たとえば、高校1年の秋から半年ほど学校に行けない時期があった人が、高校3年の秋、総合型選抜の志望理由書の前で手が止まる。「不登校のことを書いたら不利になるのでは」「書かなかったら、隠したことになるのでは」。これは仮の場面ですが、同じところで迷っている人に向けて、この記事を書きました。
先に結論を書きます。不登校の経験を志望理由書に書くか書かないかは、あなたが決めてかまいません。国の大学入学者選抜実施要項が志望理由書に書かせるとしているのは「入学希望理由」や「入学後に学びたい内容・計画」などで、文部科学省が示す活動報告書のイメージ例にも、不登校や欠席の理由を書く欄はありません。一方で、高校が作る調査書には「出欠の記録」の欄があり、全日制や定時制の高校での欠席日数は、本人が書かなくても大学に届きます。だから考えることは2つです。書くなら「経験→そこから何をしたか→大学で学びたいこと」の順に組み立てること。書かないなら、面接で聞かれたときの短い答えを用意しておくこと。
この記事は、文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日通知)と調査書の様式、同要項のQ&A(令和8年9月2日更新)、指導要録についての通知、3大学の2027年度入試の公式ページを実際に開いて確かめた内容で書いています。調べて分からなかったことは、分からなかったと書きます。合格を請け合う記事ではありません。
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結論:不登校経験を志望理由書・面接でどう伝えるかの早見
- 書くか書かないかは、本人が決めてよいことです。国の実施要項が志望理由書(大学入学希望理由書)に書かせるとしているのは、入学を希望する理由・入学後に学びたい内容と計画・卒業後の目標で、欠席の理由ではありません。
- 調査書には「出欠の記録」の欄があります。全日制・定時制の高校では、欠席日数と出席日数を高校が指導要録から書き写して大学に出します。本人が書かなくても、数字は届きます。
- 実施要項は、本人に帰責されない身体・健康上の理由によるやむを得ない欠席を大学が把握した場合、「志願者本人が不利益を被ることがないよう配慮する」と書いています。対象として挙げられているのは病気・事故等で、不登校という言葉はこの部分には出てきません。
- 書く場合の組み立ては「経験→そこから何をしたか→大学で学びたいこと」。理由の説明は短くし、その後の行動と、これから学びたいことに字数を使います。
- 面接では欠席の理由を聞かれることがあります。文部科学省のQ&Aが、大学の対応の例として「面接等において志願者本人に確認すること」を挙げています。「事実を短く→今の状態→学びたいこと」の3文を用意しておきます。
- 通信制高校の指導要録は「出欠の記録」ではなく「出校の記録」です。ただし、ほかの高校から転入した人の調査書には、前の高校の記録が転記されるか、写しが添付されます。
- 書類や面接の練習をひとりで進めにくいときは、小論文・面接・自己PRの講座に取り組むサポート校(NIJIN高等学院など)を使う方法もあります。
「書くか書かないか」は本人が決めてよい。国の要項が志望理由書の内容として挙げているのは、欠席の理由ではありません
まず、志望理由書が何を書く書類なのかを、国の文書で確かめます。文部科学省の実施要項(第6の5)は、志願者本人が書く資料について次のように書いています。
- 大学入学希望理由書・学修計画書:各大学が「入学希望理由や入学後に学びたい内容・計画、大学卒業後を見据えた目標等を記載させる」。
- 活動報告書:「高等学校までの学習や活動の履歴が把握できるようにするため」、総合的な探究の時間などで取り組んだ課題研究や、学校の内外で意欲的に取り組んだ活動の記載を求める。
要項に付いている「活動報告書のイメージ例」の項目も、(1)学業に関する活動(学内・学外)、(2)課題研究等に関する活動、(3)資格・検定等に関する活動の3つです。欠席の日数や理由、不登校の経験を書く項目はありません。ただし、設問は大学ごとに違います。出願する大学の様式を先に開き、何を問われているかを読んでから決めてください。
「書かない」ことは、隠すことではありません。全日制・定時制の高校での欠席日数は、調査書で届くからです。「書く」ことも、言い訳ではありません。次の表は、決めるときの目安としてこの記事で整理したもので、公的な基準ではありません。
