東京都で通信制高校を探し始めると、学校の数の多さに驚きます。そして次に気になるのが、お金のことではないでしょうか。「都立と私立でどのくらい違うのか」「就学支援金や東京都の助成で、実際にはいくら払うのか」「サポート校の費用はどう考えればいいのか」。調べるほど、制度の名前ばかりが増えて分かりにくくなりがちです。
この記事は、東京都に住んでいて、通信制高校への進学や転校を考えている保護者の方と本人に向けて書いています。東京都の通信制高校の学費は、「どの学校に在籍するか」で使える制度が変わります。都立・都認可の私立・他県に本校がある私立・サポート校の4つに分けて、3年間でいくらかかるかの見方を整理しました。
数字は、東京都教育委員会、東京都生活文化局、東京都私学財団、文部科学省の公表資料で2026年9月に確かめたものです。東京都の通信制高校の学校一覧や区・市ごとの拠点は、東京都 通信制高校|都立は3校だけ。私立8校と381拠点を区部・多摩で一覧でまとめています。
結論:東京都の通信制高校の学費の早見
- 都立の通信制は3校(一橋・新宿山吹・砂川)。受講料は1単位336円、入学料は500円です。年30単位なら受講料は10,080円で、国の就学支援金を申請すれば受講料の負担はなくなる計算です。
- 2026年度から、国の就学支援金の所得制限がなくなりました。私立の通信制は1単位13,668円まで、年間33万7,200円が上限です。
- 東京都の上乗せは、学校を認可したのが東京都かどうかで窓口が分かれます。都認可の私立8校は東京都私学財団、他県に本校がある学校は東京都生活文化局です。
- 入学金・施設費・教材費・サポート校の費用は、支援金や助成の対象外です。ここが家計の差になります。
- 比べるときは「年額」ではなく「3年間の総額」で。スクーリングの交通費や宿泊費も同じ紙に書き出します。
- 授業料以外の教育費には、高校生等奨学給付金があります。就学支援金とは別の制度で、申請が必要です。
東京都の通信制高校は、お金の面で4つに分かれます
東京都で通える通信制高校は、学費と支援制度の面から見ると、次の4つに分けられます。まず、自分が検討している学校がどれにあたるかを確かめてください。
| 区分 | 例 | 授業料の目安 | 東京都の上乗せの窓口 |
|---|---|---|---|
| 都立の通信制 | 一橋(千代田区)・新宿山吹(新宿区)・砂川(立川市) | 1単位336円 | ―(国の就学支援金で受講料をまかなえる計算) |
| 都認可の私立通信制 | 都内に本校がある8校(NHK学園、北豊島、東海大学付属望星など) | 学校ごとに違う | 東京都私学財団 |
| 都外認可の私立通信制 | 他県に本校があり、都内にキャンパスや学習センターがある学校 | 学校ごとに違う | 東京都生活文化局 |
| サポート校 | 通信制高校と組み合わせて通う民間の教育施設 | 施設ごとに違う | 対象外 |
※出典=東京都教育委員会「授業料等」、東京都私学財団「私立高等学校等授業料軽減助成金」、東京都生活文化局「私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金」(2026年9月確認)。
都内には、他県に本校がある学校のキャンパスや学習センターがたくさんあります。駅前の「〇〇高校 東京キャンパス」に通っていても、在籍しているのは他県の高校ということは珍しくありません。東京都の助成を申請するときの窓口は、通う場所ではなく「在籍する高校を認可したのがどこか」で決まります。説明会では、本校の所在地と認可した都道府県を必ず確認してください。
サポート校は、高校そのものではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取るので、サポート校に通う場合は「通信制高校の学費」と「サポート校の費用」の2つがかかります。このうち、就学支援金や都の助成が使えるのは通信制高校の授業料だけです。
都立の通信制高校の学費|受講料は1単位336円
都立の通信制課程は、一橋高校・新宿山吹高校・砂川高校の3校です。費用は、全国の公立通信制と同じくとても低く設定されています。
| 費目 | 金額 | 就学支援金 |
|---|---|---|
| 入学考査料 | 950円 | 対象外 |
| 入学料 | 500円 | 対象外 |
| 受講料 | 1単位336円(30単位で10,080円) | 対象(1単位336円まで) |
| 教科書・学習書 | 実費 | 対象外 |
| 日本スポーツ振興センター共済掛金、実習教材費、レポートの郵送料など | 実費 | 対象外 |
