「富山県内で通信制高校を探しているけれど、どこがいいのか分からない」「学校に行きづらくなった子どもに合う場所を見つけたい」。そう思って検索すると、「富山キャンパス」「富山学習センター」という名前がいくつも出てきます。けれど、そのほとんどは県外に本校がある学校の拠点か、高校そのものではないサポート校の教室です。
先に数字を書きます。富山県内に本校(通信制課程)がある高校は2校だけです。公立は富山市の富山県立雄峰高等学校、私立は高岡市の高岡龍谷高等学校で、高岡龍谷の通信制課程は令和7年度に新しく開設されました。そして文部科学省のデータで数えると、県内には15校分・のべ33件の拠点があり、そのうちスクーリング(面接指導)まで受けられる施設は18件です。その半分以上が富山市に集まっています。
この記事は、文部科学省「通信制高等学校情報発信サイト」の掲載データから富山県内の住所を1件ずつ数え、富山県教育委員会の令和9年度入学者選抜日程、雄峰高校の入学志願のしおり、高岡龍谷高等学校の通信制課程のページ、富山県の授業料・就学支援金・奨学給付金のページ、各校の公式サイトを2026年9月22日に実際に開いて確認した内容でできています。確認できなかったことは、確認できなかったと書きます。
富山市の中の学校だけを見たい場合は、富山市 通信制高校の記事にまとめています。隣県から通う選択肢を考えるなら石川 通信制高校も参考になります。ここでは「富山県のどこに住んでいる人が、どこへ、何をしに通うのか」に絞って書きます。急いで決めなくて大丈夫です。
富山県の学校に毎日通うのが難しい場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です(富山市内の会場で受けられる場合もあります)。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:富山県の通信制高校の早見
- 県内に本校がある通信制課程は2校。公立は富山県立雄峰高等学校(富山市神通町)の1校だけで、私立は高岡龍谷高等学校(高岡市古定塚)が令和7年度に通信制課程を開設しました。文部科学省の掲載データでの在籍は、雄峰が795人、高岡龍谷が94人です。
- 雄峰高校のスクーリングは、日曜・月曜・水曜から1つを選んで各学期9回。行事や試験を含めて年間25日程度の登校です。学科は普通科と衛生看護科の2つで、衛生看護科は富山市医師会看護専門学校准看護学科の入学生が対象です。
- 高岡龍谷の通信制課程は土曜日の週1日登校で、年間30日程度。3年間で74単位を取ると卒業できます。学費が公式サイトにそのまま出ており、1年次の授業料相当額の目安は378,000円、入学時納入金は100,000円です。
- 県内の拠点はのべ33件、スクーリングができるのは18件。市町村別では富山市18件、魚津市7件、射水市3件、砺波市2件、高岡市・小矢部市・南砺市が各1件です(文部科学省データ)。
- 公立の通信制は、魚津市と小矢部市の県立高校でも面接指導を受けられる届け出があります。雄峰高校の面接指導等実施施設として、新川みどり野高校(魚津市)と、となみ野高校(小矢部市)がデータに載っています。
- 富山県の中学生で通信制を選ぶ人は、この4年で148人から243人に増えました(令和7年3月卒業者・県教育委員会調べ)。めずらしい進路ではなくなっています。
- オンライン中心のサポート校という選び方もあります。ニジ高は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取ります。費用は学費のご案内で確認できます。
県内に本校がある通信制課程は、公立の雄峰と私立の高岡龍谷の2校です
まとめサイトの富山県の学校一覧には、十数校の名前が並ぶことがあります。ただしそこに並ぶ学校の多くは、本校が県外にあり、富山には拠点(キャンパス・学習センター)だけを置いている広域通信制高校です。学籍を置く先が県外なのか県内なのかは、スクーリングで行く場所や、書類を出す先に関わります。最初に分けて考えたほうが迷いません。
文部科学省の通信制高等学校情報発信サイトの掲載データで、学校の所在地が富山県内になっているのは次の2校です。どちらも通信教育を行う区域が狭い「狭域」の通信制で、高岡龍谷は富山県と石川県が区域になっています。
| 学校名 | 設置 | 所在地 | 在籍生徒数 |
|---|---|---|---|
