通信制高校の志望理由はどう書く?|字数別・状況別の書き方と例文【2026】

通信制高校の出願で、いちばん手が止まりやすいのが志望理由です。「全日制に通えなかったから」としか思い浮かばない。何百字も書けそうにない。不登校や退学のことをどこまで書けばいいのか分からない。そう感じるのは自然なことで、最初からすらすら書ける人のほうが少ないものです。

先に結論を書きます。志望理由は、才能や文章力で書くものではなく、3つの問いに順番に答えて組み立てるものです。沖縄県立の通信制2校の志願理由書の様式は、「通信制を希望する理由」「本校で頑張りたいこと」「卒業後どうしたいか」の3点を踏まえて書くよう求めています(この記事では、2つ目を「入学後に頑張りたいこと」と呼びます)。この3点に、自分の生活の事実と、その学校で知ったことを足していけば、400字でも600字でも骨組みは同じです。字数や書く項目は学校ごとに違うので、書き始める前に、受ける学校の様式を開いて確かめます。

この記事は、沖縄県・茨城県・千葉県・広島県・大阪府・東京都・山口県・新潟県の公立の通信制の募集要項と様式、私立のNHK学園高等学校とN高等学校の出願案内、文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」を、2026年10月4日に実際に開いて確かめた内容で書いています。確かめられなかったことは、確かめられなかったと書いています。例文は、どれも型を説明するためにこの記事でつくった例で、実在の受験生の文ではありません。この例文のとおりに書けば合格する、というものでもありません。

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目次

結論:通信制高校の志望理由の書き方の早見

  • 先に確かめるのは、受ける学校の様式です。書類の名前(志願理由書・志望理由書・自己申告書など)、字数、書く項目は、学校ごとに違います。
  • 骨組みは「通信制を希望する理由」「入学後に頑張りたいこと」「卒業後どうしたいか」の3点です。沖縄県立泊高校と宜野湾高校の志願理由書の様式が、この3点(様式の言葉では2つ目は「本校で頑張りたいこと」)を示しています。
  • 字数は、沖縄県立泊高校が400字以上600字以内、茨城県立水戸南高校が400字以上500字以内です。千葉県と広島県の様式には、字数の指定が書かれていません。
  • 400〜500字なら3つの段落、600字なら最初に「これまでの状況」の段落を足して4つの段落にすると、配分を決めやすくなります。
  • 不登校・転入・中退・進学希望など、状況によって変えるのは最初の段落です。これまでの事情は1〜2文の事実にとどめ、残りの字数を「今」と「これから」に使います。
  • 沖縄県立宜野湾高校の令和8年度前期の転入学・編入学では、出した志願理由書と同じテーマを、検査の日に30分の作文としてもう一度書きます。文を丸ごと覚えるより、骨組みを覚えておくほうが役に立ちます。
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志望理由の書類は、学校ごとに名前も字数も書く項目も違います。先に様式を開いて確かめます

「志望理由書」といっても、全国で同じ用紙があるわけではありません。今回開いた公立の通信制だけでも、書類の名前は「志願理由書」「志望理由書」と分かれていて、字数の決まりがある学校と無い学校がありました。大阪府のように、志望理由そのものではなく、経験と学びをテーマにした「自己申告書」を出す学校もあります。

学校(年度) 書類の名前 字数・形 書く項目
沖縄県立泊高校(令和8年度) 志願理由書 400字以上600字以内。縦書きのマス目 通信制を希望する理由、本校で頑張りたいこと、卒業後どうしたいか
沖縄県立宜野湾高校(令和8年度前期の転入学・編入学・再入学) 志願理由書。検査の日の作文も同じテーマ 400字以上600字以内。縦書きのマス目 本校通信制を希望する理由、本校で頑張りたいこと、卒業後どうしたいか
茨城県立水戸南高校(令和9年度) 志願理由書 400字以上500字以内。横書きのマス目 本校を志願した理由を具体的に書く
千葉県立千葉大宮高校(県の令和8年度の様式3の(1)) 志願理由書 字数の指定は様式に書かれていない 志願の理由、自己アピール
広島県立東高校(県の令和8年度の様式第11号) 通信制の課程の選抜に係る志望理由書 字数の指定は様式に書かれていない。罫線の欄 志望の動機、理由
大阪府立桃谷高校(令和8年度) 自己申告書 原則としてオンライン出願システムに文字で入力する これまでの経験と学んだこと、それを高校でどう生かしたいか

