不登校の高校生に、何か趣味が見つかってほしい。そう思うのは、時間を持て余している姿を見ているのがつらいからだと思います。ゲームと動画だけで一日が終わっていくのを見ると、このままでいいのかと不安にもなります。
先に結論を書きます。趣味は、探させるものではなく、休める時間が戻ってきたあとに自然と出てくるものです。文部科学省の通知は、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す積極的な意味を持つことがあると書いています。そして、こども家庭庁の指針は、ゲームやSNSの空間も居場所になり得ると認めています。先に取り上げるのではなく、そこから少しだけ外へ広げるのが、遠回りに見えて近道です。
この記事は、文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)、「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」(平成21年3月12日)、令和6年度の問題行動・不登校等調査、令和9年度大学入学者選抜実施要項、高等学校学習指導要領、こども家庭庁の「こどもの居場所づくりに関する指針」、e-Govの労働基準法の条文を、2026年9月30日に実際に開いて確認した内容で書いています。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。
今の高校に通い続けるのが難しい場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:不登校の高校生が新しい趣味に出会うまでの早見
- 先に「趣味を見つけさせよう」としない。文部科学省の通知は、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す積極的な意味を持つことがある、と書いています。同時に学業の遅れや進路選択上の不利益というリスクにも留意するよう求めており、どちらか片方だけを見ないのが公式の立場です。
- ゲームや動画を頭から否定しない。こども家庭庁の指針は、SNSやオンラインゲームの空間が居場所になった例を挙げ、リスクから守りつつその有用性の理解を深める必要があると書いています。時間の決め方は家庭で話し合うこととして分けて考えます。
- 家でできることは、興味の型で5つに分けると探しやすい。作る・調べる・体を動かす・人と話す・お金にする。本人が今いちばん近いと感じる列から、1つだけ試します。
- 外とつながる場は、家から近い順に4段階。図書館などの公共施設、オンラインのサークル、教育支援センター(適応指導教室)、フリースクールなどの民間施設。全国の図書館は3,400館で過去最多です(令和6年度社会教育統計)。
- 高校生でも、学校の外で相談・指導を受けた日を出席扱いにできる場合があります。条件は平成21年3月12日の文部科学省通知に書かれています。ただし出席扱いと科目の単位認定は別のものです。
- 好きなことは、探究・総合型選抜・資格・アルバイトの4つの形で進路につながることがあります。令和9年度の大学入学者選抜実施要項は、活動報告書を活用する場合に記載を求める内容として「学校の内外で意欲的に取り組んだ活動」を挙げています。ただし、うまくいく人ばかりではありません。
- 家にいながら同じ興味の人とつながる場として、オンライン中心の通信制高校サポート校(NIJIN高等学院など)を使う方法もあります。
最初にすることは、趣味を見つけさせることではなく、何もしなくていい時間を守ることです
「何か好きなことを見つけたら、きっと元気になる」。その願いは自然なものです。ただ、順番を間違えると逆に動けなくなることがあります。
こども家庭庁の「こどもの居場所づくりに関する指針」には、居場所の性質について次の整理があります。何かをすることを通じて居場所と感じる場と、そこに居ることそのものが居場所になる場の2つがある。そして前者については、期待された行為が実施できない場合には、その場に居ることについて後ろめたさを感じるなど、居場所になりにくくなる側面があると書かれています。
これは家の中でも同じことが起きます。「何かやってみたら」と勧めた瞬間、家が「何かをしなければいけない場所」に変わります。うまく続けられなければ、本人はリビングに出てくること自体をやめてしまう。よかれと思った提案が、居場所を1つ減らしてしまうのです。
逆に指針は、特定の行為なくして、何もせず居られ、ありのままの自分を受け入れてくれる場は、広くこどもの居場所になりやすいと書いています。まずは家をその状態に戻すことが、趣味探しの前の一手になります。
出典:こども家庭庁「こどもの居場所づくりに関する指針」(令和5年12月22日閣議決定。2026年9月30日確認)
文部科学省の通知は、休むことにも積極的な意味があると書いています
「休ませていいのか」「甘やかしになっていないか」。ここで迷う保護者の方は多いと思います。国の文書がどう書いているかを、そのまま見ておきます。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(元文科初第698号・令和元年10月25日)は、支援の基本的な考え方を次のように示しています。