※出典=東京都教育委員会「都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料」、令和8年度 東京都立高等学校通信制課程入学者選抜実施要綱(2026年9月確認)。
公立の通信制に対する国の就学支援金は、1単位336円が上限です。つまり、申請すれば受講料は就学支援金でまかなえる計算になり、実際に出ていくのは教科書代や交通費が中心になります。
ただし、都立の通信制は「安いから誰でも向いている」わけではありません。3校とも自宅での自学自習が基本で、レポートを期限までに出し続けることと、土曜日などのスクーリングに通うことが求められます。入学には国語・数学・英語の学力検査があり、出願できるのは原則として都内に住所か勤務先がある人です。

国の就学支援金|2026年度から所得制限がなくなりました
高校の授業料には、国の高等学校等就学支援金があります。通信制高校も対象です。2026年度(令和8年度)からは所得制限が撤廃され、保護者の収入に関係なく対象になりました。
| 区分 | 単位制授業料の場合 | 定額授業料の場合 | 支給期間 |
|---|---|---|---|
| 公立・通信制 | 1単位336円 | 月520円 | 48月 |
| 私立・通信制 | 1単位13,668円 | 月28,100円 | 48月 |
| (参考)私立・全日制 | 1単位18,528円 | 月38,100円 | 36月 |
※出典=文部科学省「令和8年度 高等学校等就学支援金制度等に関する説明会資料」(2026年9月確認)。単位制の場合、年間30単位・在学中の合計74単位までという上限があり、私立通信制の年間の支給上限は33万7,200円です。
就学支援金は、学校が代わりに受け取って授業料に充てる仕組みです。手元に現金が振り込まれるわけではありません。また、自動では支給されず、入学後に学校を通じた申請が必要です。
もうひとつ知っておきたいのが、支給には期間と単位数の上限があることです。全日制から通信制に転校した場合など、前の学校に在学した月数の分が差し引かれます(支援金を受け取った月数ではなく在学した月数で数え、全日制の1か月は通信制の4/3か月分にあたります)。途中で転校を考えている場合は、残りの支給期間を在籍校に確認しておくと安心です。
東京都の上乗せ|窓口は「学校を認可したのがどこか」で2つ
東京都には、国の就学支援金とは別に、私立高校の授業料を軽くする都独自の制度があります。通信制高校の場合、在籍する学校によって制度が分かれます。
| 在籍する学校 | 都の制度 | 上限(公式の記載) |
|---|---|---|
| 都認可の私立通信制(都内に本校がある8校) | 私立高等学校等授業料軽減助成金(東京都私学財団) | 最大で年33万7,200円(年額制)・1単位13,668円(単位制) |
| 都外認可の私立通信制(他県に本校がある学校) | 私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金(東京都生活文化局) | 国の就学支援金と合わせて最大33万7,200円 |
※出典=東京都私学財団「私立高等学校等授業料軽減助成金」、東京都生活文化局「私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金」(2026年9月確認)。令和8年度は、どちらも詳細が決まり次第案内するとされています。
どちらの制度も、生徒と保護者が都内に住んでいることが条件で、対象は卒業に必要な単位のための授業料です。都認可外の助成金のページには、入学金・施設整備費・通学の交通費・サポート校などの受講料は対象外と明記されています。
2026年度は国の就学支援金が大きく変わったため、都の上乗せがどこまで上積みされるかは、令和8年度の詳細の発表を待つ必要があります。都の助成を当てにした資金計画は、その年度の内容が確定してから立てるのが安全です。どちらも毎年度の申請が必要で、さかのぼって申請することはできないとされています。制度の背景は東京都の授業料助成制度についてでも紹介しています。

3年間の総額は、どう見積もればいいか
通信制高校の学費を比べるときは、「年額」ではなく「3年間の総額」で並べてください。入学金は初年度だけ、授業料は履修する単位数で変わり、施設費やスクーリングの費用は毎年かかります。年額だけで比べると、順番が逆転することがあります。
ここでは、計算のしかたを示すために、仮の金額で3つの例を並べます。実際の金額は学校ごとに大きく違うので、必ず各校の募集要項で確かめてください。
| 項目(3年間・74単位で卒業する場合) | 都立の通信制 | 私立の通信制(仮) | 私立の通信制+サポート校(仮) |
|---|---|---|---|