| 富山県立雄峰高等学校 | 公立・定時制と併置 | 富山市神通町2丁目12番地20号 | 795人 |
| 高岡龍谷高等学校 | 私立・全日制と併置 | 高岡市古定塚4-1 | 94人 |
この2校の性格はかなり違います。雄峰は普通科と衛生看護科を置き、働きながら高卒資格をめざす人が多く学ぶ、県内で唯一の公立通信制です。高岡龍谷は全日制の私立高校が令和7年度に新設した通信制課程で、公式サイトには「いつでも、どこでも、学び・学び直せる」柔軟な学びという言い方で紹介されています。学費の構えも、登校日も、支援の形も違うので、次の2つの節で1校ずつ見ていきます。

雄峰高校のスクーリングは、日曜・月曜・水曜から1つ選んで各学期9回です
富山県立雄峰高等学校の通信制課程は、県内で唯一の公立の通信制です。公式サイトの通信制のページには、学習の方法が3段階で書かれています。①スクーリング(日曜日・月曜日・水曜日に実施。いずれかの曜日を選んで登録する)、②レポート(教科書・学習書・補助教材で学習し、期限までに提出する)、③定期試験(決められた回数のスクーリングの出席とすべてのレポートの提出が認められると受けられる)という流れです。
登校の量は、各学期9回。1限は50分で7限まであり、受講手続き・学校行事・定期試験を含めると年間25日程度の登校になると公式に書かれています。前期と後期の二学期制で、学期ごとに単位が認定されます(出典:富山県立雄峰高等学校 通信制)。
学科は2つです。普通科は普通教科に加えて家庭・商業の専門科目も選べます。衛生看護科は富山市医師会看護専門学校准看護学科の入学生を対象とした学科なので、一般の進路として選ぶものではありません。ここを取り違えると「看護の勉強ができる公立の通信制」と誤解してしまうので、注意してください。
場所は富山市神通町。学校が配っている入学志願のしおりの地図には、富山駅南口から徒歩約10分、公共交通機関を利用してくださいと書かれています。市内電車の神通町の電停が近く、あいの風とやま鉄道・富山地方鉄道・北陸新幹線のどれで富山駅に着いても歩ける距離です。県内のどこから通うにしても、まず富山駅に出るという動き方になります。
「週に何日も家を出るのは難しいけれど、月に数回なら」という段階の人にとって、日曜・月曜・水曜から選べるのは現実的な設計です。平日に働いている人は日曜、人の多い時間帯が苦手な人は月曜や水曜、というように選び方も変わります。どの曜日が自分に合うかは、見学や入学相談で確かめてください。
高岡龍谷の通信制課程は土曜だけの登校で、学費が公表されています
高岡龍谷高等学校の通信制課程は、令和7年度に開設されました。公式サイトが挙げる4つの特徴は、土曜日週1日登校(卒業74単位・3年間で卒業可)/オンライン学習の活用/教育相談の充実/全日制課程と通信制課程の併修です。スクーリングは週1回の土曜日に設定され、試験日を除くと年間で30日程度の登校日数になると書かれています。
この学校の特徴は、学び方の道具立てが具体的に公開されていることです。富士ソフトのFAMcampusを使った2次元のメタバース校舎「龍谷メタキャンパス」で、アバターを通して授業に参加したり、クラスメイトやスクールカウンセラーと面談したりできる、と説明されています。家庭学習を支えるために東京書籍の教科書に沿った授業動画を配信し、学び直しには「すらら」、進学対応には「スタディサプリ」、スクーリングには「ロイロノート」を使うという書き方です。
よくある質問には、土曜日に登校できないときの扱いも書かれています。一定回数は登校して出席することが要るが、他の回数はオンライン等での学習も可能、平日登校についても個別の事情に応じて柔軟に対応する、という内容です。全日制の生徒が科目履修生として通信制の科目の単位を取れる仕組みもあります。
学費は、私立としてはめずらしく内訳まで公開されています。以下は公式のよくある質問に書かれている額です。
| 項目 | 額 | 備考 |
|---|---|---|
| 入学時納入金 | 100,000円 | 入学時のみ |
| 履修科目登録料 | 1単位12,000円 | 25単位なら300,000円 |
| 単位認定試験受験料 | 1科目1試験3,000円 | 13科目×2回で78,000円 |
| 授業料相当額(1年次の目安) | 378,000円 | 登録料と試験受験料の合計 |
| 教育充実費 | 60,000円 | 毎年 |
