「内申点が低いから、行ける高校がない」。中3の秋、通知表や三者面談のあとにそう感じて、この記事にたどり着いた方も多いと思います。点数を見るたびに気持ちが沈むのは、それだけ真剣に考えている証拠です。
先に結論を書きます。内申点(調査書の評定)が入試でどれくらい重いかは、都道府県によっても、同じ県の学校ごとにも大きく違います。千葉県では学校ごとに内申の重さを0.5倍から2倍まで変えられ、埼玉県には不登校の生徒などを対象に調査書を使わずに選ぶ枠があり、東京都には学力検査だけで計算した点と比べて高いほうを使う都立高校もあります。つまり「内申が低い=選べる高校がない」ではなく、「内申の重さが小さい学校・枠を探す」という選び方ができます。
この記事は、東京都・埼玉県・千葉県の令和9年度(2027年春入学)の公立高校入学者選抜の要綱・要項、文部科学省の通知(令和8年6月30日)と全国調査、公立の通信制高校の選考方法を、2026年9月27日に実際に開いて確認した内容で書いています。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。
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結論:内申点が低い中3の高校選びの早見
- 内申点は「調査書の評定」のことで、入試では学力検査・面接などと合わせて使われます。どれくらい重いかは、都道府県と学校によって違います。
- 東京都(都立全日制)は学力検査7:調査書3が原則です。令和9年度は、7:3と10:0(学力検査だけ)の高いほうを使う学校が3校あります。
- 埼玉県の共通選抜は、学力検査500点に対して調査書は200点・300点・400点から学校が選びます。同じ県でも、内申の重さが最大2倍違います。
- 千葉県は、評定の合計に学校ごとの「K」(0.5〜2)を掛けます。Kが0.5の学校と2の学校では、内申の重さが4倍違います。
- 不登校などで評定がつかない・欠席が多い場合の配慮もあります。埼玉県は原則すべての全日制・定時制で、調査書を資料にしない特別な選抜を行います。自己申告書を全校で出せる都道府県は26ありました(文部科学省の調査)。
- 公立の通信制高校の選考は、県によってまったく違います。千葉県立は書類・面接・作文、都立は国語・数学・英語の検査と調査書、埼玉県立大宮中央は書類選考が中心です。
- 内申を気にせず学び直したい場合は、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で通信制高校の卒業をめざす方法もあります。
「内申点が低い」だけで行ける高校は決まりません。まず「低い理由」と「その県の計算のしかた」を分けます
「内申点」と呼ばれているのは、中学校が作る調査書の「各教科の学習の記録」の評定です。文部科学省の指導要録の決まりでは、評定は各教科の目標に照らした実現状況を5段階で総括したもので、5が「十分満足できるもののうち、特に程度が高い」、3が「おおむね満足できる」、1が「一層努力を要する」とされています。
評定のもとになる観点別の評価は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点です。3つ目の「主体的に学習に取り組む態度」は、粘り強く取り組む中で自分の学習を調整しようとしているかを含めて評価すると、国の通知に書かれています。テストの点だけで決まるものではないので、「テストはそこそこ取れているのに内申が低い」ということも起こります。
出典:文部科学省〔別紙2〕中学校及び特別支援学校中学部の指導要録に記載する事項等/文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」30文科初第1845号(2026年9月27日確認)
高校選びで大事なのは、内申が低い理由によって、とれる作戦が変わることです。次の表で、自分に近い行を探してみてください。
| 内申が低い主な理由 | 向きやすい選び方 | 確かめること |
|---|---|---|
| テストは取れるが、提出物や授業態度の評価が低い | 学力検査の比重が高い学校・選抜 | その学校の学力検査と調査書の比率 |
| 欠席が多く、評定がつかない教科がある | 調査書を使わない枠、自己申告書を生かせる選抜 | 県の不登校生徒への配慮の中身 |
| 勉強全体が遅れていて、テストも内申も低い | 面接・作文中心の学校、学び直しができる学校 | 入学後に中学の内容をやり直せるか |
| 集団の教室そのものがつらい | 通学日数を選べる通信制・定時制 | スクーリングの日数と場所 |
※表は制度から見た一般的な目安です。個別の学校の選び方は、在籍する中学校や志望校に確認してください。
勉強の遅れそのものをどう取り戻すか、高校に入ってから中学の内容を学び直す方法は中3 勉強 遅れの記事で詳しく書いています。この記事は「内申点が低いとき、どの高校・どの枠を選ぶか」に絞ります。

