高校の転校は可能です。ただ、「転校したい」と思ったときに調べ始めると、「公立は引っ越ししないと無理」「通信制ならいつでも入れる」と、話が大きく分かれていて迷ってしまうと思います。
先に結論を書くと、転校できるかどうかを最後に決めるのは、今の学校ではなく転校先の校長です。そして、公立の全日制の応募条件は都道府県で違います。神奈川県は保護者の転勤などによる転居が基本の条件ですが、東京都には、保護者と同居して都内に住所がある高校生なら転居がなくても応募できる募集区分があります(都立の全日制から都立の全日制へ移る場合は、2つの学校の校長の承認が要ります)。一方で、通信制高校や一部の私立高校は、年度の途中でも転入を受け付けています。
この記事は、学校教育法施行規則と単位制高等学校教育規程(e-Gov)、文部科学省の通知、東京都教育委員会と神奈川県の2026年度の転学・編入学の募集要項を実際に開いて確認した内容でできています。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。
結論:高校の転校は可能か、条件と手順の早見
- 高校の転校(転学)は法令で認められています。今の学校の校長が書類を送り、転校先の校長が「教育上支障がない場合」に許可します(学校教育法施行規則第92条)。
- 公立の全日制の応募条件は、都道府県で違います。神奈川県は保護者の転勤などによる転居が基本です。東京都は、高校に在籍していて保護者と同居し都内に住所がある人なら、転居がなくても応募できる区分(募集区分2)があります。
- 神奈川県立の全日制で転居しない転校をするには、「特別の事情」を在籍校と転校先の両方の校長が認めることなどが条件です。東京都でも、都立の全日制から都立の全日制へ移る場合は、2校の校長の承認が要り、原則1年度に1回です。
- 私立の全日制は学校ごとに条件が違います。神奈川県の集計では、2026年度第2学期に転・編入学試験をする私立全日制36校のうち、転居や帰国以外の人も受けられるのは17校でした。
- 通信制高校への転校は、年度の途中でも受け付ける学校があります。全日制・定時制・通信制の間の転学は、修得した単位に応じて相当学年に入れると法令に書かれています。
- 今の学校をやめる前に、転校先と「単位の照合」をするのが一番大事な手順です。退学してからだと「転入」ではなく「編入」になり、受けられる募集が変わります。
- 通信制高校の卒業をオンラインで支えるサポート校(NIJIN高等学院など)に、転入の段階から相談する方法もあります。
転校できるかを決めるのは、今の学校ではなく「転校先の校長」です
「今の先生に転校したいと言ったら止められるのでは」と心配する人は多いのですが、法令のしくみは次のとおりです。
学校教育法施行規則第92条は、他の高校に転学したい生徒がいるとき、今の学校の校長は、理由を書いて在学証明書などの書類を転学先の校長に送らなければならないと定めています。そのうえで、転学先の校長は、教育上支障がない場合に転学を許可することができる、となっています。
出典:e-Gov 学校教育法施行規則 第92条(2026年9月確認)
つまり、転校の成否は「受け入れてくれる学校があるか」で決まります。今の学校の役割は、書類を出して送り出すことです。ここを押さえておくと、「転校は難しい」と言われたときに、何が難しいのかを分けて考えられます。
- 難しいのは「転校先が見つかるか」(募集の有無・応募の条件・欠員)
- 次に難しいのは「単位が足りるか」(今まで取った単位が、転校先でいくつ認められるか)
- 今の学校が転校そのものを止めるしくみは、法令にはありません
もう1つ知っておきたいのが、国の姿勢です。文部科学省(当時は文部省)は1997年の通知で、各高校が転入学者・編入学者のための特別定員枠をあらかじめ設けること、試験の回数を増やし手続きを簡単にすること、希望者へ積極的に情報を出すことを求めています。
出典:文部科学省「高等学校における転入学者等の受入れの一層の改善について(通知)」平成9年12月25日(2026年9月確認)
ただし、実際に枠をどう設けるかは都道府県や学校によって違います。ここから先は、学校の種類ごとに実際の条件を見ていきます。

「転校」「転入学」「編入学」は同じ意味ではありません。在籍したまま移るのが転入学です
調べていると似た言葉がたくさん出てきます。高校を移るときに使われる言葉を、法令と東京都教育委員会の説明で整理しました。
