通信制高校でレポートが間に合わなかったり、スクーリングを休んでしまったり、単位認定試験の点数が届かなかったりすると、頭に浮かぶのは「これで卒業できなくなるのか」という不安だと思います。学年制の高校と違って、通信制の単位はどう数えられているのか、落とした科目はいつ取り直せるのか、公式の説明はあまり見かけません。
先に結論を書きます。単位を1つ落としても、卒業そのものが消えることはありません。通信制の卒業の条件は「3年以上の在籍」と「74単位以上の修得」と「特別活動30単位時間以上」の3つで、学年ごとの合否ではなく積み上げで判定されるからです。変わるのは、やり直しにかかる時間と、就学支援金がどれだけ残るかです。
この記事は、e-Gov で学校教育法・学校教育法施行規則・高等学校通信教育規程・高等学校等就学支援金の支給に関する法律とその施行令の条文を開き、文部科学省の高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編、高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン、令和7年度の通信制高等学校実態調査を実際に読んで書いています。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。
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結論:通信制高校で単位を落としたときの早見
- 単位を落としても、退学にも留年にもなりません。通信制の修業年限は学校教育法第56条で「3年以上」と定められていて、卒業の判定は修得した単位の合計で行われます。落とした科目だけを取り直します。
- 単位は「全部か、ゼロか」です。3単位の科目のうち2単位だけもらえる仕組みはないと、高等学校学習指導要領の解説がはっきり書いています。レポート・スクーリング・試験のどれか1つが欠けると、その科目は0単位になります。
- 落とした科目が卒業に効くかどうかは、学校が「修得すべき科目」と定めたかどうかで変わります。必履修の科目でも、学校が修得を求めていない場合は取り直しを求められないことがあります(学習指導要領解説)。
- やり直す道は再履修・追試験・補充指導の3つ。学習指導要領の解説は、未修得が一定の範囲なら補充指導や追試験を条件に進級させる運用を認めています。
- 単位の認定は学期ごとにもできます。2つ以上の年度にまたがる授業時数を合算して認定することも可能です(学習指導要領 第1章総則 第4款1(3))。年度末を待つしかないとは限りません。
- 令和6年度に通信制を卒業した90,872人のうち、3年より長くかかった人は4,143人(4.6%)。多数派ではありません(文部科学省の実態調査)。
- 気をつけたいのはお金です。就学支援金は通信制で48か月・通算74単位・年間30単位まで。取り直す分は、この枠を使います。
「単位を落とす」とは、レポート・スクーリング・試験のどれかが最後までそろわなかったことです
通信制の授業のやり方は、高等学校通信教育規程(昭和37年文部省令第32号)第2条で決まっています。「通信教育は、添削指導、面接指導及び試験の方法により行うものとする」という条文です。この3つが、みなさんが呼んでいるレポート・スクーリング・単位認定試験にあたります。
そして、この3つはそれぞれが合否を出す関門ではありません。文部科学省の高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン(令和5年2月一部改訂)は、試験の役割をこう書いています。試験は「添削指導及び面接指導等における学習成果の評価とあいまって、単位の認定のほか、その後の指導や生徒自身の学習の改善などに生かすために個々の生徒の学習状況等を把握する上で重要な役割を担うもの」だと。つまり3つの結果を合わせて、1つの科目の成績を出しているということです。
ここから、「単位を落とす」の正体が見えてきます。よくあるのは次の形です。
- 添削課題(レポート)が規定の回数そろわなかった。通信制高校 レポートの回数は科目ごとに決まっていて、1回足りないだけでも履修が完結しません。
- 面接指導(スクーリング)の時間数が足りなかった。通信制高校 スクーリング 日数は科目ごとの単位時間数で決まっていて、日数ではなくコマ数で数えます。
- 単位認定試験の成績が、学校が定めた基準に届かなかった。
- 提出はしたが、評価が「満足できる」水準に達しなかった。これも0単位です。
同じガイドラインは、学校側の運用にも線を引いています。年度末や試験前にまとめて添削課題を提出させる運用、学期当初に全回数分をまとめて出せるようにする運用、添削指導や面接指導が終わる前に学期末試験をしてしまう運用は、いずれも行わないこととされています。だから「あとでまとめて出せばいい」は通りません。逆に言えば、途中でつまずいていることは学校側にも見えている、ということでもあります。
