公立 通信制高校 一覧|全国82校を都道府県別に。メリットとデメリットも【2026】

「近くに公立の通信制高校はあるの?」「公立なら学費は安いと聞くけれど、デメリットはないの?」。通信制高校を調べ始めると、まず公立の学校がどこにあるのか、私立と比べて何が違うのかが気になりますよね。

先に結論を書きます。文部科学省「通信制高等学校情報発信サイト」の掲載データ(2026年4月1日時点)では、公立の通信制高校は全国に82校あり、47都道府県すべてに1校以上あります。ただし、半数近くの23道府県は1校だけです。公立のメリットは、授業料が1単位100〜350円ほど(都道府県で違う)と安く、就学支援金を受ければ授業料の負担がなくなる都県が多いこと。デメリットは、入れるのが原則としてその都道府県に住む人(または勤める人)に限られること、スクーリングの曜日や入学・転入の時期が学校側で決まっていること、そして家での学習を自分で進める力が求められやすいことです。

この記事では、文部科学省の掲載データを都道府県別に数え直し、全82校の一覧を載せました。あわせて、東京都・神奈川県・大阪府・兵庫県・広島県・和歌山県・山形県の教育委員会や県の公式ページ、文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」を実際に開いて、公立の通信制高校のメリットとデメリットを整理しています。公式の資料で確かめられなかったことは、確かめられなかったと書いています。

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目次

結論:公立 通信制高校 一覧とメリット・デメリットの早見

  • 公立の通信制高校は全国に82校(文部科学省 通信制高等学校情報発信サイト、2026年4月1日時点)。47都道府県すべてにあり、23道府県は1校だけです。最も多いのは愛知県の6校です。
  • メリット①授業料が安い:都立は1単位336円、大阪府立は330円、神奈川県立は350円など。就学支援金の受給認定を受けると、東京都では授業料が無料になると案内されています。
  • メリット②相談の体制と、時間をかけられる余地:スクールカウンセラーに相談できる体制を整えている公立は81校中80校。4年以上在籍している生徒も25.6%います。
  • デメリット①入れる地域が決まっている:82校のうち80校は「狭域」で、原則として学校のある都道府県に住む・勤める人が対象です。全国から入れる学校は、公立にはほぼありません。
  • デメリット②スクーリングの日と場所が決まっている:都立は年間約20〜24日、原則土曜日に登校します。平日に通う場所を用意するコースは少数です。
  • デメリット③入学・転入の時期が決まっている:都立の転学募集は年3回(3月・8月・12月)など。私立のように「随時」ではない学校が多くあります。
  • 公立の通信制高校に通いながら、またはその代わりに、オンライン中心のサポート校(ニジ高など)を組み合わせる方法もあります。サポート校は高校ではなく、費用は高校の分とは別にかかります。
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公立の通信制高校は全国に82校。47都道府県すべてにあり、23道府県は1校だけです

文部科学省の「通信制高等学校情報発信サイト」は、全国の通信制高校の本校と、通信教育連携協力施設(いわゆるスクーリング会場や学習センター)の情報を掲載しています。サイトの注記によると、掲載情報は令和8年(2026年)4月1日時点、在籍者数は入学式の日時点です。

このサイトの掲載データ(全349件)を設置者の区分で数えると、公立82件・私立252件・株式会社立15件でした。公立82校の在籍者数を合計すると61,533人です。都道府県ごとの学校数は、次のように分かれます。

公立の学校数都道府県の数該当する都道府県
1校23北海道・宮城・秋田・福島・茨城・埼玉・千葉・富山・石川・福井・山梨・静岡・滋賀・大阪・岡山・山口・徳島・愛媛・福岡・佐賀・熊本・大分・鹿児島
2校18山形・栃木・神奈川・新潟・長野・岐阜・三重・京都・兵庫・奈良・鳥取・島根・広島(県立1・広島市立1)・香川・高知・長崎・宮崎・沖縄
3校3青森・岩手(杜陵高校奥州校を1件と数える)・東京
4校2群馬・和歌山
6校1愛知

なお、文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年8月31日公表・調査時点2025年5月1日)では、公立の通信制高校は81校と数えられています。実態調査は「在籍生徒がいる学校」を対象にした調査で、情報発信サイトとは時点も数え方も違うため、1校の差があります。差の内訳(どの学校か)は、今回の資料では確認できませんでした。この記事の一覧は、学校名まで確かめられる情報発信サイトの掲載データを使います。

