山口県 通信制高校|本校8校・公立は松風館1校。拠点44件【2026】

山口県で通信制高校を探していると、学校の名前はいくつも出てくるのに、どこに本校があって、スクーリングはどこで受けるのか、いくらかかるのかが分からないまま時間だけが過ぎていきます。岩国から下関まで県土が東西に長いぶん、通える場所かどうかで選択肢が変わってしまうのも、山口県で探すときの難しさです。

この記事は、山口県教育委員会・山口県立山口松風館高等学校・各校の公式サイト・文部科学省の掲載データという一次情報だけを開いて、2026年9月時点で確かめられたことをまとめたものです。県内に本校がある学校の数、県立のスクーリング会場と費用、県内で通える拠点の数と場所、山口県の給付金の額、そして県の相談窓口まで、まとめサイトには載っていない形で並べました。

学校を決めるのは、まだ先でかまいません。まずは、手が届く範囲にどんな場所があるのかを知るところから始めてください。

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目次

結論:山口県 通信制高校の早見

  • 山口県内に本校がある通信制高校は8校。公立は山口県立山口松風館高等学校の1校だけで、残る7校は私立です(文部科学省の掲載データ・令和8年4月1日時点)。
  • 県立のスクーリング会場は県内5か所。山口松風館(山口市小郡)のほか、岩国商業東分校・徳山・下関双葉・萩の4校が通信教育連携協力施設です。
  • 県立の授業料は1単位100円、入学検定料は100円。学校の案内では教科書代などを含めて年間2〜3万円が目安と説明されています。
  • 公立の出願は春と秋の年2回。受付日に面接と作文があり、事前の説明会への参加が望ましいとされています。
  • 県内で通信制高校の拠点として届け出られている場所は44件。うちスクーリングができる面接指導等実施施設が27件、学習支援中心の学習等支援施設が17件です。
  • お金は就学支援金と、山口県の奨学のための給付金の2本立てで見ます。県立の通信制で非課税世帯なら年額50,500円(令和8年度)。
  • 山口県の小中学生の不登校は1,000人あたり39.0人(令和6年度)。県は令和9年度に19人という目標を掲げ、相談窓口を無料で開いています。
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山口県内に本校がある通信制高校は8校。公立は山口松風館の1校だけです

まず、いちばん知りたい「山口県にはどんな学校があるのか」から整理します。文部科学省の通信制高等学校情報発信サイトの掲載データ(令和8年4月1日時点)で、本校の住所が山口県内にある通信制高校を数えると8校でした。公立は山口県立山口松風館高等学校の1校で、あとの7校はすべて私立です。

学校名区分本校の所在地在籍生徒数
山口県立山口松風館高等学校公立・狭域山口市小郡令和1,249人
精華学園高等学校私立・広域山口市小郡栄町3,392人
松陰高等学校私立・広域岩国市錦町宇佐郷1,902人
聖光高等学校私立・狭域光市光井180人
誠英高等学校私立・狭域防府市東三田尻140人
長門高等学校私立・狭域長門市東深川51人
成進高等学校私立・狭域美祢市大嶺町東分41人
萩明倫館高等学校私立・広域萩市東椿東23人

広域と狭域という言葉が出てきました。広域は3つ以上の都道府県から生徒を受け入れられる学校、狭域はおおむね学校のある都道府県とその隣あたりに区域を限った学校です。山口県で広域なのは精華学園・松陰・萩明倫館の3校で、残る5校は山口県を中心とした区域で募集しています。県立の山口松風館も、通信教育を行う区域は山口県内と公表されています。

在籍生徒数を見ると、精華学園3,392人・松陰1,902人・山口松風館1,249人の3校で、県内に本校がある学校の在籍者の大半を占めています。一方で萩明倫館23人・成進41人・長門51人のように、在籍者が数十人という規模の学校もあります。規模が小さいことは悪いことではなく、人数が少ないぶん先生との距離が近い場合もあります。ここは実際に説明を聞いて確かめるところです。

