通信制高校を調べ始めると、「学校説明会」「オープンキャンパス」「個別相談会」「体験入学」など、似たような名前のイベントがたくさん出てきます。「何が違うの?」「どれに参加すればいいの?」と戸惑う方は多いのではないでしょうか。
この記事では、オープンキャンパスと学校説明会の違い、それぞれの特徴、参加前に準備しておきたいこと、当日に確認したいポイント、保護者の方とお子さんそれぞれの視点を整理します。名称や内容は学校によって異なるため、あくまで一般的な目安として参考にしてください。
結論:オープンキャンパスと学校説明会の違い早見
- 学校説明会は、制度・学び方・費用・入学手続きなど「全体像を知る」ためのイベントです。
- オープンキャンパスは、校舎見学・体験授業・在校生との交流など「雰囲気を体験する」イベントです。
- 名称や内容は学校ごとに異なるため、案内の内容を事前に確認することが大切です。
- 複数校に同じ視点で参加し、質問を揃えて比べると違いが見えやすくなります。
- 参加は情報収集であり、参加しただけで入学を決める必要はありません。
学校説明会とは:全体像をつかむ場
学校説明会は、学校の概要や教育方針、学習の仕組み、卒業までの流れ、費用、入学手続きなどを、先生や担当者から説明してもらう場です。資料をもとに、学校が大切にしている考え方を一通り知ることができます。質疑応答の時間が設けられていることも多く、疑問をその場で解消できます。
通信制高校の場合、制度が複雑で分かりにくい部分が多いため、説明会で基本を押さえておくことは特に有益です。たとえば、卒業に必要な単位数やスクーリングの回数、レポートの進め方、費用の内訳、就学支援金の仕組みなどを、まとめて確認できます。
学校説明会で分かること
- 学校の教育方針と、大切にしている価値観。
- 学習の進め方(レポート・スクーリング・オンライン授業など)。
- 卒業要件と、卒業までの流れ。
- 費用の総額と、支援制度の概要。
- 入学手続きの時期と、必要な書類。
オープンキャンパスとは:雰囲気を体験する場
オープンキャンパスは、校舎を実際に見学したり、体験授業を受けたり、在校生や先生と交流したりできる、体験型のイベントです。大学のオープンキャンパスと同じ名称ですが、通信制高校では、学校説明会と一体になって開催されることも少なくありません。
資料や説明だけでは分からない、学校の「空気」を感じられるのが大きな魅力です。生徒同士の雰囲気、先生との距離感、校舎の明るさや居心地、オンラインの場合は画面越しの授業の様子など、実際に触れることで得られる情報は多くあります。
オープンキャンパスで分かること
- 校舎や教室の雰囲気、設備、周辺環境。
- 体験授業を通じた、授業の進め方や分かりやすさ。
- 在校生や先生の雰囲気、生徒同士の距離感。
- 登校した場合の通学ルートや所要時間の目安。
- 本人が「ここで過ごせそうか」という感覚。
学校説明会と
オープンキャンパスの違い
| 学校説明会 | オープンキャンパス | |
|---|---|---|
| 目的 | 学校の全体像を知る | 雰囲気を体験する |
| 内容 | 制度・費用・手続きの説明が中心 | 見学・体験授業・交流が中心 |
| 向いている人 | 基本情報を整理したい人 | 学校の空気を確かめたい人 |
| 所要時間 | 1〜2時間程度が多い | 半日程度の場合もある |
※名称や内容は学校ごとに異なります。案内の内容を事前に確認してください。
どちらに参加すべき?目的別の選び方
「結局どちらに行けばいいのか」と迷ったときは、今の自分たちの状況に合わせて選ぶと分かりやすくなります。通信制高校を調べ始めたばかりで、制度や仕組みがよく分からない段階なら、まず学校説明会に参加して、全体像を押さえるのがおすすめです。ある程度候補が絞れてきて、「実際の雰囲気を見て決めたい」という段階なら、オープンキャンパスや体験入学が有益です。
もちろん、両方を組み合わせるのが理想的です。説明会で基本情報を確認し、気になった学校でオープンキャンパスに参加して雰囲気を確かめる。この順番で進めると、情報の整理と体験がうまくつながります。ただし、本人の体調や気持ちによっては、体験型のイベントが負担になることもあります。その場合は無理をせず、オンラインの説明会や個別相談から始めてください。
個別相談会との違いも知っておく