このほかに毎年の教材費や諸経費、学習専用端末(キーボード付きタブレット)が要ります。平日登校を希望する場合は別途、運営費の負担をお願いすることとなる、とも書かれています(出典:高岡龍谷高等学校 通信制課程)。
受験料は、令和8年度の生徒募集で15,000円と案内されています。制服は定めておらず、希望する場合は全日制と同じ制服を標準服として指定する、という扱いです。

公立の授業料は1単位あたり数百円。就学支援金の上限は公立と私立で違います
お金の話は、公立と私立で構造がまったく違います。まず県立高校です。富山県が公表している表では、通信制の課程だけ「授業料」ではなく「受講料」の欄にあり、受講料は1単位につき300円です。全日制の授業料は月額9,900円、定時制は単位制以外が月額2,700円(定時制の単位制は履修期間6か月の科目が1単位につき月額270円、12か月の科目が月額135円)なので、通信制の負担は桁が違います(出典:富山県 県立高等学校の授業料等・高等学校等就学支援金制度について。更新日2025年1月9日)。
そのうえに国の高等学校等就学支援金がのります。文部科学省の案内では、公立の通信制は1単位336円、私立の通信制は1単位13,668円・年337,200円までで、2026年度から所得制限はありません。ここは制度改正の前後で説明が食い違っているページが多いところです。富山県の県立高校のページは更新日が2025年1月なので、所得の要件について古い説明が残っています。最新の扱いは学校の事務室に確認してください。
支給の期間は在学した月数で数えます。通信制は4年分まで(3年、定時制・通信制は4年を超えて在学している生徒は対象外)という書き方で、県のページにも同じ説明があります。転校すると申請のやり直しが要る点も共通です。詳しくは通信制高校 就学支援金の記事に整理しました。
授業料以外の教科書費・教材費には、返さなくてよい奨学給付金があります。富山県の令和8年度の額は次のとおりで、通信制の額は全日制の3分の1ほどです。
| 世帯の区分 | 全日制 | 通信制 |
|---|---|---|
| 住民税非課税世帯 | 年額143,700円 | 年額50,500円 |
| 所得割額の合算が100円以上105,500円未満 | 年額47,900円 | 年額16,830円 |
私立に通う場合は、富山県の独自の助成もあります。県のページには、年収590万円〜910万円未満の世帯に年額79,200円、そのうち多子世帯(23歳未満の子どもを3人以上扶養)またはひとり親世帯には年額277,200円の授業料助成、年収270万円未満の世帯などには入学時納付金に124,350円の助成、と書かれています。私立の通信制もこの制度の対象に含まれています。申請は就学支援金のオンライン申請システム(e-Shien)で行います。
注意したい落とし穴が1つあります。就学支援金も奨学給付金も、対象は高校の授業料や教育費であって、サポート校の費用には使えません。サポート校を併用する場合は、通信制高校の費用とサポート校の費用の二重構造になります。内訳の考え方はサポート校 学費の記事にまとめました。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
県内の拠点はのべ33件。そのうちスクーリングができるのは18件です
ここからは、県外に本校がある広域通信制高校の拠点の話です。文部科学省の掲載データで、富山県内に住所がある協力施設を1件ずつ数えるとのべ33件ありました。同じ建物に複数の学校が届け出ている分があるので、建物の数はこれより少なくなります。拠点を置いている学校は15校です。
大事なのは、拠点には性格の違う2種類があることです。面接指導等実施施設はスクーリングをそこで受けられる建物で、県内に18件。学習等支援施設は日々の学習支援などを行う建物で15件です。名前が似ているので見落とされやすいのですが、「学習センター」と名乗っていてもスクーリングはできず、別の会場まで行く学校もあります。
| 市町村 | 拠点の数(のべ) | 主な所在 |
|---|---|---|
| 富山市 | 18件 | 富山駅周辺・総曲輪・一番町など |
| 魚津市 | 7件 | 双葉町・天神野新・釈迦堂など |
| 射水市 | 3件 | 三ケ・戸破 |
| 砺波市・高岡市・小矢部市・南砺市 | 各1〜2件 | 出町中央・東上関・清水・福光など |
