通信制高校で社会性は育つ?友達・コミュニケーションの実際【2026】

関わりは、 仕組みで決まる。

「通信制に行ったら、友達ができないんじゃないか」「社会性が育たないまま卒業してしまうのでは」——通信制高校を検討するとき、学費や単位より先に、ここで手が止まる方は多いと思います。

この記事では、通信制高校で人との関わりが実際どうなるのか、何が起きやすいのかを正直に書いたうえで、社会性やコミュニケーションを育てるために学校選びで何を確認すればいいかを整理します。きれいごとだけを書くつもりはありません。

目次

結論:通信制で社会性は育つのか

  • 「通信制だから育たない」わけではありません。ただし放っておくと関わりがゼロになる設計なのは事実です。ここが全日制との最大の違いです。
  • 全日制は、黙っていても毎日40人と同じ教室に座ります。通信制は、関わりが「用意されているか」で結果が真逆に分かれます。
  • だから確認すべきは学校の雰囲気ではなく、「毎週決まった時間に、同じメンバーと話す場があるか」という一点です。
  • 人数が多いほど社会性が育つ、は誤りです。大人数が苦しい生徒にとって、40人の教室は関わりの場ではなく耐える場になります。
  • 不登校を経験した生徒の場合、回復の順番があります。いきなり対面の集団に戻すより、段差を刻んだほうが定着します。
  • オンラインでの関わりは「本物ではない」わけではありません。ただし雑談が自然発生しないので、仕組みで補う必要があります。
自宅の机でノートパソコンの少人数のオンライン授業に参加している高校生

オンラインで学ぶNIJIN高等学院の生徒

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制サポート校です。全国どこからでも。カメラ・マイクはオフのままで大丈夫です。

ニジ高ってどんな学校? →

正直に書きます|通信制で起こりやすいこと

まず、良くない側から書きます。通信制高校では、本人が動かなければ誰とも話さないまま1年が終わることがあります。レポートは郵送やオンラインで完結し、スクーリングは年に数日。それだけの設計の学校なら、人と関わる機会は構造的にほとんどありません。

実際に起きやすいのは次のようなことです。

  • スクーリングで隣に座った人と一言も話さずに1日が終わる
  • クラスはあるが名簿上だけで、顔と名前が一致しない
  • 質問したいことがあっても、誰に聞けばいいか分からない
  • 「みんなは順調に進んでいるのだろうか」が分からず、不安だけが増える

これは本人の性格の問題ではなく、設計の問題です。全日制なら、席が隣というだけで話す理由が生まれます。通信制には、その「理由」が自動では生まれません。

だからこそ、学校選びのときに見るべきなのは「アットホームな雰囲気」といった言葉ではなく、関わりが仕組みとして用意されているかどうかです。

そもそも「社会性」とは何を指しているのか

ここを曖昧にしたまま比較すると、話がかみ合いません。保護者の方が「社会性」と言うとき、中身はだいたい次の4つに分かれます。

中身 具体的には 通信制での育ちやすさ
集団に合わせる力 集団行動、規律、時間を守る △ 機会は少ない
人と関係を作る力 雑談、友人関係、相談できる相手を持つ ◯ 仕組み次第で十分育つ
意見を伝える力 発表、話し合い、交渉する ◎ 少人数のほうが機会が多い
社会とつながる力 大人と話す、外部と関わる、役割を持つ ◎ 時間があるぶん有利

注目してほしいのは、下の2つです。発表や話し合いの機会は、40人の教室より少人数のほうが1人あたりの回数が増えます。40人のクラスで1年間に発言した回数を数えたら、驚くほど少ない生徒がいます。

そして「社会とつながる力」は、通信制のほうが時間的に有利です。平日の昼間が空いているので、大人と関わる活動やインターン、自分のプロジェクトに使えます。ここは全日制にはない強みです。

一方で、「集団に合わせる力」は通信制では機会が少ないのが正直なところです。ただしこれは、本人にとって必要な力かどうかを一度考える価値があります。集団に合わせ続けた結果、学校に行けなくなった生徒にとっては、いま優先して鍛える力ではないかもしれません。

