「高校生 不登校 やばい」と検索すると、不安をあおるような言葉が並んでいて、よけいに苦しくなってしまうことがあります。留年、中退、進学できない、人生が終わる。そんな言葉を読んで、眠れなくなった人もいるかもしれません。
この記事は、学校に行けなくなった高校生本人と、その保護者の方に向けて書いています。先に、いちばん大事なことを書きます。高校生の不登校は「やばい」ことではありません。その不安を分解してみると、ほとんどは「対処できる課題」です。そして、本当に気をつけたいのは、不登校そのものより「ひとりで抱えたまま時間が過ぎること」です。
不登校の高校生はどれくらいいるのか。そのあと中退や留年になる人はどれくらいか。「やばい」の正体は何か。進路と心を守るために、何から始めればいいのか。国の調査をもとに整理しました。
出席が足りているか不安な場合は、高校の出席日数は何日まで?もあわせてご覧ください。
結論:高校生の不登校、の早見
- 不登校の高校生は約6万8千人。高校生1,000人あたり23.3人です。あなただけではありません。
- 不登校の高校生のうち、中途退学した人は15.6%、原級留置(留年)は4.4%。残りの約8割は、中退も留年もしていません。
- 「やばい」の正体は、4つの不安に分けられます。成績と単位、留年と中退、進学と就職、心の健康です。
- どれも「学び方や環境を変える」ことで対処できます。転校、通信制高校への転入、休学など、道は複数あります。
- 本当に注意したいのは、長期化と孤立。相談できる相手がいない状態が続くことのほうが、心の負担は大きくなります。
- いちばん最初にやることは、単位の状況を確認すること。「あと何日休めるか」を知るだけで、不安はかなり小さくなります。
数字で見ると、不登校の高校生の約8割は中退も留年もしていません
「不登校になったら、もう終わり」というイメージは、実際の数字とは違います。国の調査を確認します。
| 項目 | 数値(令和6年度) |
|---|---|
| 高校の不登校生徒数 | 67,782人(1,000人あたり23.3人) |
| うち中途退学した人 | 10,566人(15.6%) |
| うち原級留置(留年)になった人 | 2,963人(4.4%) |
| 欠席日数が30〜49日の人 | 39,395人(58.1%) |
| 欠席日数が90日以上の人 | 10,088人(14.9%) |
※出典=文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」。不登校は、年間30日以上欠席した人のうち、病気や経済的な理由を除いたものです。2026年9月時点の公表値です。

不登校の高校生のうち、中途退学した人は15.6%、留年した人は4.4%です。つまり、約8割の人は、中退も留年もしていません。また、不登校とされた人の半分以上は、欠席日数が30〜49日の範囲です。
もちろん、中退や留年が「やばいこと」だという意味でもありません。中退してから別の高校で卒業する人も、留年して学び直す人もいます。数字が教えてくれるのは、不登校になったあとの道は、ひとつではないということです。
不登校のきっかけは、人それぞれ
高校生が学校に行けなくなるきっかけは、ひとつではありません。人間関係のつまずき、勉強についていけない不安、朝起きられないなどの体調の問題、進路への迷い。いくつかが重なっていることも多く、本人にも理由がうまく説明できないことがあります。
「なんで行けないの」と理由を問い詰めても、答えが出てこないのは自然なことです。理由探しよりも、「今どんな状態か」「何があれば少し楽になるか」を一緒に考えるほうが、次の一歩につながります。朝の頭痛や腹痛が続く場合は、起立性調節障害など体の不調が関わっていることもあるので、医療機関に相談してみてください。
「やばい」の正体を、4つに分解する
不登校が「やばい」と言われるとき、その中身はだいたい次の4つの不安に分けられます。ひとつずつ見ていくと、それぞれに対処の方法があることがわかります。
| 不安の中身 | 実際に起きること | 対処の方法 |
|---|---|---|