公立の通信制高校の多くは、全日制や定時制の高校に「通信制の課程」を置く形です。82校のうち、通信制だけの独立した学校は6校(宮城県美田園・千葉県立千葉大宮・神奈川県立横浜修悠館・愛知県立旭陵・兵庫県立青雲・広島県立東)で、残りは定時制や全日制と同じ学校の中にあります。学校名が普通の高校と同じでも、通信制の課程がある、という学校が少なくありません。

在籍者数は学校によって大きく違います。多いのは埼玉県立大宮中央(4,072人)、北海道有朋(3,406人)、神奈川県立横浜修悠館(2,437人)、鹿児島県立開陽(2,322人)、大阪府立桃谷(2,037人)など。反対に、和歌山県立新宮(13人)や愛知県立佐屋(44人)のように、数十人規模の学校もあります。

図書館の机で、母親と娘が日本地図を広げて見ている
公立の通信制高校は都道府県ごとに置かれています。まず住んでいる地域の学校を確かめます。

都道府県別の公立通信制高校一覧(1)北海道・東北・関東の26校

ここからは、文部科学省の掲載データに載っている公立の通信制高校を、地域ごとに全校並べます。所在地は本校の市区町村まで、在籍者数は2026年度の入学式の日時点の数字です。同じ都道府県の中では、在籍者数の多い順に並べました。

都道府県学校名所在地在籍者数
北海道北海道有朋高等学校札幌市北区3,406人
青森県青森県立北斗高等学校青森市210人
青森県青森県立尾上総合高等学校平川市128人
青森県青森県立八戸中央高等学校八戸市118人
岩手県岩手県立杜陵高等学校盛岡市290人
岩手県岩手県立杜陵高等学校奥州校奥州市171人
岩手県岩手県立宮古高等学校宮古市110人
宮城県宮城県美田園高等学校名取市1,241人
秋田県秋田県立秋田明徳館高等学校秋田市670人
山形県山形県立霞城学園高等学校山形市652人
山形県山形県立庄内総合高等学校東田川郡庄内町499人
福島県福島県立郡山萌世高等学校郡山市1,115人
茨城県茨城県立水戸南高等学校水戸市925人
栃木県栃木県立宇都宮高等学校宇都宮市553人
栃木県栃木県立学悠館高等學校栃木市535人
群馬県群馬県立前橋清陵高等学校前橋市521人
群馬県群馬県立太田フレックス高等学校太田市391人
群馬県群馬県立高崎高等学校高崎市348人
群馬県群馬県立桐生高等学校桐生市243人
埼玉県埼玉県立大宮中央高等学校さいたま市北区4,072人
千葉県千葉県立千葉大宮高等学校千葉市若葉区1,329人
東京都東京都立砂川高等学校立川市649人
東京都東京都立一橋高等学校千代田区622人
東京都東京都立新宿山吹高等学校新宿区414人
神奈川県神奈川県立横浜修悠館高等学校横浜市泉区2,437人
神奈川県神奈川県立厚木清南高等学校厚木市952人

北海道は、札幌市の北海道有朋高校1校だけですが、掲載データでは道内の32か所の高校が「面接指導等実施施設」(スクーリングを受けられる施設)として登録されています。協力校に通う形の実例は、函館 通信制高校の記事で函館中部高校の受持区域まで整理しています。広い道内で、札幌まで通わずにスクーリングを受けられる仕組みです。東北では、岩手県立杜陵高校が盛岡市にあり、1単位あたりの授業料や市内の拠点は盛岡 通信制高校にまとめています。福島県立郡山萌世高校に入って、いわき市から通う場合の会場と日程はいわき 通信制高校で整理しています。本校のある郡山市側の拠点は郡山 通信制高校にまとめています。関東では、東京都立の3校(一橋・新宿山吹・砂川)、神奈川県立の2校(横浜修悠館・厚木清南。厚木市内の拠点は厚木 通信制高校)、埼玉県は大宮中央の1校、千葉県は千葉大宮の1校です。埼玉県東部から大宮中央へ通う場合の行き方は、春日部 通信制高校で紹介しています。

