通信制高校のプロジェクト学習とは?|探究が単位になる仕組みと進路での扱い【2026】

通信制高校の「プロジェクト学習」は、生徒が自分で決めたテーマを、調べて、形にして、誰かに届けるところまでを一つの計画(プロジェクト)として進める学び方です。高校では、文部科学省の学習指導要領で「総合的な探究の時間」がすべての生徒の必履修と決まっていて、通信制の課程でも同じです。つまり、どの通信制高校にも探究の時間はあります。違いが出るのは、その時間を「レポートを1枚出して終わり」にするか、「好き」を社会につなげる体験にまで広げるかという、学校ごとの設計です。

この記事では、まず学習指導要領と大学入学者選抜実施要項の原文で「探究の時間は何単位で、通信制ではどう単位になり、入試でどう扱われるか」を整理します。そのうえで、NIJIN高等学院(ニジ高)で生徒の「好き」からプロジェクトが生まれていく5つのステップと実例、学校に聞いておきたいこと、落とし穴をまとめました。「将来の夢は?」と聞かれてすぐに答えられなくても大丈夫です。その状態から始められる学び方だからです。

ニジ高は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも通え、カメラ・マイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。ただし、ニジ高そのものは高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。学校のつくり方や考え方は、校長・星野達郎のYouTubeでも話しています。

目次

結論:通信制高校のプロジェクト学習の早見

  • 高校の「総合的な探究の時間」は必履修で、標準は3〜6単位。通信制でも同じで、特に必要がある場合は2単位まで減らせます(高等学校学習指導要領 平成30年告示)
  • 通信制では、探究の時間も「添削指導・面接指導・試験」の枠で単位になります。添削の回数と面接指導の時間は、1単位につき1回以上・1単位時間以上を確保して学校が決めます
  • 単位を認めるのは、在籍する通信制高校です。サポート校や塾での活動は、それだけでは高校の単位になりません
  • 総合型選抜では、志願者本人が書く資料(活動報告書など)と面接を使うことが要項で決められています。活動報告書の記載内容の例に「総合的な探究の時間」で取り組んだ課題研究が挙がっています。ただし「有利」と言い切れるものではありません
  • 探究の進め方の基本は「課題の設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現」の繰り返し。文部科学省の解説では、探究は「物事の本質を自己との関わりで探り見極めようとする一連の知的営み」とされています
  • ニジ高では、生徒の「好き」「得意」「気になる」を起点に、仲間・専門家・企業とつながるプロジェクトを進めています。学院は高校ではなく、単位は提携する通信制高校で修得します
オンラインで学ぶNIJIN高等学院の生徒

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制サポート校です。全国どこからでも。カメラ・マイクはオフのままで大丈夫です。

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「将来の夢は?」に答えられなくても、プロジェクト学習は始められます

「好きなことはあるけれど、将来の仕事になるかは分からない」「自分には夢中になれるものがない」「興味はあっても、何から始めればよいか分からない」。そんな高校生は少なくありません。

進路について考えるとき、「将来の夢は?」「何になりたい?」と聞かれても、すぐに答えられないのは自然なことです。まだ知らない仕事や世界がたくさんある中で、職業を一つに決めるのは簡単ではありません。

プロジェクト学習は、「夢が決まってから始める学び」ではありません。文部科学省の高等学校学習指導要領解説 総合的な探究の時間編(平成30年7月)は、探究の学習を「日常生活や社会に目を向けた時に湧き上がってくる疑問や関心に基づいて、自ら課題を見付け」るところから始まる営みとして説明しています。出発点は「疑問や関心」であって、将来の職業ではありません。

ニジ高でも、最初から将来の夢を決めるのではなく、今の自分の中にある小さな「好き」「気になる」「やってみたい」から学びを始めます。その中心となるのが、生徒一人ひとりのプロジェクトです。

明るい集会室の木のテーブルで、高校生3人が段ボールの模型と図形だけのスケッチを囲んで話し合っている
探究の過程は「課題の設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現」の繰り返し。仲間と話すところから形になっていきます(イメージ)

高校の「総合的な探究の時間」は必履修。通信制でも同じです

まず制度の土台を確かめます。高校の教育課程は、文部科学省の高等学校学習指導要領(平成30年告示)で決まっています。2022年度に入学した生徒から年次進行で実施され、このときに「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」に変わりました。

