ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんが、教室のざわざわした音や大人数の集団、急な予定の変更に疲れ切って、全日制の高校に通い続けるのが難しくなっている。通信制高校なら楽になるかもしれない。でも、人と関わる機会が減って、社会に出る力が育たないのではないか。スクーリングに泊まりがあると聞いたけれど、うちの子に耐えられるだろうか。そんなふうに迷っている保護者の方に向けた記事です。
先に結論を書くと、通信制高校はASDのお子さんにとって「毎日の集団と音」から離れられる点で合いやすい一方、「スクーリングの集団・宿泊」と「自分で予定を組むこと」は、かえって難しくなることがあります。合うかどうかは、特性のどこがつらいのかと、学校のスクーリングの形で決まります。この記事では、発達障害ナビポータル(国が運営する発達障害の情報サイト)、国立障害者リハビリテーションセンター研究所、障害者差別解消法の条文(e-Gov)、内閣府・文部科学省の資料、文部科学省の通信制高校の実態調査を実際に開いて確かめた内容で、特性ごとに場合分けして整理します。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。診断や服薬など医療の判断は、この記事ではなく主治医や専門機関にご相談ください。
今の高校に毎日通うのが難しい場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:ASDのお子さんに通信制高校が合うかの早見
- ASDの特性は、社会的コミュニケーションの困難と、決まったやり方や特定の興味へのこだわりの2つの領域で説明されます。加えて、ASDのある人の60〜90%が音や光などの感覚の問題を持つことが知られています。
- 通信制高校で楽になりやすいのは、毎日の集団・教室の音・休み時間の人間関係です。自宅の、刺激を自分で調整できる場所で学べます。
- 逆に難しくなりやすいのは、スクーリング(面接指導)の集団と宿泊、そして自分で学習の予定を組むことです。見通しが立たないと動けないタイプのお子さんは、ここでつまずきやすくなります。
- コース別の生徒数の28.9%が「集中スクーリングを前提としたコース」の生徒でした(文部科学省の調査)。宿泊の有無は学校ごとに違うので、入学前に確かめます。
- 2024年4月から、私立の学校を含む事業者にも「合理的配慮」の提供が法律上の義務になりました。感覚面や予定の伝え方の配慮は、学校に相談できます。
- 「人と関わる力」は、安心できる少人数の場でチャット、声、対面と段階を踏んで育てていく考え方があります。通信制だから育たない、とは言い切れません。
- カメラ・マイクオフのチャット参加から始められ、1クラス8人のホームルームがあるオンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で、提携校の卒業をめざす方法もあります。
「全日制がつらい」の中身を特性ごとに分けると、通信制が合うかどうかが見えてきます
「全日制が合わない」と一言で言っても、何がつらいのかはお子さんによってまったく違います。教室の音がつらいのか、グループ活動の暗黙のルールがつらいのか、時間割の変更がつらいのか。その中身によって、通信制高校に移って楽になる部分と、移っても残る部分、移ってかえって難しくなる部分が分かれます。
たとえば、次のような様子が思い当たるかもしれません。
- 朝は登校できるのに、昼休みや体育祭の練習の日になると帰宅後に動けなくなる
- 先生の「適当にグループを作って」が、何をすればいいのか分からず固まってしまう
- 時間割の変更や自習への切り替えを当日に知らされると、その日一日が崩れる
- 好きな分野の話なら何時間でも続けられるのに、雑談の輪には入れない
こうした様子は、お子さんの努力不足ではなく、特性と環境の組み合わせで起きていることが少なくありません。だからこそ、学校を選び直すときは「通信制か全日制か」という大きな区分より先に、「どの場面がつらいのか」を書き出すことから始めるのが近道です。
ASDの高校生に見られやすい特徴や学習面の特徴を一通り知りたい場合は、ASD 高校選びの記事にまとめています。この記事は、その中でも「通信制高校という選択が合うか、どう選ぶか」に絞ってお伝えします。
ASDの特性は「社会的コミュニケーション」「こだわり」「感覚」の3つで考えると整理しやすくなります
まず、ASDとは何かを公的な情報で確かめておきます。
国が運営する発達障害ナビポータルでは、自閉スペクトラム症を、国際的な診断基準(DSM-5)に沿って次の2つの領域で説明しています。
- 社会的コミュニケーションと対人的なやりとりの、人生早期からの持続的な困難
- 行動・興味・活動が、決まった形でくり返される傾向(こだわり)
