通信制高校とは、学校教育法にもとづく「高等学校」の課程の1つで、毎日の授業に出る代わりに、レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験の3つで単位を修得する高校です。卒業の条件を満たせば、全日制を卒業した人と同じ「高等学校卒業」になります。学歴としては、全日制と同じ高等学校卒業です。
「通信制高校って、ちゃんとした高校なの?」「家で勉強するだけで卒業できるの?」「全日制から移っても大丈夫?」。はじめて調べる人の多くが、同じところで迷います。この記事では、定義・全日制や定時制との違い・卒業の条件・学習の流れ・学費と就学支援金・国の調査で見た生徒の実態・入学と転入の時期・サポート校との違い・学校の選び方まで、通信制高校の全体像を1本で整理しました。
書くにあたっては、学校教育法と学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)、高等学校通信教育規程、高等学校学習指導要領、文部科学省が2026年8月31日に公表した「令和7年度 通信制高等学校実態調査」を実際に開いて確かめました。調べて分からなかったことは書いていません。くわしい話は、節ごとにサイト内の記事へご案内します。
結論:通信制高校とはの早見
- 通信制高校は、法律上の「高等学校」です。学校教育法第54条で、高校には通信制の課程を置けると定められています。卒業すれば全日制と同じ高校卒業の学歴です。
- 単位は「レポート・スクーリング・試験」の3つで取ります。毎日の登校は前提ではありませんが、スクーリング(学校での授業)はゼロにはなりません。
- 卒業の条件は3つ。3年以上の在籍、74単位以上の修得、特別活動30単位時間以上です。転入なら前の高校の単位と在籍期間を引き継げます。
- 全国に323校、在籍する生徒は30万6,711人(文部科学省の実態調査)。2025年度の入学者の57.0%が中学3年生のときに不登校でした。
- 学費は国の就学支援金の対象です。私立の通信制は1単位13,668円・年間337,200円まで、2026年度から所得制限はありません。ただし授業料以外の費用は対象外です。
- サポート校は高校ではありません。通信制高校の学習を支える民間の施設で、卒業資格は提携する通信制高校で取ります。
- 向き不向きを分けるのは、自宅での学習を続ける仕組みがあるかどうかです。通い方は週5日から年数日まで学校とコースで選べます。
通信制高校とは、学校教育法にもとづく「高等学校」の課程の1つで、卒業すれば全日制と同じ高校卒業です
まず、いちばん大事な位置づけから確かめます。学校教育法第1条は、日本の「学校」として小学校・中学校・高等学校・大学などを並べています。そのうえで第53条が「全日制の課程のほか、定時制の課程を置くことができる」、第54条が「全日制の課程又は定時制の課程のほか、通信制の課程を置くことができる」「通信制の課程のみを置くことができる」と定めています。
つまり、全日制・定時制・通信制は、どれも同じ「高等学校」の中の課程(学び方)の違いです。「通信制高校」というのは、通信制の課程だけを置く高校、または通信制の課程を持つ高校を呼ぶときの言い方です。高校の目的(第50条)も、入学できる人の条件(第57条)も、全日制と共通です。
| 条文 | 決まっていること | 読み方のポイント |
|---|---|---|
| 学校教育法 第54条 | 高校に通信制の課程を置ける。通信制の課程だけの高校も置ける | 通信制は「高校の中の課程」の1つ |
| 学校教育法 第56条 | 修業年限は全日制3年、定時制・通信制は3年以上 | 通信制も最短3年で卒業できる |
| 学校教育法 第57条 | 入学できるのは中学校を卒業した人など | 年齢の上限はないが、中学卒業が前提 |
| 高等学校通信教育規程 第2条 | 通信教育は添削指導・面接指導・試験で行う | レポート・スクーリング・試験の3つ |
もう1つ大事なのは、第54条第3項にある「広域の通信制の課程」です。高校のある都道府県だけでなく、全国の他の都道府県に住む人も生徒にする通信制を、法律はこう呼んでいます。いわゆる広域通信制高校です。くわしくは広域通信制高校とはの記事で説明しています。