学習指導要領の第1章総則には、次のように書かれています。

項目 決まり 根拠
誰が履修するか 「全ての生徒に履修させる」 第1章第2款 3(2)ア(イ)
単位数 標準単位数は3〜6単位。「特に必要がある場合には、その単位数を2単位とすることができる」 第1章第2款 3(1)イ・(2)ア(イ)
卒業に必要な単位 各教科・科目と総合的な探究の時間の単位の計を「74単位以上」とする 第1章第2款 3(1)ア
目標 「探究の見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力」を育てる 第4章 第1
名称 各学校で適切に定める(「探究」「◯◯ゼミ」など学校ごとに違う名前でよい) 第4章 第2の3(6)
他で替えられる場合 理数の「理数探究基礎」「理数探究」の履修、職業学科の「課題研究」などで同様の成果が期待できる場合は、履修の一部または全部に替えられる 第1章第2款 3(2)ウ(ウ)・コ

ここで大事なのは2つです。1つは、探究の時間は「あってもなくてもよい選択科目」ではなく、卒業までに全員が履修するものだということ。もう1つは、「名称は各学校で定める」とあるとおり、学校案内に「プロジェクト学習」「探究」「ゼミ」「マイプロ」など、いろいろな名前で載っていても、制度上はこの総合的な探究の時間に当たることが多いということです(学校によっては、探究の時間とは別に、学校設定科目や課外の活動としてプロジェクトを置いている場合もあります)。

解説(平成30年7月)は、小・中学校の「総合的な学習の時間」との違いもはっきり書いています。「総合的な学習の時間は、課題を解決することで自己の生き方を考えていく学びであるのに対して、総合的な探究の時間は、自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題を自ら発見し、解決していくような学びを展開していく」。高校の探究では、先生が用意した課題を解くのではなく、自分とつながりの深い課題を自分で見つけることが求められています。

※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

通信制高校では、探究も「添削指導・面接指導・試験」の枠で単位になります

通信制高校の学び方は、高等学校通信教育規程 第2条で「添削指導、面接指導及び試験の方法により行う」と決まっています。放送やインターネットなど「多様なメディアを利用した指導等の方法を加えて行うことができる」ともあります。総合的な探究の時間も、この枠の中で単位を修得します。

学習指導要領の第1章第2款 5「通信制の課程における教育課程の特例」には、1単位あたりの添削指導の回数と面接指導の単位時間数(1単位時間は50分)の標準が示されています。

教科・科目など 添削指導(回) 面接指導(単位時間)
国語・地理歴史・公民・数学の科目 3 1
理科の科目/芸術・外国語の科目 3 4
保健体育の「体育」 1 5
保健体育の「保健」 3 1
総合的な探究の時間(理数の科目も同じ) 1回以上を確保して各学校が定める 1単位時間以上を確保して各学校が定める

注目したいのは最後の行です。国語や数学のように「3回・1単位時間」と決まっているのではなく、「1単位につき、それぞれ1回以上及び1単位時間以上を確保した上で、各学校において、学習活動に応じ適切に定めるものとする」とされています。つまり、探究の時間の中身をどれだけ厚くするかは、学校の設計に委ねられている部分が大きいのです。同じ「通信制高校の探究」でも、学校によって体験の濃さがまったく違う理由はここにあります。

面接指導(スクーリング)については、放送やインターネットなど多様なメディアを利用した学習の成果が認められるとき、面接指導の時間数のうち10分の6以内を免除できる規定もあります(第2款5(5))。探究の時間をオンラインの対話や発表で進める学校があるのは、この仕組みがあるためです。ただし、どの程度をオンラインで行うかは学校ごとに違います。

単位の認定は「学校においては、生徒が学校の定める指導計画に従って総合的な探究の時間を履修し、その成果が…目標からみて満足できると認められる場合には…修得したことを認定しなければならない」(第1章第4款 1(2))と定められています。認定するのは在籍する高校です。サポート校や塾、地域の団体で行った活動は、それ自体では高校の単位になりません。在籍校の指導計画と結びついているかどうかを確かめる必要があります。