| あなたの状況 | 考え方の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 学びたいことが、学校に行けなかった時期の経験から生まれた | 書く方向で考える | 志望理由の出発点なので、省くと「なぜこの学部か」が伝わりにくい |
| 学びたいことと、不登校の経験は関係がない | 志望理由書には書かなくてよい | 字数は、学びたい内容と計画に使うほうが設問に合う |
| 欠席日数が多く、出願先が出欠の記録を評価の対象にしている | 書類か面接のどちらかで、短く説明できるようにしておく | 数字だけが届くより、今の状態が伝わる |
| まだ言葉にするのがつらい | 書かない。面接用の短い答えだけ用意する | 書類は、いま書ける内容で作ればよい |
総合型選抜そのものの仕組みや、出願までの段取りは通信制高校 総合型選抜の記事にまとめています。この記事は、不登校の経験の伝え方に絞ります。

調査書には「出欠の記録」の欄があり、欠席日数は高校から大学に届きます
志望理由書は自分で書く書類ですが、調査書は高校が作る書類です。実施要項(第5の1)は、調査書を「在籍する高等学校が高等学校生徒指導要録に基づき」国の様式で作るものとしています。その様式(別紙様式1)の主な欄は次のとおりです。
| 調査書の欄 | 書かれること | この記事での注目点 |
|---|---|---|
| 2.各教科・科目等の学習の記録 | 科目ごとの評定(5〜1の5段階)と修得単位数 | 評定平均のもとになる |
| 3.各教科の学習成績の状況 | 教科ごと・全体の評定の平均(評定の合計を評定の数で割り、小数第2位を四捨五入) | いわゆる評定平均。出願資格に使う入試がある(あとの節の例) |
| 4.学習成績概評 | 全体の学習成績の状況をA〜Eの5段階で示す(5.0〜4.3がA、4.2〜3.5がB、3.4〜2.7がC、2.6〜1.9がD、1.8以下がE) | 評定平均を5段階にまとめたもの |
| 7.指導上参考となる諸事項 | 要点を箇条書きにするなど必要最小限。休学は校長が許可した期間を記入 | 休学した期間はここに書かれる |
| 8.備考 | 単位制の課程である旨など | 欠席の理由を高校が書き添える場合がある(次の節) |
| 9.出欠の記録 | 学年ごとの欠席日数・出席日数など | 欠席した日数がそのまま載る |
「出欠の記録」は、指導要録の同じ欄を書き写すことになっています(調査書記入上の注意事項14)。指導要録についての文部科学省の通知では、欠席日数は「出席しなければならない日数のうち病気又はその他の事故で生徒が欠席した日数」です。理由ごとに分かれた数字ではないので、調査書の数字だけでは、なぜ休んだのかは大学に伝わりません。
細かい点を2つ補足します。通信制高校の場合は扱いが違うので、あとの節で書きます。
- 令和9年度入試の調査書では、様式の欄のうち「出席停止・忌引き等の日数」と「授業日数」は記載しないこととされています(注意事項17(2)。難しい場合は従来の方法でも作成できる、というただし書きつき)。欠席日数と出席日数は、記載しない項目に入っていません。
- 調査書は高校の指導要録にもとづく書類で、出欠の記録の欄は高校の第1〜第4学年の分です。中学校の出欠を書く欄は、様式にありません。
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(別紙様式1・調査書記入上の注意事項等を含む)/文部科学省 平成31年3月29日通知 別紙3「高等学校及び特別支援学校高等部の指導要録に記載する事項等」(2026年10月4日確認)
高校での欠席が進級や単位にどう関わるかは別の話です。そちらは高校 欠席日数の記事で整理しています。
国の要項が配慮を求めているのは「身体・健康上の理由による欠席」。不登校すべてとは書かれていません
欠席日数が届くと聞くと、「それだけで落とされるのでは」と心配になると思います。実施要項(第13の2(1))には、欠席の扱いについて次の一文があります。
「出欠の状況を推薦要件や合否判定の材料の一つとして活用する際には、志願者本人に帰責されない身体・健康上の理由によるやむを得ない欠席日数があることを、志願者本人からの申し出や、調査書への記載などを通じて把握した場合には、志願者本人が不利益を被ることがないよう配慮する。」
「身体・健康上の理由」には注がついていて、「病気・事故等。例えば、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)と考えられる症状や月経随伴症状等も含む」とされています。
この一文について、文部科学省のQ&Aは次のように説明しています。
