発達障害の中3、夏休みに通信制高校を考える意味|決める前に確かめる順番【2026】

発達障害のある中学3年生の夏休み。「通信制高校も見ておいたほうがいいのかな」「でも、夏のうちに決めないと間に合わないのでは」と、保護者の方が一人で焦っていることが多い時期です。

先に結論を書きます。夏休みは「通信制高校を選ぶ」時期ではなく、「候補を広げたまま、何を確かめるかを決めて動き始める」時期です。公立の通信制課程の出願は、確認できた範囲では12月〜3月、私立は1月以降も受け付ける学校があり、夏に決める必要はありません。一方で、合理的配慮の聞き方やスクーリングの形など、確かめるのに時間がかかることは、夏にまとまった時間があるうちに始めておくと秋が楽になります。

この記事は、文部科学省の「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(2022年公表)、内閣府の障害者差別解消法のリーフレット、発達障害者支援法と学校教育法施行規則の条文(e-Gov)、文部科学省の通級による指導の調査、東京都・神奈川県の令和9年度入学者選抜の日程、文部科学省の就学支援金のページを、2026年10月24日に実際に開いて確認した内容で書いています。確認できなかったことは、確認できなかったと書きます。診断名で「この子はこう」と決めつけず、特性と環境の組み合わせで考えます。

毎日決まった時間に教室へ通うことが、お子さんの特性と合いにくい場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。

目次

結論:発達障害のある中3が、夏休みに通信制高校を検討するときの早見

  • 夏休みは「決める」時期ではなく「確かめ始める」時期です。東京都立の通信制課程の前期選抜は2026年12月18日から出願入力、神奈川県立の共通選抜は2027年1月25日から出願、私立にも1月〜4月末まで受け付ける学校があります。
  • 通信制高校が合うかどうかは、診断名ではなく「特性×環境」で決まります。登校が少ない分、レポートの計画や生活リズムを自分で持つ場面が増えます。合う点と負担になる点は表裏です。
  • 夏にすることは4つ。①困りごとの棚卸し ②候補の情報集め ③個別相談で「配慮・スクーリング・費用」を聞く ④体験や見学で本人の感覚を確かめる。この順番で進めます。
  • 合理的配慮は「申し出」から始まります。障害者差別解消法の改正で、2024年4月1日から私立の学校を含む事業者にも提供が義務になりました(内閣府)。頼み方は「診断名」より「どの場面で何に困るか」です。
  • 高校の通級による指導は2018年度から制度化されましたが、受けられる学校はまだ一部です。令和6年度に受けた高校生は全国で2,930人でした(文部科学省)。
  • 就学支援金が使えるのは授業料だけです。2026年度から所得制限はなくなりましたが、サポート校の費用には使えません。
  • 一人でレポートと生活リズムを3年続けるのが不安な場合は、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で通信制高校の学びを支えてもらう形もあります。
オンラインで学ぶNIJIN高等学院の生徒

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制サポート校です。全国どこからでも。カメラ・マイクはオフのままで大丈夫です。

体験説明会を見てみる →

夏休みは「選ぶ」時期ではなく、候補を広げたまま「確かめ始める」時期です

「発達障害の中3は夏休みに通信制高校を選ぶべき」という言い方を見かけますが、公式の日程を見ると、夏に決めなければならない理由はありません。確認できた範囲では、公立の通信制課程の出願は12月〜3月、私立の通信制高校も1月以降に出願できる学校があります(日程の表は後ろの節に載せます)。

それでも夏休みに意味があるのは、次の3つが「時間のかかること」だからです。

  • 困りごとの棚卸しは、本人の調子がよい日に少しずつしかできない。学校がある時期は、本人も保護者も疲れていて、落ち着いて振り返る余裕がありません。
  • 合理的配慮の中身を学校に聞くには、何度かやりとりが要る。一度の説明会で「対応できます」と言われても、中身を具体的に確かめるには個別相談の予約と、こちらからの質問の準備が必要です。
  • 本人が「行ってみる」気持ちになるまでに時間がかかることがある。見学や体験は、本人のペースに合わせると夏だけでは終わらないことも多く、秋・冬にずらす前提で始めておくと焦りません。

