通信制高校に体育はあるのか。運動が苦手、人前で体を動かすのがつらい、体調に波がある。そんな理由で、体育のことが気になって通信制高校を調べている方は少なくありません。
先に結論を書くと、通信制高校にも体育はあり、卒業に必要な必履修科目です。ただし全日制のように毎週決まった時間に授業があるわけではなく、レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験で単位を取ります。体育は国の基準で1単位につきスクーリング5単位時間が標準で、国語や数学(1単位時間)より登校の比重が大きい科目です。何をするかは学校ごとに違い、ストレッチやバレーボール、レクリエーションスポーツ、球技などが公式に紹介されています。
この記事は、2026年9月27日に、文部科学省の高等学校学習指導要領(平成30年告示)と「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」、e-Govの高等学校通信教育規程、内閣府の障害者差別解消法のリーフレット、公立の通信制高校5校と私立の通信制高校2校の公式資料を実際に開いて確認した内容で書いています。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。
体育や運動のことが不安で、今の学校に毎日通うのが難しい場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:通信制高校の体育の早見
- 通信制高校にも体育はあります。学習指導要領で「体育」と「保健」は全ての生徒が履修する必履修科目で、標準単位数は体育7〜8単位・保健2単位です。
- 単位はレポート・スクーリング・試験で取ります。体育は1単位につきレポート1回・スクーリング5単位時間(1単位時間は50分として計算)が標準です。
- 体育7単位なら、スクーリングは標準で35単位時間。全日制の授業(7単位で245単位時間)の7分の1です。
- 中身は学校ごとです。都立新宿山吹高校は「ストレッチやバレーボール」、N高等学校などは「レクリエーションスポーツを中心」、NHK学園高等学校は「3年間を通じてさまざまな球技」と公式に書いています。
- 単位の条件として公式資料に書かれているのは規定回数の出席・レポート・試験で、運動の得意・不得意の基準は、調べた資料には書かれていませんでした。
- 障害や病気で運動が難しいときは、合理的配慮を相談できます。2024年4月1日から、私立学校を含む事業者にも義務になりました。見学やレポートでの代わりの扱いは学校ごとです。
- 家から少しずつ学びたい人は、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で通信制高校の卒業をめざす方法もあります。ただし体育を含むスクーリングは、提携する通信制高校で受けます。
通信制高校にも体育はあります。全ての生徒が履修する「必履修科目」だからです
「通信制は家で勉強する学校だから、体育は無いのでは」と思われがちです。けれども、体育は高校を卒業するために避けて通れない科目です。
高等学校学習指導要領の総則は、全ての生徒に履修させる科目(必履修教科・科目)として、国語・数学・英語などと並べて「保健体育のうち『体育』及び『保健』」を挙げています。標準単位数は体育が7〜8単位、保健が2単位です。通信制の課程も、この決まりの中で教育課程を組みます。
実際に、大阪府立桃谷高校(通信制の課程)が公開している令和8年度入学生の教育課程実施計画には、「『体育』は7単位が必履修」「『保健』は2単位が必履修」と書かれています。
学習指導要領の保健体育の節には、履修の仕方についての決まりもあります。
- 「体育」は各年次継続して履修できるようにし、各年次の単位数はなるべく均分して配当する。つまり、1年でまとめて終えるのではなく、3年間に分けて学ぶ前提です。
- 「保健」は原則として入学年次とその次の年次の2か年にわたって履修する。
- 体育の内容のうち、「体つくり運動」と「体育理論」は各年次で全ての生徒が学びます。それ以外の器械運動・陸上競技・水泳・球技・武道・ダンスは、学校が示す中から選んで履修できるようにする決まりです。
- 指導にあたっては、「体力や技能の程度,性別や障害の有無等にかかわらず」運動の多様な楽しみ方を社会で実践できるよう留意する、とされています。
出典:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」(第1章総則、第2章第6節保健体育)/大阪府立桃谷高等学校 通信制の課程「通信制の教育課程」(2026年9月27日確認)
レポート・スクーリング・試験で単位を取る仕組みや、卒業の条件(3年以上の在籍・74単位以上・特別活動30単位時間以上)の全体像は、通信制高校とはの記事でまとめています。この記事は、その中の「体育」に絞って書きます。

体育は「レポートが少なく、スクーリングが多い」科目です。1単位につき5単位時間が標準