内申の重さは都県で違います。東京は7:3、埼玉は学校が3段階から選び、千葉は学校ごとに0.5〜2倍
同じ首都圏でも、内申点の扱い方はまったく違います。3都県の令和9年度の要綱・要項を並べました。
| 項目 | 東京都(都立全日制) | 埼玉県(共通選抜) | 千葉県(一般入学者選抜) |
|---|---|---|---|
| 学力検査 | 5教科500点を700点に換算 | 5教科500点 | 5教科500点 |
| 調査書(内申) | 300点に換算(原則7:3) | 200・300・400点から学校が選ぶ | 評定の合計×K(0.5〜2を学校が決める) |
| 対象の学年 | 中3 | 中1〜中3(1:1:1、1:1:2、1:1:3から選ぶ) | 中1〜中3の合計 |
| そのほか | 一部の学校は10:0と比べて高いほう | 面接30点または60点 | 学校設定検査10〜100点、記載事項の加点50点まで |
出典:東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」第2-10-1/埼玉県教育委員会「一般募集入学者選抜要領」(令和9年度)/千葉県教育委員会「令和9年度千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項」第9(いずれも2026年9月27日確認)
東京都:7:3が原則。令和9年度は3校が「学力検査だけの計算」と比べます
都立高校の全日制は、学力検査の得点と調査書点の比率を原則7:3とし、合計1,000点満点にスピーキングテストの結果(20点満点)を加えます。調査書点は中3の評定で計算し、学力検査を行う5教科は評定を1倍、行わない4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)は2倍にします。実技4教科の評定が内申に大きく効くのが東京の特徴です。
令和9年度の各校の選抜方法の一覧では、北園高校・武蔵野北高校・深沢高校の3校が、受検者ごとに7:3と10:0(学力検査だけ)の両方で計算し、高いほうを選考に使うとしています。内申が低くても学力検査で力を出せる人にとっては、内申の低さが合否に響きにくい仕組みです。
埼玉県:同じ県でも、内申の重さは学校によって2倍違います
埼玉県の令和9年度の共通選抜では、学力検査は500点満点です。調査書は、中1〜中3の評定合計に学年の比率(1:1:1、1:1:2、1:1:3のどれか)を掛け、それを200点・300点・400点のどれかに換算します。どれを選ぶかは学校が決めて、「選抜実施内容」で事前に公表します。
学年の比率で1:1:3を選ぶ学校なら、中3の評定の重みが中1・中2の3倍になります。中1・中2の内申が低くても、中3で上がれば効きやすい学校がある、ということです。
千葉県:評定の合計に掛ける「K」が、学校ごとに0.5〜2
千葉県の一般入学者選抜では、9教科の評定の全学年の合計(最大135)に、各高校が決める「K」を掛けたものが「調査書の得点」になります。Kは原則1で、学校の特色に応じて0.5以上2以下で決めます。実施要項の付表2を見ると、Kを0.5にしている学校も、2にしている学校もあります。学力検査は5教科500点です。
各高校は、選抜の手順と配点を定めた「選抜・評価方法」を、令和8年(2026年)10月15日から各校のウェブページに載せることになっています。志望校のKと配点は、ここで確かめられます。
計算してみると、内申が同じでも「学力検査で取り返せる幅」は学校で大きく変わります
要綱の数字を使って、評定がオール3の人とオール4の人の差が、学校によってどれくらい変わるかを試算しました。
| ルール | オール3 | オール4 | 内申の差(学力検査は500点) |
|---|---|---|---|
| 千葉 K=0.5 | 40.5点 | 54点 | 13.5点 |
| 千葉 K=1 | 81点 | 108点 | 27点 |
| 千葉 K=2 | 162点 | 216点 | 54点 |
| 埼玉 1:1:2を200点に換算 | 120点 | 160点 | 40点 |
| 埼玉 1:1:2を400点に換算 | 240点 | 320点 | 80点 |
※各県の要綱・要項の計算方法にもとづく試算です。千葉は9教科×3学年の合計(オール3で81)にKを掛けた値、埼玉は学年比率1:1:2の基本点(180点満点)を200点または400点に換算した値です。面接・学校設定検査・加点などは含めていません。
千葉県でKが0.5の学校なら、オール3とオール4の内申の差は13.5点で、学力検査で14点ほど多く取れば追いつける計算です。Kが2の学校では同じ差が54点になります。埼玉県でも、調査書を200点にする学校と400点にする学校では、内申の差が2倍になります。
