たとえば、英検や簿記の勉強を始めた高校生が「合格したら高校の単位になるのかな」と気になる。あるいは保護者の方が、パンフレットの「資格が取れる通信制高校」という言葉を見て、何がどこまで本当なのかを知りたくなる。この記事は、そうした疑問に一次情報で答えるために書きました。
先に結論を書きます。通信制高校に在学しながら受けられる検定や国家試験は多く、合格が高校の単位として認められることもあります。ただし、単位にするかどうかは法令で「校長が教育上有益と認めるとき」とされていて、学校ごとに扱いが違います。根拠は学校教育法施行規則の第98条第2号、上限は第99条の36単位(ほかの高校で修得した単位と合わせた数)です。
この記事では、e-Govの条文、文部科学省の告示と通知、公式の資料で資格の扱いを確かめた6校、6つの検定・試験の実施団体の公式ページ(2026年10月時点の検定料と受験資格)、大学の入試要項を実際に開いて確認しました。確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。なお、高校卒業そのものの資格については高卒認定 高卒 違いの記事で扱っているので、ここでは検定や国家試験など「卒業資格のほかに取る資格」に絞ります。
検定の勉強と高校の学習を自分のペースで両立したい場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:通信制高校の資格取得と単位認定の早見
- 通信制高校に在学しながら受けられる検定・国家試験は多くあります。この記事で確かめた6つ(英検・漢検・数検・日商簿記・ITパスポート・危険物取扱者の乙種と丙種)は、どれも年齢や学歴で受験を制限していませんでした。
- 検定の合格が高校の単位になる根拠は、学校教育法施行規則 第98条第2号です。校長が教育上有益と認めたときに単位を与えることが「できる」という決まりで、どの学校でも単位になるわけではありません。
- 上限は第99条で、ほかの高校で修得した単位(第97条)と合わせて36単位までです。学校が決める上限はもっと小さいことがあり、東京都立新宿山吹高校の通信制は、令和7年度の募集案内で、併修や高卒認定の分と合わせて年間10単位までとしています。
- 公式の資料で確かめた6校のうち、検定が単位になる(なる場合がある)と書いていたのは3校(公立2校・私立1校)、対策講座や専門コースを案内していたのが3校でした。
- 検定料は1回ごとにかかります。2026年度は英検2級が9,000円、漢検2級が5,200円、日商簿記3級が3,300円、ITパスポートが7,500円です。国の就学支援金の対象は授業料だけなので、検定料は別に用意します。
- 高卒認定試験では、英検準2級以上で「英語」、数検2級以上で「数学」、ITパスポートで「情報」が免除になります(令和8年度からの要件)。大学入試で検定が使えるのは、大学が要項に書いた方式です。
- NIJIN高等学院(ニジ高)はオンライン中心のサポート校です。検定を単位にするかを決めるのは、在籍する通信制高校の校長です。
「通信制高校で取れる資格」は、学校が出すものではなく、外の試験に自分で合格して取るものです
学校案内の「取得できる資格」という言葉は、少し誤解を生みやすい表現です。高校そのものが出すのは卒業証書で、英検や簿記、ITパスポートなどは、それぞれの実施団体の試験に合格して取ります。学校がしているのは、対策の授業を開く、団体で申し込む、合格を単位として認める、といった後押しです。
まず、通信制高校で話題になる「資格」を、この記事なりに4つに分けて整理します(公的な分類ではなく、読みやすくするための整理です)。
| 種類 | 例 | 在学中に受けられるか | この記事での扱い |
|---|---|---|---|
| 高校卒業の資格 | 高等学校卒業 | 3年以上の在籍と74単位以上の修得などで卒業 | 別の記事で説明 |
| 受験の制限がない検定 | 英検、漢検、数検、日商簿記 | 受けられる | 受験資格と検定料を下の表で整理 |
| 受験の制限がない国家試験など | ITパスポート、危険物取扱者の乙種・丙種 | 受けられる | 同じ表で整理 |
| 受験資格が決まっている試験 | 危険物取扱者の甲種 | 条件を満たしてから | 志望する資格の公式で確認 |
4つ目の例に挙げた危険物取扱者の甲種は、消防試験研究センターの案内で「受験資格が必要」とされています。保育士のように、受験資格や卒業後の進学先が関わる資格については、通信制高校 保育士の記事で道すじを整理しています。
大事なのは、「受けられるか」と「単位になるか」は別の話だという点です。この記事で取り上げた検定は高校生でも申し込めますが、その合格を高校の単位に数えるかどうかは、次の節で見る法令にもとづいて学校が決めます。

検定が高校の単位になる根拠は、学校教育法施行規則98条2号です
学校教育法施行規則 第98条は、校長が教育上有益と認めるときは、校長の定めるところにより、生徒が行う次の学修を在学する高校の科目の履修とみなし、その科目の単位を与えることができる、と定めています。対象は3つの号に分かれています。