| 言葉 | 意味 | 在籍の途切れ |
|---|---|---|
| 転学(転校) | 今の高校に在籍したまま、他の高校の相当学年に移ること。受け入れる側から見ると「転入学」 | 途切れない |
| 転籍 | 同じ学校の中で、全日制・定時制・通信制の課程を移ること | 途切れない |
| 編入学 | 高校を退学した人や、種類の違う学校・外国の学校にいた人が、1年生の最初以外の時期や2年生以上に入ること | 途切れる(一度やめている) |
| 新入学 | 1年生の最初に入学すること | - |
出典:学校教育法施行規則 第91条・第92条/文部科学省「高等学校への編入学について」/東京都教育委員会「都立高等学校の転学・編入学について」(2026年9月確認)
編入学について、施行規則第91条は「相当年齢に達し、当該学年に在学する者と同等以上の学力があると認められた者」と定めています。一度やめてから入り直す編入学は、在籍したまま移る転入学より、受けられる募集が少なくなりがちです。たとえば東京都の転学・編入学募集は年3回ありますが、東京都教育委員会の案内では、編入学を募集するのは第一学期の募集で、第二学期・第三学期は転学が中心です(海外帰国生などを除く)。
通信制高校に移る場合の転入と編入の違いは、転入と編入の違いの記事で単位や時期の面から詳しく比べています。この記事では「高校の転校」全体の条件と手順に絞ります。
公立の全日制の条件は都道府県で違う。神奈川は転居が基本、東京は転居なしでも応募できる区分があります
「公立高校への転校は難しい」と言われるいちばんの理由は、応募できる人の条件にあります。ただ、その条件は都道府県によって違います。2026年度の東京都と神奈川県の募集要項を並べます。
| 項目 | 東京都立(全日制) | 神奈川県立(全日制) |
|---|---|---|
| 募集の時期 | 年3回(第一学期・第二学期・第三学期) | 4月1日付け・9月1日付け・1月1日付けなど。転居などが決まった場合の転入学は、この日程以外でも随時受付 |
| 応募できる人の基本 | 募集区分2(一般):高校の在籍者で、保護者と同居し都内に住所がある人など。転居は条件ではない(転居を前提にするのは、転勤などによる都外からの一家転住者の募集区分1) | 保護者の転勤などで県外から転居し、今の学校に通うのが不可能か著しく困難な人など(転居が基本) |
| 転居しない場合 | 都内に住む私立高校の生徒などは、募集区分2で応募できる。ただし都立全日制から都立全日制へは、2校の校長が「真に必要」と認めた場合に限り、原則1年度に1回 | 「特別の事情」を在籍校と転校先の校長が認めた人、または県内公立の在籍者の積極的な進路変更(原則、異なる学科間で1年生) |
| 選考 | 各校が実施。原則として国語・数学・英語と面接 | 転居の場合は学力検査なしで面接(一部作文)。進路変更の場合は学力検査・面接・作文から各校が組み合わせ |
出典:東京都教育委員会「令和8年度第二学期都立高等学校転学・編入学募集」(2026年6月30日)/東京都教育委員会「都立高等学校の転学・編入学について」/神奈川県「令和8年9月1日付け(全・定)及び10月1日付け(通)公立高等学校転入学・編入学者の選抜の実施について」/神奈川県「公立高等学校への転入学・編入学について」(2026年9月確認)
数字も見ておきます。東京都の2026年度第二学期の募集では、全日制は167校・募集人員10,502人、定時制は54校・6,466人、通信制は3校・206人が転学・編入学の募集を行いました。出願は8月3日から6日、選抜と合格発表は8月5日と7日です。入学考査料は全日制2,200円、定時制・通信制950円でした。
神奈川県の9月1日付けの選抜では、県立の全日制131校のうち130校、市立14校すべてが実施しています。「受け入れる学校が少ない」わけではなく、神奈川県では応募できる人の条件が転居中心に絞られていることが、転校の難しさにつながっています。一方の東京都は、保護者と都内に住んでいれば転居がなくても応募できますが、都立の全日制どうしの転学には、2校の校長の承認と「原則1年度に1回」の制限があります。
なお、どちらの都県も「応募できるか」の細かい判断は志願先の学校で行います。東京都は、出願する前に志願先の高校で単位の照合をして、応募資格があるかを確かめることを求めています。