- 不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある。
- 児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意する。
- 児童生徒の才能や能力に応じて、それぞれの可能性を伸ばせるよう、本人の希望を尊重した上で、教育支援センター、ICTを活用した学習支援、フリースクールなど、様々な関係機関等を活用して社会的自立への支援を行う。
- 体験活動においては、児童生徒の積極的態度の醸成や自己肯定感の向上等が期待されることから、青少年教育施設等の体験活動プログラムを積極的に活用することが有効である。
読み取れるのは、「休ませるか、動かすか」の二択ではないということです。通知は休養の意味を認めつつ、同じ段落で進路上のリスクにも留意せよと書いています。だから現実的な答えは、休養を守りながら、負担の小さい体験の入口だけを開けておくという形になります。
なお、この通知が出席扱いなどの具体的な取扱いを定めているのは義務教育段階が中心で、高等学校については後述の平成21年3月12日付け通知によることとされています。高校生の場合に何が使えるかは、あとの節で分けて書きます。
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日(2026年9月30日確認)
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

ゲームや動画は、こども家庭庁の指針でも居場所として数えられています
「ゲームばかりで、趣味と呼べるものがない」。そう感じるときに、まず知っておきたい国の書きぶりがあります。
こども家庭庁の指針は、本指針の対象となる居場所の範囲について、居場所づくりを目的としていない場も結果としてこどもの居場所になるとして、学校のほかに塾や習い事、SNSやオンラインゲームなどの活動、ショッピングモールを挙げ、これらも「こども・若者によっては貴重な居場所となっていることもある」と書いています。さらに環境の変化への対応の項では、オンラインゲームやSNSなどは、おとなや利用者同士の不適切な関わりなどのリスクが強調されがちであるが、こども・若者をこうしたリスクから守りつつ、その有用性について理解を深めていく必要があるとしています。
つまり、公的な文書の側が「ゲームは居場所になり得る」と認めています。家庭でそれを全否定すると、本人にとって唯一残っていた居場所をなくすことになりかねません。
もう1つ、指針には居場所の特徴として、昨日まで居場所だと感じていた場や対象が、心理的な変化や人間関係の変化などにより、今日は居場所だと感じられないこともあるとあります。居場所は移り変わります。今はゲームがその役割を担っているだけで、この先ずっと同じとは限りません。
| 居場所の型 | どんな場か | 家でできること |
|---|---|---|
| そこに居ることが居場所になる型 | 特定の行為が求められず、何もせず居られる | 声をかけずに同じ部屋にいる。用事のない会話だけする |
| 何かをすることで居場所になる型 | 行為の結果としてその場を自分の場と感じる | 本人が始めたことを、続けられなくても責めない |
| オンラインの居場所 | SNSやオンラインゲームの空間も含まれる | 中身を聞く。否定から入らない |
| 使い分ける型 | 一人で居られる場と交流する場を、必要に応じて行き来する | 両方を用意し、どちらを選んでも構わないと伝える |
出典:こども家庭庁「こどもの居場所づくりに関する指針」第2章・第3章(2026年9月30日確認)
ゲームの時間そのものが心配な場合は、時間の長さだけで依存症とは決まらないという整理を不登校 ゲームばかりの記事にまとめています。
家でできることは、興味の型を5つに分けると探しやすくなります
ここからが本題です。「趣味を見つけよう」と考えると範囲が広すぎて止まります。興味の向き先を5つの型に分けて、本人が今いちばん近いと感じる列から1つだけ試すと、選ぶ負担が小さくなります。
| 興味の型 | 家でできることの例 | 始めるときの目安 |
|---|---|---|
| 作る | 料理、お菓子、絵、手芸、プラモデル、DTM、動画編集、プログラミング | 材料が家にあるものから。完成しなくてよいと最初に決める |
| 調べる | 読書、歴史、地図、鉄道、天文、語学、資格の勉強、推しの背景を調べる | 図書館の貸出で十分。買い足さない |
| 体を動かす | ストレッチ、筋トレ、散歩、自転車、ダンス、卓球、家の中でできる球技 | 夜でもよい。時間ではなく回数で数えない |
| 人と話す | オンラインの趣味サークル、ゲーム内の交流、ラジオ、文通、同じ作品のファンの集まり | 読むだけ・聞くだけの参加から |
| お金にする | イラストや作品の販売、写真、文章、アルバイト、家の手伝いの請負 | 収入の額を目標にしない。仕組みを知るところまでで一区切り |