通信制高校の時間の使い方については、文部科学省の令和7年度 通信制高等学校実態調査(2026年8月31日公表)が参考になります。通学頻度別のコースの生徒数(合計300,406人)のうち、週5日通うコースは37,505人(12.5%)で、集中スクーリング型が86,961人(28.9%)、月1〜2回や自由登校などその他が99,722人(33.2%)でした。多くの生徒に、自分で使える時間があるということです。添削指導(レポート)の中身や量は、通信制高校 レポートの記事で整理しています。

※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

通信制高校では1単位あたりの添削指導の回数と面接指導の時間が、国語・地歴・公民・数学は3回・1単位時間、理科と芸術・外国語は3回・4単位時間と決まっているのに対し、総合的な探究の時間は1回以上・1単位時間以上を確保して各学校が定めることを示す比較表
出典:文部科学省 高等学校学習指導要領(平成30年告示)第1章第2款 5 通信制の課程における教育課程の特例

教科の勉強と探究は、ゴールの決め方が逆です

「探究」や「プロジェクト学習」が分かりにくいのは、教科の勉強と比べて、何が違うのかがはっきり見えないからです。学習指導要領解説の説明を土台に、違いを並べます。

見比べる点 教科の勉強(レポート・試験) 探究・プロジェクト学習
問いを決める人 教科書や先生 生徒自身(「自ら課題を見付け」る)
答え 決まった正解がある 正解が1つとは限らない。考えや意見をまとめて表現する
進み方 単元の順番どおり 課題の設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現を繰り返す
ゴール 単元の内容を身に付ける 自分の在り方生き方と結びついた課題を、よりよく解決する
評価のもの 添削課題・試験の点 学校の指導計画に沿った成果(レポート・発表・作品など)

解説は、探究のプロセスを「①課題の設定→②情報の収集→③整理・分析→④まとめ・表現」と示し、「そこからまた新たな課題を見付け、更なる問題の解決を始めるといった学習活動を発展的に繰り返していく」と説明しています。そして、「要するに探究とは、物事の本質を自己との関わりで探り見極めようとする一連の知的営みのことである」と定義しています。

プロジェクト学習(プロジェクト型学習、PBL)という言葉は、この探究の過程を「一つの計画」として進める学び方を指して使われることが多いです。何かをつくる、イベントを開く、誰かに届ける、という具体的な到達点を決めて、そこへ向かう途中で情報を集め、人と協力し、うまくいかなければ計画を直す。ゴールが「単元を終える」ではなく「自分で決めたことを形にする」である点が、教科の勉強との一番の違いです。

解説は、高校の探究には「質の高さ」が求められるとも書いています。1つは探究の過程が高度化すること(目的と方法に矛盾がない、焦点化して深く掘り下げる、など)。もう1つは探究が自律的に行われること。具体的には「自分にとって関わりが深い課題になる(自己課題)」「探究の過程を見通しつつ、自分の力で進められる(運用)」「得られた知見を生かして社会に参画しようとする(社会参画)」の3つです。次に紹介するニジ高の5つのステップは、この「自己課題→運用→社会参画」の流れと重なります。

マイプロジェクトが生まれる5つのステップ

マイプロジェクトは、いきなり大きな目標を決めて始めるものではありません。

小さな興味を見つけ、対話しながら、一歩ずつ形にしていきます。

1.見つける|好き・得意・気になるを言葉にする

まずは、自分について知るところから始めます。

  • 最近よく見ている動画は?
  • 時間を忘れてできることは?
  • 人から褒められたことは?
  • 一度やってみたいと思っていることは?
  • 不思議に思っていることや、変えたいことは?

「将来の夢」のような大きな答えは必要ありません。

ゲームが好き。絵を描くと落ち着く。電車の路線を調べるのが楽しい。自分の経験を誰かに伝えたい。

そんな小さな言葉が、プロジェクトの種になります。

2.考える|どんな形なら挑戦できるかを探す

次に、見つけた興味を「何ができそうか」へ広げます。

たとえば、「イラストが好き」からは、次のような可能性が考えられます。

  • 自分の作品をSNSで発信する
  • オリジナルキャラクターをつくる
  • 絵本や漫画を制作する
  • 誰かの活動を応援するポスターを描く
  • イラストレーターやアニメーターに話を聞く
  • デザインやアニメーションの会社と企画する

