「本を読んだほうがいいよ」と言われるけれど、正直あまり得意じゃない。朝読書の時間がなんとなく苦痛だった。読書感想文が、夏休みでいちばん重い宿題だった。そんな経験がある人は、あなただけではありません。
先に結論を書くと、高校生の55.7%は、2025年5月の1か月間に本を1冊も読んでいません(全国学校図書館協議会「第70回学校読書調査」)。読まない理由でいちばん多いのは「ほかの活動で時間がなかった」で、本が嫌いだからとは限りません。そして、読書が苦手なことと、本が嫌いなことは同じではありません。時間がなかっただけ、選んだ本が合わなかっただけ、読む形が合わなかっただけ、ということがよくあります。
この記事は、全国学校図書館協議会の調査結果、文化庁「国語に関する世論調査」、文部科学省の委託調査と特別支援教育の調査、国立青少年教育振興機構の研究、読書バリアフリー法の基本計画、大学入試センターの受験上の配慮の案内を実際に開いて確かめた内容でできています。苦手の理由ごとに試せること、文字を読むこと自体がつらい場合の配慮と相談先まで整理しました。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。
今の学校のペースや、教科書を読み込む中心の学び方が合わないと感じる場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、相談のうえでNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)の全国の教室に通うこともできます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:高校生が本を読まない理由と、読書が苦手でも始められる方法の早見
- 高校生の不読者(5月の1か月間に本を0冊)は55.7%、平均は1.4冊。小学生は9.6%、中学生は24.2%です(全国学校図書館協議会・2025年)。読まない高校生は多数派です。
- 高校生の不読率は、この30年ほどおおむね4割台〜6割台の間を上下しています。「最近の高校生だけが読まなくなった」わけではありません。
- 本をあまり読まない高校生の理由は、「ほかの活動等で時間がなかった」64.5%、「ほかにしたいことがあった」47.3%、「ふだんから本を読まない」32.8%の順でした(文部科学省の委託調査・2016年度)。
- 本を読まない人でも、SNSやネット記事などの文字は75.3%が「ほぼ毎日」読んでいます(文化庁・16歳以上)。「文字を読まない」のではなく「本という形で読んでいない」人が多いということです。
- 始めるなら「興味のある入口」「短い分量」「途中でやめてもいい」の3つ。1日に読むページ数を決める、推薦図書から選ぶといったやり方は、読書量の少なさと関連していたという研究もあります。
- 文字を読むこと自体が極端につらいときは、ディスレクシアなど読み書きの困難の可能性もあります。音声で聞く、文字を大きくするなど「読書のカタチ」は法律(読書バリアフリー法)で選べるように整えられつつあり、学校や大学入試でも配慮を申し出られます。
- 文字中心の学び方が合わない場合、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で、興味から学びを広げる方法もあります。
本を読まない高校生は55.7%。読まないのは少数派ではありません
全国学校図書館協議会は、全国の小・中・高校生の読書の状況を毎年調べています。2025年6月の第1・2週に行われた第70回調査(5月1か月間の読書について)では、高校生の平均読書冊数は1.4冊、1冊も読まなかった不読者の割合は55.7%でした。
| 学校段階 | 平均読書冊数(5月1か月) | 不読者の割合 | 回答者数 |
|---|---|---|---|
| 小学生(4〜6年) | 12.1冊 | 9.6% | 3,354人 |
| 中学生 | 3.9冊 | 24.2% | 4,440人 |
| 高校生 | 1.4冊 | 55.7% | 4,238人 |
出典:全国学校図書館協議会「学校読書調査」の結果(第70回・2025年)(2026年9月確認)。雑誌とは別に「本」の冊数を聞いたもので、高校は学科別にサンプル校を抽出し、各学年1クラスで行った調査です。なお、この調査は第66回までは毎日新聞社との共催でしたが、第67回(2022年)以降は全国学校図書館協議会が単独で実施しています。
小学生から中学生、中学生から高校生へと、学校段階が上がるたびに読む冊数は大きく減ります。小学生の平均12.1冊に対して、高校生は1.4冊。読まなくなるのは、あなた個人の問題というより、高校生という時期に共通して起きていることだと分かります。
高校生の不読率は、30年ほど4割台〜6割台を行き来しています
同じ協議会が公表している「過去31年の推移」のグラフから、高校生の数字をいくつか抜き出しました。
