通信制高校のイメージは悪い?|親世代と10代で分かれる印象と、データで見る今の実際・就職や進学への影響【2026】

通信制高校のイメージは「親世代は良くない、10代は良い」と分かれていますが、今の通信制高校は高校生のおよそ10人に1人(約31万人)が通う、全日制と同じ卒業資格が得られる学校です。「楽して卒業できる」「就職に不利」といったイメージの多くは、制度や今の姿が知られていないことから生まれています。

とはいえ、すべてが誤解というわけでもありません。過去には就学支援金の不正受給事件があり、国は今も質の確保に取り組んでいます。この記事では、文部科学省の学校基本調査などの公的データをもとに、よくあるネガティブなイメージと今の実際を1つずつ比べ、大学や企業からどう見られるのか、周りにどう説明すればよいかまで整理しました。

目次

結論:通信制高校のイメージと実際の早見

  • 生徒数は過去最多。2026年度は31万1,792人で、全日制・定時制と合わせた高校生のおよそ10人に1人です。
  • 卒業資格は全日制と同じ「高等学校卒業」。大学・専門学校の受験資格も、就職のときの学歴も同じです。
  • 「楽に卒業できる」は誤解。レポート・スクーリング・試験で74単位以上を取る必要があり、自分で進める力が求められます。
  • イメージは世代で違う。民間の調査では、親世代(学生時代の印象)の7割超が「良くない」と答えた一方、10代は「良い」が多数でした。
  • 課題も本当にある。卒業後に進路が決まっていない人が26.1%いること、運営が不適切な学校があったことは、知っておくべき事実です。
自宅の机でノートパソコンを開き、自分のペースで学ぶ人の後ろ姿
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制サポート校です。イメージではなく、実際の学び方を見て決めたい方へ。
ニジ高ってどんな学校? →

通信制高校はどんなイメージを持たれている?

株式会社プレマシードが2026年5月に行ったインターネット調査(15〜19歳300人、40〜59歳300人)では、通信制高校のイメージに世代で大きな差が出ました。見出しで示された数字では、10代は「良い」が53.7%、親世代は「良くない」が71.7%です。なお、親世代は「自分の学生時代を振り返って」回答しています。

質問結果(全体)
通信制高校に偏見や誤解があると思うか「そう思う」の合計 70.8%(10代は77.7%)
実態が知られていないと感じるか「そう感じる」の合計 75.0%
通信制高校のイメージ(複数回答)「不登校を経験した生徒が多い」49.2%、「自分のペースで学べる」48.5%、「自由度が高そう」31.7%
生徒への印象(複数回答)「何らかの悩みや事情を抱えている」42.5%、「自分のペースで学校生活を送っている」31.0%

※株式会社プレマシード「通信制高校に対する認識調査」(2026年7月公表、ネットリサーチ、600人)。民間企業による1回のインターネット調査で、日本全体の意見を正確に表すものではありません。

注目したいのは、回答した人の7割以上が「偏見や誤解がある」「実態が知られていない」と感じている点です。つまり、多くの人がよく知らないまま、昔の印象で語っている可能性があります。では、今の通信制高校の実際はどうなのでしょうか。

数字で見る今の通信制高校|生徒数は過去最多

文部科学省の学校基本調査によると、通信制高校の生徒数は2026年度(速報値)で31万1,792人となり、過去最多になりました。学校数も358校まで増えています。

通信制高校の生徒数の推移を示す横棒グラフ。2000年度18万1,877人、2010年度18万7,538人、2020年度20万6,948人、2025年度30万5,197人、2026年度31万1,792人と、ここ数年で大きく増えている
2020年度からの6年間で、生徒数は約1.5倍になりました。

同じ年の全日制・定時制の高校生は284万5,117人で、前年より減っています。合わせて計算すると、高校生のおよそ10人に1人(約9.9%)が通信制で学んでいることになります。少子化の中で通信制だけが増えているのは、「通信制を選ぶこと」が特別なことではなくなってきている表れだと言えます。

通う理由もさまざまです。文部科学省の資料(令和7年度通信制高等学校実態調査)では、2025年度の入学者の57%が中学3年生のときに不登校でした。裏を返せば、残りの4割あまりは、スポーツや芸能、仕事、学びたい分野など、別の理由で通信制を選んでいるということです。