通信制高校で使われる言葉(単位・履修・修得・スクーリングなど)の意味を先にまとめて確かめたい人は、通信制高校の用語の記事もあわせてどうぞ。

全日制・定時制との違いは「毎日通うか」より「単位の取り方」にあります
通信制高校と全日制・定時制の違いを「家で勉強するか、学校に行くか」だけで考えると、実際と少しずれます。通信制にも週5日通うコースがありますし、全日制にも単位制の学校があります。本当の違いは、単位をどうやって修得するかです。
| 項目 | 全日制 | 定時制 | 通信制 |
|---|---|---|---|
| 単位の取り方 | 授業への出席と定期試験 | 授業への出席と定期試験 | レポート・スクーリング・試験 |
| 登校 | 平日の昼間に毎日 | 夜間・昼間など、平日に毎日 | 年数日から週5日まで、学校とコースで違う |
| 修業年限(第56条) | 3年 | 3年以上 | 3年以上 |
| 時間割 | 学校が決める | 学校が決める | 自分で学習計画を立てる部分が大きい |
定時制の修業年限は「3年以上」です。以前の版のこの記事では「定時制は原則4年以上」と書いていましたが、学校教育法第56条の規定は「3年以上」なので、ここで訂正します。4年で卒業する時間割の定時制もありますが、3年で卒業できる学校もあります。
全日制の生活に近いのは「毎日の時間割」、通信制の生活に近いのは「自分で組む学習計画」です。どちらが上ということではなく、いまの自分の体調や生活に合うのはどちらかで考えると選びやすくなります。3つの課程の違いと選び方は定時制・通信制・全日制の違いでくわしく比べています。
「高校」と「高等学校」「高等学院」の呼び方の違いは、高等学校とはの記事で法令をもとに説明しています。
単位制の通信制高校には、学年ごとの「留年」という考え方がありません
以前の版のこの記事のタイトルにもあった「単位制高校との違い」も整理しておきます。単位制は、課程(全日制・定時制・通信制)とは別の軸で、学年による教育課程の区分を設けない仕組みのことです。学校教育法施行規則第103条が、高校は学年による区分を設けないことができると定め、その細かい決まりを単位制高等学校教育規程に任せています。
| 項目 | 学年制 | 単位制 |
|---|---|---|
| 進級のしかた | 学年ごとに進級を判定する | 学年の区切りがなく、単位を積み上げる |
| 単位を落としたとき | その学年をやり直す(留年)ことがある | 落とした科目だけ取り直す |
| 卒業の判定 | 最終学年の修了と卒業要件 | 必要な単位数と在籍期間がそろった時点 |
「通信制=単位制」と説明されることがありますが、正確には「通信制高校には単位制を取り入れている学校が多い」です。単位制なら、ある年に体調を崩して単位を取りきれなくても、学年ごと留年するのではなく、取れなかった科目を次の年に取り直せます。この仕組みがあるから、転入してきた人も、前の学校で修得した単位を足して卒業をめざせます。
単位制そのものの仕組みは単位制高校とは、通信制高校での単位制のメリット・デメリットは通信制高校 単位制の記事で説明しています。
卒業の条件は「74単位・3年以上の在籍・特別活動30単位時間」の3つです
通信制高校の卒業の条件は、全日制と同じ法令の上に、通信制ならではの決まりが乗った形になっています。根拠を1つずつ確かめると次のとおりです。
| 条件 | 根拠 | 注意すること |
|---|---|---|
| 74単位以上の修得 | 学校教育法施行規則 第96条、高等学校学習指導要領 | 全員が履修する必履修科目も含めて74単位 |
| 3年以上の在籍 | 学校教育法 第56条(修業年限3年以上) | 転入なら前の高校の在籍期間も数える |
| 特別活動30単位時間以上 | 高等学校学習指導要領(通信制の課程の特例) | ホームルーム活動を含む。学校行事などへの参加 |
74単位は、全日制も通信制も同じです。学習指導要領は、卒業までに修得させる単位数を「74単位以上」とし、校長は、その単位数を修得し、特別活動の成果が満足できると認められる人について卒業を認定する、と定めています。特別活動は、通信制では「ホームルーム活動を含めて、各々の生徒の卒業までに30単位時間以上」とされています。