| 号 | 対象になる学修 | 告示・文部科学省の説明にある例 |
|---|---|---|
| 第1号 | 大学、高等専門学校、専修学校などでの学修 | 大学の科目等履修生や聴講生としての学修、大学の公開講座、公民館など社会教育施設の講座 |
| 第2号 | 知識及び技能に関する審査に係る学修 | 要件を備えた審査(いわゆる技能審査)の成果。検定の名前は告示に書かれていない |
| 第3号 | ボランティア活動その他の継続的に行われる活動に係る学修 | ボランティア活動、就業体験(インターンシップ)、スポーツ・文化の分野で顕著な成果をあげた活動 |
出典:学校教育法施行規則 第98条(e-Gov)/平成10年文部省告示第41号/文部科学省「学校外における学修の単位認定」(2026年10月確認)
検定に当たるのは第2号です。どんな審査が対象になるかは、文部科学省の告示(平成10年文部省告示第41号)で決められていて、文部科学省のページは次の4つの要件を挙げています。
- 審査を行うのが、国または法人その他の団体であること
- 審査の実施について、十分な社会的信用を得ていること
- 審査が全国的な規模で、毎年1回以上行われていること
- 審査の実施の方法が、適切かつ公正であること
そのうえで、「高等学校教育に相当する水準を有すると校長が認めたもの」に限るとされています。告示には「英検」「漢検」といった検定の名前は書かれていません。どの検定の、どの級を、どの科目の何単位にするかは、学校が決めます。平成10年の通知(当時の文部省)も、単位の認定の方法を1つに決めず、校長の判断によることとした、と説明しています。
運用の注意点は、文部科学省が2017年(平成29年)5月に出した通知にまとまっています。主な内容は次のとおりです。
- 単位の修得を認められるのは、各教科と学校設定教科に属する科目です。通知は、総合的な学習の時間と特別活動は含まれていないとし、学校外の学修をこれらの履修とみなすことはできないと書いています(現行の施行規則での名前は「総合的な探究の時間」です)。
- その学修が教育上有益か、対象にする科目が教育課程の全体からみて適切かを、各学校が判断する必要があるとしています。
- 単位数を考えるときは、50分の授業35回分を1単位として計算するのが標準であることに留意する、としています。
- オリエンテーション、計画書の提出、レポートによる報告など、事前と事後の指導が望まれる、としています。
出典:文部科学省「高等学校等における学校外学修の単位認定について(通知)」(平成29年5月9日)/平成10年3月31日の通知(2026年10月確認)
なお、名前の似た「技能連携」は別の制度です。こちらは学校教育法第55条にもとづき、定時制・通信制の生徒が、都道府県の教育委員会が指定した技能教育のための施設で受けた学習を、高校の教科の一部の履修とみなす仕組みです。検定の合格を単位にする第98条とは、根拠の条文が違います。
上限は「ほかの高校の単位と合わせて36単位」。学校ごとの上限はもっと小さいことがあります
第98条で与えられる単位には、上限があります。学校教育法施行規則 第99条は、第97条(ほかの高校で修得した単位を加える場合)の単位数と、第98条で与える単位数の合計は、36を超えないと定めています。この上限は、平成17年度に20単位から36単位へ広げられました。
36単位というのは、国が決めた「天井」です。実際の上限は学校が決めていて、これよりずっと小さいことがあります。公表されている例を1つ挙げます。
- 東京都立新宿山吹高校(通信制)の例:令和7年度の第2学期転学・編入学の募集案内には、学校が定める各種の検定に合格すると一部の科目の修得単位を増やせること、定時制などとの併修・高卒認定の読み替え・検定による増加単位を合わせた上限が年間10単位であることが書かれています。卒業の条件の1つである「この学校の通信制で6単位以上を修得する」には、検定の単位は含めないとされています。
出典:東京都立新宿山吹高等学校「令和7年度 第2学期転学・編入学 募集案内 通信制課程」(2026年10月確認。令和8年度の募集案内は窓口での配布で、ウェブでは確認できませんでした。対象になる検定の名前と級も、この資料には書かれていません)
もう1つ、条文の読み方で気をつけたい点があります。高卒認定試験の合格科目を単位にできると定めた第100条には、「入学する前に行ったものを含む」という括弧書きがあります。一方、検定の根拠である第98条には、この括弧書きがありません。高校に入る前に合格した検定を単位の対象にするかどうかは、今回確かめた文部科学省の資料には書かれていませんでした。中学生のうちに取った英検などを生かしたい場合は、入学を考えている学校に確かめてください。
通信制高校の卒業に必要な単位の全体像は、通信制高校 卒業 単位数の記事で説明しています。
※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

6校の公式で見ると、「単位として認める」と書く学校と「対策講座を置く」学校に分かれました
