高校の転校は難しい?理由は5つの壁|公立・私立・通信制の条件【2026】

「高校の転校は難しいって聞いたけど、本当?」「公立はほぼ無理なの?」「どんな条件なら受け入れてもらえるの?」。今の学校がつらくなって転校を調べ始めると、「難しい」という言葉ばかりが目に入り、何から確かめればいいのか分からなくなりますよね。

先に結論を書きます。高校の転校が難しいと言われるのは、「受け入れる空きがあるか」「転校先の校長が許可するか」「単位を引き継げるか」「住所の条件を満たすか」「募集の時期に間に合うか」という5つの壁が重なるからです。とくに公立の全日制は、転居を伴う「一家転住」なら受け入れが基本ですが、転居のない希望だけの転校は、空きの枠と試験しだいになります。ただし条件は都道府県や学校で大きく違い、東京都のように転居しなくても応募できる区分を設けているところもあります。全日制から通信制への転校は、年度の途中でも受け付ける学校があり、比較的通りやすい道です。

この記事では、学校教育法施行規則の条文、東京都教育委員会と大阪府の転学・編入学の募集資料、大阪私立中学校高等学校連合会の受け入れ校一覧、文部科学省の資料を実際に開いて、「なぜ難しいのか」と「どうすれば通るのか」を整理しました。公式の資料で確かめられなかったことは、確かめられなかったと書いています。

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目次

結論:高校の転校が難しい理由と条件の早見

  • 転校を許可するのは転校先の校長です。学校教育法施行規則92条で「教育上支障がない場合」に許可できると決められていて、希望すれば誰でも移れる仕組みではありません。
  • 難しさの正体は「空きの枠」「校長の許可(試験・面接)」「単位の照合」「住所の条件」「募集の時期」の5つの壁です。
  • 公立の全日制は、保護者の転勤などで一家で引っ越す場合(一家転住)は受け入れが基本です。転居のない希望だけの転校は、枠が限られていて(大阪府は各学科とも「若干名」)、試験があるのが一般的です。
  • 条件は都道府県で違います。東京都は2026年度第二学期に全日制167校が転学・編入学を募集し、転居を伴わない一般の区分もありました。
  • 私立の全日制は学校ごとです。受け入れる生徒の種類、学期途中の受け入れの有無、試験科目がそれぞれ違います。
  • 全日制から通信制への転校は比較的通りやすい道です。単位制で、年度の途中でも受け付ける学校があります。
  • いちばん大事なのは単位の照合を出願より先にすることと、転校先が決まるまで今の学校をやめないことです。
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難しい理由は「空き」「許可」「単位」「住所」「時期」の5つの壁が重なるからです

高校の転校は、中学までの転校とは仕組みが違います。義務教育の小中学校は、住所が変われば住所地の学校に移れるのが基本です。一方で高校は、入学のときに選抜を受けて入る学校で、定員があり、学校ごとに教育課程(どの学年で何の科目を何単位学ぶか)が違います。そのため、途中から入るには、次の5つの壁を順に越える必要があります。

壁何が起きるか越えるための準備
1.空きの枠学年の途中から受け入れる人数は、欠員などに合わせて「若干名」のことが多い教育委員会や私学団体の募集一覧で、実施校と学年を確かめる
2.校長の許可転校先の校長が、試験・面接・書類で受け入れを判断する国語・数学・英語と面接の準備。作文や実技がある学校も
3.単位の照合今の学校で修得した単位が、転校先の教育課程で卒業につながるかを確かめる単位修得証明書を用意し、出願前に照合してもらう
4.住所の条件公立は、その都道府県に住んでいること(一家転住)を条件にすることがある住民票・転勤証明書など、求められる書類を確かめる
5.募集の時期受け付けは学期の区切りに合わせて年に数回だけ、という自治体が多い募集の発表時期から逆算して、在籍校に早めに相談する

このうち1つでも越えられないと、その学校への転校は成立しません。「難しい」と言われるのは、1つひとつは手続きでも、全部が同時にそろう必要があるからです。逆に言えば、どの壁で止まっているかが分かれば、別の学校や別の時期、別の課程(通信制や定時制)を探すことで、道が見つかることが多いということでもあります。