この表の使い方には、コツが2つあります。
1つ目は、いま本人がやっていることが、どの型に近いかを先に確かめることです。ゲームなら「作る」(実況・配信・ゲーム制作)にも「調べる」(攻略・歴史)にも「人と話す」にも広がります。動画を見ているなら、そのジャンルがそのまま入口です。ゼロから探すより、すでにある熱の隣に置くほうが動きます。
2つ目は、道具を買い足さないことです。道具をそろえると、やめるときに申し訳なさが残ります。指針が書いていた「期待された行為ができないと居場所になりにくい」という状態を、家庭側で作らないための配慮です。

動画やゲームの時間は、禁止ではなく家庭で決めたほうが続きます
「では時間は野放しでいいのか」という問いが残ります。ここは制度の話ではなく、家庭で話し合って決める領域です。国の文書は時間の上限を定めていません。そのうえで、実際に決めるときの形だけ整理します。
次の表は公的な調査に基づくものではなく、相談でよく挙がる例を並べたものです。
| 決め方 | 起きやすいこと | 言い換えると |
|---|---|---|
| 親が上限を決めて通告する | 守れなかったときに、隠れてやるようになる | 本人と一緒に上限を決め、紙に書いて見える場所に置く |
| 時間の長さだけで叱る | ゲームの中身や交流の話をしなくなる | 何をしているのかを聞く。人と遊んでいるのかを聞く |
| 取り上げる | 居場所が1つ減り、家の中の関係が悪くなる | 就寝時間と食事の時間だけを先に決め、残りは本人に任せる |
| 成績や進路と結びつける | 進路の話ができなくなる | 時間の話と進路の話を、別の日にする |
睡眠や食事に支障が出ている、やめたいのにやめられないと本人が言う、といった場合は、時間の話ではなく健康の話になります。そのときは学校のスクールカウンセラー、自治体の精神保健福祉センター、かかりつけの医療機関にご相談ください。この記事は診断や治療について判断できるものではありません。
外とつながる場は、家から近い順に4段階で考えます
家の中で少し動きが出てきたら、次は外の場です。いきなりフリースクールの見学に行くのではなく、心理的な距離が近い順に並べて、1段ずつにします。
| 段階 | 場の例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1. 誰とも話さなくてよい場 | 図書館、公園、博物館、美術館 | 用事がなくても居てよい。会話が求められない。全国の図書館は3,400館 |
| 2. 画面越しの場 | オンラインの趣味サークル、オンラインの学習の場、SNSのコミュニティ | 特別なニーズのある人にも初めの一歩としてつながりやすいと国の指針にある |
| 3. 公的な支援の場 | 教育支援センター(適応指導教室)、自治体の若者相談窓口 | 費用がかからないことが多い。高校生を受け入れるかは自治体で異なる |
| 4. 民間の場 | フリースクール、NPOの居場所、地域の子ども食堂や居場所 | 費用と内容は施設ごと。文部科学省のガイドライン(試案)が目安になる |
数字の裏づけも見ておきます。文部科学省の令和6年度の調査では、小・中学校の不登校児童生徒353,970人のうち、学校外の機関等で専門的な相談・指導等を受けたのは121,375人、そのうち教育支援センターが32,240人、民間団体・民間施設が18,566人でした。高校生についてはこの内訳が同じ形では公表されていないため、この数字は小・中学校のものとしてお読みください。
こども家庭庁の指針は、オンラインの居場所について特別なニーズを持つこども・若者や地域性を忌避する傾向のあるこども・若者などにとって、初めの一歩としてつながりやすく、オンラインの居場所の中でサポートが完結することもあると書いています。外に出ることだけが「つながる」ではありません。
また、社会教育統計(令和6年度・確定値)では、図書館は3,400館で過去最多、青少年教育施設は783施設でした。用事がなくても居てよい場所は、思っているより近くにあります。
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」/文部科学省「令和6年度社会教育統計(社会教育調査の結果)の確定値」(令和8年3月27日公表。2026年9月30日確認)
フリースクールと高校の関係の整理は、不登校 フリースクールの記事にまとめています。小学生・中学生の場合は、NIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のオンラインのオルタナティブスクールのような、オンラインで同世代とつながる場もあります。
なお、フリースクールは学校教育法上の学校ではないため、通い続けても高校の卒業資格にはつながりません。レポート・スクーリング・試験で単位を積み上げて卒業資格を取る仕組みは通信制高校とはの記事にまとめているので、居場所と学籍は分けて考えると整理しやすくなります。

高校生が学校外で受けた相談・指導を出席扱いにできる条件は、平成21年の通知にあります
