「高校って、何日休んだらアウトなんだろう」。カレンダーを数えながらこのページにたどり着いた方が多いと思います。先に、いちばん大事なことをお伝えします。
高校の出席日数に、全国共通の基準はありません。「何日まで」は学校ごとに違い、文部科学省自身が会議の場で「全国的な統一の決まり、ルールというようなものはない」と説明しています。ネットで見かける「3分の1まで」「3分の2以上」という数字が食い違って見えるのは、そのためです。
この記事では、文部科学省の会議録と通知を実際に開いて、多数派がどの基準なのか、自分の学校の基準をどこで確認すればいいのか、そして2024年4月から何が変わったのかを整理しました。急がなくて大丈夫です。順番に見ていきましょう。
結論:高校 出席日数の早見
- 国が決めた「何日まで」は存在しません。単位を認めるかどうかは校長が判断すると法令で定められています。
- 文部科学省が確認した限りでは、「授業時数の3分の2以上の出席」を要件にしている学校が多く、一部に「5分の4」という学校もありました。
- 数えるのは日数ではなく、科目ごとの授業時数に対する欠課時数です。週のコマ数が少ない科目ほど、休める回数は少なくなります。
- 基準は自分の学校の「教務規程」や「学業成績処理規程」に書かれています。生徒手帳やシラバス、担任への確認で分かります。
- 2024年4月から制度が変わりました。全日制・定時制に在籍する不登校生徒が、自宅などで遠隔授業や通信教育を受けて単位を修得できるようになっています(合計36単位まで)。
- そのとき「出欠の記録については、各学校長の判断により出席扱いとすることができる」と、文部科学省の通知に明記されています。
- 基準を超えてしまっても、進路が閉じるわけではありません。転入・編入という道が制度として用意されています。

「何日まで休めるか」に、全国共通の答えは無い
文部科学省の中央教育審議会「高等学校教育の在り方ワーキンググループ」第8回(令和5年7月21日)の議事録に、事務局の説明が残っています。
運営は株式会社NIJINです。小中学生の場合は、同じグループが運営するNIJINアカデミー(不登校の小中学生のためのオンラインオルタナティブスクール。1,000名以上が在籍)という選択肢もあります。中学卒業後にニジ高へ進む生徒もいます。
「履修の認定に当たって、全国的な統一の決まり、ルールというようなものはなく、単位認定は校長が行うものである」「私ども事務局で確認した限りにおいては、3分の2というふうに設定している場合が多く、一部5分の4などというルールも見受けられた」(文部科学省 高等学校教育の在り方ワーキンググループ(第8回)議事録)
ここで押さえておきたいのは2つです。
- 国は日数の基準を作っていない。作っているのは各学校です。
- 文部科学省ですら、全国の学校の基準を網羅的には把握できていない。議事録では「網羅的に把握することは困難でした」と述べられています。
つまり、検索して出てくる数字はどこかの学校の基準であって、あなたの学校の基準ではありません。「3分の1休んだらアウト」も「3分の2出ればセーフ」も、確かめずに信じないでください。
※令和5年7月時点の会議録に基づく記載です。

数えるのは「日数」ではなく、科目ごとの「欠課時数」
もうひとつ、多くの人がつまずくところです。高校では学校を休んだ日数ではなく、科目ごとに授業を欠席した時間数(欠課時数)で判定します。
理由は、高校が単位制だからです。単位は科目ごとに認定されるので、「全体で何日休んだか」ではなく「その科目の授業を何時間受けたか」が問われます。
| 数え方 | 中学まで | 高校 |
|---|---|---|
| 単位 | 日数(欠席日数) | 科目ごとの時間数(欠課時数) |
| 結果 | 指導要録に記録 | 科目ごとに単位が認定されない場合がある |
| 影響 | 進級には直結しにくい | 必履修科目を落とすと卒業に影響する |
ここが効いてくるのが、週のコマ数が少ない科目です。同じ「1日休む」でも、週1コマの科目と週4コマの科目では重みがまったく違います。

週1コマの科目ほど、休める回数は少なくなる
高校の1単位は、標準で年間35単位時間の授業として設計されています。ここから「3分の1を超えて欠課したら認定しない」という基準の学校の場合を計算すると、次のようになります。
| 科目の単位数 | 年間の授業時数(標準) | 3分の1にあたる時数 | 週のコマ数の目安 |
|---|---|---|---|
| 1単位 | 35時間 | 約11時間 | 週1コマ |
| 2単位 | 70時間 | 約23時間 | 週2コマ |
| 3単位 | 105時間 | 35時間 | 週3コマ |