表の出典は、沖縄県立泊高校「令和8年度 入学者募集要項」、沖縄県立宜野湾高校「令和8年度 前期転入学・編入学・再入学 生徒募集要項」、茨城県「令和9年度 茨城県立高等学校(通信制)入学者選抜実施要項」、千葉県「令和8年度 千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項」の様式、広島県「令和8年度 広島県公立高等学校入学者選抜実施要項」の様式、大阪府「令和8年度 大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項」です。

私立にも、いくつかの形があります。NHK学園高等学校は、インターネット出願の案内によると、出願のあとに、手書きの「学歴・志望理由記入シート」を志願票などといっしょに郵送します。N高等学校は、入学案内によると、Web出願の出願者情報に「志望動機と卒業後の目標」を入力する項目があります。公立でも、新潟県立新潟翠江高校の令和8年度の転入学・編入学の募集要項では、本人が用意する書類に「入学志願理由書」が入っています。

一方で、志望理由の書類が出願書類に入っていない学校もあります。東京都立の通信制課程(一橋・新宿山吹・砂川)の令和9年度の入学案内では、前期選抜の出願に必要な書類として入学願書・調査書などが挙げられていて、志望理由書は挙げられていません。検査教科は、国語・数学・英語の3教科を総合した検査問題です。山口県の公立の通信制(令和8年度の実施要領)も、中学校出身者の出願書類は入学願書・調査書・写真・住民票などで、検査は面接と作文です。

つまり、最初にすることは「書く」ことではなく、「何を・何字で・どの用紙に書くのか」を知ることです。受ける学校の募集要項を開き、次の3つに印を付けてください。

  1. 書類の名前と、出すかどうか(出願のときに出すのか、検査の日に書くのか)
  2. 字数の下限と上限、縦書きか横書きか、マス目か罫線か
  3. 書く項目(テーマ)が示されているか

願書の中にある2〜3行の志望動機の欄など、短い欄の書き方は通信制高校 願書 書き方の記事で、氏名や学歴の欄といっしょに説明しています。この記事では、400字以上の長い志望理由書と、志望理由をテーマにした作文の組み立て方を扱います。

ダイニングテーブルで、高校生の娘がマス目の紙にペンで書き、隣で母親が見守っている
様式は学校ごとに違います。書き始める前に、字数と書き方の決まりを確かめます。

志望理由書を選考の資料にする学校があります。広島県立東高校では調査書と同じ比重で、茨城県立水戸南高校は書類で選抜します

今回確かめた公立の要項では、志望理由書は、出せば終わりの書類ではなく、選考の資料として扱われていました。全体の数字から見ておきます。文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」では、通信制課程を置く323校のうち、入学者選抜で調査書などの書類を使う学校が230校、作文・小論文を課す学校が154校ありました。面接は296校、学力検査は91校です(複数回答)。

公立の要項には、志望理由書の重みがはっきり書かれているものがあります。

  • 広島県立東高校(令和9年度の実施内容シート):通信制の課程の選抜は、志望理由書・調査書・自己表現の比重が1対1対1です。志望理由書は300点で、調査書(225点を300点に換算)と同じ重みになっています。
  • 茨城県立水戸南高校(令和9年度の実施要項):入学者の選抜は、入学願書・調査書・志願理由書などの出願書類によって行う、と定められています。
  • 千葉県(令和8年度の実施要項・通信制の課程の一期入学者選抜):検査は面接と作文で、高校が志願理由書の提出を求めた場合は、これを選抜の資料に加えるとしています。令和9年度の一覧では、千葉大宮高校の通信制は志願理由書が「有」です。
  • 沖縄県立泊高校(令和8年度):学力検査は無く、提出書類と面接検査の結果から総合的に判断します。沖縄県の実施要項は、選抜は志願者が募集定員を超えるかどうかにかかわらず行う、と定めています。
  • 大阪府立桃谷高校(令和8年度):学力検査は行わず、自己申告書などに基づいて、志願者全員に個人面接を行います。

では、何が読まれるのでしょうか。広島県立東高校の入学者受入方針は、学校の特色を理解し、高校生活に意欲的に取り組もうとする意志を持つ人を求める、という内容です。確かめた要項や様式に、立派な経歴や特別な実績を求める記載はありませんでした。

