「通信制高校には担任がいないのでは」「先生は何人いて、困ったときは誰に連絡すればいいのか」。たとえば、パンフレットを見比べていて、ある学校は「担任」、別の学校は「メンター」「コーチ」と書いてあり、何が違うのか分からなくなった。この記事は、そんなときに知りたいことを、制度と公式の情報で整理します。
先に結論を書きます。学校教育法など高校の基本の法令4つに「担任を置く」「担任1人が何人を受け持つ」という定めは見当たらず、担任の形は学校ごとに決まっています。国が数で決めているのは先生の数の最低ラインで、「在籍する生徒80人につき教諭等1人以上、少なくとも5人」(高等学校通信教育規程 第5条第1項)です。公式サイトを確かめた6つの学校・学校グループは、どこも担任か、それに当たる人がいると書いていました。ただし呼び方は「担任」「メンター」「パーソナルティーチャー」「マイコーチ」と分かれ、連絡の手段も違います。
この記事は、e-Gov の法令、高等学校学習指導要領、文部科学省のガイドラインと「令和7年度 通信制高等学校実態調査」、学校基本調査、各校の公式サイトを2026年10月に開いて確かめた内容でできています。「担任の先生はどんな人が多いのか」を性格や人柄で示した国の統計は見つからなかったので、そこは推測で書きません。統計で分かるのは、職名・人数・勤務の形までです。
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結論:通信制高校の担任と先生の数の早見
- 担任の置き方は、学校ごとに決まっています。学校教育法・高等学校設置基準・高等学校通信教育規程の条文に「担任」という語は出てきません(2026年10月にe-Govで確認)。高等学校学習指導要領には、ホームルーム活動は「ホームルーム担任の教師」が指導するのが原則とありますが、担任1人が受け持つ人数は書かれていません。
- 国の基準があるのは先生の数です。通信制の課程の教諭等は「5人」か「在籍する生徒数÷80」の大きいほう以上(高等学校通信教育規程 第5条第1項。2023年4月1日施行)。全日制・定時制は「収容定員÷40」以上です(高等学校設置基準 第8条第1項)。
- 実際の先生は、全国323校で1万9,081人です。内訳は教諭等9,011人、講師・助教諭1万70人。通信制の課程だけに勤める専任の人は44.9%でした(文部科学省の実態調査・2025年5月1日時点)。
- 呼び方は学校で違います。公式サイト6つで確かめたところ、「担任」が3つ、「メンター」「パーソナルティーチャー」「マイコーチ」が1つずつでした。連絡は電話・メール・チャット・ビデオ会議などです。
- 担任のほかにも相談先があります。スクールカウンセラーに相談できる体制を整えている学校は84.5%、スクールソーシャルワーカーは38.4%です(同じ実態調査)。
- サポート校の先生は、高校の教員とは立場が違います。国のガイドラインは、添削や成績の評価、単位の認定に関わる業務を、通信制高校の教職員が行うこととしています。
- ニジ高は担任制のサポート校です。ただし高校ではないので、単位と卒業を判断するのは提携する通信制高校です。
担任の置き方は学校が決めます。国の基準に数があるのは「先生の数」です
毎日登校する学校なら、教室に行けば担任に会えます。通信制は登校日が少ないぶん、誰が自分を見てくれるのかが外から見えにくくなります。「担任はいないのでは」という心配は、そこから来ていると思います。
まず、法令を確かめました。高校についての基本の法令4つを「担任」という語で検索した結果は次のとおりです(e-Gov・2026年10月9日確認)。
| 法令 | 「担任」の語 | 書かれていること |
|---|---|---|
| 学校教育法 | 出てこない | 高校には校長・教頭・教諭・事務職員を置く(第60条第1項) |
| 学校教育法施行規則 | 1か所だけ | 学校に備える表簿の1つとして「担任学級、担任の教科又は科目」(第28条第1項第3号) |
| 高等学校設置基準 | 出てこない | 全日制・定時制の教諭等の数(第8条) |
| 高等学校通信教育規程 | 出てこない | 通信制の教諭等の数(第5条) |
出典:学校教育法/学校教育法施行規則/高等学校設置基準/高等学校通信教育規程(e-Gov)/文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」
つまり、この4つの法令には「担任を置く」「担任は何人まで受け持つ」という定めは見当たりません。