転校そのものができるのか、転入学と編入学の違いなど基本から整理したい場合は、高校 転校の記事で、手続きの全体を先に確かめておくと、この先が読みやすくなります。

転校を許可するのは転校先の校長。法令上は「教育上支障がない場合」です

高校の転校(転学)のルールは、文部科学省の省令である学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)に書かれています。この記事に関係する条文は次の4つです。

条文決めていること転校への意味
92条1項転学を志望する生徒がいるとき、今の学校の校長は事由を添えて在学証明書などを転学先の校長に送る。転学先の校長は、教育上支障がない場合に転学を許可できる決めるのは転校先。今の学校を通して書類を送る
92条2項全日制・定時制・通信制の間の転学は、修得した単位に応じて相当学年に転入できる課程をまたいでも単位は生かせる。ただし学年は単位しだい
91条1年の途中や2年以上に入学できるのは、相当年齢で、その学年の生徒と同等以上の学力があると認められた者転入試験(学力検査)が行われる根拠になる
104条3項特別の必要があり教育上支障がないときは、学年の途中でも学期の区分に従い、入学(91条の入学を除く)を許可し、卒業などを認めることができる学期の区切りで入学や卒業を扱う決まり。途中からの転入学・編入学そのものは91条・92条による

ポイントは、転校は「本人の権利」として決まっているのではなく、転校先の校長が「支障がない」と判断したときに許可できる、という書き方になっていることです。旧版のこの記事では「転校できるかは都道府県の教育委員会が判断する」と書いていましたが、条文上、許可するのは転校先の校長です。公立の場合は、教育委員会が募集の時期や出願資格を決めて、その枠組みの中で各校が選抜します。

国も、転校を受け入れやすくする方向の考え方を示してきました。文部省(当時)は1997年の通知「高等学校における転入学者等の受入れの一層の改善について」で、転入学・編入学のための特別定員枠をあらかじめ設けること、試験の回数を増やし手続きを簡素にすること、枠の情報を希望者に積極的に知らせることを求めています。ただし、実際にどこまで枠を設けているかは、都道府県と学校ごとに違います。

※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

リビングのソファで、母親と息子がタブレットを一緒に見ている
転校の難しさは、枠・許可・単位・住所・時期の重なりで決まります。

公立の全日制は「一家転住」なら受け入れが基本。希望だけの転校は枠と試験しだいです

公立高校の転校で最初に分かれるのは、家族ごと引っ越すのか(一家転住)、住所は変わらず学校を変えたいのかです。

保護者の転勤などで県外から一家で引っ越す場合は、多くの都道府県で受け入れの仕組みが用意されています。たとえば大阪府の「大阪府内の高校への転学について」では、保護者の転勤などで府外から府内に一家転住する場合、今在籍している高校と同じ課程・同じ学科の公立高校で受け入れを行う、と案内しています。他府県からのやむを得ない事情による転学は、原則として全校で別に受け付けるとしています。

一方、住所は変わらず「今の学校が合わないから別の公立に移りたい」という転校は、自治体によって扱いが分かれます。大阪府では、府内の高校に在籍している生徒の「希望転学」の募集があり、2026年度2学期(9月)初めの転学では、在籍校との相談期間が7月9日〜16日、希望の受付が7月22日または23日、転入学考査が7月28日または29日という日程でした。募集人員は各学科とも若干名で、学校や学年によっては「今回の募集はありません」とされています。

旧版のこの記事にあった「公立は、やむを得ない事情がないと受け入れが認められない場合がほとんど」という書き方は、一家転住以外の転校を受け付けない地域では当てはまりますが、東京都や大阪府のように、希望による転学の募集を行っている地域もあります。「公立は無理」と決めつける前に、住んでいる都道府県の教育委員会の募集資料を1度開いてみることをおすすめします。

東京と大阪で比べると、公立の転校の条件はここまで違います

同じ「公立の全日制への転校」でも、募集のしかたは自治体ごとにかなり違います。公式資料で確かめられた2つの例を並べます。

項目東京都(都立)大阪府(府立)
募集の回数年3回(第一学期・第二学期・第三学期)。第二・第三学期は原則として転学のみ学期の初めごと(9月・1月・4月の転入学など)に希望転学を実施
転居のない転校応募できる(募集区分2・一般)。転勤者生徒特別枠(区分1)も別にある府内の全日制の高校に在籍していれば(府内在住で他府県の高校に在籍する人を含む)、希望転学に応募できる
募集の規模2026年度第二学期は全日制167校・10,502人各学科とも若干名。募集のない学校・学年もある
選抜の方法各校が作る国語・数学・英語の学力検査と面接が原則学力検査(国語・数学・英語)と面接が中心。作文・実技を加える学校も