学校説明会が全体に向けた説明であるのに対し、個別相談会は、一組ずつ個別に相談できる場です。本人の状況(不登校の経験、学習の不安、進学希望など)を踏まえて、具体的な質問に答えてもらえます。説明会で一通り全体像を知ったあとに、個別相談で具体的な不安を解消する、という流れが効果的です。
参加前に準備しておきたいこと
参加前の
準備3ステップ
質問リストは、そのまま各校で使い回せます。
聞きたいことメモの例
- 入学後の1週間の過ごし方を、具体的に教えてください。
- 登校日数は変えられますか。オンラインのみで卒業は可能ですか。
- 課題が遅れたとき、誰がどのように支援してくれますか。
- 進学・就職の支援には、どのようなものがありますか。
- 費用の総額と、追加でかかる費用を教えてください。
- 合わなかった場合の相談先や、転校の考え方を教えてください。
質問を事前に用意しておくと、限られた時間でも、必要な情報を確実に得られます。メモは紙でもスマートフォンでも構いません。当日は、メモを見ながら質問し、回答も書き留めておきましょう。
本人の負担を減らす工夫
不登校の経験があるお子さんや、人が多い場所が苦手なお子さんにとって、イベントへの参加は大きなハードルになることがあります。次のような工夫で、負担を軽くできます。
- まず保護者の方だけで説明会に参加し、雰囲気を確かめてから本人に伝える。
- オンライン開催のイベントに、自宅から参加する。
- カメラオフ、顔出しなしでの参加を認めている学校を選ぶ。
- 参加時間が長い場合は、一部だけの参加でも問題ないか確認する。
- 当日の様子を、本人が見られる動画や資料で共有する。
当日に確認したい5つのポイント
① 先生・職員の「話の聴き方」
説明が上手かどうかより、質問に対して、こちらの状況を踏まえて答えてくれるかどうかを見ましょう。本人の話を遮らずに聴いてくれるか、分からないことを正直に分からないと言ってくれるかも、信頼できる学校かどうかの目安になります。
② 生徒の雰囲気
在校生と会う機会があれば、表情や話し方、お互いの距離感を観察してみてください。無理に明るく振る舞っているのか、自然体で過ごしているのか。本人が「この中にいても大丈夫そう」と感じられるかが大切です。オンライン中心の学校では、オンラインイベントでの生徒の様子を見せてもらえるか聞いてみましょう。
③ 学習の進め方の具体性
「自分のペースで学べます」という説明だけでなく、具体的にどんな教材や仕組みで、どう進めるのかを確認します。遅れたときの対応、質問のしやすさ、テストや課題の頻度など、日々の学習のイメージをつかんでおくと、入学後のギャップが減ります。
④ 費用の総額と内訳
授業料のほかに、施設費、教材費、サポート費、スクーリングの交通費などがかかる場合があります。総額がどれくらいになるのか、支払いのタイミングはいつか、就学支援金はどう適用されるのかを、具体的に聞いておきましょう。私立通信制の就学支援金は、令和8年度から支給上限額が月額28,100円(年額337,200円)とされています。自治体の上乗せ制度もあるため、各校と自治体の窓口で確認してください。
⑤ 本人の反応
最も大切なのは、本人の反応です。説明を聞いたあと、表情が和らいだか、質問が出たか、「行ってもいいかも」という言葉が出たか。数字や資料に表れない、本人の感覚は、学校選びの重要な手がかりになります。帰り道や帰宅後に、「どうだった?」と軽く聞いてみてください。
よくある勘違い:説明会・オープンキャンパスについて
勘違い①「参加したら入学しないといけない」
説明会やオープンキャンパスは情報収集の場であり、参加したからといって、入学を決める必要はありません。複数校に参加して比べるのが一般的です。しつこい勧誘がないかも、学校の姿勢を見る手がかりになります。
勘違い②「本人が行かないと意味がない」
もちろん本人が行けるのが理想ですが、まず保護者の方だけで参加して、学校の雰囲気や制度を確認するのも有益です。そこで得た情報を、本人の負担にならない形で伝えることもできます。
勘違い③「一度行けば十分」
1校だけでは、良し悪しの基準が持てません。最低でも2〜3校に参加し、同じ質問で比べることで、学校ごとの違いが見えてきます。また、気になる学校には、時期を変えて複数回参加することで、新しい発見があることもあります。
勘違い④「HPや資料を見れば十分」
ウェブサイトやパンフレットは、学校が伝えたい情報を中心に作られています。実際に先生と話し、雰囲気に触れることで、はじめて分かる情報が多くあります。