通信制高校では、科目ごとに「レポートを何回出すか」「スクーリングに何時間出るか」の標準が、学習指導要領で決められています。体育は、ほかの科目と比べて形がはっきり違います。
| 教科・科目 | レポート(1単位あたり) | スクーリング(1単位あたり) |
|---|---|---|
| 国語・地理歴史・公民・数学 | 3回 | 1単位時間 |
| 理科 | 3回 | 4単位時間 |
| 保健体育のうち「体育」 | 1回 | 5単位時間 |
| 保健体育のうち「保健」 | 3回 | 1単位時間 |
| 芸術・外国語 | 3回 | 4単位時間 |
出典:高等学校学習指導要領(平成30年告示)第1章第2款5「通信制の課程における教育課程の特例」(1)(文部科学省「通信制高校に関する関係法令等(抜粋)」にも同じ表があります。2026年9月27日確認)。1単位時間は50分として計算します。
体育は、レポートが1単位につき1回だけで、スクーリングが5単位時間。後で紹介する大阪府立桃谷高校のQ&Aも、スクーリングでは「実技など通信教材だけでは難しい学習活動」を行うと説明しています。体育は、その学校で体を動かす時間の比重がとくに大きい科目です。反対に「保健」はレポート中心で、スクーリングは1単位時間です。
標準どおりに計算すると、体育の単位数ごとのスクーリングは次のようになります。
- 体育7単位:35単位時間(50分×35=1,750分、約29時間10分)
- 体育8単位:40単位時間(50分×40=2,000分、約33時間20分)
これを3年間に分けて受けるのが基本の形です。なお、スクーリング1回あたりの時間は、各学校が決めてよいことになっています(同じ特例の(4))。後で紹介する都立一橋高校のスクーリングは1時限45分です。「何回出ればいいか」は、学校の規定数で確かめるのが確実です。
体育のスクーリングの環境についても、国の決まりがあります。高等学校通信教育規程第4条の2は、同時に面接指導を受ける生徒数は少人数を基本とし、40人を超えてはならないと定めています。文部科学省のガイドラインは、学校に「保健体育の面接指導に必要な運動場等を確保すること」を求め、合宿などで集中的に行うスクーリングは、例として多くとも1日あたり8単位時間までを目安にするなど、1日の時間数を適切に定めるよう示しています。
出典:e-Gov 高等学校通信教育規程第2条・第4条の2/文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」(令和5年2月一部改訂。2026年9月27日確認)
全日制と比べると、体育で学校に行く時間は7分の1ほど。メディア学習で減らせる仕組みもあります
全日制・定時制では、1単位時間50分の授業を35単位時間受けると1単位が標準です(学習指導要領 第1章第2款3)。体育7単位なら、授業は245単位時間になります。通信制と並べると、差がよく分かります。
| 項目 | 全日制 | 通信制 |
|---|---|---|
| 1単位の標準 | 授業35単位時間 | レポート1回+スクーリング5単位時間 |
| 体育7単位の場合 | 授業245単位時間 | スクーリング35単位時間+レポート7回 |
| 体育を受ける日 | 毎週の時間割 | 学校が決めたスクーリング日(土曜・平日・集中型など) |
| メディア学習による減免 | この仕組みはない | 条件を満たせば最大10分の8まで |
最後の行が、通信制ならではの仕組みです。学習指導要領の通信制の特例(5)では、学校が指導計画にテレビ放送やインターネットなど多様なメディアを利用した学習を計画的・継続的に取り入れ、生徒の報告課題などの成果が認められる場合、各教科・科目の面接指導の時間数の10分の6以内を免除できるとしています。複数のメディアを使う場合でも、合わせて10分の8が上限です。
この規定は「各教科・科目」についてのもので、体育を外す書き方にはなっていません。仮に体育7単位(35単位時間)で最大まで減免されると、制度上の計算では10分の6なら14単位時間、10分の8なら7単位時間が残ります。ただし、同じ規定は「本来行われるべき学習の量と質を低下させることがないよう十分配慮しなければならない」とも書いています。体育にメディア学習の減免を使うかどうか、どこまで使うかは学校が決めることで、どの学校でも体育の登校がこの数字まで減るわけではありません。
通い方の選択肢も広がっています。文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」では、通学頻度別のコースの生徒数(合計300,406人)のうち、集中スクーリング型が86,961人(28.9%)、週5日通うコースが37,505人(12.5%)でした。集中型なら体育のスクーリングも数日にまとめて、通学型なら月に何回かに分けて受けることになります。スクーリング全体の日数や持ち物は通信制高校 スクーリングの記事にまとめています。