一方、教育課程の国の基準である高等学校学習指導要領(平成30年告示)には「担任」が出てきます。特別活動の章に、ホームルーム活動は「主としてホームルームごとにホームルーム担任の教師が指導することを原則とし、活動の内容によっては他の教師などの協力を得ること」とあります(第5章 第3の1(6))。通信制の課程も、ホームルーム活動を含む特別活動を、卒業までに30単位時間以上指導することとされています(第1章 第2款の5(7)。特別の事情がある場合は、ホームルーム活動と生徒会活動の内容の一部を行わないこともできるとされています)。ただし学習指導要領にも、ホームルームを何人で分けるか、担任1人が何人を受け持つか、担任とどう連絡を取るかは書かれていません。
担任をどういう形で置くかは、全日制も通信制も、学校が決めていることになります。通信制だから担任がいない、という決まりがあるわけではありません。
なお、いま在籍している高校の担任との連絡そのものに悩んでいる場合は、テーマが別になります。家庭訪問については不登校 家庭訪問の記事に、連絡の取り方については不登校 LINE 既読無視の記事にまとめています。この記事は、通信制高校の担任の仕組みに絞ります。

国の基準は「生徒80人に教諭等1人以上、少なくとも5人」。全日制・定時制は収容定員40人に1人です
高等学校通信教育規程の第5条は、通信制の課程の先生の数を次のように決めています。
- 第1項:副校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・主務教諭・教諭の数は、「5」か「在籍する生徒数を80で割った数」の大きいほう以上とし、かつ教育上支障がないものとする。
- 第2項:この教諭は、特別の事情があり、教育上支障がない場合は、助教諭か講師で代えることができる。
- 第3項:教員等は、教育上必要と認められる場合は、ほかの学校の教員等と兼ねることができる。
「80で割る」という基準が入ったのは、2023年(令和5年)4月1日です。それまでの条文は「5人以上とし、かつ、教育上支障がないものとする」でした。
基準を、生徒数ごとに計算すると次のようになります(この記事で条文の式に当てはめて計算した例です)。
| 在籍する生徒数 | 生徒数÷80 | 必要な教諭等の数 |
|---|---|---|
| 300人 | 3.75 | 5人以上(下限の5が大きい) |
| 400人 | 5 | 5人以上 |
| 800人 | 10 | 10人以上 |
| 2,000人 | 25 | 25人以上 |
| 10,000人 | 125 | 125人以上 |
全日制・定時制の基準と並べると、違いが分かります。
| 項目 | 全日制・定時制 | 通信制 |
|---|---|---|
| 根拠 | 高等学校設置基準 第8条第1項 | 高等学校通信教育規程 第5条第1項 |
| もとにする人数 | 収容定員 | 在籍する生徒数 |
| 割る数 | 40 | 80(5人を下回らない) |
| 数に入る職 | 主幹教諭・指導教諭・主務教諭・教諭(副校長・教頭は課程ごとに1人以上) | 副校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・主務教諭・教諭 |
| 同時に教わる人数 | 1学級40人以下(第7条) | 面接指導は少人数が基本で、40人を超えない(第4条の2) |
割る数だけを比べると、通信制は全日制・定時制の2倍です(もとにする人数と、数に入る職が違うので、単純に「半分」とは言えません)。そして、これは「80人に1人いれば足りる」という意味ではありません。この基準のもとになった国の協力者会議の審議まとめ(2022年8月29日)は、「必要最低の基準」であり、不登校を経験した生徒が多く在籍する学校などでは「決して生徒数80人当たり教諭等1人で十分ということではない」と書いています。同じ審議まとめには、通信制高校でも「クラス担任制のように、生徒一人一人の状況をしっかりと見て適切な対応を取ることができるように指導体制を整える必要がある」という一文もあります。
出典:「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議(審議まとめ)第3章(2026年10月確認)

国のガイドラインに「担任」の語は無く、書かれているのは「寄り添って伴走する体制」です
文部科学省には、通信制高校の運営の指針として「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」(2016年9月策定、2023年2月一部改訂)があります。学校が運営を見直すときと、都道府県などが学校を指導・監督するときに参照するものです。