単位は「全部か、ゼロか」。1単位に必要な添削の回数と面接指導の時間は決まっています
1単位は、1単位時間50分の授業を35単位時間行った量にあたります。そして通信制では、その1単位あたりに何回の添削指導と何単位時間の面接指導を置くかの標準が、高等学校学習指導要領(平成30年告示)第1章総則 第2款5に表で示されています。
| 教科・科目 | 添削指導(回) | 面接指導(単位時間) |
|---|---|---|
| 国語、地理歴史、公民、数学 | 3 | 1 |
| 理科 | 3 | 4 |
| 芸術、外国語 | 3 | 4 |
| 保健体育のうち「体育」 | 1 | 5 |
| 保健体育のうち「保健」 | 3 | 1 |
| 家庭、情報、専門教科・科目 | 2〜3 | 2〜8 |
出典:高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編(令和6年12月一部改訂)付録3。1単位あたりの標準です。
実際にどの学校がどう定めているかも、文部科学省が数えています。令和7年度の実態調査では、「現代の国語」について1単位あたりの添削指導回数を3回(標準)としている学校が322校、4回としている学校が1校(全323校)。面接指導の単位時間数は1単位時間(標準)が292校で、2単位時間11校、3単位時間4校など、多めに置いている学校もありました。
ここで大切なのは、単位の数え方です。学習指導要領の解説は、こう書いています。「例えば、生徒が『数学Ⅰ』を3単位履修すれば3単位全部与えられるか、又は、全く単位を与えられないかのいずれかであって、その修得の程度によって3単位のうち2単位を与えられるということはない」。部分点はありません。だから、あと1回のレポートやあと1コマのスクーリングで、科目全体の単位が決まってしまうことがあります。
ただし例外が2つ書かれています。あらかじめ計画して学期の区分ごとに分割して履修した場合は、学期ごとに単位を認定できます。また、2つ以上の年度にわたって履修した場合は、年度ごとに認定するのが原則です。この2つが、次に説明する「やり直し」の入口になります。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

落とした科目が卒業に効くかどうかは、学校が「修得すべき科目」と定めたかどうかで変わります
ここは、ほとんどの記事が書いていないところです。卒業の条件は3つあります。
| 条件 | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 在籍期間 | 3年以上(通信制・定時制) | 学校教育法第56条 |
| 修得単位数 | 74単位以上 | 学校教育法施行規則第96条第1項/学習指導要領 第1章総則 第4款2 |
| 特別活動 | 卒業までに30単位時間以上 | 学習指導要領 第1章総則 第2款5(7) |
出典:e-Gov 学校教育法/e-Gov 学校教育法施行規則/文部科学省 高等学校学習指導要領(平成30年告示)。くわしい単位の数え方は通信制高校 卒業 単位数でも整理しています。
74単位というのは、下限です。学習指導要領の解説は「74単位を下ってはならないという最低必要要件」であり、学校が74単位を上回る単位数を定めることもできると書いています。自分の学校が何単位に設定しているかは、学校ごとに違います。
そして、落とした科目の扱いを決めるのは次の一文です。解説の第4款2の説明に、こうあります。生徒は必履修教科・科目を履修しなければならないが、「学校がそれらの単位を修得すべきものと定めていない場合には、それらの履修の成果が単位修得に至らなくても、再度修得を目指して履修することは求められない」。
読み替えると、こうなります。
- 学校が「この科目は修得すること」と決めている科目を落とした場合……その科目を取り直す必要があります。別の科目で単位数を埋めても代わりになりません。
- 学校が修得を求めていない科目を落とした場合……その科目にこだわらず、ほかの科目で合計単位数を埋める道が開きます。
どちらなのかは、学校の教育課程表と、次に説明する通信教育実施計画に書かれています。単位を落としたと分かったら、まずここを確かめるのが最短です。担任の先生に「この科目は卒業までに修得すべき科目に入っていますか」と聞けば答えが出ます。

やり直す道は3つ。再履修・追試験・補充指導で、かかる時間が変わります
やり直しの方法は、学校が決めます。国の基準はその余地を用意している、という関係です。学習指導要領の解説 総則編は、各学年の課程の修了の認定について、「特定の学年における未修得単位が一定範囲内であれば、後日、補充指導や追試験によって未修得の各教科・科目を修得することを条件として、次の学年に進級させる」運用や、卒業までに修得すべき単位数を修業年限内に修得する見込みがあれば条件なしで進級を認める運用を挙げています。同じ箇所で、中途退学の要因の一つが原級留置に関わるとの指摘もあるため、厳しすぎる学年制の運用は適当とはいえない、とも書かれています。