同じページには、初めてのことや予定を変更されることを好まず、環境に慣れるのに時間がかかることがあるとも書かれています。支援については、個別や小集団での療育を通して、生活のスキルやコミュニケーションのスキルの発達を促していくとされています。
出典:発達障害ナビポータル「自閉スペクトラム症」(2026年9月確認)
もう1つ、学校選びで見落とせないのが感覚の問題です。国立障害者リハビリテーションセンター研究所の解説によると、ASDのある人の60〜90%が、まぶしい光やうるさい音が苦手といった感覚の問題を持つことが知られています。多いのは聴覚の問題で、ほかにも視覚、におい、食べ物(味覚や触覚)、体の動きや姿勢の感覚、温度や痛みを感じにくいこと、体調の変化に気づきにくいことなど、さまざまな感覚の問題が挙げられています。対処として、イヤーマフや耳栓、ノイズキャンセル機能付きのヘッドホン、サングラスやカーテンで光を遮ることなどが紹介されています。
出典:国立障害者リハビリテーションセンター研究所「発達障害のある人のつらい感覚の問題とそのセルフケア」(2023年10月19日掲載、2026年9月確認)
なお、法律上の「発達障害」は、発達障害者支援法第2条で、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害などの脳機能の障害として定められています(e-Gov 発達障害者支援法)。診断があるか、まだ傾向がある段階かによって、使える福祉の制度は変わります。診断そのものについては、主治医や専門機関の判断を仰いでください。

通信制高校で楽になりやすいのは、毎日の集団と、音・人の多さです
ここからは、3つの特性ごとに、通信制高校に移ったときに楽になりやすいことと、難しくなりやすいことを並べます。学校の形によって変わるので、あくまで「こういう傾向がある」という目安として見てください。
| 特性 | 通信制で楽になりやすいこと | 通信制で難しくなりやすいこと |
|---|---|---|
| 社会的コミュニケーション | 毎日の雑談や休み時間の人間関係が減る。質問をチャットや文章で送れる学校もある | スクーリングで初対面の人と班を組む場面がある。人と話す機会そのものが減る |
| こだわり・見通し | 自分のペースと決まった手順で学習を進めやすい。好きな分野に時間を使いやすい | レポートの期限や学習計画を自分で組む必要がある。スクーリングの日程変更に弱い |
| 感覚の過敏・鈍麻 | 自宅の照明・音・服装を自分で調整できる。満員電車の通学が減る | スクーリング会場や宿泊先の音・光・食事・寝具は選びにくい |
表を見ると、通信制高校は「毎日」のつらさを大きく減らす代わりに、「年に数回」の負担を集中させる仕組みだと言えます。毎日の集団がつらかったお子さんにとって、年に数日の負担なら準備して乗り越えられる、という場合は多いはずです。一方で、見通しの立たない数日間がどうしても無理だという場合は、スクーリングの形を慎重に選ぶ必要があります。
また、学習の自己管理は、ASDのお子さんの中でも得意・不得意がはっきり分かれます。決まった手順を作ればきっちり進められるお子さんもいれば、何から手をつければいいか分からず止まってしまうお子さんもいます。後者の場合は、担任やスタッフが予定を一緒に立ててくれるかどうかが、学校選びの大きな分かれ目になります。
難しくなりやすいのは、スクーリングの集団と宿泊、そして予定を自分で組むことです
通信制高校の単位は、添削指導(レポート)、面接指導(スクーリング)、試験の3つで修得します。スクーリングは法令上の仕組みなので、どの通信制高校でも避けては通れません。
文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2025年5月1日時点、2026年8月31日公表)で、通信制高校のコース別の生徒数(計300,406人。正規の課程以外のコースを含む)を見ると、次のようになっていました。
- 週5日通学のコース:37,505人(12.5%)
- 週1日通学のコース:36,929人
- いわゆる集中スクーリングを前提としたコース:86,961人(28.9%)。このコースを開いている学校は、323校のうち113校
- 月1〜2回や自由登校などの「その他」のコース:99,722人(33.2%)
同じ調査では、レポートは出しているのに、スクーリングに1日も来ていない生徒が8,097人(2.6%)いました。そのうち3,923人(48.5%)は、集中スクーリングを前提としたコースの生徒です。学校が挙げた理由で最も多かったのは「心身に関すること」でした。この数字だけで原因は言えませんが、「レポートは進められても、スクーリングの数日間で止まってしまう」ことが実際に起きていることは読み取れます。
出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年9月確認)
集中スクーリングは、数日間まとめて授業を受ける形です。遠方の本校で行う場合は宿泊を伴うことがあり、ASDのお子さんには、次のような負担が重なりやすくなります。