この本文を「担任」で検索しても、語は出てきません。代わりに、相談や支えの体制について次のことが書かれています。
- 先生の数は最低基準(1.(1)①):不登校経験者など多様な生徒が多数在籍する学校は、教員配置を一層充実させ、専門・支援スタッフと連携しながら「生徒一人一人に寄り添って伴走して支援を行う体制を整えるべきである」。
- 専門の職(1.(1)②):養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを配置するなど、きめ細かな支援の充実に努める。
- ホームルーム(2.(1)⑫):ホームルーム活動をはじめとした特別活動を、卒業までに30単位時間以上指導する。
- 学習が止まった生徒への連絡(2.(7)②):履修登録をしない生徒や、添削課題・面接指導への参加が難しい生徒には、「例えば生徒や保護者等への面談や電話かけ等を行うなど」、個々の実情に応じた指導や支援に努める。
- 通学コースに入っていなくても(2.(7)③):教育支援・生徒指導・進路指導は、いわゆる通学コースを受けているかどうかにかかわらず、在籍する全ての生徒に対して学校として当然に行うべきもの。
最後の項目は、学校選びで見落としやすい点です。通学コースを選ばなかった生徒にも、相談や進路の支えは学校として行う、というのがガイドラインの考え方です。通学コースに入らない場合は、誰が相談の窓口になるのかを聞いてみてください。
出典:文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」(令和5年2月一部改訂)(2026年10月確認)
2026年7月には法律が改正され、文部科学大臣が通信教育の運営についての「基本的な指針」を定めることになりました。国の検討会議が2027年3月31日までの予定で開かれています。指針の中で教員の配置や担任がどう書かれるかは、この記事の時点では確認できていません。改正の中身は通信制高校 法改正の記事で整理しています。
※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
実際の先生は全国323校で1万9,081人。うち教諭等は9,011人です
基準ではなく、実際の人数を見ます。文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2025年5月1日時点、通信制の課程を置く323校が回答)の数字です。
| 設置者(学校数) | 教諭等 | 講師・助教諭 | 専任の割合 |
|---|---|---|---|
| 公立(81校) | 2,124人 | 905人 | 68.9% |
| 私立(227校) | 6,181人 | 9,043人 | 40.1% |
| 株式会社立(15校) | 706人 | 122人 | 45.5% |
| 全体(323校) | 9,011人 | 10,070人 | 44.9% |
※教諭等は、副校長・教頭・主幹教諭(養護をつかさどる主幹教諭を除く)・指導教諭・教諭。専任は「辞令上、その学校の通信制の課程だけに勤務する人」、兼任は「その学校とほかの学校・課程・施設の職を兼ねる人」。専任の割合は、教諭等と講師・助教諭を合わせた人数に対するものです。
読み取れることは3つあります。
- 先生の半分以上は、講師・助教諭です。1万9,081人のうち1万70人で、私立では教諭等より多くなっています。
- 教諭等だけで見ると、専任は73.8%です(9,011人のうち6,652人)。講師・助教諭は専任が19.1%で、8割がほかの職と兼ねています。
- 学校の大きさがまったく違います。同じ調査で、在籍生徒が500人未満の学校は192校、1万人以上の学校は5校でした。先生の数は、学校の規模と合わせて見ないと比べられません。
もう1つの統計が、毎年の学校基本調査です。こちらは数え方が違い、「本務者」と「兼務者」に分けています。
- 2025年度(確定値):通信制の本務教員は7,507人(公立1,631人・私立5,876人)。
- 2026年度(速報):本務教員は7,773人(公立1,610人・私立6,163人)、兼務教員は1万4,537人。生徒数は31万1,792人。
2026年度の速報の生徒数を本務教員の数で割ると、本務教員1人あたり約40人になります(公立は約38人、私立は約41人)。これはこの記事で割り算をした値で、公式の指標ではありません。本務教員には校長や養護教諭も入っていて、兼務の先生は入っていないため、「担任1人が受け持つ人数」とは別のものです。担任1人あたりの人数を全国でまとめた統計は、今回確認した資料にはありませんでした。