「全日制なら社会性が育つ」は、どこまで本当か

比較の前提を一度疑っておきます。全日制に在籍していれば社会性が育つ、というのは本当でしょうか。

文部科学省の調査では、高校で不登校の状態にある生徒は6万7,782人、小中学校では35万3,970人とされています(令和6年度調査)。在籍しているのに教室に入れていない生徒が、これだけいるということです。在籍と関わりはイコールではありません。

さらに、教室にいても関われていない生徒がいます。40人の教室で1年間ほとんど発言せず、休み時間は寝たふりをしてやり過ごす——という過ごし方は珍しくありません。その1年で育っているのは、社会性ではなく「耐える力」です。

だから比べるべきは「全日制か通信制か」ではなく、「その場所で、実際に人と関われているか」です。通える状態なら全日制は強力な選択肢です。通えていないなら、在籍を続けること自体が関わりを生むわけではありません。

関わりが育つ場に共通している3つの条件

これまで650名以上の不登校経験のある生徒を見てきて、関係が生まれる場には共通点があることが分かってきました。学校でも、学校の外でも同じです。

条件 なぜ効くのか これが無いと
会う理由が用意されている 「話しかける勇気」を必要としない 社交的な生徒だけが関われる
同じ顔ぶれが続く 1回で関係を作らなくてよくなる 毎回が初対面のやり直しになる
抜けても責められない 行かない日があっても戻れる 一度休むと戻れなくなる

3つ目が抜けている場が、いちばん多いように思います。「来ないこと」を問題として扱う場は、一度つまずいた生徒にとって戻れない場になります。逆に、戻ってきたときに何事もなかったように迎える場は、行きつ戻りつしながらでも関係が続きます。

学校見学のときに「一度来られなくなった生徒は、どう戻ってきますか」と聞くようおすすめしたのは、この3つ目を確認するためです。

高校生4人が机を囲み、模造紙と付箋を使って一緒に企画を進めている

プロジェクトは、いちばん自然に関わりが生まれる形です

関わりを作るのに、いちばん無理がない方法があります。一緒に何かを作ることです。

雑談は、話題を自分で見つける必要があります。これが苦手な生徒には負荷が高い。一方、共通の目的があると、会話の内容が勝手に決まります。「次どうする?」「これ誰がやる?」——話しかける理由を探さなくてよくなります。

ニジ高では、生徒が自分でオープンキャンパスを企画したり、興味のあるテーマでプロジェクトを立ち上げたりしています。制服のプロジェクト、動画編集、鉄道——入口はなんでも構いません。大事なのは、その場に「役割」があることです。

役割があると、来る理由ができます。来る理由があると、関係が続きます。「友達を作ろう」より「これを一緒にやろう」のほうが、結果的に友達ができる——これは、不登校を経験した生徒ほど当てはまります。

だから学校を選ぶときは、行事の有無だけでなく、生徒が役割を持てる場があるかを見てください。用意された行事に参加するだけの場と、生徒が作る側に回れる場では、育つものが違います。

不登校を経験した生徒には、回復の順番があります

ここは特に丁寧に書きます。関わりを増やす順番を間違えると、かえって遠ざかります。

段階 できること この時期にやらないほうがいいこと
1. 見ているだけ チャットを読む。カメラ・マイクはオフ 発言を促す。顔出しを求める
2. 文字で参加 スタンプ、短いコメント 「声も出してみたら」と重ねる
3. 声を出す 少人数なら話せる 大人数の場に一気に出す
4. 役割を持つ 係、企画、発表 失敗できない役を任せる

1段目を飛ばさないことが、いちばん大事です。「見ているだけ」は参加していない状態に見えますが、そこにいられること自体が段階の1つです。ここを急がされた経験がある生徒ほど、次に出てくるまでに時間がかかります。

そして行きつ戻りつするのが普通です。3段目まで来た生徒が、体調や出来事で1段目に戻ることがあります。それは失敗ではなく、想定の範囲です。学校を選ぶときは、「戻ったときにどう扱われるか」を聞いてみてください。ここへの答え方に、その学校の姿勢が出ます。