- 合否判定の材料の一つとして出欠欄の記載を活用することを「否定するものではありません」。そのうえで、出席日数の多い少ないには本人に帰責されない身体・健康上の理由(病気・事故等)が影響していることも考えられるとして、活用する場合は方法や理由を合理的に説明できるようにし、単に出席日数が少ない(欠席日数が多い)ことのみをもって不利益に取り扱われることがないよう「配慮をお願いします」としています(Q13-2-1)。
- 高校の対応の例:本人に帰責されない身体・健康上の理由による欠席は大学入試で配慮されることを生徒に伝える。調査書の備考欄にその旨を記載する(Q13-2-2)。
- 大学の対応の例:募集要項などに、欠席の理由に関する申し出を受け付けていることを記載する。事情をあらかじめ把握している場合は判定にあたって考慮する。把握していない場合も、欠席日数が影響を及ぼす場合には、必要に応じて欠席の理由を面接等で志願者本人に確認する(Q13-2-2)。
読むときに気をつけたい点が3つあります。
- 対象は「本人に帰責されない身体・健康上の理由」です。この部分に「不登校」という言葉は出てきません。体調の不調が背景にあった欠席がこれに当たるかどうかは、要項からは読み取れませんでした。在籍校の先生と、出願する大学の入試担当に確かめることになります。
- 述語は「配慮する」です。欠席を数えない、合否に使わない、とは書かれていません。
- Q&Aの対応は「例えば」として挙げられた例です。すべての大学が同じ対応をするとは書かれておらず、Q&A自身が「各大学の調査書の活用状況等の実情に応じた対応」を求めています。
なお、健康状況そのものについて、要項は「原則として、入学者選抜の判定資料としない」としています(第13の2(1))。
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」/同「令和9年度大学入学者選抜実施要項等に関するQ&A」(令和8年9月2日更新)(2026年10月4日確認)
この要項は、2027年4月に入学する人の入試(令和9年度入試)に向けたものです。その次の令和10年度入試の要項は、2026年10月4日の時点で文部科学省の入学者選抜実施要項のページに掲載されていません。高校1・2年生の人は、自分が受ける年の要項で確かめてください。
※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

3大学の2027年度入試のページで見ると、欠席の扱いは「日数の条件」「参考にする」「書かれていない」に分かれました
実際の大学はどう書いているのか。2027年度入試の公式ページを3大学・4つの入試で開いて確かめました(2026年10月4日確認)。優劣の話ではなく、条件の置き方が入試ごとに違うという例です。
| 大学・入試 | 欠席についての記載 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 江戸川大学 学校推薦型選抜 | 出願資格の1つが、高等学校等における出願時までの欠席日数が合計20日以内であること(通信制課程除く)。本人に帰責されない身体・健康上の理由で20日を超える場合は、出願前に入学課へ連絡(診断書等の提出を求める場合がある) | 日数の条件がある入試でも、事前に申し出る窓口が書かれている。通信制課程はこの条件から除かれている |
| 江戸川大学 総合型選抜 | 出願資格に欠席日数の条件は書かれていない。調査書は出欠の記録などを「幅広く評価対象とし、点数化」。配点は個人面接50点・書類30点・基礎学力テスト20点 | 出願はできるが、出欠の記録は評価の対象に入る。面接の配点が半分を占める |
| 文化学園大学 学校推薦型選抜(公募制) | 出願資格に「出席状況が良好の者」。欠席日数は「大学での授業・実習・研修などに適切に取り組めるかを確認するための参考」。欠席の理由は調査書に具体的に記載するよう、高校の先生と志願者に求めている | 欠席日数は、入学後に授業に取り組めるかの参考にされる。理由を調査書に書いてもらうよう、本人からも先生に伝える |
| 日本工業大学 学校推薦型選抜(公募制) | 入試情報のページと2027年度の募集要項に書かれた出願資格は、卒業(見込み)・高等学校長の推薦・全体の学習成績の状況3.2以上。欠席日数の条件は書かれていない | 出願資格に書かれた数字の条件は評定のみ。出願の前に、募集要項を自分でも確かめる |
