岩手県 通信制高校|公立2校・私立3校と県内35拠点の選び方【2026】

「岩手県内で通信制高校を探しているけれど、どこがいいのか分からない」「不登校気味の子どもに合う学校を見つけたい」——そんな悩みを抱えていませんか。岩手県は南北に長く、盛岡・奥州・宮古で通える公立校が分かれているため、学校の名前より先に「家から通えるか」を確かめる必要があります。

先に結論を書きます。岩手県内に本校がある通信制高校は、公立が2校(岩手県立杜陵高校と岩手県立宮古高校。杜陵は本校と奥州校の2か所)、私立が3校(盛岡中央高校 単位制、一関学院高校、専修大学北上高校)です。それとは別に、他県に本校がある通信制高校の拠点が、文部科学省の掲載データで数えると15校・のべ50件あり、同じ建物をまとめると35か所でした。そのうちスクーリング(面接指導)ができるのは14か所です。

この記事は、岩手県教育委員会の入学者選抜実施要項、各校の公式サイトと募集要項、文部科学省 通信制高等学校情報発信サイトの掲載データ(令和8年4月1日時点)、岩手県の補助金の交付要綱を、2026年9月23日に実際に開いて確認した内容でできています。確認できなかったことは、そう書いています。急いで決めなくて大丈夫です。比べるための材料を、ひとつずつそろえていきましょう。

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目次

結論:岩手県の通信制高校の早見

  • 岩手県内に本校があるのは、公立2校(杜陵高校の本校と奥州校、宮古高校)と私立3校(盛岡中央高校 単位制、一関学院高校、専修大学北上高校)です。専修大学北上高校の通信制課程は令和7年4月にできたばかりです。
  • 公立の受講料は1単位190円(杜陵高校)。年に登録できるのは30単位までなので、受講料の上限は年5,700円です。私立の授業料は公表額で1単位12,000円から14,000円です。
  • 公立の入試は書類・面接・作文で、学力検査はありません。令和8年度は出願が2月13日から3月27日まででした。願書は、学校で説明を受けてから配られます。
  • 他県に本校がある学校の拠点は、県内に35か所(15校・のべ50件)。うちスクーリングができるのは14か所、学習を支えるだけの施設が23か所です。
  • 拠点があるのは12市町だけです。岩手県の33市町村のうち21では、掲載データ上の拠点が見当たりませんでした。
  • 「岩手 通信制サポート校」で探すときは、提携する通信制高校とスクーリングの会場をセットで確かめます。岩手県独自の私立授業料減免は全日制課程だけが対象で、通信制は含まれません。
  • 家から出るのが難しい時期は、オンライン中心のサポート校を組み合わせる選び方もあります(ニジ高もその1つです。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取ります)。
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岩手県の通信制高校事情:本校は公立2校3か所と私立3校です

まず、岩手県内に「本校」がある通信制高校を確かめます。文部科学省の通信制高等学校情報発信サイトの掲載データ(令和8年4月1日時点。2026年9月23日に取得して所在地で集計)では、次の6件が岩手県内に住所を置いていました。杜陵高校は本校と奥州校が別に登録されているので、学校の数でいえば公立2校・私立3校です。

学校名公私所在地在籍生徒数(掲載データ)
岩手県立杜陵高等学校(本校)公立盛岡市上田二丁目3番1号290人
岩手県立杜陵高等学校 奥州校公立奥州市水沢字土器田1番地(水沢商業高等学校内)171人
岩手県立宮古高等学校公立宮古市宮町二丁目1番1号110人
盛岡中央高等学校 単位制私立盛岡市大沢川原三丁目1-18403人
一関学院高等学校私立一関市八幡町5-24166人
専修大学北上高等学校私立北上市新穀町2丁目4番64号26人

合計すると、公立の3か所に571人、私立の3校に595人です。岩手県内の通信制高校に通っている生徒は、掲載データの上ではおよそ1,170人ということになります。まとめサイトでよく見る「公立に約650人、私立に約680人」という数字は出典が示されていないため、この記事では文部科学省の掲載データの数字を使います。

地図の上で見ると、本校は盛岡市に2か所(杜陵・盛岡中央)、県南に2か所(奥州・一関)、県中部に1か所(北上)、沿岸に1か所(宮古)です。県北(二戸・久慈方面)には本校がありません。ここが岩手県の通信制高校選びの出発点になります。