この数え方から見えてくるのは、富山県の通信制の拠点は富山市と魚津市の2か所に固まっているということです。県西部の高岡・砺波・南砺は数が少なく、県東部でも黒部市・滑川市・入善町などには拠点がありません。そこに住んでいる人は、富山市か魚津市まで出るか、オンライン中心の学び方を選ぶかの二択になりがちです。
公立にも、富山市以外で受けられる道があります。文部科学省のデータでは、雄峰高校の面接指導等実施施設として、富山県立新川みどり野高等学校(魚津市木下新144)と富山県立となみ野高等学校(小矢部市清水95番地1)が届け出られており、それぞれ125人・120人の在籍があります。ただし雄峰高校の公式サイトの通信制のページにこの2校の案内は見当たりませんでした。実際に魚津・小矢部の会場を選べるかどうかは、入学相談で直接確かめてください。

富山で通えるサポート校は、提携する通信制高校とセットで選びます
「富山 通信制サポート校」で探している場合、見ているものはこの節の話です。サポート校は高校ではありません。どこかの通信制高校に学籍を置いたうえで、レポートや生活のペースづくりを支えてもらう場所です。だから選ぶときは、そのサポート校と、セットになる通信制高校の両方を見ることになります。
下の表は、文部科学省のデータと各校の公式サイトで所在地を確認できたものです。最寄り駅は、公式サイトに表記があるものだけ書きました。
| 拠点の名前 | 種別 | 学籍を置く高校 | 最寄り駅 |
|---|---|---|---|
| 星槎国際高等学校 富山学習センター(富山市新富町) | 面接指導等実施施設 | 星槎国際高等学校 | 富山駅 徒歩3分 |
| 第一学院高等学校 富山キャンパス(富山市新桜町) | 学習等支援施設 | 第一学院高等学校 | 富山駅 徒歩5分 |
| 富山キャンパス(富山市新桜町) | 学習等支援施設 | N高等学校・S高等学校・R高等学校 | 富山駅 徒歩5分 |
| トライ式高等学院 富山キャンパス(富山市新富町) | 学習等支援施設 | 鹿島学園高等学校・鹿島朝日高等学校 | 富山駅 徒歩約2分 |
| さくら国際高等学校 富山キャンパス(射水市戸破) | 面接指導等実施施設 | さくら国際高等学校 | 小杉駅 徒歩約15分 |
| AOIKE高等学院 富山(富山市一番町) | 学習等支援施設 | AOIKE高等学校 | 公式で確認できず |
| AOIKE高等学院 南砺福光(南砺市福光) | 学習等支援施設 | AOIKE高等学校 | 公式で確認できず |
| 富山YMCA高等学院(富山市桜町) | 学習等支援施設 | YMCA学院高等学校 | 公式で確認できず |
| ひとのま学園(高岡市東上関) | 学習等支援施設 | 星槎国際高等学校 | 公式で確認できず |
| 個別指導塾の教室(富山市上本町) | 面接指導等実施施設 | 広域通信制高校 | 公式で確認できず |
表の見方を3つだけ補足します。1つめ、同じ建物に複数の学校の名前が入っていることがあります。富山市新桜町2-21の富山キャンパスは、N高等学校・S高等学校・R高等学校の3校分が同じ住所で届け出られています。公式サイトには、月曜から金曜の9時から18時に開校し、週5・週3コース、週1+コース、通学なしのネットコースから選べると書かれています。
2つめ、面接指導等実施施設と書いてある拠点は、その場所でスクーリングまで完結できる可能性があります。星槎国際の富山学習センターは、富山駅から徒歩3分のCiCビル5階にあり、公式サイトには全日型から週3日まで通学スタイルを選べること、年間120講座以上の選択講座があることが書かれています。さくら国際の富山キャンパスは射水市にあり、あいの風とやま鉄道の小杉駅から徒歩約15分です。
3つめ、魚津市にも面接指導ができる施設があります。松陰高等学校の富山学習センター(魚津市双葉町)、未来高等学校の富山中央学習センターや新川学びの森天神山交流館(魚津市天神野新)などが、文部科学省のデータで面接指導等実施施設として届け出られています。県東部に住んでいる人は、富山市まで出なくても済む道が残っている、ということです。
そして「学籍を置く高校」の欄は、そのままスクーリングで行く先に直結します。鹿島朝日高等学校の面接指導等実施施設には富山県教育文化会館と富山県民会館が入っており、県内でスクーリングができる形になっています。一方、本校まで行く必要がある学校もあります。パンフレットの言葉ではなく、この点を各校に直接聞いてください。