「外の場に通うと、学校の欠席はどうなるのか」。高校生の場合の答えは、文部科学省の「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」(20文科初第1346号・平成21年3月12日)に書かれています。
この通知は、一定の要件を満たし、かつ当該施設への通所又は入所が、不登校生徒の将来的な社会的自立を助ける上で有効・適切であると判断される場合に、在籍校の校長が指導要録上の出席扱いとすることができる、としています。要件は次の3つです。
| 要件 | 通知の内容 |
|---|---|
| (1) 家庭と学校の連携 | 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること |
| (2) 施設の種類 | 教育委員会等が設置する適応指導教室等の公的機関とするが、公的機関での指導の機会が得られない、あるいは公的機関に通うことが困難な場合で、本人や保護者の希望もあり適切と判断される場合は、民間の相談・指導施設も考慮されてよい |
| (3) 通所または入所 | 当該施設に通所又は入所して相談・指導を受ける場合を前提とすること |
ここで、見落とされやすい点が3つあります。
1つ目。出席扱いと、科目の単位認定は別のものです。通知は「この指導要録上の出席扱いは、科目の履修の認定に当たって考慮される授業への出席とは異なるものであり、科目の履修の認定に当たっては、在籍校における履修要件に照らして適切に行うよう留意すること」と明記しています。出席扱いになっても、その科目の単位が自動的に取れるわけではありません。
2つ目。高校では「通所又は入所」が前提です。義務教育段階には、自宅でICT等を活用した学習活動を出席扱いにできる取扱い(令和元年通知の別記2)がありますが、高等学校について同じ取扱いを定めた記述は、この平成21年通知には見当たりませんでした。自宅でのオンライン学習を高校の出席にできるかは、在籍校と設置者の判断になります。
3つ目。交通費の軽減措置があります。出席扱いとなった生徒が学校外施設へ通所する場合、鉄道は実習用通学定期乗車券制度、乗合バスは通学定期乗車券が、交通事業者の理解と協力の下に適用されるとされています。手続は校長が行います。
民間施設を選ぶときの目安として、通知には「民間施設についてのガイドライン(試案)」が添えられています。実施者が深い理解と知識または経験を有すること、著しく営利本位でなく入会金や授業料が明確にされていること、指導内容・方法があらかじめ明示されていること、体罰などの不適切な指導や人権侵害行為が行われていないこと、学習支援や進路の状況を保護者に情報提供していること、などが挙げられています。見学のときの質問リストとして使えます。
出典:文部科学省「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」(平成21年3月12日)(2026年9月30日確認)
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

好きなことが進路につながるのは、探究・総合型選抜・資格・アルバイトの4つの形です
「趣味が将来の役に立つのか」。ここは期待を煽らずに書きます。好きなことが進路に直接つながる人ばかりではありません。ただ、つながる道筋は制度として用意されています。
| 形 | 制度上の根拠 | 現実的な注意 |
|---|---|---|
| 探究 | 高等学校学習指導要領の「総合的な探究の時間」。全ての生徒に履修させる | 学校ごとにテーマの自由度が違う。在籍校に確認する |
| 総合型選抜 | 令和9年度大学入学者選抜実施要項。活動報告書を活用する場合の記載内容に学校の内外の活動 | 合格を保証するものではない。学部ごとに評価の観点が違う |
| 資格・検定 | 同要項が、資格・検定試験等の成績の活用を挙げている | 受験料と日程がかかる。取っただけでは評価されない |
| アルバイト | 労働基準法。18歳未満は原則として夜10時から朝5時まで働けない | 在籍校の許可制のことがある。学校の規程を先に確認する |
まず探究です。高等学校学習指導要領(平成30年告示)第4章「総合的な探究の時間」の目標は、探究の見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を育成することです。そして探究課題の例として、生徒の興味・関心に基づく課題、職業や自己の進路に関する課題が明記されています。趣味をテーマにしてよいことが、学習指導要領に書かれているわけです。
次に総合型選抜です。令和9年度大学入学者選抜実施要項は、活動報告書を活用する際に記載を求める内容として、「総合的な探究の時間」や理数探究等において取り組んだ課題研究等と、学校の内外で意欲的に取り組んだ活動(生徒会活動、部活動、ボランティア活動、課題研究、その他生徒が自ら関わってきた諸活動、資格・検定等、各種大会・コンクール等、留学・海外経験等)を挙げています。「学校の内外で」と書かれているのがこの記事の要点です。学校に行けていない期間に家で続けたことも、書ける対象に含まれます。