| 調査年 | 高校生の不読率 | 高校生の平均冊数 |
|---|---|---|
| 1997年 | 69.8%(31年間で最も高い) | 1.0冊 |
| 2004年 | 42.6% | 1.8冊 |
| 2016年 | 57.1% | 1.4冊 |
| 2022年(第67回) | 51.1% | 1.6冊 |
| 2023年(第68回) | 43.5% | 1.9冊 |
| 2024年(第69回) | 48.3% | 1.7冊 |
| 2025年(第70回) | 55.7% | 1.4冊 |
出典:全国学校図書館協議会「過去31年の学校読書調査結果の推移」(第41回〜第70回)。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で調査中止。
毎回抽出した学校での調査なので、1年ごとの増減に一喜一憂する必要はありません。はっきり言えるのは、高校生の半数前後が1冊も読まない月がある状態が、何十年も続いているということです。一方で小学生の平均冊数は1995年の5.4冊から2025年の12.1冊へ大きく増えており、小学校までの読書の習慣が、高校まで続きにくい構造が見えてきます。
大人も同じです。文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」(2024年1〜3月に16歳以上を対象に郵送で実施)では、1か月に読む本が「読まない」と答えた人が62.6%でした(電子書籍を含み、雑誌・漫画は除く)。過去の調査(4割台後半)より高い数字ですが、2019年度までは面接で聞き取る方法、2020年度からは郵送の方法に変わっているため、文化庁自身が「比較には注意が必要」としています。
出典:文化庁「令和5年度『国語に関する世論調査』の結果について」(2024年9月17日公表・2026年9月確認)

読まない理由の最多は「時間がない」。ただし「読まない」の中身は人によって違います
文部科学省の委託調査(平成28年度「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」)では、本をあまり読まない児童生徒に理由を聞いています(複数回答)。高校生(3,025人)の回答は次のとおりでした。
| 本をあまり読まない理由 | 高校生 | 中学生 | 小学生 |
|---|---|---|---|
| ほかの活動等で時間がなかったから | 64.5% | 54.0% | 29.8% |
| ほかにしたいことがあったから | 47.3% | 56.9% | 53.9% |
| ふだんから本を読まないから | 32.8% | 44.6% | 39.1% |
| 読むのがめんどうだから | 22.5% | 33.4% | 25.9% |
| 読みたいと思う本がないから | 22.4% | 35.8% | 40.2% |
| 読む必要を感じなかったから | 11.3% | 19.9% | 13.8% |
| 文字を読むのが苦手だから | 9.3% | 14.9% | 23.6% |
| どの本がおもしろいのかわからないから | 8.6% | 16.3% | 22.7% |
出典:文部科学省委託調査「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」報告書概要版(平成29年3月・株式会社浜銀総合研究所)。回答者数は小学生1,245人・中学生2,413人・高校生3,025人。報告書本体の集計表(件数と割合)とも照合しています。
高校生は「時間がなかった」が6割を超えて最も多く、小学生で目立つ「文字を読むのが苦手」「どの本がおもしろいのかわからない」は、高校生では1割未満です。文部科学省の有識者会議の資料「子供の読書活動に関する現状と論点」では、この調査をもとに、「時間がない」と答えた高校生は中学生までの読書量が多く本が好きな傾向があり、「ふだんから本を読まない」と答えた高校生は中学生までの読書量が少なく本が好きではない傾向があると整理しています。
出典:文部科学省「子供の読書活動に関する現状と論点」(2017年)。調査は2016年度のもので、スマートフォンの使い方が変わった今とは状況が違う可能性があります。
もう少し新しい数字として、文化庁の令和5年度調査では、読書量が「以前より減っている」と答えた人にその理由を聞いています。16〜19歳では、「情報機器(スマートフォン、タブレット、パソコン、ゲーム機等)で時間が取られる」が70.9%でした。年齢が低いほど、この理由の割合が高くなっています。
ここから言えるのは、「読まない」の中身は人によって違うということです。部活や勉強、アルバイト、動画やゲームで時間がいっぱいの人もいれば、これまで本と出会う機会が少なかった人もいます。理由が違えば、試すことも違います。自分がどのタイプに近いかを、後の表で確かめてみてください。

「本を読まない」と「文字を読まない」は違います。本以外の文字は毎日読んでいる人が多数です
