文理選択が決まらない高校生へ|決められなくて当たり前。時期・変更・共通テストの科目を公式資料で確認【2026】

窓際の机でほおづえをつき、文理選択について考える高校生の後ろ姿

「文系か理系か、そろそろ決めてください」。そう言われても、まだやりたいことが見えない。得意な科目も、苦手な科目もある。親や先生の意見もそれぞれ違う。文理選択が決まらないのは、とても自然なことです。

先に結論をお伝えします。「文系」「理系」は、国の法令で決まった区分ではなく、多くの高校が進路を見据えて設けているコース分けです。確認できた国の資料でも、早い時期に文系と理系に分けることを見直そうという議論が出ています。ただし、学校によっては選んだあとの変更が難しいこともあります。だからこそ、学校のルールと、志望する進路に必要な科目を、早めに確かめることが大切です。

この記事では、国の資料と、公立高校が公開している教育課程の例を読み、文理選択の時期、あとからの変更、大学入学共通テストの科目を整理しました。文理選択を迫られる11月〜2月に向けて、「決められない自分」を責めずに進めるための材料にしてください。

目次

結論:文理選択の早見

  • 「文系」「理系」は法令上の区分ではなく、学校ごとのコース分けや選択科目の組み合わせ(確認できた国の資料では、約3分の2の高校がコース分けを実施)
  • 選ぶ時期は学校ごとに違う。1年の秋〜冬に選ぶ学校もあれば、2年から類型に分ける学校もある
  • 「3年での変更はできない」と明記している学校もあるので、変更できるかは必ず在籍校に確認する
  • 大学入学共通テストの科目表には「文系」「理系」の区分はなく、国立大学は原則として6教科8科目を課す方針
  • 「得意・不得意」より、「将来どんな方向に進みたいか」を軸に考えるよう勧める学校もある
  • 決められないときは、学校に質問しながら、志望する学部・仕事から逆算して確かめる
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文理選択は、いつ・どうやって決める?

文理選択の時期や方法は、学校によって違います。公立高校が公開している資料の例を見てみます。

例 公開資料に書かれていること
鳥取県教育委員会(令和8年度の教育課程について) 生徒の進路目標に対応するため、2年次から文科系・理科系などの類型に分ける教育課程を編成している
石川県の県立高校 1年生のうちに、2年生での文系・理系を選んだうえで科目選択をする。3年生での文系・理系の変更はできない
栃木県の県立高校(保護者向けのお便り) 選択する時期は1年生の11月頃から。3年次に別の型へ変更することはできない

出典:各県・各校が公開している資料。例は3つで、全国の共通ルールではありません。

同じ「文理選択」でも、1年の秋に選ぶ学校、2年から分かれる学校があり、さらに「3年での変更はできない」と明記する学校が複数ありました。変更の仕組みは、国の一律の規則ではなく、学校ごとの教育課程の都合で決まっていると考えられます。

つまり、「あとから変えられるかどうか」は、お子さんの学校の教育課程表と説明で確かめるしかありません。

国の資料では、「文系・理系」はどう扱われている?

次に、国の資料でどう扱われているかを見てみます。

共通テストの要項には、「文系」「理系」の語がありません。 令和9年度の大学入学共通テストの実施要項と実施大綱を要約して確認したところ、区分は国語、数学、理科などの教科・科目単位で、「文系」「理系」という言葉は出てきませんでした。

高校の実態は、「コース分け」です。 中央教育審議会の高等学校教育の在り方に関するワーキンググループの論点整理(素案、令和5年1月)には、約3分の2の高等学校で、大学入学者選抜を見据えて文系・理系のコース分けを実施している、と書かれています。同じ資料は、文理横断的な学びの推進にも触れています。

文理を分けすぎない方向の議論も出ています。 文部科学省のタスクフォースのとりまとめ概要(令和5年8月)には、高校段階の早期の文理分断の見直しなどを検討することも課題、と書かれています。中央教育審議会への諮問(令和6年12月)にも、文理横断・文理融合の観点からの改善の在り方が論点として挙がっています。

ただし、これらは議論や課題の整理で、「文理選択をしなくてよい」と国が決めたものではありません。今の高校では、学校ごとのコースや選択科目のルールが続いています。学習指導要領や法令に「文系」「理系」の区分があるかは、今回、原本で確認できませんでした。

中央教育審議会の資料で、約3分の2の高等学校が大学入学者選抜を見据えて文系・理系のコース分けを実施しており、文系・理系は法令上の区分ではないことを示す図
出典:中央教育審議会 高等学校教育の在り方ワーキンググループ「論点整理(素案)」(令和5年1月)