出典:文部科学省 通信制高等学校情報発信サイトの掲載データ(令和8年4月1日時点、在籍者数は入学式の日時点)を集計。2026年9月23日確認。

県立山口松風館のスクーリングは、県内5会場から選べます

山口県で公立の通信制を考えるとき、山口松風館まで毎回通うのかという不安がいちばん大きいところだと思います。ここが山口県の良いところで、日曜スクーリングは県内5か所の高校を会場にして行われています。自宅から近い会場を選べるため、県の東の端の岩国市でも、西の端の下関市でも、県庁所在地まで出なくて済む形になっています。

スクーリング会場所在地定員
山口県立山口松風館高等学校(本校)山口市小郡令和3-6-18収容定員1,600人
山口県立岩国商業高等学校東分校岩国市日の出町1-60150人
山口県立徳山高等学校周南市鐘楼町2-50200人
山口県立下関双葉高等学校下関市後田町4-25-1200人
山口県立萩高等学校萩市堀内132100人

日曜スクーリングはこの5会場、火曜スクーリングは山口松風館高校のみで行われています。1時限は9時から9時50分まで、昼食をはさんで6時限まであり、終わりは15時35分または15時55分です(令和8年度後期の時間割)。学校のQ&Aでは、どの時限からも参加できると説明されています。体調に波があるときに、午後の時限から出るという使い方ができるということです。

単位を取るには、スクーリングに必要な回数以上出ること、レポートが最終回まで合格すること、テストに合格することの3つがそろう必要があります。必要な出席回数は科目ごとに決まっているので、「月に2〜3回行けばよい」と一律に考えず、時間割と必要回数を見ながら計画を立てる形になります。テストが不合格でも、再テストを2回まで受けられます。

卒業の条件は、3年以上の在籍・74単位以上の修得・特別活動に30時間以上の出席の3つです。順調に進めば3年で卒業できますが、4年以上かけてゆっくり進めることもできる、と学校自身が案内しています。

出典:山口県立山口松風館高等学校 通信制(2026年9月23日確認)。

山あいの小さな駅のホームで電車を待つ高校生
通信制はスクーリングの回数が少なく、遠方からでも通いやすい仕組みです

県立の授業料は1単位100円。申請すれば原則として支払いは要りません

お金の話は、はっきりした数字で見たほうが安心できます。山口松風館の通信制が公表している費用は次のとおりです。

費目額備考
入学検定料100円山口県収入証紙を願書に貼って納入
授業料1単位100円受講する単位数に応じて計算
育成会費・生徒会費・スポーツ振興センター2,552円年額
教科書・学習書代受講科目による上記と合わせて年間2〜3万円が目安

国の就学支援金は公立の通信制で1単位336円が上限です。授業料は都道府県の条例で決まり、山口県立は1単位100円です。通信制高校 安いという観点で見ても、山口県の公立はかなり負担の軽い部類に入ります。

さらに山口県は、令和8年度から就学支援金制度および高校生等・新修学支援金制度の申請をした場合、県立高校の授業料は原則として支払いの必要がないと案内しています。つまり、実際にかかるのは教科書代と諸経費が中心ということになります。ただし交通費・スクーリングの日の昼食代・レポート郵送などは別に必要です。

私立を選ぶ場合の目安も1つ挙げておきます。岩国市に本校がある松陰高等学校は、入学金なし・授業料1単位12,000円(年間8単位以上)・施設設備費36,000円・教育運営費50,000円・入学検定料10,000円と公表しています(教育充実費は各学習センターに問い合わせ)。公立と私立では桁が変わるので、家計の見通しは早めに立てておくと落ち着いて選べます。

※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

山口県立山口松風館高等学校の通信制は入学検定料100円・授業料1単位100円・諸経費2,552円で、教科書代を含めて年間2〜3万円が目安であることを示す図
出典:山口県立山口松風館高等学校 通信制(2026年9月23日確認)