なぜイメージが変わりつつあるのか

通信制高校のイメージが世代で違うのには、成り立ちの歴史も関係しています。通信制教育を支える法律ができた1953年(昭和28年)当時、主な対象は昼間に働きながら学ぶ勤労青年でした。親世代が学生だったころも、「働きながら、あるいは事情があって全日制に通えない人が学ぶ場所」という印象が強かったと考えられます。

文部科学省の資料でも、現在は不登校経験のある生徒を含む多様な生徒が在籍し、学校数・生徒数も増えていると説明されています。オンライン授業やICTの広がりで、家にいながら授業やホームルームに参加できる学校も増えました。10代にとっては、友だちや知り合いが通っていたり、SNSで日常を目にしたりする機会があり、「選択肢の1つ」として身近になってきています。

つまり、親世代と10代では思い浮かべている通信制高校の姿そのものが違うことが多いのです。家族で話すときは、まずお互いがどんなイメージを持っているかを言葉にしてみると、すれ違いが少なくなります。

授業中、ほおづえをついて前を見ている高校生。周りの生徒は前を向いている

よくあるネガティブなイメージと、今の実際

ここからは、よく聞かれるイメージを1つずつ、制度とデータで確かめていきます。

通信制高校のよくあるイメージと実際を比べた図。楽に卒業できる、就職や進学に不利、特別な人が行く学校、怪しい学校が多いといったイメージに対し、74単位とレポート・スクーリング・試験が必要、卒業資格は全日制と同じ、高校生の約10人に1人が在籍、国が点検と法改正で質を確保中という実際を並べている
イメージの多くは、制度や今の姿が知られていないことから生まれています。

イメージ1:「勉強しなくても、楽に卒業できる」

通信制高校でも、卒業するには3年以上在籍し、74単位以上を修得する必要があります。科目ごとにレポート(添削指導)を出し、スクーリング(面接指導)に出席し、試験を受けて単位を取ります。毎日の登校がないぶん、自分で計画を立てて進める力が必要で、「時間が自由=楽」とは限りません。

実際、文部科学省はレポートを年度末にまとめて出させるような運用を不適切としており、学習の中身をきちんと確保するよう求めています。

イメージ2:「就職や進学で不利になる」

通信制高校は学校教育法にもとづく高等学校なので、卒業すれば全日制と同じ高等学校卒業です。大学・短大・専門学校の受験資格も同じです。2024年度の通信制卒業生の進路は、大学等進学28.6%、専修学校22.9%、就職19.5%でした。

一方で、全日制の大学等進学率63.4%と比べると差があるのも事実です。これは、通信制に入る時点で学習の遅れや体調の課題を抱えている生徒が多いことも関係していると考えられます。大事なのは、課程の名前よりも在学中に何をしたかです。

イメージ3:「ヤンキーや問題のある生徒が多い」

前述の調査でも、「派手な人が多そう」「問題行動」といった印象は親世代に多く見られました。ただ、こうしたイメージを裏づける公的な統計は見当たりません。むしろ公的データからわかるのは、不登校を経験した生徒や、自分のペースで学びたい生徒が多いということです。学校の雰囲気は学校ごとに大きく違うので、見学で確かめるのがいちばんです。

イメージ4:「友達ができない、高校生活が楽しめない」

登校日が少ないコースでは、確かに友達と会う機会は少なくなります。一方で、週に数日通うコース、オンラインのホームルームや部活動、行事を用意している学校もあります。人との関わりの量を自分で選べるのが通信制の特徴で、「少しずつ増やしたい」人にとってはむしろ合っている場合もあります。

放課後の校舎で自然に話している高校生たち
通う日数や人との関わり方を、自分で選べるのが通信制高校の特徴です。

本当にあった問題:「イメージが悪い」の背景

ネガティブなイメージには、実際に起きた出来事が影響している面もあります。2015年(平成27年)には、広域通信制のウィッツ青山学園高等学校で就学支援金の不正受給事件が発覚し、違法・不適切な学校運営が明らかになりました。