一つの好きから、さまざまな方向へ進むことができます。

3.つながる|仲間・専門家・企業と出会う

自分だけではできないことも、誰かとつながることで動き始めます。

同じことが好きな仲間を探したり、プロに話を聞いたり、企業や地域の方へ協力をお願いしたりします。

生徒だけでは連絡が難しい場合は、スタッフがつながり方を一緒に考え、打ち合わせにも伴走します。

大人が完成した企画を渡すのではなく、生徒自身が「何を聞きたいか」「どんなことを一緒にやりたいか」を考えることを大切にしています。

4.つくる|アイデアを実際の形にする

話を聞いて終わるのではなく、自分の作品や企画として形にします。

イベント、記事、動画、絵本、研究発表、商品、サークルなど、アウトプットの形は自由です。

活動の途中では、思ったように進まないこともあります。

協力してくれる人が見つからない。予定が合わない。作品が完成しない。発表するのが怖い。

そうした経験も含めて、プロジェクト学習です。計画を変えたり、仲間へ相談したり、小さな形で試したりしながら進めます。

5.届ける|誰かの反応を受け取り、次へつなげる

完成したものは、仲間や学校の中だけでなく、できるだけ社会へ届けます。

SNSで発信する。イベントで発表する。企業の方に見てもらう。コンテストへ応募する。実際に誰かに使ってもらう。

誰かの反応を受け取ることで、「もっとこうしたい」「次はここを工夫したい」と、新しい目標が生まれます。

マイプロジェクトは、一度完成して終わるものではありません。挑戦と振り返りを重ねながら、その人の学びや進路へ育っていきます。

プロジェクトが生まれる5つのステップを表にまとめました。学習指導要領解説の探究の過程と対応させています。

ステップ すること 探究の過程との対応
1.見つける 好き・得意・気になるを言葉にする 課題の設定
2.考える どんな形なら挑戦できるかを探す 課題の設定・情報の収集
3.つながる 仲間・専門家・企業と出会う。連絡が難しいときはスタッフが一緒に考え、打ち合わせにも伴走する 情報の収集
4.つくる イベント、記事、動画、絵本、研究発表などの形にする 整理・分析・まとめ
5.届ける 誰かの反応を受け取り、次へつなげる 表現→新たな課題の設定
自宅の机で、高校生の娘が手描きの図形のカードを持って発表の練習をし、奥のソファで母親が聞いている
総合型選抜では、本人が書く活動報告書と面接が使われます。授業の内容を自分の言葉でメモしておくことも準備の一つです(イメージ)

ニジ高生のマイプロジェクト事例

ニジ高では、生徒一人ひとりの経験や興味から、さまざまな活動が生まれています。

「電車好きの友達がほしい」から、鉄道博物館でのイベントへ

電車が好きな高校生の最初の願いは、「電車好きの友達をつくりたい」でした。

同じ電車好きの小中学生へ声をかけ、オンラインで鉄道シミュレーターを見せ合ったり、好きな路線について話したりする活動が始まりました。

やがて仲間と鉄道博物館へ行くイベントを実現。さらに、地域を巻き込んだ企画へつなげようとしています。

友達をつくりたいという個人的な思いが、仲間を幸せにし、社会とつながるプロジェクトへ広がった例です。

イラストを通して、誰かを元気にしたい

話すことは得意ではなくても、絵を描くことが大好きな生徒がいます。

「イラストを通して誰かを元気にしたい」「将来は好きなことを仕事にしたい」という思いから、企業との制服プロジェクト、絵本作家による講座、絵本制作などに参加しました。

さらに、自分の好きなハンドメイドを仲間と楽しむサークルも立ち上げています。

好きなことを深めるだけでなく、人とつながり、誰かに届ける活動へ発展しています。

不登校の経験から、教育をよりよくする研究へ

自分が不登校になった経験をきっかけに、「将来は支援する側になりたい」「教育を変えたい」という思いを持った生徒もいます。

社会学や教育学に関心を持ち、大学教授との対談に挑戦しました。

自分の経験を、つらかった過去だけで終わらせず、誰かの未来を変えるための問いや研究へつなげています。

スポーツ好きを、学校行事の企画へ

スポーツが好きな生徒の「みんなで体を動かすイベントをつくりたい」という思いから、スポーツ大会の企画が始まりました。

競技を考えるだけでなく、会場、予算、参加者、当日の運営まで仲間と話し合います。

スポーツをする側から、誰かが楽しめる場をつくる側へ。好きなことを通して、企画力やリーダーシップを身につけています。

オンラインだけでなく、リアルでも会いたいという気持ちから企画したスポーツ大会の準備の様子は、ニジ高のInstagramでご覧いただけます。これらの取り組みは、ニジ高の公式サイト「探究・プロジェクト学習」のページでも紹介しています。

