年が明けると、あっという間に3学期。「今の学年が終わるまでに、何かしたほうがいいのか」「4月からどうなるのか」と、保護者のほうが先に焦ってしまう時期でもあります。
先に結論を書きます。3学期は、遅れを取り戻す時期である必要はありません。4月の新学年に向けて、環境を整える準備期間として使えます。この記事では、その準備期間を「次の学年の0学期」と呼びます(公的な用語ではなく、この記事での呼び方です)。
やることは、大きく4つです。学校に新年度への引き継ぎを相談する。居場所の選択肢を確認する。始業式の前に登校の練習をする。そして、「登校できたか」だけを目標にしない。出席日数や留年の仕組みは別の記事に書いているので、ここでは「次の学年の準備」に絞ります。
結論:3学期の過ごし方の早見
- 学年の区切り:学年は4月1日に始まり3月31日に終わります(学校教育法施行規則第59条)。3学期は、その締めの時期です。
- 引き継ぎ:自治体の資料に、年度末に支援会議で確認したことを記録して、次の年度に引き継ぐ取組が示されています(岩手県)。
- 登校の練習:始業式の前日に別室へ登校して、当日の流れや新学期の予定を聞いておく事例があります(東京都)。
- 居場所:校内教育支援センター、教育支援センター、民間施設、学びの多様化学校の4つが、国の資料で整理されています。
- 目標:国は、登校するという結果だけを目標にせず、社会的に自立することを目指すとしています(令和元年の通知)。
3学期は「年度の終わり」、でも新年度の準備は始まっている
学年は4月1日から翌年3月31日までです(学校教育法施行規則第59条。中学校には第79条で準用)。3学期は、この1年の最後の学期です。
学校側も、年度末には新年度の体制づくりに入ります。鳥取県の資料には、新年度に向けて、欠席・遅刻の日数や、保健室の利用状況、不登校傾向の子への支援状況を全教職員で共有する取組が例として挙げられています。
また、入学や進級に伴う不安から、新しい生活になじめず、学校に行きづらくなることは少なくない、と自治体の広報(亀山市)でも書かれています。「4月が怖い」と感じるのは、特別なことではありません。
数字で見る現状:令和6年度、小・中学校の不登校の児童生徒は353,970人で、過去最多でした。中学校は216,266人で、1,000人あたり67.9人です(文部科学省)。ただ、増加率は前年度から下がっています。
3学期〜春休みの動き方
時期ごとに、やることを並べるとこうなります。

| 時期 | やること | 根拠 |
|---|---|---|
| 1月 | 本人に、新学年で不安に思うことを聞く(人、教室、勉強、朝の起きづらさなど) | 編集部の提案 |
| 2月 | 学校に、新年度への引き継ぎを相談する | 岩手県の資料 |
| 3月 | 春休みの前に、居場所の選択肢を確認する | 文部科学省の資料 |
| 春休み〜始業式前日 | 登校の練習をする。当日の流れを聞いておく | 東京都の事例 |
学校に聞くこと5つ
2月ごろ、担任や学年主任、養護教諭、スクールカウンセラーに聞いてみてください。

| 聞くこと | なぜ聞くか |
|---|---|
| 新年度の担任や支援体制に、今の様子を引き継いでもらえるか | 年度が変わると、一から説明する負担が減るため |
| 校内教育支援センターや別室を使えるか | 教室に入れない日の居場所になるため |
| 始業式の前に、下見や登校の練習ができるか | 当日の見通しがつくため |
| クラス編成に、希望を伝えられるか | 国のプランに、いじめなどが原因の場合の柔軟な学級替えや転校等の対応が示されているため |
| 民間施設や自宅学習が出席扱いになる条件 | 令和元年の通知に、指導要録上の出席扱いの要件があるため |
居場所の選択肢は4つ
国の資料では、次のように整理されています。

- 校内教育支援センター:学校には行けるけれど、自分のクラスには入れないときに使える、学校内の空き教室などです。
- 教育支援センター:各地域の教育委員会が開き、個別学習や相談を行います。
- 民間団体等:在籍校や教育委員会と連携しながら、学習や体験活動に取り組みます。
- 学びの多様化学校(旧・不登校特例校):特別の教育課程を編成できる学校です。令和5年8月31日に名称が変わりました。
どれが合うかは、お子さんの状態と、住んでいる地域で変わります。教育委員会や学校に「この地域で使えるものは何か」を聞くのが近道です。
「登校できたか」だけを目標にしない
令和元年の文部科学省の通知は、不登校の児童生徒への支援を「学校に登校する」という結果のみを目標にせず、自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す、としています。
3学期に学校に行けなくても、それだけで「もう手遅れ」にはなりません。休むことが必要な時期もあります。大切なのは、4月にまた一から傷つかないよう、準備を整えておくことです。
高校生の場合
高校では、3学期は単位の認定や進級の最終判断が出る時期です。何日休むと影響が出るのか、留年のしくみについては、こちらの記事にまとめています。
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よくある質問
A. 小・中学校では、進級や卒業は、児童生徒の平素の成績を評価して認める決まりです(施行規則第57条)。出席日数だけで決まると書かれているわけではありませんが、運用は学校ごとに違うので、早めに学校に確認してください。
A. 国のプランには、いじめや不適切な指導が原因の場合に、柔軟な学級替えや転校等の対応を行うことが示されています。個別の事情は、学校や教育委員会に相談してください。
A. 始業式の前日に、別室へ登校して、当日の流れを聞いておく事例があります(東京都)。まず学校に「前日に下見できますか」と聞いてみてください。
A. 国の考え方は、登校という結果だけを目標にしない、というものです。居場所や学びの手段を、一緒に探していきます。
A. 担任、学年主任、養護教諭、スクールカウンセラー、市区町村の教育委員会、教育支援センターです。
まとめ:3学期は、新学年の準備期間として使える
3学期は、新学年の準備期間として使えます。学校に引き継ぎを相談し、居場所の選択肢を確認して、始業式の前に登校の練習をする。そのうえで、登校できたかだけを目標にしない。一人で抱えず、早めに動いてみてください。
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参考文献
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」
https://www.mext.go.jp/content/20251106-mxt_jidou01-000045738_3.pdf - 文部科学省「不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方」
https://www.mext.go.jp/content/20231120-mxt_jidou02-000032767_01.pdf - 文部科学省「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」
https://www.mext.go.jp/content/000320701.pdf - 学校教育法施行規則(日本法令外国語訳データベースシステム)
https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/4744/tb - 岩手県「不登校 新年度・新学期の対応」
https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/030/173/r2.3.pdf - 鳥取県「すべての子供が安心できる新年度にするために」
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1276149/3gatu2069(1).pdf - 東京都教育委員会「不登校児童・生徒支援事例報告書」
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/28_-1 - 亀山市「広報(令和6年5月号)」
https://www.city.kameyama.mie.jp/docs/2024042400299/file_contents/kouhou240501-12.pdf - 沖縄県「不登校児童生徒の多様な学びの場」
https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/008/479/r080121setsumei1.pdf
執筆者:ニジ高編集部 2026年10月30日
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