転居しなくても公立に転校できる場合がある。ただし条件は都県ごとに違います
引っ越しの予定がないと、公立の全日制への転校はあきらめるしかないのでしょうか。そうとは限りません。まず、転居が基本の条件になっている神奈川県の要項を読むと、転居を伴わない転入学として次の2つが書かれています。
- 特別の事情を有する場合:県内に住む高校の在籍者で、特別の事情があると在籍校と転入先の高校の校長が認めた人
- 積極的な理由に基づく進路変更:県内の公立高校の在籍者で、積極的な理由で進路を変えたい人(原則、異なる学科の間で1年生)
1つ目の「特別の事情」が何を指すかは、要項には具体的に書かれていません。どんな事情なら認められるかは公式資料では確認できませんでした。いじめや心身の不調などがある場合は、担任やスクールカウンセラー、都県の相談窓口(神奈川県は転編入学情報センター)に、まず事情を話して聞いてみるのが確実です。
東京都は、神奈川県と条件の立て方が違います。全日制の募集区分2(一般)の応募資格は、高校に在籍していて、保護者と同居し、都内に住所があることなどで、転居は条件になっていません(転居を前提にしているのは、転勤などによる都外からの一家転住者の募集区分1です)。たとえば都内に住む私立高校の生徒は、引っ越さなくても都立の全日制の転学募集に応募できます。
ただし東京都でも、都立の全日制から別の都立の全日制に移りたい場合は、在籍校と志願先の両方の校長が「学習の機会を継続するうえで真に必要」と認めたときに限り、原則1年度に1回、出願を承認してもらえるしくみです。
また東京都は、転学前と同じ課程・同じ学科への出願が原則です。1年生の第二学期の募集に限って、違う課程や学科に出願できます。第三学期以降は、卒業に必要な単位を取れると志願先の校長が認めた場合に限られます。
整理すると、転居のない公立全日制への転校は、住んでいる都道府県と、今どの学校に在籍しているかで条件が大きく変わります。神奈川県では特別の事情や進路変更の枠に限られ、東京都では都内に住んでいれば応募できる一方、都立の全日制どうしの移動には承認と回数の制限があります。まず住んでいる都道府県の教育委員会の案内で応募資格を確かめ、そのうえで私立や通信制高校も候補に入れて比べると選びやすくなります。
全日制の公立・私立それぞれの受け入れ条件をさらに学校ごとに比べたい場合は、高校の転校は難しい?の記事も参考になります。
私立の全日制は学校ごと。神奈川では転居なしで受けられるのは36校中17校でした
私立高校は、転入を受け入れるか、誰を受け入れるかを学校ごとに決めています。神奈川県は毎年、私立の転・編入学試験の実施計画を集計して公表しています。2026年度第2学期(後期)受け入れの集計(2026年5月13日時点)は次のとおりです。
| 区分 | 募集校 | 転居・帰国以外も応募できる学校 |
|---|---|---|
| 私立高校 全日制 | 36校 | 17校 |
| 私立高校 通信制 | 4校 | 3校 |
出典:神奈川県「令和8年度第2学期(後期)受入れの私立中学・高等学校等転・編入学試験実施計画について」(2026年6月11日)
36校のうち、県外からの一家転住者が応募できるのは36校、海外帰国生徒は34校、それ以外(転居も帰国もない人など)は17校です。「それ以外」の応募資格の細かい中身は学校ごとに違うと、県の資料にも書かれています。
この表から分かるのは、神奈川の私立の全日制では、転居のない転校を受け付ける学校は半分ほどだということです。そして、募集の有無・学年・人数・試験科目は学期ごとに変わります。私立への転校を考えるときは、次の順で確かめるのが近道です。
- 都道府県が私立の転・編入学の情報をまとめて出していないかを探す(神奈川県のように年3回公表している県もあります)
- 候補の学校に、今の学年と修得単位で応募できるかを電話で聞く
- 試験科目(国語・数学・英語などの筆記、面接、作文)と、在籍校から取り寄せる書類を確かめる
他の都道府県で同じような一覧が公表されているかは、この記事では確認できていません。住んでいる都道府県の私学担当課や、教育委員会の相談窓口に問い合わせてみてください。
通信制高校への転校は、年度の途中でも受け付ける学校があります
ここからは「通信制高校 転校」について、まず全日制から通信制へ移る場合を見ます。通信制高校が転校を受け入れやすいのには、法令上の理由があります。