在籍期間は、前の高校にいた期間も合算できます。たとえば全日制に1年半在籍して単位を修得していた人が転入した場合、残りの在籍期間と不足する単位をそろえれば、入学した同級生と同じ時期の卒業も見えてきます。ただし、単位をいくつ引き継げるかは転入先の学校が判断するので、事前に確認が必要です。卒業に必要な単位の考え方は通信制高校の卒業に必要な単位数で、さらにくわしく書いています。

学習はレポート・スクーリング・試験の3つを、科目ごとにくり返します
高等学校通信教育規程第2条は、通信制の教育を「添削指導、面接指導及び試験の方法により行う」と定めています。ふだんの言葉に直すと、次の3つです。
- レポート(添削指導):教科書や学習動画で学び、課題を出して先生に添削してもらいます。紙で郵送する学校も、オンラインで出す学校もあります。
- スクーリング(面接指導):決められた時間数だけ学校や施設に行き、先生から直接授業を受けます。同時に受ける生徒は40人を超えてはならないと、同じ規程の第4条の2にあります。
- 試験:レポートとスクーリングを終えた科目について、単位を認定するための試験を受けます。
レポートの回数とスクーリングの時間数には、学習指導要領が1単位あたりの標準を決めています(1単位時間は50分)。
| 教科・科目 | レポート(1単位あたり) | スクーリング(1単位あたり) |
|---|---|---|
| 国語・地理歴史・公民・数学 | 3回 | 1単位時間 |
| 理科・芸術・外国語 | 3回 | 4単位時間 |
| 保健体育のうち「体育」 | 1回 | 5単位時間 |
| 保健体育のうち「保健」 | 3回 | 1単位時間 |
たとえば2単位の数学なら、標準はレポート6回・スクーリング2単位時間です。実際の回数はこの標準をもとに学校ごとに決まります。また学習指導要領は、放送やインターネットなどのメディアを使った学習を計画的に取り入れた場合、スクーリングの時間数の10分の6以内(複数のメディアを使う場合は合わせて10分の8まで)を免除できるとしています。スクーリングを減らせる仕組みはあっても、ゼロにはならない、と覚えておくと誤解がありません。
レポートの中身や難しさは通信制高校のレポート、スクーリングの日数や服装はスクーリングとは、人の多い場所が苦手で気が重い人は通信制高校 スクーリング 行きたくないの記事で、減らし方と相談のしかたを紹介しています。
公立と私立、広域と狭域で「通える範囲」と「費用」が変わります
文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(調査時点は2025年5月1日)によると、通信制の課程を置く高校のうち在籍生徒がいる学校は全国323校です。内訳は公立81校、私立227校、株式会社立15校。全国から生徒を集める広域通信制が133校、主に1つの都道府県から集める狭域通信制が190校でした。
| 項目 | 広域通信制 | 狭域通信制 |
|---|---|---|
| 学校数(2025年5月1日) | 133校 | 190校 |
| 生徒の範囲 | 学校のある都道府県のほか、全国の他の都道府県に住む人も生徒にする(学校教育法第54条第3項) | 主に学校のある都道府県に住む人 |
| 確かめること | 自宅から通えるスクーリング会場があるか | 自分の住所で出願できるか |
設置者で見ると、公立の通信制は授業料の額を設置する都道府県などが定め、国の就学支援金は1単位336円です。私立(株式会社立を含む)は学校ごとに授業料もコースも大きく違います。同じ調査で4年以上在籍している生徒の割合は公立25.6%・私立1.9%と差があり、公立は自分のペースで長く在籍する人が多いことがうかがえます。
通信制高校は、本校の外に「通信教育連携協力施設」を設けることができます(高等学校通信教育規程第3条)。これにはスクーリングや試験ができる面接指導等実施施設と、学習の支援だけを行う学習等支援施設の2種類があります。同じ調査では、連携協力施設は全国に4,341か所、そのうち面接指導等実施施設が2,024か所、学習等支援施設が2,317か所でした。