出典:高等学校学習指導要領(平成30年告示)第1章第2款3・5(5)/文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年9月27日確認)
※2026年9月時点の情報です。最新は文部科学省・各学校の公式ページでご確認ください。

公立の実例:都立新宿山吹高校は「体育AB」2単位でスクーリング規定数10。中身はストレッチやバレーボールです
国の標準が、実際の学校でどう形になっているか。公立の通信制高校3校の公式資料を見ました。
東京都立新宿山吹高校(通信制課程)
令和8年度入学生向けの学校案内パンフレットには、開講科目ごとの単位数・レポートの規定数・スクーリングの規定数が一覧(令和7年度の開講科目)で載っています。体育は体育AB・CD・EF・GHの4科目がそれぞれ2単位、レポート2、スクーリング10です。同じパンフレットで、ほかの科目と比べてみます。
- 現代の国語(2単位):レポート6、スクーリング2
- 体育AB(2単位):レポート2、スクーリング10
- 保健A(1単位):レポート3、スクーリング2
- 英語コミュニケーションⅠ(4単位):レポート12、スクーリング16
国の標準(体育は1単位でレポート1回・スクーリング5単位時間)と、ほぼそのままの比率です。スクーリングの中身は、パンフレットに「体育は、ストレッチやバレーボールなどの実技を行います」と書かれています。
通い方は、年間24週開講される土曜スクーリングに、規定数を満たすよう自分で計画して出る形です。毎週来なくても、「規定数を満たせるならば、来ない日があってもよい」とも書かれています。服装は制服・体育着の指定はなく、体育館履きが必要になる場合があるとされています。
もう1つ、「夏季集中スクーリングコース(Web学習コース)」もあります。土曜のスクーリングには出ず、NHK高校講座の動画などメディアを使った学習で規定数の一部を減免し、残りを7月末の1週間程度の集中スクーリングで受けるコースです。第1学年相当で入学する生徒だけが選べ、科目選択に一部制約があるとされています。このコースで体育をどう受けるかは、パンフレットでは確認できませんでした。
東京都立一橋高校(通信制)
公式のQ&Aによると、スクーリングは土曜日に授業形式で行い、科目ごとに1年間で出席すべき回数が決まっています。例として「数学Ⅰ」は3回、「生物基礎」は8回、「体育1」は10回、「英語コミュニケーションⅠ」は12回以上と書かれています。クラスごとの時間割はなく、科目ごとの年間時間割から出る回を選んで、自分の時間割を作ります。1時限は45分です。
大阪府立桃谷高校(通信制の課程)
先に紹介したとおり、令和8年度入学生の教育課程では体育7単位・保健2単位が必履修です。校長あいさつのページには、体育館、運動場、テニスコートなどの施設が全日制の学校と同様に整備されていると書かれています。スクーリングは「実技など通信教材だけでは難しい学習活動を行います」とQ&Aで説明されています。
出典:東京都立新宿山吹高等学校(通信制課程)学校案内パンフレット/東京都立一橋高等学校 通信制「Q&A」/大阪府立桃谷高等学校 通信制の課程「校長あいさつ」・「Q&A」(2026年9月27日確認)
私立の実例:N高等学校などは「レクリエーションスポーツ中心」、NHK学園高等学校は体育館やグラウンドで球技
私立の広域通信制高校は、スクーリングの形そのものが学校によって大きく違います。公式ページで体育について具体的に書いている2つの例を紹介します。
N高等学校・S高等学校・R高等学校(N高グループ)
- 1年次と3年次は全国拠点のスクーリング(標準履修で7〜8日、期末のテストを含む)に参加し、「体育の授業はレクリエーションスポーツを中心に行い」と書かれています。
- 体育は「スクーリング会場内や近隣のスポーツ施設で体を動かします」とされています。
- N高等学校の生徒は原則2年次に沖縄伊計本校で4〜5日程度の本校スクーリング(宿泊型が原則)に参加し、体育ではビーチバレーやモルックなどさまざまなスポーツをすると紹介されています。
- 本校スクーリングは、医師の診断により本校での参加が困難な場合などに、本校に相談のうえ校長に願い出て許可を得ると、本校以外の会場での参加が認められるとされています。
NHK学園高等学校
- スクーリングの最大の特徴を「学校施設で行うこと」とし、体育は体育館やグラウンドで行うと書かれています。
- スタンダードコースの時間割の例では、「3年間を通じてさまざまな球技に親しみます」と紹介されています。
- 基本は月1〜2回のスクーリングで、東京本校で年2回、札幌・仙台・名古屋・大阪・広島・福岡で年1回行う3〜4日間連続のスクーリングを併用することもできるとされています。
ここまでの5校を、体育に関係するところだけ並べます。
| 学校 | 体育のスクーリング(公式の記載) | 場所・服装など |
|---|---|---|
| 都立新宿山吹(公立) | 体育ABなど各2単位でスクーリング規定数10。ストレッチやバレーボール | 体育着の指定なし。体育館履きが要る場合あり |
