大学進学に強い通信制高校の特徴は?|国公立は一般選抜76%【2026】

「大学に行きたいけれど、通信制高校で本当に大丈夫?」「大学進学に強い通信制高校って、どこを見れば分かるの?」。通信制高校を調べ始めると、「進学コース」「難関大合格」といった言葉がたくさん出てきて、かえって決め手が分からなくなりますよね。

先に結論を書きます。大学進学に「強い」かどうかは、学校の名前や合格者数の大きさではなく、あなたが目指す入試に合った仕組みがあるかで決まります。見るところは3つです。受験に要る科目を在籍校で学べるか(カリキュラム)、分からないところを質問して積み上げられるか(理解度への対応)、入試方式ごとに誰が何を手伝ってくれるか(受験サポート)。そして、国公立大学の入学者は約76%が一般選抜、私立大学は約6割が学校推薦型選抜・総合型選抜と、志望先によって「強い」の中身が変わります。

この記事では、文部科学省の学校基本調査、令和7年度の大学入学者選抜の実施状況、令和9年度大学入学者選抜実施要項、高等学校通信教育規程を実際に開いて、大学進学に強い通信制高校の特徴と見分け方を整理しました。公式の資料で確かめられなかったことは、確かめられなかったと書いています。

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目次

結論:大学進学に強い通信制高校の特徴の早見

  • 通信制高校を卒業すれば、大学の受験資格は全日制と同じです(学校教育法第90条)。通信制の卒業者のうち大学等へ進んだのは28.6%(学校基本調査・令和6年度間の卒業者)。
  • 強い学校の特徴1は、受験に要る科目を在籍校で履修できるカリキュラムがあること。卒業に要る単位と、受験に要る科目は同じではありません。
  • 特徴2は、理解度に合わせて質問・個別のフォローを受けられること。通信制は登校日数の少ないコースが多く、家で進める時間の支え方で差が出ます。
  • 特徴3は、入試方式ごとの受験サポートがあること。総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜では、準備の中身も時期も違います。
  • 国公立大学の入学者は76.3%が一般選抜、私立大学は61.7%が学校推薦型・総合型(令和7年度)。志望先で重視すべき特徴が変わります。
  • 進学実績は合格者数(延べ人数)だけで比べず、卒業者数・進学者数・入試方式の内訳を聞きます。
  • サポート校を使う場合、評定・調査書・推薦を出すのは在籍する通信制高校です。サポート校と在籍校の役割を分けて確かめます。
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「強い」は学校の名前ではなく、あなたの志望先に合う仕組みがあるかどうかです

「大学進学に強い」という言葉には、公的な定義がありません。学校案内で使われるときは、進学コースがある、合格者が多い、予備校と提携している、といった意味で使われることが多いようです。けれども、あなたにとって大事なのは「その学校で3年間を過ごしたときに、目指す大学の入試に必要な準備ができるか」です。

たとえば、国公立大学を一般選抜で目指す人と、私立大学を総合型選抜で目指す人とでは、学校に求めるものがほぼ反対になります。前者には、共通テストと個別試験の科目を学べる授業と、質問できる環境が要ります。後者には、志望理由書や小論文、面接の準備を一緒に見てくれる人と、「語れる活動」を作れる時間が要ります。

ですから、「強い学校はどこか」を探す前に、「自分はどの入試で、どこを目指したいか」をざっくり決めておくと、学校の見え方が変わります。まだ決まっていなくても大丈夫です。決まっていない人は、どの方式にも切り替えられるよう、基礎の学び直しと質問のしやすさを優先して見るのが現実的です。

もう1つ、忘れられがちなことがあります。「全日制と同じように難関大学に合格した生徒もいる」という話はよく聞きますが、個々の合格は、その学校の仕組みの力なのか、本人の力なのかを外から見分けるのは困難です。この記事では、学校の仕組みとして確かめられることに絞って見ていきます。