出典:江戸川大学「学校推薦型選抜」/同「総合型選抜」/文化学園大学「学校推薦型選抜 1期・2期」/日本工業大学「学校推薦型選抜(公募制)」・同「2027年度 募集要項 学校推薦型選抜(公募制)」(いずれも2026年10月4日確認。ほかの大学も同じとは限りません)
分かることは2つです。欠席日数の条件は入試ごとに違うので、出願資格を1つずつ読むこと。そして、文化学園大学の書き方にあるように、欠席日数は「入学後に授業に取り組めるか」を確かめる材料として見られる場合があること。書類でも面接でも、今の状態を伝えることが説明の中心になります。
学校推薦型選抜のうち、大学と高校の間で枠が決まっているものについては通信制高校 指定校推薦の記事で書いています。
書く場合の組み立ては「経験→そこから何をしたか→大学で学びたいこと」の順です
書くと決めた場合の型です。実施要項が志望理由書に書かせるとしているのは「入学希望理由」「入学後に学びたい内容・計画」「大学卒業後を見据えた目標」でした。主役は「これから」です。不登校の経験は、そこへつながる出発点として短く置きます。次の表は、この記事で整理した型です。
| 部分 | 書くこと | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 1.経験(短く) | いつごろ、どのくらいの期間、学校に行けなかったかを事実で1〜2文 | 原因の長い説明。前の学校や先生、同級生への批判 |
| 2.そこから何をしたか | 転入・学び直し・資格の勉強・制作・アルバイト・地域やオンラインの活動など、自分で動いたこと | 「成長しました」「強くなりました」という自己評価だけで終わること |
| 3.大学で学びたいこと | 2で生まれた関心が、その大学のどの学び(学部の教育内容・アドミッション・ポリシー)につながるか | どの大学にも当てはまる一般的な言葉だけで終わること |
1.経験は、事実を1〜2文で
「高校1年の秋から約半年、登校できない時期がありました」のように、時期と期間だけを書けば足ります。原因の説明は、読み手には確かめようがありません。つらかったことを詳しく書くかどうかも、あなたが決めてよいことです。
2.「そこから何をしたか」に、いちばん字数を使う
実施要項は、活動報告書に書く内容の例として「学校の内外で意欲的に取り組んだ活動」を挙げ、その中に「その他生徒が自ら関わってきた諸活動」を入れています。学校の中の実績でなくてもかまいません。活動の大きさより、何を考えて、どう続けたかを具体的に書きます。
3.大学で学びたいこととつなぐ
大学は、入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)を定めています。志望する学部の方針と教育内容を読み、2で生まれた関心と重なる部分を、自分の言葉で結びます。

書き方の例:どれも「たとえば」の仮の文です。自分の事実に置き換えて使います
ここからの例文は、実在の人の体験談ではなく、型を説明するためにこの記事で作った仮の文です。そのまま写すのではなく、自分の事実に置き換えてください。事実でないことを書くと、面接で書類をもとに質問されたときに答えられなくなります(江戸川大学の総合型選抜のページには、面接は「入学希望理由書など出願書類の内容をもとに質問を行います」とあります)。
たとえば1:学びたいことが、その時期の経験から生まれた場合
「高校1年の秋から約半年、登校できない時期がありました。2年生から通信制高校に転入し、レポートを1通ずつ出すことから学習を再開しました。自分のペースで学び直すなかで、学ぶ環境が変わると意欲が変わることに関心を持ち、教育心理学の入門書を読むようになりました。貴学では、学習意欲についての授業を受け、学校に通いにくい子どもの学びを支える方法を考えたいです。」
経験は最初の1文だけで、あとは行動と、これから学びたいことです。
たとえば2:経験と志望が直接つながらない場合
学びたいことが不登校の経験と関係しないなら、志望理由書には書かず、活動報告書に行動だけを書く形もあります。たとえば「高校2年の途中で通信制高校に転入し、空いた時間を使って簿記の勉強を続け、検定に合格しました」。不登校という言葉を使わなくても、何をしてきたかは伝わります。
たとえば3:書きがちな文と、直した例
| 書きがちな文 | 直した例(仮の文) | 直した理由 |
|---|---|---|
| 不登校になったのは、担任の対応が原因でした | 高校1年の秋から約半年、登校できない時期がありました | 原因や他の人への批判は、読み手が確かめられない。事実だけにする |
| この経験で、人の痛みが分かる人間になりました | 学校に行きにくい中学生の学習を手伝う活動に、月2回参加しています | 自己評価より、行動の事実のほうが伝わる |