つまり夏休みは、「学校を決める」のではなく、「何を確かめるかを決めて、確かめ始める」ための時間です。この記事では、その順番と、個別相談で聞く言葉を具体的に書きます。オープンキャンパスにいつ行くかという時期の話は、通信制高校 オープンキャンパス いつ行くの記事で詳しく整理しています。

夏の朝の台所のテーブルで、母親と中学3年の息子が手書きのカレンダーを見ながら予定を考えている
夏休みは、困っている場面を紙に書き出すところから始めると進めやすくなります(イメージ)

発達障害は「特性×環境」で困りごとが変わる。法律の定義と、国の調査が示していること

まず、言葉の土台を公式の資料でそろえます。発達障害者支援法(e-Gov)の第2条は、「発達障害」を「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定めています。同じ条文の第3項には「社会的障壁」という言葉があり、「発達障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの」と書かれています。

つまり法律の考え方では、困りごとは本人の中だけにあるのではなく、本人の特性と、周りの仕組み(制度・慣行・観念)の組み合わせで生まれます。高校を選ぶときに「どの学校なら、社会的障壁が小さいか」という目で見るのは、この法律の考え方に沿っています。

出典:e-Gov法令検索「発達障害者支援法」第2条(2026年10月24日確認)

次に、どのくらいの生徒が通常の学級で支援を必要としているかです。文部科学省が2022年12月に公表した調査では、学級担任などの回答にもとづく推定値として、次の数字が出ています。

学校の段階 学習面または行動面で著しい困難を示す 学習面で著しい困難 不注意または多動性-衝動性
小学校・中学校 8.8% 6.5% 4.0%
中学校(全体) 5.6% 3.7% 2.6%
中学3年生 4.2% 2.9% 1.6%
高等学校 2.2% 1.3% 1.0%

出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」(調査は2022年1〜2月、公表は2022年12月13日。2026年10月24日確認)

この表を読むときの注意が2つあります。1つは、この数字は医師の診断にもとづく「発達障害のある生徒の割合」ではなく、担任から見て「特別な教育的支援が必要」とされた割合だと、文部科学省自身が留意事項に書いていることです。もう1つは、高校の調査対象は全日制と定時制の1〜3年生だけで、通信制は入っていないことです。中学で5.6%だった割合が高校で2.2%に下がるのは、支援が要らなくなったというより、調査の対象や環境が変わったためと読むのが自然です。

同じ調査には、支援が必要とされた高校生のうち、校内委員会で「特別な教育的支援が必要」と判断されていた割合は20.3%、授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を受けていた割合は18.2%という数字もあります(いずれも推定値で、信頼区間が広いことに注意が必要です)。高校では、中学よりも「支援が本人の申し出から始まる」場面が増えると考えて準備しておくと、後の節で書く配慮の聞き方につながります。

通信制高校が特性と合いやすい点と、負担になりやすい点は表裏です

通信制高校の学びは、文部科学省の通信制高等学校情報発信サイトによると、添削指導(レポート)・面接指導(スクーリング)・試験の3つでできています。卒業に必要な単位は74単位以上で、特別活動を30単位時間以上行うことも決まっています。登校日が少ない分、学びを進めるのは自分(と家庭)になります。

出典:文部科学省 通信制高等学校情報発信サイト「通信制高校とは?」(2026年10月24日確認)