好きなことが見つかっていなくても大丈夫

「マイプロジェクト」と聞くと、すでに夢や特技がある人のための活動に見えるかもしれません。

けれど、ニジ高では、好きなことを見つけるところもプロジェクトの一部だと考えています。

何も思いつかないときは、まず誰かの活動を見てみる。気になる授業へ参加する。サークルをのぞく。イベントを少し手伝う。

その中で、「これは面白そう」「自分だったらこうしてみたい」「この人と一緒なら、やってみたい」という気持ちが生まれることがあります。

好きなことは、一人で考え続けて見つけるものとは限りません。人や社会と出会い、実際に試す中で、少しずつ見えてくることもあります。

また、一度始めたプロジェクトを途中で変えたり、やめたりしても構いません。

やってみたからこそ、「これは違った」「次は別のことを試したい」と分かることも、大切な学びです。

これは制度の面から見ても自然なことです。学習指導要領解説は、探究を「新たな課題を見付け、更なる問題の解決を始めるといった学習活動を発展的に繰り返していく」ものとしています。テーマを変えることは失敗ではなく、探究の過程がもう一周まわったということです。

マイプロジェクトは進路や将来にどうつながる?総合型選抜では「本人が書く資料」と面接が使われます

マイプロジェクトでは、活動の結果だけでなく、そこへ至るまでの過程が残ります。

  • なぜ挑戦しようと思ったのか
  • どのように情報を集めたのか
  • 誰と協力したのか
  • うまくいかなかったとき、どう工夫したのか
  • 挑戦を通して何が変わったのか
  • 次に何をしてみたいのか

これらは、自分の興味や強みを知る材料になります。

総合型選抜の志望理由書や面接、専門学校の出願、就職活動などで、「高校生活で何をしてきたか」を自分の言葉で伝える実績にもなります。

ここで、入試の制度を正確に見ておきます。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項(2026年5月27日付け 8文科高第318号)は、入試の方式を次のように定めています。

方式 主な資料 本人が書く資料・面接 出願の時期
一般選抜 学力検査・小論文など 調査書・面接・本人の記載する資料などを組み合わせる 試験期日は2027年2月1日〜3月25日
総合型選抜 詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等 活動報告書・大学入学希望理由書・学修計画書等を評価に活用することと、面接による評価を行うことが決められている 2026年9月1日以降に受付。合格発表は11月1日以降
学校推薦型選抜 出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料とする 面接による評価を行う(高校と連携した非公募型で入学を確約するものは大学が判断)。募集人員は入学定員の5割まで 2026年11月1日以降に受付。合格発表は12月1日以降

要項の「第6の5」は、活動報告書を使うときに大学が記載を求める内容の例として、「『総合的な探究の時間』や理数探究等において取り組んだ課題研究等」と、「学校の内外で意欲的に取り組んだ活動(生徒会活動、部活動、ボランティア活動…各種大会・コンクール等、留学・海外経験等)」を挙げています。探究やプロジェクトの経験は、ここに書く材料になります。要項はまた、「特に総合型選抜や学校推薦型選抜においては、志願者本人が記載する資料に関するプレゼンテーションなどにより積極的に活用する」ともしています。

ただし、2つの注意があります。1つは、活動報告書を求めるかどうかは大学ごとに違うこと。文部科学省のQ&Aでも、参考様式は「イメージ例」であり、作成が義務ではないとされています。もう1つは、総合型選抜でも「言語能力及び数理的思考力を含め大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力等も適切に評価する」ため、小論文や学力検査など少なくとも1つの評価方法を使うと決まっていることです。プロジェクトの経験があれば合格しやすい、とは言えません。評価の仕方は、志望する大学の募集要項で確かめてください。通信制高校からの大学受験の全体像は通信制高校 大学進学の記事に、学校の見分け方は総合型選抜に強い通信制高校の記事にまとめています。