公立の出願は春と秋の年2回。受付日に面接と作文があります

山口県の公立通信制は、全日制とは別の日程で動きます。山口県教育委員会が公表している令和8年度の通信制課程入学者選抜実施要領では、次のようになっていました。

区分願書の受付日(令和8年度)検査
春季募集3月16日・17日・18日・24日・25日受付日のうち登校した日に面接と作文
秋季募集8月20日・21日同上
受付時間各日13時〜14時提出先は山口松風館高校長

応募できるのは、中学校の卒業者、その年の3月に中学校を卒業見込みの人、学校教育法施行規則第95条に当たる人です。提出書類は入学願書・調査書(中学校出身者)または成績証明書(中学校以外の出身者)・写真4枚・本人だけの住民票・返信用封筒で、入学試験料は山口県収入証紙100円です。

大事なのは、出願の前に説明を受けることが望ましいとされている点です。春季募集の説明会は前年の12月から、秋季募集の説明会は6月下旬から、山口松風館の通信制で行われます。電話予約制で、1回あたり12組程度という案内も学校のページに出ていました。学校のページでは、令和9年度の春季募集の説明会予約は12月1日から開始予定と告知されています。

なお、2026年9月23日時点で、山口県教育委員会のサイトに令和9年度の通信制課程入学者選抜実施要領はまだ掲載されていませんでした。令和9年度の入学者選抜実施大綱(2026年7月7日更新)は全日制・定時制の日程を定めたもので、通信制課程の日程は別の要領で後から示されます。ただし同じページに載っている令和9年度の入学定員では、通信制課程(山口松風館・普通科)の定員は400人と示されています。日程は年度ごとに変わるので、最新の要領が出たらご自身の目で確かめてください。

転入学・編入学については、学校のQ&Aで、転入学は現在高校に在籍している人が対象、編入学は高校を中途退学した人が対象と説明されています。前の学校で取った単位のうち条件を満たすものは、卒業に必要な単位として認められます。退学する前か後かで扱いが変わる点は、通信制高校 転入の記事で詳しく書いています。

出典:山口県 令和8年度山口県公立高等学校通信制課程入学者選抜実施要領/令和9年度山口県公立高等学校入学者選抜〈実施大綱〉(2026年9月23日確認)。

私立7校は、広域と狭域で通える範囲がはっきり変わります

私立を見るときは、学校の名前より先に「自分が応募できる区域か」を確かめると早いです。広域の3校は全国から在籍できますが、狭域の学校は住んでいる場所で応募できるかが決まります。

山口市小郡栄町に本校がある精華学園高等学校は広域通信制・単位制で、在籍生徒数は3,392人と県内で最も多い学校です。県内には宇部市に3か所、周南市に1か所の学習センターが面接指導ができる施設として届け出られており、山口本校では一定の基準を満たす生徒向けの特待制度も案内されています。通学の頻度や時間割はコースによって違うので、資料か説明会で確かめてください。

岩国市錦町宇佐郷に本校がある松陰高等学校は広域通信制・単位制で、転入生は随時、編入生と新入生は4月と10月が出願時期と公表しています。新卒生の受付は毎年12月1日からです。岩国市麻里布町には岩国学習センターがあり、ここは面接指導ができる施設として届け出られています。

美祢市の成進高等学校は、公式サイトで月に2〜3回程度のスクーリングと案内し、募集は原則として4月と10月としています。中学校を卒業したばかりの人から年配の方まで、さまざまな年齢の生徒が学んでいるという書き方をしています。光市の聖光高等学校、防府市の誠英高等学校、長門市の長門高等学校、萩市の萩明倫館高等学校も、それぞれ通信制課程を置いています。狭域の学校は募集の区域や条件が学校ごとに違うので、資料を取り寄せるか電話で確かめるのが確実です。

お隣の県まで視野を広げたい場合は、広島 通信制高校や島根 通信制高校も合わせて見てみてください。岩国市からは広島県、萩市からは島根県のほうが近いという家庭も実際にあります。