文化庁の同じ調査では、本を「読まない」と答えた人(全体の62.6%)に、SNSやインターネット上の記事など、本以外の文字・活字を読む機会を聞いています。結果は「ほぼ毎日ある」が75.3%で、「ほとんどない」は10.4%でした。
| 本以外の文字・活字を読む機会 | 割合 |
|---|---|
| ほぼ毎日ある | 75.3% |
| 週に3〜5日くらいある | 6.3% |
| 週に1、2日くらいある | 4.1% |
| 月に数日くらいある | 3.5% |
| ほとんどない | 10.4% |
出典:文化庁 令和5年度「国語に関する世論調査」の結果の概要(問7付問1。対象は本を読まないと答えた人・16歳以上)
同じ調査では、電子書籍を「よく利用する」「たまに利用する」人が合わせて40.3%で、40代以下では5割を超えていました(こちらは雑誌・漫画を含みます)。文字を読まなくなったというより、読む形が変わってきた面があります。
もう1つ知っておきたいのは、「読書」の数え方は調査によって違うことです。全国学校図書館協議会の調査は雑誌を別に数え、文化庁の調査は雑誌と漫画を除いて聞いています。文部科学省の委託調査は、電子書籍を含む一方で、マンガ・雑誌・新聞・教科書・参考書を含めていません。つまり、毎日マンガや長いネット記事を読んでいる人でも、調査の上では「不読者」になることがあります。数字だけを見て「自分は文字が読めない人間だ」と思い込む必要はありません。
読書が役に立つのは「関連がある」まで。読めば誰でも伸びる、とまでは言えません
人が一生のうちに実際に体験できることには限りがあります。読書のいいところは、自分では行けない場所、会えない人、経験できない出来事を、本を通して疑似的にたどれることです。これを「経験の前借り」と呼んでもいいかもしれません。
では、読書は何かの役に立つのでしょうか。国立青少年教育振興機構が全国の20〜60代の5,000人に行ったインターネット調査(2021年公表)では、次のような結果が出ています。
- 子どもの頃(小学校高学年・中学・高校)の読書量が多い人は、そうでない人より、自己理解力・批判的思考力・主体的行動力などの意識・非認知能力が高い傾向があった
- 大学生を対象にした分析では、子どもの頃の読書量が多い人ほど、認知機能(ワーキングメモリ)の課題の正答数が多い傾向があった
- 紙の本でも電子書籍でも、読書のツールに関係なく、読書をしている人はしていない人より意識・非認知能力が高い傾向があった(紙の本で読んでいる人が最も高い傾向)
出典:国立青少年教育振興機構「子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究」プレスリリース(2021年8月11日・2026年9月確認)
ただし、これは「読書量が多い人ほど、そうした傾向が見られる」という関連を示したもので、読めば誰でもそうなると証明したものではありません。読書が好きな人は、もともと好奇心が強い、家に本が多いなど、ほかの条件にも恵まれている可能性があるからです。読書だけが特別な近道というより、「自分の外の世界に触れる入口のひとつ」と考えるのが、いちばん正確です。
すぐに成績に結びつかなくても、長い文章を読み取る力や、考えを言葉にする力は、レポート課題や小論文、進路選びの場面で役に立つことがあります。たとえば通信制高校では、教科書を読んでレポートを書く学び方が中心になります。どんな課題が出るのかは通信制高校 レポート 内容の記事で紹介しています。

苦手の理由別に見ると、試せることは変わります
ここまでの調査を踏まえて、よくある「苦手」の形と、試せることを並べました。自分に近い行を探してみてください。
| 苦手の理由 | こんなとき | 試せること |
|---|---|---|
| 時間がない・ほかにしたいことがある | 気づくと1か月たっている | 通学中や寝る前の10分だけ。短編集、エッセイ、1話ずつ完結する本から |
| スマホで時間がなくなる | 読もうとしても通知が気になる | 読む10分だけスマホを別の部屋へ。電子書籍ならスマホの中で読む時間に置き換える |
| ふだん読まないので続かない | 数ページで疲れる、眠くなる | 好きなマンガ・アニメ・映画の原作や、ノベライズから。薄い本を選ぶ |
| 何を選べばいいかわからない | 書店や図書館で固まってしまう | 表紙や帯で選ぶ。友達や司書に「最近おもしろかった本」を聞く |
| 読む必要を感じない | 何のために読むのかピンとこない | 知りたいこと(仕事・趣味・悩み)の入門書から。調べものの延長で読む |
| 文字を読むこと自体がしんどい | 行を飛ばす、極端に遅い、目がひどく疲れる | 音声で聞く、文字を大きくするなど形を変える。つらさが続くなら相談を(後の節) |