東京都は、東京都教育委員会「都立高等学校の転学・編入学について」で、募集を学期ごとの年3回とし、第一学期(2月中旬発表・3月中旬検査)、第二学期(6月下旬発表・8月上旬検査)、第三学期(11月上旬発表・12月上旬検査)と案内しています。2026年度第二学期の募集では、全日制167校が10,502人、定時制54校が6,466人、通信制3校が206人を募集しました。全日制の出願資格には、保護者の転勤などで都外から一家で転入する人の「区分1(転勤者生徒特別枠)」と、都内に住所があれば応募できる「区分2(一般)」があります。

ただし東京都も、どの学校にでも出願できるわけではないと明記しています。出願前に志願先の都立高校が、今の学校で修得した単位と自校の教育課程を照合し、転学後に卒業に必要な単位が修得できるかを確かめます。都立の全日制に在学している人が別の都立の全日制に出願する場合は、在学している都立高校の校長と志願先の校長の承認が必要です。入学考査料は全日制2,200円、定時制・通信制950円です。

大阪府の資料は「令和8年度2学期初めにおける府立高校への転学について」(PDF)で、学校ごとに実施する学年と考査の内容が一覧になっています。1月初めの転学は2026年12月24日または25日、4月初めの転学は2027年3月23日または24日に考査が行われる予定です。

2026年度第二学期の都立高校の転学・編入学募集で、全日制167校が合計10,502人を募集し、うち転勤者生徒特別枠が586人、転居を伴わない一般の区分が9,916人だったことを示す図
出典:東京都教育委員会「令和8年度第二学期都立高等学校転学・編入学募集」

転入試験は国語・数学・英語と面接が中心。受け入れていない学校・学年もあります

全日制への転校では、多くの場合、転入試験(転入学考査)があります。これは施行規則91条の「その学年の生徒と同等以上の学力があると認められた者」を確かめるためのものです。東京都は「原則として国語、数学、英語及び面接」、大阪府の一覧でも「学力検査(国語、数学、英語)、面接」が中心で、学校によって作文や実技検査が加わります。

試験の内容は、転校先の学校がその学年までに学ぶ範囲から出されるのが一般的です。高1の2学期に移るなら1学期までの内容、高2の4月に移るなら高1の内容、というように、転校先の学年の手前までの学習が身についているかを見られると考えておくと準備しやすくなります。旧版のこの記事では「通常の入学試験よりも難易度が高いとされる」と書いていましたが、難易度を比べた公式の資料は確認できなかったため、この記述は削除しました。

もう1つ知っておきたいのは、そもそもその時期に募集していない学校・学年があることです。大阪府の一覧では「今回の募集はありません」とされた学校があり、学年の欄が「―」になっている学校も多くあります。東京都も学期ごとに実施校が変わります。「行きたい学校」から探すと行き詰まりやすいので、「今回募集している学校」の一覧から候補を探すのが現実的です。

また、東京都では、最初に合格した都立高校に入学することを条件に、同じ募集時期の複数の都立高校に出願できます(合格した日以降は、ほかの学校は受けられません)。1校に絞って落ちると次の学期まで待つことになるので、複数の候補を持っておくことが、転校を通すうえで大きな差になります。

私立の全日制は学校ごとに方針が違うので、一覧と個別の問い合わせで確かめます

私立高校は、学校ごとの方針で転入生を受け入れるかどうかを決めます。公立より柔軟なこともありますが、「年度途中は受け入れない」「帰国生と一家転住だけ」という学校もあり、一律には言えません。

探し方の手がかりになるのが、都道府県の私学団体がまとめている受け入れ校の一覧です。たとえば大阪私立中学校高等学校連合会の「令和8年度2学期 編入・転入受け入れ校一覧」(PDF)では、学校ごとに受け入れる学年・学科・コース、人員、受付期間、試験日、試験科目に加えて、受け入れる生徒の種類(帰国生徒・一家転住・転勤・一般生徒など)と、学期途中の受け入れの有無が分けて載っています。人員は「若干名」、試験は国語・数学・英語と面接や作文、という学校が多く並んでいます。