| 授業料 | 74単位×336円=24,864円 | 74単位×10,000円=740,000円 | 74単位×10,000円=740,000円 |
| 就学支援金(上限内) | −24,864円 | −740,000円 | −740,000円 |
| 入学金・入学料など | 1,450円 | 50,000円 | 50,000円 |
| 施設費・教材費など | 教科書等の実費 | 年50,000円×3=150,000円 | 年50,000円×3=150,000円 |
| サポート校の費用 | ― | ― | 年300,000円×3=900,000円 |
| 支援金を差し引いた自己負担の目安 | 約1,500円+実費 | 約200,000円+実費 | 約1,100,000円+実費 |
※私立とサポート校の金額は、計算のしかたを示すための仮の数字です。実際の学費ではありません。「実費」は教科書代、スクーリングの交通費・宿泊費などです。就学支援金は申請が必要で、年間の上限(私立通信制は33万7,200円、30単位)があります。

この例で分かるのは、2026年度からは、授業料そのものは支援金でかなりまかなえるようになったということです。家計の差になるのは、入学金・施設費・教材費・サポート校の費用といった、支援制度の外にある費用です。
見積もりを取るときは、「週何日通うコースか」「どの通信制高校に在籍するか」「スクーリングはどこで何日か」をこちらから指定して、3年間の総額と、そのうち支援金の対象になる金額を分けて出してもらうと比べやすくなります。サポート校の費用の考え方はサポート校 学費の記事で詳しく整理しています。
学費の表に載らない、東京ならではの費用
学費の資料には、入学金・授業料・施設費などが並びます。けれども、実際に家計から出ていくお金はそれだけではありません。東京都で通信制高校に通う場合、とくに見落としやすいのが次の費用です。
| 費用 | 東京都で気をつけたいこと |
|---|---|
| スクーリングの交通費 | 都立は3校とも本校で受ける。家から遠い学校を選ぶと、毎回の交通費と時間がかかる |
| 本校での集中スクーリング | 他県に本校がある学校は、本校や別会場で宿泊を伴うことがある。宿泊費・食費は別になることが多い |
| 通学コースの定期代 | 週に何日も都内のキャンパスに通うコースでは、定期代が毎月かかる |
| パソコン・通信環境 | オンラインで学ぶ学校では、パソコンやネット環境が前提になる |
| 教材・レポートの郵送料 | 学校によって、教材費やレポートの郵送料が別にかかる |
通信制高校の生徒は、JRの通学用割引回数券や学割を、スクーリング会場までの区間で使える場合があります。交通費を抑えたいときは、学校に「どの割引が使えるか」を確認してみてください。スクーリング費用の中身は通信制高校のスクーリング費用は学費の外で詳しく書いています。

授業料以外には、高校生等奨学給付金
就学支援金は授業料のための制度です。教科書代や教材費、通学費など、授業料以外の教育費には、高校生等奨学給付金という別の制度があります。返済は不要です。
対象は、生活保護(生業扶助)を受けている世帯や、住民税が非課税の世帯などが中心です。通信制の給付額は全日制より小さく、令和8年度の国公立・非課税世帯の例では、全日制が年143,700円なのに対して通信制は年50,500円でした(他県の公表資料で確認)。東京都で受け取れる額や申請の時期は、都の案内で確かめてください。
就学支援金と奨学給付金は、両方に申請できます。窓口も別です。片方だけ出して終わりにならないように、入学前に「いつ、どこに、何を出すか」を書き出しておきましょう。制度の詳しい中身は高校生等奨学給付金とはの記事でまとめています。
東京都で学費を比べるときの5つの質問
説明会や個別相談では、次の5つを聞いておくと、学校どうしを同じ条件で比べられます。
| 質問 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 本校はどこで、どの都道府県の認可ですか | 東京都の助成の窓口がどちらになるか |
| 3年間の総額はいくらですか。そのうち就学支援金の対象はいくらですか | 支援金の対象外になる費用の大きさ |
| スクーリングはどこで、年に何日ありますか。宿泊はありますか | 交通費・宿泊費の見込み |
| サポート校や通学コースの費用は、高校の学費と別ですか | 2つの請求があるかどうか |
| 途中で辞めたり転校したりしたとき、返ってくるお金はありますか | 納めたお金の扱い |
金額の話は、聞きにくいと感じる方も多いと思います。けれども、学費を具体的に答えてくれる学校は、入学後の相談もしやすい学校であることが多いものです。「支援金を差し引いた、わが家の3年間の自己負担はいくらか」を、遠慮せずに聞いてみてください。