富山の中学生で通信制を選ぶ人は、4年で148人から243人に増えました
「通信制はめずらしい進路なのではないか」という不安は、数字を見ると少し和らぎます。富山県教育委員会県立高校改革推進課が令和8年1月20日に公表した進路状況調査の結果では、令和7年3月に県内の中学校・義務教育学校を卒業した8,504人のうち、高等学校の通信制課程へ進んだのは243人(2.9%)でした。
| 卒業年(3月) | 通信制への進学者 | 進学率 |
|---|---|---|
| 令和3年 | 148人 | 1.6% |
| 令和4年 | 168人 | 1.9% |
| 令和5年 | 200人 | 2.3% |
| 令和6年 | 220人 | 2.6% |
| 令和7年 | 243人 | 2.9% |
同じ4年で、全日制へ進んだ人は8,243人から7,604人へ減っています。子どもの数が減っているので実数は下がりますが、割合で見ると全日制は91.3%から89.4%へ下がり、通信制は1.6%から2.9%へ上がりました。令和7年3月は1学年で243人が、富山県から通信制へ進んだことになります(出典:富山県 中学校・義務教育学校及び高等学校の進路状況)。
もう1つ、この資料には見落とされやすい数字があります。富山県の高等学校等進学率は99.2%で全国第4位ですが、通信制課程への進学者を除くと96.3%と注記されています。「富山はほぼ全員が高校に行く県」という前提の裏側で、通信制がその一部を支えている、ということです。
令和9年度の県立通信制は、3月19日からの出願です
公立を考えている場合、日程は県教育委員会が先に公表します。令和9年度(2027年4月入学)の富山県立高等学校入学者選抜日程では、通信制の課程の志願期間は令和9年2月ではなく3月です。全日制の一般選抜(2月24日〜26日)より3週間ほど後ろにある、と覚えておくと慌てません。
| 区分 | 志願期間 | 検査・発表 |
|---|---|---|
| 通信制の課程 | 令和9年3月19日(金)9時〜3月23日(火)16時 | 検査3月26日(金)/発表3月29日(月)12時30分 |
| 通信制の課程 第2次 | 3月29日(月)13時〜3月30日(火)16時 | 面接等は雄峰高等学校長が定める日時・場所 |
| (参考)全日制 一般選抜 | 2月24日(水)〜2月26日(金)正午 | 学力検査3月9日・10日/発表3月18日(木) |
検査の中身は、令和8年度の入学志願のしおりで確認できます。通信制の新入学の検査は面接だけで、学力検査はありません。募集定員は普通科と衛生看護科を合わせて約300人、入学考査手数料は460円でした。第1次選抜を受けて不合格になった人は、同じ学科の第2次選抜には志願できないという条件もあります。
ここで、知らないと損をする点を1つ書きます。入学者選抜(新入学)で入った場合、前の学校で取った単位は認定されません。しおりに「入学者選抜に合格して入学した場合、前籍校での修得単位があっても、本校では認定されません」と明記されています。いっぽう転入学・編入学で入れば、前籍校での修得単位が認定されます。いま別の高校に在籍している人が、いったん辞めてから新入学で入り直すと、積み上げた単位が消えてしまうということです。
転入学・編入学の日程は、新入学とは別枠です。令和8年度の例では、前期(4月入学)の志願期間が2月26日〜27日、検査は3月11日で面接と学力検査(英語・数学・国語)、発表は3月16日。後期(10月入学)の志願期間が9月1日〜3日、検査9月10日、発表9月14日でした。後期は衛生看護科の転入学・編入学を募集しません。時期の選び方は全日制から通信制 転入の記事も参考にしてください。
私立の高岡龍谷は、富山県私立中学高等学校協会がまとめた令和8年度の募集要項(概要)一覧に、通信制の日程が載っていました。普通科80人の募集で、Ⅰ期は出願1月6日〜7日・試験1月11日、Ⅱ期は出願1月28日〜29日・試験2月7日、Ⅲ期は出願3月16日〜17日・試験3月20日。試験科目は作文(高校生活の抱負)と、作文の内容に応じた面接です。令和9年度の日程は2026年9月時点では公表を確認できませんでした。転入の相談は随時受け付けていると公式サイトに案内があります。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
よくある誤解:「通信制なら家から一歩も出なくていい」は当てはまりません
