卒業式が近づくと、「式には出られそうにない」「出なくて、あとで後悔しないか」と悩む中学3年生と保護者は、少なくないと思います。
先に結論を書きます。卒業は「式に出たか」ではなく、校長が課程の修了を認めて、卒業証書を授与する仕組みです。卒業と卒業式は、別のものです。式に出られなくても、それだけで卒業が取り消されるわけではありません。ただし、卒業の認定は学校が行うので、心配なときは早めに確認してください。
この記事では、法令で確認できること、自治体の事例で分かること、学校ごとに違って確認が必要なことを分けて書きます。
結論:中学の卒業式の早見
- 卒業の仕組み:校長が、全課程を修了したと認めた人に、卒業証書を授与します(学校教育法施行規則第58条。中学校は第79条で準用)。
- 認定の基準:課程の修了や卒業は、生徒の平素の成績を評価して認める決まりです(第57条)。出席日数の基準は、条文には書かれていません。
- 式に出られないとき:感染症で出席できない生徒に、別の日時を設定して卒業証書を確実に授与するとした横浜市の例があります(令和2年)。
- 別の形:NIJINアカデミーは、卒業式を対面とオンラインの同時開催にした例があります。
- 相談先:担任、学年主任、養護教諭、スクールカウンセラー、教育委員会。式の1〜2か月前までに相談しましょう。
「卒業」と「卒業式」は別のもの
法令では、卒業の流れはこう書かれています。
- 校長が、生徒の平素の成績を評価して、課程の修了や卒業を認める(第57条)
- 校長が、全課程を修了したと認めた人に、卒業証書を授与する(第58条)
- 校長が、進学する生徒の調査書などを、進学先に送る(第78条)
校長が、生徒の平素の成績を評価して認める
校長が、全課程を修了したと認めた人に授与する
進学する生徒の調査書などを、進学先の校長に送る
卒業式は、この流れのうちの、卒業証書を授与する場を、行事として開くものです。式に出るかどうかと、卒業できるかどうかは、別の話です。
数字で見る現状:令和6年度、中学校の不登校の生徒は216,266人で、1,000人あたり67.9人でした(文部科学省)。「式に出られない」という悩みは、決して一部の人だけのものではありません。
出席日数が少なくても、卒業できる?
法令を読むと、卒業の認定は「平素の成績を評価して」行うと書かれていて(第57条)、出席日数の基準は書かれていません。ただ、実際の運用は学校ごとに違い、全国共通の細かいルールは確認できませんでした。

そのため、次のように聞くのが確実です。
- 卒業の認定は、どのように行われるか
- 現在の様子で、卒業に問題はないか
- 進学先に送る調査書に、何が載るか
出席日数と高校入試の関係は、こちらの記事にまとめています。
出る・出ない・別の形を、気持ちで選ぶ
卒業式への向き合い方は、ひとつではありません。

| 選び方 | こんなとき | 学校に聞くこと |
|---|---|---|
| 出る | 友達に会いたい、区切りをつけたい | 座る場所、入退場、別室での待機ができるか |
| 出ない | 人が多い場所がつらい、体調が不安 | 卒業証書は、いつ、どこで受け取れるか |
| 別の形 | 出たい気持ちはあるが、全部は難しい | 途中参加、別室で見る、別の日に受け取る、オンライン参加 |
別の形の例として、感染症の理由で式に出られない生徒に、登校する日時を適切に設定して、卒業証書を確実に授与する、とした横浜市の対応があります(令和2年)。状況は違いますが、「別の日に確実に受け取る」という考え方は参考になります。
また、NIJINアカデミーでは、2025年3月23日に、対面とオンラインの同時開催で卒業式(門出を祝う会)を行いました。小学6年生35名と中学3年生5名の計40名が卒業し、総勢150名が参加しました。出る・出ないの2択だけではない形が、選べる場面もあります。
学校に相談するときの進め方
- いつ:式の1〜2か月前までに、担任に連絡します。
- 誰に:担任、学年主任、養護教諭、スクールカウンセラーです。話しにくいときは、教育委員会も相談先になります。
- 何を伝える:「出たくない」ではなく、「こういうことが不安で、こうなら参加できそう」を伝えます。
文例:「卒業式について相談です。本人は、大勢の中で長時間座ることを不安に感じています。別室で参加する、または別の日に卒業証書をいただくことは可能でしょうか。」

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ニジ高は、希望者が週1回、企業インターンとして出社できるオンライン中心のサポート校です。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。
心の準備と、保護者の関わり方
卒業式は、お子さんにとって、ひとつの区切りです。出るにしても、出ないにしても、「どう決めてもいい」と先に伝えておくと、お子さんが決めやすくなります。

NIJINアカデミーの卒業生は、「不登校は悪いことではないと思える」と話していました(小学6年生)。式に出られなかったとしても、お子さんがこれまでに積み重ねてきたことが、なくなるわけではありません。
卒業のあとの進路
中学卒業後の進路は、全日制の高校だけではありません。通信制高校、定時制高校、サポート校などもあります。高校入試で出席日数がどう扱われるかは、都道府県によって違います。
選択肢の1つとしてのニジ高
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よくある質問
A. 卒業は、校長が全課程の修了を認めて、卒業証書を授与する仕組みです(第57・58条)。式への出席が条件とは、条文に書かれていません。ただし、運用は学校ごとに違うので、先に確認してください。
A. 卒業の認定は、平素の成績を評価して行われます。出席日数の基準は条文にありませんが、学校の判断が関わるので、早めに学校に聞いてください。
A. 事前に、学校へ連絡方法と、別の日に卒業証書を受け取れるかを確認しておくと安心です。
A. 式の前後の時間帯に、別室で会えるかを、担任に相談してみてください。学校ごとに対応は違います。
A. 後悔するかどうかは、人によって違います。「出る・出ない・別の形」を、気持ちを聞きながら選んでください。
まとめ:卒業と卒業式は、別のもの
卒業と卒業式は、別のものです。出る、出ない、別の形。どれを選んでも、お子さんの卒業が否定されるわけではありません。式の1〜2か月前に、学校へ相談してみてください。
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参考文献
- 学校教育法施行規則(日本法令外国語訳データベースシステム)
https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/4744/tb - 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」
https://www.mext.go.jp/content/20251106-mxt_jidou01-000045738_3.pdf - 横浜市立上白根中学校「「卒業証書授与式」について」(令和2年3月2日)
https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/sch2/jhs/kamishirane/resources/content/2501/20200302-093754.pdf - NIJINアカデミー「二度目の卒業式を対面とオンライン同時開催」(PR TIMES、2025年4月)
https://resemom.jp/release/prtimes/20250421/142598.html
執筆者:ニジ高編集部 2026年10月30日
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