東京都の場合は、学力検査を行わない4教科の評定が2倍になるため、実技教科の評定が1つ上がるだけで調査書点が大きく動きます。逆に、実技教科が苦手で内申が低い人は、10:0と比べる学校や、次に紹介する別の枠も候補に入れて考えると選択肢が広がります。
「内申が低いから学力検査も無理」と決める前に、志望校の比率と、自分が学力検査で取れそうな点数を並べて計算してみることをおすすめします。分からないときは、中学校の先生に「この学校の調査書の配点はいくつですか」と聞いてみてください。

不登校で評定がつかない・欠席が多い場合は、県ごとの配慮があります。埼玉は調査書を使わない特別選抜です
「不登校 内申」で調べている方にとって一番気になるのは、評定がつかない教科がある、あるいは欠席が多いときにどう扱われるかだと思います。3都県の要綱・要項で確かめた内容を表にしました。
| 都県 | 不登校などへの配慮の中身 | 自己申告書の扱い |
|---|---|---|
| 埼玉県 | 「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」を原則すべての全日制・定時制で実施。調査書を資料とせず、学力検査・面接などで選ぶ | 特別な選抜の資料になる(出願に必要) |
| 東京都 | 評定が斜線(評定できない)の教科がある人は、学力検査の得点など参考にできる資料を使って都立高校が調査書点を求める | 理解してほしい事情を説明するときに提出できる |
| 千葉県 | 評定の記載がない教科がある場合などは、ほかの資料と合わせて総合的に判定する | 障害や病気・けがの状況を伝えるために提出できるが、選抜の資料にはしない |
出典:埼玉県「第7 不登校の生徒などを対象とした特別な選抜による募集」・同「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜要領」/東京都「実施要綱」第2-10-1(6)・同「出願書類についての注意事項等」第1-3/千葉県「実施要項」第9・第11(いずれも令和9年度。2026年9月27日確認)
埼玉県の「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」
埼玉県のこの選抜は、中学校在学中に一過性のつまずきなどで不本意な中学校生活を送った人で、在籍する中学校の校長が該当すると認めた人が出願できます。募集人員は決めず、一般募集と同じ日に同じ問題の学力検査を受け、15分程度の個人面接を受けます。選抜では調査書を資料とせず、学力検査の得点、面接の得点、特色検査(ある学校のみ)、自己申告書の内容で判定します。
自己申告書の様式には、「特別な選抜を希望する理由」「志願の理由、高校生活への抱負など」を本人が直筆で書く欄と、保護者が「高等学校に理解してほしいことがら」を書く欄があります。内申点が低い理由が欠席にある人にとっては、内申そのものを見られない選び方ができる仕組みです。
自己申告書は「出せば内申が上がる」ものではありません
東京都と千葉県にも自己申告書はありますが、役割は違います。千葉県の自己申告書は、障害や病気・けがの状況を志願校に伝えたい人が出す書類で、実施要項は「選抜の資料としない」、そして提出したことで不利益な扱いをしないと定めています。東京都は「都立高校に理解してほしい事情を説明する必要がある場合」に提出できるとしています。自己申告書は評定の点数を変えるものではなく、事情を伝えるための書類だと考えておくと、期待と実際のずれが起きにくくなります。
全国で見ると、文部科学省の令和7年度の調査では、不登校経験のある生徒について、本人が学校以外の場(家庭を含む)での学習状況などを自己申告書として提出できるとしている都道府県は、全校で実施が26、一部の学校で実施が2でした。出欠日数が入試でどう扱われるかは、出席日数 中学の記事で都道府県別に詳しく整理しています。
出典:文部科学省「令和7年度 高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)」(令和8年2月17日更新版。Ⅱ-3 不登校経験のある生徒に対する配慮。2026年9月27日確認)
国も「出席の状況だけで不利に扱わない」よう求めています。学校外で学んだ成果が成績になる道もあります
文部科学省は2026年6月30日の通知「高等学校入学者選抜等における配慮事項等について」(8文科初第882号)で、各教育委員会に次のようなお願いをしています。
- 不登校の生徒の中には、教育支援センターやフリースクール、自宅などで懸命に学習を続けている人がいる。そうした多様な学びの場での日頃の努力を適切に評価することが望まれる。
- 在籍する学校での出席の状況だけで不利益な扱いをしない(例として、欠席日数だけで出願を制限することが挙げられている)。