また同要項では、令和9年度から総合型選抜と学校推薦型選抜で面接による評価を行うこととされました(既存の選抜区分で導入が難しいものは、遅くとも令和11年度まで)。(学校推薦型選抜のうち非公募・専願のものは、大学が面接の要否を判断できます)面接がある以上、自分の言葉で話せるものが1つあることが効いてきます。それが趣味であって構いません。
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」/高等学校学習指導要領(平成30年告示)(2026年9月30日確認)
総合型選抜の準備を通信制高校でどう進めるかは、総合型選抜 通信制高校の記事で見ています。
アルバイトを考えるなら、18歳未満は原則として夜10時から朝5時まで働けません
「お金にする」の型を選んだとき、いちばん現実的なのがアルバイトです。ここは法律で決まっている部分があるので、条文で確認します。
- 深夜業:使用者は、満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない(労働基準法第61条第1項)。交替制によって使用する満16歳以上の男性は例外です。ただし、厚生労働大臣が地域や期間を限って午後11時・午前6時とすることができる(第61条第2項)、交替制の事業は行政官庁の許可を受けて午後10時30分まで・午前5時30分からにできる(同第3項)、災害等による時間外・休日労働の場合と、農林・畜産水産・保健衛生の事業、電話交換の業務には適用されない(同第4項)といった例外があります。
- 労働時間:満18歳に満たない者には、変形労働時間制や36協定による時間外労働の規定(第32条の2から第32条の5、第36条など)が適用されません(第60条第1項)。つまり原則として1日8時間・週40時間を超えて働かせられません。ただし満15歳以上満18歳未満については、1週40時間の範囲で1日10時間まで延ばす、1週48時間以下・1日8時間を超えない範囲で変形労働時間制の例により働かせる、といった取扱いが認められています(第60条第3項)。
- 年齢証明:使用者は、満18歳に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければなりません(第57条第1項)。
このほかに、高校が校則でアルバイトを許可制にしている場合があります。法令ではなく学校ごとの規程なので、在籍校の生徒手帳や学則をご確認ください。通信制高校の場合の両立のしかたは、通信制高校 アルバイトの記事に書いています。
出典:e-Gov 労働基準法 第57条・第60条・第61条(2026年9月30日確認)
親の関わり方は、一緒にやる・回数を決めない・やめても責めないの3つです
ここからは、声のかけ方です。こども家庭庁の指針には、居場所を利用するきっかけについて、利用のきっかけは本人の意思だけではなく、保護者や友人、学校の教職員や地域住民など信頼できる者からのすすめが利用しやすさにつながることもあるとあります。すすめること自体は否定されていません。問題は言い方と、そのあとです。
| 場面 | 負担になりやすい言い方 | 負担の小さい言い方 |
|---|---|---|
| 誘うとき | 何か趣味を見つけたら | これ一緒にやってみない。私がやりたいだけなんだけど |
| 買うとき | 道具そろえたから、やってみたら | まず借りてみよう。合わなかったら返せばいい |
| 続かないとき | 言い出したのは自分でしょ | 合わなかったんだね。次の候補、何かある |
| 進路に結びつけたいとき | それ将来の役に立つの | それ、どこが面白いの(役に立つかの話は別の日に) |
「誘いどき」の目安は、生活のリズムが少し戻ってきて、家の中で自分から話しかけてくる回数が増えたころです。逆にやめどきは、次のいずれかが見えたときです。
- 誘った翌日に、部屋から出てこなくなった
- 「やらなきゃ」という言葉が本人から出はじめた
- 道具や教材が増えて、片づけられないまま置かれている
- 親のほうが、成果を数えはじめた(何回できたか、何日続いたか)
いずれも、こども家庭庁の指針が書いていた「期待された行為ができないと、その場に居ることに後ろめたさを感じる」状態の入口です。ここで止めるのは後退ではなく、居場所を守る判断です。
保護者の方自身が苦しくなったときの相談先も書いておきます。文部科学省の24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は、悩んでいる子供や保護者等がいつでも相談できるよう、教育委員会が夜間・休日を含め24時間対応可能な体制を整備しているものです。通話料は無料です。学校のスクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口、精神保健福祉センターもあります。
出典:文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」/同「「24時間子供SOSダイヤル」周知のためのポスターについて」(通話料無料。2026年9月30日確認)
よくある誤解と、気をつけたい落とし穴
