「また提出物を出せなかった」「プリントをどこにしまったか分からない」「やりかけの課題がかばんの底で折れていた」。分かっているのに、なぜか出せない。そんな日が続くと、本人も家族も「だらしないから」「やる気がないから」と自分を責めてしまいがちです。
先に結論を書きます。提出物が出せないのは、多くの場合「やる気」ではなく、課題を受け取ってから出すまでの途中の工程で止まっているからです。止まる場所が分かれば、手当ての仕方も変わります。そして、工夫をしても難しいときは、学校に調整を相談できます。2024年4月からは、私立の高校も含めて、障害のある生徒への「合理的配慮」の提供が法律上の義務になりました。
この記事は、文部科学省の「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(令和4年)、中央教育審議会の学習評価の報告、障害者差別解消法と文部科学省の対応指針、発達障害者支援法(e-Gov)、通信制高校の実態調査を実際に開いて確認した内容で書いています。医療的な判断はしません。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書きます。
結論:提出物が出せない高校生の早見
- 提出物は「把握する・しまう・始める・仕上げる・出す」の5つの工程のどこかで止まります。どこで止まるかは人によって違い、効く対策も違います。
- 文部科学省の調査では、公立高校の通常の学級で、学習面や行動面に著しい困難を示すとされた生徒は推定2.2%でした。質問項目には「課題や活動に必要なものをなくしてしまう」「日々の活動で忘れっぽい」が含まれています。
- 提出物がどれだけ成績に響くかは、学校ごとに決まります。国の報告は、挙手の回数のような形式的な活動で「主体的に学習に取り組む態度」を評価しないよう求めています。
- 対策の基本は「覚えておく」をやめて「外に出す」ことです。期限・置き場所・始める時刻を、頭の外の仕組みに任せます。
- 合理的配慮は、障害者手帳を持っている人だけのものではありません。本人が伝えにくいときは、家族が補って伝えることもできます。
- 通信制高校に移っても提出物はなくなりません。レポート(添削指導)の提出が単位の条件になるので、「続けられる仕組み」があるかで選ぶのが大切です。
- 一人で続けるのが難しいときは、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で、担任のいる環境で学びながら通信制高校の卒業をめざす方法もあります。
「分かっているのに出せない」のは、怠けではなく途中の工程で止まっているからです
「提出物を出す」は、ひとつの動作に見えて、実は5つの工程が続いています。先生が配ったことに気づき、期限を把握する。プリントや課題をなくさないようにしまう。取りかかる。最後まで仕上げる。そして、期限までに決められた場所に出す。このどこか1か所で止まれば、結果は同じ「未提出」になります。
周りの大人から見えるのは、最後の「出していない」という結果だけです。だから「なんで出さないの」と責められやすいのですが、本人の中では、たとえば「配られた瞬間は覚えていたのに、放課後には頭から消えていた」「9割できていたのに、最後の1問で止まったまま期限が過ぎた」「できたのに、カバンから出すのを忘れた」など、止まった場所がまったく違います。
| 止まる工程 | よくある様子 | 効きやすい手当て |
|---|---|---|
| 1. 把握する | 配られたことや期限を覚えていない | その場で写真を撮る・期限をカレンダーに入れる |
| 2. しまう | プリントをなくす・どこにあるか分からない | 提出物だけを入れる透明ファイルを1つに決める |
| 3. 始める | 「まだ大丈夫」と思っているうちに期限が来る | 始める時刻と場所を先に決める・最初の5分だけやる |
| 4. 仕上げる | 途中で止まる・完璧にしようとして出せない | 小さく区切る・先生に「ここまで」の線を確認する |
| 5. 出す | できているのに出し忘れる | 出す場所と時刻を決める・出したら記録する |
まずは直近の3回くらいの未提出を思い出して、どの工程で止まったかを本人と一緒に書き出してみてください。責めるための振り返りではなく、手当ての場所を探すための作業です。多くの人は、止まる場所がだいたい同じです。
忘れ物全般の悩みについては発達障害の高校生 忘れ物が多いの記事でも書いています。この記事は「提出物」に絞って、成績と学校への相談まで踏み込みます。

