「あと何日休んだら留年なんだろう」。朝、布団の中で欠席の数を数えている人は少なくありません。
その不安は、あなたが怠けているから生まれるのではありません。高校の留年は「日数」ではなく「時間」で決まるので、自分で数えても答えが出にくい仕組みなのです。
この記事では、留年が決まる仕組み、危なくなる目安、間に合わないときの道を順に書きます。基準は学校ごとに違うので、最後は必ず在籍校で確かめてください。体調や心の不調で休みが続いている方は、うつ病で学校に行けない高校生へもあわせて読んでください。
高校の転校・通信制高校への転入を、1ページで整理したい方へ
転入と編入の違い、卒業に必要な3つの条件、高1〜高3いつまでに動けば間に合うか、費用・手続き、後悔しないための確認点をまとめたガイドです。
▶ 高校の転校・通信制高校への転入ガイド|時期・手続き・後悔しない選び方
結論:高校は何日休んだら留年か|やばいラインの早見
- 数え方:留年は欠席日数ではなく、科目ごとの欠課時数で決まります。
- やばいライン:「3分の1まで」の学校なら、週1コマの科目は年11時間が上限です。同じ曜日を11回休むと届きます。
- 全国共通の日数:ありません。基準は学校ごとの教務規程にあります。
- 超えたら:自動的に留年ではありません。校長が事情を見て判断し、補講や課題で認める学校もあります。
- 間に合わないとき:遠隔授業での単位修得、休学、転入など、道は残っています。
欠席を数え続けてしまうとき、あなたの中で起きていること
欠席の数を何度も数えるのは、先が見えない不安を少しでも小さくしようとしているからです。おかしなことではありません。
ただ、日数で数えても高校の判定とは合いません。数える単位を「科目ごとの時間」に切り替えると、どの科目が危ないか、何を聞けばいいかが見えてきます。
高校の留年が決まる仕組み|「日数」ではなく科目ごとの「欠課時数」
欠課時数とは、ある科目の授業を欠席した時間数のことです。高校は科目ごとに単位を認定するため、「全体で何日休んだか」ではなく「その科目の授業を何時間休んだか」が問われます。
| 中学まで | 高校 | |
|---|---|---|
| 数えるもの | 欠席日数 | 科目ごとの欠課時数 |
| 休みすぎたとき | 指導要録に記録される | その科目の単位が認定されないことがある |
| 進級・卒業への影響 | 直結しにくい | 必履修科目を落とすと、進級や卒業に影響する |
欠課時数には、次のようなルールが加わることがあります。
- 遅刻・早退:学校によって「◯回で欠課1時間」と換算されます。
- 出席停止:インフルエンザなど、学校保健安全法による感染症で休んだ日は、欠席に数えない扱いになっています。
- 忌引・特別欠席:家族の不幸や、進学・就職の受験、一時保護などで休んだ日を、欠席扱いにしないと定める規程もあります。
過去の欠席が正しく分類されているかを確かめるだけで、残り時数が変わることがあります。とくに、受験で休んだ日、感染症で休んだ日、一時保護の期間が、欠席として処理されていないかを一度確かめてみてください。
何時間休んだらやばいか|科目別の早見表
高校の1単位は、標準で年間35単位時間(1単位時間は50分)の授業として設計されています。欠課の上限が「授業時数の3分の1」の学校で計算すると、次のようになります。
| 科目の単位数 | 週のコマ数の目安 | 年間の授業時数 | 欠課の上限(3分の1) |
|---|---|---|---|
| 1単位 | 週1コマ | 35時間 | 約11時間 |
| 2単位 | 週2コマ | 70時間 | 約23時間 |
| 3単位 | 週3コマ | 105時間 | 35時間 |
| 4単位 | 週4コマ | 140時間 | 約46時間 |
※上限が「5分の1」の学校なら、1単位の科目は年7時間までとさらに厳しくなります。基準は学校によって違うため、必ず在籍校の規程で確認してください。