自宅の窓辺の机でレポートを書く高校生
レポートは自宅で進め、決められた日にスクーリングへ行きます

山口県内で通える拠点は44件。スクーリングができるのは27件です

ここが、まとめサイトの学校一覧では見えない部分です。本校が県内になくても、学習センターやキャンパスという形で県内に拠点を置いている学校があります。文部科学省の掲載データで、山口県内の住所で届け出られている通信教育連携協力施設を数えると44件ありました。内訳は、スクーリング(面接指導)ができる面接指導等実施施設が27件、学習支援などを行う学習等支援施設が17件です。

市町拠点の数うち面接指導ができる
下関市12件7件
山口市8件5件
宇部市7件6件
岩国市6件4件
周南市5件4件
萩市1件1件
防府市・下松市・長門市・山陽小野田市・和木町各1件0件

数え方に1つ注意があります。44件は届け出の件数で、建物の数ではありません。たとえば山口市小郡のYIC情報ビジネス専門学校と、同じく小郡のトライ式高等学院新山口キャンパスは、それぞれ2つの高校から拠点として届け出られています。同じ建物をまとめると、実際の建物は40か所(面接指導ができる建物25か所・学習等支援だけの建物15か所)になります。県内でいちばん拠点の多い下関市の内訳は、下関 通信制高校の記事に詳しくまとめています。こうした重なりは、まとめサイトの一覧では拾えないところです。

面接指導等実施施設には、高校・大学・専門学校がそのまま会場になっている例が目立ちます。下関市では立修館高等専修学校・東亜大学・下関短期大学付属高等学校、周南市では徳山大学、岩国市では岩国YMCA国際医療福祉専門学校、宇部市では専門学校YICリハビリテーション大学校などが届け出られています。山口市中央には、広域通信制高校の会場になっている個別指導塾の教室もあります。山口市内の6か所と、新山口・山口駅からの通い方は山口市 通信制高校の記事にまとめています。

つまり、県東部(岩国・周南)、中部(山口・宇部・防府)、西部(下関)のどこに住んでいても、通える範囲に何らかの拠点がある可能性が高いということです。逆に、萩市・長門市・美祢市など県北部は拠点が少なく、移動時間が長くなりがちです。県北部にお住まいなら、オンライン中心で完結できる学び方を早めに検討に入れておくほうが現実的です。

出典:文部科学省 通信制高等学校情報発信サイト 掲載データ(令和8年4月1日時点)より集計、2026年9月23日。

山口県内にある通信制高校の拠点44件のうち、面接指導ができる施設は27件、それ以外の学習等支援施設は17件で、下関市・宇部市・山口市に多いことを示す比較表
出典:文部科学省 通信制高等学校情報発信サイト 掲載データ(令和8年4月1日時点)より集計

山口県で通えるサポート校は、提携する通信制高校とセットで選びます

「通信制サポート校」で探している方に向けて、ここを分けて書きます。サポート校は高校ではありません。高校の卒業資格は在籍する通信制高校で取り、サポート校はその学習や生活を支える役割です。費用は通信制高校の分とサポート校の分の両方がかかり、就学支援金はサポート校の費用には使えません。仕組みの全体像は通信制サポート校とはで整理しています。

山口県内で、通信制高校の学習等支援施設として届け出られている場所は17件(建物は16か所)です。すべてが世間でいうサポート校というわけではありませんが、どの高校とつながっている場所なのかが公のデータで分かるという点で、選ぶときの手がかりになります。

施設名市町届け出ている通信制高校
トライ式高等学院新山口キャンパス山口市鹿島学園高等学校・鹿島朝日高等学校
鹿島朝日高等学校 連携 山口キャンパス山口市鹿島朝日高等学校
鹿島朝日高等学校 連携 宇部キャンパス宇部市鹿島朝日高等学校
鹿島朝日高等学校 連携 周南キャンパス周南市鹿島朝日高等学校
鹿島朝日高等学校 連携 防府キャンパス防府市鹿島朝日高等学校
鹿島朝日高等学校 連携 下関キャンパス下関市鹿島朝日高等学校
KG高等学院岩国駅前キャンパス岩国市鹿島朝日高等学校
下関SHIP下関市明誠高等学校
KCP学習センター KATEKYO下関校下関市並木学院高等学校
阿波塾 長門KCP学習センター長門市並木学院高等学校
ASA学習館山陽小野田市並木学院高等学校
松陰塾 下松校下松市萩明倫館高等学校
松陰塾 下関・勝谷校下関市萩明倫館高等学校
松陰塾 和木校和木町萩明倫館高等学校
夢未来高等学院山口校下関市こころ未来高等学校
松下村塾岩国市八洲学園大学国際高等学校