地域ごとの私立の学校やサポート校まで含めて探す場合は、東京 通信制高校、埼玉 通信制高校、神奈川 通信制高校、群馬県の公立4校(前橋清陵・高崎・桐生・太田フレックス)の違いは群馬 通信制高校、市内の拠点は前橋 通信制高校と高崎 通信制高校の記事もあわせてご覧ください。

都道府県別の公立通信制高校一覧(2)中部・近畿の31校

都道府県学校名所在地在籍者数
新潟県新潟県立新潟翠江高等学校新潟市西区818人
新潟県新潟県立高田南城高等学校上越市296人
富山県富山県立雄峰高等学校富山市795人
石川県石川県立金沢泉丘高等学校金沢市702人
福井県福井県立道守高等学校福井市806人
山梨県山梨県立中央高等学校甲府市303人
長野県長野県松本筑摩高等学校松本市879人
長野県長野県長野西高等学校長野市824人
岐阜県岐阜県立華陽フロンティア高等学校岐阜市462人
岐阜県岐阜県立飛騨高山高等学校高山市93人
静岡県静岡県立静岡中央高等学校静岡市葵区1,402人
愛知県愛知県立旭陵高等学校名古屋市東区1,751人
愛知県愛知県立刈谷東高等学校刈谷市1,120人
愛知県愛知県立豊野高等学校豊田市73人
愛知県愛知県立御津あおば高等学校豊川市67人
愛知県愛知県立武豊高等学校知多郡武豊町60人
愛知県愛知県立佐屋高等学校愛西市44人
三重県三重県立松阪高等学校松阪市1,455人
三重県三重県立北星高等学校四日市市1,256人
滋賀県滋賀県立大津清陵高等学校大津市780人
京都府京都府立朱雀高等学校京都市中京区624人
京都府京都府立西舞鶴高等学校舞鶴市154人
大阪府大阪府立桃谷高等学校大阪市生野区2,037人
兵庫県兵庫県立青雲高等学校神戸市長田区1,223人
兵庫県兵庫県立網干高等学校姫路市770人
奈良県奈良県立山辺高等学校奈良市147人
奈良県奈良県立大和中央高等学校大和郡山市69人
和歌山県和歌山県立きのくに青雲高等学校和歌山市851人
和歌山県和歌山県立伊都中央高等学校橋本市358人
和歌山県和歌山県立南紀高等学校田辺市352人
和歌山県和歌山県立新宮高等学校新宮市13人

中部・近畿で目立つのは愛知県の6校です。ただし、旭陵(1,751人)と刈谷東(1,120人)以外の4校(佐屋・御津あおば・武豊・豊野)は、在籍者数が100人未満の小さな課程です。大阪府は桃谷高校1校だけで、学校のQ&Aでも「大阪府内の公立の通信制高校は、桃谷高校だけ」と案内しています。人口約49万人の東大阪市から桃谷高校まで通う場合の行き方は、東大阪 通信制高校の記事にあります。八尾市から桃谷高校や周りの拠点を比べる場合は、八尾 通信制高校の記事にまとめています。北摂から桃谷高校まで通う場合の行き方は、豊中市 通信制高校の記事で確かめられます。和歌山県は4校あり、新宮高校は和歌山県と三重県を通信教育の区域にしています。

愛知県立旭陵高校がある名古屋市内で、私立や協力施設まで含めて探すなら名古屋 通信制高校を、兵庫県立青雲高校がある神戸市内なら神戸 通信制高校を、新潟県の公立2校は新潟市西区と上越市にあるので、長岡市から通う場合は長岡 通信制高校を、県全体なら愛知 通信制高校・大阪 通信制高校もあわせてご覧ください。

文部科学省の掲載データで、公立の通信制高校は全国に82校あり、47都道府県すべてに1校以上、23道府県は1校だけで最多は愛知県の6校、82校中80校が狭域であることを示す図
出典:文部科学省 通信制高等学校情報発信サイト 掲載データ(令和8年4月1日時点)より集計