通信制高校の卒業者で大学等に進んだのは28.6%。受験資格は全日制と同じです

まず前提です。学校教育法第90条は、大学に入学できる者を「高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者」などと定めています。全日制・定時制・通信制の区別はありません。通信制高校を卒業すれば、大学の受験資格は全日制と同じです(e-Gov法令検索「学校教育法」)。

では、実際にどのくらいの人が進学しているのか。文部科学省の学校基本調査(令和7年度・高等学校通信制 卒業後の状況調査)によると、令和6年度間に通信制高校を卒業した91,809人のうち、大学等(大学・短期大学。通信教育部を含む)へ進んだのは26,301人でした。

区分卒業者大学等進学者大学等進学率
通信制(計)91,809人26,301人28.6%
通信制(公立)9,443人1,618人17.1%
通信制(私立)82,366人24,683人30.0%
全日制・定時制(令和7年3月卒業)929,157人582,042人62.6%

出典:文部科学省「学校基本調査」令和7年度(確定値)表297・表283。通信制は令和6年度間の卒業者、全日制・定時制は令和7年3月の卒業者です。

通信制の大学等進学率は全日制・定時制より低いものの、1年で2万6千人を超える人が通信制から大学・短大に進んでいます。なお、大学等進学者26,301人には大学・短大の通信教育部への進学も含まれていて、それを除くと22,319人(24.3%)です。専修学校(専門課程)へ進んだ人は21,013人(22.9%)でした。

「進学率が低い」ことは、「通信制からは大学に行けない」という意味ではありません。通信制には、中学で不登校を経験した人、働きながら学ぶ人、別の目標がある人など、さまざまな人がいます。実際、2025年度に通信制高校に入学した77,998人のうち、中学3年生のときに不登校だった生徒は44,461人(57.0%)でした(文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」)。受験資格や入試日程の全体像は、通信制高校 大学進学の記事で詳しく整理しています。

国公立大学の入学者は76%が一般選抜。志望先によって「強い」の中身が変わります

大学入試には、大きく分けて3つの方式があります。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項(2026年5月27日通知)は、それぞれを次のように定めています。

  • 一般選抜:学力検査や小論文などを主な資料にし、調査書や面接などを組み合わせて評価する方式。
  • 総合型選抜:詳しい書類審査と時間をかけた面接などで、能力・適性や学ぶ意欲、目的意識を総合的に評価する方式。本人が書く活動報告書や入学希望理由書などを評価に使い、面接も行うことが求められています。
  • 学校推薦型選抜:出身高校の校長の推薦にもとづき、調査書を主な資料にしながら評価する方式。本人の意志だけでは出願できません。

では、実際にどの方式で何人が大学に入っているのか。文部科学省の令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況から、入学者の数を方式別に並べました。

入試方式国公立大学私立大学合計
一般選抜103,863人(76.3%)196,386人(38.3%)300,249人(46.3%)
学校推薦型選抜22,438人(16.5%)198,977人(38.8%)221,415人(34.1%)
総合型選抜9,897人(7.3%)116,869人(22.8%)126,766人(19.5%)
入学者の合計136,198人512,232人648,430人

出典:文部科学省「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」(令和7年5月1日現在の集計。大学の通信教育課程は含みません)。割合は入学者の合計に対するもので、この記事で計算しました。

この表から分かるのは、国公立大学を目指すなら、一般選抜の学力(共通テストと個別試験)に向けた準備が中心になるということです。一方、私立大学では入学者の61.7%が学校推薦型選抜か総合型選抜で入っていて、評定(成績)や調査書、志望理由書・面接の準備の比重が大きくなります。

つまり、「大学進学に強い通信制高校」を探すときは、国公立志望なら教科の学習と質問の環境を、私立の推薦・総合型志望なら評定の付け方や書類・面接の支援を、より重く見るのが筋です。どちらか決まっていない人は、両方の入り口を残せる学校を選ぶと安心です。