ここから分かるのは、ふだん通う建物で、スクーリングまで受けられるとは限らないということです。家から近いキャンパスを選んでも、スクーリングは本校や別の会場まで行く場合があります。広域と狭域の違い、入れる範囲の確かめ方は広域通信制高校とはで説明しています。
学費の中心は授業料で、就学支援金は私立の通信制で年間337,200円まで出ます
通信制高校の授業料は、「1単位いくら」で決めている学校があります。そして通信制高校も、国の高等学校等就学支援金の対象です。2026年度の主な決まりは次のとおりです。
| 区分 | 支援金の額 | ポイント |
|---|---|---|
| 私立の通信制 | 1単位13,668円・年間337,200円まで | 2026年度から所得制限なし |
| 公立の通信制 | 1単位336円 | 授業料の額は都道府県ごとに確認 |
| 支給の期間 | 在学月数で数える | 定時制・通信制は原則48か月まで。全日制から移った場合は、全日制の在学月数を4/3倍して差し引く |
| 対象になる費用 | 授業料だけ | 入学金・施設費・教材費・サポート校の費用は対象外 |
支援金は、申請した月から支給され、さかのぼっては出ません。転校した場合は、転校先の学校で申請し直す必要があります。また、学校が生徒の代わりに受け取って授業料と相殺する仕組みなので、家庭に現金が振り込まれるものではありません(学校によっては、先に授業料を全額集めて、あとから差額を返す場合もあります)。
以前の版のこの記事では「私立は年間15〜30万円程度が相場、公立は年間3万円程度」と書いていましたが、出典を確かめられなかったため削除しました。私立の学費は、コースや通学日数、スクーリングの会場までの交通費で大きく変わります。候補の学校の募集要項で「年間の総額」と「支援金を引いた後の自己負担」を書面で確かめるのが確実です。
支援金を引いたあとに残る費用は通信制高校の学費、途中で学校を移るときの費用と支援金の月数は通信制高校 転校 費用の記事で整理しています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

国の調査では在籍30万6,711人、入学者の57.0%が中学3年生のときに不登校でした
通信制高校は、いまや「一部の人の特別な学校」ではありません。同じ実態調査で、2025年3月31日時点の在籍生徒数は30万6,711人でした。2025年度の入学者7万7,998人のうち、4万4,461人(57.0%)が中学3年生のときに不登校で、公立では53.5%、私立では56.6%、株式会社立では65.4%です。
通い方も、思われているより幅があります。通学頻度別のコースごとの生徒数(正規の教育課程ではないコースを含む、合計30万406人)は次のとおりです。
| コース | 生徒数 | 割合 |
|---|---|---|
| 週5日通学 | 37,505人 | 12.5% |
| 週3〜4日通学 | 25,725人 | 8.6% |
| 週1〜2日通学 | 50,493人 | 16.8% |
| 集中スクーリング型 | 86,961人 | 28.9% |
| その他 | 99,722人 | 33.2% |
週5日通う生徒は1割強で、6割以上は集中スクーリング型か、その他のコースで学んでいます。多くの通信制高校生にとって、平日の大半は「家で自分で学ぶ時間」だということです。
卒業についての数字もあります。2024年度の卒業生9万872人(2022年度以降に開校した73校を除く)の在籍期間は、3年間が47.0%、1年以上3年未満が42.0%、1年未満が6.4%、3年より長いのが4.6%でした。在籍期間が3年未満の卒業生は48.4%でした。一方で、2025年5月1日時点で4年以上在籍している生徒は全体の6.8%(公立25.6%・私立1.9%)で、レポートは出しているのにスクーリングに1日も来ていない生徒も8,097人(2.6%)いました。来られない理由として最も多く挙がったのは「心身に関すること」(161校が回答)です。