オンライン開催の説明会・オープンキャンパスという選択
近年は、オンラインで開催される説明会やオープンキャンパスが増えています。自宅から参加できるため、遠方に住んでいる場合や、外出が負担になるお子さんにとって、大きなメリットがあります。オンライン中心の通信制高校では、実際の授業と同じ環境で体験できる場合もあり、入学後のイメージがつかみやすくなります。
オンライン参加の際は、事前にツールの使い方や接続環境を確認しておくと安心です。カメラやマイクのオン・オフの方針、チャットでの質問可否、録画・資料の共有があるかなども、案内に書かれていることが多いので確認しておきましょう。顔を出さずに参加できる場合は、本人の心理的な負担がさらに軽くなります。
一方で、オンラインだけでは分からないこともあります。校舎の雰囲気や、通学する場合のルート、生徒同士の空気感などは、実際に訪れることで感じられる部分です。登校型の学校を検討する場合は、可能であれば一度は直接足を運ぶことをおすすめします。
参加後にやっておきたいこと:振り返りと比較
説明会やオープンキャンパスは、参加して終わりではありません。参加後の振り返りが、学校選びの質を左右します。当日の印象が新しいうちに、次のことを整理しておきましょう。
- 良かった点と、気になった点を、それぞれ3つずつ書き出す。
- 聞きたかったのに聞けなかったことを、メモしておく。
- 本人が感じたことを、本人の言葉で聞いて記録する。
- 費用や条件を、他の学校と並べて表に整理する。
- もう一度確認したい点があれば、個別相談を申し込む。
複数校に参加したあとは、表にして比べてみると、違いがはっきり見えてきます。点数をつける必要はありませんが、「本人が安心できそうか」「無理なく続けられそうか」という観点を、特に重視してください。
通信制高校ならではの「見ておきたい点」
通信制高校の説明会・オープンキャンパスでは、全日制とは違う視点も持っておくと役立ちます。まず、学習の中心がどこにあるかです。レポート中心なのか、オンライン授業中心なのか、通学型の授業中心なのか。学校によって大きく異なるため、1週間の具体的な過ごし方をモデルで示してもらいましょう。
次に、高校としての枠組みです。通信制高校には、高校そのものが学習を提供する「単独型」と、通信制高校と連携して民間のサポート校が学習・生活面を支える形があります。どこまでが高校の提供するもので、どこからがサポート校の提供するものかによって、費用や卒業の仕組みが変わる場合があります。卒業に必要な単位や、在籍する高校の所在地・所管についても、説明会で確認しておくと安心です。
さらに、スクーリングの形式と頻度も重要です。登校して受ける面接指導が何日必要なのか、オンラインで代替できるのか、宿泊を伴う行事があるのか。遠方から参加する場合は、交通費や宿泊費も含めて、現実的に続けられるかを確認しましょう。
見学のときに見ておきたい「小さな場面」
校舎見学では、掲示物の雰囲気、廊下ですれ違う生徒の様子、先生と生徒の会話、受付の対応などにも目を向けてみてください。パンフレットには載らない、日常の空気が表れる場面です。オンラインの場合は、チャットでの交流の様子、イベントの案内の仕方、運営側の対応の速さなどが、手がかりになります。
こうした細かな観察の積み重ねが、「ここなら安心できそう」あるいは「少し違うかもしれない」という実感につながります。その感覚は、後で振り返ったときに、大切な判断材料になります。
通信制高校を選ぶ生徒は
全国で30万人を超える規模に
出典:文部科学省「学校基本調査」ほか報道
通信制高校を選ぶ生徒が増えるにつれ、学校ごとの特色もますます多様になっています。同じ「通信制」でも、学び方、サポート、費用、校風は大きく異なるため、実際に話を聞き、雰囲気に触れて比べる機会がこれまで以上に大切になっています。
特に、複数の学校を比べるときは、同じ質問を各校に投げかけ、答えの違いを確認するのが効果的です。回答の具体性や誠実さ、本人の状況に寄り添う姿勢は、パンフレットだけでは見えない大切な情報です。
参加時期の目安:いつ行くのがよいか
通信制高校の説明会やオープンキャンパスは、年間を通じて開催されている学校が多く、時期に厳密な決まりはありません。中学3年生の場合、夏から秋にかけて情報収集を始め、秋から冬にかけて候補を絞って出願準備に入る流れが一般的です。ただし、不登校の状態などで準備が間に合わない場合も、通信制高校は転入・編入を随時受け付けている学校があるため、焦る必要はありません。