日程も方式で違います。令和9年度入試では、総合型選抜の出願は2026年9月1日以降(結果の発表は11月1日以降)、学校推薦型選抜の出願は11月1日以降(発表は12月1日以降)、一般選抜の試験は2027年2月1日から3月25日の間です。大学入学共通テストは2027年1月16日・17日に行われます。

※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

夕方のリビングで、母親と娘がソファに並んでタブレットを見ている
志望する大学の入試の方式を、親子で一緒に確かめておきます。

特徴1:受験に要る科目を、在籍する高校で履修できるカリキュラムがあります

元の記事でも「大学受験を見据えたカリキュラム」を1つ目の特徴に挙げていました。ここでいうカリキュラムは、進学コースの名前のことではなく、受験で使う科目を、在籍する高校の授業(単位)として履修できるかという意味です。

高校を卒業するための勉強と、大学に合格するための勉強は、似ているようで違います。通信制高校の卒業に必要なのは、3年以上の在籍・74単位以上の修得・特別活動30単位時間以上です。けれども、74単位を取れば受験に要る科目がそろうとは限りません。どの科目を開いているかは学校ごとに違い、とくに理系学部で使う数学や理科の発展的な科目は、卒業には要らないこともあります。

確かめたいのは次の3点です。

  • 志望する学部で使う科目(たとえば数学や理科、外国語の上の段階の科目)を、在籍校で履修できるか。
  • レポート(添削指導)とスクーリングだけで単位を取る仕組みか、それとも受験レベルまでの授業があるか。
  • 授業が映像だけか、質問や解説を受けられる時間があるか。

理系を考えている人は、科目の確かめ方を通信制高校 理系大学の記事で詳しく書いています。

もう1つ大事なのが、評定と調査書を作るのは在籍する高校だということです。実施要項は、大学が高校に調査書の提出を求め、その調査書は在籍する高校が指導要録にもとづいて作ると定めています。調査書には各教科の学習成績の状況や、学年全体の中での位置を示す「学習成績概評」(A〜Eの5段階)が書かれます。学年の区分を設けない通信制の課程では、調査書の「学年」を「年度」と読み替えることになっています。サポート校を使っていても、評定を付けるのは在籍校です。推薦入試を考えている人は、在籍校で評定がどう付くか(レポート・スクーリング・試験の比重)を入学前に聞いておくと、あとで慌てません。

特徴2:分からないところを質問でき、自分の理解度から積み上げられる仕組みがあります

元の記事の2つ目の特徴は「一人ひとりの理解度に対応」でした。通信制の強みは、学ぶペースを自分で調整できることです。その一方で、ペースを自分で決められるぶん、家で進める時間をどう支えるかが学校によって大きく違います。

文部科学省の令和7年度 通信制高等学校実態調査で、通学する頻度ごとのコースの生徒数を見ると、週5日のコースは12.5%でした。年に数日まとめて通う集中スクーリング型が28.9%、月1〜2回や自由登校などの「その他」が33.2%です。多くの生徒は、学校にいない時間の方が長い通い方をしています。

通い方(コース)生徒数の割合大学進学で確かめたいこと
週5日12.5%受験科目の授業があるか。通学の負担で自習時間が削られないか
週1〜4日25.4%登校日以外に質問できる窓口があるか
集中スクーリング型28.9%ふだんの学習を誰が見てくれるか。計画の相談先はどこか
その他(月1〜2回・自由登校など)33.2%一人で進める時間を支える仕組み(オンラインの質問・面談)があるか

出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2025年5月1日時点。通学頻度別コースの生徒数の合計300,406人に対する割合。週1〜4日は週4・週3・週2・週1の合計)。右の列は、この記事の整理です。

大学進学に強い学校は、この「学校にいない時間」を放っておきません。気軽に質問できる窓口がある、担任や学習の相談役と定期的に計画を見直せる、つまずいた単元までさかのぼって学び直せる。この3つがそろっていると、疑問を残したまま進んでやる気を失う、という悪循環を防ぎやすくなります。