2単位の科目なら、3分の1基準で23時間、5分の1基準で14時間です。
日数に直すと、週1コマの科目は同じ曜日を11日休むと上限です。休んだ曜日がばらけていれば、週1コマの科目に当たるのは約5日に1回なので、目安は約55日です。月曜だけ、体育のある日だけなど、休む日が偏るほど早く上限に届きます。表は目安なので、正確な数字は学校で確かめてください。
先に落ちるのは週3コマの数学ではなく、週1コマの保健
3分の1が上限の学校で、ある高校2年生の例を計算してみます。
| 科目 | 単位数/年間時数 | 欠課の上限 | いまの欠課 |
|---|---|---|---|
| 数学Ⅱ | 3単位/105時間 | 35時間まで | 18時間(余裕あり) |
| 保健 | 1単位/35時間 | 11時間まで | 12時間(超過) |

全体の欠席日数は多くなくても、週1コマの科目だけが先に上限を超えます。とくに同じ曜日を休み続けていると、その曜日にしかない科目に欠課が集中します。「あと何日」ではなく、「どの曜日の、どの科目が、あと何時間か」で考えてください。

国の基準はない|多数派は「3分の2以上の出席」
文部科学省の中央教育審議会のワーキンググループ(第8回、2023年7月21日)で、事務局はこう説明しています。
履修の認定に当たって、全国的な統一の決まり、ルールというようなものはなく、単位認定は校長が行うものである。事務局で確認した限りにおいては、3分の2というふうに設定している場合が多く、一部5分の4などというルールも見受けられた。
実際の規程も見てみましょう。広島県立祇園北高等学校の教務規程(令和7年度版)では、次のように定められています。
| 項目 | 規程の内容 |
|---|---|
| 履修の認定 | 原則として、欠課時数が標準の授業時数の3分の1以下であること |
| 標準の授業時数 | 1単位時間を50分として、1単位あたり35単位時間 |
| 進級 | 各学年で修得した単位数の計が31単位以上 |
| 卒業 | 修得単位数の総計が93単位以上(法令の74単位より多い) |
※出典=文部科学省「高等学校教育の在り方ワーキンググループ(第8回)議事録」(2023年7月21日)、広島県立祇園北高等学校「教務規程(R7年度版)」。卒業に必要な74単位は学校教育法施行規則第96条によります。
このように、学校は法令より高い基準を独自に置くことができます。ネットで見る「3分の1」「3分の2」「66日」は、どこかの学校の基準か概算であって、あなたの学校の数字ではありません。
上限を超えても、自動的に留年ではありません
先ほどの教務規程には、続けてこう書かれています。
欠課時数が標準の授業時数の1/3を超える場合、当該生徒の状況を充分考慮したうえで、校長が履修の認定について判断する。
基準を超えることは「自動的な不認定」ではなく、校長が個別に判断する入口です。単位の認定は年度末に行われ、年度の途中で確定するものでもありません。
文部科学省も、2024年の制度改正の資料で、出席回数を単位の要件にしている学校に対し、「遠隔授業や通信教育の実施、補講その他適切な指導の実施等により、生徒一人一人の実情に応じて柔軟に履修・単位修得を認めることが望まれる」と求めています。「3分の2」は法律ではなく慣例で、国はそれを実情に合わせてゆるめるよう学校に伝えている段階です。
超えそうなときは、早めに相談して構いません。救済には期限があることが多いので、年度末を待たずに聞いてください。
2024年4月から、学校に行かずに単位を取る道ができました
文部科学省は2024年2月13日付の通知(5文科初第2030号)で学校教育法施行規則を改正し、2024年4月1日から次のことを可能にしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 全日制・定時制に在籍する不登校の生徒(病気療養中の生徒など) |
| 学び方 | 自宅や教育支援センター、保健室などで遠隔授業を受ける/授業に代えて通信教育を受ける |
| 上限 | 不登校の生徒は合計36単位まで(病気療養中の生徒は制限なし) |
| 出欠 | 各学校長の判断により出席扱いとすることができる |
※出典=文部科学省「高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について(通知)」(5文科初第2030号、2024年2月13日)。運用するかどうかは学校によります。
すべての高校が運用しているわけではありませんが、担任や教務に「遠隔授業や通信教育で単位を認める制度は、うちの学校で使えますか」と聞くことはできます。