都道府県別の公立通信制高校一覧(3)中国・四国・九州・沖縄の25校

都道府県学校名所在地在籍者数
鳥取県鳥取県立米子白鳳高等学校米子市247人
鳥取県鳥取県立鳥取緑風高等学校鳥取市72人
島根県島根県立宍道高等学校松江市1,417人
島根県島根県立浜田高等学校浜田市222人
岡山県岡山県立岡山操山高等学校岡山市中区1,130人
広島県広島市立広島みらい創生高等学校広島市中区1,361人
広島県広島県立東高等学校福山市635人
山口県山口県立山口松風館高等学校山口市1,249人
徳島県徳島県立徳島中央高等学校徳島市192人
香川県香川県立丸亀高等学校丸亀市172人
香川県香川県立高松高等学校高松市141人
愛媛県愛媛県立北条清新高等学校松山市449人
高知県高知県立高知北高等学校高知市340人
高知県高知県立大方高等学校幡多郡黒潮町76人
福岡県福岡県立博多青松高等学校福岡市博多区1,678人
佐賀県佐賀県立佐賀北高等学校佐賀市825人
長崎県長崎県立鳴滝高等学校長崎市564人
長崎県長崎県立佐世保中央高等学校佐世保市493人
熊本県熊本県立湧心館高等学校熊本市中央区1,223人
大分県大分県立爽風館高等学校大分市1,301人
宮崎県宮崎県立宮崎東高等学校宮崎市799人
宮崎県宮崎県立延岡青朋高等学校延岡市333人
鹿児島県鹿児島県立開陽高等学校鹿児島市2,322人
沖縄県沖縄県立泊高等学校那覇市864人
沖縄県沖縄県立宜野湾高等学校宜野湾市243人

広島県は、県立の東高校(福山市。市内の拠点は福山 通信制高校)と、広島市立の広島みらい創生高校(広島市中区)の2校です。文部科学省のデータでは、広島みらい創生高校は設置者が広島市のため、「広島市」の学校として掲載されています。大分県立爽風館高校は、大分県・福岡県・熊本県の3県を通信教育の区域にしている広域の学校です。鹿児島県立開陽高校は、県内14か所の施設でスクーリングを受けられるよう登録されています。

以前この記事に載せていた一覧から、文部科学省の最新の掲載データに合わせて学校を入れ替えました(愛媛県は北条清新高校、山形県の庄内総合高校、愛知県の佐屋・御津あおば・武豊・豊野高校、奈良県の山辺高校、和歌山県の新宮高校などを追加)。募集の有無や募集人員は年度ごとに変わるため、出願を考えるときは、各校と都道府県教育委員会の最新の募集要項で確かめてください。

メリット1:授業料は1単位100〜350円ほどで県で違う。就学支援金で授業料の負担がなくなる都県が多い

公立の通信制高校の一番のメリットは、授業料(受講料)の安さです。都道府県の条例や教育委員会のページで決められていて、どこも「1単位あたりいくら」という形です。今回、公式ページを開いて確かめられた7都府県の額は次のとおりです。

都府県授業料(受講料)入学料など出典
東京都1単位336円入学料500円・入学考査料950円東京都教育委員会
神奈川県1単位350円(平日登校で履修する場合は1単位700円)県のページに入学料の記載なし神奈川県
大阪府1単位あたり年額330円入学料500円・入学検定料800円大阪府教育庁
兵庫県1単位310円県のページに入学料の記載なし兵庫県教育委員会
広島県1単位330円県のページに入学料の記載なし広島県教育委員会
和歌山県1単位336円―和歌山県教育委員会
山形県1単位300円入学料500円・入学者選抜手数料300円山形県の条例

出典:東京都教育委員会「都立高等学校の授業料・入学料」、神奈川県「県立高校授業料」、大阪府教育庁「府立高等学校の授業料と就学支援金について」、兵庫県教育委員会「県立高等学校等の授業料」、広島県教育委員会「県立高等学校の授業料等」、和歌山県教育委員会「県立高等学校の授業料」、山形県立学校の授業料等徴収条例(いずれも2026年9月22日確認)。都立の入学考査料は東京都教育委員会「令和9年度 都立高等学校 定時制課程・通信制課程 入学案内」による。

たとえば都立で、卒業に必要な74単位をすべて1単位336円で取ると、授業料は合計24,864円です。そのうえ国の高等学校等就学支援金は、公立の通信制には1単位336円を支給します(文部科学省)。東京都教育委員会は、就学支援金の受給認定を受けた場合は授業料が無料になると案内しています。和歌山県は、就学支援金の制度が変わった2026年度から、国内に住所があり国籍・在留資格の要件を満たす生徒は、保護者の所得に関係なく授業料が無償になると書いています。広島県も、就学支援金の要件に当てはまれば授業料が無償化されると案内しています。