| 都立一橋(公立) | 土曜に実施。「体育1」は年10回出席 | 1時限45分。出る回を自分で選ぶ |
| 大阪府立桃谷(公立) | 体育7単位・保健2単位が必履修。実技など教材だけでは難しい学習を行う | 体育館・運動場・テニスコート |
| N高等学校など(私立) | レクリエーションスポーツ中心。本校ではビーチバレーやモルックなど | 会場内や近隣のスポーツ施設 |
| NHK学園高等学校(私立) | 3年間を通じてさまざまな球技 | 体育館やグラウンド |
出典:N高等学校・S高等学校・R高等学校「スクーリングについて」/NHK学園高等学校「1日の過ごし方」・「全国のスクーリング会場」(2026年9月27日確認)
同じ体育でも、数日にまとめて受けるか、月に何回かに分けて受けるかで、体力面・気持ちの面の負担は変わります。泊まりがけが不安な方は、日帰りで受けられる学校を比べた通信制高校 スクーリング 宿泊なしの記事も参考になります。

単位の条件は「規定回数の出席・レポート・試験」。運動の得意・不得意の基準は、調べた公式資料には書かれていません
体育が苦手な方がいちばん気になるのは、「うまくできないと単位が取れないのでは」という点だと思います。公式資料で、単位を取る条件として書かれていることを確かめました。
- 都立一橋高校のQ&A:全てのレポートに合格し、スクーリングに規定回数以上出席し、2回の試験に合格すると単位が認定される。
- 都立新宿山吹高校のパンフレット:レポートは規定数全ての提出、スクーリングは規定数以上の出席が単位修得の条件。
- 東京都教育委員会の都立高校の案内:単位の修得の認定には、定められた数の報告課題の合格、定められた時間数以上の面接指導への出席、単位認定試験の合格が必要。
どの資料にも、「タイムが何秒以内」「技ができること」といった運動の記録や技能の基準は、単位の条件としては書かれていませんでした。学習指導要領も、体力や技能の程度などにかかわらず、運動の多様な楽しみ方を社会で実践できるよう留意する、としています。
ただし、評定(5段階などの成績)をどう付けるかは、今回の資料では確認できませんでした。評定は大学の推薦入試などで使われることがあるため、気になる方は学校に評価の方法を聞いておくと安心です。
体育が苦手な人にとって本当に大事なのは、上手さよりも「規定の回数に出席できる計画を立てられるか」です。実態調査では、レポートは出しているのにスクーリングに1日も来ていない生徒が8,097人(2.6%)いて、その理由として最も多く挙がったのは「心身に関すること」(161校が回答)でした。体育は1単位あたりのスクーリングが多いぶん、出席の計画が単位を左右しやすい科目です。
出典:都立一橋高等学校 通信制「Q&A」/都立新宿山吹高等学校 学校案内パンフレット/東京都教育委員会「通信制課程」/文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年9月27日確認)
よくある誤解:「体育は全部オンラインで済む」「見学すれば出席になる」とは限りません
通信制高校の体育については、思い込みのまま入学して困るケースもあります。公式資料で確かめた範囲で、よくある誤解を整理します。
誤解1:体育もオンラインだけで終わる
メディア学習による減免は、上で見たとおり最大でも10分の8までです。残りはスクーリングに出る必要があります。N高グループの例でも、全国拠点のスクーリングは2回のうち1回をオンライン授業で受けられる場合がありますが、もう1回は3日間程度の参加が必要と書かれています。そもそも高等学校通信教育規程第2条は、通信制の教育を「添削指導、面接指導及び試験の方法により行う」と定めています。体育を含め、スクーリングがまったく無い形にはなりません。
誤解2:見学していれば出席扱いになる
体育のスクーリングを見学したときに出席として数えるか、別の課題で補うかについて、国の統一的な決まりは見つけられませんでした。学校ごとの扱いになるため、けがや体調で動けない日がありそうな方は、入学前に「見学した回は規定数に入るか」を聞いておくと安心です。
誤解3:指定の体操服を買わなければならない
これも学校によります。都立新宿山吹高校は体育着の指定がないと明記しています。一方で、佐賀県立佐賀北高校の通信制は、公式サイトで「体育の授業では指定の体操服があります」と案内しています。服装全般の決まりは通信制高校 服装の記事で、6校の例を比べています。
誤解4:体育祭に出ないと体育の単位が取れない
体育祭は体育の授業ではなく、学校行事(特別活動)の1つです。特別活動は卒業までに30単位時間以上が必要ですが、どの行事に出るかは学校とコースによって違います。行事と特別活動の関係は通信制高校 行事の記事でくわしく書いています。
出典:N高等学校・S高等学校・R高等学校「スクーリングについて」/佐賀県立佐賀北高等学校 通信制(2026年9月27日確認)