※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

骨組みは「通信制を希望する理由」「入学後に頑張りたいこと」「卒業後どうしたいか」の3点です

沖縄県立泊高校の志願理由書(通信第2号様式)には、マス目の横に、次の3点を踏まえて書くよう示されています。宜野湾高校の様式も同じ3点です。

  1. 通信制を希望する理由
  2. 本校で頑張りたいこと
  3. 卒業後どうしたいか

2つ目の「本校で頑張りたいこと」を、この記事では「入学後に頑張りたいこと」と呼びます。この3点は、過去(なぜ)・入学後(何を)・卒業後(どこへ)の順に並んでいます。テーマが示されていない学校の志望理由書でも、この順番で書くと、読む人が流れを追いやすくなります。茨城県立水戸南高校の様式は「本校を志願した理由を具体的に」と求めていますが、理由を具体的にしようとすると、入学後と卒業後の話が自然に入ってきます。

3点それぞれに、何を材料にして、どんな文で終えるかを表にまとめます。材料と文の終わり方は、この記事で考えた例です。

問い 材料にするもの 文の終わり方の例
通信制を希望する理由 今の生活の事実(体調、通学、仕事、学びたいこと)と、その学校の学び方 「〜と考え、通信制の課程を志望しました」
入学後に頑張りたいこと レポート、スクーリング、学び直したい教科、参加したい行事 「〜を目標にします」「〜に取り組みます」
卒業後どうしたいか 進学、就職、資格、まだ決まっていなければ探し方 「〜を目指します」「卒業までに〜を見つけたいです」

3点のうち、いちばん字数を使いたいのは2つ目の「入学後に頑張りたいこと」です。通信制の課程は、レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、試験で単位を修得します。自分で学習を進める場面が多いので、「レポートを期限の何日前までに出す」「週に何時間、いつ学習する」のように、続け方を具体的に書けると、入学後の姿が伝わります。

1つ目の「理由」は、できなかったことだけで終えないのがこつです。「毎日の登校が難しい」という事実のあとに、「だから、こういう学び方なら続けられる」という文を続けます。うしろ向きな理由が浮かんだら、「その代わりに、何ならできるか」と自分に聞いてみてください。

通信制高校の志望理由書を、通信制を希望する理由・入学後に頑張りたいこと・卒業後どうしたいかの3つの問いに答えて組み立てることを、沖縄県立泊高校と宜野湾高校の志願理由書の様式から整理した図
出典:沖縄県立泊高校「令和8年度 入学者募集要項」、沖縄県立宜野湾高校「令和8年度 前期転入学・編入学・再入学 生徒募集要項」

書く前に材料を集めます。要項・説明会・自分の生活から、事実を3つずつ書き出します

志望理由が書けないとき、足りないのは文章力ではなく材料であることが多いものです。書き始める前に、次の3つの場所から事実を書き出します。きれいな文にする必要はなく、メモで十分です。

  1. 要項と学校案内から:スクーリングの曜日や回数、レポートの出し方、通える距離、学べる科目など、その学校の学び方を3つ書き出します。
  2. 説明会や個別相談から:先生の話で印象に残ったこと、校舎を見て感じたこと、質問して分かったことを書き出します。
  3. 自分の生活から:今の1日の過ごし方、続けていること、苦手なこと、好きなこと、卒業後に気になっている進路を書き出します。

説明会は、材料集めのいちばんの近道です。出願の前に説明を受けることを求めている学校もあります。沖縄県立宜野湾高校の令和8年度前期の転入学では、入試説明会に参加することが出願資格に入っていて、参加していない人は出願できません。山口県の実施要領も、出願の前に通信制での学習について説明を受けることが望ましいとしています。説明会で何を聞くかは通信制高校 説明会の記事に質問のリストがあります。

書き出したら、「学校の学び方」と「自分の生活」を線で結びます。たとえば「スクーリングが日曜日にある」と「平日は仕事がある」、「レポートを自分のペースで進められる」と「午後のほうが体調がよい」のように、2つがつながるところが志望理由の中心になります。

どの学校にも出せそうな文になってしまうときは、結ぶ線を2本以上にします。「自分のペースで学べるから」だけなら多くの学校に当てはまりますが、「家から30分で通えること」と「日曜日のスクーリング」と「説明会で聞いた学び直しの時間」を組み合わせると、その学校を選んだ理由になります。

字数別の書き方:400〜500字は3つの段落、600字は「これまでの状況」を足して4つの段落にします

骨組みが同じでも、字数によって段落の数と配分が変わります。次の表の段落の数と配分は、この記事で考えた目安で、要項に書かれている決まりではありません。600字でも、3つの段落のまま、最初の段落に今の状況を短く入れる形で書けます。4つに分けるのは、これまでの状況が長くなるときの一案です。様式に字数の決まりがある学校では、下限を下回らず、上限を超えないことを先に守ります。