| 方法 | 何をするか | 時期の目安 | 確かめること |
|---|---|---|---|
| 追試験 | 試験の点数だけが足りない場合に、試験をもう一度受ける | 学期末や年度末の直後 | 受けられる回数と、対象になる条件 |
| 補充指導 | 足りない面接指導や添削課題を補って、修得の認定につなげる | 学期末・年度末・長期休業中など | 補える範囲(時間数・回数)と日程 |
| 再履修 | その科目をもう一度、最初から履修し直す | 次の学期または次の年度 | 追加の授業料がかかるか、就学支援金の対象になるか |
出典:文部科学省 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編(令和6年12月一部改訂)第1章総則 第4款3の説明より整理。各方法を用意しているかは学校ごとに違います。
3つのうち、もっとも時間がかからないのは追試験、次が補充指導、いちばんかかるのが再履修です。だから、落としたと分かった時点で「どれに当てはまるか」を学校に確認する価値があります。試験の点数だけが足りないのか、レポートが1回足りないのか、スクーリングのコマが足りないのか。足りないものの種類によって、打てる手が変わります。
なお、単位の修得を認定するのは学校です。解説は「これは教師が行う平素の成績の評価に基づいて、最終的に校長が行うということである」と書いています。窓口の先生の見立てが最終判断ではない、ということでもあります。あきらめる前に、担任や教務の先生に相談する意味はここにあります。
年度をまたぐ扱いは、学期ごとの認定と、年次をまたぐ合算で変わります
「3月に落としたら、次のチャンスは1年後」と思われがちですが、制度はもっと柔軟です。根拠は3つあります。
- 単位の認定を学期の区分ごとに行える(学習指導要領 第1章総則 第4款1(3))。2学期制の学校なら、前期に落とした科目を後期に立て直す形が成り立ちます。
- 2つ以上の年次にわたる授業時数を合算して単位の認定を行える(同解説)。ある年度の授業時数が1単位(35単位時間)に届かなくても、次の年度に同じ科目を続けて合算できる場合があります。
- 学年の途中でも、学期の区分に従って卒業を認められる(学校教育法施行規則第104条第3項)。校長が特別の必要があり教育上支障がないと認めたときに限られますが、9月卒業のような形が可能な条文上の根拠です。
落としたタイミングごとに、起きることを整理します。
| 落としたタイミング | 単位制の学校 | 学年制をとる学校 |
|---|---|---|
| 前期(学期ごとに認定する学校) | 後期に同じ科目を再履修できる場合がある | 年度内に補充指導・追試験で埋める相談ができる |
| 年度末(1〜3年目) | 次の年度に再履修。合計74単位に間に合えば卒業時期は変わらない | 補充指導や追試験を条件に進級を認める運用がある |
| 卒業予定の年度の年度末 | 不足分を取り直す期間だけ卒業が延びる | 原級留置になる場合がある。学校の規程を確認する |
出典:学校教育法施行規則第104条第3項(e-Gov)、高等学校学習指導要領 第1章総則 第4款1(3)・同解説 第4款3より整理。運用は学校ごとに違います。
通信制の多くは単位制で、学年ごとの進級判定をしません。この点は通信制高校 留年でくわしく整理しています。ただし学年制をとる通信制もあるため、自分の学校がどちらなのかは学則で確かめてください。実態調査では、通信制を置く323校のうち修業年限を3年としている学校が319校、4年としている学校が4校(いずれも公立)でした。

卒業が延びても多数派にはなりません。3年より長くかかった卒業生は4.6%でした
不安のいちばん大きな部分は、「自分だけが遅れるのではないか」だと思います。ここは数字で見られます。文部科学省の令和7年度 通信制高等学校実態調査は、令和6年度の卒業生90,872人を在籍期間別に数えています(令和4年度以降に開校した73校を除く)。
| 在籍期間 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1年未満 | 5,853人 | 6.4% |
| 1年以上3年未満 | 38,209人 | 42.0% |
| 3年間 | 42,667人 | 47.0% |
| 3年より長い | 4,143人 | 4.6% |
出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年8月31日公表・調査時点2025年5月1日)。3年より長いの内訳は、3年より長く4年未満1,098人・4年間1,775人・4年より長く6年未満755人・6年以上515人です。