私立で気をつけたいのは、独自のカリキュラムを持つ学校が多く、同じ科目名でも単位の扱いが合わないことがある点です。今の学校で取った単位が転校先の教育課程に合わないと、転校後に取り直す科目が増え、予定どおりの時期に卒業できないおそれがあります。受け入れの有無だけでなく、「今の単位で、何年生のいつ卒業できるか」まで聞いておくと安心です。

私立の転校では、入学金や施設費など、新しい学校の費用がかかることも見込んでおきましょう。費用の見通しは学校ごとに違うので、問い合わせの段階で確認しておくと、あとで慌てずに済みます。

放課後の相談室で、女子生徒が先生の説明を聞いている
まずは今の学校の先生に、転校したいと相談するところから始まります。

全日制から通信制への転校は比較的通りやすい。ただし「いつでも・どこでも」ではありません

全日制の転校先が見つからないとき、多くの人が次に考えるのが通信制高校です。通信制高校は単位制で、生徒ごとの修得単位に合わせて学習計画を組めるため、年度の途中でも転入を受け付ける学校があります。施行規則92条2項のとおり、全日制で修得した単位を生かして相当学年に転入できます。

選抜の方法も、全日制の転入試験とは傾向が違います。文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(PDF)によると、通信制課程を置く323校の入学者選抜の方法(複数回答)は、面接が296校、調査書などの書類が230校、作文・小論文が154校、学力検査が91校でした。学力検査を行う学校は3割に届かず、面接と書類が中心です。

ただし、通信制なら「いつでも・どこでも」入れるわけではありません。

  • 公立の通信制は募集の時期が決まっていることが多い(東京都の都立通信制も、第二学期の募集は3校・206人でした)。
  • 私立の通信制も、学期や月の区切りで受付を締めることがあるため、転入の時期によっては次の受付まで待つことがあります。
  • スクーリング(面接指導)への参加が必要で、会場や日数は学校ごとに違います。通える場所かどうかを確かめる必要があります。

通信制への転入の条件や書類、学年ごとの注意点は通信制高校 転入 条件の記事で、転入と編入の違いは通信制高校 転入 編入 違いの記事で詳しくまとめています。

全日制から転校する場合に、公立の全日制は若干名の枠・学力検査・住所の条件、私立の全日制は受け入れ対象と単位の扱い、通信制は受付の時期とスクーリングが主な壁になり、それぞれ先に確かめることを並べた比較表
出典:東京都・大阪府の転学募集資料、文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」ほか

転校先の種類ごとに、難しさと確かめることはこう違います

ここまでの内容を、全日制に在籍している人が移る場合で、転校先の種類ごとに整理します。難しさは一般的な傾向で、実際は都道府県と学校で変わります。

転校先難しさの目安主な壁先に確かめること
公立の全日制(一家転住あり)受け入れの仕組みがある同じ課程・学科か、試験転居先の教育委員会の窓口と必要書類
公立の全日制(転居なし)自治体しだいで差が大きい募集の有無、若干名の枠、学力検査その都道府県が希望転学を募集しているか
私立の全日制学校しだい受け入れ対象、単位の扱い、費用私学団体の受け入れ一覧と個別の問い合わせ
定時制全日制より受け入れやすい傾向募集時期、通学の時間帯教育委員会の定時制の募集資料
通信制比較的通りやすい受付の時期、スクーリングの場所転入できる月と、スクーリングの会場・日数

定時制の「受け入れやすい傾向」は、東京都の2026年度第二学期の募集で定時制54校が6,466人を募集していたこと(全日制は167校・10,502人)などからの目安で、すべての地域で同じとは限りません。

いちばん大事なのは単位の引き継ぎ。卒業の条件は74単位以上と3年以上の在籍です

転校が「通るかどうか」と同じくらい大切なのが、転校したあと、いつ卒業できるかです。高校の卒業には、施行規則96条により、学習指導要領の定めるところで74単位以上を修得することが必要です。在籍期間は全日制・通信制とも3年以上が必要で、転校(転入学)なら前の学校の在籍期間を通算できます。