「進級」と「卒業」は別の判定|1科目落としても留年とは限りません
| 判定 | 見るもの | 足りないと起きること |
|---|---|---|
| 科目の単位認定 | その科目の欠課時数と成績 | その科目の単位が付かない |
| 進級(学年制の学校) | 落とした単位数が学校の基準内か | 基準を超えると原級留置(留年) |
| 卒業 | 3年以上の在学と、74単位以上(学校の基準)の修得 | 不足分を取り直す |
学年制の高校では「1〜2科目までなら進級できる」といった基準を持つ学校があります。一方、単位制の学校には進級判定そのものがありません。同じ「1科目落とした」でも、意味が変わります。留年が何回まで許されるかは高校の留年は何年まで?で整理しています。
学校への確認は、保護者が代わって構いません
基準が書かれている場所は、主に4つです。生徒手帳・学校要覧、各科目のシラバス(評価の方法の欄)、学校ホームページの教務規程・学業成績処理規程、そして担任・教科担当です。いちばん確実なのは、直接聞くことです。年度初めに配られたシラバスが手元にあれば、まずそこから見てみてください。
- 「今の時点で、科目ごとの欠課時数はいくつですか」——全体の日数ではなく、科目別で聞きます。
- 「履修認定の基準は何分の1ですか。遅刻・早退はどう換算されますか」——規程の数字を直接確かめます。
- 「超えそうな場合、補習や課題、遠隔授業での救済はありますか。期限はいつですか」——期限まで必ず聞きます。
言いにくければ、保護者から連絡してもらっても大丈夫です。「単位が心配なので、科目ごとの欠課時数を教えてほしい」という事務的な聞き方にすると、切り出しやすくなります。
本人が先生と話せる状態でなくても、確認は進められます。

保健室登校・別室登校は「出席」と「単位」を分けて確認する
出席として扱う学校は多いものの、「その科目の授業を受けた」ことにはならない場合があり、単位の認定は別に判断されることがあります。担任には「出席の扱い」と「単位の扱い」を分けて確認してください。
間に合わないときの選択肢は5つ|籍を失わない順に考える
単位が足りなかったとしても、高校卒業もその先の進学も閉じません。順番は、①今の学校で使える制度 → ②休学 → ③転入 → ④編入・高卒認定と、籍を失わない順に検討するのが安全です。
| 選択肢 | 今の高校の籍 | 卒業の時期・特徴 |
|---|---|---|
| そのまま残る(留年) | 在籍したまま | 1年遅れる |
| 休学 | 在籍したまま休む | 体調を優先しながら籍を保てる。復学後の学年は学校による |
| 通信制高校へ転入 | 在籍したまま移る | 修得済みの単位と在籍期間を引き継げる。同学年のまま卒業できる場合がある |
| 退学して編入 | いったん退学 | 単位は引き継げるが、時期と手続きが変わる |
| 高卒認定試験 | — | 大学受験資格は得られるが、高校卒業にはならない |
「もう無理だから辞めます」と先に言ってしまうと、選べたはずの道が減ることがあります。休学は高校の休学とは?、転入と編入の違いは転入学と編入学の違いは?で整理しています。
転校先を先に探し始めると、今の学校で使える救済策を見落とすことがあります。まず今の学校で確かめてから、並行して調べてください。
よくある誤解|「15日」「30日」休んだら留年は本当か
| よく見る数字 | 実際のところ |
|---|---|
| 「66日まで大丈夫」 | 年間200日×3分の1の概算。実際の判定は科目ごとの時間数なので、日数にした時点で意味を失う |
| 「30日休んだら留年」 | 30日は文部科学省の調査で不登校を数えるための統計上の定義。留年の基準ではない |
| 「15日を超えたらアウト」 | 高校入試で中学の調査書を見るときに語られる目安。高校在学中の単位認定とは別の話 |
| 「遅刻はノーカウント」 | 多くの学校で、一定回数が欠課1時間に換算される |
不登校の「30日」の数え方は不登校の定義は何日から?で詳しく説明しています。
「高校 欠席日数 15日」で調べている方の多くは、中学生の高校受験を心配している保護者の方です。在学中の高校生の単位とは分けて考えてください。
欠席日数は大学入試や就職に響くのか
なお、大学入試の一般選抜は学力試験の点数で合否が決まり、欠席日数だけで不合格になることは基本的にありません。学校推薦型・総合型選抜では出願条件に欠席日数を設ける大学もあるため、募集要項で確かめてください。
総合型選抜は書類と面接が中心で、休んでいた期間に考えたことを話せれば評価されることもあります。就職では調査書に欠席日数が書かれますが、欠席が多いことだけで進学や就職の道が閉じるわけではありません。
NIJIN高等学院(ニジ高)という選択肢と、正直な注意点
通信制高校では、単位はレポート・スクーリング(面接指導)・試験で認定され、毎日の出席日数で留年が決まる仕組みではありません。「毎日行けたか」ではなく、「必要な学習を終えたか」で判断されます。詳しくは通信制高校に留年はない?をご覧ください。ただし、レポートを自分で進める力が必要で、そこでつまずく人も少なくありません。
私たちNIJIN高等学院(ニジ高)は、通信制高校と連携して学びを支える通信制サポート校です。オンライン中心で、全国どこからでも参加できます。担任がつき、カメラとマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。
正直な注意点も書いておきます。ニジ高そのものは高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校に在籍して取り、学院内でのスクーリングはないため、提携校のスクーリングへの参加が必要です。費用は提携校の分とニジ高の分がかかり、ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内で公開しています。
それでも合うかどうかは、話を聞いてから決めて構いません。無理に勧めることはありません。