字数 段落 配分の目安
200字前後(願書の中の欄など) 1つ 3点を1〜2文ずつ。事実は1つに絞る
400〜500字(茨城県立水戸南高校など) 3つ 理由に150字、入学後に200字、卒業後に100字ほど
600字まで(沖縄県立泊高校・宜野湾高校) 4つ これまでの状況に120字、理由に150字、入学後に200字、卒業後に100字ほど
字数の指定が無い罫線の様式(千葉県・広島県) 欄の行数に合わせる 下書きで1行に入る字数を数え、欄に収まる長さにする

次の2つは、型を説明するためにこの記事でつくった例です。実在の受験生の文ではありません。

例1:3つの段落(中学校で欠席が多かった人が、新しく入学する場合)

私が通信制の課程を志望するのは、自分の体調に合わせて学習を進めながら、高校を卒業したいと考えたからです。中学2年生の秋から、朝に起きられない日が増え、教室で授業を受けることが難しくなりました。今は午後を中心に、家で毎日1時間ほど、数学と英語の学び直しを続けています。

貴校の学校説明会で、レポートを提出し、決められた日のスクーリングに出席して、単位を修得していく仕組みを知りました。毎日同じ時刻に登校する形ではないので、今の自分でも続けられると感じました。入学後は、レポートを期限の1週間前までに提出することを目標にします。数学は中学校の内容に不安があるので、基礎から学び直し、分からないところはスクーリングで質問します。スクーリングの日は、前の日のうちに持ち物と時間を確かめて、出席を続けたいです。

卒業後は、動物に関わる仕事に就くために、専門学校へ進学したいと考えています。高校の3年間で、自分で決めた計画を最後までやりとげる力を身につけたいです。

例2:4つの段落(全日制高校に在籍していて、転入学する場合)

私は現在、全日制高校の2年生です。片道1時間半の通学と部活動が重なって体調をくずし、2年生の6月から欠席が続いています。このままでは進級に必要な出席が足りなくなると担任の先生から聞き、家族と話し合って、学び方を変えて高校を続けたいと考えるようになりました。

通信制の課程を希望する理由は、通学の負担を減らし、体調を整えながら学習を続けられるからです。貴校の説明会では、1年生で修得した単位を引き継げる場合があることと、スクーリングの日程が年間の予定表で先に分かることを知りました。予定が先に分かれば、通院の日と重ならないように計画を立てられます。

入学後に頑張りたいことは二つあります。一つ目は、レポートを計画どおりに提出することです。1週間ごとに取り組む科目を決め、手帳に書いて進めます。二つ目は、スクーリングで先生に質問をすることです。今の高校では、分からないところをそのままにしてしまいました。同じことをくり返さないように、分からないことはその日のうちに聞くようにします。

卒業後は、保育の仕事に就くことを目指して、短期大学へ進学したいと考えています。高校を卒業するまでの学習を、自分で計画して最後まで続けることで、進学後の学びにもつなげたいです。

例1は約420字、例2は約520字です(句読点を含み、段落の最初の空きは含めずに数えています)。2つの例に共通しているのは、次の3つです。

  • その学校で知ったことが1つ入っている(説明会で聞いた仕組みや日程)
  • 数字が入っている(毎日1時間、期限の1週間前、1週間ごと)
  • 最後の段落が、卒業後の話で終わっている

例文の言葉をそのまま写すのではなく、自分のメモにある事実に置きかえて使ってください。説明会で聞いていないことを「聞いた」と書くことはできません。書いた内容は、面接で聞かれることがあるからです。

リビングの低いテーブルで、父親と高校生の息子が色付きの紙のメモを3つのまとまりに分けている
先にメモを3つの問いに分けておくと、400字でも600字でも組み立てやすくなります。

状況別の書き方:不登校・転入・中退・進学希望・働きながら。変えるのは最初の段落です

状況が違っても、2つ目の段落から先(入学後・卒業後)の組み立ては同じです。変わるのは、最初の段落に書く「これまで」と「理由」です。次の表は、この記事で整理した目安です。