この仕組みは、特性によって「楽になる面」と「新しく負担になる面」が同時に出てきます。診断名ではなく、お子さんがいま困っている場面ごとに当てはめてみてください。

いま困っている場面 通信制で楽になりやすい点 通信制で新しく負担になりやすい点 夏に確かめること
大人数の教室の音や光、人の多さで疲れる 登校日が少ない。自宅で学べる スクーリング会場の環境は選べないことが多い 会場の広さ・人数・休める場所の有無
提出物の期限を忘れる。計画を立てるのが苦手 調子のよい日に多めに進めるなど、ペースを自分で決められる レポートの期限管理が本人任せになりやすい 学校からの声かけの頻度と方法(電話・チャット・担任の有無)
読み書きに時間がかかる 動画や音声の教材を使える学校がある レポートの量そのものは減らない レポートの形式(紙・オンライン)と、代替手段の可否
暗黙のルールや雑談が苦手で人間関係に疲れる 人と会う回数を自分で調整しやすい 孤立しやすく、相談相手がいなくなることがある 担任や相談窓口の仕組み。オンラインで話せる人がいるか
朝起きられない。生活リズムに波がある 登校時刻に縛られない リズムが崩れたときに戻すきっかけが少ない 決まった時間の活動(ホームルームなど)があるか

この表の右の列が、夏休みに学校へ聞く質問の種になります。「この子の特性に合いますか」と聞くより、「レポートの期限が近いとき、学校からはどんな形で連絡がありますか」のように場面で聞くほうが、学校の答えも具体的になります。ADHD・ASDそれぞれで見学のときに見るポイントは、ASD・ADHD 高校選びの20項目のチェックリストに分けて書いています。

文部科学省の2022年公表の調査で、通常の学級で学習面または行動面に著しい困難を示す生徒の割合が小・中学校8.8%、中学3年生4.2%、高等学校2.2%であることを示す図
出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)」

夏休みにすることは4つ。順番は「棚卸し→情報→相談→体験」です

やることを先に全部並べると、保護者の方が全部を夏に終わらせようとして苦しくなります。4つの順番と、「夏のうちにここまでできれば十分」という目安を表にしました。

順番 すること 誰が中心か 夏のうちの目安
① 棚卸し 中学で困った場面と、助かった配慮を書き出す 保護者(本人は答えられる範囲で) 箇条書き10個ほど。完成させなくてよい
② 情報集め 通える範囲の通信制高校とサポート校を、公式サイトで3〜5校リストにする 保護者 学校名・通い方・スクーリングの形・費用のページを控える
③ 個別相談 配慮・スクーリング・費用の3つを質問する 保護者(本人は同席しなくてよい学校が多い) 本命候補1〜2校で1回ずつ
④ 体験・見学 本人が実際の場や画面を見て、感覚を確かめる 本人 1校でも行けたら十分。行けなければ秋・冬へ

①の棚卸しがいちばん大事で、いちばん後回しにされます。書き出す項目は、「どの場面で」「何が起きて」「どうしたら楽になったか」の3点だけで十分です。たとえば「提出物」なら、「期限を忘れて叱られた→前日に先生が一声かけてくれると出せた」のように書きます。この1行がそのまま、学校に頼む配慮の文になります。

②では、学校のパンフレットより先に公式サイトの「スクーリング」「学費」「入学相談」のページを開き、通い方(週何日か・年に何日か)と、面接指導の会場がどこかを控えます。「発達障害の生徒への対応」と書いてあるかどうかより、担任がいるか、連絡手段は何か、といった仕組みのほうを見ます。

③と④は順番を入れ替えてもかまいませんが、本人が乗り気でないときは、保護者だけで③を先に進めると、本人に「行くか行かないか」を迫らずに済みます。中3の進路は、不登校の有無によっても選択肢の並べ方が変わります。全体像は発達障害 高校進学の記事に、5つの進学先と入試の配慮をまとめています。

個別相談で確かめる質問は「配慮の中身」「スクーリングの形」「費用の二重」の3つに分けます

説明会で「発達障害のあるお子さんも多く在籍しています」と聞いて安心し、入学後に「思っていた支援と違った」となるのは、聞き方が「対応できますか」で止まっているときに起きます。「過去にどんな対応をしたか」「誰が」「どの手段で」と聞くと、学校の答えが具体的になり、比べられるようになります。