※学校の情報は2026年9月時点のものです。最新は各校の公式サイトでご確認ください。

岩手県内の通信制高校・サポート校 比較表

通い方の形が違う学校を、同じ表に並べてみます。金額は各校が公式サイトで公表している額だけを載せました。

学校名種別通学の形(公式サイト)公表されている学費
岩手県立杜陵高等学校(本校・奥州校)公立通信制スクーリングは日・月・火の3回から選ぶ。4年で卒業なら月1〜4回、3年なら月最大8回程度受講料1単位190円(年5,700円まで)
岩手県立宮古高等学校公立通信制日曜スクーリングが中心。中学から入学した場合は基本4年で卒業公立の受講料(通信制)
盛岡中央高等学校 単位制私立通信制毎日通う全日型と、スクーリング年20〜30日の通信型通信型は授業料1単位12,000円、入学時納入金180,000円
一関学院高等学校私立通信制通学コースは土・日(気仙沼教室は水・木・金)、在宅コースあり公式サイトでは確認できませんでした
専修大学北上高等学校私立通信制通学コースと通信コース(集中スクーリング中心)授業料1単位14,000円、入学時納入金は通学360,000円・通信210,000円
他県に本校がある広域通信制の拠点私立通信制の拠点県内35か所。スクーリングができるのは14か所学校ごとに異なる
サポート校(高等学院・学習センターなど)サポート校提携する通信制高校に在籍しながら通う高校の学費+サポート校の費用

盛岡市内の学校と拠点をもっと細かく比べたい場合は、盛岡 通信制高校の記事で、杜陵高校までの行き方や市内16か所の拠点を整理しています。この記事(県の記事)は県全体の分布と制度、盛岡市の記事は市内の詳しい通い方、という役割分担です。

和室の座卓で、母親と息子が手書きの予定表を書いている
岩手県内の拠点は35か所。うちスクーリングができるのは14か所です。

岩手県内の主要校をもっと詳しく

岩手県立杜陵高等学校(盛岡市・奥州校)

岩手県で通信制高校といえば、まず名前が挙がるのが杜陵高校です。公式サイトの諸会費・特典のページによると、受講料は1単位190円。1年間に登録できるのは30単位までなので、受講料だけなら年5,700円が上限です。ただし実際には、諸納金が年20,000円程度(教育振興会費・生徒会費・図書視聴覚費など)、教科書と学習書が年25,000円程度かかります。リポートの郵送料は100グラムまで15円、スクーリングの通学にはJR鉄道運賃5割引の回数券が使えると案内されています。

スクーリングは、学習のポイントのページによると、1回分が日曜・月曜・火曜に3回行われ、3回とも同じ内容なので都合のよい日を選べます。4年で卒業する予定なら少ない月で1回、多い月で3〜4回(ほぼ毎週)。3年で卒業したい人は月に最大8回程度になることもあります。前期・後期それぞれ10日以上の登校が必要です。奥州校は水沢商業高校の中にあり、県南から通う人の受け皿になっています。

岩手県立宮古高等学校(宮古市)

沿岸で唯一の公立通信制です。通信制のページには、日曜のスクーリングへの登校と、自学によるレポート作成が学校生活の中心だと書かれています。単位制・二期制で、レポートを提出しスクーリングに出席することがテストを受ける条件です。中学校から入学した場合は基本的に4年で卒業する教育課程ですが、1年次の単位取得状況によっては、次年度から平日スクーリングを受講して3年間で卒業する課程も選べます。

日曜の日課は、SHRが8時45分から、6校時が15時25分まで。部活動はバドミントン部と卓球部があり、生活体験発表大会や球技大会、修学旅行(希望者)などの行事も行われています。「通信制には行事がない」と思われがちですが、宮古高校では特別活動として位置づけられ、一定以上の参加が卒業の要件になっています。

盛岡中央高等学校 単位制(盛岡市)

私立で盛岡市内に本校があるのは、盛岡中央高校の単位制(通信制課程)です。毎日通う「全日型」と、スクーリングが年20〜30日の「通信型」があります。通信型の学費のページでは、入学金70,000円、教育充実費30,000円、施設設備費30,000円、サポート受講料50,000円で入学時納入金180,000円、2年目以降は110,000円と公表されています。授業料は1単位12,000円で、同じページに、国の就学支援金制度により高校在籍通算4年・74単位までは無償になると書かれています(教科書・学習書は別に徴収)。