在籍中の高校から転校を考えている場合は、転入の受付時期や単位の引き継ぎの締め切りが学校ごとに決まっていることがあります。気になる学校があれば、早めに説明会や個別相談で、受付時期と手続きの流れを確認しておきましょう。早めに動いておくと、選択肢の幅が広がります。
また、学校によっては、人気の日程や回が早く埋まることもあります。参加したい日程が決まったら、できるだけ早く予約を入れておくと安心です。
お子さん本人が参加するときの声かけ
本人が説明会やオープンキャンパスに参加する場合、事前の声かけが気持ちの負担を左右します。「どうだった?」と結果を問いただすのではなく、「見に行くだけでいいよ」「疲れたらすぐ帰ろう」と、安心できる条件を伝えておきましょう。帰り道には、感想を無理に聞き出さず、好きな食べ物を食べるなど、リラックスできる時間を設けると、自然と本音が出てくることもあります。
参加後に「行ってみてもいいかも」という言葉が出たら、それは大きな前進です。逆に「ここは違う」と言われた場合も、貴重な情報です。何が合わなかったのかを、責めずに聴き取ることで、次の学校選びの手がかりになります。選ぶ過程そのものが、本人の自己理解を深める機会になります。
焦らず、一つひとつの体験を積み重ねていくことが、納得のいく選択につながります。
保護者の方へ:説明会に参加する前の心構え
初めて説明会に参加するときは、緊張や不安も大きいものです。「恥ずかしいことを聞いてしまわないか」「断りづらくならないか」と心配になるかもしれません。しかし、説明会は、保護者の方が疑問や不安を持ち込んでよい場です。学校側も、多くの保護者の方が同じような不安を抱えていることを知っています。遠慮せず、気になることは何でも質問してください。
また、説明会では、学校のよい面だけでなく、向き不向きや注意点も率直に話してくれるかどうかに注目してみてください。メリットばかりを強調する説明より、「こういう方には合わないかもしれません」と伝えてくれる学校のほうが、信頼しやすいと考えられます。
お子さんに対しては、「行ってみて、合わなければやめればいいよ」と伝えておくと、気持ちが楽になります。参加すること自体が、お子さんにとって新しい一歩になることもあります。その一歩を、無理のない形で支えてあげてください。
NIJIN高等学院でも、オンラインでの学校説明会と個別相談を随時行っています。「まだ検討を始めたばかり」という段階でも、お子さんと一緒に、あるいは保護者の方だけでも参加できますので、お気軽にご相談ください。
よくある質問
一般に、学校説明会は制度・学び方・費用などの説明が中心で、オープンキャンパスは校舎見学や体験授業、在校生との交流など「体験」が中心です。名称や内容は学校によって異なります。
全体像をつかみたい場合は学校説明会、雰囲気を体験したい場合はオープンキャンパスが目安です。両方に参加できる場合は、説明会で基本を確認してから、体験の機会に参加すると比較しやすくなります。
多くの学校で無料ですが、学校によって異なります。参加前に案内で確認してください。
まず保護者の方だけで説明会に参加する、オンライン開催に参加する、動画で雰囲気を見るなど、負担の少ない形から始めることもできます。
多くは事前予約のみで参加できます。成績表などの持参を求められる場合は、案内に記載されています。
説明会やオープンキャンパスは情報収集の場であり、参加したからといって入学を決める必要はありません。複数校に参加して比較するのが一般的です。
まとめ
- 学校説明会は「全体像を知る場」、オープンキャンパスは「雰囲気を体験する場」と考えると整理しやすくなります。
- 参加前に聞きたいことをメモし、複数校を同じ視点で比べるのが効果的です。
- 本人の負担にならない形(オンライン・保護者のみ参加)から始めても問題ありません。
説明会もオープンキャンパスも、決めるための場ではなく、「知る」ための場です。気軽に参加して、納得できる選択につなげてください。
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執筆者:ニジ高編集部 2026年10月8日更新
参考文献
- 文部科学省「高等学校通信教育について」
- 文部科学省「学校基本調査」(令和7年度)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」
- 各学校の募集要項・学校案内