状況 最初の段落に書く事実 「これから」へのつなげ方
中学校で欠席が多かった(新入学) いつごろから、どんな状態だったか。今、続けていること 自分のペースで学べる形なら続けられる、とつなげる
いまの高校から移る(転入学) 学年、移りたい理由になった事実、修得した単位のこと 高校を続けて卒業したい、学び方を変えたい、とつなげる
高校をやめたあとに入り直す(編入学) 退学した時期、そのあとの過ごし方、もう一度学びたいと思ったきっかけ 今の生活と両立して卒業を目指す、とつなげる
大学などへ進学したい 学びたい分野、受験勉強に使いたい時間 高校の学習と受験勉強の計画を自分で立てる、とつなげる
働きながら学ぶ・活動と両立する 仕事や活動の内容と時間、学び直したい理由 スクーリングの曜日と仕事の予定をどう合わせるか、とつなげる

中学校で欠席が多かった人は前の節の例1、転入学の人は例2が、最初の段落の例になります。残りの3つの状況について、最初の段落だけを例にします。どれもこの記事でつくった例です。

編入学(高校をやめたあと)の最初の段落の例:「私は高校を1年生の冬に退学し、その後の1年間はアルバイトをしながら過ごしました。働くなかで、就きたい仕事の求人に高校卒業が条件と書かれていることを知り、もう一度高校で学びたいと考えるようになりました。仕事を続けながら卒業を目指せる通信制の課程を志望します。」

進学希望の最初の段落の例:「私は将来、大学で心理学を学びたいと考えています。受験に向けた学習の時間を自分で計画して確保したいと思い、通信制の課程を志望しました。レポートとスクーリングで高校の学習を進めながら、空いた時間に英語と国語の受験勉強を続けます。」

働きながら学ぶ人の最初の段落の例:「私は中学校を卒業してから3年間、家業の飲食店を手伝ってきました。仕入れや会計を任されるようになり、数学や国語を基礎から学び直したいと考えました。平日の仕事と両立できるように、日曜日にスクーリングがある貴校の通信制の課程を志望します。」

転入学と編入学では、前の学校の単位や在籍期間の扱いが、入学後の計画に関わります。制度のしくみは通信制高校 転入 条件と高校中退 通信制高校 編入の記事にまとめています。進学を目標に書く人は、通信制高校 大学進学の記事で、卒業までの学習と受験の関係を先に確かめておくと、入学後の段落が書きやすくなります。

不登校や退学の理由は、事実を1〜2文にして、残りを「今」と「これから」に使います

不登校だったことや、前の高校をやめたことを、どこまで書くかで迷う人は多くいます。文部科学省の実態調査では、2025年度に通信制高校へ入学した77,998人のうち、中学3年生のときに不登校だった人は44,461人で、57.0%でした。通信制の学校にとって、欠席の多かった生徒が志願することは、珍しいことではありません。

今回確かめた志望理由書の様式に、不登校や退学の理由そのものを書かせる欄はありませんでした。求められているのは「通信制を希望する理由」や「志願した理由」です。ですから、これまでの事情は、理由を説明するのに必要な分だけを、事実として1〜2文で書きます。くわしい経過や、だれかへの不満を書く必要はありません。

書きがちな文を、事実と「これから」の形に書き直すと、次のようになります。右の列は、この記事でつくった例です。

書きがちな文 書き直した例
全日制に行けないので、通信制にしました 毎日の登校が難しい時期が続いたため、自分のペースで学習を進められる通信制の課程で、卒業を目指したいと考えました
人間関係がいやで、学校に行けなくなりました 中学2年生から教室に入ることが難しくなり、別室と家で学習を続けてきました
特にやりたいことはありません 卒業までに、いろいろな科目の学習やスクーリングでの出会いを通して、進みたい道を見つけたいです
家から近いからです 家から30分で通えるので、体調に波があってもスクーリングに出席しやすいと考えました

事実と違うことは書きません。調査書などの書類で、学校がこれまでの状況を知っていることもありますし、面接で同じことを聞かれることもあります。話したくないことまで書く必要はありませんが、書いたことは事実である、という線を守ります。

欠席の事情や、体のこと・障害のことを学校に伝えたい場合は、志望理由書とは別の書類が用意されている県があります。茨城県の実施要項では、欠席が多いことの事情や、障害があることによって生じることがらを説明する必要があるときに、自己申告書を出せます。千葉県にも、障害や病気、けがなどの状況を申告できる自己申告書の様式があります。志望理由書に事情を長く書かなくても、伝える方法が別にある県がある、ということです(大阪府の「自己申告書」は名前が同じですが、次の節で説明する別の書類です)。

