高校をやめてしばらくたち、「やっぱり高校卒業の資格はほしい」と考え始めた。でも、どの通信制高校なら入れてもらえるのか、前の学校で取った単位はどうなるのか、今からだと卒業はいつになるのかが分からない。そう感じている人やご家族は少なくありません。
先に結論を書きます。一度退学してから通信制高校に入り直すことは「編入学」といい、法令にも各地の教育委員会の募集にも用意されている、ふつうの手続きです。学校を選ぶときは、評判や学費より先に、自分の「持ち物」である修得した単位の数と在籍した期間を確かめ、それを受け入れてもらえる時期と条件の学校を探すと、卒業までの見通しが立てやすくなります。前の単位を引き継ぐか、1年生相当から入り直すかを選べる学校もあります。
この記事は、学校教育法と学校教育法施行規則・単位制高等学校教育規程(e-Gov法令検索)、文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」、就学支援金のQ&Aと学び直し支援の資料、東京都教育委員会と神奈川県教育委員会の募集の資料を、2026年9月30日に実際に開いて確かめた内容で書いています。確かめられなかったことは、確かめられなかったと書いています。
中退したあと、毎日の通学からもう一度始めるのが不安な場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:高校中退から通信制高校へ編入するときの選び方の早見
- 退学してから入り直すのは「編入学」です。法令が求めるのは「相当年齢に達し、相当の学力があると認められた者」であることで、何年たったら入れない、何歳までという全国共通の決まりはありません。
- 選ぶ前に、前の学校の「成績証明書兼単位修得証明書」などで、修得した単位の数と在籍した期間を確かめます。年度の途中でやめた科目は、単位になっていないことがあります。
- 前の単位を卒業に必要な単位に数えるか、在籍期間をどう数えるかは、入る高校の校長が決めます(単位制高等学校教育規程第4条・第7条)。学校ごとに答えが違うので、出願の前に聞きます。
- 公立の通信制は、都道府県の教育委員会が募集の時期と条件を決めます。東京都立・神奈川県立では、住所か勤務先が都県内にあることが条件です。東京都立は、前の単位を引き継ぐ「第2学年相当以上」に在籍1年以上などの条件があります。
- 卒業には、通算3年以上の在籍・74単位以上・特別活動30単位時間以上が必要です。前の在籍期間を合わせて数えてもらえれば、入り直した学校での在籍が3年より短くても卒業できることがあります。
- お金は、就学支援金の残りの月数(前の学校に在学した月数で決まる)と、使い切ったあとの学び直し支援金(通信制は最長24か月)で考えます。サポート校の費用は対象外です。
- オンライン中心で学び直したい場合は、通信制高校とサポート校(ニジ高など)を組み合わせる方法もあります。卒業資格とスクーリングは在籍する通信制高校のものです。
中退してから入り直すのは「編入学」。学校を選ぶ前に、自分の持ち物を3つ確かめます
高校に在籍したまま別の高校へ移るのが「転入学(転学)」で、一度退学してから別の高校に入るのが「編入学」です。この記事は、すでに退学している人のための記事です。まだ籍が残っている人は、退学届を出す前に転入学ができないかを先に確かめてください。在籍したまま移るほうが、単位と在籍期間を引き継ぎやすく、空白の期間もできにくいからです。手順は全日制から通信制へ転校の記事にまとめています。
編入学で学校を選ぶときに、最初に確かめたいのは次の3つです。どれも、入り直した学校で「何年生相当から始められるか」「卒業がいつになるか」に直接つながります。
| 確かめるもの | どこで分かるか | 学校選びへの影響 |
|---|---|---|
| 修得した単位の数(科目ごと) | 前の高校が出す単位修得証明書・成績証明書 | 卒業に必要な74単位のうち、あと何単位取ればよいか。入る学年相当の区分 |
| 在籍した期間(入学日と退学日) | 在籍期間の証明書、単位修得証明書の記載など | 卒業に必要な3年以上の在籍のうち、何か月分を数えてもらえるか。就学支援金の残りの月数 |