| 不登校を完全に乗り越えました | 現在は、月に数回のスクーリングとレポートの提出を続けています | 「乗り越えた」と言い切らなくてよい。今の状態を事実で書く |
つらかった経験を、無理に前向きな話に仕立てることはありません。今していることと、これから学びたいことが書けていれば、志望理由書の設問には答えられます。
面接で欠席を聞かれたら、「事実を短く→今の状態→学びたいこと」の3文で答えます
令和9年度の実施要項では、総合型選抜と学校推薦型選抜で、志望する学問分野への意欲や適性についての面接による評価を行うこととされました(第3の1(2)②・(3)①)。入学を確約して受ける非公募型の学校推薦型選抜は、大学が面接の要否を判断できるとされています。また、令和8年度入試ですでに実施されていた選抜区分で、令和9年度入試から面接を入れることが難しいものは、遅くとも令和11年度入試までに導入するとされています(第14)。面接があるかどうかは、出願する入試の募集要項で確かめてください。
文部科学省のQ&Aは、欠席日数が判定に影響を及ぼす場合の大学の対応例として、欠席の理由を面接等で本人に確認することを挙げていました。事情を把握している場合は判定にあたって考慮する、ともあります。聞かれることは、責められることと同じではありません。
答えは長くなくてかまいません。次の表は、質問の例と答えの組み立てを、この記事で整理したものです。例文はどれも仮のものです。
| 質問の例 | 答えの組み立て | たとえば |
|---|---|---|
| 欠席が多いようですが、理由を教えてください | 事実を短く→今の状態→学びたいこと | 「高校1年のときに体調を崩し、半年ほど登校できませんでした。今は通信制高校でレポートとスクーリングを続けています。その経験から、学び方の違いに関心を持ちました」 |
| 大学には通えそうですか | 今していること→通うための工夫 | 「現在は月に数回、スクーリングに通っています。入学後は、1年目の時間割を無理のない形で組みたいと考えています」 |
| なぜ通信制高校に転入したのですか | 理由を1文→転入後にしたこと | 「自分のペースで学び直すためです。転入後は、空いた時間で志望分野の本を読んできました」 |
| 高校生活で力を入れたことは何ですか | 活動→考えたこと→大学での学び | 活動報告書に書いた内容を、自分の言葉で説明する |
- 話したくないことまで話さなくてかまいません。診断名や家庭の事情をどこまで話すかは、あなたが決めてよいことです。「体調を崩した時期がありました」という言い方でも、事実を伝えたことになります。
- 書類に書いたことと、口で話すことを合わせておきます。文化学園大学の学校推薦型選抜のページには、面接の質問内容として「志望理由、志望学科への理解、高校での勉学姿勢、学科独自の質問など」が挙げられています。
- 受験や入学後に配慮が必要な場合は、面接より前に大学へ相談します。実施要項は、障害のある入学志願者への合理的配慮について、事前相談体制の構築・充実に努め、申請手続きを明確に示しておくことが望ましいとしています(第13の2(2))。窓口と時期は各大学の募集要項で確かめ、診断や治療に関わる判断は主治医に相談してください。

通信制高校の生徒の調査書:記録されるのは「出校日数」で、転入前の高校の記録も付きます
通信制高校に在籍している人、これから転入を考えている人に関わる話です。文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」では、2025年度の通信制高校の入学者77,998人のうち、44,461人(57.0%)が中学3年生のときに不登校でした。
| 項目 | 全日制・定時制 | 通信制 |
|---|---|---|
| 指導要録の記録の名前 | 出欠の記録 | 出校の記録 |
| 書かれる日数 | 授業日数・欠席日数・出席日数など | 出校日数(実際に出校した年度間の総日数)と備考 |
| 調査書の評定 | 5段階 | 5段階(同じ様式) |
| ほかの高校から転入した場合 | 前の高校の指導要録を転記するか、写しを添付する | 同じ |
文部科学省の通知(別紙3)では、「出欠の記録」は全日制と定時制の課程のもので、通信制の課程は「出校の記録」として出校日数と備考を記入します。通信制の指導要録には「欠席日数」という項目がありません。