面接で不登校の理由をどう話すかは通信制高校 面接 質問の記事で、不登校から通信制で卒業を目指すときの条件や学校の選び方は通信制高校 不登校の記事で扱っています。

テーマが決まっている様式は、問いの順番どおりに答えます。千葉県は自己アピール、大阪府は経験と学びです

学校によっては、「志望理由」以外のことも書くよう、様式が項目を決めています。この場合は、3点の骨組みをそのまま当てはめるのではなく、様式の問いに、問いの順番どおりに答えます。

千葉県の志願理由書(様式3の(1))は、欄が2つに分かれています。1つ目が「志願の理由」で、その高校・学科を志願する動機や理由などを書きます。2つ目が「自己アピール」で、自分について伝えたいことを書きます。記入上の注意には、自己アピールの欄は、校内や校外での活動、趣味や特技、資格、受賞などについて書いてもよい、とあります。

自己アピールの欄は、部活動や受賞の経験がないと書けない、と感じるかもしれません。ただ、様式が挙げているのは「書いてもよい」例で、趣味や特技も入っています。家で続けていること、好きで調べていること、家族の手伝いなども、自分について伝えたいことがらになります。この記事でつくった例を1つ挙げます。「私は中学2年生から、家で毎日30分、英語の音声を聞いて書き取る練習を続けています。最初は1文も書き取れませんでしたが、今は短い会話なら書き取れるようになりました。決めたことを少しずつ続ける力が、私の強みです。」

大阪府の自己申告書(様式111)は、テーマが決められています。令和8年度のテーマは、中学校などの生活(またはこれまでの人生)でどんな経験をして何を学んだか、それを高校でどう生かしたいかを、できるだけ具体的に書く、というものです。府立桃谷高校の通信制の課程では、自己申告書を原則としてオンライン出願システムに文字で入力して出し、面接はこの自己申告書などに基づいて行われます。

このテーマなら、「経験したこと」「そこから学んだこと」「高校でどう生かすか」の3つの段落に分けると、問いにそのまま答える形になります。学校に行けなかった時期のことを経験として書く場合も、その時期に何を考え、何を続け、何が分かったかを中心にすると、学んだことの段落につながります。

志望理由書の字数と書き方の決まりが、沖縄県立泊高校は400字以上600字以内で縦書きのマス目に黒のペン、茨城県立水戸南高校は400字以上500字以内で横書き、広島県の様式は字数の指定がなく罫線の欄であることを比べた表
出典:沖縄県立泊高校・茨城県・広島県の募集要項と様式(令和8〜9年度)

志望理由書と同じテーマを、検査の日に作文で書く学校があります。丸暗記ではなく骨組みを覚えます

志望理由は、出願のときに書いて終わりとは限りません。沖縄県立宜野湾高校の令和8年度前期の転入学・編入学・再入学の募集要項には、志願理由書を出願書類として出すことに加えて、検査の日の面接の前に、作文検査として同じテーマをその場で書く、とあります。

  • 作文検査は30分で、面接検査の前に行います。
  • テーマは、出願書類の志願理由書と同じ3点です。
  • 筆記用具は、鉛筆かシャープペンシルと消しゴムを持っていきます。
  • 出願書類のコピーなどは持ち込めません。
  • 検査の日の作文は、改行せずに400字以上を書きます(要項では400字以上600字以内)。

作文検査を行う理由について、同校の要項の「質問と答え」の欄は、レポートを提出するだけの力があるかを見たいこと、自分の考えや思いを書くことや表現することを重視していることを挙げています。

このような学校では、出した文章を一字ずつ覚えようとするより、骨組みを覚えておくほうが、書き始めやすくなります。覚えるのは、次の3つです。

  1. 3点それぞれの、最初の1文
  2. 入れる事実を3つ(今続けていること、説明会で知ったこと、卒業後の目標)
  3. だいたいの字数の配分(理由・入学後・卒業後)

時間の使い方は、最初の3分で3点のメモを余白に書き、20分ほどで本文を書き、残りで読み直す、という配分がこの記事の目安です。改行をしない決まりの場合、段落の代わりに「まず」「入学後は」「卒業後は」のような言葉で区切ると、読む人が流れを追えます。

大阪府のように、面接が自己申告書に基づいて行われる学校もあります。書いた内容は面接の話題になるので、出す前にコピーか写真を取っておき、検査の前に読み返します。志望理由のほかのテーマも含めた作文の準備は通信制高校 作文、面接の答え方は通信制高校 面接 対策の記事にまとめています。