出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査に関する調査結果について」/学校基本調査 令和7年度 表162「職名別教員数」/学校基本調査 令和8年度速報 表9(e-Stat。2026年10月確認)。実態調査と学校基本調査は数え方が違うので、足したり引いたりはできません。
先生の47.4%は週10時間未満の勤務で、主な勤務場所は本校とは限りません
実態調査は、先生の勤務の形も調べています。担任になる人が「どこに、週にどのくらいいるのか」を考える材料になります。
まず、週あたりの勤務時間です(辞令などで決まっている正規の勤務時間。休憩や残業は除く)。教諭等と講師・助教諭を合わせた1万9,081人のうち、週38時間45分〜40時間の人は6,498人(34.1%)、週10時間未満の人は9,046人(47.4%)でした。教諭等だけで見ると、週38時間45分〜40時間が63.8%、週10時間未満が17.1%です。講師・助教諭は、74.6%が週10時間未満でした。
次に、主な勤務場所(勤務時間のうち最も長く勤務する場所)です。
| 主な勤務場所 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| その学校の通信制の課程 | 6,490人 | 34.0% |
| その学校の全日制または定時制の課程 | 1,450人 | 7.6% |
| 連携する面接指導等実施施設 | 8,879人 | 46.5% |
| 連携する学習等支援施設 | 1,634人 | 8.6% |
| その他 | 628人 | 3.3% |
設置者で分けると、公立は「その学校の通信制の課程」が65.7%で最も多く、私立は「連携する面接指導等実施施設」が54.8%、株式会社立は「連携する学習等支援施設」が55.3%で最も多くなっています。
この数字は、先生の良し悪しを示すものではありません。分かるのは、「先生が◯人います」という数だけでは、あなたの担任になる人がふだんどこにいて、どのくらい連絡が取れるのかは分からないということです。本校が遠くにある学校では、担任が本校にいるのか、近くのキャンパスにいるのかを、入学前に聞いてみてください。

呼び方は「担任」「メンター」「マイコーチ」。公式サイト6つで確かめました
では、各校は担任をどう書いているのか。公式サイトを6つ開いて、担任に当たる人の呼び方と、連絡の手段を確かめました(2026年10月9日確認)。グループ校は公式サイト1つを1つと数えています。並び順に意味はなく、優劣を付けるものではありません。
| 学校(公式サイト) | 呼び方 | 公式に書かれていること | 連絡・面談の手段 |
|---|---|---|---|
| N高等学校・S高等学校・R高等学校(N高グループ) | メンター | 所属コースにかかわらず、全ての生徒に複数のメンターがつく。メンターは「生徒の学びや進路実現に向けたサポートをする教育スタッフ」 | 電話・メール・Slack・Zoomなど。個人面談と三者面談はビデオ会議 |
| クラーク記念国際高等学校 | パーソナルティーチャー | 教員の教育観や描くクラス像をもとに、生徒が自分の先生を選ぶ制度 | このページでは確認できませんでした |
| NHK学園高等学校 | 担任 | どのコースでも担任がつく。担任のほか、教科担当・進路指導・教育相談室の先生、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーが電話相談を受ける | 電話、ネット学習システムのチャット |
| ルネサンス高校グループ | 担任 | 一人ひとりに担任がつき、学習の進み具合をフォローする | オンラインチャット、三者面談 |
| おおぞら高校(公式サイトの説明では、通信制の高等学校と、通学できるサポート校からなる学校) | マイコーチ | 生徒は自分のマイコーチを選ぶことができる。学習面のほか、生活の悩み相談や進路のサポートも行う | このページでは確認できませんでした |
| 神奈川県立横浜修悠館高等学校(公立) | 担任 | 担任がいて、個別の相談に応じる。ホームルームもある。学年に関係なく1〜32組に分かれるが、クラス単位で授業や行事に参加することはほとんどない | このページでは確認できませんでした |
出典:N高グループ「スクールサポート」・同「よくある質問」/クラーク記念国際高等学校「先生と生徒は一対一」/NHK学園高等学校/ルネサンス高校グループ/おおぞら高校/神奈川県立横浜修悠館高等学校「よくある質問」