「時間がない」タイプの人は、中学生までは本を読んでいて、本が好きな傾向があると整理されています。そうであれば、時間を小さく切り出すだけで戻ってこられることがあります。「ふだん読まない」タイプの人は、いきなり時間を作るより、読みたいと思える1冊に出会うことが先です。
読書感想文のように「読んだあとに書く」ことが負担になっている場合は、読むことと書くことを分けて考えるのも1つの方法です。書き方のコツは読書感想文 書けない 高校生の記事にまとめています。
「ノルマ」と「推薦図書」は続きにくい。続く人は、興味から入っています
最初から名作や分厚い本に挑む必要はありません。国立青少年教育振興機構の同じ研究では、小学校高学年のころの読書の経験と、小中高を通した読書量の関係を調べています。
- 読書量の多さと関連していたのは、「本を持ち歩いて読む」「地域の図書館で本を借りる」「ジャンルを問わず読む」「同じ本を繰り返し読む」などの経験
- 読書量の少なさと関連していたのは、「1日に読むページを決めて読む」「学校や市の推薦図書を選ぶ」などの経験
研究では、これらが自由な読書をかえって妨げてしまう可能性もあると考察しています。「毎日30ページ」と決めるより、興味にまかせて、読めた日だけ読むほうが続きやすいということです。
また、文部科学省の委託調査で、高校生が「本を読むきっかけになっていると思うこと」の上位は、本屋やテレビ・ネットでの宣伝や広告(54.7%)、知りたいことや興味がひかれることができたこと(33.2%)、友達がすすめたり貸したりしてくれること(32.9%)、作家に興味を持ったこと(30.7%)でした。学校の朝読書(16.7%)より、自分の興味や友達とのやりとりのほうが、高校生にはきっかけになりやすいようです。
ここから、次のようなやり方が考えられます。
- 好きな入口から入る。好きなマンガやアニメの原作小説、興味のある仕事の入門書、好きなジャンルの短編集などから選びます。
- 分量を小さくする。「1冊読み終えなきゃ」と考えず、読めた日に数ページ読めば十分です。ページ数のノルマは作りません。
- 途中でやめてもいい。合わないと感じたら閉じて、別の本に移って大丈夫です。
- 図書館や書店で「眺める」だけの日をつくる。表紙を眺めて歩くだけでも、自分が何に惹かれるのかが見えてきます。
- 読んだことを、ひと言だけ誰かに話す。「ここがおもしろかった」の一言で、記憶に残りやすくなり、次の1冊のおすすめが返ってくることもあります。
保護者の方へ。「本を読みなさい」と言われるほど、読書から遠ざかる子もいます。同じ委託調査では、小学生では家族に図書館や本屋に連れて行ってもらうことがきっかけになりやすい一方、高校生では宣伝・広告や友達、自分の興味の影響が大きくなっていました。高校生の時期は、本を渡すよりも、家に本がある、大人が読んでいる姿がある、感想を否定せずに聞く、といった環境づくりのほうが合っているかもしれません。不登校で家にいる時間が長いお子さんの場合は、不登校 読書の記事も参考にしてください。

文字を読むこと自体がつらいなら、努力不足ではなく「読み書きの困難」かもしれません
読書が苦手な理由のなかには、努力や好みの問題ではなく、文字を読むこと自体に強い困難がある場合もあります。知的な発達に遅れはないのに、文字を読む・書くことに特有の難しさがある状態は、ディスレクシア(読み書き障害)と呼ばれ、学習障害(LD)の一種とされています。
文部科学省が2022年に公立の小・中・高校の通常の学級で行った調査では、学級担任などの回答から「『読む』又は『書く』に著しい困難を示す」とされた児童生徒は、小・中学校で3.5%、高校で0.6%でした。これは医師の診断ではなく、担任などの回答にもとづく割合で、発達障害のある子の割合を示すものではないと文部科学省自身が注意書きをしています。また、学習障害を理由に公立の小・中・高校で通級による指導を受けている児童生徒は、令和4年度に36,988人でした。
出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」/文部科学省・厚生労働省「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(第二期)」(令和7年3月)
次のような様子が長く続いている場合は、ひとりで抱え込まず、身近な大人や相談先に話してみてください。
- 行や文字を飛ばして読んでしまう、同じ行を何度も読む
- 音読がとてもゆっくりで、読むだけで疲れて内容が頭に入らない
- 話を聞けば理解できるのに、同じ内容を文字で読むと分からない
- 漢字や似た形の文字を、何度練習しても取り違える
上の様子があるからといって、ディスレクシアだと決まるわけではありません。診断や検査、服薬など医療の判断は、主治医や専門の機関に相談してください。
「読書のカタチ」は、法律で選べるように整えられています
2019年6月28日に施行された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)は、「視覚障害者等」に、視覚障害のある人だけでなく、読字に困難がある発達障害のある人(ディスレクシア等)や、本を持つ・ページをめくることが難しい人を含めています。国の基本計画は第二期(令和7年度〜令和11年度)に入っています。