| 成績と単位 | 欠席が増えると、科目ごとの単位が認められないことがある | 学校に、残りの欠席可能な時数と補習の有無を確認する |
| 留年と中退 | 単位が足りないと、進級できないことがある | 転校、通信制高校への転入、休学など、学年を落とさない道を探す |
| 進学と就職 | 出席や成績が推薦入試の条件に関わることがある | 一般選抜や総合型選抜、高卒認定など、別の道を知る |
| 心の健康 | 自分を責め続けて、気持ちが落ち込むことがある | 休むことを優先し、必要なら医療機関や相談窓口につながる |

1. 成績と単位
全日制の高校では、科目ごとに決められた授業時数の出席が必要です。多くの学校では、欠席が授業時数の3分の1を超えると、その科目の単位が認められなくなります。ただし、基準は学校ごとに違い、1日休んだだけで単位を落とすわけではありません。まずは、自分があと何時間休めるのかを学校に確認することから始めましょう。
2. 留年と中退
単位が足りなくなると、進級できない可能性が出てきます。けれども、その前に選べる道があります。年度の途中で通信制高校に転入すれば、それまでに修得した単位を引き継いで、学年を落とさずに卒業を目指せる場合があります。休学して体調を整えるという選択肢もあります。
3. 進学と就職
大学の一般選抜では、欠席日数だけを理由に不合格になることは基本的にありません。総合型選抜では、高校の種類よりも、何に取り組み、何を考えたかが見られます。高校を卒業しなくても、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格すれば、大学の受験資格が得られます。進学の道は、思っているより多く残っています。
4. 心の健康
いちばん大切にしてほしいのは、ここです。学校に行けない自分を責め続けると、心はどんどん疲れていきます。眠れない、食べられない、何をしても楽しくない状態が続くときは、医療機関や相談窓口に相談してください。学校のことは、そのあとで一緒に考えれば大丈夫です。

本当に注意したいのは、長期化と孤立
本当に気をつけたいのは、不登校そのものではありません。「相談できる相手がいないまま時間が過ぎること」と「進路の見通しが持てないまま時間だけが過ぎること」です。
学校に通えないことよりも、誰にも話せない状態が続くことのほうが、心への負担は大きくなります。家から出ない日が続くと、生活リズムが崩れ、友達とのつながりも少しずつ細くなっていきます。そうなると、「戻りたい」と思ったときの一歩が、どんどん重くなってしまいます。
だからこそ、学校に戻るかどうかを決める前に、まず誰かとつながっておくことが大切です。担任の先生、保健室の先生、スクールカウンセラー、家族、オンラインの居場所。相手は誰でも構いません。
つながりを保つ方法は、大きなことでなくて構いません。
- 起きる時間だけは、だいたい同じにしておく
- 1日に1回、家族と短い会話をする
- 好きなことについて話せる友達や、オンラインのコミュニティとのやりとりを続ける
- 週に1回、近所のコンビニや図書館など、短い外出をしてみる
どれも「学校に戻るための練習」ではありません。自分の生活と、人とのつながりを細くしすぎないための工夫です。できない日があっても大丈夫です。
学校に戻る・戻らない。どちらも選べます
不登校になったからといって、「完全に戻る」か「完全にやめる」かの二択で考える必要はありません。今の学校に在籍したまま、通い方を変えられることもあります。
- 別室登校・保健室登校。教室に入らず、校内の別の部屋で過ごす形です。出席として扱う学校もあります。
- 遅刻・早退を組み合わせる。午前だけ、午後だけなど、できる時間だけ登校します。
- 休学する。一定の期間、学籍を残したまま学校を休みます。体調を整えてから復学するか、別の道を選ぶかを考えられます。
- 転校・転入する。全日制から全日制、または通信制高校に移ります。修得済みの単位は原則として引き継げます。
- 高卒認定を目指す。高校を卒業しなくても、高等学校卒業程度認定試験に合格すれば、大学や専門学校の受験資格が得られます。