| 退学した時期と、そこからの期間 | 退学日。いまの年齢 | 年度の途中の科目が単位になっているか。募集の区分(1年生相当か2年生相当以上か) |
証明書は、前の高校の事務室に申し込んで発行してもらいます。すでに退学していると、郵送で頼む形になることもあり、発行までに日数がかかる場合があります。出願の期間から逆算して、早めに頼んでおくと慌てずに済みます。退学してから年数がたっている場合は、発行できるかどうかを先に問い合わせておくと安心です。学校が保存する指導要録は、入学・卒業などの学籍に関する記録が20年、それ以外が5年の保存と定められていて(学校教育法施行規則第28条)、文部科学省の高卒認定試験の免除要件の案内でも、一定以上の期間がたっていると、保存年限の経過により学校によっては単位修得証明書を発行できない場合があると説明されています。
比べる項目の全体像は、選び方のハブにしている通信制高校 選び方の記事で8つに整理しています。この記事では、その中でも中退した人に特有の「単位」「在籍期間」「時期」「条件」に絞って書きます。

法令が決めているのは「相当年齢・相当の学力」まで。単位と期間の扱いは、入る学校の校長が決めます
中退した人が通信制高校に入り直すときに関係する条文を、e-Gov法令検索で1つずつ確かめました。通信制高校の多くは学年の区切りがない「単位制」なので、単位制高等学校教育規程の条文が中心になります。
| 条文 | 書かれていること | 中退した人にとっての意味 |
|---|---|---|
| 学校教育法 第57条 | 高校に入学できるのは、中学校を卒業した者など | 年齢の上限は書かれていない。何歳まで受け入れるかは募集要項で確かめる |
| 単位制高等学校教育規程 第4条 | 編入学は、相当年齢に達し、相当の学力があると認められた者について、相当の期間を在学すべき期間として許可することができる | 卒業までにあと何年在籍するかを、学校が決めて許可する |
| 単位制高等学校教育規程 第7条 | 過去に在学した高校で修得した単位を、卒業に必要な単位数のうちに加えることができる | 前の単位を数えてもらえることがある。数えるかは校長の判断 |
| 単位制高等学校教育規程 第3条 | 教育上支障がないときは、学期の区分に従い、入学させ、卒業させることができる | 4月以外の学期の区切りで入学・卒業できる学校がある |
出典:単位制高等学校教育規程/学校教育法(いずれもe-Gov法令検索。2026年9月30日確認)
ここで大事なのは、どの条文も「できる」という書き方だという点です。前の単位を何単位まで数えるか、前の在籍期間を何か月分数えるかは、入る学校に任されています。「中退した人は何単位まで引き継げる」という全国一律の数字はありません。
比べると分かりやすいのが、在籍したまま移る転入学の条文です。単位制高等学校教育規程第5条は、転入学を「修得した単位及び在学した期間に応じて」許可することができると書いています。一方、退学してから入る編入学の第4条には「在学した期間」という言葉がなく、「相当の期間を在学すべき期間として」許可することができる、という書き方です。辞めてから入り直す場合、前の在籍期間をどう扱うかは、条文の上では入る学校の判断に任されている形です。卒業の時期が学校によって違ってくることがあるので、入学前に確かめておくことが大切です。2つの違いは転入学と編入学の違いの記事で詳しく比べています。
卒業の条件そのものは全国共通です。学校教育法第56条で通信制の修業年限は3年以上とされ、学校教育法施行規則第96条で卒業には74単位以上の修得が必要です。これに特別活動30単位時間以上を加えた3つを満たすと卒業できます。前の学校の在籍期間と単位をどこまで合わせて数えてもらえるかで、あと何年・何単位が必要かが決まります。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
公立の通信制は「住所」「在籍1年以上」「単位の数」が条件になりやすい。東京都と神奈川県の募集で確かめました
