通信制高校でも友達はできます。ただし、毎日同じ教室に集まる全日制と違い、「待っていれば自然にできる」ことは少なく、スクーリング・部活や同好会・行事・オンラインのホームルームなど、人と会う場に自分から少し顔を出すことが必要です。友達が少なくても卒業や進路に不利になるわけではないので、焦らなくて大丈夫です。
「通信制高校に行ったら友達ができないのでは」「人付き合いが苦手で、通信制でも浮いてしまいそう」と不安な人に向けて、この記事では、通信制高校で友達ができにくいと感じる理由、友達ができる具体的な場所と作り方、オンラインでの関わり方の注意点、そして「社会性」の育ち方までを整理しました。保護者の方に向けたポイントも最後にまとめています。
結論:通信制高校の友達づくりの早見
- 友達はできます。ただし出会う回数が少ないので、全日制より「自分から場に行く」ことが大切です。
- 出会いの場は5つ。スクーリング、通学コースやキャンパス、部活・同好会、行事、オンラインのホームルームやコミュニティです。
- いきなり仲良くならなくていい。見るだけ→あいさつ→ひと言→一緒に何かする、の順で少しずつ関わればOKです。
- 友達が少なくても問題はありません。卒業要件や進路に「友達の数」は関係ありません。社会性は、少人数との関わりや役割の経験でも育ちます。
- 学校選びでは「関わりの仕組み」を見る。同じメンバーで会う場があるか、参加の段差が低いかを確認しましょう。
通信制高校で「友達ができない」と感じやすい4つの理由
通信制高校で友達ができにくいと感じるのは、本人の性格の問題というより、学校の仕組みによるところが大きいです。まず理由を知っておくと、どこを工夫すればよいかが見えてきます。
1. 同じ人と会う回数が少ない
通信制高校の学習は、レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、試験が基本です。毎日登校する全日制と違い、在宅学習が中心のコースでは、同級生と顔を合わせるのが年に数日ということもあります。人は何度も顔を合わせるうちに打ち解けていくものなので、会う回数が少ないと、友達になるまでに時間がかかります。
2. 年齢や事情がさまざま
通信制高校には、中学から進学した人、全日制から転校した人、働きながら学ぶ人、大人になってから学び直す人などが在籍しています。文部科学省の資料では、通信制高校の生徒のうち、小・中学校や前の学校で不登校を経験した生徒は約6割(令和5年度の調査で狭域通信制65.6%、広域通信制64.2%)でした。似た経験をした人が多い一方で、人との距離のとり方は人それぞれです。
3. 自分から動かないと関わりが生まれにくい
全日制では、席が近い、班が同じ、といったきっかけが自動的にできます。通信制ではそうした「決められた関わり」が少ないため、部活に入る、行事に出る、話しかけるといった一歩を、自分で選ぶ必要があります。
4. 前の学校での経験から、慎重になっている
人間関係で疲れた経験があると、「また同じことになったら」と身構えてしまうのは自然なことです。無理に明るくふるまう必要はありません。慎重さは、自分に合う人を見つける力にもなります。
通信制高校で友達ができる5つの場所
では、通信制高校ではどこで友達ができるのでしょうか。学校によって用意されている場は違いますが、主なものは次の5つです。
| 場所 | どんな場か | 友達になりやすさのポイント |
|---|---|---|
| スクーリング(面接指導) | 教員と生徒が対面で学ぶ授業。宿泊を伴う集中型の学校も | 数日間同じメンバーで過ごすので、話すきっかけが生まれやすい |
| 通学コース・キャンパス | 週に数日、キャンパスや学習センターに通う | 同じ顔ぶれで会う回数が多く、全日制に近い関係ができる |
| 部活・同好会 | 運動部、文化部、eスポーツなど | 共通の「好き」があるので、会話が続きやすい |
| 行事 | 文化祭、スポーツ大会、遠足、修学旅行など | 準備や役割分担を通じて自然に話せる |
| オンラインのHR・コミュニティ | オンラインのホームルーム、チャット、オンライン部活 | 文字から参加でき、遠くに住む人ともつながれる |
文部科学省は、スクーリング(面接指導)を、教員からの対面指導に加えて「生徒同士の関わり合い等を通じて」一人ひとりの課題に応じた指導を行う場と説明しています。つまり、スクーリングはもともと、生徒同士が関わることも大切にしている時間です。
部活・同好会と行事は「共通の話題」が最初からある
通信制高校にも、運動部や文化部、同好会がある学校は少なくありません。活動日が月に数回だけの部や、オンラインで活動する部もあります。共通の「好き」がある場では、「何を話せばいいか」に悩みにくく、話す回数が自然と増えます。途中から入部できるか、見学だけでもできるかを先生に聞いてみましょう。
文化祭やスポーツ大会などの行事も、準備や係の仕事を通じて人と話すきっかけになります。全員参加でない行事も多いので、「受付係だけ」「当日見に行くだけ」など、参加しやすい関わり方から選んで大丈夫です。
転入・編入した人は「最初の1か月」に場を決める
年度の途中で転入・編入した人は、すでにグループができているように見えて不安になるかもしれません。通信制高校では入学・転入の時期が人によって違うことが多く、途中から来る人はめずらしくありません。最初の1か月のうちに「毎週このホームルームには出る」「この部活を見学する」など、続けて顔を出す場を1つ決めておくと、関係をつくりやすくなります。
サポート校を併用している場合は、サポート校のクラスやイベントも出会いの場になります。また、学校の外にも、地域の居場所、習いごと、ボランティア、アルバイトなど、同年代や年の違う人と関われる場があります。