| 4単位 | 140時間 | 約46時間 | 週4コマ |
週1コマの科目は、年間で11回ほど休むと上限に届きます。保健や家庭科のように単位数が小さい科目が、先に危なくなるのはこのためです。
「3分の2以上の出席が必要」という基準の学校なら、欠課の上限は同じく3分の1です。「5分の4以上」の学校なら、上限は5分の1=1単位の科目で年7時間までとさらに厳しくなります。同じ休み方でも、学校が違えば結果が変わります。
※各校の基準は「教務規程」等で定められています。上の表は基準が3分の1の場合の計算例です。

「進級できるか」と「卒業できるか」は、別の判定です
もうひとつ混ざりやすいのが、進級と卒業の関係です。この2つは同じ物差しで判定されていません。
| 判定 | 見るもの | 落としたときに起きること |
|---|---|---|
| 科目の単位認定 | その科目の欠課時数と成績 | その科目の単位が付かない |
| 進級(学年制の学校) | 落とした単位数が学校の基準内か | 基準を超えると原級留置(留年) |
| 卒業 | 3年以上の在学と74単位以上の修得 | 不足分を取り直す |
学年制の高校では「1〜2科目までなら進級できる」といった基準を持つ学校があり、単位を落としてもその年は進級できることがあります。一方、単位制の学校には進級判定そのものがなく、卒業までに74単位を積めばよい形になっています。
自分の学校が学年制なのか単位制なのかで、同じ「1科目落とした」の意味がまったく変わります。ここも先生に確認する価値があります。

自分の学校の基準は、どこを見れば分かるか
確認先は、だいたいこの4つです。上から順に当たってください。
- 生徒手帳・学校要覧。「単位の認定」「進級・卒業」の項に書かれていることがあります。
- 各科目のシラバス。年度初めに配られる「評価の方法」の欄に、欠課の上限が明記されている学校があります。
- 学校ホームページの「教務規程」「学業成績処理規程」。PDFで公開している高校があります。
- 担任・教科担当への確認。いちばん確実です。
聞きにくいと感じるかもしれません。そのときは、次の一文をそのまま使ってください。
「この科目は、あと何時間休むと単位が危なくなりますか」
日数ではなく時間数で、科目を特定して聞くのがコツです。学校側も答えやすくなります。保護者から聞いても構いません。

2024年4月、制度が変わりました
ここからが、あまり知られていない部分です。
文部科学省は令和6年2月13日付の通知「高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について」(5文科初第2030号)で、学校教育法施行規則の第88条の4、第96条、第113条第3項を改正し、2024年(令和6年)4月1日から次のことを可能にしました(文部科学省 5文科初第2030号)。
- 全日制・定時制の課程に在籍する不登校生徒が、自宅その他の場所(教育支援センター、校内教育支援センター、保健室など)で遠隔授業を履修し、単位を修得できる。
- 高等学校が、これらの生徒に対して授業に代えて通信教育を行える。
- これらで修得できる単位数は合計36単位まで。
- 病気療養中等の生徒に対する遠隔授業・通信教育は、単位数の制限なく行える。
そして、出席の扱いについてこう書かれています。
「出欠の記録については、各学校長の判断により出席扱いとすることができること」
つまり、学校に行けていない日が、そのまま欠席として積み上がるとは限りません。制度としては、自宅から授業を受けて出席扱いにする道が用意されています。
※令和6年2月13日付通知に基づく記載です。実施するかどうかは学校長の判断によります。
文部科学省は「出席の回数にとらわれないで」と言っている
同じ改正の関連資料には、学校側への要請も書かれています。
「教務規程等において、慣例として、授業への出席の回数を履修や単位認定の要件として課しているところ、遠隔授業や通信教育の実施、補講その他適切な指導の実施等により、生徒一人一人の実情に応じて柔軟に履修・単位修得を認めることが望まれる」
ワーキンググループの中間まとめでも、「授業時数の3分の2以上の出席など、多くの学校において慣例として定められている単位認定の際の出席要件を生徒が満たせなかった場合でも、学校が一人一人の実情に応じて柔軟に履修・修得を認める運用となるよう」促す必要がある、とされています。
「3分の2」は法律ではなく慣例です。国はその慣例を、実情に合わせてゆるめてほしいと学校に伝えている段階にあります。だからこそ、あきらめる前に相談する価値があります。
「高校 欠席日数 15日」で検索している人へ