一関学院高等学校(一関市)

県南の一関市にある私立です。通信制課程のページによると、通学コースの授業日は本校教室が土・日曜日、気仙沼教室が水・木・金曜日で、在宅コースは履修科目ごとに数時間のスクーリングに出席します。入学は4月(前期)と10月(後期)の年2回。入学試験(作文・面接)は毎月1回行われ、転入学・編入学は随時受け付けていると案内されています。学年の概念がないため原級留置(留年)はありません。学費の金額は公式サイトでは見つからず、確認できませんでした。

専修大学北上高等学校(北上市)

令和7年4月に通信制課程 普通科を開設した、県内でいちばん新しい通信制です。通信制課程のページにある令和8年度の転入学・編入学 生徒募集要項によると、コースは通学コースと通信コースの2つ。入学時納入金は通学コースが360,000円(入学金90,000円・教育充実費200,000円・施設設備費50,000円・委託徴収金20,000円)、通信コースが210,000円(入学金90,000円・教育充実費50,000円・施設設備費50,000円・委託徴収金20,000円)です。授業料は1単位14,000円で、国の就学支援金制度は上限が累計74単位まで、支給期間は最大48か月と書かれています。

※金額と日程は2026年9月23日に各校の公式サイトで確認した内容です。最新は公式でご確認ください。

公立の道:出願は2月13日から3月27日まで。選考は書類・面接・作文です

公立を考えるなら、岩手県教育委員会の令和8年度 岩手県立高等学校入学者選抜実施要項の「Ⅶ 通信制課程入学者選抜」を読むのがいちばん早道です。募集定員は、杜陵高校(本校・奥州校)が普通科220名、宮古高校が普通科80名。県内から志願する場合は学区の制限を受けません。つまり、県内のどこに住んでいても、杜陵高校にも宮古高校にも出願できます。

段階令和8年度の日程気をつけること
入学願書の配付2月12日(木)から 午前9時〜午後4時電話で日時を予約して来校し、通信制の学校生活や学習の説明を受けてから配られる
出願2月13日(金)〜3月27日(金) 午前9時〜午後4時3月27日は正午までの受付(必着)。休日は除く
面接・作文3月31日(火) 志願先の高校(本校または分校)集合時刻と内容は志願先の高校の指示による
合格通知の発送4月2日(木)志願者と中学校長に郵送で通知

選考は「提出された書類、面接及び作文によって行う」と書かれています。学力検査の点数で決まらないので、中学校の欠席が多かったお子さんにも道が開かれています。願書をもらう段階で説明を受ける仕組みになっているため、志願者が未成年の場合は保護者同伴で来校することが求められています。面接や作文で伝わってほしいのは、上手な文章よりも「どうやって学習を続けるつもりか」という見通しです。「日曜なら家族の送迎がある」「最初は月に数回から始めたい」といった、生活に即した話で構いません。

年度の途中から移りたい場合は、学校ごとに後期の転入学・編入学の入口があります。宮古高校の令和8年度 後期転入学・編入学者選抜実施要項を例にすると、流れは次のとおりでした。

段階令和8年度の日程(宮古高校)内容
出願書類の配付7月13日(月)〜8月19日(水)金〜日曜日・祝日と8月5日、8月10日〜13日を除く。保護者同伴で来校し説明を受ける
出願の受付8月25日(火)〜8月31日(月) 午前9時〜午後4時土・日曜日を除く。志願者本人が直接持参
検査9月3日(木) 会場は宮古高校書類・作文・面接で総合的に判断
合否通知・手続き9月9日(水)発送、9月24日に入学手続き転入学は在籍校の校長宛、編入学は本人宛に郵送

出願資格は、高校等に在籍している人(転入学)または過去に在籍していた人(編入学)で、居住地または勤務地が岩手県内にあることです。転入学の場合は、在籍している高校の副校長が電話で通信制の副校長に照会したうえで手続きを進める決まりになっています。今の高校に籍を置いたまま移るのが「転入」、いったん退学してから入るのが「編入」で、引き継げる単位の考え方が変わります。通信制高校 転入 編入の違いを先に読んでおくと、学校との話が早く進みます。