この表で見てほしいのは、下関市と山口市に集まっていること、そして高校ごとに提携先の顔ぶれが違うことです。「この教室に通いたい」から入ると、在籍する高校が自動的に決まります。逆に「この高校に入りたい」から入ると、通える教室が限られます。どちらから決めるかを先に決めておくと、見学の順番が整理できます。

見学のときに聞いておきたいのは、開いている曜日と時間、1回あたり何人くらいがいるのか、費用の総額(入会金・月謝・教材費・通信制高校の学費を含めて年間いくらか)、そして在籍する通信制高校のスクーリングにどこまで付き添ってくれるかの4点です。ここが曖昧なままだと、入ってから負担が増えます。下関市内のサポート校の教室と、提携する通信制高校の組み合わせは、下関市 通信制サポート校の記事で駅ごとに整理しています。

お金は就学支援金と山口県の給付金の2本立てで見ます

授業料を軽くする制度は国の就学支援金、教科書代など授業料以外を助ける制度は都道府県の奨学のための給付金です。2つは別の制度なので、両方を確かめてください。

就学支援金は、2026年度から所得制限がなくなりました。私立の通信制は1単位13,668円・年間337,200円までが上限、公立の通信制は1単位336円です。支給期間は在学月数で数え、通信制は4分の3換算で実質48か月分。対象は授業料だけで、サポート校の費用には使えません。

そのうえで、山口県の奨学のための給付金(令和8年度)は次の額です。通信制は全日制と額が違うので、見間違えないようにしてください。

世帯の区分国公立の通信制私立の通信制
非課税世帯年額50,500円年額52,100円
所得割額105,500円未満年額16,830円年額17,370円
所得割額182,500円未満年額12,630円年額13,030円
生活保護(生業扶助)世帯年額32,300円―

申請期間も分かれていて、国公立向けは令和8年7月1日から8月4日まで、私立向けは令和8年7月1日から9月30日までと案内されています。年度ごとに変わるので、在籍する学校から配られる案内を見落とさないようにしてください。

出典:山口県 奨学のための給付金制度のお知らせ(国公立高等学校向け)/同(私立高等学校等向け)(どちらも2026年7月1日更新・2026年9月23日確認)、文部科学省 高等学校等就学支援金制度。

山口県で起きやすい落とし穴は、会場までの距離と自学自習の壁です

山口県で通信制を選んだあと、つまずきやすいところを3つ挙げます。どれも事前に分かっていれば手が打てます。

1つ目は、会場までの移動です。県立の日曜スクーリングは5会場から選べますが、それでも県北部の萩市・長門市・阿武町や、島しょ部からは片道の時間がかかります。日曜の朝に片道1時間以上の移動が続くと、体調に波がある生徒には重い負担になります。会場を決める前に、実際の時刻表で往復の時間を数えておいてください。

2つ目は、自学自習の壁です。山口松風館の通信制は、自学自習が基本になるため、これが思うように進まないと卒業に何年もかかる場合があると、学校自身がQ&Aで正直に書いています。レポートは科目ごとに回数が決まっていて、提出が滞ると単位が取れません。公立の費用の安さは大きな魅力ですが、日々の伴走は自分と家庭で用意する前提になります。

3つ目は、費用の二重計上です。サポート校を併用する場合、通信制高校の学費とサポート校の費用の両方がかかります。就学支援金はサポート校の分には使えません。年間の合計でいくらになるのかを、最初の面談で紙に書いて確かめてください。