公立の通信制高校は、都道府県の教育委員会が募集の時期と条件を決めます。ここでは、募集の資料を公表している東京都と神奈川県の例を紹介します。ほかの道府県は仕組みが違うので、住んでいる地域の教育委員会のページで確かめてください。
| 募集 | 中退した人が出願できる条件(要点) | 時期 | 検査 |
|---|---|---|---|
| 東京都立(一橋・新宿山吹・砂川)前期選抜 | 第1学年相当のみ。中退者は、単位を修得していないか、修得単位数が学校の定める数以下で、かつ単位を引き継がない人に限る | 令和9年度は書類提出が2027年1月29日〜2月4日、検査が2月22日 | 国語・数学・英語の学力検査(総合60分または70分) |
| 東京都立 後期選抜(第2学年相当以上) | 在籍していた期間が1年以上、かつ修得単位数が学校の定める数以上の中退者など。転学・編入学募集として実施 | 令和9年度は出願が2027年4月1日・2日 | 現代の国語・言語文化、数学Ⅰ、英語コミュニケーションⅠ程度の学力検査(総合60分または70分) |
| 都立新宿山吹高校 第二学期の転学・編入学募集 | 第1学年相当・第2学年相当以上の募集。募集案内は学校の窓口で配布 | 2026年は出願8月19日・20日、検査と発表8月24日 | 学力検査 |
| 神奈川県立の通信制2校(10月1日付け)区分C | 高校に1年以上在籍して中途退学し、修得単位がある人で、住所か勤務先が県内・退学の理由が消滅したと認められる・学業を続ける目的意識が明確、のすべてを満たす人など | 2026年は検査が8月16日〜31日のうち校長が定める日 | 面接または作文 |
出典:東京都教育委員会「東京都立高等学校通信制課程入学者選抜実施要綱」(令和9年度)/都立新宿山吹高等学校「通信制課程 第二学期転学・編入学募集案内について」/神奈川県「令和8年9月1日付け(全・定)及び10月1日付け(通)公立高等学校転入学・編入学者の選抜の実施について」と別紙1(いずれも2026年9月30日確認)
表から分かることは3つあります。1つ目は、東京都立も神奈川県立も、住所や勤務先がその都県にあることを条件にしている点です。東京都立の要綱は、都内に住所または勤務先があり、入学後も引き続きあることを求め、あわせて学校のスクーリング(面接指導)に出席できることも応募資格に入れています。
2つ目は、募集の時期に区切りがあることです。神奈川県の10月1日付けの募集では、退学した人の再入学などの区分Cの検査が8月で、在籍中の人の転入学の区分(9月後半)より早く行われます。「10月から通えればいい」と考えて9月に動き始めると、編入学の区分には間に合わないことがあります。
3つ目は、前の単位を持って入るか、持たずに入るかで、出願できる募集が分かれることです。これは次の節で詳しく書きます。私立の通信制高校は、募集の時期や条件が学校ごとに違います。学期の区切りで入学を受け付ける学校もあるので、気になる学校の募集要項で「編入学」の欄を確かめてください。
前の単位を「引き継ぐ」か「引き継がない」かで、入る学年相当と卒業の時期が変わります
東京都立の通信制の要綱には、中退した人にとって大事な分かれ道がはっきり書かれています。前期選抜は第1学年相当だけの募集で、中退した人は「単位を引き継がない」ことなどを条件に出願できます。前の単位を引き継いで第2学年相当以上に入りたい場合は、在籍期間1年以上などの条件を満たしたうえで、後期選抜(転学・編入学募集)に出願します。
ほかの学校でも、前の単位をどこまで数えるかは校長の判断なので、学校によっては「引き継ぐ」「引き継がない」の考え方を相談することになります。どちらがよいかは、人によって違います。
| 入り方 | よいところ | 気をつけたいところ | 向いていそうな人 |
|---|---|---|---|
| 前の単位と在籍期間を引き継ぐ | 残りの単位が少なくて済み、卒業までの期間が短くなることがある | 単位を引き継ぐ募集の時期や条件が限られることがある。苦手な科目の土台が抜けたまま進むこともある | 前の学校である程度の単位を取っていて、早めの卒業をめざしたい人 |