体調や障害で運動が難しいときは「合理的配慮」を相談できます。私立学校も2024年4月から義務です
持病がある、医師から運動を止められている、体の動かし方に苦手さがある、人前で動くことに強い不安がある。こうした事情があるときは、我慢して出るか休むかの二択ではなく、学校に配慮を相談するという道があります。
障害者差別解消法は、行政機関等と事業者に、障害のある人から社会的なバリアを取り除いてほしいという意思が示されたとき、負担が重すぎない範囲で必要かつ合理的な配慮をすることを求めています。令和3年の改正で、事業者による合理的配慮の提供が義務になり、改正法は令和6年(2024年)4月1日に施行されました。内閣府のリーフレットでは、対象の分野に教育が含まれること、「事業者」は営利・非営利を問わないことが説明されています。公立学校のような行政機関等は、改正前から義務でした。
リーフレットには、知っておくと相談しやすくなる点も書かれています。
- この法律の「障害者」は、障害者手帳を持っている人だけではありません。発達障害や難病に起因する障害なども含まれます。
- 配慮の内容は、本人と事業者の「建設的対話」で一緒に考えることが重要とされています。
- 合理的配慮は「事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばない」とされています。単位の条件そのものをなくす相談というより、どうやって参加するかを一緒に考える相談だと考えておくと、話が進めやすくなります。
学習指導要領の保健体育の節にも、「障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと」と書かれています。実例として、文部科学省のモデル事業(平成21年度指定「高等学校における発達障害のある生徒への支援」)の最終報告書で、神奈川県立横浜修悠館高校(通信制)は「体育では、障害の程度に応じて、個別の面接指導を行っている」と報告しています。古い報告なので、今の扱いは学校に確かめてください。
相談の仕方を、状況ごとに例として並べます。どの配慮を認めるかは、在籍する学校が判断します。
| 状況 | 相談の例 | 用意すると話が早いもの |
|---|---|---|
| けがで一時的に動けない | 見学や別の課題で参加できるか | 診断書、通院の見通し |
| 持病や医師からの運動制限がある | 運動の強さや種目を調整できるか | 主治医の意見(どこまで動いてよいか) |
| 体の動かし方に苦手さがある(発達性協調運動障害など) | 説明の仕方や評価の方法を工夫できるか | これまで受けてきた支援の記録 |
| 人前や集団で動くことに強い不安がある | 少人数の回や、場所・時間帯の相談ができるか | つらくなる場面を書き出したメモ |
出典:内閣府リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」/文部科学省「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針の策定について」/文部科学省「横浜修悠館高等学校(公立)」(高等学校における発達障害のある生徒への支援 最終報告書)/高等学校学習指導要領(平成30年告示)(2026年9月27日確認)
診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。学校には「どんな場面で困るか」と「どこまでなら動けるか」を伝えると、具体的な話になりやすくなります。
入学前に聞いておきたい、体育の6つの質問
パンフレットの「体育もあります」だけでは、自分に合うかは分かりません。候補の学校すべてに同じ質問をすると、違いが見えてきます。
- 体育は何単位で、1年にスクーリングに何回(何時間)出る必要がありますか。
- 体育のスクーリングはどこで行いますか。(本校の体育館・近隣のスポーツ施設・集中スクーリングの会場など)
- 体育は集中スクーリングでまとめて受けますか、月に何回かに分けて受けますか。
- けがや体調で見学した回は、規定の回数に入りますか。代わりの課題はありますか。
- 持病や障害で運動に制限がある場合、どこに・いつまでに相談すればよいですか。
- 服装の決まり(体操服・体育館履き)はありますか。更衣室はありますか。
4番目と5番目は、入学してからだと言い出しにくいこともあります。入学前の説明会や個別相談で聞いておくと、入学後の相談の入り口にもなります。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
ここまで読んで、「体育のスクーリングは準備すれば出られそう。でも、ふだんの勉強を一人で続けられるかが不安」と感じた方もいると思います。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも自宅から参加でき、担任がつきます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、中学内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。