読み方を3つ書きます。
- 3年より長くかかった人は4.6%。単位を落としても、卒業が延びるところまで行く人は少数です。
- 3年未満で卒業した人が44,062人・48.5%。これは転入や編入で前の学校の在籍期間と単位を引き継いだ人が多いためです。通信制では、その学校での在籍が3年である必要はありません。
- 在校生のうち4年以上在籍している人は6.8%(公立25.6%・私立1.9%・株式会社立1.4%)。公立と私立で10倍以上の差があります。
公立で長く在籍する人が多いのは、公立通信制が働きながら学ぶ人や学び直しの人を広く受け入れてきた歴史と関係していると考えられますが、この理由づけは調査に書かれていないため、断定はしません。数字として言えるのは、卒業が延びること自体は珍しく、そして延びても在籍を続けている人が一定数いる、ということです。

取り直すと、就学支援金の「月数」と「単位数」の両方を使います
制度のうえでいちばん気をつけたいのは、お金の枠です。高等学校等就学支援金には、期間と単位数の2つの上限があります。
期間の根拠は高等学校等就学支援金の支給に関する法律第3条第2項第2号です。「高等学校等に在学した期間が通算して三十六月を超える者」には支給しない、と書かれています。ただし同条第3項と同法施行令第1条で、通信制または定時制の課程だけに在学していた月は「一月の四分の三に相当する月数」として数えることになっています。36か月を4分の3で割ると48か月。これが通信制の実質48か月という言い方の中身です。
| 区分 | 支給期間 | 1単位あたりの上限 | 単位数の上限 |
|---|---|---|---|
| 私立の通信制 | 48か月 | 13,668円 | 通算74単位・年間30単位 |
| 公立の通信制 | 48か月 | 336円 | 通算74単位・年間30単位 |
| 私立の全日制(参考) | 36か月 | 18,528円 | 通算74単位・年間30単位 |
出典:文部科学省高等学校等就学支援金・新制度の概要および高等学校等就学支援金のページ(2026年9月確認)。2026年度から所得制限はありません。私立通信制の定額授業料の場合の月額上限は28,100円(年337,200円)です。
ここから、取り直したときに起きることが2つ見えます。
- 在籍が延びると、月数の枠を使います。48か月は4年分です。3年で卒業する予定なら12か月分の余裕がありますが、全日制に在籍していた期間がある場合はその月数も通算されます。48か月の枠で数えると全日制の1か月は4/3か月分にあたり、たとえば全日制に20か月在学していた場合、通信制で残るのは22か月分です(文部科学省 就学支援金Q&AのQ15)。
- 取り直す単位も、74単位の枠から引かれます。落とした科目を再履修すると、同じ科目に2回分の単位数を使うことになります。年間30単位の枠も同じです。
つまり、落とした科目を詰め込んで取り返そうとすると、年間30単位の枠に先に当たることがあります。1年に取れる単位の上限は通信制高校 単位 上限で整理しています。枠を超えた分の授業料は自己負担になるため、再履修の前に学校の事務室で「この科目は支援金の対象になりますか」と確かめておくと安心です。制度の全体像は通信制高校 就学支援金と通信制高校 学費にまとめています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
落とした分は、他校との併修や学校外の学修で埋められる場合があります
取り直し以外の道もあります。どれも校長が「教育上有益と認めるとき」に限られますが、条文で認められている仕組みです。
- 他の高等学校での修得単位を加える(学校教育法施行規則第97条)。同じ高校の全日制・定時制・通信制のあいだの併修も同様に扱えます。
- 定時制や他校の通信制との併修(高等学校通信教育規程第12条)。通信制に在籍しながら定時制の科目を取り、その単位を卒業に必要な単位数に加えられます。
- 学校外の学修を単位にする(同施行規則第98条)。大学・高等専門学校・専修学校での学修、文部科学大臣が定める技能審査、ボランティア活動などが対象です。
- 高卒認定試験の合格科目を単位にする(同施行規則第100条)。入学前に合格した科目も含められます。
ただし枠があります。他の高等学校で修得した単位(第97条)と学校外の学修による単位(第98条)については、施行規則第99条が、その合計数は36を超えないものと定めています。これとは別の枠として、第96条第2項・第3項が、メディアを利用した授業で修得する単位数などについて36単位の上限を定めています。そして第96条第4項に、覚えておく価値のある例外があります。疾病による療養のためまたは障害のため、病院その他の適当な場所で医療の提供その他の支援を受ける必要があり、相当の期間高等学校を欠席すると認められる生徒については、この第2項・第3項の36単位の上限によらないことができるという規定です。体調を理由に通学が難しい場合は、この条文があることを学校に伝える意味があります。