| 読書のカタチ | どんなものか | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 音声読み上げ対応の電子書籍 | 端末が本文を読み上げる。文字の大きさも変えられる | 目で追うと疲れるが、内容には興味がある |
| オーディオブック | 本を朗読した音声で聞く | 通学中や家事の合間など、耳だけ空いている時間 |
| デイジー図書 | 音声と文字・画像を同期させた電子図書。読んでいる箇所が分かる | 聞きながら文字も確かめたい |
| 大活字本・LLブック | 大きな文字の本/読みやすく書かれた本 | 紙の本で読みたいが、ふつうの文字組みがつらい |
出典:文部科学省「視覚障害者等の読書環境の整備(読書バリアフリー)について」/同 基本計画(第二期)の用語説明(2026年9月確認)
これらの本やサービスは、公立図書館や点字図書館で相談できます。国立国会図書館の障害者用資料検索(みなサーチ)のように、アクセシブルな本を探す仕組みも整えられています。紙の本を目で追う形だけが読書ではありません。
| 相談先 | こんなとき |
|---|---|
| 学校の先生・スクールカウンセラー・特別支援教育コーディネーター | 授業や課題で文字を読むのがしんどい。配慮を相談したい |
| お住まいの地域の発達障害者支援センター | 読み書きの困難について、専門的な相談をしたい |
| 医療機関(小児科・児童精神科など) | 診断や検査を考えたい |
| 公立図書館・点字図書館 | 音声や拡大など、いろいろな形の本を探したい |
読み書きの困難と高校選びについては、ディスレクシア 高校の記事で、通信制高校の選び方と合理的配慮を詳しく書いています。
学校でも大学入試でも、読み書きの配慮は申し出られます
読み書きの困難は、読書の時間だけの問題ではありません。授業のプリント、定期テスト、入試と、文字を読む場面は高校生活のあちこちにあります。ここで知っておきたいのが合理的配慮です。
障害者差別解消法の改正により、2024年4月1日から、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務になりました(それまでは努力義務)。内閣府のリーフレットでは、「事業者」は営利・非営利、個人・法人の別を問わず、対象の分野には教育も含まれるとされています。文部科学省の対応指針も学校法人を対象にしており、私立の高校も、この義務の対象です(国公立の学校は、改正の前から義務の対象でした)。また、この法律の「障害者」は障害者手帳を持つ人だけではなく、発達障害のある人も含まれます。
学校での配慮は、本人や保護者が申し出て、学校と話し合って決めていきます。読み書きの場合は、たとえば試験問題の文字を拡大する、読み上げを認める、時間を延長するといった配慮が考えられます。内容は障害の特性や場面によって違い、学校にとって負担が重すぎない範囲で検討されます。
大学入学共通テストでも、発達障害のある受験者は、試験時間の延長(1.3倍)、拡大文字問題冊子の配付、チェック解答、別室の設定などの配慮を申請できます。申請には医師の診断書と、高校で受けてきた配慮の状況を書く「状況報告書」が必要です(卒業見込みの人は、高校が校長名で作成します)。令和9年度試験の配慮申請は、第1期が2026年7月1日〜8月28日、第2期が8月31日〜10月2日と案内されています。
出典:内閣府「改正障害者差別解消法」リーフレット/文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針/大学入試センター「受験上の配慮案内」令和9年度/大学入試センター「障害等のある方への受験上の配慮(Q&A)」令和9年度(2026年9月確認)
状況報告書が求められるということは、高校の段階で配慮を受けた記録があると、大学入試での配慮にもつながりやすいということです。困っていることがあれば、高1・高2のうちから学校に相談しておく意味があります。申請の手順は合理的配慮 申請の記事で詳しく説明しています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
読書が苦手なことそのものは、学校を変える理由にはなりません。ただ、教科書を読み込んで進む授業のペースが合わない、読み書きのつらさから学校そのものがしんどくなっている、という場合は、学び方の選択肢を知っておいてもよいと思います。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも参加でき、担任制です。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。授業はアーカイブでも見られ、中学内容の学び直しにも対応しています。生徒会・サークル・学園祭・企業コラボなど、興味をきっかけに「やってみた」を形にする場があります。ニジ高は、発達特性や障害を、本人を変えるのではなく、学びの構造や環境を変えることで支援するという考え方で取り組んでいます。