一方で、神奈川県立(1単位350円)のように、国の支給額(1単位336円)と県の授業料が同じではない例もあります。その差額の扱いは、県のページからは確認できませんでした。入学を考える学校の案内で確かめてください。

授業料以外にも、教科書・学習書の代金、レポートの郵送費などがかかります。都立の入学案内では、日本スポーツ振興センター共済掛金(年165円)や実習の教材費、レポート等の郵送費が挙げられています。大阪府立桃谷高校のQ&Aでは、初年度は4万円ほどかかると案内しています。私立と比べると小さな金額ですが、「0円で通える」わけではありません。公立・私立を含めた安さの比べ方は通信制高校 安い、就学支援金の仕組みは通信制高校 就学支援金の記事で詳しく整理しています。

※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

メリット2:相談の体制は公立も整っていて、時間をかけて卒業する人も多い

「公立は放っておかれそう」と心配される方もいますが、数字で見ると、相談の体制は公立も整っています。文部科学省の実態調査では、スクールカウンセラーに相談できる体制を整えている公立の通信制高校は81校中80校(2025年5月1日時点)でした。

もう1つの特徴は、生徒の年齢や在籍期間の幅が広いことです。実態調査では、公立に在籍する生徒59,192人のうち、4年以上在籍している生徒が15,132人(25.6%)いました。私立(1.9%)や株式会社立(1.4%)と比べて、はっきり高い数字です。働きながら、または体調と相談しながら、1年に取る単位数を少なめにして長く在籍する人が多いことがうかがえます。

入学のしかたも、学力検査だけで決まるわけではありません。実態調査で公立81校の入学者選抜の方法(複数回答)を見ると、面接が67校、調査書などの書類が56校、作文・小論文が33校で、学力検査問題を使うのは15校でした。都立の通信制は国語・数学・英語の3教科を総合した検査を行いますが、大阪府立桃谷高校は「書類と個人面接によって選考」し、学力検査はないと案内しています。都道府県によってかなり違うので、志望校の募集要項で確かめてください。

項目(実態調査・公立)数字読み取れること
スクールカウンセラーに相談できる体制81校中80校相談の窓口はほぼすべての公立にある
4年以上在籍している生徒25.6%(15,132人)時間をかけて卒業を目指す人が多い
入学者のうち中3で不登校だった生徒53.5%(9,969人中5,333人)不登校を経験した人は少数派ではない
学力検査問題を使う学校81校中15校面接や書類で選考する学校が多い

出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年8月31日公表・調査時点2025年5月1日)

土曜の朝の教室で、年齢のちがう生徒たちが先生の話を聞いている
スクーリングの日は、学校に通って先生から直接教わります。

デメリット1:入れるのは原則その都道府県に住む・勤める人。広域の公立は82校中2校だけです

「通信制なら、どこに住んでいても入れるのでは?」と思われがちですが、公立の通信制高校は、ほとんどが学校のある都道府県の人を対象にしています。通信制高校は、通信教育を行う区域によって「広域」と「狭域」に分かれます。文部科学省の情報発信サイトでは、広域通信制高校を「通信教育を行う区域が本校の所在する都道府県を含め3以上の都道府県にまたがる学校」と説明しています。

区分通信教育を行う区域公立の学校数(掲載データ)
狭域通信制本校のある都道府県を含め2都道府県まで(例:和歌山県立新宮は和歌山・三重)80校
広域通信制本校のある都道府県を含め3以上の都道府県2校(茨城県立水戸南・大分県立爽風館)

掲載データでは、茨城県立水戸南高校は福島・茨城・栃木・埼玉・千葉の5県、大分県立爽風館高校は福岡・熊本・大分の3県を区域にしています。それ以外の80校は狭域で、たとえば都立の通信制は、応募資格を「都内に住所若しくは勤務先を有する者」などとしています(東京都教育委員会「令和9年度 都立高等学校 定時制課程・通信制課程 入学案内」)。県外から通える公立を探すのは、現実的には難しいと考えておくとよいでしょう。