転入・編入で立て直す場合は、前の学校の単位と在籍期間を引き継げます。手順は高校 転入と通信制高校 転入 編入 違いに書いています。全日制で欠席が増えている段階なら、高校 欠席日数と高校 出席日数も先に読んでおくと、判断の順番がはっきりします。
「落としたらもう卒業できない」は誤解です。ただし落とし穴が4つあります
ここまでを踏まえて、誤解と、実際に気をつけたい点を分けて書きます。
誤解1:単位を落としたら退学になる。なりません。通信制の卒業判定は修得単位の積み上げです。学習指導要領の解説も、厳しすぎる学年制の運用は適当とはいえないと書いています。
誤解2:1科目落としたら1年まるごと無駄になる。なりません。落ちるのはその科目だけで、同じ年度に修得した他の科目の単位は残ります。
誤解3:落とした科目は、別の科目で埋められない。学校が「修得すべき科目」と定めていない科目なら、埋められる場合があります。教育課程表で確認します。
誤解4:レポートを年度末にまとめて出せば間に合う。これは通りません。ガイドラインが、まとめ提出を可能にする運用を行わないよう求めています。
そのうえで、実際の落とし穴は次の4つです。
- 認定の基準を見ないまま不安になること。高等学校通信教育規程第4条の3は、学校が通信教育実施計画をつくり、そこに「学習の成果に係る評価及び単位の修得の認定に当たっての基準」を書いて、生徒にあらかじめ明示することを義務づけています。同規程第14条は、この計画を公表することも求めています。あなたの学校の合格ラインは、推測ではなく読めるものです。
- 面接指導の時間数を日数で数えること。学習指導要領は、メディアを利用した学習を取り入れた場合、面接指導等時間数のうち10分の6以内(複数のメディアなら合わせて10分の8まで)を免除できると定めています。ただしガイドラインは、10分の6を超えて10分の8まで減免することは極めて例外的な取扱いだとしています。実態調査では「現代の国語」で10分の6以内の免除を実施している学校が231校、していない学校が92校で、10分の8以内で行う学校は33校でした。自分の学校が免除を使えるかどうかで、必要なコマ数が変わります。
- 取り直しを詰め込みすぎること。年間30単位の就学支援金の枠と、学校が定める年間の履修上限があります。詰め込んだ結果また落とすと、かえって遠回りになります。
- 相談の順番を間違えること。単位の認定は最終的に校長が行います。窓口で「無理です」と言われたときも、教務の担当や担任を通じて、補充指導や追試験の扱いを確認する道が残っています。
学校ごとの支え方の違いを比べたいときは、通信制高校 選び方のページに、観点別の記事をまとめています。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
いまの学校で取り直すのが難しいと感じたときに、環境を変えて続ける形もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)はその1つですが、先に正直な注意点を書きます。
- ニジ高は高校そのものではありません。通信制高校サポート校です。卒業資格と単位は、提携する通信制高校のものになります。
- 提携する通信制高校のスクーリングへの参加は必要です。学院の中でのスクーリングはありません。スクーリングの形や日程は、個別相談会で案内しています。
- 費用は提携校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内をご覧ください。
- 単位の認定基準や再履修の扱いを決めるのは、在籍する通信制高校です。ニジ高がするのは、日々の学習とレポートの進め方、スクーリングの準備の支援です。
そのうえで、単位を落としやすい理由が「一人で続けるのが難しい」ことにある場合には、合う部分があります。ニジ高はオンライン中心で担任制、カメラとマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べる設計で、中学内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。メタバースの校舎で、担任や同級生と集まる時間もあります。
ニジ高は、他の通信制高校に在籍したままでも使えます。いまの学校の単位や評定はそのままで、日々の学習の支えだけを足す形です。途中入学(転入・編入)もでき、出願費用はかかりません。NIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)全体では、これまでに不登校の生徒を650名以上サポートしてきました。よくある質問はよくある質問のページにまとめています。