学校の外にも、発表の場があります。たとえば全国高校生マイプロジェクトアワード(事務局は認定NPO法人カタリバ内。公式サイトの協力・後援の欄に文部科学省の名前があります)は、「高校生またはそれに準ずる年齢の方」で「自分の興味関心や身の回りの課題に対して自ら考え行動した経験がある方」が参加でき、参加費は無料です。2026年度のエントリー期間は2026年10月15日〜12月4日、全国Summitは2027年3月19日〜21日の予定で、公式サイトでは前年度に高校生約6,000人が参加したと紹介されています。通信制高校の生徒が参加できるかどうかの明記はありませんでしたので、参加を考えるときは公式サイトで確かめてください。

ただし、入試で評価されるためだけに活動するわけではありません。

自分の好きなことに取り組み、誰かとつながり、社会から反応をもらう。その経験が、「もっと学びたい」「この分野に関わりたい」という進路を見つけるきっかけになります。

※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

令和9年度大学入学者選抜実施要項で、総合型選抜は活動報告書など本人が書く資料と面接を使い、小論文や学力検査など少なくとも1つの評価方法も使うこと、出願は総合型選抜が9月1日以降・学校推薦型選抜が11月1日以降であることを示す4枚のカードの図
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(2026年5月27日付け 8文科高第318号)

プロジェクト学習の落とし穴:探究だけでは卒業できない、成果を急がない

探究やプロジェクトを売りにする学校は増えています。選ぶときに、見落としやすい点を先に書いておきます。

落とし穴1:探究の時間は卒業に必要な74単位の一部でしかない

総合的な探究の時間の標準は3〜6単位です。卒業には74単位以上が必要で、国語・数学・英語などの必履修科目の添削指導・面接指導・試験は、探究と並行して進めます。「プロジェクトに夢中で、レポートが止まる」が一番多いつまずきです。探究の時間が充実している学校ほど、レポートの進み方をどう見てくれるかも合わせて聞いてください。

落とし穴2:サポート校での活動は、それだけでは単位にならない

単位を認めるのは、学習指導要領の第4款のとおり、在籍する高校です。サポート校・塾・地域の団体でどれだけ活動しても、在籍校の指導計画と結びついていなければ、高校の単位にはなりません。ニジ高もサポート校なので、この点は同じです。ニジ高でのプロジェクトは、高校の単位とは別に「高校生活で何をしてきたか」を自分の言葉で語れる経験として積み上げるものです。単位は提携する通信制高校の添削指導・面接指導・試験で修得します。

落とし穴3:「成果」を急ぐと、探究が作品づくりの競争になる

学習指導要領の目標は、賞を取ることではなく「自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力」を育てることです。コンテストや発表の場は、途中の反応をもらう機会として役立ちますが、目的にすり替わると、好きだったことがつらくなります。テーマを変えること、途中でやめることも、探究の過程の一部です。

落とし穴4:実地の活動には、学費とは別の費用がかかることがある

企業訪問や遠足、合宿などリアルの活動には、交通費や参加費がかかる場合があります。ニジ高でも、リアルの行事は任意参加で、修学旅行などの費用は学費とは別の実費です。費用の内訳は、学校の案内か個別相談で確かめてください。

落とし穴5:「探究コース」の名前だけでは中身は分からない

名称は各学校で定めてよいので、同じ「探究」でも、年1回の発表会だけの学校から、毎週の対話と企業との共同プロジェクトがある学校まで幅があります。添削の回数と面接指導の時間が「1回以上・1単位時間以上を確保して学校が定める」仕組みだからこそ、見学や説明会で中身を聞くことが大切です。学校の考え方の確かめ方は通信制高校 教育理念 校風の記事で整理しています。

学校に聞くこと:プロジェクト学習の中身を確かめる7つの質問

説明会や個別相談で、次の7つを聞くと、学校案内の言葉の裏にある「実際の時間の使い方」が見えてきます。

聞くこと 確かめたいこと 答えの見方
探究の時間は何単位で、添削と面接指導はそれぞれ何回・何時間ですか 制度上の探究の時間の厚さ 学校が自分で決めている部分なので、具体的な数で答えが返るかを見る
テーマは生徒が決めますか、学校が用意しますか 「自ら課題を見付け」る形になっているか どちらにも良さがある。本人の性格に合うかで判断する
うまく進まないとき、誰が、どのくらいの頻度で見てくれますか 伴走の仕組み 担任か専任か、毎週か月1回か。頻度まで聞く
学校の外(企業・地域・専門家)とつながる機会はありますか 社会参画の場の有無 過去の例を具体的に話せるかを見る
発表の場はどこで、参加は任意ですか 人前が苦手な生徒への配慮 強制でないこと、見るだけの参加ができることを確かめる
探究と並行して、レポートの進み方はどう見てくれますか 単位の修得が置き去りにならないか レポートの提出状況を誰が把握するかを聞く
実地の活動にかかる費用は、学費とは別ですか 追加の実費の有無 交通費・参加費・宿泊費の目安を聞く