旧版のこの記事では「30時間以上の特別活動への参加は全日制でも通信制でも同じ」と書いていましたが、これは正確ではありませんでした。「特別活動を卒業までに30単位時間以上」は、学習指導要領の通信制の課程についての定めです。全日制・定時制では、ホームルーム活動などの特別活動を各学校の教育課程に沿って行います。

単位の引き継ぎで起きやすいのは、次のようなずれです。

起きやすいずれ何が困るか確かめ方
学年の途中で移る今の学年の科目は、学年末まで履修しないと単位にならないことがある今の学校で「いつ時点で何単位が確定するか」を聞く
学年制から単位制へ移る同じ科目名でも、転校先の単位として認められる数が変わることがある単位修得証明書を持って、転校先に照合してもらう
必修科目の学年がずれる転校先では前の学年で学ぶ必修科目を、まだ履修していないことがある転校後に取り直す科目と、その時間数を確かめる
欠席が多い学年があるその学年の単位が修得できていないと、引き継げる単位が減る成績証明書・単位修得証明書で、修得済みの単位を正確に数える

東京都の案内にあるように、公立の転学ではこの照合を出願前に行い、卒業に必要な単位を修得できる見込みがあるかを確かめます。単位の照合は「転校できるか」と「いつ卒業できるか」を同時に決める手続きだと考えてください。

通るための手順は5段階。単位の照合を出願より先にやります

転校を通すための流れを、つまずきやすい点と一緒にまとめます。公立・私立・通信制で細部は違いますが、順番はほぼ同じです。

  1. 今の学校に相談する。担任や進路指導の先生に、転校を考えていることを伝えます。転学の書類(在学証明書・単位修得証明書・成績証明書、公立では転学照会の書類など)は今の学校が出すので、在籍校との連携は欠かせません。大阪府の希望転学のように、在籍校との相談期間が決まっている自治体もあります。
  2. 募集している学校を探す。公立は都道府県教育委員会の募集資料、私立は私学団体の受け入れ一覧、通信制は各校の募集要項で、実施校・学年・時期・出願資格を確かめます。
  3. 単位の照合を受ける。候補の学校に、今の単位で何年生に入れるか、いつ卒業できるかを確かめてもらいます。出願の前にやるのが基本です。
  4. 出願と試験。願書・証明書類・考査料を用意し、学力検査や面接を受けます。複数出願ができるかも確かめておきます。
  5. 合格してから、今の学校の手続きを進める。転校先が決まってから、今の学校の転学の手続きをします。先にやめてしまうと「転入学」ではなく「編入学」の扱いになり、在籍期間の数え方や募集の時期が変わることがあります。

通信制に移るときは、就学支援金を転校先で申請し直す必要があり、支給期間は在学月数で数えます。お金の流れは通信制高校 転校 費用の記事で整理しています。

よくある落とし穴は「先にやめる」「1校に絞る」「時期を逃す」の3つです

転校がうまくいかなかったケースには、共通する落とし穴があります。

  • 転校先が決まる前に退学してしまう。つらさから先に退学届を出すと、転学ではなく編入学になり、公立では募集の時期や資格が変わることがあります。東京都では、第二学期・第三学期の募集は原則として転学のみです(海外からの帰国生徒などは別の扱いがあります)。体調が理由で通えない場合は、休学や欠席の扱いを今の学校に相談しながら、籍を残して転校先を探す方法があります。
  • 行きたい1校に絞ってしまう。若干名の枠に届かなかったときに、次の学期まで待つことになります。公立・私立・通信制を含めて、2〜3の候補を並べておくと安心です。
  • 募集の時期を逃す。東京都の第二学期は6月下旬に募集が発表され、8月上旬に検査があります。大阪府の9月転学は、7月の在籍校との相談から始まります。夏休みや冬休みの直前に動き出すと間に合わないことがあるので、発表の時期から逆算します。
  • 「通れば終わり」と考えてしまう。転校先の通学時間・授業の進め方・スクーリングの場所が合わないと、また同じ悩みが起きることがあります。転校後の生活まで想像して選びましょう。通信制への転入で後から気づきやすい点は通信制高校 転入 後悔の記事にまとめています。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

「全日制の転校先がなかなか見つからない」「次の学期まで待つのはつらい」。そう感じている方の選択肢の1つとして、NIJIN高等学院(ニジ高)を紹介します。

ニジ高は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも参加でき、担任がつきます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。中学の内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応していて、生活リズムに波があっても学べるように設計しています。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。相談のうえで、NIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)の全国の教室に通うこともできます。

そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。

  • ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。転校の手続きも、その通信制高校への転入学になります。
  • 学院の中でのスクーリングはありませんが、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。ニジ高は日程の調整や準備を支えます。
  • 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。就学支援金が当たるのは通信制高校の授業料で、ニジ高の分には使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
  • 単位の引き継ぎや卒業の時期は、転入する通信制高校が照合して決めます。今の学校の単位修得証明書をもとに、個別に確かめる必要があります。

全日制への転校を目指し続けるか、通信制に切り替えるかは、どちらが正しいというものではありません。転校先の候補を並べて、同じ条件で比べる1校にしていただければ十分です。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. どの壁で止まっているかを書き出す。「空きの枠」「試験」「単位」「住所」「時期」のどれが問題なのかが分かると、探す方向(別の学校・別の時期・別の課程)が決まります。
  2. 募集資料を1つ開く。住んでいる都道府県の教育委員会の転学・編入学のページ、私学団体の受け入れ一覧、候補の通信制の募集要項。公式の資料で、次の募集がいつかを確かめます。
  3. 単位修得証明書を手元に用意して相談する。今の学校の先生と、候補の学校の両方に「今の単位で、いつ卒業できるか」を聞きます。同じ質問を複数の学校にすると、違いがはっきり見えてきます。

3つとも、転校先を決めていなくても進められます。通信制という選択肢も含めて話を聞いてみたい場合は、体験説明会・個別相談で状況を聞かせてください。

秋の並木道を、父親と娘が並んで歩いている
募集の時期に合わせて、早めに動き出すと選べる学校が増えます。
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よくある質問

Q. 高校の転校は、どんな条件なら認められますか?

A. 基本の条件は、転校先の校長が「教育上支障がない」と認めることです(学校教育法施行規則92条)。実際には、転校先に空きの枠があること、転入試験や面接に合格すること、今の単位で卒業の見込みが立つこと、公立では住所などの出願資格を満たすことが必要になります。一家転住の場合は、多くの自治体で受け入れの仕組みがあります。

Q. 引っ越さずに、別の公立高校へ転校できますか?

A. 都道府県によります。東京都は住所が都内にあれば応募できる一般の区分があり、大阪府も府内の在籍者向けに希望転学を募集しています。一方で、一家転住などのやむを得ない事情を基本にしている地域もあります。住んでいる都道府県の教育委員会の資料で確かめてください。

Q. 転入試験ではどんな科目が出ますか?

A. 東京都の都立高校は、各校が作る国語・数学・英語の学力検査と面接が原則です。大阪府の府立高校も、国語・数学・英語と面接が中心で、学校によって作文や実技が加わります。私立は学校ごとに違います。通信制は面接と書類を中心にする学校が多く、学力検査を行うのは323校中91校でした(文部科学省 令和7年度実態調査)。

Q. 転校すると、卒業が遅れますか?

A. 遅れない場合も、遅れる場合もあります。在籍期間は通算でき、単位も引き継げますが、転校先の教育課程と合わない単位や、学年の途中で確定していない単位があると、取り直しが必要になることがあります。出願前の単位の照合で、卒業の時期まで確かめておくのが安心です。

Q. 公立の転校先が見つからないときは、どうすればいいですか?

A. 次の学期の募集を待つ、私立の受け入れ校を探す、定時制や通信制に切り替える、という方法があります。どれを選ぶかは、卒業の時期と通学のしかたの希望で決まります。今の学校を先にやめず、籍を残したまま探すことをおすすめします。

転校が難しいのは「道がない」からではなく、確かめる順番があるからです

高校の転校は、空きの枠・校長の許可・単位・住所・時期という5つの条件がそろって初めて通る手続きです。だから「難しい」と言われます。でも、それは「転校できない」という意味ではありません。どこで止まっているかが分かれば、別の学校、別の時期、別の課程という次の手が見えてきます。

今の学校で毎日を過ごすのがつらい中で、情報を集めているだけでも十分に大きな一歩です。今日すべてを決める必要はありません。まずは住んでいる都道府県の転学の募集ページを1つ開いて、次の募集がいつかを確かめるところから始めてみてください。

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