共通テストの科目を見てみよう

大学入学共通テストは、令和9年(2027年)1月16日(土)・17日(日)に実施されます。教科・科目は次のとおりです。

教科 科目
国語 『国語』
地理歴史・公民 最大2科目
数学 ①『数学Ⅰ,数学A』または『数学Ⅰ』/②『数学Ⅱ,数学B,数学C』
理科 『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』『物理』『化学』『生物』『地学』(最大2科目)
外国語 『英語』ほか
情報 『情報Ⅰ』

出典:令和9年度大学入学共通テスト実施要項(文部科学省)。

この表のどこにも、「文系はこの科目」「理系はこの科目」という区分はありません。どの科目を受けるかは、志望する大学・学部が決めます。実施大綱にも、各大学は、入学者受入れの方針に基づいて、共通テストの利用方法を定めるとあります。

大学入学共通テスト(令和9年度)の教科国語地理歴史・公民数学理科外国語情報「文系」「理系」という区分は科目表にないどの科目を受けるかは、志望する大学・学部が決める
図解:共通テストの科目と、文系・理系の区分(出典:令和9年度実施要項をもとに作成)

さらに、国立大学協会の基本方針(令和4年)では、令和7年度入試から、全国立大学は一般選抜の第一次試験で原則として6教科8科目(従来の5教科7科目に「情報」を加えたもの)を課すとされています。「原則」なので、大学ごとの扱いは各大学の募集要項で確認が必要ですが、国公立を志望する場合は、文系志望でも数学・理科・情報を、理系志望でも国語・地理歴史・公民を受ける前提で考えておく必要があります。

つまり、「文系だから数学はいらない」「理系だから社会はいらない」と、早く決めつけすぎないほうが安全です。

決められないとき、どう考える?

ここからは、決められないときの考え方です。一つの考え方であり、正解ではありません。

① 学びたいことなりたい姿・興味② 必要な科目志望学部の入試科目③ 学校のコース選択科目・教育課程表あわせて確認:選ぶ期限・あとからの変更ができるか(学校ごとに違う)
図解:「文系か理系か」ではなく、学びたいことから逆算して決める流れ

「文系か理系か」より、「何を学びたいか・どんな仕事か」から考える

文理選択は、最終的にはどの科目を学ぶかの選択です。「文系」「理系」という言葉にこだわるより、「どの学部・分野に興味があるか」「どんな仕事に就いてみたいか」から考えるほうが、決めやすくなります。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」には、500を超える職業の仕事内容や必要な能力がまとまっています。職業の興味を調べる検査も、Webで受けられます。進路・就職を考える学生向けのガイドも載っています。

得意・不得意だけで決めない

栃木県の県立高校のお便りには、現在の成績や得意・不得意にあまり重点を置かず、将来の選択に必要な方向性を重視すると悔いの無い選択につながる、という趣旨の記述がありました。成績だけで決めると、あとから「本当は別のことを学びたかった」と迷うことがあるからです。

選択科目の中身を、教育課程表で確かめる

実際の違いは、科目に出ます。たとえば静岡県立高校の教育課程表の例では、2年文系は数学Ⅱのあとに数学Bを、2年理系は数学Ⅱ、数学B、数学C、数学Ⅲの順に履修します。数学Ⅲのような科目は、コースによって履修の有無が分かれる学校があります。

志望する分野で必要な科目が、選ぶコースに入っているかを、学校の教育課程表で確かめましょう。

迷っているなら、「幅を残せる選択」を先生に相談する

「3年での変更はできない」学校があるので、選ぶ前に、どちらのコースが進路の幅を残しやすいか、先生に相談してみてください。これは私たちの考えで、公的な基準ではありません。学校の先生や進路指導の先生が、学校のルールと過去の進学実績を踏まえて、具体的に答えてくれます。

ケース別:こんなとき、どうする?