もう1つ、数字の見方についても書いておきます。通信制高校の在籍者は全国で306,711人(2025年3月31日時点)、2025年度の入学者77,998人のうち中学3年のときに不登校だった生徒は44,461人、57.0%にのぼります。通信制を選ぶことは、もう珍しい進路ではありません。出典は文部科学省 令和7年度通信制高等学校実態調査(2026年8月31日公表)です。

山口県の相談窓口は、学校を決める前でも使えます

進路の話をする前に、いま困っていることを聞いてもらえる場所があります。山口県教育委員会は、令和6年度の小中学生の不登校が1,000人あたり39.0人だったことを公表し、山口県教育振興基本計画で令和9年度に19人という目標を掲げています。あわせて、学校内外の機関で相談・指導を受けている児童生徒の割合を100%にするという目標も置いています(令和6年度は93.7%)。県として、相談につながっていない子どもをゼロにしようとしているということです。

窓口電話受付
子どもと親のサポートセンター(ふれあい総合テレホン)083-987-1240月〜金 8時30分〜17時00分
24時間子供SOSダイヤル0120-0-7831024時間
ふれあいメールsoudan@g.ysn21.jpメール
こどもの人権110番0120-007-110法務省の窓口

子どもと親のサポートセンターは、いじめ・不登校をはじめ、子どもの教育に関する全般的なことを、子ども本人からも保護者からも受け付けています。電話相談のほか、来所相談(要予約)や学校への出張相談もあります。発達に不安や心配がある場合は、同じやまぐち総合教育支援センター内のふれあい教育センターが窓口です。相談は無料です。

山口松風館の通信制にも教育相談のページがあり、在校生や保護者の相談を受け付けています。入学後に困ったときの連絡先を、入学前に確かめておくと安心です。

小中学生のお子さんのことで悩んでいる場合は、オルタナティブスクールという選択肢もあります。NIJINアカデミーのような、オンラインで通える小中学生の居場所も増えています。

出典:山口県 教育相談・相談窓口一覧(2026年5月1日更新)/山口県 不登校対策・対応に向けて(2026年1月13日更新)。2026年9月23日確認。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

ここまで山口県内の学校と拠点を見てきましたが、通える範囲に合う場所が見つからないこともあります。県北部や島しょ部にお住まいの場合は特にそうです。そのときの選択肢の1つが、オンライン中心のサポート校です。

NIJIN高等学院(ニジ高)はオンライン中心の通信制高校サポート校で、山口県からでも、全国どこからでも通えます。担任制で、カメラとマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べる設計で、中学内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。メタバースの校舎で担任や同級生と集まる時間もあります。1クラスは8人で、企業や地域と関わるプロジェクト、生徒が自分たちで企画・運営する行事があり、総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PR講座にも取り組んでいます。途中入学(転入・編入)ができ、出願費用は無料です。

正直に書いておきたいことが4つあります。第一に、ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取ります。第二に、その提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。山口市内の会場で受けられる場合もありますが、形や日程は個別相談会で確かめてください。なお、提携する通信制高校のスクーリングにニジ高のスタッフは付き添いません。ニジ高がするのは日程の調整と準備の支援です。第三に、費用は提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。実額は学費のご案内をご覧ください。第四に、ニジ高の中でのスクーリングはありません。

ニジ高はNIJINアカデミーの高等部でもあり、NIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)全体では、これまでに約1,000名が入学し、現在500名超が在籍しています。不登校の生徒をグループ全体で650名以上サポートしてきました。全国にリアルの教室があり、相談のうえで通うこともできます。

山口県で迷ったときの進め方(3ステップ)

順番を決めておくと、情報に振り回されずに済みます。

ステップ1:通える範囲を地図で確かめる。自宅から山口松風館(山口市小郡)、岩国商業東分校、徳山高校、下関双葉高校、萩高校の5会場それぞれまで、日曜の朝に何時に出て何時に着くかを時刻表で調べます。片道1時間を超える会場しかない場合は、私立やオンライン中心の学び方も候補に入れます。