富山で学校を探している人が、あとで戸惑いやすい点を3つ挙げます。どれも、パンフレットには小さくしか書かれていない話です。
1つめ。通信制高校の卒業には、スクーリングへの出席が制度として要ります。雄峰なら各学期9回、高岡龍谷なら土曜日を中心に年間30日程度。「完全オンラインで卒業できる」と書かれている学校でも、法令上はどこかで面接指導を受けています。オンラインでの代替が認められる範囲は学校ごとに違うので、そこは1校ずつ確認する必要があります。
2つめ。「富山キャンパス」という名前が、そのままスクーリング会場を意味するとはかぎりません。前の節で書いたとおり、県内の拠点33件のうち15件は学習等支援施設です。日々の支援は受けられますが、スクーリングは本校や別の会場で受けることになります。県外の本校まで行く学校もあるので、年に何日、どこへ行くのかを最初に聞いてください。
3つめ。費用は「学校の学費」だけでは終わりません。サポート校を併用すれば二重にかかります。高岡龍谷のように平日登校に別料金がかかる学校もあります。教材費、端末代、交通費も積み上がります。就学支援金は授業料にしか使えないので、家計の計算は授業料以外を含めて立ててください。
そして、これは誤解というより現実の話ですが、県西部や県東部の町から富山市まで通うのは、本人にとって決して軽い負担ではありません。週1日でも、朝の電車に乗ることが高い壁になる時期はあります。そのときに「通えないから無理」と結論を出さず、通う日数が少ない学校、オンラインで代替できる学校、家から参加できる形を並べて比べてください。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
ここまで富山県内の学校を並べてきました。そのうえで、家から出るのが難しい時期の選択肢として、オンライン中心のサポート校も書いておきます。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営する通信制高校サポート校です。校長は星野達郎。オンライン中心で、全国どこからでも、海外からも通えます。担任制で、生活リズムに波があっても学べる設計になっていて、中学内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。メタバースの校舎で担任や同級生と集まる時間もあります。生徒会・サークル・学園祭・企業コラボがあり、行事は生徒が企画する側に回ります。不登校の生徒を650名以上サポートしてきた実績があります(グループ全体)。
正直な注意点を書きます。ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取ります。学院の中でのスクーリングは無く、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です(富山市内の会場で受けられる場合もあります。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています)。費用は提携校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。この記事の学費の節で書いた二重構造は、ニジ高にも当てはまります。金額は学費のご案内をご覧ください。
途中入学(転入・編入)ができ、出願費用は無料です。いま別の通信制高校に在籍している場合も、在籍校はそのままで併用できます。富山県内の学校を見に行く前の整理として使ってもらっても構いません。
富山で迷ったときの進め方(3ステップ)
学校名を比べる前に、順番を決めたほうが早く落ち着きます。3つだけ書きます。
ステップ1:週に何日、家を出られそうかを決める。毎日は難しいが週1日なら、という段階なら高岡龍谷の土曜登校や、雄峰の月2〜3回のスクーリングが候補に入ります。月に数回でも難しい時期なら、通学日数の少ない広域通信制やオンライン中心のサポート校から考えます。ここが決まると、この記事のどの表を見ればいいかが決まります。
ステップ2:スクーリングの場所と回数を、学校に直接聞く。拠点の名前ではなく、「年に何日、どこへ行くのか」「オンラインでどこまで代替できるのか」を聞いてください。県内の拠点33件のうち18件は面接指導ができる施設ですが、残りは学習支援だけの施設です。ここを取り違えると、入学後に想定外の移動が発生します。