ケース1:数学が苦手だけれど、学びたい分野は理系寄り

まず、その分野の学部が、どんな入試科目を課すかを、大学の募集要項で確認します。理系でも、数学の扱いは学部によって違います。苦手を克服する方法(補習、個別指導など)があるかも、学校に聞いておくと安心です。

ケース2:やりたいことが何もなくて、選べない

この時期にやりたいことが決まっていないのは、ふつうのことです。まず、興味のあるニュースや本、好きな活動を書き出し、job tagのような職業情報や、オープンキャンパスを使って、「少し気になる」を増やしてみてください。選べない場合は、学校の進路指導の先生に、面談の機会をお願いしてみましょう。

ケース3:親や先生の意見が自分と違う

家族の意見は、選択の参考になりますが、決めるのは本人です。「どうしてそう思うのか」を聞いたうえで、自分の考えも言葉にして、話し合ってみてください。話しにくいときは、先生や、学校のスクールカウンセラーに間に入ってもらう方法もあります。

秋の並木道を前を向いて歩く高校生の女子(Japanese)
前を向いて歩く。決める前に、少し立ち止まって考えてもいい

文理選択でよくある「思い込み」

迷っているときほど、いくつかの思い込みが判断をむずかしくします。国の資料や学校の例から、確かめられることを整理します。

  • 「理系は、数学が得意でないとだめ」:大学の入試科目は、大学・学部ごとに違います。数学が苦手でも、学びたい分野の学部が、どんな科目を課すかを、募集要項で確かめる価値があります
  • 「文系は、数学や理科をやらなくていい」:国立大学は、原則として6教科8科目(情報を含む)を課す方針です。文系志望でも、数学・理科・情報を受ける前提で考えておくと安全です
  • 「一度選んだら、変えられない」:学校によって違います。「3年での変更はできない」と明記する学校がある一方で、2年のうちなら相談できる学校もあるかもしれません。まず在籍校に聞いてみてください
  • 「周りはもう決めている。自分だけ遅れている」:決める時期は、学校ごとに違います。決められない人は、珍しくありません。急がされるより、納得して決めるほうが、あとで迷いにくくなります
文理選択でよくある4つの思い込みについて、入試科目は大学・学部ごとに違うこと、国立大学は原則6教科8科目を課すこと、変更できるかは学校によること、決める時期は学校ごとに違うことを示す図
出典:国立大学協会「入学者選抜に関する基本方針」(令和4年1月28日)、各県・各校の公開資料をもとに本記事で整理

選ぶまでにやっておきたい5つのこと(11月〜2月の動き方)

文理選択の締め切りは、学校によって違います。ここでは、選ぶまでにやっておくとよいことを、順番に並べました。

  1. 教育課程表をもらう。 コースごとの科目と単位数が書いてある資料です。学校の先生に、「見せてください」と聞いてみましょう
  2. 興味のあることを、10個書き出す。 好きな教科、ニュース、動画、活動など、何でもかまいません。分野の名前にならなくても大丈夫です
  3. 職業情報を調べる。 厚生労働省のjob tagで、気になる職業の仕事内容や必要な能力を見てみましょう。職業の興味を調べる検査も使えます
  4. 大学・学部を、1つ調べてみる。 気になった分野の学部について、大学の公式サイトや募集要項で、入試科目を確認します。オープンキャンパスの情報も、見てみましょう
  5. 面談で、質問する。 この記事の質問リストを持って、担任や進路指導の先生と話します。選ぶ期限と、変更の可否も、このときに確認しておきます

すべてをやらなくても大丈夫です。「1つできた」だけでも、前に進んでいます。

夜、机のライトの下でノートに気持ちを書く高校生の女子(Japanese)
気持ちをノートに書き出すのも、選ぶための一歩

学校に確認したい質問リスト

  1. 文理選択(または類型・コースの選択)は、いつまでに決めるのか
  2. 選んだあとに、変更できるか。できるなら、いつまで、どんな手続きか
  3. コースごとの教育課程表(科目と単位数)を見せてもらえるか
  4. 数学Ⅲ・物理・化学など、志望分野に必要な科目は、どちらのコースで履修できるか
  5. 国公立大学の受験に必要な科目(共通テスト)は、選んだコースで学べるか
  6. 進路面談や、進路相談の機会はあるか
  7. 休みがちで面談に出られないとき、別の方法(オンライン、時間を変える)で相談できるか

質問は、メモに書いて持っていくと安心です。

学校に行けていないとき・休みがちなとき

文理選択の時期に、学校に行けていない人もいると思います。選択の期限や、面談の機会を逃してしまうことが、不安になりますよね。

そんなときは、保護者から担任の先生へ、「文理選択の期限」と「面談の方法」を確認してもらいましょう。登校できなくても、電話やオンラインで相談できる学校もあります(学校の判断です)。

進路希望調査の書き方に悩む場合は、「進路希望調査が書けない」の記事も参考になります。

通信制高校の場合は?