6つを並べて分かったことを、この記事なりに3つに整理します(公的な分類ではありません)。
- 6つとも、担任か、それに当たる人がいると書いていました。「通信制高校には担任がいない」は、少なくともこの6つには当てはまりません。
- つき方が違います。担任がつくと書いている形(NHK学園・ルネサンス・横浜修悠館)、生徒が選ぶ形(クラーク記念国際・おおぞら)、複数の人がつく形(N高グループ)がありました。
- 「クラス」の重さが違います。横浜修悠館高等学校は、担任もクラスもホームルームもある一方で、クラス単位で動くことはほとんどないと書いています。担任がいることと、クラスで毎日過ごすことは、通信制では別の話です。
なお、「コーチ」や「メンター」と呼ばれる人が、通信制高校の教員なのか、サポート校のスタッフなのかは、上のページだけでは分からない学校もありました。あとのサポート校の節で説明する確認点です。学校を比べるときの項目は通信制高校 選び方のページに整理しています。
担任のほかに相談できる人:スクールカウンセラーに相談できる学校は84.5%です
担任と合わなかったらどうしよう、という心配もあると思います。担任のほかに相談できる専門の職がどのくらい置かれているかも、実態調査に出ています(2025年5月1日時点。体制を整えていると答えた学校の数)。
| 設置者 | スクールカウンセラー | スクールソーシャルワーカー |
|---|---|---|
| 公立(81校) | 80校(98.8%) | 74校(91.4%) |
| 私立(227校) | 181校(79.7%) | 44校(19.4%) |
| 株式会社立(15校) | 12校(80%) | 6校(40%) |
| 全体(323校) | 273校(84.5%) | 124校(38.4%) |
2024年度の1年間にスクールカウンセラーの支援を受けた生徒は延べ2万1,303人、スクールソーシャルワーカーは延べ5,316人でした(2025年度に開校した29校を除く)。
同じ調査には、添削課題は出しているのにスクーリングに1日も来ていない生徒に、学校がどう状況を確かめているかという項目もあります。該当する生徒がいた168校(323校から、2025年度開校の29校と該当者のいない126校を除いた数)のうち、「教師による定期的な連絡」を行っている学校が165校、「専門・支援スタッフなど教師以外による定期的な連絡」が41校、「オンラインによる遠隔でのカウンセリング」が30校でした。
スクーリングに来られていない生徒の状況を学校が確かめるとき、中心になっているのは先生からの連絡です。その先生が、あなたにとって誰になるのかを知っておくことが、入学前の確認の中心になります。
サポート校の先生は「高校の教員」とは立場が違い、単位を認めるのは高校です
ここは、サポート校を運営している立場から正直に書きます。通信制高校の学びには、高校の先生のほかに、サポート校や学習センターのスタッフが関わることがあります。どちらも「先生」と呼ばれますが、制度の上での立場は違います。
国の制度では、通信制高校と連携して生徒を支える学校の外の施設を「通信教育連携協力施設」と呼びます。そのうち、スクーリングや試験を行わず、「生徒の進路選択及び心身の健康等に係る相談、添削指導に附帯する事務の実施その他の学習活動等の支援」を行う施設が「学習等支援施設」です(高等学校通信教育規程 第3条第1項第2号)。いわゆるサポート校の多くがここに入り、実態調査では全国で延べ2,317施設でした。
ガイドラインは、この施設の職員について次のように書いています。
- 添削指導、面接指導、試験、履修状況の把握、成績の評価や単位の認定に関わる業務は、連携協力施設の職員など「実施校の校長の監督権が及ばない者に実施させることなく、実施校の教職員が行うこと」(1.(4)③)。
- 連携協力施設に勤める教員免許状を持つ職員に、兼務発令などで高校の教員の身分を与えて添削などを行わせる場合は、高校の校長の監督のもとで行われることなどを確かにする措置を講じること(1.(4)④)。
- 生徒募集のときに、高校が行う通信教育と、施設が独自に行う活動との区別を、生徒・保護者に十分説明すること。施設が高等学校であると誤解させるような勧誘が行われないようにすること(1.(4)⑤)。
| 項目 | 通信制高校の教員 | サポート校のスタッフ |
|---|---|---|
| 立場 | 高等学校の教職員(校長の監督のもと) | 民間の教育施設の職員。高校の教員の身分を兼ねる人がいる場合もある |
| 添削・面接指導・試験の評価 | 各教科の教員免許状を持つ教員が行う | 高校の教員の身分が無い人には、行わせないこととされている |