| 引き継がずに1年生相当から入る | 学び直しをゆっくり始められる。出願できる募集が広がることがある | 卒業までの期間が長くなりやすい。就学支援金の月数を使い切ることがある | 前の学校で取れた単位が少ない人、勉強の土台から立て直したい人 |
迷ったら、「卒業したい時期」と「いまの体力・気力」の2つを並べて考えます。早く卒業したい気持ちが強くても、生活のリズムが整っていないうちに単位をたくさん抱えると、また続かなくなることがあります。反対に、単位があるのに全部を捨てて入り直すと、同じ科目をもう一度学ぶことになります。入る学校の個別相談で、両方の場合の卒業予定を出してもらい、比べてから決めると安心です。

卒業の時期は「在籍期間の通算」と「残りの単位」で見積もれます。3つの例で考えます
卒業に必要な3つの条件(通算3年以上の在籍・74単位以上・特別活動30単位時間以上)を使うと、おおよその見通しが立てられます。下の表は、前の在籍期間と単位を入る学校がすべて数えてくれた場合の考え方の例です。単位の数は、計算の流れを見せるための仮の数で、実際に何単位を修得しているかは人によって違います。どこまで数えるか、1年に何単位まで登録できるかも学校ごとなので、この通りにならないこともあります。
| 例 | 前の学校での在籍と単位 | 入り直したあとに必要なもの(目安) | 見通し |
|---|---|---|---|
| A:高1の3月まで在籍してやめた | 在籍1年・高1の科目の単位を修得(ここでは仮に30単位とします) | 在籍あと2年以上・残り44単位(74−30) | 編入から2年で卒業をめざせることがある |
| B:高2の秋にやめた | 在籍1年半・高1の分の単位だけ修得(高2の科目は単位になっていない) | 在籍あと1年半以上・高2の科目を含めた残りの単位 | 在籍期間は足りても、単位の量で卒業が延びることがある |
| C:高1の途中でやめて数年たった | 在籍数か月・修得単位なし | 在籍3年近く・74単位 | 1年生相当から。学び直しの計画を立てやすい |
例Bのように、年度の途中でやめると、その年度に学んでいた科目は単位になっていないことがよくあります。単位は、科目を最後まで履修し、学校が修得を認めたときに初めて数えられるからです(学期ごとに単位を認める学校もあります)。証明書に書かれた単位だけが、入り直した学校で数えてもらえる候補になります。
また、退学してから入り直すまでの空白の期間は、どこの高校にも在籍していないので、在籍期間には入りません。例Cのように時間がたっていても入り直すことはできますが、「前の学校に入学してから3年たったから、あと少しで卒業できる」という数え方にはならない点に気をつけてください。
実際に、通信制高校では、その学校での在籍が3年未満で卒業する人が珍しくありません。文部科学省の実態調査では、令和6年度の卒業生90,872人(2022年度以降に開校した73校を除く)のうち、その学校での在籍期間が1年未満の人が5,853人(6.4%)、1年以上3年未満の人が38,209人(42.0%)で、合わせて44,062人(48.5%)でした(文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」)。この数字は、卒業した学校での在籍期間です。前の高校の在籍期間をどう数えたかの内訳は、この調査にはありません。
中退の理由によって、学校選びで先に見るところが変わります
文部科学省の調査では、令和6年度に高校を中途退学した人は44,571人で、在籍者に占める割合は1.4%でした(前年度は46,238人・1.5%)。理由は1人につき主なものを1つ選ぶ形で集計されていて、いちばん多いのは「進路変更」の18,505人(41.5%)です(文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」)。中退は珍しいことではなく、理由もさまざまです。そして理由によって、次の学校に求めるものが変わります。
| 主な理由(調査の区分) | 人数と割合(令和6年度) | 学校選びで先に確かめたいこと |
|---|---|---|