国の調査でも「課題を順序だてられない」「忘れっぽい」は支援が必要な困りごととして数えられています
文部科学省は2022年1〜2月、全国の公立の小学校・中学校・高校の通常の学級で、学級担任などが回答する形の調査を行いました。高校は全日制・定時制の1〜3年生が対象で、はじめて調査に加わりました。
行動面の「不注意」の質問項目には、次のようなものが並んでいます。
- 課題や活動を順序だてることが難しい
- (学業や宿題のような)精神的努力の持続を要する課題を避ける
- 課題や活動に必要なものをなくしてしまう
- 日々の活動で忘れっぽい
提出物が出せない悩みと、ほとんど重なっていることが分かります。調査の結果は次のとおりです(いずれも推定値)。
| 困難の種類 | 小学校・中学校 | 高校 |
|---|---|---|
| 学習面又は行動面で著しい困難を示す | 8.8% | 2.2% |
| 行動面で著しい困難を示す | 4.7% | 1.4% |
| 「不注意」の問題を著しく示す | 3.6% | 0.9% |
| 「対人関係やこだわり等」の問題を著しく示す | 1.7% | 0.5% |
出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(概要)」令和4年12月/同 調査結果の公表ページ(2026年9月確認)
大事な注意があります。文部科学省は、この調査は学級担任などの回答にもとづくもので、医師の診断ではなく、「発達障害のある児童生徒数の割合を示すものではない」と明記しています。この数字で「あなたは発達障害だ」「発達障害ではない」と決めることはできません。
そのうえで見てほしいのが、支援の届き方です。高校で著しい困難を示すとされた生徒のうち、校内委員会で「特別な教育的支援が必要」と判断されていたのは20.3%でした。「個別の教育支援計画」を作っているのは10.5%、授業中に教室内で個別の配慮・支援を行っているのは18.2%、通級による指導を受けているのは5.6%です。文部科学省自身が、高校での通級による指導の充実を図る必要があると書いています。
つまり、困っていても、学校の側から気づいて動いてくれるとは限らないのが高校の現状です。だからこそ、後で書く「こちらから相談する」ことに意味があります。ADHDの特性と高校生活の全体像はADHD 高校生の記事にまとめています。
提出物がどれだけ成績に響くかは学校が決めます。国の方針は「出した回数」だけで態度を測らないことです
「提出物を出さないと評定が1になる」「提出物は平常点に入る」。こうした話をよく聞きますが、全国共通のルールはありません。中央教育審議会の報告(2019年1月)は、観点別学習状況の評価を評定にどうまとめるかについて、評定の決定方法は従来どおり各学校で定めるとしています。
同じ報告は、3つの観点のひとつ「主体的に学習に取り組む態度」について、次のように整理しています。
- 挙手の回数やノートの取り方などの形式的な活動ではなく、自分の学習を調整しながら粘り強く取り組もうとしているかという意思的な側面を評価する。
- 評価の材料として、ノートやレポートなどの記述、授業中の発言、行動観察、自己評価などを考慮する材料の一つとして使うことが考えられる。
- ノートの特定の記述などを取り出して、ほかの観点から切り離して「主体的に学習に取り組む態度」として評価することは適切ではない。
出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」平成31年1月21日(2026年9月確認)
報告には、ヒアリングで大学生が「授業中に寝たらマイナス1点、発言したらプラス1点」のような採点が高校であったと話した記録も載っています。国は、こうした評価を望ましい形とは見ていません。ただし、実際に提出物をどの観点でどれくらい見るかは、学校と先生の評価規準しだいです。
ここから言えるのは2つです。1つは、「提出物を出していない=成績がつかない」と決めつけて、あきらめなくていいこと。もう1つは、自分の学校で提出物がどう扱われるかは、先生に聞けば教えてもらえることです。「この課題はどの観点の材料ですか」「遅れて出した場合はどう扱われますか」と聞くのは、失礼なことではありません。
全日制で単位を落としそうなときの考え方は、通信制の場合も含めて通信制高校 単位 落とすの記事で整理しています。

忘れ物・提出物の対策は「覚える」より「外に出す」。工程別に7つあります