私立にも途中入学の道があります。専修大学北上高校の通信制課程は、転入学・編入学の入学日を7月1日・8月1日・9月1日・10月1日の4回に分け、それぞれ事前個別面談・出願・入学試験(作文と面接)の日を決めています。10月2日以降はスクーリングの日程の関係で単位修得が難しいため、翌年度4月の入学を検討するよう案内されています。編入学は、修得単位数の合計が43単位以下で、岩手県または宮城県に在住していることが条件です。受験料は10,000円です。

※日程は令和8年度の要項によるものです。年度ごとに変わるので、最新の募集要項でご確認ください。

岩手県内にある他県に本校がある通信制高校の拠点は35か所で、そのうちスクーリングができる面接指導等実施施設が14か所、学習等支援施設が23か所、拠点のある市町村は12であることを示す図
出典:文部科学省 通信制高等学校情報発信サイト 掲載データ(令和8年4月1日時点)より集計

岩手県内の拠点は35か所。スクーリングができるのは14か所です

「岩手県 通信制高校」で検索すると、県内に本校が無い学校の名前もたくさん出てきます。これは、他県に本校を置く広域通信制高校が、県内に「通信教育連携協力施設」を届け出ているからです。施設は2種類に分かれます。スクーリング(面接指導)を行う面接指導等実施施設と、日々の学習を支える学習等支援施設です。後者では、スクーリングは行われません。

文部科学省の掲載データ(令和8年4月1日時点)から、所在地が岩手県のものを数えたところ、15校がのべ50件を届け出ていました。同じ建物を複数の学校が使っている例が多いので、住所の表記ゆれをまとめて数え直すと35か所です。内訳は、スクーリングができる施設が14か所、学習等支援施設が23か所(うち2か所は両方を兼ねています)。

市町村拠点(建物)スクーリングができる施設学習等支援施設
盛岡市16か所10か所6か所
北上市3か所2か所3か所
一関市3か所―3か所
奥州市・宮古市・花巻市・久慈市各2か所―各2か所
大船渡市1か所1か所―
釜石市・二戸市・遠野市各1か所―各1か所
紫波郡矢巾町1か所1か所―

大事なのは、拠点があるのが12市町だけだということです。岩手県には33の市町村がありますが、残る21の市町村には掲載データ上の拠点が見当たりませんでした。盛岡市だけで16か所、県全体の半分近くが集まっています。県北・県南・沿岸で探す場合は、「近くに教室があるか」ではなく「スクーリングの日にどこへ行くことになるか」から考えると、見通しが立ちやすくなります。

学校別に見ると、県内にいちばん多く届け出ているのは鹿島学園高校(茨城県)ののべ14件で、盛岡・北上・大船渡・一関・釜石・久慈・二戸・花巻・宮古・奥州の10市に広がっています。次が松本国際高校(長野県)ののべ11件で、遠野市を含む11市町です。この2校が、岩手県の市部をほぼ覆っている形です。

通信制高校(本校の所在地)県内の届け出(のべ)ある市町村
鹿島学園高等学校(茨城県)14件(面接指導5・学習等支援9)盛岡・北上・大船渡・一関・釜石・久慈・二戸・花巻・宮古・奥州
松本国際高等学校(長野県)11件(面接指導1・学習等支援10)大船渡・盛岡・花巻・北上・奥州・一関・二戸・久慈・宮古・釜石・遠野
星槎国際高等学校(北海道)6件(面接指導3・学習等支援3)矢巾町・盛岡・北上・久慈
さくら国際高等学校(長野県)5件(面接指導2・学習等支援3)盛岡・一関・花巻・奥州
NHK学園高等学校(東京都)2件(いずれも面接指導)盛岡(杜陵高校・盛岡スコーレ高校の建物)
鹿島朝日高等学校(岡山県)2件(面接指導1・学習等支援1)盛岡
第一学院高等学校 高萩校(茨城県)2件(いずれも学習等支援)盛岡、宮古
N高等学校・S高等学校・R高等学校、松陰高等学校、広域通信制高校2校(うち1校の会場は個別指導塾の教室・盛岡市中ノ橋通)各1件盛岡
晃陽学園高等学校(茨城県)、八洲学園大学国際高等学校(沖縄県)各1件一関、北上

NHK学園高校が杜陵高校の建物をスクーリング会場として登録しているように、公立高校や専門学校の校舎が会場になっている例もあります。「教室が近い」と「スクーリングの会場が近い」は別の話なので、見学のときに「年に何日、どこへ行くのか」を聞いてください。