| 進路変更 | 18,505人(41.5%) | やりたいことに使える時間が取れる通い方か。大学進学などをめざすなら、受験の支えがあるか |
| 学校生活・学業不適応 | 15,618人(35.0%) | 人間関係や通学の負担が少ない形か。スクーリングの日数と場所。相談できる大人がいるか |
| 学業不振 | 2,814人(6.3%) | 中学の内容から学び直せるか。レポートの手助けがあるか。1年に取る単位を少なめにできるか |
| 病気・けが・死亡 | 1,799人(4.0%) | 体調に合わせて学ぶ量を調整できるか。スクーリングの日程に無理がないか |
| 家庭の事情・経済的理由 | 1,306人(2.9%)・549人(1.2%) | 働きながら通えるか。費用の内訳と、就学支援金・学び直し支援金の手続き |
出典:同上(ほかに問題行動等1,506人・3.4%、その他2,474人・5.6%)
ここでの「中途退学」は、この調査で中途退学者として数えられた人の数です。学校基本調査の「退学者」には転学した人も含まれるなど、調査によって数え方が違うので、数字を見るときは出典の定義も確かめてください。
大切なのは、前の学校でつまずいた理由を、次の学校の「選ぶ条件」に置きかえることです。たとえば、毎日決まった時間に教室にいることがつらかったのなら、週5日通うコースより、自宅で学ぶ時間が多い形のほうが続けやすいかもしれません。やめたことを責める必要はありません。やめた理由は、次に合う場所を探すための大事な手がかりです。中退したあとの就職や暮らしの見通しは、高校中退するとどうなるの記事で整理しています。

公立・私立・サポート校との組み合わせの違いは「出願の条件」「時期の幅」「支えの厚さ」「費用」に出ます
通信制高校には、公立の学校、私立の学校(学校のある都道府県のほかに、ほかの都道府県に住む生徒も受け入れる広域通信制と、受け入れる区域がそれより狭い狭域通信制があります)、そして通信制高校に在籍しながら学習や生活を支えてもらうサポート校を組み合わせる形があります。中退した人が比べるときの違いを表にしました。
| 項目 | 公立の通信制 | 私立の通信制 | 通信制+サポート校 |
|---|---|---|---|
| 出願の条件 | 東京都・神奈川県では、都県内に住所か勤務先があることが条件(ほかは各教育委員会で確かめる) | 学校ごと。広域通信制はほかの都道府県からも出願できる(区域は学校ごと) | 在籍する通信制高校の条件による |
| 編入の時期 | 教育委員会や学校が決めた募集の時期に限られる | 学校ごと。学期の区切りで受け付ける学校もある | 在籍する通信制高校の入学日に合わせる |
| 学習の支え | 学校ごと。レポートの相談の窓口や支援の形を確かめる | 学校やコースごとに差が大きい | サポート校が学習や生活の相談を支える |
| 費用 | 授業料は都道府県の条例で決まる(東京都は1単位336円) | 学校ごと。就学支援金で授業料の一部または全部をまかなえることがある | 通信制高校の費用に加えてサポート校の費用がかかる。サポート校の分に就学支援金は使えない |
通い方の幅も広がっています。文部科学省の実態調査では、コース別に見た生徒数(合計300,406人)のうち、週5日通うコースは37,505人(12.5%)で、集中スクーリング型が86,961人(28.9%)、月1〜2回や自由登校などの「その他」が99,722人(33.2%)でした。同じ「通信制高校」でも、毎日通う形から、年に数日のスクーリングに集中する形まであります。
入学の選考も学校ごとです。同じ調査で、入学者選抜の方法(複数回答・323校)は、面接が296校、調査書などの書類が230校、作文・小論文が154校、学力検査が91校でした。編入学の選考でも、面接や作文で「なぜもう一度学びたいのか」を聞かれることがあります。上手に話そうとしなくてかまいません。やめた経緯と、これからどうしたいかを、自分の言葉で伝えることを大切にしてください。
年齢で入り直しをあきらめる必要はありません。学校基本調査(令和7年度)では、通信制高校の生徒のうち20歳以上が21,168人(6.9%)で、公立に限ると27.7%でした(e-Stat 学校基本調査 表158)。20代、30代で入り直す人もいます。