どれを選ぶかは、本人の体調や気持ち、学校の制度によって変わります。学校によってできること・できないことがあるので、担任やスクールカウンセラーに「どんな選択肢がありますか」と聞いてみてください。休学の扱いや、休学中の学費の考え方も、学校ごとに違います。
大切なのは、どれを選んでも「負け」ではないということです。自分に合う場所で学び直すことは、立派な前進です。
今日からできること:最初の3ステップ
何から手をつければいいかわからないときは、次の順番で進めると、気持ちが少し楽になります。
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 休む | まずは体と心を休める | 休むことに罪悪感を持たなくていい。眠れる、食べられる状態を取り戻す |
| 2. 確認する | 学校に単位と欠席の状況を確認する | 保護者から担任に聞いてもらってもいい。数字を知るだけで不安が小さくなる |
| 3. 並べる | 今の学校で続ける、転校する、通信制に移る、休学するなどの選択肢を並べる | すぐに決めなくていい。並べるだけで、道があることがわかる |
大切なのは、ステップ1を飛ばさないことです。疲れ切った状態で進路を決めようとすると、どの選択肢も重く見えてしまいます。休んで少し元気が戻ってから、ステップ2と3に進んでください。休んでいる間の家での過ごし方は、不登校 高校生 趣味で整理しています。
ステップ2で学校に確認するときは、「全体で何日休んだか」ではなく、「科目ごとに、あと何時間休めるか」を聞くのがポイントです。単位は科目ごとに判断されるので、時間割によっては、ある科目だけが先に基準に近づいていることがあります。確認した結果は紙に書き出しておくと、家族で共有しやすくなります。本人が学校と話すのがつらい場合は、保護者が代わりに聞いても問題ありません。
転校や転入の具体的な流れは、高校生が9月から不登校になった|転校の判断タイミングと単位を守る方法で詳しく整理しています。

保護者の方へ。言い換えたい言葉
子どもが学校に行けなくなると、保護者も不安でいっぱいになります。その不安が、つい言葉に出てしまうことがあります。
| 言いがちな言葉 | 言い換えの候補 |
|---|---|
| このままだと、やばいよ | 今の状況を、一緒に確認してみようか |
| みんなちゃんと行ってるのに | しんどいんだね。話してくれてありがとう |
| 留年したらどうするの | 留年しない方法も、いくつかあるみたいだよ |
| いつになったら行けるの | 急がなくていいよ。まずは休もう |
子ども自身が、誰よりも「このままでいいのか」と不安を抱えています。そこに保護者の不安が重なると、子どもは話せなくなってしまいます。保護者にできるいちばんのことは、先に情報を集めて「道はある」と伝えられる状態にしておくことです。
保護者自身も、ひとりで抱え込まないでください。相談先は、学校の中にも外にもあります。
| 相談先 | 相談できること |
|---|---|
| 担任・学年主任 | 欠席と単位の状況、補習、別室登校などの学校の制度 |
| スクールカウンセラー | 本人や保護者の気持ちの整理。担任を通さず予約できる学校もある |
| 自治体の教育相談窓口 | 学校以外の立場からの助言、地域の支援先の紹介 |
| 医療機関 | 眠れない、食べられない、朝の体調不良が続くなどの心身の不調 |
| 通信制高校・サポート校の個別相談 | 転入や編入の時期、単位の引き継ぎ、今後の学び方 |
どこに相談すればいいか迷ったら、まずは担任かスクールカウンセラーに「どこに相談したらいいですか」と聞いてみるのも一つの方法です。
もし、いま読んでいるのが本人なら
ここまで保護者向けの内容も書いてきましたが、この記事を自分で探して読んでいる人もいると思います。その人に向けて、短く書きます。
学校に行けないのは、あなたが弱いからではありません。不登校の高校生は、全国に約6万8千人います。そして、その多くが、自分に合う道を見つけて前に進んでいます。
- 今日は休んでいい。休むことは、逃げではなく回復のための時間です。
- 誰かに一言だけ話してみる。家族でも、保健室の先生でも、オンラインの相談窓口でも構いません。