- 課程をまたぐ転学が認められている:全日制・定時制・通信制の相互の転学は、「修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる」(学校教育法施行規則第92条第2項)
- 単位制は在籍期間と単位を合わせて見る:学年による区分を設けない単位制の課程では、転学は「修得した単位及び在学した期間に応じて」許可できる(単位制高等学校教育規程第5条)。前の高校で取った単位は、卒業に必要な単位数に加えることができる(同第7条)
- 学期ごとに入学・卒業できる:単位制の課程は、教育上支障がなければ学期の区分に従って入学・卒業させることができる(同第3条)
出典:学校教育法施行規則 第92条/e-Gov 単位制高等学校教育規程 第3条・第5条・第7条(2026年9月確認)
ただし、「通信制ならいつでも入れる」とは限りません。公立と私立で、受付の回数が大きく違います。
| 学校の例 | 転入の受付 | 出典 |
|---|---|---|
| 神奈川県立の通信制(2校) | 4月1日付け・10月1日付けなど(転居などが決まった場合は、この日程以外も随時受付)。本人の住所か勤務先が県内にあることが条件 | 神奈川県 2026年度要項 |
| 東京都立の通信制(3校) | 年3回の都立の募集に合わせる。都内に住所か勤務先があり、スクーリングに出席できること | 東京都教育委員会 2026年度第二学期 |
| 私立の広域通信制の例(N高グループ) | 転入学はネットコースが随時、他のコースは応相談。編入学は4月・7月・10月・1月 | 同校公式サイト(2025年3月更新) |
出典:神奈川県 公立高等学校転入学・編入学者の選抜(令和8年9月1日付け・10月1日付け)/東京都教育委員会 令和8年度第二学期募集/N高グループ公式「通信制高校への編入・転入の単位と時期は?」(2026年9月確認)
神奈川県立の通信制の転入学の検査は「面接又は作文」です。公立の通信制は、区域内に住んでいるか勤めている人が対象の「狭域」の学校が多く、受付の時期も決まっています。全国から生徒を受け入れる「広域通信制」の私立校には、年度の途中の転入を月ごとや随時で受け付けている学校があります。文部科学省の令和7年度の調査では、通信制高校は323校で、うち広域が133校、狭域が190校です(文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」)。
全日制から通信制へ移る場合の学年ごとの期限は、全日制から通信制はいつまでの記事で、7校の実例とあわせて整理しています。
通信制高校からの転校もできる。ただし全日制に戻るのは条件が重くなります
「通信制高校 転校」には、いま通信制高校にいて、別の学校に移りたい人の検索も含まれます。学校教育法施行規則第92条は通信制からの転学にも当てはまるので、制度上は通信制から通信制へ、通信制から全日制へ、どちらの転校もできます。
| 移り方 | 制度上 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 通信制 → 通信制 | できる(単位と在籍期間に応じて) | スクーリングの場所・回数、レポートの形式が学校ごとに違う。今年度履修中の科目の扱い |
| 通信制 → 全日制 | できる(修得単位に応じて相当学年へ) | 全日制の多くは学年制。都立は同じ課程・学科への出願が原則で、課程を変えられる時期が決まっている |
| 通信制 → 定時制 | できる(修得単位に応じて相当学年へ) | 公立は住所・勤務先の条件あり。夜間・昼間などの時間帯 |
出典:学校教育法施行規則 第92条第2項/東京都教育委員会 令和8年度第二学期募集 3(4)(2026年9月確認)
通信制から通信制へ移るときに役立つのが、各校の情報公開です。高等学校通信教育規程第14条は、通信制高校に入学・退学・転学・卒業などの状況(退学や転学をした人の数を含む)を公表することを求めています(e-Gov 高等学校通信教育規程 第14条)。移る先の学校の公表情報を読んでおくと、どれくらいの生徒が出入りしているかの手がかりになります。
具体的な実例は、通信制高校から通信制高校への転校と通信制高校から全日制への転校の記事にまとめています。

単位と在籍期間は引き継げる。ただし「何単位認められるか」は転校先が決めます