聞く分野 質問の例 よい答えの例 確かめ直したい答えの例
配慮の中身 レポートの提出が遅れがちな生徒には、どんな声かけをしていますか 担任が週に1回チャットで進み具合を聞く、など手段と頻度がある 一人ひとりに合わせています(中身が出てこない)
配慮の中身 試験で時間の延長や別室の受験をした例はありますか 例がある。申し出の窓口と時期が決まっている 相談してもらえれば(手順が決まっていない)
スクーリングの形 年に何日、どこで、何人くらいで行いますか。宿泊はありますか 日数・会場・人数・宿泊の有無を数字で答える 人によって違います(標準の形を言わない)
スクーリングの形 会場で疲れたときに休める場所や、途中で抜ける手順はありますか 保健室や別室の有無、連絡先を答える その場で先生に言ってください(事前の取り決めがない)
費用の二重 就学支援金が使えるのはどの費用ですか。サポート校の費用は別ですか 授業料のみ対象で、サポート校の費用は対象外と明言する ほとんど無料になります(対象を分けて説明しない)

この表で見ているのは、学校の善意ではなく「仕組みがあるか」です。仕組みがある学校は、担任が変わっても対応が続きます。

サポート校を併用する場合は、「卒業資格を出すのは通信制高校、毎日の学びを支えるのがサポート校」という役割の違いを先に押さえておくと、費用や単位の説明が理解しやすくなります。サポート校は学校教育法上の高校ではないので、どの通信制高校に在籍するのか、スクーリングはどこで受けるのかを、相談のときに分けて聞いてください。

夏の午後、自宅の机でヘッドホンをつけた中学生がノートに書き込み、ベランダで父親が植物に水をやっている
音や人の多さが負担なら、家で学べる形を体験して確かめます(イメージ)

合理的配慮は「申し出」から始まる。2024年4月から私立の学校も法律上の義務になりました

「配慮をお願いしたら、わがままだと思われないか」と心配する保護者の方は多いです。ここは法律の話として押さえておくと、頼む側の気持ちが少し軽くなります。

内閣府のリーフレットによると、障害者差別解消法は2021年に改正され、事業者による合理的配慮の提供が、努力義務から義務に変わりました。施行は2024年(令和6年)4月1日です。行政機関(公立学校を含む)はもともと義務でしたので、この日から私立の学校を含めて義務になったことになります。リーフレットは、法律の対象になる「障害者」には発達障害のある人も含まれ、障害者手帳の有無は問わないこと、分野として教育も広く対象になることを書いています。

合理的配慮の提供とは、同じリーフレットの説明では、①行政機関等と事業者が ②その事務・事業を行うに当たり ③個々の場面で、障害者から社会的なバリアを取り除いてほしいという意思の表明があった場合に ④その実施に伴う負担が過重でないときに ⑤必要かつ合理的な配慮を講ずること、とされています。ポイントは3つです。

  • 出発点は「意思の表明」=申し出です。学校が先回りしてくれるとは限りません。本人が言いにくいときは、家族が補佐して伝えてよいことも書かれています。
  • 「過重な負担」でないときに提供されるので、学校の体制や費用によって、できることとできないことがあります。断られた内容がすべて差別というわけではありません。
  • 「建設的対話」が重視されます。一方的に対話を拒むことは義務違反になる可能性があると書かれています。逆に言えば、こちらも「話し合う」姿勢で頼むと進みやすい仕組みです。

出典:内閣府 リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」/内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進」(2026年10月24日確認)

学校での合理的配慮については、発達障害ナビポータル(国立障害者リハビリテーションセンターと国立特別支援教育総合研究所が共同で運用する、国の発達障害のポータルサイト)が、「障害のある子どもが他の子どもと平等に教育を受ける権利を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うこと」と説明し、個別の状況に応じて提供されるものだと書いています。

出典:発達障害ナビポータル「合理的配慮と基礎的環境整備」(2026年10月24日確認)

では、夏休みの個別相談で、どう頼めばよいか。おすすめは「診断名→お願い」ではなく、「場面→困りごと→中学でうまくいった方法→同じことはできますか」の順で伝えることです。たとえば次のような形です。