通信制高校をめぐっては、2026年7月23日に法律の改正が公布され、国が通信制高校の運営についての「基本的な指針」を定めることになりました。施行は公布から6か月後の予定です。中身は通信制高校の2026年法改正の記事で整理しています。不登校の経験があって卒業できるか不安な人は、通信制高校は不登校でも卒業できる?もあわせて読んでみてください。
向いているかどうかは、性格よりも「自宅で学ぶ時間を支える仕組み」があるかで決まります
以前の版では「自主性・自己管理能力がない人はデメリットが大きい」と書いていました。けれど実態調査の数字を見ると、自己管理が得意な人だけが通信制高校を選んでいるわけではありません。大事なのは本人の性格より、自宅で学ぶ時間を、誰とどう進めるかを入学前に決めておくことです。
| いまの状況 | 通信制高校で起きやすいこと | 用意しておきたいこと |
|---|---|---|
| 体調や気持ちに波があり、毎日の登校がつらい | 自分のペースで学べる | 調子が落ちたときに連絡をくれる人 |
| 仕事・家庭の事情・芸能やスポーツで時間が不規則 | 学習時間を自分で組める | レポートの提出計画 |
| レポートを溜めてしまいそう | 提出が止まり、在籍が長くなりやすい | 一緒に計画を立てる先生や施設 |
| 友だちや部活動を大事にしたい | 同級生と会う機会が少ない | 通学コースや行事・部活の有無を確認 |
通信制高校のデメリットとしてよく言われる「友だちができにくい」「部活が少ない」「自分で進めないと止まる」は、学校とコースの選び方で小さくできる部分があります。逆に、選び方を誤ると大きくなります。全日制から移ったあとの見落としは通信制高校 転入 後悔の記事で具体的にまとめています。
「楽に卒業できる」「学歴が違う」「誰でも受験できる」は、どれも正確ではありません
通信制高校には、よく聞く誤解がいくつかあります。以前の版のこの記事にも正確でない表現があったので、あわせて訂正します。
誤解1:通信制高校は楽に卒業できる
卒業に必要な単位数は全日制と同じ74単位以上です。登校が少ないぶん、レポートを自分で進める力が問われます。4年以上在籍している生徒が全体の6.8%いるという数字は、ペースを保つことの難しさを表しています。
誤解2:通信制高校の卒業は、全日制の卒業より学歴が下になる
全日制・定時制・通信制は、同じ高等学校の課程の違いです。卒業すれば同じ「高等学校卒業」で、大学や専門学校の受験資格も同じように得られます。高校卒業程度認定試験(高卒認定)との違いは、高卒認定と通信制高校、どっちで比べています。
誤解3:満15歳以上なら、誰でも受験できる
以前の版では「入学年度の4月1日時点で満15歳以上であれば誰でも受験できます」と書いていましたが、正確ではありませんでした。学校教育法第57条は、高校に入学できるのを「中学校を卒業した者」などと定めています。通信制高校に年齢の上限はなく、大人になってから入る人もいますが、中学校の卒業(または同等以上の学力の認定)が前提です。
誤解4:スクーリングは行かなくてもいい
メディア学習による免除はあっても、スクーリングの時間数をゼロにはできません。「年に数日」の学校でも、その数日は本校や指定の会場に行く必要があります。

入学・転入・編入で、手続きと入れる時期が変わります
通信制高校への入り方は、いまの在籍状況で3つに分かれます。
| 入り方 | どんな人 | 根拠の条文 | 時期の目安 |
|---|---|---|---|
| 新入学 | 中学校を卒業した人(卒業見込みを含む) | 学校教育法 第57条、施行規則 第90条 | 主に4月入学 |
| 転入 | いま別の高校に在籍している人 | 施行規則 第92条 | 年度の途中でも受け付ける学校がある |
| 編入 | 高校を退学した人など | 施行規則 第91条 | 学校ごとに受付の時期がある |
施行規則第92条は、全日制・定時制・通信制の間で転学するとき、修得した単位に応じて相当学年に転入できると定めています。高校に在籍したまま移る「転入」は、前の学校の在籍期間と単位を引き継ぎやすいのが特徴です。いったん退学してから入り直すと「編入」になり、在籍していない期間の扱いや受付時期が変わります。退学届を出す前に、転入先の候補に相談するほうが選択肢は残ります。