オンラインでも関係は作れる|ただし仕組みが要ります

「画面越しでは本当の友達はできない」と言われることがあります。これは半分正しく、半分間違っています。

正しい部分は、オンラインでは雑談が自然発生しないということです。教室なら、移動中や休み時間に勝手に会話が始まります。オンラインの会議は、始まって終わるだけで、その前後がありません。

間違っている部分は、仕組みで補えば関係は作れるということです。実際に効くのは次のようなものです。

  • メンバーが固定されている——毎回違う人だと関係が積み上がりません
  • 毎週決まった時間にある——不定期だと「行かない理由」が勝ちます
  • 雑談の時間が予定に入っている——自然発生しないなら、予定に入れるしかありません
  • 共通の目的がある——一緒に何かを作る関係は、話題を探さなくて済みます
  • 大人が間に入る——最初の橋渡しがあると、次からは本人同士で続きます

この5つのうち、いくつあるか。それが、その学校で関係が生まれるかどうかの実質的な目安になります。「オンラインかどうか」ではなく、「この5つがあるかどうか」で見てください。

発達特性がある場合|「友達ができない」の中身が違います

ASD(自閉スペクトラム症)やADHDの特性がある生徒から、「友達ができない」という相談をよく受けます。ただ、話を聞いていくと、中身が人によってまったく違います。ここを分けないと対策がずれます。

実際に起きていること 本人の感じ方 環境として効くこと
雑談の流れがつかめない 「何を話せばいいか分からない」 話す内容が決まっている場(プロジェクト、係)
人数が増えると情報量に追いつけない 「大勢だと疲れる」 少人数、あるいは文字でのやりとり
興味の話を続けてしまう 「引かれてしまう」 同じ興味の人が集まる場
そもそも一人が苦ではない 「困っていないが、心配されるのがつらい」 無理に増やさない。周囲が納得する

とくにいちばん下は見落とされがちです。本人は困っていないのに、周囲が「友達がいないのは問題だ」と扱うことで、本人が自分を欠けているものとして見るようになる——という順番で苦しくなることがあります。

まず本人に「困っているか」を聞いてください。困っていないなら、増やすことが目的にはなりません。困っているなら、表の右の列を環境の条件として学校選びに持ち込めます。

関連する内容は発達障害の高校生が勉強しない理由と親ができる対策にも整理しています。学校に相談できる合理的配慮の例も載せています。

行事は「あるか」ではなく「出なくても居られるか」で見る

文化祭、体育祭、修学旅行。通信制高校でも行事を用意している学校は増えています。ただ、行事があること自体は、実はそれほど重要ではありません。

大事なのは2つです。1つは参加が任意で、出なくても気まずくならないか。もう1つは関わり方に幅があるかです。当日会場に行くのが難しい生徒が、準備の段階だけ関わる、オンラインで参加する、記録係として撮る——そういう関わり方が用意されていれば、行事は関わりの入口になります。

逆に、全員参加が前提の行事は、行けない生徒にとって「また参加できなかった」という経験を1つ増やすだけになります。ここは学校選びのときに必ず聞いてください。

通信制の学校生活の実際については通信制高校ではどんな高校生活を送れる?ニジ高生のリアルな一日もあわせてご覧ください。「つまらないのでは」という不安については通信制高校がつまらない・暇だと感じたら?に書いています。

オンラインで学ぶニジ高の生徒

5つの質問を、そのまま私たちに聞いてください

毎週同じメンバーで集まる時間があるか、カメラオフで参加できるか、来られなくなったらどうなるか。ニジ高の個別相談会で、この5つをそのまま質問していただけます。

個別相談会を見てみる →

学校見学で聞くべき5つの質問

パンフレットの「アットホームな雰囲気」「仲間ができます」には情報がありません。個別相談で、次の5つをそのまま聞いてください。

聞くこと そのまま使える聞き方 答えの見方
関わりの頻度 「毎週、同じメンバーと話す時間はありますか」 「ありません」なら関わりは自力頼み
メンバーの固定 「クラスや班のメンバーは1年間固定ですか」 毎回入れ替えだと関係が積み上がらない
参加の段差 「カメラ・マイクはオフのままでも参加できますか」 顔出し必須だと1段目が飛ぶ
戻れるか 「一度来られなくなった生徒は、どう戻ってきますか」 具体例が出るか、一般論で終わるか
行事の実際 「昨年の行事に、何割の生徒が参加しましたか」 「やっています」ではなく参加率で聞く