単位と転入の時期を、一緒に整理しませんか
個別相談では、今の欠課の状況や在籍している学校の仕組みをうかがいながら、転入できる時期と卒業までの見通しを事実ベースでお伝えします。保護者の方だけの参加もできます。
いま使える相談先
| 相談先 | 向いていること |
|---|---|
| 担任・学年主任 | 欠課時数の確認、補講・課題・遠隔授業の相談 |
| スクールカウンセラー | 学校に行けないつらさや、先生に話しにくいこと |
| 教育支援センター(自治体) | 学校以外の居場所、学習の支援 |
| 24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310) | 夜間や休日に、すぐ誰かに話したいとき |
※2026年10月時点の情報です。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 危ない科目を1つ決める(たいてい週1〜2コマの科目)
- その科目の残り時間と、補講・課題・遠隔授業が使えるかを学校に聞く
- 間に合わなそうなら、休学や転入を並行して調べる
よくある質問
全国共通の日数はありません。科目ごとの欠課時数で決まります。3分の1が上限の学校なら、週1コマの科目は年11時間が目安です。
一概には言えません。同じ曜日を11回休むと、週1コマの科目が上限に届く学校が多いです。曜日がばらけていれば約55日が目安ですが、偏るほど早まります。
概算はできます。ただ、遅刻・早退の換算や欠席の区分は学校で違います。正確な残り時間は教科担当に確かめてください。
いいえ。30日は不登校を統計で数えるときの定義で、留年の基準ではありません。
必ずではありません。校長が事情を見て判断し、補講や課題で認める学校もあります。救済には期限があるので、早めに相談してください。
制度上は、校長の判断で出席扱いにできます。実際に使えるかは学校によります。
在籍中なら、通信制高校などへの転入の対象になります。取った単位を引き継げる場合があります。
休んだ日数は、進路を閉じる数字ではありません
欠席日数を数えるのは、自分の未来をなんとか守ろうとしている行為です。ただ、数えて分かるのは「あと何日」だけで、「どうすればいいか」は出てきません。
やることは2つだけです。科目をひとつ決めて「あと何時間ですか」と学校に聞くこと。そして、足りなかったときの道を先に知っておくこと。この2つがそろえば、明日の朝に布団から出られなかったとしても、それが人生を決める1日にはなりません。
今日決めなくて大丈夫です。話を聞いてみたくなったときのために、入口だけ置いておきます。

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