お金は「就学支援金の残りの月数」と「学び直し支援金」の2段で考えます
入り直した通信制高校でも、高等学校等就学支援金は受けられます。2026年度から所得制限がなくなり、私立の通信制は1単位13,668円・年間337,200円までが支給の上限です(文部科学省「高校生等への修学支援」)。公立の通信制の授業料は都道府県の条例で決まり、東京都の場合は1単位336円です。
中退した人が気をつけたいのは、支給される期間です。就学支援金の期間は在学した月数で数え、通信制は実質48か月が上限です。前の学校に在学した月数も通算されます。文部科学省のQ&Aでは、全日制に20か月在学してから通信制に移った場合、48月−20月×4/3(端数切り捨て)で、通信制では22か月分が支給されると説明しています(文部科学省 就学支援金のQ&A)。同じ計算で、全日制に12か月在学してやめた人なら、通信制では32か月分が残る計算です。ここで数えるのは、前の学校で支援金を「受け取った月数」ではなく「在学した月数」です。
| 段階 | 内容 | 確かめること |
|---|---|---|
| 1段目:就学支援金 | 授業料の支援。前の学校の在学月数と通算し、通信制は実質48か月まで | 入り直した学校で申請し直す。原則として申請した月から支給 |
| 2段目:学び直し支援金 | 高校等を中途退学して再び学ぶ人が、就学支援金の期間を使い切ったあとも、卒業まで最長12か月(定時制・通信制は最長24か月)支援を受けられる | 実施するのは都道府県。在学期間が通算36か月を超えることなどが条件。申請の時期 |
| 対象外のもの | サポート校の費用、教材費や施設費など授業料以外の費用 | 費用の内訳と、支援金を差し引いたあとの実際の負担 |
出典:文部科学省「高校等で学び直す者に対する修学支援」(令和8年度予算)ほか
令和8年度の資料では、学び直し支援は、就学支援金の新制度の対象者について所得制限なし・年337,200円を上限とされています。細かい条件と申請の流れは学び直し支援金の記事で、条文とあわせて整理しています。
つまずきやすいのは「高卒認定との混同」「空白期間」「スクーリングの場所」「元の学校」の4つです
誤解1:高卒認定に受かれば、高校を卒業したことになる
なりません。高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格すると、大学などの受験資格は得られますが、最終学歴は「高校卒業」にはなりません。受験できるのは受ける年度の終わりまでに満16歳以上になる人で、試験は年2回(8月・11月)です。高校で修得した単位があれば、単位修得証明書を出して試験科目の一部を免除できることがあります(文部科学省 高等学校卒業程度認定試験)。
反対に、高卒認定で合格した科目を、入学した高校で単位として認めてもらえることもあります(学校教育法施行規則第100条。入学前の合格も含み、認めるかは校長の判断)。どちらが合うかは高卒認定と通信制高校の記事で比べています。
誤解2:前の学校に入学してから3年たてば、在籍期間は足りている
足りているとは限りません。数えられるのは実際に在籍していた期間で、退学してから入り直すまでの空白は入りません。さらに、編入学では前の在籍期間をどう数えるかを入る学校が決めます。入学前に「前の在籍期間を何か月分数えるか」を確かめておくと、卒業の時期を読み違えにくくなります。
誤解3:通信制ならスクーリングはほとんど無い
通信制高校の単位は、レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、試験の3つで修得します。スクーリングの日数や場所は学校ごとに違い、自宅から遠い会場まで通う場合や、泊まりがけになる場合もあります。実態調査では、添削課題は出しているのにスクーリングに1日も来ていない生徒が8,097人(2.6%)いて、理由で最も多いのは「心身に関すること」でした。入る前に、会場・日数・泊まりの有無を確かめておきます。
誤解4:一度やめた学校には戻れない