※一覧は文部科学省 通信制高等学校情報発信サイトの掲載データ(令和8年4月1日時点)を2026年9月23日に集計したものです。拠点は開設・移転があるため、各校の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

岩手県ならではの通信制高校選びのポイント

岩手県は北海道に次いで面積が広く、同じ県内でも移動に時間がかかります。学校選びで先に確かめたいことを4つに整理しました。

  • 通学圏の確認:公立は盛岡(杜陵本校)・奥州(杜陵奥州校)・宮古(宮古高校)の3か所です。冬の路面や日照時間を考えると、スクーリングと同じ曜日・同じ時間帯に一度往復してみるのがいちばん確かです。
  • スクーリングの形と回数:杜陵高校は日・月・火から選べ、宮古高校は日曜が中心。私立は集中スクーリング型(専修大学北上の通信コースなど)や年20〜30日型(盛岡中央の通信型)があります。回数の少なさだけで選ぶと、通学日以外の学習が続かないことがあります。
  • 自学自習をどこまで一人でやれるか:公立は費用が心強い一方、レポートの計画を自分で組む力が求められます。学校の側も、自分で学習計画を立てることが前提だと説明しています。
  • 進路の支援:大学進学や就職を見据えるなら、進路指導がどこまで手厚いかも比べる点です。卒業の要件(3年以上の在籍・74単位・特別活動)はどの学校も同じなので、差がつくのはその外側の支援です。

公立と私立でどれくらい費用が変わるのかは、通信制高校 安いの記事で、他の都県の公立の受講料と並べています。

自宅の机で、姉のそばで生徒がノートパソコンでオンラインの授業を受けている
公立は1単位190円、私立は1単位12,000円から。考え方がまったく違います。

通信制高校だけでは足りない「+サポート校」という選択

通信制高校は「学籍を置く場所」としては十分でも、日々の学習管理や生活リズム、居場所づくりまでを一校でまかなうのは簡単ではありません。岩手県のように公立のスクーリングが月に数回で、私立の広域通信制がオンライン中心となると、その間を埋める支えがあるかどうかで学校生活の続けやすさが変わります。

そこで選択肢になるのが、通信制高校に在籍しながら使える「サポート校」です。学籍はそのままに、学習面・生活面の支援を追加できます。ただし、サポート校そのものは高校ではありません。卒業資格は在籍する通信制高校で取り、その高校のスクーリングに出席します。仕組みそのものは通信制サポート校とはの記事で、制度の面から説明しています。

比べる点通信制高校サポート校
高校卒業資格その学校で取れる提携する通信制高校で取る
主な役割単位の認定・スクーリング・試験学習の伴走・生活リズム・進路の支援
国の就学支援金授業料が対象サポート校の費用は対象外
費用の考え方高校の学費だけ高校の学費+サポート校の費用

費用が二段になる仕組みはサポート校 学費の記事で、募集要項をもとに説明しています。

岩手で通えるサポート校は、提携する通信制高校とセットで選びます

「岩手 通信制サポート校」で探すと、「高等学院」「学習センター」「キャンパス」といった名前が並びます。どの通信制高校と提携しているかで、スクーリングの会場・日数・授業料が変わります。文部科学省の掲載データで、岩手県内にある主な教室と提携先を整理しました。

県内の教室提携先の通信制高校(掲載データ)市町村
KG高等学院 岩手鹿島学園高等学校盛岡市(盛岡駅前通)
トライ式高等学院 盛岡キャンパス鹿島学園高等学校・鹿島朝日高等学校盛岡市(盛岡駅前通)
DSC盛岡学習センター広域通信制高校盛岡市(大通)
盛岡ユースセンター星槎国際高等学校盛岡市(梨木町)
DSC各キャンパス(花巻・北上・水沢・一関・大船渡・釜石・宮古・久慈・二戸)鹿島学園高等学校花巻市・北上市・奥州市・一関市・大船渡市・釜石市・宮古市・久慈市・二戸市
星北高等学園星槎国際高等学校(面接指導等実施施設)紫波郡矢巾町
フリースクールわらすば・星華学園星槎国際高等学校北上市
興道館高等学院星槎国際高等学校久慈市
クオレア高等学院八洲学園大学国際高等学校北上市