お子さんの性格に合うかどうかの見方は、通信制高校 うちの子に合うの記事で、学校の選び方の全体は通信制高校 選び方のページでまとめています。

通信制高校だからこそ、自分だけの学びをつくれる

通信制高校には、自分で使える時間があります。

その時間を、ただレポートを終わらせるためだけに使うのか。それとも、自分の興味を深め、仲間や社会とつながるために使うのか。

高校生活の形は、自分で選ぶことができます。

ニジ高では、安心して過ごせる少人数のクラスを土台に、生徒一人ひとりの「好き」「得意」「やってみたい」を、実際の挑戦へつなげます。

まだ言葉になっていない興味も、小さな違和感も、その人にしかつくれない学びの入口です。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営する、オンライン中心の通信制高校サポート校です。NIJINアカデミー(小中学生のオルタナティブスクール)の高等部でもあり、グループ全体で不登校の生徒を650名以上サポートしてきました。

プロジェクト学習に関わる仕組みとしては、1クラス8人の少人数で、毎週のクラス会議で行事やプロジェクトの企画とふりかえりを話し合います。毎週火曜日13時の全校ホームルームでは、NIJINアカデミーの小中学生とニジ高生が全員で集まり、生徒の発表や行事の提案がここから始まることが多いです。企業や自治体と関わる探究のプロジェクト(社会共創プロジェクト)があり、公式サイトでは提携企業・自治体は100以上と紹介されています。希望する生徒には、企業インターンとして出社するプロジェクト(東京の拠点・希望者向け)や、スタッフが1対1で伴走する支援もあります。総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座にも力を入れています。カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。

一方で、正直に書いておきたい注意点があります。

  • ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、探究の時間を含む単位の認定もその高校が行います
  • 提携する通信制高校のスクーリングへの参加が必要です。ニジ高の中でのスクーリングはなく、スタッフは日程の調整と準備を支援しますが、宿泊型のスクーリングに付き添うことはしません
  • 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。就学支援金は提携校の授業料に使える制度で、ニジ高の分には使えません。金額は学費のご案内をご覧ください
  • リアルの行事は任意参加で、修学旅行などの費用は学費とは別の実費です。内容・日程は年度により変わります
  • オンライン中心なので、毎日通う場所を求める人には合わない場合があります。全国にNIJINアカデミーのリアルの教室があり、相談のうえでリアルでの通学もご検討いただけます(キャンパス一覧)

体験説明会・個別相談で、プロジェクトの最初の一歩を一緒に考えます

ニジ高の体験説明会・個別相談では、学校の説明を聞くだけでなく、自分の興味や好きなことを言葉にし、どのようなプロジェクトができそうかを考える時間があります。好きなことが決まっていなくても、明確な進路がなくても大丈夫です。オンラインで参加費はかからず、保護者の方だけの参加もできます。

「ちょっと気になる」から、一緒に最初の一歩を考えてみませんか。

迷ったときの進め方(3ステップ)

ステップ1:「好き」「気になる」を3つ、紙に書いてみる

将来の夢ではなく、最近よく見ている動画、時間を忘れてできること、変えたいと思っていることを3つ書きます。小さくて構いません。これが学校を見るときの「自分の物差し」になります。保護者の方は、お子さんの代わりに書かず、横で聞くだけにしてみてください。

ステップ2:2〜3校の説明会で、7つの質問を同じ順番で聞く

上の表の7つの質問を、どの学校にも同じ順番で聞くと、答えの具体さの違いが見えます。「探究の時間は何単位で、添削と面接指導は何回・何時間か」は、学校が自分で決めている部分なので、ここに具体的な答えが返るかどうかが一つの目安です。ニジ高の場合は、体験説明会・個別相談で聞けます。

