。文部科学省の令和7年度通信制高等学校実態調査では、323校のうち面接を行う学校が296校、書類が230校、作文・小論文が154校で、学力検査を行うのは91校でした(複数回答。文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」)。作文や面接での配慮が受けられるかは、学校ごとに確認してください。

障害のある中学生の進学先全体を比べたい場合は、発達障害 高校進学の記事も参考になります。

罫線ノートの上にペンを持つ手と、色つきの透明シートと定規
色つきシートや定規など、読み書きを助ける道具は身近にもあります

共通テストの発達障害の区分で、主な配慮事項の例は5つ。令和9年度は第2期の申請が10月2日まで

高校の先に大学進学を考えているなら、共通テストの配慮は早めに知っておきたいところです。大学入試センターの「令和9年度 受験上の配慮案内」で、発達障害(学習障害を含む)の区分の「主な配慮事項の例」は次の5つでした。例以外の配慮も申請できます。

配慮内容ポイント
試験時間延長(1.3倍)マークシート解答・チェック解答で延長読み書きの困難を示す検査結果があれば診断書と一緒に出す。1.5倍は追加の資料が要る
チェック解答マークを塗る代わりにチェックで答える別室で受ける
拡大文字問題冊子14ポイント(1.4倍)か22ポイント(2.2倍)一般の冊子は10ポイント。22ポイントはUDフォントで別室
注意事項等の文書による伝達口頭の注意を文書でも伝える聞き取りが苦手な場合に
別室の設定一般の試験室とは別の部屋で受ける理由を状況報告書に書く

出典:大学入試センター「令和9年度 受験上の配慮案内」/令和9年度 受験上の配慮Q&A(2026年9月22日確認)

注意したいのは、共通テストの発達障害の区分の例には、高校入試で見られる「問題文の読み上げ」や「パソコン・タブレットでの解答」は含まれていないことです。配慮案内の区分表には例として上の5つが並び、「人による問題文等の読み上げ」は事前相談が必要な配慮事項に挙がっています。読むことの困難に対しては、主に時間延長と拡大文字で対応する形になります。音読という場面での見え方と、学校に頼める配慮は音読 苦手 高校生で整理しています。

必要な書類と時期

  • 必須は3点:「受験上の配慮申請書」「診断書(発達障害関係)」「状況報告書」。令和9年度の様式でなければ使えません
  • 状況報告書には、高校での配慮の実施状況を書きます。「個別の指導計画」「個別の教育支援計画」があれば写しを添付します
  • 高校で配慮を受けていなくても、必要に応じて申請できます。審査は個々の状態を総合的に判断します
  • 申請は郵送のみ。第1期は2026年7月1日〜8月28日(必着)、第2期は8月31日〜10月2日(金)必着(または9月30日消印有効)。第2期の審査結果は11月下旬に通知されます
  • 試験は令和9年(2027年)1月16日(土)・17日(日)です

高校で配慮を受けた記録(状況報告書・個別の指導計画)が、共通テストの申請でも生きてきます。高校1・2年のうちから、使っている配慮を学校に記録してもらっておくと、高3の夏に慌てずにすみます。通信制高校からの出願方法は、共通テスト出願 通信制の記事で整理しています。

※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

通信制高校323校のうち、現代の国語の添削課題を紙だけで回答する学校が206校、オンラインだけが83校、紙とオンラインの併用が34校であることを示す図
出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」

通信制高校が合いやすいのは「書く量」と「時間」を調整しやすいから。ただしレポートの形式は学校で違います

通信制高校の学びは、レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験の3つで単位を取る仕組みです。一斉授業で板書を写し続ける場面が少なく、自分のペースで読み直したり、動画を何度も見返したりしやすいのは、読み書きに時間がかかる生徒にとって大きな利点です。

  • 時間がかかること自体が問題になりにくい。レポートは期限までに自分のペースで仕上げる形が中心です
  • 周囲と比べられにくい。読む速さ・書く速さを人前で比べられる場面が少なくなります
  • ICTを使いやすい。オンラインでの学習やWebでの提出を取り入れている学校では、読み上げや音声入力を自然に使えます