サポート校を比べるときに聞いておきたいのは、次の3つです。

  • 提携している通信制高校はどこか(複数から選べる教室もあります)
  • その高校のスクーリングは県内で受けられるか。年に何日、どこへ行くのか
  • 費用は「高校の学費」と「サポート校の費用」に分けるといくらか

トライ式高等学院の盛岡キャンパスのように、掲載データ上は鹿島学園高校と鹿島朝日高校の両方の施設として登録されている教室もあります。どちらの高校に出願するかで、条件が変わることがあります。

お金の話:就学支援金は国、上乗せは岩手県の奨学給付金で考えます

国の高等学校等就学支援金は、2026年度から所得制限がなくなりました。私立の通信制は1単位13,668円・年間337,200円までが上限、公立の通信制は1単位336円までです(文部科学省 高等学校等就学支援金)。支給期間は在学月数で数え、通信制は最大48か月です。対象は授業料だけで、サポート校の費用には使えません。

岩手県の上乗せで、通信制の生徒が使える可能性が高いのは「奨学給付金」です。授業料以外の教育費(教科書代・学用品費など)に充てる返さなくてよいお金で、公立と私立で窓口も額も分かれています。令和8年度の通信制課程の年額は次のとおりでした。

世帯の区分公立(通信制)私立(通信制)
住民税非課税世帯50,500円52,100円
年収270〜380万円相当(私立は所得割合算額105,500円未満)16,830円17,370円
年収380〜490万円相当(私立は所得割合算額182,500円未満)12,630円13,030円

通常分はいずれも令和8年7月1日現在の状況で判定されます(新入生への前倒し給付は令和8年4月1日現在での判定です)。公立は前倒し給付の申請が令和8年8月28日、通常分が10月30日まで。私立は県内の高校に在学する場合が令和8年9月30日までで、10月中旬ごろから追加募集が予定されていると案内されています(出典:岩手県公立高等学校生徒等奨学給付金・私立高等学校生徒等奨学給付金)。

一方で、見積もりを間違えやすいのが岩手県独自の授業料減免です。私立高等学校等授業料等減免事業補助金交付要綱の第2を読むと、対象は高等学校等の全日制課程と私立専修学校の高等課程、私立小中学校で、通信制課程は含まれていません。他県の情報や全日制向けの案内をそのまま当てはめると、計算がずれます。

もう1つ、同じ県のページにある私立高等学校等学び直し支援補助金交付要綱は、高校を退学したことがある人が県内の私立高校などで学び直すときの授業料の支援です。通信制の課程は通算24か月まで受けられる区分があります。あてはまりそうな場合は、学校に確認してみてください。お金全体の考え方は通信制高校 学費にまとめています。

※制度の内容は2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

沿岸・県北から通うなら、拠点のある12市町から逆算します

盛岡以外に住んでいる場合、選べる形は住んでいる場所でかなり変わります。掲載データの分布から、地域ごとに現実的な候補を並べました。

住んでいる地域近くにある本校・拠点確かめること
盛岡市・滝沢市・矢巾町・紫波町杜陵高校本校、盛岡中央高校、市内16か所の拠点、矢巾町の1か所盛岡駅までの電車・バスの本数と、スクーリングの曜日
花巻市・北上市(県中部)専修大学北上高校、北上市3か所・花巻市2か所の拠点北上に本校があるので、盛岡へ出ずに済む形があるか
奥州市・一関市(県南)杜陵高校奥州校、一関学院高校、奥州市2か所・一関市3か所の拠点奥州校のスクーリングの曜日と、一関学院の教室の曜日
宮古市・釜石市・大船渡市(沿岸)宮古高校、宮古市2か所・釜石市1か所・大船渡市1か所の拠点日曜スクーリングに通えるか。沿岸で面接指導ができるのは大船渡市の1か所
久慈市・二戸市(県北)久慈市2か所・二戸市1か所の拠点(いずれも学習等支援施設)スクーリングの会場は県北にないため、どこへ何日行くのか

沿岸と県北は、学習を支える施設はあってもスクーリングの会場が少ないのが実情です。ここが、オンライン中心の学び方が役に立つ場面でもあります。県外も候補にするなら、南の宮城 通信制高校や仙台 通信制高校、北の青森 通信制高校、西の秋田 通信制高校の記事も、同じ基準で整理しています。