引っ越しの予定がある場合も注意が必要です。都立の応募資格は「入学後も引き続き都内に住所又は勤務先を有することが確実であること」とされています。広域・狭域の違いをもっと詳しく知りたい方は、広域通信制高校とはの記事をご覧ください。

デメリット2:スクーリングの曜日と場所は学校が決める。都立は年20〜24日・原則土曜日です

通信制高校は、レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験で単位を取ります。公立の場合、スクーリングは本校(または県内の協力校)に決まった日に通う形が基本です。東京都教育委員会の入学案内では、都立の通信制は年間約20〜24日登校して面接指導を受け、面接指導日は原則として土曜日、レポートは30単位を登録した場合で年間約82〜86通を提出すると説明しています。NHK高校講座などを使った「WEB学習」で、登校日数を年5日程度にする取り組みもあるとしています。

大阪府立桃谷高校は、昼間部が月・水・金曜日の10時30分から、日夜間部が月・金曜日の夜と日曜日の9時30分からと、部ごとに登校の曜日が決まっています(学校のQ&A)。家から学校までの距離や、決まった曜日に家を出られるかどうかが、続けやすさに直結します。

実態調査の「通学頻度別コース」の生徒数を公立だけで見ると、公立の生徒の多くは、週1回以下の登校のコースにいます。

コース(公立)生徒数割合
週5日通学333人0.5%
週2〜4日通学6,119人10.0%
週1日通学19,197人31.4%
その他(月1〜2回・自由登校など)と集中スクーリング35,416人58.0%

出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」通学頻度別コースの生徒数(公立の合計61,065人。正規の教育課程ではない活動のためのコースを含む)。割合は合計から計算。

「平日に通う場所がほしい」「毎日声をかけてくれる人がいてほしい」という場合、公立の通信制高校だけでは足りないことがあります。反対に、「平日はアルバイトや体調を整える時間にあて、週末だけ登校したい」という人には合いやすい形です。スクーリングにかかる交通費などの考え方は、通信制高校のスクーリング費用の記事にまとめています。

公立の通信制高校で学校側が決めている3つのこと(82校中80校が狭域で広域は2校だけ、都立のスクーリングは年約20〜24日で原則土曜日、都立の転学募集は年3回で退学後の編入学は年1回)を示す図
出典:文部科学省 掲載データ/東京都教育委員会「令和9年度 都立高等学校 定時制課程・通信制課程 入学案内」

デメリット3:レポートは自分で進める前提。3年で卒業した人は公立33.4%です

公立の通信制高校は、家での学習が基本です。都立の入学案内も「通信教育は、家庭学習が基本となります」とし、自主性や計画性を身に付けながら学習を進めることが求められると書いています。

実態調査で2024年度の卒業生の在籍期間を見ると、ちょうど3年間在籍して卒業した人の割合は、公立33.4%、私立51.3%でした(2022年度以降に開校した学校を除く)。また、2024年度にレポートは出しているのにスクーリングに1日も来ていない生徒は、公立で2,478人(在籍者の4.2%)いました。私立は2.3%です。

これは「公立は卒業しにくい」という意味ではありません。先ほどの4年以上在籍25.6%と合わせて読むと、公立は自分のペースで長く在籍する人が多い学校だと言えます。ただ、「3年で卒業したい」「レポートの進め方を誰かに見てほしい」という希望が強い場合は、入学前に、学校の学習相談の仕組みや、外部の支え(家族・塾・サポート校など)をどうするかを考えておくと安心です。レポートが進まないときの対処は通信制高校のレポートが難しいときの記事も参考になります。

デメリット4:入学・転入の時期は学校や都道府県が決めている。途中から入るなら日程の確認が先です

公立の通信制高校は、入学や転入の募集時期が決まっています。都立と神奈川県立、大阪府立桃谷の例を並べます。たとえば長崎県立佐世保中央高校は、入学説明会に保護者と一緒に出た人にだけ願書を配る形で、新入学の受付は3月だけです(佐世保 通信制高校)。

学校・自治体新入学転入学・編入学
都立(一橋・新宿山吹・砂川)前期選抜(令和9年度は学力検査2月22日)と後期選抜(4月)。国語・数学・英語の3教科を総合した検査転学は年3回(3月・8月・12月)。高校を退学した人の編入学は年1回(3月)
神奈川県立(横浜修悠館・厚木清南)今回は確認していません(県の入学者選抜の要項で確認)4月1日付けと10月1日付け(転入学などは4月11日付けもあり)。転入学は上記以外も随時受け付け
大阪府立桃谷書類と個人面接で選考(学力検査なし)令和8年度は年度途中の入学はできない。令和9年度から秋季入学者選抜を予定