入学の時期は、4月だけとは限りません。施行規則第104条第3項は、特別の必要があり教育上支障がないときは、学期の区分に従って学年の途中でも入学を許可し、卒業を認められると定めています。実際の受付時期は学校ごとに違うので、募集要項で確かめてください。
入学者の選び方も、全日制とは違います。実態調査では、323校のうち面接を行う学校が296校、調査書などの書類が230校、作文・小論文が154校、学力検査は91校でした(複数回答)。試験の中身は通信制高校の入試、転入の流れは通信制高校 転入、転入と編入の違いは転入 編入 違い、全日制どうしを含む転校の手順は高校 転校、全日制の受験と並行する場合は通信制高校の併願の記事でくわしく説明しています。
サポート校は高校ではなく、通信制高校の学習を支える民間の施設です
通信制高校を調べると、「サポート校」「学習センター」「高等学院」といった名前がたくさん出てきます。このうちサポート校は、学校教育法上の学校ではありません。通信制高校の生徒が、レポートや生活のリズム、進路の準備を続けられるように支える民間の教育施設です。
- 卒業資格を出すのは通信制高校だけです。サポート校の生徒も、提携する通信制高校に在籍し、その高校で単位を修得して卒業します。
- 費用は通信制高校とサポート校の両方にかかります。就学支援金が使えるのは通信制高校の授業料だけで、サポート校の費用には使えません。
- スクーリングは通信制高校で受けます。サポート校に通っていても、提携校のスクーリングへの参加が必要です。
よく似た言葉の「技能連携校」は、学校教育法第55条にもとづく別の制度で、指定を受けた技能教育施設での学習を高校の科目の一部の履修とみなす仕組みです。サポート校と通信制高校の違い、選び方は柱記事の通信制サポート校とはで、費用の二段構造はサポート校 学費で整理しています。
学校選びは「スクーリングの場所と日数」から確かめるのが近道です
パンフレットの「自分のペースで」「手厚いサポート」という言葉だけでは、学校ごとの違いは見えません。候補の学校すべてに、同じ質問を同じ順番でしてみると比べやすくなります。
| 確かめること | なぜ大事か | どこで確かめるか |
|---|---|---|
| スクーリングの場所と年間の日数 | 通う建物で受けられるとは限らない | 募集要項・説明会 |
| その施設は面接指導等実施施設か学習等支援施設か | スクーリングの会場が変わる | 学校の公開情報・説明会 |
| 年間の総額と、支援金を引いた自己負担 | 授業料以外の費用が大きいことがある | 募集要項・見積もりの書面 |
| 転入のとき引き継げる単位と卒業の見込み時期 | 卒業時期が変わる | 個別相談(前の高校の成績証明を持参) |
| レポートが止まったときに誰が連絡してくれるか | 在籍が長くなるのを防ぐ | 説明会・体験授業 |
| オンラインで参加できる範囲 | 体調が悪い日の学び方が決まる | 説明会・体験授業 |
施設ごとの情報をきちんと公開しているかどうかも、判断材料の1つになります。比べ方のチェックリストは通信制高校・サポート校の選び方にもまとめています。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも通えます。担任制で、カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、中学の内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。
そのうえで、正直にお伝えしておきたいことがあります。
- ニジ高は高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校で取ります。
- 学院の中でのスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要で、ニジ高はその準備と参加を支えます。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