工夫の方向は1つです。頭の中に置いておくのをやめて、目と耳に入る場所に出すこと。根性で覚えようとするほど、忘れたときの自己嫌悪が大きくなります。ここでは、5つの工程に合わせた7つの方法を紹介します。全部やる必要はありません。止まりやすい工程のものから1つだけ試してください。
1. 配られた瞬間にスマホで撮る(把握)
プリントが配られたら、その場で写真を撮ります。期限が書いてあれば、そのままカレンダーアプリに登録し、3日前と前日に通知を入れます。紙をなくしても、写真があれば中身は分かります。授業中にスマホを出せない学校なら、休み時間の最初の1分をこの時間にします。
2. 「提出物ファイル」を1つだけ決める(しまう)
提出物だけを入れる透明なファイルを1つ決めます。色は目立つものにします。教科ごとに分けないのがポイントです。分けるほど「どこに入れたか」を覚える必要が増えるからです。家では、そのファイルの置き場所を玄関や机の上など、毎日通る場所に固定します。
3. 始める時刻と場所を先に決める(始める)
「今日やる」ではなく「夕食の前に、リビングの机で」と、時刻と場所まで決めます。始めるときは「最初の5分だけ」と決めて構いません。止まってしまう人の多くは、始めるまでがいちばん重いからです。タイマーを使うと、終わりが見えて取りかかりやすくなります。
4. 課題を小さく区切り、終わった分に印をつける(仕上げる)
「レポート1本」ではなく、「テーマを決める」「資料を1つ読む」「3行書く」と、1回で終わる大きさに区切ります。終わった部分に線を引くと、進んでいることが目に見えます。完璧にしようとして出せなくなる人は、先生に「どこまで書けば提出として受け取ってもらえるか」を確認しておくと、止まりにくくなります。
5. 「出す場所」まで決めてから家を出る(出す)
完成したら、その日のうちにファイルへ入れ、カバンのいちばん手前に入れます。「朝のホームルームの前に職員室の提出箱へ」と、出す時刻と場所も決めます。オンライン提出の課題なら、完成した時点でその場で送信してしまうのがいちばん確実です。
6. 出したら記録する(全体)
出した課題は、カレンダーの予定を「済」に変えるか、ノートの一覧に線を引きます。出したかどうかがあいまいなまま不安になる時間が減ります。先生から「出ていない」と言われたときも、いつ出したかを伝えやすくなります。
7. 期限を知っている人を1人つくる(全体)
家族、友だち、担任など、期限を共有する人を1人決めます。「◯日の提出があるから、前の日に声をかけてほしい」と頼んでおくだけで、1人で抱える量が減ります。頼むことは甘えではなく、仕組みの一部です。時間の使い方の工夫はADHD 整理整頓 時間管理の記事でも紹介しています。
保護者ができるのは「管理を代わる」ことではなく「仕組みを一緒に作る」ことです
ここからは保護者の方に向けて書きます。
提出物が続けて出ないと、親が毎日カバンを確認し、期限を覚え、声をかけ続けることになりがちです。短い期間ならそれで乗り切れることもあります。ただ、高校生は数年で進学や就職をします。親が全部を覚えている状態は長く続けられず、本人の中にも仕組みが残りません。
おすすめしたいのは、上の7つの方法から1つを選んで、最初の2週間だけ一緒に回すやり方です。たとえば「提出物ファイルを玄関に置く」と決めたら、最初は親も一緒に確認し、慣れてきたら確認の回数を減らしていきます。うまくいかなかったら、本人を責めるのではなく、仕組みのほうを変えます。
声のかけ方も大切です。「なんで出さないの」は、答えようのない質問です。本人も理由が分からないから困っているからです。代わりに「どこで止まった?」「何があれば出せそう?」と、工程と手段を聞く言い方にすると、話し合いが前に進みやすくなります。
そして、家庭の工夫だけで抱え込まないでください。後で書くように、学校には相談の窓口があり、法律にもとづく仕組みもあります。保護者が疲れ切ってしまう前に、学校と役割を分けることを考えてよい段階です。

先生への相談は「出せなかった理由」より「次にどう出すか」を先に伝えると通りやすくなります
提出できなかったとき、黙っているより、早めに伝えるほうが選べる道は増えます。ただ、「すみません、忘れました」だけで終わると、次にどうするかが決まりません。相談するときは、次の順番で伝えると話が進みやすくなります。
- 事実:「◯◯の課題を、期限までに出せませんでした」
- 次の約束:「◯日の朝までに出します。遅れた分の扱いを教えてください」
- 困りごと:「期限を覚えておくのが苦手で、同じことが続いています」
- 相談したいこと:「期限の前にひと声かけてもらうことはできますか」