清書の決まりは様式ごとに違います。筆記具・縦書きか横書きか・本人が書くかを確かめます

内容が決まったら、清書の決まりを確かめます。筆記具ひとつでも、学校によって違いがありました。

学校 筆記具 書き方の決まり
沖縄県立泊高校 黒のペン 本人が書く。縦書きのマス目
沖縄県立宜野湾高校 出願書類はペン。検査の日の作文は鉛筆かシャープペンシル 出願書類は本人が書く。検査の日は改行せずに400字以上
茨城県立水戸南高校 黒のボールペンか万年筆 志願者本人が横書きで書く。題名・氏名・学校名は書かない
千葉県(様式3の(1)) 黒のボールペンか万年筆。「志願の理由」「自己アピール」の欄は鉛筆でもよい 志願者の直筆で書く。※印の欄は書かない
広島県(様式第11号) 様式に記載なし 本人記入欄。代筆が必要な志願者は代筆で書けるが、代筆者の氏名と理由を明記する

茨城県立水戸南高校の様式のように、題名・氏名・学校名は書かない、と決めている様式もあります。作文の用紙と同じつもりで1行目に題名を書いてしまうと、決まりに合わなくなります。注意書きは、マス目の外や様式の上のほうに書かれていることがあるので、清書の前にもう一度読みます。

マス目の様式で、段落の最初を1マス空けるか、句読点をどう数えるかは、今回確かめた様式には書かれていませんでした。分からないときは、学校に聞くのが確かです。

清書は、次の順で進めると書き直しが減ります。

  1. 様式をコピーするか、同じ字数のマス目を用意して、下書きをする
  2. 声に出して読み、誤字・脱字、同じ言葉のくり返しを直す
  3. 家族や先生に読んでもらい、分かりにくいところを聞く
  4. 決められた筆記具で清書する。長い文章は、段落ごとに休みを入れる
  5. 出す前にコピーか写真を取る

字は、上手である必要はありません。読める字で、マス目や罫線からはみ出さないように書きます。手で書くことが難しい事情がある人は、書く前に学校へ相談してください(広島県と沖縄県立宜野湾高校の例を、よくある質問に書いています)。

よくある落とし穴:「立派な理由が要る」「長いほどよい」「だれかに書いてもらう」は、確かめた資料に合いません

  • 「立派な理由がないと書けない」:確かめた要項や様式に、特別な実績を求める記載はありませんでした。沖縄県立の2校の様式が求めているのは、希望する理由、頑張りたいこと、卒業後どうしたいか、です。今の生活の事実から書き始められます。
  • 「長く書くほどよい」:泊高校は600字、水戸南高校は500字が上限です。上限を超えると、様式の決まりに合わなくなります。様式の項目も学校ごとに違うので、同じ文を使い回さず、問いに合わせて書き直します。
  • 「家族やAIに書いてもらえばよい」:泊高校・宜野湾高校・水戸南高校の様式は、本人が書くよう求めています。宜野湾高校のように、同じテーマを検査の日に自分で書く学校もあります。学校での学習場面についての文部科学省の生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)も、レポートや小論文などで、生成AIが作ったものをほぼそのまま自分の成果物として出すことを、不適切と考えられる例に挙げています。このガイドラインは学校での学習場面についてのもので、志望理由書を対象にしたものではありませんが、自分の文として出すものは自分で書く、という点で参考になります。家族やAIには、質問を出してもらう、誤字を見つけてもらう、という手伝いまでにして、文は自分の言葉で書きます。
  • 「不登校のことを書くと不利になる」:有利か不利かは、確かめた資料からは言えません。分かっているのは、通信制の入学者の57.0%が中学3年生のときに不登校だったこと、欠席の事情を説明できる書類を用意している県があることです。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

ニジ高(NIJIN高等学院)は、株式会社NIJINが運営する、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも参加でき、担任制で学びます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、中学内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。生徒会・サークル・学園祭・企業コラボがあり、生徒が行事を企画・運営する側になれるのも特色です。大学の総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座にも取り組んでいます。転入・編入もでき、出願費用は無料です。

正直にお伝えすると、次のとおりです。

  • ニジ高は高校ではありません。卒業資格は、提携する通信制高校で取ります
  • ニジ高の中でのスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングへの参加が必要です。スクーリングの形や日程、入学の手続きは、個別相談会で詳しくご案内しています
  • 費用は、提携する通信制高校の分と、ニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内をご覧ください