この記事にたどり着く検索語で多いのが「欠席日数 15日」です。15日という数字にも、国の根拠はありません。
なぜこの数字が広まるかというと、高校入試で中学の調査書を見るとき、目安として語られることが多いからです。高校入学後の単位認定とは別の話です。混ざったまま不安になっている方は、いったん切り離してください。
| 場面 | 見られるもの | 「15日」との関係 |
|---|---|---|
| 高校入試(中学3年) | 調査書の欠席日数 | 目安として語られることがある。基準は各都道府県・各校で異なる |
| 高校在学中 | 科目ごとの欠課時数 | 無関係。日数ではなく時間数で判定される |
いま高校に在籍しているなら、見るべきは日数ではなく科目ごとの欠課時数です。
足りなくなりそうなときに、順番にやること
- 科目を特定する。全部が危ないのではなく、たいてい2〜3科目です。時間割を見て、週のコマ数が少ない科目から確認します。
- 残り時数を聞く。「あと何時間休めますか」と教科担当に聞きます。数字が分かれば、対策が具体的になります。
- 補講・課題・遠隔の可否を聞く。2024年の改正で、遠隔授業や補講で認める道が広がっています。学校がその運用をしているかは、聞かないと分かりません。
- 間に合わないと分かったら、次の選択肢を並行して調べる。ここで止まらないことが大事です。
順番を逆にして「先に転校先を探す」と、今の学校で使えたはずの制度を取りこぼすことがあります。まず今の学校でできることを聞いてから動いてください。
出席日数が足りなくても、進路は閉じません
単位が取れなかったとしても、そこで終わりではありません。制度として次の道があります。
| 選択肢 | 今の高校の籍 | 単位の扱い |
|---|---|---|
| 転入学 | 在籍したまま移る | 修得済みの単位を引き継げる |
| 編入学 | 退学してから入り直す | 引き継げるが、時期と手続きが変わる |
| 原級留置(留年) | そのまま在籍 | 同じ学年をもう一度 |
在籍中に動くか、退学してから動くかで、手続きの名前も条件も変わります。「もう無理だから辞めます」と先に言ってしまうと、選べたはずの道が減ることがあります。違いは通信制高校 転入で条文まで整理しました。
時期の目安については全日制から通信制もあわせて読んでみてください。
調べてみて、分からなかったこと
この記事を書くにあたって、実際の高校の「教務規程」をいくつも探しました。正直に書きます。
各校の基準は、ほとんど外から確認できません。ホームページで教務規程をPDF公開している高校は少数で、公開されているものもアクセスが制限されていて開けないことがありました。生徒手帳やシラバスは在校生にしか配られません。
文部科学省でさえ「網羅的に把握することは困難でした」と会議録に残しています。国が把握できていないものを、比較サイトが正確に書けるはずがありません。
だから、この記事も含めて、ネット上の数字はすべて参考値です。あなたの学校の答えを持っているのは、あなたの学校だけです。遠回りに見えても、担任に聞くのがいちばん速い方法になります。
休みが続いているなら、休学という選択肢もあります
「もう間に合わないかもしれない」と感じているとき、退学と転校の2択で考えてしまいがちですが、その間に休学があります。
休学は在籍を残したまま、一定期間学校を休む制度です。学校ごとに期間や手続きが決まっていて、体調の回復を優先しながら籍を保てます。籍が残っていれば、転入学という道も残ります。
ただし、休学中の学費の扱いや、復学後にどの学年に戻るかは学校によって違います。高校 休学で整理しているので、あわせて確認してください。
順番としては、①今の学校で使える制度 → ②休学 → ③転入学 → ④編入学と、籍を失わない順に検討するのが安全です。
出席日数は、大学入試や就職に響きますか
よく聞かれる不安なので、分かる範囲で書きます。
| 場面 | 出席日数の扱い |
|---|---|
| 一般選抜(学力試験) | 調査書の提出はあるが、学力試験の点数で合否が決まる |
| 学校推薦型選抜 | 学校が推薦する仕組みのため、在籍校の基準に左右される |
| 総合型選抜 | 提出書類と面接が中心。学校ごとに扱いが異なる |
| 就職(高卒) | 調査書に欠席日数が記載される |
影響がゼロとは言えません。ただし、「出席日数が少ないと進学できない」わけではありません。通信制高校から大学へ進む人は毎年たくさんいます。通信制高校 進学もあわせて読んでみてください。
いま優先すべきなのは、3年後の心配より、この学期をどう乗り切るかです。
よくある誤解
誤解1:「欠席が3分の1を超えたら自動的に留年」