転校でいちばん大事なのが、今まで積み上げたものがどこまで持っていけるかです。高校の卒業には74単位以上の修得が必要で(施行規則第96条)、修業年限は全日制が3年、定時制・通信制は3年以上です(学校教育法第56条)。通信制高校ではさらに特別活動30単位時間以上が必要です。
| 引き継ぐもの | ふつうの扱い | 確認すること |
|---|---|---|
| 修得した単位 | 転校先の卒業単位に加えられる(単位制高等学校教育規程第7条) | 転校先の教育課程と照らして、何単位が認められるか |
| 在籍した期間 | 転入学なら在籍期間は通算される | 休学していた期間を在籍期間に数えるか(数えない学校もある) |
| 今年度履修中の科目 | 学校により扱いが違う | 途中まで出た授業が単位になるか、転校先で最初から取り直すか |
| 就学支援金 | 前の学校に在学した月数が通算される(受給した月数ではない) | 転校先で申請をし直す。申請した月からの支給で、さかのぼらない |
出典:学校教育法 第56条/学校教育法施行規則 第96条/単位制高等学校教育規程 第5条・第7条/文部科学省 高等学校等就学支援金(2026年9月確認)
休学期間について、N高グループの公式サイトは「休学期間中は在籍期間に含まれません」と説明しています。どの学校でも同じかは確認できていないので、休学中の人は候補校ごとに聞いてください。
ここで覚えておきたいのは、単位制高等学校教育規程第7条が「加えることができる」という書き方をしている点です。認めるかどうか、何単位認めるかは、転校先の校長の判断です。だから、転校先を決める前に、今の学校の単位修得証明書(見込みを含む)を見せて、転校先で「照合」してもらう必要があります。
就学支援金は、私立の通信制の場合、2026年度は1単位13,668円・年間337,200円まで、所得制限なしです。受け取れる期間は在学した月数で数え、通信制は4分の3で換算するので、実質48か月まで受け取れます。転校で月数はリセットされませんが、申請は転校先でし直す必要があり、申請した月からの支給になります。転入の手続きと同時に申請の時期も確かめておきましょう。順番と必要な書類は通信制高校 転校 手続きで整理しています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

時期によって転校の難しさは変わる。高3は「卒業の時期」から逆算します
高校の転校は1年生でも3年生でもできますが、学年と時期で注意点が変わります。
| 学年 | 起きやすいこと | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 高1 | 単位がまだ少なく、転校先の選択肢は広い。東京都では1年生の第二学期の募集に限り、違う課程・学科へ出願できる | 1学期の成績で単位が出るか(学期ごとに単位を出す学校か) |
| 高2 | 1年生の単位がそろっていれば、同学年での転入を目指せる | 1年生で修得できなかった科目がないか。今年度の履修中の科目の扱い |
| 高3 | 卒業に必要な74単位と3年以上の在籍を、転校先で満たせるか | 3月に卒業できるか、それとも9月・翌年3月にずれるか。大学受験の出願時期との重なり |
公立の募集は、東京都なら年3回(第一学期は3月、第二学期は8月、第三学期は12月ごろ)、神奈川県立の全日制なら4月・9月・1月の各1日付けなど、受付の時期が決まっています(神奈川県は、転居などが決まった場合の転入学を、この日程以外でも随時受け付けています)。この記事を読んでいる9月下旬の時点で、両都県の9月付けの選抜はすでに終わっています。次の機会は、神奈川県立の全日制・定時制は1月1日付け、東京都は第三学期の募集です(日程は各都県の発表を確認してください)。
学年別のくわしい見通しは、高2から通信制高校に転校しても間に合うかと、通信制高校 転入 高3の記事で書いています。
よくある落とし穴は「先にやめてしまうこと」と「単位の見込み違い」です
高校の転校でつまずきやすい点を、制度から逆算して4つ挙げます。
転校を決める前に、今の高校に在籍したまま通信制の単位を取れる場合もあります(通信制高校 全日制 併用の記事で整理しています)。
1. 転校先が決まる前に退学してしまう