そのうえで、体育に関わることを正直にお伝えします。
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取ります。体育の単位も、その高校のレポート・スクーリング・試験で取ります。
- 学院の中でのスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要で、ニジ高は日程の調整と準備を支援します。提携校のスクーリングが宿泊を伴う場合も、ニジ高のスタッフが付き添うことはありません。
- 体育の受け方や、体調・障害への配慮を決めるのは、在籍する提携校です。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
- 費用は、提携校の分とニジ高の分がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
不登校の生徒を650名以上サポートしてきた実績があります(グループ全体)。生徒会やサークル、学園祭などの活動もあります。「まずは家から、仲間とつながるところから始めたい」という方の比べる候補の1つにしていただければうれしいです。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 体育で不安なことを書き出す。運動そのものか、人前で動くことか、体調か、服装や移動か。不安の中身によって、確かめるべきことが変わります。
- 候補の学校の体育を、公式資料で確かめる。単位数、1年の規定回数、場所、集中型か通学型か。上の6つの質問を、学校ごとに同じ形でメモします。
- 配慮が必要なら、入学前に相談する。主治医の意見や、これまでの支援の記録があれば用意します。話をしながら整理したい場合は、体験説明会・個別相談で質問することもできます。
3つとも、どの学校にするか決まっていなくても始められます。今日決めなくて大丈夫です。


体育のスクーリングが不安でも、家から始める形があります
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校で、カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。ただし高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、体育を含むその高校のスクーリングへの参加が必要です。体験説明会は日程を選ぶだけで申し込めます。
よくある質問
Q. 通信制高校に体育の授業はありますか?
A. あります。学習指導要領で「体育」と「保健」は全ての生徒が履修する必履修科目で、標準単位数は体育7〜8単位・保健2単位です。通信制ではレポート・スクーリング・試験で単位を取り、体育は1単位につきスクーリング5単位時間が標準です。
Q. 通信制高校の体育では何をしますか?
A. 学校ごとに違います。公式資料では、都立新宿山吹高校が「ストレッチやバレーボールなどの実技」、N高等学校などが「レクリエーションスポーツを中心」、NHK学園高等学校が「3年間を通じてさまざまな球技」と紹介しています。
Q. 運動が苦手でも体育の単位は取れますか?
A. 今回確認した公式資料では、単位の条件は規定回数のスクーリングへの出席、レポート、試験で、運動の記録や技能の基準は書かれていませんでした。評定(成績)の付け方は学校ごとなので、気になる場合は入学前に確認してください。
Q. 体育のスクーリングを見学した場合、出席になりますか?
A. 国の統一的な決まりは見つけられず、学校ごとの扱いです。けがや体調で動けない日がありそうな方は、見学の回が規定数に入るか、代わりの課題があるかを入学前に聞いておくと安心です。
Q. 体育のスクーリングに体操服は必要ですか?
A. 学校によります。都立新宿山吹高校は体育着の指定がなく、体育館履きが必要になる場合があるとしています。佐賀県立佐賀北高校の通信制のように、指定の体操服がある学校もあります。
体育が苦手でも、通信制高校の体育は「準備と相談」で進め方を選べます
通信制高校の体育は、全日制のように毎週の授業で比べられる場ではなく、決められた回数のスクーリングに出て、レポートと試験で単位を取る科目です。何をするか、いつ受けるか、どこまで配慮してもらえるかは、学校によって違います。
だからこそ、入学前に確かめておけば、自分に合う受け方を選びやすくなります。運動が苦手なことも、体調に不安があることも、隠さずに学校に伝えてかまいません。
一人で調べるのがしんどいときは、話しながら整理する方法もあります。体育やスクーリングのことも、迷っている段階から質問してみてください。
体育やスクーリングの不安も、相談の場で質問してみませんか
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