これを受けて文部科学省は、2016年に「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」を定め(2023年に改訂)、2017年からは国と所轄庁が共同で広域通信制高校の点検調査を行っています。2025年度末までに延べ78校が対象になり、面接指導の回数不足、教員免許のない人による指導、サポート施設を高校と誤認させる表示などの不適切な例が指摘されました。

さらに2026年7月には、国が通信教育の適正な実施・運営のための基本指針を定めることなどを盛り込んだ法改正が公布されています(2027年1月施行予定)。「問題があった」のは事実ですが、それに対して国の仕組みが整えられてきているのも事実です。学校を選ぶときは、こうした点検の考え方を知っておくと、見学で何を確かめればよいかが見えてきます。

ポジティブなイメージと、その実際

反対に、「自分のペースで学べる」「自由度が高い」というポジティブなイメージも広がっています。これはおおむね実際どおりです。

ポジティブなイメージ実際
自分のペースで学べるレポートやオンライン授業は、時間を選んで進められることが多い。ただしスクーリングと試験の日程は決まっている
時間の自由がある空いた時間を、資格の勉強、アルバイト、好きな分野の活動、体調を整えることに使える
やり直しがしやすい前の高校の単位や在籍期間を引き継げるので、転入・編入でも3年で卒業を目指せる
多様な生徒がいる年齢も背景もさまざま。全日制の「同じ年齢の集団」が合わなかった人にとって居心地がよい場合も

ただし、自由には裏返しもあります。自分で動かないと何も進まないので、レポートがたまってしまう人もいます。だからこそ、担任の声かけや学習支援がある学校、通学日を選べる学校が選ばれるようになってきました。

4人の高校生が大きな紙に付箋を並べてプロジェクトについて話し合っている様子
空いた時間を、プロジェクトや好きな分野の活動に使う生徒もいます。

大学や企業からはどう見られる?

「大学や会社から低く見られるのでは」という不安は、保護者の方からもよく聞かれます。制度の面から確認しておきましょう。

  • 大学:学校教育法では、高等学校を卒業した人に大学入学の資格があると定めています。全日制か通信制かで、出願資格は変わりません。総合型選抜や学校推薦型選抜では、評定や活動の記録、志望理由などが見られます。
  • 企業:厚生労働省は「公正な採用選考」として、応募者の適性・能力に基づいた基準で選考するよう事業主に求めています。高校卒業という学歴は、課程にかかわらず同じです。

もちろん、個々の面接官がどんな印象を持つかまでは、制度では決められません。だからこそ、面接で「なぜ通信制を選んだのか」「その時間で何をしたのか」を自分の言葉で話せることが、いちばんの強みになります。通信制から大学を目指す方法は通信制高校から大学受験で、推薦の仕組みは通信制高校の指定校推薦で詳しく解説しています。

周りにどう説明する?言葉の選び方

親せきや友だち、近所の人に「通信制ってどうなの?」と聞かれたとき、うまく説明できずにモヤモヤする人も少なくありません。次のような言い方を参考にしてみてください。

聞かれること答え方の例
「通信制って高校なの?」「普通の高校と同じで、卒業すれば高校卒業の資格になるよ」
「ちゃんと卒業できるの?」「レポートとスクーリングと試験で単位を取るよ。自分で計画を立てて進めてる」
「なんで通信制にしたの?」「自分のペースで学べるから」「やりたいことに時間を使いたいから」など、本人の言葉で
「将来大丈夫なの?」「大学も専門学校も同じように受けられるよ。進路の相談もできる」

全部を説明する必要はありません。言いたくないことは「自分に合う学び方を選んだ」とだけ伝えれば十分です。保護者の方は、本人の前で通信制を否定するような会話を避けるだけでも、本人の安心につながります。

保護者の方へ:自分の中のイメージと向き合う

お子さんから「通信制に行きたい」と聞いたとき、驚いたり、心配になったりするのは自然なことです。その気持ちの中には、自分が学生だったころの通信制高校のイメージが混ざっているかもしれません。

まずは、この記事のような公的なデータや、学校の説明会で今の姿を確かめてみてください。そのうえで、「どうして通信制がいいと思ったの?」と本人の理由を聞いてみると、学校に求めていることが見えてきます。イメージで反対する前に、一緒に調べる。それだけで、本人にとっては大きな支えになります。