学力に不安がある人ほど、この特徴2を重く見てください。中学の内容でつまずいているなら、受験対策の前に基礎を取り戻す時間が要ります。今の学力からどう始めるかは、学力に自信がなくても大学進学を目指す人向けの記事も参考にしてください。

特徴3:入試方式ごとに、誰が何を手伝ってくれるかが決まっています

元の記事の3つ目の特徴は「高い専門性をもつ受験サポート」でした。ここで見たいのは、専門スタッフがいるという看板ではなく、あなたが受ける入試の準備に、誰が、いつ、何回関わってくれるかです。方式ごとに、学校に求めることを整理しました。

入試方式主に何で評価されるか学校に求めたい支援説明会で聞くこと
総合型選抜本人が書く書類・面接・小論文など志望理由書や小論文の添削、面接の練習、語れる活動づくり書類を誰が何回見てくれるか。活動の機会はあるか
学校推薦型選抜調査書(評定)・推薦書・面接など評定の付け方の説明、推薦の校内基準の案内推薦の条件と、推薦を出せる大学があるか
一般選抜学力検査(共通テスト・個別試験)受験科目の授業、質問の窓口、演習と学習計画受験科目の授業はどこまであるか。塾との併用の前提か

出典:評価の中身は文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」をもとに要約。支援と質問は、この記事の整理です。

総合型選抜と学校推薦型選抜では、実施要項が、知識や思考力などを、調査書などの書類だけでなく、教科・科目のテスト、共通テスト、小論文・プレゼンテーション・口頭試問など、資格・検定試験の成績のうち少なくとも1つで評価することを求めています。つまり、推薦や総合型でも「勉強しなくていい入試」ではありません。書類と面接に加えて、基礎学力の準備もそろえられる学校かを見てください。

学校推薦型選抜のうち、いわゆる「指定校推薦」は、実施要項でいう「非公募型の学校推薦型選抜」にあたる形が多いと考えられます。どの大学の推薦枠があるかは学校ごとに違い、外からは分かりません。在籍することになる通信制高校に直接聞くしかありません。総合型選抜に絞った学校の見分け方は総合型選抜 通信制高校の記事、推薦入試の仕組みと注意点は通信制高校 推薦入試の記事でまとめています。

令和7年度の大学入学者のうち、国公立大学は76.3%が一般選抜、16.5%が学校推薦型選抜、7.3%が総合型選抜で、私立大学は一般選抜38.3%・学校推薦型選抜38.8%・総合型選抜22.8%であることを比べた表
出典:文部科学省「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」

進学実績は「合格者数」だけでは比べられません。延べ人数と入試方式の内訳を聞きます

学校を比べるとき、いちばん目に入るのが「合格実績」です。けれども、合格者数の数字は、1人の生徒が複数の大学・学部に合格した場合にすべて数えられていることがあります。文部科学省の入学者選抜の統計でも、志願者数・受験者数・合格者数は「延数」だと注記されています。合格者数が大きくても、実際に進学した人数とは違うことがあるのです。

比べやすくするには、次の数字をそろえて聞くのが有効です。

  • 卒業者数と、そのうち大学に進学した人数(実人数)。
  • 入試方式の内訳(総合型・学校推薦型・一般)と、国公立か私立か。
  • 全国のキャンパスの合計か、あなたが通う拠点の数字か。
  • 何年度の卒業生の数字か。

通信制高校には、情報を公表する決まりもあります。高等学校通信教育規程第14条は、通信制高校(実施校)に、卒業した者の数や進学者数・就職者数などの進学・就職の状況、生徒の進路選択の支援に関することなどを公表するよう定めています。サポート校が学習等支援施設などとして届け出られている場合、この一部は施設ごとの状況も含めて公表の対象になります。公式サイトで見つからなければ、説明会で「卒業者数と進学者数を教えてください」と聞いて大丈夫です。