どの学校を候補にする場合も、志望理由に書く「その学校で知ったこと」は、説明会や相談の場で見つかることがあります。ニジ高の体験説明会・個別相談はオンラインで、個別相談会は30分・参加無料です。保護者の方だけでも参加でき、カメラとマイクはオフのままでかまいません。ニジ高を候補に入れる場合も、ほかの学校と同じように、学び方が自分に合うかを確かめてから考えてください。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 様式を開いて、3つに印を付ける。書類の名前、字数(下限と上限)、書く項目です。筆記具と、本人が書くかどうかの決まりにも線を引きます。在籍中の人は、中学校や高校の先生に、出し方の手順も確かめます。
  2. 材料をメモにして、3点に1文ずつ答える。「通信制を希望する理由」「入学後に頑張りたいこと」「卒業後どうしたいか」に、まず1文ずつ書きます。そこに、学校で知ったことと、自分の生活の事実を足して、字数に合わせて段落にします。
  3. 下書きを読んでもらい、清書してコピーを取る。家族や先生に読んでもらい、分かりにくいところを直します。決められた筆記具で清書し、出す前にコピーか写真を取って、面接や作文検査の前に読み返します。

1日で書き上げなくてかまいません。今日は様式に印を付けるだけ、明日は3点に1文ずつ書くだけ、という進め方でも進みます。日をあけて読み直すと、言葉が少しずつ自分のものに近づいていきます。

明るい相談室の丸いテーブルで、生徒と母親が先生の説明を聞いている
説明会や個別相談で聞いたことは、志望理由に書ける自分の事実になります。
オンラインで学ぶニジ高の生徒

学び方が自分に合うかを、体験説明会で確かめてみませんか

ニジ高は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校です。大学の総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座にも取り組んでいます。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。体験説明会で、授業の様子や学び方を見てみませんか。

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よくある質問

Q. 志望理由書と、願書の志望動機の欄は、同じ内容でよいですか?

A. 骨組みは同じでかまいません。違うのは長さです。願書の中の短い欄は、3点を1〜2文ずつにまとめます。400字以上の志望理由書は、段落に分けて、事実と学校で知ったことを足します。両方を出す学校では、内容が食い違わないようにそろえます。

Q. 字数は、どのくらいまで埋めればよいですか?

A. 下限と上限が決まっている様式は、その範囲に収めます。沖縄県立泊高校は400字以上600字以内、茨城県立水戸南高校は400字以上500字以内です。千葉県や広島県の様式のように字数の指定が書かれていない場合は、欄に収まる長さにします。何割まで埋めるかという目安は、今回確かめた要項にはありませんでした。

Q. 卒業後の進路が、まだ決まっていません。

A. 決まっていないことを、そのまま書いてかまいません。そのうえで、どうやって探すかを1文足します。たとえば「卒業までに、いろいろな科目の学習やスクーリングでの出会いを通して、進みたい道を見つけたいです」のような書き方です(この記事でつくった例です)。興味のある分野が1つでもあれば、「〜に関心があるので、関係する科目に力を入れます」と書けます。

Q. パソコンで作って、印刷して出してもよいですか?

A. 様式によります。沖縄県立泊高校や茨城県立水戸南高校の志願理由書は、本人がペンで書くよう決められています。千葉県の様式も志願者の直筆です。一方、大阪府立桃谷高校の自己申告書は、原則としてオンライン出願システムに入力します。N高等学校も、Web出願で志望動機を入力します。受ける学校の様式の指示に合わせてください。

Q. 字を書くことが難しい場合は、どうすればよいですか?

A. 書く前に、受ける学校へ相談してください。広島県の志望理由書の様式には、代筆が必要な志願者は代筆で書くことができ、その場合は代筆者の氏名と理由を明記する、とあります。沖縄県立宜野湾高校には、作文や面接のときの配慮を願い出る様式があります。ほかの学校でどのような配慮が受けられるかは、今回は確かめられていません。

志望理由は、うまい文章より、自分の事実とこれからを、自分の言葉で書くところから始めます

志望理由書は、学校に「わたしはこう考えて、ここで学びたい」と伝える書類です。確かめた様式に、上手な文章や立派な経歴を求める記載はありませんでした。

最初の1文が出てこないときは、3点に1文ずつ答えるところから始めてみてください。うまく言えない部分は、説明会で聞いたことや、今続けていることの事実から書き足していけます。書き直すたびに、志望理由は自分の言葉に近づいていきます。

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オンラインで、青春する。

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