岩手県立杜陵高校の通信制は受講料が1単位190円で諸納金が年20,000円程度、盛岡中央高校 単位制の通信型は授業料が1単位12,000円で入学時納入金180,000円、2年目以降110,000円であることを比べた表
出典:岩手県立杜陵高等学校/盛岡中央高等学校 単位制の公式サイト(2026年9月確認)

落とし穴は「岩手県内ならどこも同じ」と思い込むこと

相談でよく出てくる、つまずきやすい点を4つ挙げます。

1つめは、拠点の近さとスクーリング会場を同じものだと思うことです。県内35か所のうち23か所は学習等支援施設で、そこではスクーリングは行われません。教室までは歩いて行けても、スクーリングは別の市へ、ということが起こります。

2つめは、県の補助を当てにしてしまうことです。前の節のとおり、岩手県独自の私立授業料減免は全日制課程が対象で、通信制は含まれていません。使えるのは国の就学支援金と、県の奨学給付金(授業料以外の費用向け)です。

3つめは、入学の時期を逃すことです。公立の4月入学は、願書をもらう前に学校で説明を受ける仕組みなので、2月に入ってから動き出すと慌てます。私立でも、専修大学北上高校のように10月2日以降は翌年度4月を案内している例があります。

4つめは、費用の安さだけで公立に決めてしまうことです。杜陵高校の1単位190円は家計にとても心強い一方で、レポートの計画を自分で組み、スクーリングの予定を自分で管理する力が求められます。そこで止まってしまったときに誰に相談できるかを、先に決めておくと安心です。全国の公立の条件を横に並べたい場合は、公立 通信制高校 一覧も参考になります。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

私たちNIJIN高等学院(ニジ高)についても、良いところと注意点を正直にお伝えします。ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校で、岩手県のどの市町村からでも、全国どこからでも家から参加できます。「オンラインで最高の青春を」を掲げ、全国の仲間とつながりながら、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画・運営する行事に取り組んでいます。種目も、集める人も、場所も自分たちで決める——そんな学校づくりに参加できるのが、いちばんの特徴です。

  • 担任制で、学習と生活のリズムを一緒に整えます。メタバースの校舎で、担任や同級生と集まる時間もあります。
  • カメラ・マイクはオフのまま、チャットだけでの参加から始められます。
  • 中学の内容の学び直しや、授業のアーカイブ視聴にも対応しています。
  • 途中入学(転入・編入)ができ、出願費用は無料です。
  • 総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座や、社会共創プロジェクトに力を入れています。
  • 発達特性や障害については、本人を変えるのではなく、学びの構造や環境を変えることで支援するという考え方を取っています。診断や服薬などの医療の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。

注意点です。ニジ高そのものは高校ではありません。学院の中でのスクーリングはなく、高校卒業資格は提携する通信制高校で取るため、その高校のスクーリングへの参加が必要です(岩手県内の会場で受けられる場合もあります)。宿泊をともなうスクーリングに、ニジ高のスタッフが付き添うことはありません。私たちが行うのは日程の調整と準備の支援です。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。

費用は、提携する通信制高校の学費とニジ高の費用の合計になり、ニジ高の分に国の就学支援金は使えません。金額は学費のご案内をご覧ください。入学や転入のよくある疑問はよくある質問にまとめています。

なお、まだ中学生・小学生で、学校に行きづらい時期が続いている場合は、姉妹事業のNIJINアカデミー(小中学生のオルタナティブスクール。ニジ高はその高等部です)もあります。高校選びの前の段階から相談したいご家庭は、こちらもご覧ください。

岩手で迷ったときの進め方(3ステップ)

ステップ1:月に何回なら家を出られそうかを家族で話します。杜陵高校で4年をかけて卒業する場合の目安は、少ない月で1回、多い月で3〜4回。宮古高校は日曜が中心です。この回数と今の体調を並べてみると、公立で始められるかどうかの見当がつきます。

ステップ2:候補を2〜3校に絞り、1枚の表にします。列は「スクーリングの会場と曜日」「年に何日行くか」「1年でかかるお金(公表額)」「途中入学できる時期」の4つで十分です。公立・私立・広域通信制を同じ表に並べるのがコツです。