一方、調査書の「出欠の記録」の欄は「指導要録該当欄の記載事項を転記する」とされています。通信制の生徒の調査書でこの欄に何をどう書くかは、要項とQ&Aを読んだ範囲では、具体的な記載を見つけられませんでした。在籍校に「私の調査書の出欠の記録の欄には、何が書かれますか」と聞くのが確実です。
転入した人が知っておきたいのは、Q&A(Q調-13)の次の記載です。他の高等学校から転入した生徒の調査書は、「前籍校の指導要録を転記し、備考欄にその旨を記載する」か、「前籍校の指導要録の写しを添付し、備考欄にその旨を記載する」かのいずれかで作り、どちらにするかは学校長の判断とされています。つまり、全日制から通信制に転入しても、前の高校での評定と出欠の記録は、どちらかの形で大学に届きます。調査書の学校名の欄にも、入学・編入学・転入学の別と、全日制・定時制・通信制の別を書くところがあります。
評定について要項が示しているのは、様式と、評定の平均の計算のしかたです。通信制高校がレポート・スクーリング・試験をどう評定に結びつけるかは、要項には書かれていません。出願の時点の評定平均と学習成績概評は、在籍校に聞いてください。
調査書と評定を軸にした学校の見分け方は総合型選抜に強い通信制高校の記事で、大学受験の全体像は通信制高校から大学進学の記事で書いています。転入そのものの条件と手順は高校 転入の記事を見てください。
よくある誤解:「書かなければ知られない」も「要項があるから不利にならない」も、言い切れません
- 誤解1:志望理由書に書かなければ、大学には分からない。全日制・定時制の欠席日数は、調査書の「出欠の記録」で届きます。
- 誤解2:通信制高校に転入すれば、前の高校の欠席は消える。前の高校の指導要録は、転記か写しの添付で調査書に付きます。
- 誤解3:国の要項があるから、欠席は合否に関係しない。要項が配慮を求めているのは、身体・健康上の理由によるやむを得ない欠席を大学が把握した場合です。出欠欄を判定の材料にすること自体は否定されておらず、欠席日数を出願資格にしている入試もあります。
- 誤解4:不登校の経験は、書けば評価が上がる。そう言える一次情報は確認できませんでした。要項が評価の対象としているのは、入学志願者の能力・意欲・適性等です。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
志望理由書や面接の準備は、ひとりで進めると手が止まりやすい作業です。NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校で、公式サイトでは総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座を案内しています。企業や自治体と関わる探究のプロジェクトや、生徒が企画する行事もあります。担任がつき、カメラとマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。希望する生徒には、スタッフが1対1で伴走する支援もあります。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。小中学生向けには、NIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)があります。
そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取ります。調査書と評定、学校推薦型選抜の推薦書を作るのは、在籍する通信制高校です。ニジ高が調査書を出すわけではありません。
- 提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。学院の中でのスクーリングはありません。スクーリングの形や日程は、個別相談会で聞けます。
- 費用は、通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内に載せています。
- 講座は、合格をお約束するものではありません。書類の中身を作るのは本人で、合否を決めるのは大学です。
- オンライン中心なので、毎日通う場所を求めている人には合わない場合があります。
講座の内容は、個別相談会で聞けます。オンライン(Zoom)で30分、参加は無料です。保護者の方だけでも参加でき、カメラとマイクはオフのままでかまいません。これから通信制高校を選ぶ段階の人は、通信制高校 選び方の記事一覧も参考にしてください。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- ステップ1:出願する入試の募集要項で、3か所を読む。出願資格に欠席日数や評定の条件があるか。志望理由書の設問は何か。欠席の理由についての申し出や、配慮の事前相談の窓口があるか。