ステップ2:お金の総額を1枚の紙にする。授業料(公立なら1単位100円、私立なら1単位いくら)、諸経費、教科書代、交通費、サポート校を使うならその費用。ここに就学支援金と山口県の奨学のための給付金を引き算して、年間の持ち出し額を出します。桁が見えると、選択肢が絞れます。

ステップ3:2校以上の説明を実際に聞く。公立は説明会が春季は12月から、秋季は6月下旬からで電話予約制です。私立とサポート校は随時受け付けているところが多いので、同じ質問を2校以上にぶつけて、答え方の違いを見てください。答えにくい質問にどう答えるかに、その学校の姿勢が出ます。

このとき、本人が行けなくても大丈夫です。保護者だけで話を聞きに行って、持ち帰って一緒に考える家庭はたくさんあります。

学校の教室で先生と話す親子
出願の前に、スクーリング会場と日程を学校に確かめておくと安心です
オンラインで学ぶニジ高の生徒

山口から通えるか迷ったら、通い方から相談してみませんか

山口県は東西に長く、会場まで片道1時間を超える地域もあります。ニジ高はオンライン中心のサポート校で、カメラとマイクをオフにしたチャット参加から始められます。掲げているのはオンラインで最高の青春を。全国の仲間とプロジェクトや行事をつくれます。高校ではないため卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングには参加が必要です。

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よくある質問

Q. 山口県の公立の通信制は1校だけですか。

A. はい。山口県内に本校がある公立の通信制高校は、山口県立山口松風館高等学校の1校です(文部科学省の掲載データ・令和8年4月1日時点)。ただしスクーリングは県内5会場で行われているため、通う場所は5か所から選べます。

Q. 山口県立の通信制の学費はいくらですか。

A. 学校の公表では、入学検定料100円、授業料1単位100円、育成会費・生徒会費・スポーツ振興センターで2,552円、これに受講科目に応じた教科書・学習書代が加わり、年間2〜3万円が目安とされています。さらに山口県は、令和8年度から就学支援金などの申請をした場合、県立高校の授業料は原則として支払いの必要がないと案内しています。

Q. 令和9年度(2027年度)の通信制の出願はいつですか。

A. 2026年9月23日時点で、山口県教育委員会のサイトに令和9年度の通信制課程入学者選抜実施要領はまだ掲載されていませんでした。令和8年度は春季募集が3月16日から25日のうち5日間、秋季募集が8月20日・21日でした。学校のページでは、令和9年度春季募集の説明会予約は12月1日から開始予定と告知されています。日程は年度ごとに変わるので、最新の要領で確かめてください。

Q. 萩市や長門市に住んでいます。通える場所はありますか。

A. 萩市内で面接指導ができる拠点は1件で、それが県立のスクーリング会場になっている萩高校です。長門市には学習等支援施設が1件あります。ただし県北部は県中部・西部に比べて拠点が少なく、移動時間が長くなりがちです。オンライン中心で完結できる学び方も、あわせて検討してみてください。

Q. いま別の通信制高校に在籍していますが、サポート校だけ使えますか。

A. できる場合があります。ニジ高は、在籍している通信制高校はそのままで併用することができます。ただし卒業資格・スクーリング・単位・評定(調査書)は在籍する高校のもので、費用は在籍校とニジ高の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。ご自身の在籍校の規定もあわせて確かめてください。

山口で、あなたのペースで続けられる場所を

山口県は東西に長く、住んでいる場所によって選べる学校が大きく変わります。だからこそ、他の家庭の正解がそのまま自分の正解になるとは限りません。今日この記事で確かめてほしかったのは、県内に本校がある学校が8校あること、スクーリングの会場が5か所あること、そして県内44件の拠点のうち27件でスクーリングが受けられることでした。

いま動けなくても、情報だけ持っておけば、動けるようになった日にすぐ使えます。県の相談窓口は無料で、学校を決める前でも話を聞いてもらえます。

高校に行く方法は1つではありません。山口県の中にも、オンラインの先にも、続けられる場所はあります。焦らず、体調と相談しながら、次の1つだけ進めてみてください。

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