ステップ3:お金を、授業料以外まで含めて足す。入学時納入金、履修料、試験料、教育充実費、教材費、端末代、交通費、サポート校の費用。そこから就学支援金と奨学給付金を引きます。富山県の奨学給付金は通信制で年額50,500円(住民税非課税世帯)です。申請は在学校を通して行い、県外の学校に通う場合は県立高校課が窓口になります。
そして、学校を決める前でも相談できる場所があります。富山県総合教育センターの教育相談は、いじめ・不登校・進路・人間関係の相談が076-444-6167、発達に関する相談が076-444-6351です。小学生・中学生・高校生とその保護者が対象で、相談は無料、秘密は厳守、電話だけの相談にも応じる、と案内されています(出典:富山県総合教育センター 教育相談)。まだ何も決まっていない段階でも使えます。


富山市まで出るのがしんどい時期は、家から始める形もあります
ニジ高は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校です。カメラ・マイクはオフのまま、チャットから参加できます。行事は種目も、集める人も、場所も、生徒が自分たちで決めます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。体験説明会で、授業の様子や通い方を見てみませんか。
よくある質問
A. 1校です。富山県立雄峰高等学校(富山市神通町)の通信制課程が、県内で唯一の公立通信制だと公式サイトに書かれています。学科は普通科と衛生看護科で、衛生看護科は富山市医師会看護専門学校准看護学科の入学生が対象です。スクーリングは日曜・月曜・水曜から1つ選んで各学期9回、年間25日程度の登校です。
A. 高岡市には高岡龍谷高等学校の通信制課程があり、土曜日の週1日登校です。魚津市には松陰高等学校や未来高等学校の面接指導等実施施設があり、文部科学省のデータでは雄峰高校の面接指導等実施施設として新川みどり野高等学校(魚津市)ととなみ野高等学校(小矢部市)も届け出られています。ただし雄峰の公式サイトにこの2校の案内は見当たらなかったので、実際に選べるかは入学相談で確かめてください。
A. 移れます。雄峰高校の場合、転入学・編入学は新入学とは別の枠で、令和8年度は前期(4月入学)と後期(10月入学)の2回ありました。大事な点として、転入学・編入学なら前籍校で取った単位が認定されますが、いったん辞めて新入学で入り直すと認定されません。高岡龍谷は転入の相談を随時受け付けていると案内しています。
A. 公立の県立高校は、富山県の公表額で通信制が受講料1単位につき300円です(授業料の欄ではなく受講料の欄にあります)。私立の高岡龍谷は1年次の授業料相当額の目安が378,000円、入学時納入金が100,000円と公表しています。国の就学支援金は公立の通信制が1単位336円、私立の通信制が1単位13,668円・年337,200円まで(2026年度から所得制限なし)です。サポート校の費用には使えません。
A. 令和7年3月に県内の中学校・義務教育学校を卒業した8,504人のうち、通信制課程へ進んだのは243人(2.9%)でした。令和3年3月の148人(1.6%)から4年で増えています。富山県教育委員会県立高校改革推進課の進路状況調査の数字です。
富山で学校を探すことは、諦めることではありません
富山県は、通信制の拠点が富山市と魚津市に集まっている県です。黒部でも、南砺でも、入善でも、家の近くに選択肢が並んでいるわけではありません。だから「近くに合う場所がない」と感じるのは、あなたの努力が足りないからではなく、単に地図の問題です。
それでも、道は1本ではありません。県内には公立の通信制が1校あり、日曜・月曜・水曜から曜日を選べます。高岡には土曜だけ登校する新しい通信制課程が生まれました。魚津にも面接指導ができる施設があります。富山駅から歩ける場所には、週1日から通える学校も、学び直しから始められる場所もあります。そして、家から出られない時期でも、オンラインでつながれる場所があります。
今日決めなくて大丈夫です。まずは、週に何日なら家を出られそうかを、本人と一緒に確かめるところから。それが決まれば、この記事のどの表を見ればいいかが分かります。学校の見学でも、県の教育相談でも、話を聞くだけの場所から使ってください。動き出すのは、そのあとで間に合います。

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