元の高校への再入学を受け付けている地域や学校もあります。通信制以外も含めた入り直しの道は、高校 再入学の記事で6つに分けて比べています。
学校に聞くことは10個。中退した人だからこそ確かめたい質問を表にしました
説明会や個別相談では、学校の特色の話が中心になりがちです。中退した人は、次の10個を先にメモして持っていくと、学校どうしを同じものさしで比べられます。答えを聞いたら、家族で表に書き足して並べてみてください。
| 分野 | 聞くこと | なぜ大事か |
|---|---|---|
| 単位 | 前の学校の単位は、何単位まで卒業の単位に数えてもらえますか。数えない科目はありますか | 残りの単位の数が決まる |
| 在籍期間 | 前の学校の在籍期間は、何か月分を数えてもらえますか | 卒業の時期が決まる |
| 卒業予定 | 私の証明書の内容だと、最短でいつ卒業になりますか。単位を引き継がない場合はいつですか | 2つの入り方を比べられる |
| 時期 | 編入学の出願はいつで、入学日はいつですか。次の募集はいつですか | 空白の期間を短くできる |
| 条件 | 住所、年齢、退学からの期間について条件はありますか。選考は面接・作文・学力検査のどれですか | 出願できるかが分かる |
| 書類 | 前の学校の証明書は何が必要ですか。どれくらい前に取り寄せればよいですか | 出願に間に合わせる |
| 学ぶ量 | 1年に何単位まで登録できますか。少なめにすることはできますか | 無理のない計画を立てられる |
| スクーリング | 会場はどこで、年に何日ですか。泊まりはありますか | 通い続けられるかが分かる |
| 費用 | 入学金・授業料・授業料以外・サポートの費用の内訳と、就学支援金を引いた後の額はいくらですか | 実際の負担を比べられる |
| 支え | レポートが止まったとき、誰がどう連絡をくれますか | 前の学校でつまずいた部分を補えるか |
学年ごとの転入・編入の手続きの細かい流れは、通信制高校 転入 編入 手続きの記事で学年別に整理しています。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
ニジ高(NIJIN高等学院)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。途中からの入学(転入・編入)ができ、出願費用は無料です。中退したあと、もう一度学び始めるときの選択肢の1つとして、できることと注意点を正直に書きます。
- オンライン中心なので、全国どこからでも、海外からも参加できます。担任制で、希望する生徒にはスタッフが1対1で伴走する支援もあります
- カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。授業のアーカイブ視聴や、中学の内容の学び直しにも対応しています
- 全校ホームルームやクラス会議、生徒が企画する行事、企業や地域と関わるプロジェクトがあり、「孤独を、青春に」「退屈を、わくわくに」を大切にしています
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です(ニジ高の中でのスクーリングはありません)。前の学校の単位や在籍期間をどう数えるか、編入できる時期は、在籍する通信制高校の決まりによります。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。前の単位の扱いについても、相談会でご質問いただけます
- 費用は、提携する通信制高校の分と、ニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内をご覧ください
- オンライン中心なので、毎日通う場所がほしい人には合わない場合があります。全国にNIJINアカデミーのリアルの教室があり、相談のうえで通うこともできます