イメージに振り回されないための確かめ方

通信制高校は学校ごとの差がとても大きいので、「通信制高校」というひとくくりのイメージで判断するのはもったいないことです。次の3つで、自分の目で確かめてみてください。

  1. 公的な情報を見る。学校基本調査や文部科学省の資料で、制度と数字を確認します。
  2. ふだんの日に見学する。イベントの日ではなく、授業がある日の生徒と先生の様子を見ます。
  3. 具体的に質問する。スクーリングの場所と日数、年間の総額、担任の連絡頻度、進路の内訳などを聞きます。

学校の比べ方は通信制高校の選び方でチェックリストにまとめています。

秋の並木道を前を向いて歩く高校生の女子
イメージより、自分に合うかどうか。確かめてから選べば大丈夫です。

NIJIN高等学院(ニジ高)について

私たちNIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制サポート校です。担任がつき、レポートや生活のペース、進路の相談を一緒に進めます。全国の仲間とのプロジェクトや行事もあり、カメラとマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。

正直な注意点も書いておきます。ニジ高そのものは高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、提携校のスクーリングへの参加が必要です。費用は提携校の分とニジ高の分がかかり、ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内で公開しています。イメージではなく、実際の学び方と費用を見て判断していただければと思います。

明るいリビングでヘッドホンをつけてオンライン授業を受ける高校生

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よくある質問

Q. 通信制高校のイメージは悪いのですか?

世代で分かれています。民間の調査では、親世代(学生時代の印象)の7割超が「良くない」と答えた一方、10代は「良い」が多数でした。回答者の7割以上が「偏見や誤解がある」と感じており、実態が知られていないことが大きな原因と考えられます。

Q. 通信制高校の卒業は、全日制と同じ扱いですか?

同じです。通信制高校は学校教育法にもとづく高等学校で、卒業すれば全日制と同じ高等学校卒業の資格になります。大学・専門学校の受験資格も同じです。

Q. 通信制高校は就職に不利ですか?

学歴は全日制と同じ高校卒業です。厚生労働省は、応募者の適性・能力に基づいて選考する「公正な採用選考」を事業主に求めています。2024年度の通信制卒業生の19.5%が就職しています。

Q. 通信制高校に通う人は増えていますか?

増えています。文部科学省の学校基本調査では、2026年度(速報値)の生徒数は31万1,792人で過去最多でした。高校生のおよそ10人に1人が通信制で学んでいる計算です。

Q. 通信制高校は怪しい学校が多いと聞きますが?

2015年に就学支援金の不正受給事件があったのは事実です。その後、国はガイドラインの策定や広域通信制高校の点検調査、2026年の法改正などで質の確保を進めています。見学でスクーリングの実施状況や情報公開を確かめると安心です。

まとめ:イメージより、今の通信制高校を見て決めよう

通信制高校のイメージは、親世代と10代で大きく違います。けれど数字で見ると、今の通信制高校は高校生のおよそ10人に1人が通う、全日制と同じ卒業資格が得られる学校です。「楽に卒業できる」「就職に不利」といったイメージは、制度を知るとかなり違って見えてきます。

一方で、自由だからこそ止まってしまう人がいることや、学校ごとの差が大きいことも本当です。だからこそ、ひとくくりのイメージではなく、1校ずつ自分の目で確かめることが大切です。本人が「ここなら続けられそう」と思える学校に出会えれば、周りのイメージは後からついてきます。

行事の準備を和やかに進める高校生たち
イメージではなく、今の学び方を見て決める。

オンライン中心の通信制サポート校、NIJIN高等学院

担任がつくカメラ・マイクはオフでOK全国・海外から参加保護者だけの相談もOK

まだ何も決めていない段階でも大丈夫です。

あわせて読みたい

参考:文部科学省「令和8年度学校基本統計(学校基本調査の結果)速報値」(2026年8月)/文部科学省「高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律の背景及び概要について」(2026年8月)/文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」関連通知/厚生労働省「公正な採用選考の基本」/学校教育法(e-Gov法令検索)/株式会社プレマシード「通信制高校に対する認識調査」(2026年7月)(いずれも2026年10月確認)

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