ステップ3:どの学校にも同じ質問をします。次の表の質問をそのまま使ってください。答えが返ってくる速さや具体性も、学校を見る材料になります。

聞くこと質問の例
スクーリング年に何日、どこで行いますか。休んだ場合の振り替えはありますか
お金1年でかかる総額はいくらですか。就学支援金を引いた後の負担は
途中入学今から入るといつ入学になりますか。前の高校の単位はどう扱われますか
支え方レポートが止まったとき、誰がどのように声をかけてくれますか
小さな駅のホームで、父親と娘が並んで列車を待っている
迷ったら、候補を2〜3校に絞って同じ質問をしてみます。
オンラインで学ぶニジ高の生徒

岩手から、オンラインで青春する高校生活も並べてみませんか

ニジ高は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校です。全国の仲間とつながり、種目も場所も自分たちで決める行事を企画する側になれます。カメラ・マイクをオフにしたチャット参加から始められ、転入・編入もできます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。体験説明会で、授業の様子や通い方を見てみませんか。

体験説明会の日程を見る → LINEで気軽に相談する

よくある質問

Q. 岩手県内の公立通信制は、どこに住んでいても出願できますか。

A. できます。岩手県教育委員会の令和8年度の実施要項では、通信制課程について、県内から志願する場合は学区の制限を受けないとされています。ただし、スクーリングには杜陵高校の本校(盛岡市)か奥州校(奥州市)、宮古高校(宮古市)へ通うことになるので、家からの片道の時間を先に確かめておくと安心です。

Q. 岩手県内にスクーリングができる場所はいくつありますか。

A. 他県に本校がある学校の拠点でいうと、14か所です。文部科学省の掲載データ(令和8年4月1日時点)で県内の拠点は35か所あり、そのうち面接指導等実施施設が14か所、学習等支援施設が23か所でした。地域でいうと、盛岡市に10か所、北上市に2か所、大船渡市と矢巾町に各1か所です。

Q. 通信制高校の学費は、岩手県の制度でどこまで軽くなりますか。

A. 国の就学支援金で、私立の通信制は1単位13,668円・年337,200円まで、公立は1単位336円までが支給されます(2026年度から所得制限なし)。これに加えて、岩手県の奨学給付金が授業料以外の費用に使えます。通信制の年額は、公立で住民税非課税世帯50,500円、私立で52,100円などです。県独自の私立授業料減免は全日制課程が対象で、通信制には使えません。

Q. 高校を辞めてしまいましたが、岩手県内で学び直せますか。

A. 編入学という形で入り直せます。公立では、宮古高校が令和8年度の後期に転入学・編入学の枠を設け、8月25日から8月31日に出願を受け付けていました。私立では、一関学院高校が転入学・編入学を随時、専修大学北上高校は令和8年度の転入学・編入学について、7月1日・8月1日・9月1日・10月1日の4つの入学日を設けて受け付けていました(10月2日以降は翌年度4月の入学を案内)。なお、岩手県の学び直し支援補助金は、高校を退学したことがある人が県内の私立高校などで学び直すときの支援で、通信制の課程は通算24か月までの区分があります。

Q. 家から出るのが難しい時期でも、高校は続けられますか。

A. オンライン中心の学び方と、通信制高校を組み合わせる形があります。ニジ高はその一例で、カメラ・マイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。ただしニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。スクーリングに行けない日が続いたらどうなるかは、通信制高校 スクーリングの記事で説明しています。

まとめ:岩手県の通信制高校選びは「学校」と「サポート」の両方から

岩手県は広く、地域ごとに通える学校が分かれています。だからこそ、学校の名前を先に決めるより、「月に何回なら家を出られるか」「スクーリングの日にどこへ行くことになるか」から逆算するほうが、無理のない形にたどり着きます。公立の杜陵・宮古、私立の盛岡中央・一関学院・専修大学北上、そして県内35か所の拠点。それぞれに向き・不向きがあります。

そのうえで、日々の学習の伴走や居場所づくりに不安があるなら、サポート校を組み合わせるという選び方もあります。私たちニジ高も、その選択肢の1つです。高校ではないという前提を隠さずにお伝えしたうえで、オンラインで仲間とつながる時間や、自分たちで学校をつくっていく経験を用意しています。

お子さんが学校に行けなくなっているご家庭も、今の高校を続けるか迷っている生徒さんも、進め方さえ分かれば気持ちは少し落ち着きます。焦らず、まずは1つずつ確かめていきましょう。

オンラインで学ぶニジ高の生徒
オンラインで、青春する。

オンラインでも青春できる。ニジ高の体験説明会へ

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

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