迷ったときの進め方(3ステップ)
いま単位を落としたと分かった段階で、順番はこの3つです。
ステップ1:足りないものの種類を特定する(今週)。試験の点数か、添削課題の回数か、面接指導の時間数か。学校の成績通知や学習支援システムで確認します。分からなければ担任に「どの要素が足りていませんか」と聞きます。ここが決まらないと、打てる手が決まりません。
ステップ2:通信教育実施計画と教育課程表を読む(今月)。確かめるのは3点です。(1)その科目は学校が「卒業までに修得すべき科目」と定めているか。(2)単位の修得の認定の基準はどう書かれているか。(3)追試験・補充指導・再履修のどれが用意されているか。高等学校通信教育規程で生徒への明示と公表が求められている書類なので、請求できます。
ステップ3:卒業までの単位と月数を紙に書く(今月)。いま修得した単位の合計、卒業までに必要な単位数、これまでの在学月数(全日制の期間は1か月、通信制・定時制の期間は4分の3か月で数えます)を並べます。ここまで書ければ、取り直しで足りるのか、環境を変えたほうが早いのかが見えます。判断がつかないときは、学校の先生と、外の相談先の両方に見てもらってください。今日決めなくて大丈夫です。


単位を落としたあとの進め方を、一緒に整理しませんか
足りないのが試験の点数か、レポートの回数か、スクーリングの時間数か。ここが分かると打てる手が決まります。ニジ高はサポート校で高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。そのうえで学習の立て直しをご一緒します。
よくある質問
Q. 単位を落とすと留年になりますか。
A. 通信制の多くは単位制で、学年ごとの進級判定をしないため留年という扱いになりません。落とした科目だけを取り直し、卒業までに必要な単位数がそろえば卒業できます。ただし学年制をとる通信制もあり、その場合は学校の規程によります。学習指導要領の解説は、未修得が一定の範囲なら補充指導や追試験を条件に進級を認める運用を挙げています。
Q. 落とした単位を取り直すのに、追加のお金はかかりますか。
A. 学校によって違います。単位数に応じて授業料を定めている学校では、再履修する単位の分の授業料がかかります。就学支援金は通算74単位・年間30単位までなので、この枠に残りがあれば対象になります。枠を超えた分は自己負担です。再履修を決める前に、学校の事務室で対象になるかを確認してください。
Q. 3年で卒業できなくなりますか。
A. 落とした単位を、卒業までに必要な単位数に間に合うかたちで取り直せれば、卒業時期は変わりません。単位の認定は学期の区分ごとにもでき、2つ以上の年度にわたる授業時数を合算して認定することもできます。令和6年度の通信制の卒業生90,872人のうち、3年より長くかかった人は4,143人(4.6%)でした。
Q. 病気で長く休んでいます。単位の上限に引っかかりませんか。
A. 学校教育法施行規則第96条第4項に例外があります。疾病による療養のためまたは障害のため、病院その他の適当な場所で医療の提供その他の支援を受ける必要があり、相当の期間高等学校を欠席すると認められる生徒については、メディアを利用した授業などの36単位の上限によらないことができます。診断や治療の判断は主治医に、単位の扱いは学校に、それぞれ相談してください。
Q. 単位が取れているかどうか、途中で分かりますか。
A. 分かります。高等学校通信教育規程第4条の3により、学校は通信教育実施計画に、科目ごとの通信教育の方法と内容、1年間の計画、学習の成果に係る評価と単位の修得の認定に当たっての基準を書き、生徒にあらかじめ明示することとされています。添削課題の提出日、面接指導の実施日、試験の実施日も具体的に記載するよう国のガイドラインが求めています。手元になければ学校に請求してください。
単位を落としたことは、あなたの学ぶ力を測った数字ではありません
単位を落とすというのは、制度のうえでは「レポート・スクーリング・試験のどれかが、期限までにそろわなかった」という記録にすぎません。体調が崩れた、生活のリズムが合わなかった、家のことで手が回らなかった。そのどれも、あなたの能力の話ではありません。
そして制度は、やり直しの道をいくつも用意しています。追試験、補充指導、再履修、学期ごとの認定、年度をまたぐ合算、他校との併修、学校外の学修。使えるものが1つでも見つかれば、卒業までの道はつながります。まずは足りないものの種類を1つ特定するところから始めてください。
いまの環境で続けるのが難しいと感じたら、場所を変えて続ける選択もあります。どちらを選ぶか決めていない段階の相談も受け付けています。今日、答えを出さなくて大丈夫です。
やり直し方を決める前の相談から、ご一緒できます
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