元の記事でも書いたとおり、実績はあくまで参考情報の1つです。その数字を生んでいる学習の仕組み、つまり特徴1〜3がそろっているかのほうが、あなたの3年間には直接効きます。数字の読み方をもっと詳しく知りたい人は、通信制高校 大学進学実績の記事で10の質問にまとめています。

学校選びの5つの確認点は、説明会でそのまま聞ける質問にできます

元の記事では、学校選びの観点として(1)進学コースの有無、(2)個別指導や質問サポートの有無、(3)推薦入試・一般選抜の対策サポートの有無、(4)予備校・塾との連携、(5)進路サポートの内容、の5つを挙げていました。この5つを、説明会や個別相談で使える質問の形にしました。

確認点聞く質問答えの見方
(1)進学コース進学コースでは、ふつうのコースと比べて何の授業が増えますか受験科目の授業時間と科目名で答えてくれるか
(2)質問・個別の支え登校日以外に質問するには、どうすればいいですか窓口・返事までの目安・対面かオンラインかが具体的か
(3)方式別の対策総合型・推薦・一般で、それぞれ誰が何を見てくれますか「進学サポートがあります」だけで終わらないか
(4)予備校・塾との連携連携先の授業は映像ですか。質問や面談もできますか費用が別か込みか、使える時間帯はいつか

(5)の進路サポートについては、「志望校選び・併願・共通テストの出願・受験の日程を、誰と一緒に決めますか」と聞いてみてください。大学入試では、志望校をどこにするか、どの科目・方式で受けるか、併願はどうするか、共通テストを受けるかなど、決めることがたくさんあります。すべて一人で調べるのはかなりの負担です。相談する相手と時期が決まっている学校なら、あなたは勉強に集中しやすくなります。

答えを聞くときのコツは、「あります」ではなく「どのように」を聞くことです。「予備校と提携しています」と言われても、実際には授業の映像が見られるだけ、ということもありえます。どんな形で、どのくらいの頻度で、誰が関わるのかまで具体的に聞くと、学校ごとの違いがはっきりします。

予備校・塾と併用するなら、提携の有無より「中身」と「時間」を確かめます

通信制高校の生徒も、全日制と同じように塾や予備校を併用することができます。通信制は登校日数を調整しやすいぶん、受験勉強に回せる時間を作りやすいという面もあります。

在籍する学校が予備校・塾と提携している場合は、それを活用することで、学校と塾の二重通学を避けられることがあります。費用だけでなく、移動や予定の調整の負担も軽くなるので、学校選びの際に確かめておきたいポイントです。ただし、提携の中身は学校によって違います。

  • 使えるのは映像授業だけか、講師への質問や面談もあるか。
  • 費用は学校の費用に含まれるのか、別にかかるのか。
  • レポートとスクーリングの時期と、受験勉強の時間がぶつからないか。

提携が無い学校でも、外部の塾や予備校を自分で選んで併用することはできます。大切なのは、在籍校の単位を取る時間と、受験の勉強をする時間を、学年ごとに分けて計画できるかです。通信制の勉強が物足りなく感じたときの足し方は、通信制高校 勉強 物足りないの記事で書いています。

学習室の机で、先生と男子生徒が手書きの文章を一緒に見直している
塾や予備校を使うかどうかは、学ぶ中身と使える時間で考えます。

よくある誤解:「進学コースがあれば安心」「通信制は推薦に有利」「実績の多い学校なら合う」は言い切れません

大学進学に強い学校を探すときに、陥りやすい思い込みを3つ挙げます。

誤解1:進学コースがあれば安心

進学コースの中身は学校によって大きく違います。受験科目の授業が増えるコースもあれば、進路の相談が中心のコースもあります。名前ではなく、授業の科目と時間、質問の仕組みで判断してください。