退学すると「転入学」ではなく「編入学」になります。東京都の募集では編入学の機会が第一学期に寄っていて、神奈川県立の通信制の「再入学」は、高校に1年以上在籍した後に中途退学し、退学の理由が消滅したと認められることなどが条件です。つらくて学校に行けない状態でも、籍は残したまま転校先を探すほうが、選べる道が多くなります。
2. 「単位は全部引き継げる」と思い込む
引き継げるかどうかは、転校先の教育課程との照合で決まります。今年度の途中まで出た授業は単位にならず、転校先で取り直すこともあります。「たぶん大丈夫」で進めると、予定していた卒業時期に間に合わないことがあります。単位修得証明書をもとに、書類で確かめてから決めましょう。
3. 公立の募集の時期を逃す
公立の転学・編入学は、神奈川県の転居などによる転入学のような随時の受付を除くと、年に数回の決まった時期に行われます。受付の期間も数日です。東京都の2026年度第二学期は、出願が2日間、翌日に選抜と合格発表という日程でした。
4. 転校先の「通い方」を確かめずに決める
通信制高校でも、スクーリング(面接指導)への出席は必要です。東京都立の通信制は、応募の条件に「スクーリングに出席できること」を入れています。自宅から通える会場があるか、年に何日行くのかを先に確かめます。転校で後悔しやすい点は、通信制高校 転入 後悔の記事にまとめています。
転校の手順は6段階。「単位の照合」を出願より先にやります
東京都教育委員会の案内と学校教育法施行規則第92条をもとに、在籍したまま転校するときの流れを並べました。私立や通信制高校でも、大きな流れは同じです。
- 担任・保護者に相談する:転校したい理由と、いつまでに移りたいかを話します。今の学校が転校そのものを止めるしくみはありません。
- 転校先の候補を探す:公立は都道府県教育委員会の転学・編入学の案内、私立は各校や都道府県の私学担当の情報、通信制高校は各校の転入学の案内を見ます。
- 書類を取り寄せる:今の学校に、在学証明書・単位修得証明書・成績証明書を頼みます(学校によって名前が違います)。
- 転校先で単位を照合してもらう:何年生の何単位として受け入れてもらえるか、卒業がいつになりそうかを確かめます。東京都は出願前の照合を求めています。
- 出願する:入学願書、住所を証明する書類、今の学校の校長が出す転学照会書などを出します(都立の場合)。
- 選考を受け、転学が許可される:面接や作文、学校によっては筆記試験があります。合格したら、今の学校の転学の手続きをして移ります。
出典:東京都教育委員会 令和8年度第二学期都立高等学校転学・編入学募集「4 提出書類等」(2026年9月確認)
書類の発行にかかる日数は学校によって違うので、転校先の受付時期から逆算して、2と3は同時に進めるのがおすすめです。東京都では、同じ時期の募集なら複数の都立高校に出願できますが、最初に合格した学校に入学することが条件で、合格した日以降は他校を受検できません。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
転校先の候補として通信制高校を考えている人に向けて、NIJIN高等学院(ニジ高)についても書いておきます。
ニジ高は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも通えて、担任がつきます。カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められるので、今の学校で疲れてしまった人でも入りやすい形にしています。生活リズムに波があっても学べるよう、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しています。転入・編入による途中入学ができ、出願費用は無料です。
ただし、正直にお伝えしておくべき注意点があります。
- ニジ高は高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に転入して、そこで取ります。
- 提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。ニジ高の中でのスクーリングはありません。スクーリングに向けた準備や当日までの支援をします。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。就学支援金は高校の授業料が対象なので、ニジ高の分には使えません。金額は学費のご案内をご覧ください。