| 単位の認定 | 教員の評価にもとづき、最終的に校長が行う | 行わない |
| 人数の国の基準 | 生徒80人に教諭等1人以上、少なくとも5人 | 高等学校通信教育規程に人数の基準は無い |
| 日々の相談や学習の支え | 学校ごとに違う | 施設ごとに違う |
サポート校のスタッフの人数や資格については、規程に数字の基準が見当たりません(学習等支援施設の基準として規程が挙げているのは、施設や設備などが教育上・安全上支障がないこと〔第10条の2第2項〕です)。だからこそ、「担任」と呼ばれる人が高校の教員なのか、サポート校のスタッフなのかを聞くことに意味があります。単位について最終的に決めるのは高校です。どちらが上ということではなく、役割が違います。
サポート校の位置づけはサポート校とはの記事で、費用が2か所にかかる仕組みは通信制高校 学費の記事でくわしく書いています。

「どんな人が多いか」の統計は無いので、説明会で7つ聞いて確かめます
「通信制高校の担任は、どんな人が多いのか」。この問いに、性格や人柄で答えられる国の統計は、今回確認した学校基本調査と実態調査にはありませんでした。出典で確かめられない人柄の話は、この記事では書きません。
統計で分かるのは、職名と人数までです。学校基本調査(2025年度確定値)の通信制の本務教員7,507人の内訳は、教諭5,586人、講師833人、教頭350人、主幹教諭186人、養護教諭171人、校長125人、副校長119人、指導教諭114人、助教諭14人、養護助教諭8人、栄養教諭1人です。男性が4,287人、女性が3,220人でした。
あなたの担任がどんな人かは、その学校で確かめるしかありません。説明会や個別相談で、次の7つを同じ形で聞いてみてください。
- 担任(またはそれに当たる人)は、どのコースでも全員につきますか。呼び方は何ですか。
- その人は通信制高校の教員ですか。それとも、サポート校や学習センターのスタッフですか。
- 1人が何人の生徒を受け持っていますか。
- 連絡の手段は何ですか。電話・メール・チャット・面談のうちどれが使えて、返事はどの時間帯に来ますか。
- 面談はどのくらいの間隔でありますか。保護者も参加できますか。
- レポートが止まったとき、誰から、どうやって連絡が来ますか。
- 担任と合わないと感じたとき、ほかに相談できる人はいますか。スクールカウンセラーには、どうやって申し込みますか。
先生の人数は、聞く前に自分で調べられることもあります。高等学校通信教育規程の第14条第1項第4号は、「教員及び職員の数その他教職員組織に関すること」を、学校が公表する情報の1つに挙げています。実態調査では、この項目を公表している学校が181校(56%)、一部公表が38校(11.8%)、公表していない学校が104校(32.2%)でした。候補の学校のサイトに「情報公開」「情報公表」のページがあれば、先に見ておくと質問が具体的になります。載っていなければ、3番の質問と合わせて聞いてみてください。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。担任制で、1クラスは8人。毎週のクラス会議があり、メタバースの校舎で担任と生徒が集まる時間があります。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。希望する生徒には、スタッフが1対1で伴走する支援もあります。途中からの入学(転入・編入)ができ、出願費用は無料です。グループ全体で、不登校の生徒を650名以上サポートしてきました。
そのうえで、この記事のテーマに沿って、正直にお伝えすることがあります。
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取ります。上の節で書いたとおり、添削や成績の評価、単位の認定は、高校の教職員が行うものです。単位と卒業を判断するのは、提携する通信制高校です。
- 提携する通信制高校の先生との関わり方は、個別相談会で聞けます。ニジ高の担任と、提携する通信制高校の先生が、それぞれ何を受け持つのか(レポートや成績についての連絡が誰から来るのか)は、この記事には書いていません。
- 学院の中でのスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングへの参加が必要です。スクーリングの形や日程は、個別相談会で聞けます。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内に載せています。
- オンライン中心なので、毎日通う場所を求める人には合わない場合があります。