もし、いま読んでいるのが本人なら
ここまで保護者向けに書いてきましたが、自分でこの記事を読んでいる人もいると思います。その人に向けて、短く書きます。
お金のことが気になって、通信制高校に行きたいと言い出せない。そんな気持ちになる人もいるかもしれません。でも、2026年度からは授業料の支援が大きく広がり、都立なら受講料はほとんどかからない計算です。
- 気になる学校を、ひとつ書き出してみる。都立でも私立でも構いません。
- その学校の「3年間の総額」を、家の人と一緒に調べる。説明会で聞けば教えてもらえます。
- お金のことで迷っていると、正直に伝えてみる。学校の先生や相談窓口の人は、制度の使い方を一緒に考えてくれます。
ニジ高という選択肢と、学費の正直な話
私たちNIJIN高等学院(ニジ高)は、通信制高校と連携して学びを支える通信制サポート校です。「オンラインで青春」を合言葉に、東京都内からも、全国・海外からも参加できます。自宅からのオンライン学習が中心なので、毎日の定期代やキャンパスまでの移動時間がかからないのが特徴です。
元不登校の生徒や、自分のペースで学びたい生徒、好きなことに打ち込みたい生徒など、さまざまな背景を持つ生徒が在籍しています。マイプロジェクトという一人ひとりの興味に合わせた学びや、オンラインのイベント、リアルで集まる行事も大切にしています。
ニジ高は、不登校の小中学生のためのオンラインオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の高等部です。
正直な注意点も書いておきます。ニジ高はサポート校なので、提携する通信制高校の学費とは別に、ニジ高の費用がかかります。ニジ高の費用は就学支援金や東京都の授業料助成の対象外です。また、学院内でのスクーリングはなく、高卒資格を得るには提携する通信制高校のスクーリングに参加する必要があります。金額は学費のご案内で公開しているので、ほかの学校と同じように「3年間の総額」で比べてみてください。


「わが家の3年間」を一緒に計算しませんか
個別相談会では、提携する通信制高校の学費とニジ高の費用を分けてご説明し、就学支援金を差し引いた3年間の目安を一緒に整理します。保護者の方だけの参加もできます。
よくある質問
都立の通信制課程(一橋・新宿山吹・砂川)は、受講料が1単位336円、入学料が500円、入学考査料が950円です。年30単位なら受講料は10,080円で、国の就学支援金(公立通信制は1単位336円まで)を申請すれば受講料はまかなえる計算です。教科書代などは別にかかります。
2026年度から国の就学支援金の所得制限がなくなり、私立の通信制は1単位13,668円・年間33万7,200円まで支給されます。授業料がこの範囲に収まれば、授業料の負担はなくなる計算です。ただし入学金・施設費・教材費などは対象外なので、すべてが無料になるわけではありません。
生徒と保護者が都内に住んでいれば、東京都生活文化局の「私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金」の対象になりえます。都内に本校がある都認可の学校は、東京都私学財団の授業料軽減助成金が窓口です。令和8年度の詳細は、決まり次第案内するとされています。
使えません。就学支援金や都の助成の対象は、在籍する通信制高校の授業料です。サポート校に通う場合は、通信制高校の学費とサポート校の費用を分けて見積もってください。
「年額」ではなく「3年間の総額」で比べることです。入学金、施設費、教材費、スクーリングの交通費・宿泊費、サポート校の費用まで同じ表に書き出し、そのうち支援金の対象になる金額を分けて確認しましょう。
東京都の通信制高校は、「在籍する学校」と「3年間の総額」で比べる
東京都の通信制高校の学費は、都立か私立か、私立なら東京都の認可か他県の認可か、そしてサポート校を組み合わせるかどうかで、使える制度も自己負担も変わります。2026年度からは国の就学支援金の所得制限がなくなり、授業料そのものの負担は小さくなりました。差が出るのは、入学金・施設費・教材費・交通費・サポート校の費用です。
やることはシンプルです。在籍する学校の本校と認可先を確かめること。3年間の総額を、支援金の対象かどうかで分けて書き出すこと。そして、就学支援金・都の助成・奨学給付金の申請時期をカレンダーに入れておくこと。
学費や学び方を具体的に知りたくなったときのために、入口だけ置いておきます。今日でなくて大丈夫です。

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