ただし、レポートの提出形式は学校によって大きく違います。文部科学省の令和7年度通信制高等学校実態調査で、「現代の国語」の添削課題の回答方法を見ると、323校のうち紙だけで回答する学校が206校、オンラインだけの学校が83校、紙とオンラインの併用が34校でした(自校制作・市販教材・その併用の各区分を合計)。手書きの負担が大きい生徒にとっては、ここが学校選びの分かれ目になります。

レポートの中身や難しさのイメージは、通信制高校 レポートの記事で紹介しています。

学校選びでは、「配慮できます」より具体的な方法を聞きます

パンフレットの「配慮に対応しています」という一文だけでは、実際に何をしてもらえるのかは分かりません。個別相談や見学で、次の点を具体的に聞いておくと入学後のずれを防ぎやすくなります。

確認すること聞き方の例
レポートの形式紙だけか、Webで提出できるか。キーボード入力や音声入力で書いてよいか
教科書の読み方音声教材やデジタル教科書を使ってよいか。申請を学校が手伝ってくれるか
試験での配慮時間延長・ルビ・拡大・別室・読み上げは相談できるか。これまでの例はあるか
相談の窓口担任や特別支援教育の担当者に、困りごとを継続して相談できるか
記録と進路配慮の記録や個別の指導計画を残してもらえるか。共通テストの配慮申請を手伝ってもらえるか

今の高校から通信制高校へ移る場合は、「転入」なら前の学校の単位と在籍期間を引き継げます。違いと時期は転入 編入 違いの記事で確認できます。

「治る」とうたう情報には注意。支援は困難を減らすための方法です

ディスレクシアについて調べていると、「このトレーニングで読み書き障害が治る」「特定のサプリメントで改善する」といった広告や体験談を目にすることがあります。こうした強い言い切りを見かけたときほど、一度立ち止まってください。

音声教材やICTの活用、試験時間の延長などは、読み書きの困難を別の方法で補い、負担を減らすための配慮です。文部科学省の手引も、代替手段を使えることを本人が実感し、自分に合った方法を選べる力を育てることを大切にしています。

診断や医学的な見立て、トレーニングの効果については、この記事では判断しません。気になる情報に出会ったら、発信元が公的機関か、医療の専門家が関わっているかを確かめ、主治医や専門機関に相談してください。

家庭でできる工夫は「責めない」と「道具を試す」。迷ったら専門の窓口へ

学校の配慮とあわせて、家庭でも取り入れやすい工夫があります。

  • 授業の板書を写真で撮らせてもらえないか、学校に相談してみる
  • 音声教材(マルチメディアデイジー教科書など)のサンプルを一緒に試してみる
  • 読み上げアプリや音声入力を、宿題やレポートに取り入れる
  • 「読めない・書けない=努力不足」ではないことを、家族の中で共有する
  • 得意なこと・好きなことに取り組む時間を大切にする

すべてを家庭で抱え込まず、学校や専門機関と役割を分けていくほうが、長い目で見て本人にも家族にも負担が少なくなります。相談先の目安をまとめました。

状況相談先の例
読み書きの困難が続き、生活への影響が大きい発達障害者支援センター、医療機関(児童精神科・小児神経科など)
学校での配慮の受け方を相談したい在籍校の特別支援教育コーディネーター、スクールカウンセラー
音声教材を使いたい在籍校、または音声教材の製作団体
共通テストの配慮を知りたい在籍校の進路指導担当、大学入試センター

出典:国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害者支援センター・一覧」/発達障害情報・支援センターほか。発達特性のある高校生が使える手当や医療費の制度は、発達障害 高校生 手当の記事にまとめています。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。ニジ高は、発達特性や障害を、本人を変えるのではなく学びの構造や環境を変えることで支援するという新しいアプローチを取っています。

  • 授業はオンラインが中心で、全国どこからでも参加できます。担任制です
  • カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。人前での音読がつらい生徒も、まず文字や音声の出し方を選べます
  • 授業のアーカイブを見返せるので、聞き逃したところを自分のペースで確認できます。中学内容の学び直しにも対応しています
  • 公式サイトにあるとおり、1クラスは8人です。生徒会・サークル・学園祭・企業コラボなど、読み書き以外の力を発揮できる場もあります
  • 途中からの入学(転入・編入)ができ、出願費用は無料です