- 初めての場所、初めての人、初めての時間割が一度にやってくる
- 相部屋や大浴場、決まった時間の食事など、生活の手順が家とまったく違う
- 音や光を自分で調整できる逃げ場が少ない
もう1つの落とし穴が、予定を自分で組むことです。全日制は時間割が決まっていて、それがつらさの原因にもなりますが、同時に見通しの支えにもなっていました。通信制に移って自由度が上がると、その支えがなくなり、かえって動けなくなるお子さんもいます。

スクーリングの形は大きく3つ。宿泊の有無は、入学前に日程とあわせて確かめます
スクーリングの形は学校やコースによって違います。ASDのお子さんの視点で、見るべき点を表にまとめました。
| スクーリングの形 | ASDの視点での良い点 | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| 通学型(週1〜5日、近くの校舎へ) | 同じ場所・同じ人に慣れていける。家に帰って休める | 1教室の人数、休める場所、通学経路の混み具合 |
| 集中型(年に数日、宿泊あり) | 負担が年に数日に限られる。日程が事前に分かれば準備できる | 日程の発表時期、部屋割り、食事、途中で休めるか、事前の下見 |
| 集中型(年に数日、宿泊なし・近くの会場) | 家で眠れる。生活の手順を崩しにくい | 会場の場所と人数、1日の時間割、会場を選べるか |
どの形が合うかは、お子さんの特性によって変わります。毎週同じ場所に通うほうが安心できるお子さんもいれば、年に数日だけ集中して頑張るほうが楽なお子さんもいます。前者なら通学型、後者なら集中型が候補になります。宿泊が一番の不安なら、宿泊なしで受けられる会場があるかどうかを最初に聞きます。
宿泊なしで受けられるスクーリングの探し方は、通信制高校 スクーリング 宿泊なしの記事で詳しく書いています。
「人と関わる力が育たない」とは限りません。安心できる少人数の場で、段階を踏んで育てていけます
保護者の方がいちばん迷うのは、ここかもしれません。「通信制にしたら楽にはなるだろう。でも、人と関わる経験が減って、社会に出たときに困るのではないか」という心配です。
この心配には、もっともな面があります。自宅で一人で学ぶだけになると、人とやりとりする機会はたしかに減ります。一方で、全日制の大人数の教室が、ASDのお子さんにとって人と関わる力を育てる場になっていたかというと、疲れ切って関わること自体を避けるようになっていた、という場合もあるはずです。
発達障害ナビポータルでも、支援の考え方として、個別や小集団の場でコミュニケーションのスキルの発達を促すことが挙げられています。人と関わる力は、大人数に放り込むことで育つとは限りません。次のように、負担の小さい形から段階を踏む考え方があります。
- チャット(文字):考える時間があり、言い直しもできる。表情や声の調子を読まなくてよい
- 声だけ:少人数のオンラインで、決まった役割(発表や司会など)から話してみる
- 対面:顔を知っている人がいる場で、短い時間から会ってみる
大事なのは、どの段階にいても、それが「後退」ではないと本人が感じられることです。チャットで話せるようになったことは、立派な前進です。
通信制高校で友達や人とのつながりがどう作られているかは、通信制高校 社会性の記事で、実際の関わり方と合わせて整理しています。友達ができないことに悩んでいる場合は、ASD 高校生 友達ができないの記事も参考になります。
合理的配慮は、2024年4月から私立の学校にも法律上の義務になりました
学校を選ぶとき、そして入学したあとに知っておきたいのが、合理的配慮の仕組みです。
障害者差別解消法の第8条第2項は、事業者に対して、障害のある人から社会的障壁を取り除いてほしいという意思の表明があった場合、負担が重すぎない範囲で、必要かつ合理的な配慮をしなければならないと定めています。同じ法律の第2条では、障害者の定義に「精神障害(発達障害を含む。)」が含まれています。
この「しなければならない」は、以前は努力義務でした。内閣府によると、改正法が2024年(令和6年)4月1日に施行され、事業者による合理的配慮の提供が義務化されました。文部科学省も、所管する事業分野の対応指針を改正し、同じ日から施行しています。学校法人などの私立学校も、この指針の対象です。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 誰の義務か | 国・自治体に加え、私立学校を含む事業者 | 障害者差別解消法 第7条第2項・第8条第2項 |
| いつから | 2024年4月1日から(それまで事業者は努力義務) | 内閣府・文部科学省 |
| きっかけ | 本人や保護者から、配慮が必要だと伝えること | 障害者差別解消法 第8条第2項 |
| 決め方 | 学校と本人・保護者の「建設的対話」で、できることを話し合う | 文部科学省 対応指針 |
