自分を表現する絵本づくりへ。早川先生の絵本講座 第一回目

「自分で絵本をつくってみたい。」

一人の生徒のそんな“やってみたい”から、新しいプロジェクトが始まりました。

集まったのは、絵を描くことが好きな子、オリジナルキャラクターをつくっている子、空想の世界を考えることが大好きな子。

年齢も、得意なことも、つくりたい世界も違います。

今回、その子どもたちと一緒に絵本づくりに挑戦してくださるのは、長年絵本づくりを教えている早川先生。

「絵本を完成させる」だけではない、自分自身を表現するプロジェクトがスタートしました。

目次

「どんなお話にする?」から始めなくていい

初回のミーティングでは、それぞれが自己紹介をしながら、「どんな絵本をつくりたいか」を話しました。

「家族に読んでもらいたい」

「読んだ人がワクワクする絵本にしたい」

「自分でつくったキャラクターをもっと知ってもらいたい」

「人を楽しませられるものをつくりたい」

一人ひとり、すでに頭の中には違う世界が広がっています。

そんな子どもたちに、早川先生が伝えてくださったのは、意外な言葉でした。

「まず、長いお話を考えなくていい。」

絵本というと、

「ストーリーを考えなくちゃ」

「きれいな絵を描かなくちゃ」

と思ってしまいます。

でも大切なのは、その前にあるもの。

「自分は何を伝えたいんだろう?」

ということでした。

絵本は、自分を表現するもの

早川先生は、絵本づくりを「歌をつくる感覚」に近いと教えてくださいました。

うれしいときに、思わず鼻歌が出てしまう。

そんなふうに、自分の中からあふれてくる気持ちを、絵と言葉にしていく。

そして、こんな言葉も。

「絵本は、総合芸術なんだよ。」

絵が上手だから、いい絵本になるわけではありません。

大切なのは、

「私はこれを表現したい」

というものがあること。

自分にしか描けない線でもいい。

自分にしか思いつかない世界でもいい。

「こう描かなければいけない」という正解ではなく、自分の世界を紙の上に出していくことが、絵本づくりの始まりです。

「変わった発想」が、その子だけの作品になる

今回参加しているメンバーの中には、自由な空想を考えることが大好きな子もいます。

「空からプリンが降ってきたら?」

「滑り台がレインボーに光ったら?」

大人からすると、

「どうしてそんなこと思いつくの?」

と思ってしまうような発想です。

でも、その発想こそ、その子にしかないものかもしれません。

誰かと違うこと。

少し変わっていること。

頭の中に自分だけの世界があること。

それは、直すものではなく、作品を生み出す力になる。

絵本づくりを通して、「こんな自分もいたんだ」と自分自身を再発見していく時間にもなりそうです。

うれしかったことも、モヤモヤも「絵本の種」

次回までに取り組むことは、意外にも「絵を描くこと」ではありません。

まずは、これまでの自分を振り返ります。

うれしかったこと。

悲しかったこと。

一生懸命頑張ったこと。

なぜか忘れられない出来事。

モヤモヤしたこと。

そして、頭の中に浮かんでいる妄想。

そうしたものを、思いつくだけ書き出していきます。

早川先生は、

「そこに絵本の種がある」

と教えてくださいました。

嫌だったことやモヤモヤを表現すれば、自分の中にあった気持ちが少し外へ出ていく。

逆に、うれしかったことや「やった!」という経験を作品にすれば、その喜びを誰かと共有することができます。

絵本づくりは、作品をつくるだけではなく、自分自身を知る時間でもあるのかもしれません。

「好き」が、本物の学びにつながっていく

「絵を描くのが好き」

「物語を考えるのが好き」

「自分のキャラクターを広めたい」

最初は、一人ひとりの小さな「好き」から始まりました。

でも、

「絵本をつくってみたい」

と声に出したことで仲間が集まり、絵本づくりのプロと出会い、本格的な作品づくりが始まりました。

ニジ高が大切にしているのは、先生から与えられた課題をこなすことだけではありません。

自分の「好き」や「やってみたい」を起点に、仲間や社会とつながり、実際に形にしていくこと。

今回の絵本プロジェクトも、そんな学びの一つです。

これから、一人ひとりの中にある「絵本の種」が、どんな作品に育っていくのでしょうか。

完成した絵本はもちろん、

その過程で子どもたちがどんな自分に出会っていくのか。

これからの絵本づくりプロジェクトも、お届けしていきます。

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