そのうえで、はじめに正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
- 学院内でのスクーリングはありませんが、提携校のスクーリングには参加が必要です。日程の調整や準備を支援します。
- 通信制高校の学習はレポート(添削課題)が中心で、教科書を読む場面はあります。読み書きの配慮をどこまで受けられるかは、在籍する通信制高校の対応によるため、入学前に個別に確認してください。診断・服薬など医療の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内に載せています。
途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 自分の「苦手」のタイプを1つ選ぶ。時間がないのか、選び方が分からないのか、必要を感じないのか、文字を読むこと自体がつらいのか。上の表で近い行を1つ決めるだけで、試すことがはっきりします。
- 1週間だけ、ノルマなしで試す。興味のある入口の本、短い本、音声の本など、表の「試せること」から1つだけ選んで、読めた日だけ読みます。合わなければ別の方法に変えて大丈夫です。
- 文字を読むこと自体のつらさが続くなら、相談する。学校の先生やスクールカウンセラー、地域の発達障害者支援センター、図書館に話してみます。授業やテストでの配慮は、早めに学校と話しておくと、大学入試の配慮申請にもつながります。
学校の学び方そのものが合わないと感じている場合は、体験説明会・個別相談で、読み書きのことも含めて状況を聞かせてください。


読み書きのしんどさも含めて、学び方を相談してみる
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラオフ・チャット参加から始められ、授業はアーカイブでも見られます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。今の学校のままでいいか迷っている段階からご相談ください。
よくある質問
A. 数え方は調査によって違います。文化庁の調査は雑誌と漫画を除いて聞いており、文部科学省の委託調査もマンガを含めていません。日常の楽しみとして読むなら、入口としてはまったく問題ありません。マンガから原作小説へ、という道もあります。
A. かまいません。国立青少年教育振興機構の研究では、読書のツールに関係なく、読書をしている人はしていない人より意識・非認知能力が高い傾向がありました(紙の本で読んでいる人が最も高い傾向)。自分が読みやすい形を選んでください。
A. 決まった正解はありません。1日に読むページ数を決めて読む経験は、読書量の少なさと関連していたという研究もあります。「毎日○ページ」より、興味のある本を読めた日だけ読むほうが続きやすいと考えられます。
A. そんなことはありません。合わない本を無理に読み切るより、別の本に移ったほうが、本を好きなままでいられることが多いです。
A. 向いていないと決めつける必要はありません。文字を読むことに強い困難がある場合は、音声読み上げやオーディオブック、デイジー図書など、形を変えて読む方法があります。つらさが続くときは、学校の先生や地域の発達障害者支援センターなどに相談してみてください。
A. 長い文章を読む力や書く力が問われる場面はあります。ただ、読書量は高校からでも少しずつ増やせますし、読み書きに困難がある場合は、大学入学共通テストで試験時間の延長などの配慮を申請できます。困っていることがあれば、早めに学校に相談しておくと安心です。
読書が苦手でも、あなたの言葉が少ないわけではありません
読書が苦手なのは、めずらしいことではありません。高校生の半分以上が、1か月に1冊も本を読まない月があります。大切なのは、「苦手」の中身を知ることです。時間なのか、本選びなのか、必要を感じないのか、文字を読む形なのか。それが分かれば、できる工夫は見えてきます。
好きな入口から、読めた日だけ、途中でやめてもいい。目で読むのがつらければ、耳で聞く読書もあります。そして、読むことが好きになったら、次は書くことにも広げてみてください。
学校の学び方そのものが合わないと感じているなら、その気持ちを整理するところから一緒に考えることもできます。今日、何かを決めなくて大丈夫です。

読むのが苦手でも、学び方の相談は話すところから始められます
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。
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