誤解2:通信制は推薦入試に有利

「通信制は評定が取りやすいから推薦に有利」という話を見かけることがあります。けれども、評定の付け方は在籍校ごとに違い、実施要項は学校推薦型選抜でも、調査書だけでなく小論文や口頭試問などで学力を評価することを求めています。推薦を出す条件(校内基準)や、推薦できる大学があるかも学校ごとに違います。有利・不利を一般論で決めず、在籍校の条件で確かめるのが確実です。

誤解3:実績の多い学校なら自分にも合う

在籍者数の多い学校ほど、合格者の総数は大きくなりやすくなります。数字が大きいことと、あなたが通う拠点・コースで同じ支援を受けられることは別です。自分が使うコースの、自分が受ける方式の話を聞いてください。

もう1つ付け加えると、通信制高校を選んだことそのものが大学入試で不利になるかどうかは、大学の入試方式や評価のしかたによって変わり、一律には言えません。実施要項は、各大学に、多様な背景をもつ学生の受け入れに配慮するよう求めています。不安なときは、志望する大学の募集要項を1つ開いて、出願資格と評価の方法を確かめてみてください。

共通テストは個人でWeb出願。通信制の卒業見込み者は住んでいる地域の試験場で受けます

国公立大学を目指す人の多くが受ける大学入学共通テストは、通信制高校の生徒も受けられます。大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト実施要項」によると、出願はインターネットの出願サイトで本人が行い、令和9年度(2027年1月実施)の出願期間は2026年9月15日から10月2日まで、3教科以上を受ける場合の検定料は18,000円です。

項目令和9年度(2027年1月実施)の内容
出願のしかた出願サイトでマイページを作り、本人がWebで出願する
出願期間2026年9月15日〜10月2日
検定料3教科以上を受ける場合 18,000円
試験場通信制の卒業見込みの人は、住んでいる試験地区の試験場(全日制などの卒業見込みの人は在学校のある地区)
試験日2027年1月16日・17日

出典:大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト実施要項」(2026年6月2日)。

共通テストの出願や受験の手続きを一緒に確認してくれるかも、進路サポートの差が出やすいところです。出願の手順は共通テスト 出願 通信制の記事で詳しく書いています。

大学進学に強い通信制高校を見分ける3つの仕組みとして、受験科目を履修できるカリキュラム、質問と学び直しができる理解度への対応、入試方式ごとの受験サポートを並べた図
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」ほか

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

「毎日の通学は難しいけれど、大学進学はあきらめたくない」。そう考えた方の選択肢の1つとして、NIJIN高等学院(ニジ高)を紹介します。

ニジ高は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも参加でき、担任がつきます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。中学の内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応していて、生活リズムに波があっても学べるように設計しています。この記事の特徴2(理解度から積み上げる)にあたる部分です。

大学進学に関わるところでは、総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座に力を入れて取り組んでいます。ただし、この講座による総合型選抜の合格実績として、お伝えできる数字はまだありません。一般選抜に向けた教科の受験対策をどこまでニジ高の中で受けられるかは、志望校や科目によって変わるため、個別相談で具体的に確かめてください。塾・予備校を併用するかどうかも、そのときにあわせて相談できます。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。

そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。

  • ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。提携校以外の通信制高校に在籍したまま、ニジ高を併用することもできます。
  • 評定・調査書・推薦を出すのは、在籍する通信制高校です。推薦入試を考えている場合は、在籍校の評定の付け方と推薦の条件を、在籍校の案内で確かめる必要があります。
  • 学院の中でのスクーリングはありませんが、在籍する通信制高校のスクーリングには参加が必要です(宿泊型で行う学校もあります)。ニジ高は日程の調整と準備を支えます。
  • 費用は、在籍する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。就学支援金が当たるのは通信制高校の授業料で、ニジ高の分には使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。