- 本人の自己申告書や、学校以外の場(家庭でのオンライン学習を含む)での学習状況の資料を、選抜で適切に勘案することや、不登校の生徒が志願しやすいように募集の内容を工夫することが望まれる。
- 調査書に欠席日数の欄を設ける場合は、欠席の理由を書ける欄や、本人が理由を申告できる機会を設けるよう求めている。
出典:文部科学省「高等学校入学者選抜等における配慮事項等について(通知)」令和8年6月30日(2026年9月27日確認)
もう1つ、評定そのものに関わる制度があります。文部科学省の令和6年8月29日の通知(6文科初第1126号)では、不登校の児童生徒が欠席中に行った学習の成果について、学習の計画・内容が学校の教育課程に照らして適切か確かめられ、学校が定期的・継続的に様子を把握しているなどの要件を満たせば、学校の判断で成績評価に反映できるとしています。判断するのは在籍する学校の校長で、教育委員会と連携して決めます。
出典:文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(2026年9月27日確認)
フリースクールやオンラインの学びの場を使っている場合は、その学習が評価に反映されるかを担任の先生に相談してみてください。小中学生向けのオンラインの学びの場には、ニジ高の姉妹事業のNIJINアカデミーなどもあります。反映されるかどうかは、在籍する中学校の校長の判断になります。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
学力検査や調査書の使い方が違う学校・枠もあります。都立チャレンジスクールは調査書の提出が要りません
一般的な選抜のほかに、内申点の扱いが大きく違う学校・枠があります。3都県で要綱に書かれているものをまとめました。
| 学校・枠 | 学力検査 | 調査書(内申) | 主な選考 |
|---|---|---|---|
| 都立チャレンジスクール | なし | 提出は必要としない | 志願申告書・面接・作文 |
| 都立エンカレッジスクール | なし | 観点別の評価で点数化 | 調査書・面接・作文など |
| 埼玉県 不登校の生徒などの特別な選抜 | あり(一般と同じ問題) | 資料にしない | 学力検査・面接・自己申告書 |
| 千葉県 地域連携アクティブスクール | あり(国語・数学・英語の3教科) | 書類審査で使う | 3教科の学力検査、学校が定める検査、書類審査 |
出典:東京都「令和9年度 都立高等学校チャレンジスクール入学者選抜実施要綱」第1-5・第1-9/東京都「実施要綱」第2-10-2/埼玉県・千葉県の令和9年度実施要項(2026年9月27日確認)
都立のチャレンジスクールは、第1学年相当の選考を「志願申告書、面接及び作文を総合した審査結果」などで行い、調査書の提出を求めていません。中学校の内申をまったく使わない公立高校という点で、内申点が低い人にとって大きな選択肢です。くわしくはチャレンジスクールの記事で、通信制高校との違いとあわせて説明しています。
エンカレッジスクールは学力検査を行いませんが、調査書は使います。ただし評定ではなく観点別の評価(A・B・C)を点数化するので、評定の数字だけで考えるのとは結果が変わることがあります。
全国でも、文部科学省の令和7年度の調査で、不登校経験者が受検しやすい学科やコース(チャレンジスクール、クリエイティブスクールなど)を「全校で」または「一部の学校で」設けていると答えた都道府県は12ありました。お住まいの県の教育委員会のページで「不登校」「特別な選抜」「自己申告書」と探すと、同じような枠が見つかることがあります。

公立の通信制高校の選考は、県によってまったく違います。「内申を見ない」とは言い切れません
「内申が低いなら通信制」と考える方も多いと思います。ただ、公立の通信制高校の選考方法は、都県によって大きく違いました。
| 学校 | 学力検査 | 調査書 | そのほか |
|---|---|---|---|
| 都立の通信制(一橋・新宿山吹・砂川) | 国語・数学・英語の3教科を総合して実施(学校作成) | 使う(学力検査:調査書=8:1、新宿山吹は20:3) | 前期・後期・第二次募集 |
| 千葉県立千葉大宮高校(通信制) | なし | 書類審査で使う | 面接・作文。一期〜四期(秋季入学) |
| 埼玉県立大宮中央高校(通信制) | なし | 学校の募集要項で確認 | 書類選考のみ、または書類選考と簡単な面接 |
出典:東京都「令和9年度 定時制課程・通信制課程の選抜方法一覧」/千葉県「実施要項」Ⅹ 通信制の課程の入学者選抜/埼玉県立大宮中央高等学校「通信制志願者の皆さん」(令和8年度入学者向けの案内。2026年9月27日確認)
都立の通信制は、学力検査の比重がとても大きく、調査書の比重は小さい仕組みです(一橋・砂川は学力検査600点に対して調査書75点)。千葉県立の千葉大宮高校は、学力検査を行わず、調査書などの書類審査と面接・作文で判定します。埼玉県立の大宮中央高校は、学校のページで「入試は書類選考のみ、または書類選考と簡単な面接」と案内しています。