ここまでの内容をふまえて、つまずきやすい点を並べます。
- 誤解1:趣味が見つかれば学校に行けるようになる。文部科学省の通知は、支援の目標を登校という結果のみに置かないよう求めています。趣味は登校の手段ではありません。
- 誤解2:ゲームをやめさせれば他のことを始める。こども家庭庁の指針は、オンラインゲームの空間も居場所になり得るとしています。取り上げても、代わりの居場所が自動的に生まれるわけではありません。
- 誤解3:フリースクールに通えば出席扱いになる。高校の場合、平成21年通知の3つの要件と、校長の判断が前提です。加えて、出席扱いと科目の単位認定は別のものです。
- 誤解4:好きなことを続ければ総合型選抜で有利になる。実施要項は、活動報告書を活用する場合の記載内容として学校内外の活動を挙げていますが、活動報告書を使うかどうかも評価の観点も大学ごとです。合格を保証する制度ではありません。
- 落とし穴1:親が先に詳しくなる。調べた情報を一度に渡すと、本人は選ぶ前に疲れます。渡すのは1回に1つまでにします。
- 落とし穴2:体験の予約を先に入れる。予約は「行かなければならない日」を作ります。申し込みの前に、本人の言葉で「行ってみたい」が出ているかを確かめます。
- 落とし穴3:睡眠と食事を後回しにする。令和6年度の調査で、高校の不登校生徒について学校が把握した事実のうち多かったのは、学校生活に対してやる気が出ない26.9%、生活リズムの不調26.2%、不安・抑うつの相談があった16.0%でした(複数回答。「左記に該当なし」11.9%は除く)。趣味の前に、生活の土台のほうが効くことがあります。

迷ったときの進め方(3ステップ)
何から手をつけるか決められないときの順番です。1週間に1ステップで構いません。
- 今の居場所を数える。家の中で本人が落ち着いていられる場所と時間、オンラインでつながっている相手を、紙に書き出します。ゲームも数に入れます。ゼロではないことを、まず親が確認します。
- 興味の型の表から1列だけ選ぶ。作る・調べる・体を動かす・人と話す・お金にする。すでにやっていることに近い列を選び、道具を買わずに始められるものを1つだけ試します。続かなくてよいと最初に声に出して伝えます。
- 外の場を1段だけ用意する。図書館やオンラインの集まりなど、会話が求められない段階から。学校の出席や単位が気になる場合は、在籍校の担任に平成21年通知の取扱いについて確認し、市区町村の教育委員会に教育支援センターが高校生を受け入れているかを聞きます。
この3つを1か月かけて進めても遅くはありません。進み方に迷ったときは、2に戻って別の列を試すだけで構いません。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
好きなことから始める学び方を、学校の側に用意している場もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。この記事のテーマに関係する範囲で書きます。
- マイプロジェクト:自分の好きなことや関心からテーマを立て、企業や地域と関わる探究プロジェクトに取り組めます。
- サークル:生徒の「好き」から立ち上がります(ハンドメイド、鉄道など)。
- 行事:生徒が企画する側になれます。種目も、集める人も、場所も自分たちで決める形です。国内修学旅行や海外のスタディツアーもありますが、リアル行事は任意参加で、修学旅行などの費用は学費とは別の実費です(内容・日程は年度により変わります。2026年9月時点)。
- 参加のしかた:カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。毎週火曜12:30の全校ホームルームは、YouTubeのLIVE配信を見るだけの参加もできます。毎週のクラス会議は8人のクラスで行い、メタバースの校舎で担任や同級生と集まる時間があります。授業のアーカイブ視聴、中学範囲の学び直しにも対応しています。希望する生徒には、スタッフが1対1で伴走します。
- 進路の準備:総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座に力を入れています。希望者は週1回の企業インターンにも参加できます。
- 発達特性や障害について:本人を変えるのではなく、学びの構造や環境を変えることで支援するという考え方を取っています。いまできることの少し先に課題を置き、学び方の仕組みのほうを変えます。ただし診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。
正直な注意点も書きます。
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は、提携する通信制高校、または在籍中の通信制高校で取ります。
- 提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。宿泊を伴う場合があり、ニジ高のスタッフは付き添いません。日程の調整と準備の支援は行います。形や日程は個別相談会でご案内しています。