ステップ3:レポートと探究の両立の形を、入学前に決める

探究が充実していても、74単位の修得が止まれば卒業は近づきません。週のどこでレポートを進め、どこでプロジェクトに時間を使うか、誰が進み方を見てくれるかを、入学前に学校と一緒に決めておきます。ニジ高の場合、レポートと探究の両立の形は体験説明会・個別相談で聞けます。単位の認定は提携する通信制高校が行います。

夕方の静かな商店街で、私服の高校生2人が手描きの枠だけのノートを持ち、木の店先でエプロン姿の店主の話を聞いている
探究は教科の学習と並行して進みます。1週間の予定にプロジェクトの時間を書き込んでおくと見通しが立ちます(イメージ)
オンラインで学ぶニジ高の生徒

「好き」がどんなプロジェクトになるか、体験説明会で一緒に考えます

ニジ高は、オンラインでも青春できる通信制高校サポート校です。1クラス8人のクラス会議で企画を話し合い、企業や地域と関わる探究のプロジェクトで「履歴書で光る実績」をつくっていきます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。カメラ・マイクはオフのまま、話を聞くだけの参加でも構いません。

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よくある質問

Q. 通信制高校にも「総合的な探究の時間」はありますか?

A. あります。高等学校学習指導要領(平成30年告示)は、総合的な探究の時間を「全ての生徒に履修させる」と定めていて、通信制の課程も対象です。標準単位数は3〜6単位で、特に必要がある場合は2単位にできます。添削指導の回数と面接指導の時間は、1単位につき1回以上・1単位時間以上を確保して各学校が決めます。

Q. サポート校のプロジェクト活動は、高校の単位になりますか?

A. それだけでは単位になりません。単位を認定するのは在籍する高校で、学校の指導計画に従って履修し、成果が目標から見て満足できると認められる場合に修得が認定されます。サポート校での活動は、高校の単位とは別に、進路の面接や活動報告書で語れる経験として積み上がるものと考えてください。

Q. 探究やプロジェクトの経験は、総合型選抜で有利になりますか?

A. 「有利」とは言い切れません。令和9年度の実施要項では、総合型選抜で志願者本人が書く資料(活動報告書など)と面接を使うと決まっていて、活動報告書の記載例に「総合的な探究の時間」で取り組んだ課題研究が挙がっています。一方で、小論文や学力検査など少なくとも1つの評価方法も使います。評価の仕方は大学ごとに違うので、志望校の募集要項で確かめてください。

Q. 好きなことが何もありません。プロジェクト学習は向いていませんか?

A. 向いていないとは限りません。学習指導要領解説は、探究の出発点を「日常生活や社会に目を向けた時に湧き上がってくる疑問や関心」としています。ニジ高では、好きなことを見つけるところもプロジェクトの一部と考えていて、まず誰かの活動を見る、サークルをのぞく、イベントを少し手伝う、という入り方ができます。

Q. 人前で発表するのが苦手です。探究の時間は乗り越えられますか?

A. 発表の形は学校ごとに違います。学校に「発表は任意か」「見るだけの参加ができるか」を聞いてください。ニジ高では、カメラ・マイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全校ホームルームはYouTubeのLIVE配信を見るだけの参加もできます。

あなたの「好き」から、どんなプロジェクトが始まるでしょうか

制度を確かめると、探究の時間は高校の全員に用意されていて、通信制でも同じだと分かります。けれど、その時間が「レポート1枚」で終わるか、「好き」が社会に届く体験になるかは、学校の設計と、本人の小さな一歩で変わります。

将来の夢は、まだ決まっていなくて構いません。最近よく見ている動画、時間を忘れてできること、ちょっと変えたいと思っていること。そのどれかを一つ言葉にできれば、探究の過程はもう始まっています。途中でテーマが変わっても、やめても、それは探究が一周まわった証拠です。

まだ言葉になっていない興味も、小さな違和感も、その人にしかつくれない学びの入口です。急いで決めなくて大丈夫です。気になる学校があれば、7つの質問を手に、話を聞くことから始めてみてください。

オンラインで学ぶニジ高の生徒

オンラインで、青春する。

退屈を、わくわくに。あなたの「好き」を聞かせてください。ニジ高の体験説明会へ

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。


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