出典:東京都教育委員会「令和9年度 都立高等学校 定時制課程・通信制課程 入学案内」、神奈川県「公立高等学校への転入学・編入学について」(2026年6月25日更新)、大阪府立桃谷高校 通信制の課程 Q&A(いずれも2026年9月22日確認)

全日制の高校に在籍したまま移る「転入学」と、いったん退学してから入り直す「編入学」とでは、受け付けの時期や条件が違うことがあります。都立の場合、高校を退学した人の編入学は年1回(3月)だけです。今の高校を辞めてから探すと、次の募集まで数か月あくことがあるので、辞める前に募集時期を確かめるのが安全です。転入と編入の違いは通信制高校 転入 編入の記事で整理しています。

公立か私立かで迷ったら、「学費」より「通い方」と「支え」で比べると決めやすくなります

ここまでのメリット・デメリットをまとめると、公立の通信制高校は「費用を抑え、決まった日に通い、あとは自分で進める」学校です。私立は学校ごとの差が大きく、週に何日通うか、どこで学ぶかを選べる学校が多い一方で、授業料とそれ以外の費用がかかります。

こんなとき公立が合いやすい別の選択肢も見たい
費用授業料をできるだけ抑えたい費用より通い方の選びやすさを優先したい
通い方週末や決まった曜日の登校で大丈夫平日に通う場所・毎日の声かけがほしい
住まいその都道府県に住んでいる県外の学校や、引っ越しの予定がある
時期募集の時期に合わせて動ける年度の途中で、早く転入したい
学習レポートを自分で計画して進められる進め方を一緒に見てくれる人がほしい

公立と私立の違いを、学校数・生徒数・卒業までの年数などの国の数字で詳しく比べた記事は、通信制高校 私立 公立 違いにまとめています。どちらが上ということではなく、お子さんが続けられる形がどちらにあるかで考えるのがおすすめです。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

公立の通信制高校は、費用の面では大きな安心があります。一方で「家でひとりでレポートを進めるのが心配」「平日に誰かとつながる場所がほしい」という場合は、学びを支える仕組みを別に用意する方法もあります。その1つが、NIJIN高等学院(ニジ高)のようなオンライン中心のサポート校です。

  • オンライン中心で、全国どこからでも:授業や担任とのやりとりはオンラインで受けられます。住んでいる都道府県に左右されません。海外からも参加できます。
  • カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるよう、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しています。
  • 担任制で、スクーリングの日程の調整や準備も支援します。生徒会・サークル・学園祭・企業とのコラボなど、人とつながる機会もあります。
  • 相談のうえで、NIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)の全国の教室に通うこともできます。
  • 途中からの入学(転入・編入)もできます。出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきた実績があります(グループ全体)。

そのうえで、正直な注意点もお伝えします。

  • ニジ高は高校ではありません。卒業資格は、提携する通信制高校で取ります。
  • ニジ高の中でのスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。宿泊を伴うスクーリングに、ニジ高のスタッフは付き添いません。ニジ高がするのは、日程の調整と準備の支援です。
  • 費用は、通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分には就学支援金は使えません。公立の通信制高校だけに通う場合と比べると、費用は大きくなります。金額は学費のご案内でご確認ください。
  • ニジ高は、提携校以外の通信制高校に在籍しながら併用する形もあります。ただし、公立の通信制高校に在籍したまま併用する場合の進め方(スクーリングやレポートとの両立など)は、在籍する学校の方針も関わります。個別相談で具体的に確かめてください。

「公立で費用を抑える」「オンラインのサポートを足す」「提携校とニジ高で学ぶ」。どれが合うかは、お子さんの今の状態によって違います。比べる材料の1つとしてお使いください。

迷ったときの進め方(3ステップ)

ステップ1:住んでいる都道府県の公立通信制高校を、この記事の一覧で確かめる。学校名が分かったら、学校のホームページで「通信制の課程」のページを開き、スクーリングの曜日・場所・年間の登校日数を確かめます。北海道や鹿児島県のように、県内の協力校でスクーリングを受けられる学校もあります。