スクーリングで友達をつくるコツ
スクーリングは、通信制高校でいちばん確実に同級生と会える場です。限られた日数を生かすために、次のことを意識してみてください。
- あいさつと名前だけで十分。最初から長い会話をしようとしなくて大丈夫です。「おはよう」「〇〇です」だけでも、次に会ったときに話しかけやすくなります。
- 共通の話題から入る。「レポートどこまで進んだ?」「この授業むずかしいね」など、同じ立場だからこそ話せることがあります。
- グループ作業や実技の時間を大切に。体育や理科の実験、芸術などの実技は、自然に協力する場面が多く、話すきっかけになります。
- 休み時間に一人でいてもいい。無理に輪に入らず、話しかけてくれた人に返すだけでも、関係は始まります。
- 連絡先の交換は、学校のルールを確認してから。学校によっては連絡手段の決まりがあります。
宿泊を伴う集中スクーリングでは、数日間同じメンバーで生活するため、短い期間でも仲良くなりやすい傾向があります。逆に、人が多い場所が苦手な人は、事前に学校へ相談しておくと、席や休憩の場所で配慮してもらえることがあります。
オンラインで友達をつくるコツと注意点
オンライン中心の通信制高校やサポート校では、ホームルーム、オンライン部活、チャットなどで関係ができることも少なくありません。顔を出さなくても参加できるので、対面が苦手な人にとっては始めやすい場です。
オンラインで関係をつくるコツ
- 決まった時間・同じメンバーの場に続けて参加する。毎週のホームルームなど、同じ顔ぶれが集まる場は、関係が深まりやすいです。
- 最初はチャットやリアクションから。発言しなくても、スタンプや一言の感想で「ここにいる」ことを伝えられます。
- 好きなことを入口にする。ゲーム、イラスト、音楽、プログラミングなど、共通の趣味の場は会話が続きやすくなります。
トラブルを避けるために
- 本名、住所、学校以外の連絡先などの個人情報は、相手をよく知るまで教えない。
- 学校が用意した場の外で、知らない人と二人きりで会う約束をしない。
- 嫌なことを言われた、困ったことが起きたときは、担任や保護者にすぐ相談する。

人付き合いが苦手でも大丈夫|関わりは段階を踏めばいい
友達づくりは、いきなり「仲良くなる」をめざすと苦しくなります。次のように段階を分けて、今の自分に合う段から始めてみてください。

たとえば、オンラインのホームルームを「見るだけ」で数週間続けてから、チャットで一言書いてみる。スクーリングで隣の人にあいさつできたら、それだけで十分な一歩です。少しずつ慣れていくうちに、「この人とは話しやすい」と感じる相手が見つかることがあります。
発達の特性などで人との関わりに疲れやすい人は、「友達をつくる」より「安心して話せる大人や仲間を1人見つける」を目標にするのも一つの方法です。困りごとが大きいときは、担任やスクールカウンセラー、医療機関など専門の窓口にも相談してください。
友達が少ない・いないのはダメ?|社会性は「数」では決まらない
「通信制高校だと社会性が育たないのでは」と心配する声もあります。けれども、社会性とは友達の数のことではありません。あいさつをする、相手の話を聞く、困ったときに助けを求める、役割を引き受けて最後までやる――こうした力は、少人数との関わりや、アルバイト、ボランティア、プロジェクトなどの経験でも育ちます。
通信制高校で育てやすい「社会性」の例を挙げると、次のようなものがあります。
- 自分で予定を立てて守る力:レポートの締め切りやスクーリングの日程を、自分で管理する経験。
- 助けを求める力:わからないことを先生にメールやチャットで質問する経験。
- 年齢の違う人と関わる力:さまざまな年齢・立場の同級生や、アルバイト先の大人と話す経験。
- 役割を果たす力:部活や行事、プロジェクトで、自分の担当をやりとげる経験。
実際、通信制高校を卒業する条件は74単位以上の修得・3年以上の在籍・特別活動への参加で、友達の数は関係ありません。大学や専門学校の入試、就職の面接でも、見られるのは「どんな経験をして、何を考えたか」です。友達が少ないことを気に病むより、自分が安心して過ごせる関係を1つでも持てているかを大切にしてください。
一方で、誰とも話さない状態が長く続き、つらい気持ちが強くなっているときは、一人で抱えこまないことが大切です。学校の先生やスクールカウンセラーのほか、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310、通話無料)でも相談できます。
友達ができやすい通信制高校の選び方
友達づくりのしやすさは、学校の雰囲気よりも「関わりの仕組み」で決まる部分が大きいです。学校説明会や個別相談では、次の点を確認してみてください。