  • (場面)レポートの期限が近いとき (困りごと)自分では気づきにくい (中学で助かった方法)前の週に先生から一声あった (お願い)同じような声かけの仕組みはありますか
  • (場面)試験 (困りごと)読み上げに時間がかかる (方法)時間の延長で落ち着いて受けられた (お願い)申し出の手順と、いつまでに言えばよいかを教えてください
  • (場面)スクーリングの会場 (困りごと)人の多さと音で疲れる (方法)別室で休む時間があると持ち直す (お願い)休める場所と、抜けるときの連絡の仕方を事前に決められますか

この形にすると、学校は「できる・できない・代わりにこうする」で答えやすくなります。中学で受けている配慮の記録(学校とのやりとりのメモや、作ってもらっている支援の計画)があれば、夏のうちにコピーをそろえておくと、秋以降の申し出がすぐにできます。

高校の通級による指導は2018年度から。ただし受けられる学校はまだ一部です

中学で「通級」(通常の学級に在籍しながら、別の教室で特性に応じた指導を受ける仕組み)を使っていたお子さんの場合、「高校にもあるのか」が気になるところです。

学校教育法施行規則第140条は、小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校で、言語障害者・自閉症者・情緒障害者・学習障害者・注意欠陥多動性障害者などの児童生徒に「障害に応じた特別の指導」を行う場合、特別の教育課程によることができると定めています。高等学校がこの条文に加わり、通級による指導が始まったのは2018年度(平成30年度)です。

出典:e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」第140条(2026年10月24日確認)

ただし、実際に受けられる学校は限られています。文部科学省の令和6年度(2024年度)の調査では、通級による指導を受けた高校生は国公私立合わせて2,930人、公立高校で実施していたのは473校(公立高校3,473校の13.6%)でした。障害種別では自閉症1,209人、注意欠陥多動性障害792人、情緒障害506人、学習障害313人です。全日制・定時制・通信制の課程別の内訳は、この調査にはありません。

出典:文部科学省「令和6〜7年度 特別支援教育に関する調査の結果について」(「令和6年度通級による指導実施状況調査結果」。2026年10月24日確認)

夏休みにできることは、「候補の学校に通級があるか」を聞くことと、無い学校の場合に「通級の代わりに、どんな形で個別の指導や相談を受けられるか」を聞くことの2つです。通級が無い=支援が無い、ではありません。前の節の合理的配慮は、通級の有無とは別に、どの学校でも申し出の対象になります。

発達障害のある中3が夏休みにすること4つ(困りごとの棚卸し、候補校の情報集め、個別相談、体験・見学)を順番に並べ、出願は12月以降なので夏に決めなくてよいことを示す図
出典:東京都教育委員会・神奈川県 令和9年度入学者選抜の日程、NHK学園高等学校 出願スケジュール(2026年10月24日確認)

出願は冬から。公立と私立で時期が違うので、夏に「逆算の表」を作っておきます

「夏に決めないと遅い」という不安は、日程を知ると小さくなります。2026年10月24日に公式ページで確認できた日程を並べます。都道府県や学校によって違い、年度ごとに変わるので、お住まいの都道府県の教育委員会と、候補校の公式サイトで確かめてください。

学校・区分 出願 検査・選考 合格発表
東京都立 通信制課程 前期選抜(令和9年度) 入力 2026年12月18日〜2027年2月4日、書類 1月29日〜2月4日 2027年2月22日 2027年3月1日
神奈川県立 共通選抜(通信制を含む・令和9年度) 2027年1月25日〜29日 2027年2月16日 2027年2月26日
神奈川県立 定通分割選抜(通信制を含む・令和9年度) 2027年3月4日・5日 2027年3月15日 2027年3月19日
NHK学園高等学校 新入学(2027年度・一例) 推薦 2027年1月15日〜24日、一般 1月25日〜4月30日 入学面接 学校の案内による

出典:東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜の日程について」/神奈川県「令和9年度神奈川県公立高等学校の入学者の募集及び選抜の主な日程等について」/NHK学園高等学校「出願スケジュール」(いずれも2026年10月24日確認)