個別相談会はオンライン(Zoom)で約30分、参加は無料で、ご本人が同席できなくても保護者の方だけで参加できます。この記事の10の質問は、ニジ高の個別相談会でも、ほかの学校の説明会でも、そのまま使えます。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 持ち物を確かめる。前の高校に、単位修得証明書などを頼みます。届いたら、修得した単位の数と、入学日・退学日を書き出します。
- 時期と条件で候補を絞る。住んでいる都道府県の公立の募集と、気になる私立の募集要項で、編入学の時期・条件・選考を確かめ、次に入れる時期が近い学校を2〜3校に絞ります。
- 同じ質問で卒業予定を比べる。10の質問を持って個別相談に行き、単位を引き継ぐ場合と引き継がない場合の卒業予定、スクーリング、費用を同じ表に書き込んで、家族で並べて見ます。
どのステップで立ち止まってもかまいません。今日は証明書を頼むだけ、という日があっても十分な一歩です。


中退からの学び直しを、オンラインで始めてみませんか
ニジ高は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校です。カメラ・マイクをオフにしたチャット参加から始められ、途中からの入学もできます。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。前の単位の扱いも、体験説明会・個別相談でお聞きください。
よくある質問
Q. 高校を中退してから何年もたっていますが、通信制高校に編入できますか?
A. 法令に、退学からの年数や年齢の上限は書かれていません。ただし、学校や教育委員会が条件を決めていることがあります。通信制高校には20歳以上の生徒も6.9%(令和7年度)いて、公立では27.7%です。気になる学校の募集要項で条件を確かめ、前の学校に証明書を発行してもらえるかも早めに問い合わせてください。
Q. 前の高校で取った単位は、全部引き継げますか?
A. 全部を数えてもらえるとは限りません。単位制高等学校教育規程第7条で、前の学校で修得した単位を卒業に必要な単位数に加えることが「できる」とされていて、何単位まで数えるかは入る学校の校長が決めます。年度の途中でやめた科目は、単位になっていないことがあります。
Q. 編入すると、何年生から始めることになりますか?
A. 学校と、持っている単位・在籍期間によります。東京都立の通信制では、1年生相当の募集と、在籍1年以上・学校の定める単位数以上の人の2年生相当以上の募集が分かれています。単位制の学校では学年の代わりに、卒業までにあと何単位・何か月が必要かで考えることが多いので、「卒業予定はいつか」を聞くと分かりやすいです。
Q. 中退したことは、編入の選考で不利になりますか?
A. 中退した人の入り直しは、法令にも各地の募集にも用意されている手続きです。神奈川県立の通信制の区分Cのように、退学の理由が消滅したと認められることや、学業を続ける目的意識を条件にしている募集もあります。面接や作文では、上手に話すことより、やめた経緯と、これからどう学びたいかを自分の言葉で伝えることを大切にしてください。
Q. 高卒認定と通信制高校への編入は、どちらがよいですか?
A. 最終学歴を「高校卒業」にしたいなら、通信制高校などに入り直して卒業する道になります。高卒認定は合格しても最終学歴は高校卒業になりませんが、大学などの受験資格は得られます。高卒認定で合格した科目を入学後の高校で単位として認めてもらえることもあるので、両方を組み合わせる考え方もあります。
一度立ち止まった経験は、次の学校選びのいちばんの手がかりになります
高校をやめたことを、「失敗」や「遠回り」だと感じている人もいるかもしれません。でも、前の学校で取った単位と、在籍した時間は、次の学校で生かせる可能性があります。そして、なぜ続けにくかったのかという経験は、次に合う学校を選ぶための、ほかの誰も持っていない手がかりです。
最初から1校に決めてしまう必要はありません。証明書を取り寄せ、時期と条件を確かめ、同じ質問で比べていけば、「ここなら続けられそう」と思える学校が少しずつ見えてきます。もう一度学ぼうと考え始めたこと自体が、もう次の一歩になっています。
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