| 確認すること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 同じメンバーで会う場 | 「クラスやグループのメンバーは固定ですか?」 |
| 会う頻度 | 「ホームルームやスクーリングは、どのくらいの頻度ですか?」 |
| 部活・同好会 | 「どんな部活や同好会があり、途中から入れますか?」 |
| 参加の段差 | 「カメラやマイクをオフにして参加できますか?」 |
| 大人の橋渡し | 「なかなか輪に入れない生徒に、先生はどう関わっていますか?」 |
通学型のキャンパスがある学校なら、見学のときに休み時間の様子を見せてもらうのもおすすめです。学校選び全体のポイントは通信制高校の選び方で、部活を重視する人は部活中心の高校選びもあわせて読んでみてください。
保護者の方へ:「友達できた?」より、居場所の様子を聞く
お子さんが通信制高校に通い始めると、「友達はできたかな」と気になるものです。ただ、「友達できた?」と何度も聞かれると、できていない場合に本人が負担を感じることがあります。
- 「今日のホームルームどうだった?」など、場の様子を聞く。友達の有無ではなく、本人がどう過ごしたかに関心を向けます。
- 小さな変化を一緒に喜ぶ。「チャットで一言書けた」「スクーリングで隣の人と話した」は、大きな一歩です。
- 家庭の外の場も一緒に探す。趣味の教室、地域の居場所、ボランティアなど、学校以外の関わりも社会性を育てます。
不登校を経験したお子さんの場合は、まず家庭で安心して過ごせることが土台になります。家で安心できていると、外の場に出てみようという気持ちも少しずつ育っていきます。焦らず、本人のペースを尊重してあげてください。
学校選びの段階では、説明会や体験授業に親子で参加し、本人が「ここなら行けそう」と感じるかどうかを大切にしてください。保護者から見て良さそうな学校でも、本人が安心できなければ続けるのは難しくなります。気になることは、入学前に学校へ遠慮なく質問しておきましょう。

ニジ高の場合|少人数のクラスとオンラインの居場所
私たちNIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制サポート校です。少人数のクラスに担任がつき、毎週のホームルームや学級会で同じメンバーと顔を合わせます。メタバースのオンラインキャンパスでは、カメラとマイクをオフにしたまま、チャットだけで参加するところから始められます。生徒がつくるサークルや、生徒が企画する行事もあり、「見るだけ」から「一緒に何かする」まで、自分のペースで関わり方を選べます。全国に通える教室もありますが、場所と定員には限りがあります。
正直な注意点も書いておきます。ニジ高そのものは高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、提携校のスクーリングへの参加が必要です。費用は提携校の分とニジ高の分がかかり、ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内で公開しています。また、オンラインの場があっても、友達ができるかどうかは人それぞれで、必ずできると約束できるものではありません。


クラスの雰囲気を、体験で見てみませんか
体験説明会・個別相談では、オンラインキャンパスやホームルームの様子、カメラオフでの参加のしかたを実際にお見せします。人付き合いが不安なことも、そのままご相談ください。保護者の方だけの参加もできます。
よくある質問
できます。ただし毎日同じ教室に集まるわけではないので、スクーリング、部活・同好会、行事、オンラインのホームルームなど、人と会う場に自分から参加することが大切です。同じメンバーと定期的に会える場があるかどうかで、友達のできやすさが変わります。
めずらしいことではありません。在宅学習が中心だと同級生と会う回数が少なく、関係ができるまでに時間がかかります。焦らず、会える場に続けて参加することから始めてみてください。
卒業できます。通信制高校の卒業要件は、74単位以上の修得、3年以上の在籍、特別活動への参加などで、友達の数は関係ありません。
やっていけます。見るだけ、チャットだけ、あいさつだけなど、関わり方を段階的に選べる学校もあります。苦手なことは入学前の相談で伝え、配慮してもらえることを確認しておくと安心です。
学校が用意した行事や場で会うのは安心ですが、個人的に会う場合は、相手をよく知ってから、保護者に伝えたうえで、人の多い場所で会うようにしてください。困ったことがあれば、すぐに担任や保護者に相談しましょう。
まとめ:友達は「場」と「時間」で少しずつできていく
通信制高校で友達ができないと感じるのは、多くの場合、会う回数が少ないという仕組みの問題です。スクーリング、部活・同好会、行事、オンラインのホームルームなど、同じ人と繰り返し会える場に参加していけば、少しずつ関係は生まれていきます。
そして、友達の数が少なくても大丈夫です。安心して話せる人が1人いること、役割を持って誰かと何かをやりとげた経験があることが、これからの進学や仕事にもつながる「社会性」になります。自分に合うペースで、一歩ずつ進めてください。
学校選びや人間関係の不安を、誰かと一緒に整理したくなったときのために、相談の入口を置いておきます。

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参考:文部科学省「高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律の背景及び概要について」(令和8年8月31日)/文部科学省「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ 審議まとめ案(高等学校通信教育の質保証方策関係)概要」(令和2年11月)/文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」(いずれも2026年10月確認)