私立を含めた全国の通信制高校では、文部科学省の令和7年度の実態調査で、323校のうち面接を行う学校が296校、調査書などの書類が230校、作文・小論文が154校、学力検査が91校でした(複数回答)。面接が中心の学校が多い一方で、7割ほどの学校は調査書などの書類も見ています。「通信制は内申を一切見ない」と思い込まず、志望校の募集要項で確かめてください。
出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年9月27日確認)
通信制高校の仕組みそのものは通信制高校とはの記事で、入試で不合格になる場面は通信制高校 落ちるの記事で整理しています。
よくある思い込みは3つ。「自己申告書で内申が上がる」「評定がつかないと0点」「通信制は内申を見ない」
内申点が低いときに、調べる途中で広まりやすい思い込みを、要綱の書き方と比べておきます。
思い込み1:自己申告書を出せば、内申点が上がる
自己申告書は評定を書き換える書類ではありません。千葉県は選抜の資料にしないと明記しています。埼玉県の特別な選抜では資料になりますが、それは調査書の代わりに自己申告書や面接などで選ぶ仕組みだからです。何のために出す書類なのかを、県ごとに確かめる必要があります。
思い込み2:評定がつかない教科があると、その教科は0点になる
東京都は、評定が斜線になっている教科がある受検者について、学力検査の得点など参考にできる資料を使って都立高校が調査書点を求めるとしています。千葉県も、評定の記載がない教科がある場合は、ほかの資料と合わせて総合的に判定するとしています。少なくともこの2都県では、要綱に「0点として扱う」とは書かれていません。ほかの県の扱いは、県の要綱で確かめてください。
思い込み3:通信制高校なら、内申はまったく関係ない
上で見たとおり、都立の通信制は調査書を点数に入れていますし、全国の通信制でも書類を見る学校が多数派です。ただし、都立の通信制のように調査書の比重が全日制より小さい学校もあり、面接で「これから何をしたいか」を話せることのほうが大事になる学校もあります。

中3の秋からは「内申を少しでも上げる」と「内申が軽い学校を探す」を同時に進めます
内申点が低いと分かったときにできることは、1つではありません。制度から見て、秋から冬にかけて並行して進められることを整理しました。
- 中3の成績は、まだ動きます。東京都の調査書は、令和8年12月31日時点の中3の評定を書き、1学期と2学期の成績を十分参考にするとされています。埼玉県で学年比率1:1:3の学校なら、中3の比重が一番大きくなります。
- 志望校の配点を確かめる。千葉県は10月15日から各校のウェブページに「選抜・評価方法」が載ります。埼玉県は「選抜実施内容」、東京都は選抜方法の一覧で、学校ごとの比率が分かります。
- 評価の中身を先生に聞く。「主体的に学習に取り組む態度」をどんな材料で評価しているかは、教科や学校で違います。提出物なのか、授業中の振り返りなのかを聞くと、何を直せば評価が動くかが見えます。
- 欠席が多いなら、使える配慮を確かめる。埼玉県の特別な選抜への出願には、在籍中学校の校長が認めることが必要です。自己申告書の書き方も含めて、早めに担任の先生と相談しておくと安心です。
- 公立だけで考えない。通信制・定時制、私立も含めて、選考方法の違う学校を2〜3校並べておくと、1回の結果で行き場がなくなることを防げます。
不登校の中3がいつ何を決めればいいかの流れは、中3 不登校 進路の記事で、秋・冬・春の時期ごとにまとめています。
私立高校の入試で内申をどう扱うかは、学校ごとに違います。この記事では個別の私立高校の基準は確認していません。気になる学校は、募集要項と学校説明会・個別相談で確かめてください。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
内申点のことで気持ちが削られてしまい、「学校という場所そのものが合わないのかもしれない」と感じている方もいると思います。点数のことを一度横に置いて、自分のペースで学び直したいという気持ちも、自然なことです。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも自宅から参加でき、カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。中学の内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応していて、生活のリズムに波があっても続けやすい設計にしています。担任がつき、生徒会・サークル・学園祭などの活動もあります。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。