一方で、正直にお伝えしておきたい点があります。

  • ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。ニジ高の中でのスクーリングはありません
  • レポートの形式や試験での配慮は、在籍する通信制高校の制度によって決まります。どこまで調整できるかは、入学前の相談で一緒に確認してください
  • 費用は、在籍する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内をご覧ください
  • 診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門機関にご相談ください

ほかの通信制高校に在籍したまま、ニジ高を併用する通い方もあります。その場合も、卒業資格・スクーリング・単位は在籍校のものになります。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 困りごとを場面ごとに書き出す。「板書」「教科書」「テスト」「書く課題」「英語」のどこで、どのくらい時間がかかっているかをメモします。診断の有無はこの段階では問いません
  2. 今の学校に相談し、道具を試す。音声教材の申請、板書の撮影、テストの時間延長などを在籍校に相談します。高校生なら、共通テストに向けて配慮の記録を残してもらうことも一緒に頼みます
  3. それでも負担が大きければ、学び方ごと変える選択肢を比べる。通信制高校やサポート校の個別相談で、上の表の5項目を具体的に聞きます。転入なら、今の単位を引き継げます

どのステップも、今日すべて決める必要はありません。1つ目のメモを作るだけでも、学校に相談するときの材料になります。

大人の支援者と一緒にノートを見ながら話す高校生
困りごとを言葉にして伝えることが、配慮の最初の一歩になります
オンラインで学ぶニジ高の生徒

読み書きの負担が少ない学び方を、話して確かめる

ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラオフ・チャット参加から始められ、授業のアーカイブも見返せます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。レポートの形式や配慮の範囲も含めて、個別にご相談ください。

体験説明会の日程を見る → LINEで気軽に相談する

よくある質問

Q. ディスレクシアの診断がなくても、配慮や音声教材は使えますか?

A. 学校での合理的配慮は、診断名がなくても困りごとを伝えて相談できます。音声教材も、文部科学省のQ&Aで医師の診断書は必須ではないとされています。一方、大学入学共通テストの配慮には診断書(令和9年度の様式)が必要です。「何に診断書が要るか」を分けて考えてください。

Q. 高校生でも音声教材は間に合いますか?

A. 文部科学省は高等学校用の音声教材の発行状況一覧(令和8年4月現在)を公開しており、年度の途中からでも使い始められます。まだ作られていない教科書は製作に時間がかかることがあるため、早めに製作団体や在籍校に問い合わせてください。

Q. 共通テストで問題文を読み上げてもらえますか?

A. 令和9年度の配慮案内では、発達障害の区分の主な配慮事項の例は試験時間延長(1.3倍)・チェック解答・拡大文字問題冊子・注意事項等の文書による伝達・別室の設定の5つで、問題文の読み上げは例に含まれていません。例以外も申請でき、「人による問題文等の読み上げ」は事前相談が必要な配慮事項に挙がっています。個別の事情は、大学入試センターに早めに相談できます。

Q. 通信制高校なら、レポートはパソコンで書けますか?

A. 学校によって違います。文部科学省の調査では、「現代の国語」の添削課題を紙だけで回答する学校が323校中206校でした。Webで提出できるか、キーボード入力や音声入力を使えるかは、入学前に確認してください。

Q. 保護者だけで相談してもいいですか?

A. 保護者だけの相談を受け付けている学校はあります。受け付けているかどうかは、申し込むときに各校へ確認してください。本人がまだ話す気持ちになれない段階でも、情報を集めておくことは次の一歩の準備になります。

読み書きに時間がかかることは、あなたの価値を決めません

板書、音読、テスト。これまでの学校生活で「がんばってもうまくいかない」と感じてきた場面があったとしても、それは努力不足ではありません。読み書きの方法が、あなたに合っていなかっただけかもしれません。

今は、教科書を聞いて読むことも、キーボードや声で書くことも、試験の時間を延ばしてもらうことも、制度として用意されています。今の学校で道具を試すところからでも、学び方ごと変えるところからでも、始め方は一つではありません。

お子さんと一緒に、「どうすれば負担を減らせるか」を少しずつ探していってください。

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診断の有無にかかわらず、困りごとの相談から受け付けています

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

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