続けて出せないことが何度もあるなら、1回ずつ謝るよりも、担任や教科の先生と一度まとめて話す時間をもらうほうが効果的です。そのとき、次のような調整を「相談できること」として持っていくと、話が具体的になります。
| 困りごと | 相談できる調整の例 | ねらい |
|---|---|---|
| 期限を忘れる | 期限の前日に一斉連絡や声かけをしてもらう | 把握の工程を外から支える |
| 紙をなくす | 課題を写真やデータでも受け取る・データで提出する | しまう工程をなくす |
| 長い課題で止まる | 途中で一度見てもらう日をつくる | 仕上げる工程を区切る |
| 書くことに時間がかかる | タブレットなどICT機器の使用を認めてもらう | 書く負担を減らす |
| 人前の発表ができない | レポートや録画での代わりを相談する | 評価の材料を別の形で出す |
※表は相談のたたき台です。認められるかどうかや中身は、学校と話し合って決まります。下の2つ(ICT機器の使用、発表の代わりのレポートや録画)は、文部科学省の対応指針に合理的配慮の例として載っているものです。
発達特性が関わっていそうなら、学級担任のほかに「特別支援教育コーディネーター」の先生がいるかを聞いてみてください。文部科学省の対応指針では、相談や配慮の申し出を最初に受ける役として、学級担任と特別支援教育コーディネーターが挙げられています。
合理的配慮は診断書や手帳がなくても相談でき、2024年4月から私立高校も義務になりました
ここで、制度の話を整理します。「合理的配慮」は、障害者差別解消法にもとづく仕組みです。
- 2024年(令和6年)4月1日から、事業者による合理的配慮の提供が「努力義務」から「義務」になりました。国や地方公共団体などの「行政機関等」にも、同じく提供の義務があります。文部科学省の対応指針では、学校法人も「事業者」に含まれると書かれています。公立でも私立でも、高校は合理的配慮を求められる立場です。
- 法律の対象になる障害者は、障害者手帳を持っている人に限られません。発達障害も精神障害に含まれる形で対象です。該当するかは、状況に応じて個別に判断されます。
- 配慮は、本人から「バリアを取り除くための対応が必要だ」という意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で行われます。本人が伝えにくい場合は、家族などが本人を補って伝えることも意思の表明に含まれます。
- 中身は、学校と本人・保護者が話し合って決めます(建設的対話)。決まった配慮は「個別の教育支援計画」に書いておくことが重要とされ、進学や転校のときには引き継ぐことが必要とされています。
- 不当な扱いの例として、試験などで合理的配慮を受けたことを理由に、評価の対象から外したり、評価に差をつけたりすることが挙げられています。
出典:内閣府 リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」/文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針(令和6年4月1日施行)(2026年9月確認)
一方で、合理的配慮には限りもあります。対応指針は、教育の目的や内容の本質を変えることまでは求められないという考え方を示しています(例として、大学で卒業要件を変えて単位を認めてほしいという要望を断る場合が載っています)。「提出物をなしにする」ではなく、「出せる形に整える」方向で相談すると、話がまとまりやすいでしょう。
もう1つの法律が発達障害者支援法です。第8条は、国と地方公共団体に、発達障害のある子どもが特性をふまえた十分な教育を受けられるよう、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成の推進などを求めています。この条文は、18歳以上でも高校に在学している人を含むと書いています。
学校との話し合いだけでは進まないときや、診断を受けるかどうかを迷うときは、都道府県などの発達障害者支援センター(同法第14条)に相談する方法もあります。本人と家族からの相談に応じ、情報提供や助言を行う機関です。
出典:発達障害者支援法 第2条・第8条・第14条(e-Gov)(2026年9月確認)
申し出の具体的な手順は合理的配慮 申請の記事で書いています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

通信制高校に移っても提出物はなくなりません。レポートの提出が単位の条件になります