ニジ高の担任1人が受け持つ人数や、ふだんの連絡の手段など、この記事に書いていない点は、個別相談会で聞けます。個別相談会はオンライン(Zoom)で、参加は無料です。保護者の方だけでも参加できます。学校の全体像はニジ高とはのページにまとめています。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- ステップ1:候補の学校の公式サイトで、「担任に当たる人」の呼び方を探す。担任、メンター、コーチ、チューターなど、言葉をそのままメモします。情報公開のページがあれば、教員の人数も見ておきます。
- ステップ2:説明会や個別相談で、7つの質問を同じ形で聞く。とくに「その人は高校の教員か、サポート校のスタッフか」「連絡の手段と、返事が来る時間帯」は、学校ごとの差が出やすいところです。答えを表にして並べると、違いが見えてきます。
- ステップ3:体験や面談で、実際に話してみる。入学後に担当になる人と話せるか、話せない場合はどんな人が担当になるのかを聞きます。本人が話しにくければ、保護者だけで聞いても構いません。
3つとも、どの学校にするか決まっていなくても進められます。いまの高校から移ることを考えている場合は、手続きの流れを高校 転入の記事で先に見ておくと、質問の順番を決めやすくなります。


担任がつくオンラインの学びを、個別相談会で確かめる
ニジ高は担任制・1クラス8人の、オンライン中心の通信制高校サポート校です。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。担任が受け持つ人数や連絡の手段は、個別相談会で聞けます。
よくある質問
Q. 通信制高校には担任がいないのですか。
A. 担任の形は学校によります。国の法令のうち、この記事で確かめた4つには担任を置く・置かないの定めが見当たりません。高等学校学習指導要領は、ホームルーム活動を「ホームルーム担任の教師」が指導することを原則としていますが、受け持つ人数や連絡の取り方は学校が決めています。公式サイトを確かめた6つの学校・学校グループは、どこも担任か、メンターやマイコーチなど担任に当たる人がいると書いていました。候補の学校については、どのコースでもつくのかを聞いてみてください。
Q. 通信制高校の先生は教員免許を持っていますか。
A. 国のガイドラインは、添削指導・面接指導・試験の採点と評価を、各教科の教員免許状を持つ実施校(通信制高校)の教員が行うこととしています。一方、サポート校や学習センターのスタッフは高校の教員とは立場が違い、資格や人数についての基準は、高等学校通信教育規程には見当たりません。「担任」と呼ばれる人がどちらなのかは、学校に聞くと分かります。
Q. 担任とはどうやって連絡を取りますか。
A. 学校ごとに違います。公式サイトで確かめた例では、電話とネット学習システムのチャット(NHK学園高等学校)、電話・メール・Slack・Zoomなど(N高グループ)、オンラインチャットと三者面談(ルネサンス高校グループ)と書かれていました。連絡の手段が公式ページに書かれていない学校もあったので、説明会で確かめてください。
Q. 担任の先生と合わないときは、替えてもらえますか。
A. 替えられるかどうかを決めた国の資料は、今回確認した範囲にはありませんでした。学校ごとの対応になります。生徒が自分の先生を選ぶ制度を公式サイトに書いている学校もあります(クラーク記念国際高等学校のパーソナルティーチャー制度、おおぞら高校のマイコーチ)。また、実態調査では84.5%の学校がスクールカウンセラーに相談できる体制を整えていると答えています。担任のほかの窓口を、入学前に聞いておくことをおすすめします。
決める前に確かめたいのは、呼び方より「困ったときに誰に届くか」です
担任、メンター、コーチ。呼び方は学校ごとに違っても、確かめたいことは同じです。レポートが止まったとき、体調が崩れたとき、進路で迷ったときに、あなたの言葉が誰に届くのか。その人は高校の先生なのか、サポート校の人なのか。どうやって連絡すればいいのか。
国の基準で数が決まっているのは、先生の数の最低ラインです。担任1人が受け持つ人数や連絡の手段は、学校ごとに形が違います。だから、聞いてよいことですし、聞いたほうがよいことです。
急いで決める必要はありません。気になる学校を2つか3つ選んで、同じ7つの質問をしてみるところから始めてみてください。
担任のこと、連絡の手段のことは、個別相談会で聞けます
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