出典:e-Gov 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律/内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進」/文部科学省「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針の策定について」/文部科学省対応指針(本文・別紙)(2026年9月確認)
文部科学省の対応指針には、配慮の例として、情報の伝え方やコミュニケーション上の配慮、試験や成績評価での配慮などが挙げられています。ASDのお子さんの場合、たとえば次のようなことを相談してみる価値があります。
- スクーリングの時間割や集合場所を、できるだけ早く文書でもらう
- イヤーマフやノイズキャンセルのヘッドホンを使ってよいか
- 疲れたときに一人で休める場所があるか、宿泊の部屋割りに相談の余地があるか
- 口頭の指示を、チャットや紙でも伝えてもらえるか
ただし、合理的配慮は「何でも希望どおりになる」仕組みではありません。負担が重すぎない範囲で、学校と話し合って決めるものです。どこまで対応できるかは学校によって違うので、入学前の相談で具体的に聞いておくことが大切です。
※2026年9月時点の情報です。最新は内閣府・文部科学省・e-Govの公式ページでご確認ください。

選ぶときは「見通し・少人数・参加の形・感覚・スクーリング」の5つを、相談の場で聞きます
ここまでの内容を、学校の説明会や個別相談でそのまま使える質問にまとめました。パンフレットだけでは分からないことが多いので、実際に聞いて、答え方を見ることをおすすめします。
| 見ること | 聞き方の例 | 安心材料になる答え |
|---|---|---|
| 見通し | 予定の変更はいつ、どうやって伝えますか | 事前に文書やチャットで知らせる決まりがある |
| 少人数 | ホームルームや授業は何人くらいですか | 人数を具体的に答えられる |
| 参加の形 | カメラやマイクをオフにして参加できますか | チャットだけの参加から始められる |
| 感覚面 | 音や光がつらいとき、どんな相談ができますか | 過去の対応の例を挙げて話せる |
| スクーリング | 形式・日数・場所・宿泊の有無はどうなっていますか | 年間の日程と宿泊の有無を具体的に答えられる |
このほかに、担任やスタッフが学習の予定を一緒に立ててくれるかも聞いておくと安心です。自分で予定を組むのが苦手なお子さんにとっては、ここが通信制で続けられるかどうかの分かれ目になります。
ADHDとASDの両方の視点で、通信制高校やサポート校のチェックポイントを見たい場合は、ADHD・ASD 高校選びの記事も参考にしてください。中学生のうちに高校選びを始める場合は、ADHD・ASD 中学生 高校選び チェックリストの記事にまとめています。
発達特性のある子の場合に、サポート校で何が足せるのか、合理的配慮をどちらに頼むのかは、サポート校 発達障害の記事で整理しています。
よくある落とし穴は、「オンラインなら全部大丈夫」と思い込むことです
通信制高校やオンラインの学びを検討するときに、ASDのお子さんの家庭で起きやすい行き違いを挙げておきます。
- 「オンラインだからスクーリングは無い」と思い込む。通信制高校の卒業には、スクーリングへの参加が欠かせません。オンライン中心の学校でも、年に何日かは会場に行く必要があります。
- 「宿泊なし」を確かめずに決める。入学後に宿泊型だと分かると、本人の不安が一気に高まります。日程と宿泊の有無は、入学前に文書で確かめます。
- 「自由な時間割」が本人に合うと決めつける。自由度が上がると、何をすればいいか分からず止まってしまうお子さんもいます。予定を一緒に組んでくれる人がいるかを見ます。
- 「人と関わらなくていい」を最終目標にしてしまう。刺激の少ない環境で休むことは大切ですが、本人が望むなら、安心できる少人数の場で少しずつ関わる機会がある学校のほうが、卒業後の選択肢は広がりやすくなります。
- 学校名の「おすすめランキング」で選ぶ。同じ学校でも、キャンパスやコースによって人数も環境も違います。ランキングより、上の5つの質問への答えで比べるほうが確実です。
もう1つ、医療との関係も整理しておきます。学校は、診断や服薬について判断する場所ではありません。感覚過敏や不安が強く、日常生活に影響が大きい場合は、学校選びと並行して、主治医や地域の発達障害者支援センターなどの専門機関に相談してください。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
ここまで読んで、「毎日の集団からは離れたい。でも、人と関わる場は少しずつ持たせてあげたい」と感じた方もいると思います。オンライン中心のサポート校は、その間をとる選択肢の1つです。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。公式ページの「ニジ高とは」に書かれている内容から、ASDのお子さんに関係しそうな点を挙げます。