「今の学校では提出物が追いつかないから、通信制高校なら楽になるのでは」と考える方もいると思います。ここは正直に書いておきます。通信制高校は、むしろ提出物が学びの中心になる学校です。
通信制高校の単位は、添削指導(レポート)、面接指導(スクーリング)、試験の3つで修得します。高等学校学習指導要領では、国語・地理歴史・公民・数学の科目は1単位につき添削指導3回が標準とされています。たとえば2単位の科目なら、標準で6回のレポートを出すことになります。文部科学省の令和7年度の実態調査では、「現代の国語」の1単位あたりの添削指導回数を3回(標準回数)としている学校が、323校中322校でした。
| 項目 | 全日制高校 | 通信制高校 |
|---|---|---|
| 提出物の位置づけ | 評価の材料の一つ(扱いは学校ごと) | レポートの提出が単位修得の条件の一つ |
| 提出のペース | 授業ごとに細かく出る | 科目ごとに決まった回数を期限までに出す |
| 毎日の登校 | あり | コースによる(年数日〜週5日) |
| つまずいたときの気づかれやすさ | 毎日会う先生がいる | 自宅学習が長いと気づかれにくい |
出典:文部科学省「通信制高校に関する関係法令等(抜粋)」(高等学校学習指導要領 第1章第2款5)/文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年9月確認)
それでも通信制高校が合う人はいます。毎日の細かい提出が重なるのではなく、科目ごとに決まった回数を、自分のペースで区切って進められるからです。オンラインで提出できる学校なら、「紙をなくす」「出し忘れる」という工程そのものが減ります。
一方で、同じ調査では、レポートは出していても、スクーリングに1日も来ていない生徒が8,097人いました。その理由として最も多かったのは「心身に関すること」です。自宅で学ぶ時間が長いほど、つまずきに周りが気づきにくくなります。通信制高校を選ぶなら、「レポートが止まったとき、誰がどう声をかけてくれるか」を入学前に聞いておいてください。
レポートの出し方の実際は通信制高校 レポートの記事で、発達特性に合う学校の比べ方は発達障害 高校 選び方の記事で紹介しています。
よくある誤解:「厳しくすれば出せる」「診断がないと相談できない」はどちらも違います
提出物の悩みには、周りも本人も信じ込みやすい思い込みがいくつかあります。
- 「厳しく叱れば出せるようになる」:止まっている工程に手当てがないまま叱っても、同じ場所でまた止まります。叱られる回数が増えるほど、先生に相談しにくくなるという逆効果もあります。
- 「診断や手帳がないと相談できない」:障害者差別解消法の対象は手帳の所持者に限られません。診断の有無にかかわらず、困っていることを学校に相談すること自体はできます。
- 「配慮を受けたら成績で不利になる」:文部科学省の対応指針は、合理的配慮を受けたことを理由に評価で差をつけることを、不当な扱いの例として挙げています。
- 「提出物ゼロの科目はもう取り返せない」:扱いは学校ごとです。遅れて出したものをどう見るか、ほかの材料でどう評価するかは、先生に聞いてみないと分かりません。
- 「通信制に行けば提出物から解放される」:上で書いたとおり、通信制高校ではレポートの提出が単位の条件です。楽になるかどうかは、支えの仕組みがあるかで決まります。
もう1つ気をつけたいのは、提出物の失敗が続くことで、「どうせ自分はできない」という気持ちが強くなり、学校に行くこと自体がつらくなる流れです。提出物の問題が、登校の問題に広がる前に、周りの大人に打ち明けてほしいと思います。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
工夫をしても、相談をしても、今の学校の提出のペースが合わない。そう感じたときは、学ぶ場所の形を変えることも選択肢になります。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、自宅から参加できます。担任制で、カメラ・マイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。生活のリズムに波があっても学べるよう、中学の内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。途中からの転入・編入もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。
そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高は高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
- 提出物がなくなるわけではありません。単位のためには、提携する通信制高校のレポートを出す必要があります。レポートの進め方をどう支えてもらえるかは、入学前の相談で具体的に確認してください。
- 学院の中でのスクーリングはありませんが、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。その準備と参加を支援します。
- 費用は、通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
今の学校で受けている配慮がある場合は、どこまで引き継げるかも含めて、入学前に個別に確認してください。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- ステップ1:止まる工程を1つ見つける。直近の未提出を3つ思い出し、「把握・しまう・始める・仕上げる・出す」のどこで止まったかを書き出します。対策は、その工程のものを1つだけ選びます。
- ステップ2:自分の学校での扱いを聞く。担任や教科の先生に、提出物がどの評価の材料になるか、遅れて出したものはどう扱われるかを聞きます。続けて出せないときは、特別支援教育コーディネーターの先生も交えて、調整の相談をします。
- ステップ3:それでも合わなければ、学び方の形を比べる。今の学校の中での調整、転校、通信制高校、サポート校の併用などを並べて、「提出までを支えてくれる人がいるか」で比べます。決める前の段階でも、話を聞くだけで状況が整理できることがあります。
学校選びの前に今の状況を話してみたい場合は、個別相談会もご利用いただけます。


担任のいるオンラインの学び方もあります
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。担任制で、カメラオフ・チャット参加から始められます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、レポートの提出とスクーリングへの参加が必要です。今の配慮をどう引き継げるかも含めてご相談ください。
よくある質問
A. この記事で判断することはできません。提出物が出せない理由には、特性のほかにも、体調、睡眠、心の不調、課題の量など、さまざまなものがあります。文部科学省の調査でも、学級担任の回答による数字は発達障害の割合を示すものではないと明記されています。気になる場合は、医療機関や発達障害者支援センターに相談してください。
A. 全国共通のルールはありません。中央教育審議会の報告では、評定の決定方法は各学校で定めるとされています。提出物がどの観点の材料になり、遅れた提出がどう扱われるかは、担任や教科の先生に確認してください。
A. 相談すること自体はできます。障害者差別解消法の対象は障害者手帳の所持者に限られず、個別に判断されます。どのような調整になるかは、学校との話し合いで決まります。
A. できます。文部科学省の対応指針では、本人が意思を伝えにくい場合に、家族などが本人を補って伝えることも意思の表明に含まれるとされています。ただ、何に困っていて何があれば出せるのかは、できるだけ本人の言葉も交えて伝えるのがおすすめです。
A. 学校によって違います。通信制高校ではレポートの提出が単位の条件で、提出の回数や期限は学校ごとに決まっています。入学前に、提出の方法(郵送かオンラインか)、期限に遅れたときの扱い、止まったときの声かけの仕組みを確認してください。
出せなかった日が続いても、あなたの価値が下がったわけではありません
提出物が出せない日が続くと、「自分はだめだ」という気持ちが積み重なっていきます。でも、出せなかったのは、あなたの価値が低いからではありません。どこかの工程に、まだ手当てがないだけです。
止まる場所が分かれば、仕組みで補えます。仕組みで足りなければ、学校に相談できます。それでも合わなければ、学ぶ場所の形を変えることもできます。どれも今日決めなくて大丈夫です。まずは、次の1枚のプリントを写真に撮るところから始めてみてください。

提出物のことで迷っている段階の相談から受け付けています
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。
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