東京都立の通信制課程には、前期選抜のほかに後期選抜もあり、都の日程のページには「別途定める」とあります(確認日時点で未掲載)。私立の広域通信制高校は学校ごとに回数や期間が違い、秋から出願を受け付ける学校もあれば、1月からの学校もあります。共通しているのは、どの学校も夏休み中には出願が始まっていないことです。

選抜の中身も、学力試験が中心とは限りません。文部科学省の令和7年度通信制高等学校実態調査(323校)では、入学者選抜の方法は面接296校、調査書などの書類230校、作文・小論文154校、学力検査91校(複数回答)でした。面接が中心の学校では、「本人が自分の言葉で困りごとと希望を話せるか」が、夏の棚卸しとつながってきます。

出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年8月31日公表。2026年10月24日確認)

この表を見ながら、夏のうちに「12月に出願するなら、11月までに候補を2校に絞る、10月に本人が見学する、9月に個別相談を終える」と逆算の表を作ると、夏にやるべきことが「棚卸しと情報集め、できれば1回の個別相談」までだとはっきりします。月ごとの動き方は通信制高校 出願 いつからの記事に、中3の月別スケジュールとして載せています。

お金は「就学支援金が使えるのは授業料だけ」。サポート校の費用は対象外です

夏の個別相談で費用の話を聞くときに、制度の土台を知っておくと質問がしやすくなります。高等学校等就学支援金(国の制度)は、文部科学省のページによると、2026年度(令和8年度)から所得制限が撤廃されました。私立の通信制高校では、授業料が年額で決まる学校は年337,200円まで、単位ごとに決まる学校は1単位13,668円(年30単位・通算74単位まで)が支給の上限です。公立の通信制の授業料は都道府県の条例で決まり、県によって額が違います。

出典:文部科学省「高校生等への修学支援」(同ページの「高等学校等就学支援金・新制度の概要・支援限度額」。2026年10月24日確認)

注意したいのは、就学支援金の対象は「授業料」だけだということです。入学金・施設費・教材費・スクーリングの交通費や宿泊費、そしてサポート校の費用は対象になりません。サポート校を併用する場合、費用は通信制高校の分とサポート校の分の両方がかかります。個別相談では「支援金の対象になるのはどの費目か」「対象外の費目は年にいくらか」を分けて聞いてください。

※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

ここまで読んで、「通信制高校の自由さは合いそう。でも、レポートの期限や生活リズムを一人で3年間持ち続けられるかが心配」と感じた方もいると思います。その部分を人が支えるのが、サポート校の役割です。

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも自宅から参加でき、カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。担任制で、授業はアーカイブでも見られるので、生活リズムに波があっても学び直せます。発達特性や障害については、本人を変えるのではなく、学びの構造や環境を変えることで支援するという考え方で、希望する生徒にはスタッフが1対1で伴走する支援もあります。中学内容の学び直しにも対応しています。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。

ただし、はじめに正直にお伝えしておくことがあります。

  • ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。単位を認定するのも、その高校です。
  • 提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。学院の中でのスクーリングはありません。スクーリングには宿泊を伴う形もあり、ニジ高のスタッフは付き添いません。ニジ高がするのは日程の調整と準備の支援です。人の多い場所や泊まりが大きな負担になる特性のお子さんは、この点を個別相談会で先に確かめてください。
  • 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内に載せています。
  • 診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。ニジ高が行うのは学びの環境づくりです。

個別相談会はオンライン(Zoom)で参加は無料、お子さんが同席できなくても保護者の方だけで参加でき、カメラ・マイクはオフのままでかまいません。この記事の「配慮・スクーリング・費用」の3つの質問を、そのまま持ってきていただいて大丈夫です。申し込みは体験説明会・個別相談のページからできます。小中学生の不登校については、姉妹事業のNIJINアカデミー(小中学生のオルタナティブスクール。ニジ高はその高等部)があります。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 夏のうちに「場面・困りごと・助かった方法」を10行書き出す。診断名は要りません。この10行が、個別相談で頼む配慮の文と、面接で本人が話す材料の両方になります。
  2. 候補を3〜5校に広げ、公式サイトで「スクーリングの形」「費用の内訳」「出願の時期」を控える。この時点では絞らなくてよいです。夏に1校だけ個別相談に行けたら十分で、本人が同席できなくても進められます。
  3. 秋に「出願の日からの逆算の表」を作り、本人の見学・体験は本人のペースで入れる。出願は早くても12月、私立は1月以降に受け付ける学校もあります。夏に決めきれなくても、確かめたことは残ります。