- 「やばい」と検索するのは、少しお休みする。不安をあおる言葉より、確かな情報を一緒に確認できる人を頼ってください。
学校に行けない日が続くと、「自分だけが取り残されている」と感じるかもしれません。でも、高校生活の形はひとつではありません。通う時間帯を選べる学校、自宅で学べる学校、オンラインで仲間とつながれる場所もあります。いまの場所が合わなかっただけで、あなたに合う場所は、ちゃんとあります。
もし、つらい気持ちが強くて誰かにすぐ話したいときは、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)に電話できます。無料で、24時間つながります。
通信制高校・サポート校という進路の守り方
今の学校に通い続けることが難しい場合、通信制高校は大きな選択肢のひとつです。毎日の出席ではなく、レポート・スクーリング・試験で単位を認定する仕組みなので、体調に波がある人でも、自分のペースで卒業を目指せます。
私たちNIJIN高等学院(ニジ高)は、通信制高校と連携して学びを支える通信制サポート校です。「オンラインで青春」をコンセプトに、全国どこからでも、海外からでも参加できます。担任がつき、カメラもマイクもオフのまま、チャットだけの参加から始めても構いません。オンラインのサークルやイベントを通じて、同じような経験をした仲間ともつながれます。
ニジ高は、不登校の小中学生のためのオンラインオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の高等部です。不登校の子どもたちを支えてきた経験をもとに、一人ひとりのペースを大切にしています。
正直な注意点も書いておきます。学院内でのスクーリングはありません。高卒資格を得るには、提携する通信制高校のスクーリングに参加する必要があり、私たちはその準備と当日を支える立場です。また、毎日通う全日制と同じ体験になるわけではありません。学費は学費のご案内で公開しています。


今の状況から、選べる道を一緒に整理しませんか
個別相談会では、いまの出席状況や体調をうかがいながら、今の学校で続ける案と、通信制に移る案を並べて比べます。保護者の方だけの参加もできます。
よくある質問
終わりではありません。不登校の高校生のうち、約8割は中退も留年もしていません。中退や留年になった場合でも、通信制高校や高卒認定など、学び直しの道は複数あります。
学校ごとに基準が違います。多くの学校では、科目ごとの欠席が授業時数の3分の1を超えると、その科目の単位が認められなくなります。正確な日数は、担任の先生に確認してください。
転入の場合、それまでに修得した単位は原則として引き継げます。タイミングが合えば、学年を落とさずに卒業を目指せます。転入できる時期や条件は学校によって違うので、早めに確認しましょう。
できます。高校を卒業するか、高卒認定試験に合格すれば、大学の受験資格が得られます。一般選抜では、欠席日数だけを理由に不合格になることは基本的にありません。
まずは、子どもを休ませることを優先してください。そのうえで、保護者が担任に単位と欠席の状況を確認しておくと、先の見通しが立ちます。子どもには「道はある」と伝えられる状態をつくっておくことが、いちばんの支えになります。
「やばい」のではなく、「対処できる」
高校生の不登校は、「やばい」ことではありません。不安を分けてみれば、成績と単位、留年と中退、進学と就職、心の健康。どれも、学び方や環境を変えることで対処できる課題です。
やることは多くありません。まず休むこと。単位の状況を確認すること。選べる道を並べること。そして、ひとりで抱え込まないこと。
不登校の時間は、決して無駄な時間ではありません。自分にとって何がつらかったのか、どんな環境なら力を出せるのかを知るための時間でもあります。その経験は、次に選ぶ場所を、自分に合ったものにするための手がかりになります。
ひとりで抱えなくていい場所があることを知りたくなったときのために、入口だけ置いておきます。今日でなくて大丈夫です。

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