自動ではありません。単位認定は校長が行うもので、多くの教務規程には「校長が判断する」という但し書きがあります。補講や課題で認められる場合があります。
誤解2:「遅刻・早退はノーカウント」
学校によっては遅刻・早退を一定回数で欠課1回として数えます。ここも規程を確認してください。
誤解3:「病気なら欠席にならない」
公欠(出席停止・忌引など)の扱いは学校ごとに定められています。診断書があっても自動的に公欠になるとは限りません。ただし病気療養中の遠隔授業には単位数の制限がありません。
誤解4:「不登校になったら高卒はあきらめるしかない」
2024年の制度改正は、まさにその状況を想定して作られたものです。不登校 高校生の段階でも、使える制度があります。
通信制という選び方と、サポート校という選び方
今の高校で続けるのが難しいとき、選択肢のひとつが通信制高校です。通信制はレポートとスクーリング(面接指導)と試験で単位を積む仕組みなので、毎日通えることが前提になっていません。
私たちNIJIN高等学院(ニジ高)は、その通信制高校と連携して高卒資格を目指すオンライン中心のサポート校です。担任がつき、カメラとマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても続けられる設計にしています。
正直な注意点も書いておきます。学院内にスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要で、私たちはその準備と同行を支えます。また、サポート校の費用は高校本体の学費とは別にかかります。金額は学費のご案内で公開しています。制度としての支援は通信制高校 学費にまとめました。
「もう間に合わないかも」と思ったら、話だけ聞いてみませんか
今の高校に籍があるうちに相談すると、選べる道が増えます。ニジ高の個別相談会では、単位や転入の時期について、事実だけを整理してお伝えします。無理にお勧めすることはありません。
- 全国どこからでもオンライン。担任がつきます
- カメラ・マイクはオフ、チャットだけの参加から始められます
- 転入・編入は随時受付。出願費用は無料です
📘 パンフレットでは、1日の流れ・学費・進路の実際をまとめて見られます。申し込み前に中身だけ確認したい方はこちらから。
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/オンラインでの個別相談会です。無理に勧めることはありません。
よくある質問
Q. 高校は何日休んだら留年ですか。
A. 全国共通の日数はありません。判定は日数ではなく科目ごとの欠課時数で行われ、基準は各校の教務規程で定められています。文部科学省が確認した限りでは「授業時数の3分の2以上の出席」を要件とする学校が多く、一部に「5分の4」の学校もありました。
Q. 欠課時数は自分で数えられますか。
A. 時間割から科目ごとのコマ数を数えれば概算はできます。ただし遅刻・早退の扱いや行事の時数は学校ごとに違うため、正確な残り時数は教科担当に確認してください。
Q. 自宅で受けたオンライン授業は出席になりますか。
A. 制度上は可能です。令和6年2月13日付の文部科学省通知に「出欠の記録については、各学校長の判断により出席扱いとすることができること」と明記されています。実際に運用しているかは学校によって異なるため、担任に確認してください。
Q. 36単位という上限は何ですか。
A. 全日制・定時制に在籍する不登校生徒が、自宅等での遠隔授業と通信教育で修得できる単位数の合計上限です。病気療養中等の生徒に対する遠隔授業・通信教育には、この単位数の制限はありません。
Q. もう単位を落としてしまいました。転校できますか。
A. 在学中であれば転入学の対象になります。修得済みの単位は引き継げるのが原則です。ただし受け入れ時期は学校によって決まっているため、辞める前に在籍校の先生と、候補校の両方に相談してください。
数えている手を、いったん止めて大丈夫です
ここまで読んでくださった方は、たぶんもう何度もカレンダーを数えています。数えて分かるのは「あと何日」だけで、「どうすればいいか」は出てきません。
次にやることは、数えることではなく、科目をひとつ決めて「あと何時間ですか」と聞くことです。それだけで、見えていなかった選択肢が出てくることがあります。
今日決めなくて大丈夫です。制度は、思っているより動いています。
出席日数が足りなくても、高校卒業までの道は残っています。まずは「いま何が使えるか」だけ、一緒に確かめさせてください。
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