3つとも、学校を決めていなくても進められます。候補を比べる軸をもう少し広く見たいときは、通信制高校 選び方のページに、比べる8項目と進め方をまとめています。全日制・通信制・サポート校併用の3つを卒業後の進路まで含めて比べた記事は発達障害 高校選びです。

明るい相談室で、父親・母親と中学3年の息子が並んで座り、職員の説明を聞いている
個別相談では、配慮・スクーリング・費用の順に具体的に聞きます(イメージ)
オンラインで学ぶニジ高の生徒

配慮・スクーリング・費用の3つの質問を、そのまま持ってきてください

ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラ・マイクをオフにしたまま、保護者の方だけでも個別相談会に参加できます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。特性に合うかどうかを、場面ごとに一緒に確かめます。

体験説明会の日程を見る → LINEで気軽に相談する

よくある質問

Q. 発達障害のある中3は、夏休みに通信制高校を選ぶべきですか?

A. 夏に選ぶ必要はありません。確認できた公立の通信制課程の出願は2026年12月〜2027年3月、私立にも1月〜4月末まで受け付ける学校があります。夏休みは、困りごとの棚卸し・候補の情報集め・個別相談で配慮の中身を聞く、という「確かめ始める」時間に使うのが現実的です。

Q. 本人が「学校の話はしたくない」と言います。夏休みに何かできますか?

A. 保護者の方だけで進められることが2つあります。中学で困った場面と助かった配慮を書き出すことと、候補校の公式サイトで通い方・スクーリング・費用を控えることです。個別相談も、保護者だけで受けられる学校が多いです。本人の見学や体験は、秋や冬にずらしてかまいません。

Q. 診断書がないと、高校に配慮をお願いできませんか?

A. 障害者差別解消法の対象になる「障害者」は障害者手帳の有無を問わないと、内閣府のリーフレットに書かれています。合理的配慮は本人や家族からの申し出が出発点で、学校と話し合いながら中身を決める仕組みです。ただし、入試での配慮や学校ごとの申請手続きで、どんな書類を求めるかは学校や都道府県によって違うので、候補校に確かめてください。

Q. 通信制高校なら、特性のある子はみんな楽になりますか?

A. そうとは限りません。登校が少ない分、レポートの期限や生活リズムを自分で持つ場面が増え、特性によってはそこが新しい負担になります。「どの場面で困るか」を先に書き出し、その場面で学校がどんな仕組みを持っているかを個別相談で聞くと、合うかどうかが見えてきます。

Q. サポート校を併用すると、就学支援金は使えますか?

A. 就学支援金が使えるのは、在籍する通信制高校の授業料だけです。サポート校の費用には使えません。費用は通信制高校の分とサポート校の分の両方がかかるので、個別相談では「支援金の対象になる費目」と「対象外の費目」を分けて聞いてください。

夏休みが終わっても、確かめたことはそのまま残ります

夏の終わりに「結局、学校を決められなかった」と感じても、書き出した困りごとと、聞いて分かった学校の仕組みは消えません。それは秋の見学で本人が見るポイントになり、冬の出願で書く志望理由になり、入学後に配慮を頼むときの言葉になります。

特性のあるお子さんの進路は、本人を環境に合わせるのではなく、環境のほうを選び直す作業です。選び直す材料を集めるのに、夏休みはちょうどよい長さの時間だと思います。

一人で学ぶのが不安なら、家から少しずつ学びを続ける形もあります。学校を決める前の、「何を確かめればいいか分からない」という段階の相談から受け付けています。

オンラインで学ぶニジ高の生徒

オンラインで、青春する。

学校を決める前の、「何を確かめればいいか分からない」段階の相談から受け付けています

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次