ステップ2:募集の時期と条件を、都道府県教育委員会の募集要項で確かめる。新入学・転入学・編入学で時期が違います。今の高校を辞める前に、転入学の募集がいつあるかを確かめておくと、空白の期間を作らずにすみます。応募資格(住所・勤務先)もここで確認します。

ステップ3:続けられる形かを、本人と一緒に考える。「決まった曜日に家を出られそうか」「レポートを自分で進められそうか」「困ったときに誰に相談するか」を、本人と話してみてください。不安が大きい場合は、公立の学校説明会に参加したり、私立やサポート校の個別相談で他の通い方を聞いたりして、比べてから決めても遅くはありません。

台所のテーブルで生徒が問題集に書き込み、祖母がお茶をいれている
家でレポートを進める時間が長いぶん、続けやすい環境を家族で整えておきます。
オンラインで学ぶニジ高の生徒

公立と比べながら、続けやすい通い方を相談してみる

ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校で、カメラオフ・チャット参加から始められます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。費用は高校の分とニジ高の分がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。公立との比べ方の相談からどうぞ。

体験説明会の日程を見る → LINEで気軽に相談する

よくある質問

Q. 公立の通信制高校は全国に何校ありますか?

A. 文部科学省「通信制高等学校情報発信サイト」の掲載データ(2026年4月1日時点)では82校です。47都道府県すべてにあり、23道府県は1校だけ、最も多い愛知県は6校です。文部科学省の実態調査(2025年5月1日時点)では81校と数えられていて、時点と数え方の違いで1校の差があります。

Q. 他の県の公立通信制高校に入ることはできますか?

A. 多くの場合、難しいです。公立82校のうち80校は狭域通信制で、原則として学校のある都道府県に住む・勤める人が対象です。広域の公立は茨城県立水戸南高校(福島・茨城・栃木・埼玉・千葉。コースと日程は水戸 通信制高校)と大分県立爽風館高校(福岡・熊本・大分)の2校です。応募資格は学校と都道府県ごとに違うので、募集要項で確かめてください。

Q. 公立の通信制高校は本当に授業料がかからないのですか?

A. 授業料は都道府県で違い、確かめた範囲では1単位100〜350円ほど(山口県立・大分県立100円、茨城県立180円、長野県立220円、神奈川県立350円など)で、国の就学支援金は公立の通信制に1単位336円を支給します。東京都は、受給認定を受ければ授業料が無料になると案内しています。ただし、教科書・学習書の代金や郵送費などは別にかかり、大阪府立桃谷高校は初年度に4万円ほどかかると案内しています。

Q. 公立の通信制高校に入るのに学力試験はありますか?

A. 学校によって違います。都立の通信制は国語・数学・英語の3教科を総合した検査を行います。大阪府立桃谷高校は書類と個人面接で選考し、学力検査はありません。実態調査では、公立81校のうち学力検査問題を使うのは15校で、面接(67校)や書類(56校)で選考する学校が多くなっています。

Q. 公立の通信制高校に通いながら、サポート校を使うことはできますか?

A. サポート校は高校ではないので、在籍する高校とは別に利用する形になります。ニジ高は提携校以外の通信制高校に在籍しながら併用する形もありますが、公立の通信制高校との両立の進め方は在籍校の方針も関わるため、個別相談で確かめてください。サポート校の費用には就学支援金は使えません。

一覧で近くの学校を見つけたら、次は「続けられる形か」を一緒に考えてみてください

公立の通信制高校は、どの都道府県にもあり、授業料の負担が小さいという大きな安心があります。その一方で、通える地域・スクーリングの曜日・入学や転入の時期が決まっていて、家での学習を自分で進める力も求められます。どちらも知ったうえで選べば、「入ってから思っていたのと違った」ということは減らせます。

まずは、この記事の一覧で住んでいる都道府県の学校を確かめ、学校のホームページでスクーリングの曜日を1つ見てみるところから始めてみてください。今日すぐに決めなくて大丈夫です。公立も、私立も、サポート校も、比べる材料がそろってから選べば十分に間に合います。

オンラインで学ぶニジ高の生徒
オンラインで、青春する。

公立・私立・サポート校を比べる段階から、相談を受け付けています

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

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