- 最初はカメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加できます。上で書いた「チャット、声、対面」の段階を、自分のペースで進められます。
- ホームルームは1クラス8人の少人数で、毎週クラス会議があります。
- 対人不安が強い場合は、希望者に専任のサポートスタッフが1対1で伴走します。
- 好きなことや得意なことから始める「マイプロジェクト」があり、週2回の枠で取り組めます(プロジェクト学習)。特定の分野への強い興味を、学びの入口にできます。
- 授業はアーカイブでも視聴でき、中学範囲の学び直しにも対応しています。生活のリズムに波がある日でも学べます。
- 全国どこからでも参加でき、転入・編入もできます。出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。
ただし、ASDのお子さんの保護者の方にこそ、正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
- 学院内でのスクーリングはありませんが、提携校のスクーリングには参加が必要です(地元の会場で受けられる場合もあります)。スクーリングの形や日程は提携校と年度によって変わるため、個別相談会で詳しくご案内しています。
- ニジ高は、スクーリングの日程の調整と準備を支援します。ただし、宿泊をともなう日程のスクーリングに、ニジ高のスタッフは付き添いません。また、宿泊をともなう場合の部屋割りや食事、感覚面の配慮などは提携校の対応になるため、どこまで相談できるかは入学前の個別相談で具体的に確かめてください。宿泊がどうしても難しい場合は、宿泊なしで受けられる学校のほうが合う可能性もあります。
- ニジ高は、発達特性や障害を、本人を変えるのではなく、学びの構造や環境を変えることで支援するという新しいアプローチを取っています。診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。
- 費用は、提携校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分には就学支援金が使えません。金額は学費のご案内に載せています。
気になる通信制高校に在籍したまま、ニジ高を「少人数の居場所」として足す形もあります
ASDのお子さんの学校探しでは、知名度のある通信制高校を候補に入れている方も多いと思います。スクーリングの形は学校ごとに違うので、候補に挙がりやすい3校について、公式サイトで確かめられた範囲を並べます(順番に優劣はありません)。
| 学校 | 公式サイトに書かれているスクーリングの形 | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| N高等学校 | 1・3年次は全国の会場から選んで7〜8日程度。2年次は全国拠点4〜5日と、沖縄伊計本校での4泊5日(前後期のいずれか) | 医師の診断で本校での参加が難しい場合は、本校以外の会場での参加が認められると案内されている。条件は個別に確認 |
| ルネサンス高等学校 | ルネサンス高等学校は、東京駅に集合してバスで本校へ向かう「宿泊集中型」と、2回以上に分けて参加する「分割型」がある | 分割型の日程と、宿泊中の配慮の相談先 |
| クラーク記念国際高等学校 | 単位修得コースは、普段登校しているキャンパスでスクーリングを受けられる(一部は近隣のキャンパス)。年間登校日数は20日程度(キャンパスによって異なる) | 通うキャンパスの人数や環境、担任への相談のしかた |
出典:N高等学校「スクーリングについて」/ルネサンス高校グループ「スクーリング」/クラーク記念国際高等学校「単位修得コース」(いずれも2026年9月22日確認。コースや年度で変わるため、最新は各校にご確認ください)
このように、宿泊の少ない形や、近くの校舎で受けられる形を選べる学校もあります。スクーリングの形を優先して在籍校を選ぶのは、ASDのお子さんにとって理にかなった選び方です。
一方で、在籍校を決めたあとに「日々の居場所」や「人と関わる練習の場」をどう作るかは、別の課題として残ることがあります。ニジ高は、提携校以外の通信制高校に在籍したままでも利用できます。たとえばN高等学校・ルネサンス高等学校・クラーク記念国際高等学校などに在籍しながら、ニジ高を併用する形です。こうすると、スクーリングの形は在籍校で選びつつ、次のようなものを足せます。
- カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで始められる少人数(1クラス8人)のホームルーム
- 対人不安が強い場合の、専任サポートスタッフによる1対1の伴走(希望者)