途中からの転入・編入もでき、出願費用は無料です。これまでにグループ全体で650名以上の不登校の生徒をサポートしてきました。生徒会やサークル、学園祭、企業とのコラボ企画などの活動があります。「家から少しずつ始めたい」という人の、比べる候補の1つに入れていただければうれしいです。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- ステップ1:いまの在籍状況を確かめる。中学生なのか、高校に在籍中なのか、退学しているのかで、新入学・転入・編入のどれになるかが決まります。高校に在籍中なら、修得した単位と在籍期間を学校に確認しておきます。
- ステップ2:通い方と、自宅学習を支える仕組みを決める。週何日通いたいか(通えそうか)、レポートを誰と進めるかを家族で話し合います。上の「向いているかどうか」の表が使えます。
- ステップ3:候補を2〜3校に絞り、同じ質問で比べる。選び方の表の6項目を、説明会や個別相談で同じように聞き、答えを並べます。
決めるのを急ぐ必要はありません。ただ、転入には受け入れの時期があり、就学支援金の期間は在学月数で進みます。決める前の段階でも、話を聞くだけで状況が整理できることがあります。


通信制高校のしくみが分かったら、自分の場合を一緒に整理しませんか
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラ・マイクをオフにしたチャット参加から始められ、途中からの転入・編入もできます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。単位や時期の疑問も、決める前の段階でご相談ください。
よくある質問
A. 学校教育法にもとづく高等学校の課程の1つで、レポート・スクーリング・試験の3つで単位を修得する高校です。卒業すれば、全日制と同じ高等学校卒業の学歴になります。
A. 学歴は同じ「高等学校卒業」です。大学の入学資格は学校教育法第90条で「高等学校を卒業した者」などと定められていて、全日制と通信制の区別はありません。
A. 学校と科目の数、コースによって大きく違います。学習指導要領は1単位あたりのスクーリング時間数の標準(数学なら1単位時間、理科なら4単位時間など)を決めており、それをもとに学校が日数を決めます。年に数日の集中型から週5日まで幅があります。くわしくは通信制高校のスクーリングは何日くらい?をご覧ください。
A. 移れる場合があります。施行規則第92条で、全日制・定時制・通信制の間の転入が認められており、修得した単位に応じて相当学年に入れます。受付時期は学校ごとに違うので、在籍しているうちに候補の学校へ相談するのがおすすめです。
A. 使えます。2026年度は、私立の通信制で1単位13,668円・年間337,200円までが授業料にあてられ、所得制限はありません。ただし対象は授業料だけで、入学金や教材費、サポート校の費用には使えません。
A. 高校卒業の資格を取るには、通信制高校への入学が必要です。サポート校は、その通信制高校の学習を支える施設で、入るかどうかは自宅での学習を自分で続けられるかで考えます。サポート校だけに入学しても、高校卒業にはなりません。
A. 入れます。学校教育法の入学資格は中学校の卒業などで、年齢の上限はありません。高校を中退した人が、前の学校の単位を生かして卒業をめざすこともできます。
通信制高校は「高校卒業をあきらめない」ための、れっきとした道の1つです
通信制高校は、法律の上では全日制と同じ高等学校です。違うのは学び方で、毎日の時間割の代わりに、レポートとスクーリングと試験を自分のペースで積み上げていきます。入学者の半分以上が不登校を経験し、在籍3年未満で卒業した人が48.4%いるという数字は、ここが「学び直せる場所」として選ばれていることを示しています。
一方で、自宅で学ぶ時間をどう支えるかを決めないまま入ると、在籍が長くなることもあります。制度を知ったうえで、自分に合う通い方と支えを選べば、高校卒業は十分にめざせます。テーマ別の記事は記事一覧にまとめています。気になるところから、ゆっくり読んでみてください。

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