この記事の3つの特徴に照らして、ほかの学校と同じ質問を並べて比べる候補の1つにしていただければ十分です。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 目指す入試をざっくり決める。国公立か私立か、一般選抜か推薦・総合型か。決まっていなければ「両方の入り口を残す」と決めるだけでも十分です。この記事の方式別の入学者の表が目安になります。
  2. 候補の学校に、同じ質問を並べて聞く。特徴1〜3と、5つの確認点の表をそのまま使ってください。卒業者数と進学者数、入試方式の内訳も聞きます。サポート校を使う場合は、在籍校の評定と推薦の条件も確かめます。
  3. 学年ごとの計画を一緒に書いてみる。卒業の単位を取る時間と、受験勉強の時間を分けて、高1〜高3の流れを書き出します。説明会や個別相談で、この計画を一緒に見てくれるかどうかも、学校選びの判断材料になります。

どの学校も、パンフレットやサイトだけでは分からないことがあります。気になる学校が出てきたら、体験入学や説明会で、実際の授業や質問のしかたを見てみてください。ニジ高の説明を聞いてみたい方は、体験説明会・個別相談から申し込めます。

秋の並木道を、2人の若者がリュックを背負って並んで歩いている
進みたい道が決まると、今やることの順番も見えてきます。
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よくある質問

Q. 通信制高校から、国公立大学や難関大学に進学できますか?

A. 受験資格は全日制と同じなので、制度の上で道は閉じていません。ただし国公立大学の入学者の76.3%は一般選抜なので(令和7年度)、共通テストと個別試験の科目を学べる環境と、学習時間の確保が要ります。在籍校で受験科目を履修できるか、質問の仕組みがあるかを先に確かめてください。

Q. 大学進学に強い通信制高校は、合格者数の多い学校ですか?

A. 合格者数だけでは判断できません。合格者数は1人が複数合格した分も数えた延べ人数のことがあり、在籍者の多い学校ほど大きくなりやすいからです。卒業者数と進学者数(実人数)、入試方式の内訳、自分が通う拠点・コースの数字をそろえて比べてください。

Q. サポート校に通うと、推薦入試で不利になりますか?

A. サポート校に通うこと自体で有利・不利が決まるわけではありません。推薦入試で使う調査書や推薦書は、在籍する通信制高校が作ります。評定の付け方や推薦の条件は在籍校ごとに違うので、サポート校と在籍校の両方に、推薦についての扱いを確かめてください。

Q. 高校に入ってから大学進学を考え始めても間に合いますか?

A. 目指す方式によって、準備を始めたい時期が変わります。推薦入試は高1からの評定が調査書に残り、総合型選抜は高3の9月から出願が始まるので、活動や書類の準備は早めのほうが余裕を持てます。一般選抜は、基礎から積み上げる時間を確保できるかが鍵です。どこからでも始められるよう、まずは今の学力と目指す方式を整理してみてください。

Q. 途中で通信制高校に転校しても、大学受験はできますか?

A. 転校(転入)しても、卒業すれば受験資格は同じです。転入では前の学校の単位と在籍期間を引き継げます。ただし、高3の秋は総合型選抜や共通テストの出願の時期と重なるので、転校の手続きと出願の準備が同時になることがあります。調査書を作るのは卒業時に在籍している学校なので、転校先で出願書類の段取りを早めに確かめてください。

「強い学校」探しは、あなたの3年間の使い方を決めることから始まります

大学進学に強い通信制高校を探していると、つい「どこが一番か」を知りたくなります。けれども、国公立を一般選抜で目指す人と、私立を総合型選抜で目指す人とでは、合う学校がちがいます。強さは学校の側だけにあるのではなく、あなたの目標と学校の仕組みが合っているかで決まります。

通信制を選ぶことは、大学への道をあきらめることではありません。毎日の通学が難しくても、自分のペースで基礎を取り戻し、目指す入試に合わせて準備を積み上げていく道があります。今日すぐに決めなくて大丈夫です。まずは、気になる学校に聞きたい質問を1つだけ書き出すところから始めてみてください。

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