- 好きなことから始めるマイプロジェクト
ただし、併用には注意点があります。卒業資格・スクーリング・単位・評定(調査書)は、在籍する通信制高校のものです。スクーリングの配慮も、在籍校に相談することになります。また、費用は在籍校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分には就学支援金が使えません。ニジ高の費用は学費のご案内でご確認ください。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 「つらい場面」を特性ごとに書き出す。音や人の多さなのか、雑談や暗黙のルールなのか、予定の変更なのか。この記事の最初の表のどこに当てはまるかを、お子さんと一緒に確かめます。本人が話しにくければ、保護者が気づいたことをメモするだけでも十分です。
- 候補の学校に、5つの質問を聞く。見通し、少人数、参加の形、感覚面の相談、スクーリングの形式と宿泊の有無。とくにスクーリングは、年間の日程・場所・宿泊の有無を具体的に確かめます。配慮してほしいことがあれば、この段階で伝えて、どう答えるかを見ます。
- 主治医や支援者にも、候補の学校の様子を伝えて相談する。宿泊のスクーリングに向けてどんな準備ができるか、どの程度の負担なら大丈夫そうかを、専門家の目でも見てもらいます。
3つとも、どの学校にするか決まっていなくても進められます。オンライン中心の学び方やスクーリングの支援について直接聞いてみたい場合は、体験説明会・個別相談で、お子さんの様子を聞かせてください。


カメラオフ・チャットから、少人数の場で始める学び方もあります
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。1クラス8人のホームルームに、カメラ・マイクをオフにしたチャット参加から加われます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携校で取り、提携校のスクーリングへの参加が必要です(地元の会場で受けられる場合もあります)。配慮の相談範囲も含めて、個別にお聞きください。
よくある質問
A. 毎日の集団や教室の音、休み時間の人間関係がつらい場合は、通信制高校で楽になることが多いです。一方で、スクーリングの集団や宿泊、自分で予定を組むことは難しくなることがあります。どの場面がつらいのかを書き出してから、スクーリングの形式が合う学校を選ぶのがおすすめです。
A. 困っていることを学校に伝えて相談すること自体は、診断がなくてもできます。障害者差別解消法の合理的配慮は、本人や保護者が配慮の必要を伝えることがきっかけになります。どの程度対応できるかは学校によって違うので、入学前に具体的に聞いてみてください。診断については主治医や専門機関にご相談ください。
A. 学校やコースによって、近くの校舎に通う通学型や、宿泊なしで受けられる会場を用意している学校があります。ただし同じ学校でもコースによって違うため、入学前に年間の日程・場所・宿泊の有無を文書で確かめてください。
A. 自宅で一人で学ぶだけだと、人と関わる機会はたしかに減ります。ただ、大人数の教室でなくても、少人数のホームルームやオンラインのチャットなど、負担の小さい場から段階を踏んで関わる力を育てていく考え方があります。そうした場がある学校かどうかを見て選ぶのがよいと思います。
A. ニジ高の中でのスクーリングはありません。ただし、卒業資格を取る提携の通信制高校のスクーリングには参加が必要で、スクーリングの形や日程は提携校と地域によって違い、地元の会場で受けられる場合もあります。詳しくは個別相談会でご案内しています。宿泊をともなう日程の場合、ニジ高のスタッフは付き添いませんが、日程の調整と準備は支援します。提携校以外の通信制高校に在籍したままニジ高を併用する場合は、在籍校のスクーリングの形になります。配慮の相談ができる範囲は、個別相談で確かめてください。
お子さんが「ここなら安心していられる」と思える場所から、学びを続けていけば大丈夫です
ASDのお子さんにとって、毎日の教室は、保護者が想像する以上に音と人と予定の変化にあふれた場所だったのかもしれません。そこから離れることは、逃げではなく、学び続けるための環境を選び直すことです。
通信制高校には、楽になる部分と、スクーリングのように新しく準備が要る部分の両方があります。どちらも知ったうえで、お子さんの特性に合う形を一緒に探していけば、人と関わる力も、学ぶ力も、その子のペースで育っていきます。
今日決めなくて大丈夫です。まずは、お子さんがどんな場面でつらくなるのかを書き出すところから始めてみてください。

お子さんの特性に合う学び方を、一緒に整理するところから
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。
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