通信制高校は、レポート、スクーリング、単位認定試験で単位を修得する仕組みで、全日制と違い、文理選択のコース分けがない学校もあります。ただし、どんなコースや科目が用意されているかは、学校ごとに違います。

通信制高校からでも、共通テストや一般選抜で、理系の大学を目指すことはできます。そのためには、志望する大学・学部の募集要項で、必要な科目を確認し、それを学べる環境を選ぶことが大切です。詳しくは、「通信制高校から理系大学へ」の記事にまとめています。国公立大学を目指す場合は、「通信制高校から国公立大学」の記事も参考になります。

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保護者の方へ

お子さんが文理選択で迷っているとき、「早く決めなさい」と急かしたくなるお気持ちは、よくわかります。でも、本人が一番、迷っています。

夕方の台所のテーブルで、母親に学校のことを話す高校生の男子(Japanese)
まず「どんなことに興味がある?」と聞いてみる

「どっちにするの?」ではなく、「どんなことに興味がある?」「何ができたらうれしい?」と、まず聞いてみてください。答えが出なくても、問いかけてもらえたことが、お子さんの安心につながります。

学校の先生に相談するときは、「うちの子はどちらが向いていますか」と聞くより、「このコースを選ぶと、どんな進路が考えられますか」と聞くほうが、具体的な答えが返ってきやすいです。

よくある質問

文理選択は、必ずしなければいけませんか?

学校によって違います。コース分けをする学校と、しない学校があります。確認できた国の資料では、約3分の2の高校でコース分けが実施されています。在籍校の教育課程を確認してください。

文系を選んだら、理系の大学には行けませんか?

一概には言えません。進路の幅は、コースだけでなく、履修する科目や大学の募集要項によって決まります。志望する学部が必要とする科目を、学校で履修できるかを確認してください。

あとから文系・理系を変更できますか?

学校によって違います。「3年での変更はできない」と明記している学校もあります。変更が必要になったときの手続きは、在籍校に確認してください。

共通テストでは、文系と理系で科目が違いますか?

共通テストの科目表に、「文系」「理系」の区分はありません。どの科目を受けるかは、志望する大学・学部が決めます。国立大学は、原則として6教科8科目を課す方針です。

まだやりたいことがないのですが、どうすればいいですか?

決まっていなくて問題ありません。「気になること」を集めるところから始めましょう。職業情報サイトや、学校の進路指導、オープンキャンパスが役立ちます。

決めたあとに「違った」と感じたら、どうしたらいいですか?

まず、在籍校に、変更や科目選択の見直しができるかを相談してください。変更が難しい場合でも、大学受験の科目を、補習や個別の学びで補える可能性があります。通信制高校への転校も、選択肢の一つです。

理系を選ぶと、数学Ⅲは必ず必要ですか?

学校や大学によって違います。たとえば、静岡県立高校の教育課程表の例では、理系は数学Ⅲまで履修する順序になっています。一方で、志望する学部が数学Ⅲを課すかどうかは、大学の募集要項で確認が必要です。

文理選択の面談で、何を話せばよいですか?

「興味のあること」「今の成績」「志望したい分野」と、この記事の質問リストを持っていくと、話が進みやすくなります。決まっていなくても、「決まっていない」と正直に伝えて大丈夫です。

まとめ

  • 「文系」「理系」は法令上の区分ではなく、学校のコース分けや選択科目の組み合わせ
  • 選ぶ時期や、あとからの変更は、学校ごとに違う。3年での変更ができない学校もある
  • 共通テストの科目表に文系・理系の区分はなく、国立大学は原則6教科8科目
  • 「何を学びたいか・どんな仕事か」から逆算し、学校に質問しながら決める
  • 決められなくても、自分を責めない。迷うのは自然なこと
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オンラインで、青春する。

学校に行きづらい時期があっても、高校生活を続ける道はあります。まずは話を聞くところから始められます。

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

参考文献

  • 文部科学省「令和9年度大学入学共通テスト 実施要項」、「実施大綱」
  • 中央教育審議会 高等学校教育の在り方ワーキンググループ「論点整理(素案)」(令和5年1月27日)
  • 文部科学省 タスクフォースとりまとめ概要(令和5年8月)、中央教育審議会への諮問(令和6年12月25日)
  • 国立大学協会「入学者選抜に関する基本方針」(令和4年1月28日)
  • 鳥取県教育委員会「令和8年度県立高等学校教育課程について」、静岡県立高校「令和8年度 教育課程表」、栃木県・石川県の県立高校の公開資料
  • 厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」

執筆者:ニジ高編集部 2026年10月22日

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