そのうえで、正直にお伝えしたいことがあります。
- ニジ高は高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
- 学院の中でのスクーリングはありませんが、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。スクーリングの形や日程は、個別相談会でご案内しています。
- 単位や卒業の判断は、在籍する提携校の基準で行われます。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
出願費用は無料で、途中からの転入・編入もできます。公立の入試と並べて比べる候補の1つとして、話を聞いてみるところから始めていただければうれしいです。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 内申が低い理由を1つに絞って書き出す。テストか、提出物や態度か、欠席か、勉強全体の遅れか。最初の表のどの行に近いかで、見るべき学校と枠が変わります。
- 住んでいる都道府県の要綱で、3つの数字を確かめる。①学力検査と調査書の比率、②内申に入る学年、③不登校の生徒などへの配慮(特別な選抜・自己申告書)。分からなければ、担任の先生に「この3つを教えてください」と聞いてみてください。
- 選考方法の違う学校を2〜3校並べる。学力検査の比重が高い全日制、調査書を使わない枠、面接中心の通信制など、仕組みの違う学校を組み合わせます。説明会や体験説明会・個別相談で、入試での内申の扱いと入学後の学び直しの両方を聞いてみてください。
3つとも、志望校が決まっていなくても進められます。学校選びの見方をもっと広げたい場合は、高校選び 偏差値以外の記事も参考になります。


内申点のことを一度横に置いて、学び直せる形もあります
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラオフ・チャット参加から始められ、中学内容の学び直しにも対応しています。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。体験説明会は日程を選ぶだけで申し込めます。
よくある質問
Q. 内申点が低いと、公立高校には入れませんか?
A. そうとは限りません。内申の重さは都道府県と学校で違い、千葉県では学校ごとにKを0.5〜2で決め、東京都には学力検査だけで計算した点と比べて高いほうを使う学校が令和9年度に3校あります。埼玉県には、不登校の生徒などを対象に調査書を資料にしない特別な選抜もあります。志望校の比率を確かめてから判断してください。
Q. 不登校で評定がつかない教科があります。内申はどうなりますか?
A. 都県によって扱いが違います。東京都は、評定が斜線の教科がある場合、学力検査の得点などを使って都立高校が調査書点を求めます。千葉県は、ほかの資料と合わせて総合的に判定します。また、学校外で行った学習の成果を、要件を満たせば在籍校の判断で成績評価に反映できるという国の通知もあります。
Q. 自己申告書は出したほうがいいですか?
A. 伝えたい事情があるなら、出すことを考えてよい書類です。ただし役割は県で違い、千葉県は選抜の資料にせず、東京都は事情を説明するための書類、埼玉県の特別な選抜では選抜の資料になります。書く内容は、担任の先生と相談しながら決めると安心です。
Q. 通信制高校なら、内申点は関係ありませんか?
A. 関係がゼロとは言えません。全国323校のうち、面接を行う学校は296校、調査書などの書類を見る学校は230校でした。都立の通信制は学力検査と調査書を点数にし、千葉県立の千葉大宮高校は書類審査・面接・作文で判定します。
Q. 中3の2学期からでも内申は上げられますか?
A. 上がる余地はあります。東京都の調査書は中3の評定で、1学期と2学期の成績を十分参考にするとされています。埼玉県でも中3の比重を大きくしている学校があります。評価の材料が何かを先生に聞き、直せるところから取り組んでみてください。
内申点は、あなたの可能性を決める点数ではありません
内申点は、中学校でのある時期の学習の状況を表した記録です。大事な資料ですが、入試の資料の1つにすぎず、その重さは学校や枠によって大きく変わります。調査書を使わない枠も、面接で「これから」を見てくれる学校もあります。
今日すべてを決める必要はありません。まずは住んでいる県の要綱で、志望校の比率を1つ確かめるところから始めてみてください。選べる道の形が、少しずつはっきりしてきます。
一人で調べるのがしんどいときは、話を聞くだけの相談を使うこともできます。入試のことも、入学してからの学び直しのことも、一緒に整理していきましょう。
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