- ステップ2:在籍校に、調査書に何が書かれるかを聞く。出欠(通信制なら出校)の記録の欄、備考欄、転入前の高校の記録の扱いを確かめます。身体・健康上の理由による欠席があるなら、備考欄にその旨を書いてもらえるかを相談します。
- ステップ3:書く・書かないを決め、面接用の3文を作る。書く場合は「経験→行動→学びたいこと」の順で下書きをし、書かない場合も「事実を短く→今の状態→学びたいこと」の3文を用意します。先生か家族に1回聞いてもらい、伝わらないところを直します。
保護者の方へ。志望理由書を代わりに書いたり、書く・書かないを決めたりすることはおすすめしません。面接で話すのは本人だからです。保護者ができるのは、在籍校への確認(調査書の発行日数や備考欄の扱い)を一緒に進めることと、下書きを読んで「ここが分かりにくかった」と伝える読み手の役です。
実施要項では、総合型選抜の出願は9月1日以降、学校推薦型選抜の出願は11月1日以降とされています。出願の期間は大学ごとに違うので、募集要項の日程を確かめるところから始めてください。


志望理由書や面接の準備を、ひとりで抱えている方へ
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校で、総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座に取り組んでいます。高校ではないため、卒業資格と調査書は提携する通信制高校のもので、その高校のスクーリングへの参加が必要です。講座の内容は個別相談会で聞けます。
よくある質問
Q. 不登校だったことを志望理由書に書かないと、不利になりますか。
A. 「書かないと不利になる」とも「書くと有利になる」とも、一次情報では確認できませんでした。国の実施要項が志望理由書に書かせるとしているのは、入学希望理由・入学後に学びたい内容と計画・卒業後の目標です。書かない場合は、面接で聞かれたときの短い答えを用意しておきます。
Q. 中学時代の不登校は、大学に伝わりますか。
A. 大学入試の調査書は、高校の指導要録にもとづいて高校が作る書類です。国の様式の「出欠の記録」は高校の第1〜第4学年の欄で、中学校の出欠を書く欄はありません。中学時代のことを書くかどうかは、本人が決められます。
Q. 欠席が多いと、学校推薦型選抜は受けられませんか。
A. 入試ごとに違います。今回確かめた例では、江戸川大学の学校推薦型選抜は欠席日数が合計20日以内(通信制課程を除く)を出願資格とし、身体・健康上の理由で超える場合は出願前に連絡するよう書いていました。日本工業大学の公募制は、入試情報のページと募集要項の出願資格に欠席日数の条件がありませんでした。学校推薦型選抜は高等学校長の推薦にもとづく入試なので、在籍校が推薦を出すかも確かめてください。
Q. 面接で、病名や診断名まで話さなければいけませんか。
A. どこまで話すかは本人が決めてよいことです。実施要項は大学に対し、健康状況を原則として判定資料としないこと(第13の2(1))、評価・判定に用いない情報を入学志願者に求めないこと(第13の3(5))としています。配慮が必要な場合は、面接とは別に、大学の事前相談の窓口に相談します。
Q. 高卒認定で受験する場合、調査書はどうなりますか。
A. 実施要項(第5の5(2))は、高等学校卒業程度認定試験の合格者について、試験の成績証明書をもって調査書に代えることができるとしています。江戸川大学の総合型選抜のページでは、調査書を提出できない志願者は、入学希望理由書などの本人が書く資料2点で書類審査を行うと書かれていました。扱いは大学ごとに違うので、募集要項で確かめてください。
学校に行けなかった時間をどう語るかは、あなたが決めていいことです
不登校の経験は、書いてもいいし、書かなくてもいい。国の要項が志望理由書に書かせるとしているのは、過去の理由ではなく、これから学びたいことでした。
全日制や定時制での欠席日数は、調査書に載ります。けれど、その数字に説明を添えられるのは、あなたと、あなたの学校の先生だけです。長い説明はいりません。事実を短く、今の状態、学びたいこと。この3つを用意しておくと、書類と面接の準備が進めやすくなります。
今日決めなくてかまいません。まずは、出願する入試の募集要項を1つ開いて、出願資格と志望理由書の設問を読むところから始めてみてください。
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