- 転校先の通信制高校の単位の照合や、いつ卒業できそうかの見通しは、提携校の決まりによります。
ニジ高はこれまで、不登校の生徒650名以上をサポートしてきました(グループ全体)。転入についてよくある質問はよくある質問にもまとめています。

迷ったときの進め方(3ステップ)
転校するかどうか、まだ決めきれない人も多いと思います。決める前にできることを3つに分けました。
- 今の単位と在籍期間を紙に書き出す:今の学校に単位修得証明書(見込みを含む)を頼むか、通知表で何単位取れているかを確かめます。欠席が多い場合は、あと何時間で単位を落としそうかも担任に聞いておきます。
- 転校先の候補を3つに分けて調べる:「公立(住んでいる都道府県の応募資格と、転居の予定があるか)」「私立の全日制(転居なしで受けられるか)」「通信制高校(受付の時期とスクーリング)」の3つです。住んでいる都道府県の教育委員会の転学・編入学の案内を最初に開きます。
- 候補の学校で単位の照合をしてもらう:何年生として入れるか、いつ卒業できそうかを聞きます。この段階では、まだ転校を決めなくてかまいません。照合の結果を見てから、今の学校に残るか移るかを家族で話し合えば十分です。

今の学校のままでいいか迷ったら、単位の数え方から聞いてみる
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラオフ・チャット参加から始められ、転入・編入もできます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。転校を決める前の段階でも、今の単位でいつ卒業できそうかを一緒に確かめます。
よくある質問
A. 学校教育法施行規則第92条では、今の学校の校長は転学先に書類を送ることになっており、許可するのは転学先の校長です。ただし公立の全日制で「特別の事情」による転校をするときは、在籍校の校長が事情を認めることが条件になっている都県があります(神奈川県など)。まずは理由を担任に伝え、相談の記録を残しておきましょう。
A. 都道府県によって違います。神奈川県立の全日制は保護者と一緒の転居が基本の条件で、転居なしの場合は、特別の事情を2人の校長が認めた場合と、積極的な理由に基づく進路変更(原則、異なる学科の1年生)の枠があります。東京都は、高校に在籍していて保護者と同居し都内に住所があれば、転居がなくても募集区分2(一般)で応募できます。ただし都立全日制から都立全日制への転学は、2校の校長が真に必要と認めた場合に限り、原則1年度に1回です。
A. 学校によります。公立の通信制は受付の時期が決まっていて、神奈川県立なら4月1日付けや10月1日付けなどです。私立の広域通信制には、転入学を随時受け付けている学校もあります。書類の準備と単位の照合に時間がかかるので、候補の学校に早めに問い合わせてください。
A. 転入学なら在籍期間と修得した単位を引き継げるので、予定どおりに卒業できる場合があります。ただし、今年度の途中の科目が単位にならない、休学期間が在籍期間に数えられない、といった理由で遅れることもあります。転校先で照合してもらうのが確実です。
A. 退学すると、転入学ではなく編入学になります。編入学は募集の時期や条件が限られることが多く、神奈川県立の通信制の再入学は「1年以上在籍してから中途退学」などが条件です。できるだけ籍を残したまま、転校先と単位の照合を進めることをおすすめします。
転校は「逃げ」ではなく、学び続けるための手続きの1つです
転校を考えるまでには、きっとたくさんのことがあったと思います。法令にも、課程をまたいで転学できること、今までの単位を引き継げることが書かれています。転校は、学び続けるために用意されている正式な道です。
いま決めなくても大丈夫です。まずは今の単位を確かめて、候補の学校に「何年生として入れるか」を聞くところから始めてみてください。その答えを見てから、今の学校に残るか、移るかを選べばいいのです。
ひとりで調べるのがしんどいときは、転校先の学校や、通信制高校のサポート校の相談会で、今の状況をそのまま話してみてください。

転校するか決める前の「単位を確かめる」段階から相談できます
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
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