- 費用は在籍校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に高等学校等就学支援金は使えません。金額は学費のご案内をご覧ください。
- オンライン中心なので、毎日通う場所が欲しい方には合わないことがあります。
- N高等学校・ルネサンス高等学校・クラーク記念国際高等学校など、ほかの通信制高校に在籍したままニジ高を併用することもできます。その場合、卒業資格・スクーリング・単位・評定は在籍校のものになります。
- 転入・編入による途中入学ができ、出願費用は無料です。
小学生・中学生のごきょうだいやお子さんについては、NIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のオンラインのオルタナティブスクールがあります。

好きなことから始める学び方を、オンラインで試してみませんか
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラ・マイクをオフにしてチャットだけで参加でき、自分の「好き」からテーマを立てるマイプロジェクトやサークルがあります。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。個別相談会はオンラインで30分・無料、保護者の方だけでも参加できます。
よくある質問
Q. 何を勧めても「別にいい」と言われます。どうすればいいですか。
A. 勧めるのをいったん止めて構いません。こども家庭庁の指針は、特定の行為が求められず何もせず居られる場のほうが、広く居場所になりやすいと書いています。「別にいい」は拒絶ではなく、今は選ぶ余力がないという合図のことがあります。親の側が自分の趣味を家の中で楽しんでいる姿を見せるくらいが、次の入口になります。
Q. ゲームの時間を制限するべきでしょうか。
A. 国の文書に時間の上限はありません。こども家庭庁の指針は、オンラインゲームについてリスクから守りつつ有用性の理解を深める必要があると書いています。上限を決めるなら、親が通告するのではなく本人と一緒に決め、睡眠と食事の時間を先に置くのが現実的です。眠れない、やめたくてもやめられないと本人が言う場合は、時間の話ではなく健康の相談になります。学校のスクールカウンセラーや医療機関にご相談ください。
Q. フリースクールに通えば、高校の出席になりますか。
A. 条件つきで、なる場合があります。文部科学省の平成21年3月12日の通知は、保護者と学校の連携が保たれていること、施設は原則として教育委員会等が設置する公的機関(民間施設は公的機関に通うことが困難な場合などに考慮されてよい)、通所または入所して相談・指導を受けることの3つを要件とし、校長が出席扱いにできるとしています。ただし出席扱いと科目の単位認定は別で、単位は在籍校の履修要件で判断されます。まず担任にご相談ください。
Q. 趣味が「ゲーム実況を見ること」しかありません。進路に書けますか。
A. 見るだけの段階では書きにくいですが、隣に置ける形はあります。令和9年度大学入学者選抜実施要項の活動報告書は、学校の内外で意欲的に取り組んだ活動を挙げています。見る側から、感想を書く・自分で作る・調べてまとめる、のどれかに一歩ずらせると、探究のテーマや活動として扱える形に近づきます。ただし、これで合格するという話ではありません。
Q. 高校生でも教育支援センター(適応指導教室)は使えますか。
A. 平成21年の通知は、出席扱いの対象施設として「教育委員会等が設置する適応指導教室等の公的機関」を基本としています。ただし教育支援センターは義務教育段階の児童生徒を中心に整備されてきた経緯があり、高校生を受け入れるかどうかは自治体によって違います。全国の状況をまとめた公式資料は確認できませんでした。お住まいの市区町村の教育委員会にお問い合わせください。
趣味は、探しに行くものではなく、余白ができたときに戻ってくるものです
ここまで制度や数字を並べてきましたが、いちばん伝えたいのは1つです。今、何も手につかないことは、失われた時間ではありません。文部科学省の通知が「休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある」と書いているのは、そういう時期が実際にあるからです。
そして、こども家庭庁の指針は、居場所は移り変わるものだと書いています。今はゲームと動画だけに見えても、それは固定された姿ではありません。眠れるようになり、食べられるようになり、家の中で少し声が出るようになったころに、「これ、ちょっとやってみようかな」が戻ってきます。そのときに、道具を買わずに始められる選択肢が手元にあること。この記事の表は、そのための引き出しです。
もし、同じ興味を持つ人とオンラインでつながれる場を探しているなら、通信制高校やサポート校も候補の1つになります。ニジ高の場合は、カメラをオフにして見るだけの参加から始められます。まずは話を聞くだけでも構いません。
学校のことも趣味のことも、決める前の段階からご相談いただけます
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