とくに5つ目は効きます。行事があること自体は、どの学校も言えます。参加率を答えられる学校は、実際に見ている学校です。

NIJIN高等学院(ニジ高)の場合と、正直な注意点

私たちNIJIN高等学院(ニジ高)は、まさにここを中心に置いて作った学校です。掲げているのは「オンラインで、青春する。」という一言で、通信制の弱点が人との関わりにあることを前提に設計しています。

具体的には、担任がつき、クラスがあり、毎週決まった時間に同じメンバーで集まる場があります。生徒が自分で企画するオープンキャンパスやプロジェクトもあり、役割を持つところまでの段階が用意されています。そしてカメラもマイクもオフのまま、チャットだけの参加から始めて構いません。前述の1段目を飛ばさないためです。これまでに650名以上の不登校の生徒を支えてきました。

正直な注意点も書きます。学院内でのスクーリングはありません。高卒資格のためには提携する通信制高校のスクーリングに参加する必要があり、私たちはその準備と当日を支える立場です。また、毎日通う学校と同じ体験になるわけではありません。部室で放課後を過ごすような時間は、構造上つくれません。そこを求めているなら、通学型のほうが合います。学費は学費のご案内で公開しています。

運営は株式会社NIJINです。小中学生の場合は、同じグループが運営するNIJINアカデミーという選択肢もあります。

夜の机。ノートパソコンとヘッドホン、付箋のメモが置かれている

家庭でできること(学校の外にも場はあります)

関わりの場は学校だけではありません。むしろ、学校以外で先に関係ができて、そこから学校に戻れた生徒は少なくありません。

  • 好きなことの場——同じ趣味のコミュニティは、会話の理由が最初からあります
  • 年齢の違う人と会う場——同年代より大人のほうが話しやすい生徒がいます
  • 役割のある場——アルバイト、手伝い。「必要とされている」が一番効くことがあります
  • 自治体の居場所事業——お住まいの自治体に相談窓口があります

保護者の方にお願いしたいのは、「友達できた?」と聞かないことです。この質問は、できていないときに一番刺さります。かわりに、本人が話した人のことを覚えておいて、次に名前で聞いてください。「この前の〇〇さん、元気だった?」のほうが、ずっと続きます。

よくある質問

Q. 通信制でも友達はできますか?

A. できます。ただし学校差が大きく、関わりの仕組みがない学校では難しいのが実際です。「毎週、同じメンバーと話す時間があるか」で確認してください。

Q. 人と関わるのが苦手な子でも大丈夫ですか?

A. 段階を刻める学校なら大丈夫です。チャットだけの参加から始められるか、戻ってきたときにどう扱われるかを聞いてみてください。

Q. 就職のときに社会性が足りないと見られませんか?

A. 通信制卒であること自体が不利になるわけではありません。むしろ、平日の時間を使って外と関わった経験は、話せる材料になります。

Q. 全日制に戻したほうが社会性は育ちますか?

A. 通える状態であれば、その選択も有効です。ただし通えない状態のまま在籍しても、関わりは増えません。いま通えるかどうかで判断してください。

Q. オンラインだと人間関係のトラブルはありませんか?

A. まったくないわけではありません。ただし、距離を取りやすいこと、大人が会話を把握しやすいことから、対処は早くなりやすい環境です。

オンラインで学ぶニジ高の生徒

オンラインで、青春する。

関わりは、人数ではなく仕組みで生まれます。

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

関わりは、置かれている場所ではなく設計で決まります

「通信制だから社会性が育たない」も、「オンラインでも大丈夫」も、どちらも雑な言い方です。決めているのは、通信制かどうかではなく、関わりが仕組みとして用意されているかどうかでした。

そして、いま学校に行けていない生徒にとって、40人の教室は関わりの場ではありません。耐える場になっているなら、そこで社会性が育つことはありません。場所を変えて、段差を刻み直すほうが、結果的に人と関われるようになることがあります。

私たちの個別相談会では、「いまの状態から、どの段階で参加できそうか」を一緒に見立てます。転校を決めていない段階でも、保護者の方だけでも構いません。

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