実際の学校は、資格や検定をどう扱っているのでしょうか。公式サイトや公的な資料で扱いを確かめられた6校(公立2校・私立4校)を並べます。6校というのは、今回資料を開いて記載を確かめられた学校の数で、全国の通信制高校を調べ尽くした数ではありません。
| 学校 | 公式の資料にある内容 | 単位の扱い | 出典と時点 |
|---|---|---|---|
| 東京都立新宿山吹高等学校(公立・通信制) | 学校が定める各種の検定に合格すると、一部の科目の修得単位を増やせる | 認める。併修・高卒認定と合わせて年間10単位まで | 令和7年度 第2学期転学・編入学 募集案内 |
| 埼玉県立大宮中央高等学校(公立・単位制による通信制の課程) | 高卒認定試験や、定められた資格検定について単位を認定している(資料の別の箇所では「英語検定等」) | 認める。対象の級と単位数は資料に記載なし。学年制の「通信制の課程」の欄には、この記載がない | 埼玉県が公開している学校の方針の資料(生徒数は令和8年5月1日) |
| 第一学院高等学校(私立) | 各種の検定についても単位が認められる場合があり、詳しくは問い合わせを、と案内 | 認められる場合がある | 公式サイト「よくある質問」 |
| N高等学校(私立) | チケットを購入して受ける「+ONE授業」(2026年4月開始)に、英検対策講座やITパスポート講座などがある | このページには単位の記載なし | 公式サイト「+ONE授業」 |
| クラーク記念国際高等学校(私立) | 英検の対策授業がある。プログラミングコースではITパスポートなどの取得もめざせると紹介 | このページには単位の記載なし | 公式サイト「通信制高校ではどんな資格が取得できる?」 |
| ルネサンス高等学校(私立) | プログラミング、ネイル、美容師の養成、会計などの専門コースを紹介 | このページには単位の記載なし | 公式コラム(2025年5月12日更新) |
出典:新宿山吹高校 募集案内/埼玉県「県立大宮中央高校 活性化・特色化方針」/第一学院高等学校 よくある質問/N高等学校 +ONE授業/クラーク記念国際高等学校/ルネサンス高校グループ(いずれも2026年10月確認)
並べてみて分かることが3つあります。
- 「単位として認める」と書いている学校でも、どの検定の何級が何単位になるかまでは、公開の資料に書かれていませんでした。ここは入学前に学校へ聞くところです。
- 対策講座がある学校でも、費用が授業料とは別のことがあります。N高等学校の+ONE授業は、受けたい授業の分だけチケットを購入する仕組みです。
- コースや講座は、キャンパスや拠点によって開かれていないことがあります。クラーク記念国際高等学校のページも、コースや拠点ごとに目標とする資格が違うと説明しています。
「単位の記載なし」は、単位にしていないという意味ではありません。そのページに書かれていなかった、という意味です。パンフレットや説明会で確かめると、扱いがはっきりします。
高校生が受けやすい主な検定は、年齢・学歴の制限がなく、検定料は1回3,300〜10,400円です
次に、検定そのものの条件を見ます。6つの検定・試験について、実施団体の公式ページで受験資格と検定料を確かめました。検定料は、高校生が受けることの多い主な級だけを抜き出しています。
| 検定・試験 | 受験資格 | 検定料(2026年10月に公式で確認) | これからの日程 |
|---|---|---|---|
| 英検(個人申込・本会場) | 年齢・職業・学歴を問わない | 準2級8,400円/準2級プラス8,600円/2級9,000円/準1級10,400円 | 2026年度第3回:受付10月30日〜12月14日、一次試験は2027年1月24日 |
| 漢検(公開会場・個人受検) | 年齢の制限なし。どの級からでも受けられる | 準2級4,200円/2級5,200円/準1級6,200円 | 2026年度第3回:受付12月4日〜2027年1月10日、検定日は2027年2月14日 |
| 数検(個人受検) | 原則として受検資格を問わない | 準2級5,600円/2級6,500円/準1級7,300円 | 公式サイトで確認 |
| 日商簿記 | 学歴・年齢・性別・国籍を問わない | 3級3,300円/2級5,500円/1級8,800円 | 第174回:2026年11月15日(1〜3級)、第175回:2027年2月28日(2・3級)。2・3級はネット試験もある |
| ITパスポート試験 | 受験資格は特にない | 7,500円 | コンピュータを使う方式で随時。2027年1月以降に一時休止の予定 |
| 危険物取扱者(乙種・丙種) | 受験資格は不要 | 乙種5,300円/丙種4,200円 | 公式サイトで確認 |
出典:日本英語検定協会「試験日程・会場・検定料(個人申込)」・受験規約/日本漢字能力検定協会「公開会場で紙で受検」・漢検の特長・メリット/日本数学検定協会「検定概要」/日本商工会議所「2026年度試験日程カレンダー」・よくある質問/情報処理推進機構「ITパスポート試験 試験概要」/消防試験研究センター「危険物取扱者試験」(2026年10月確認)
表の読み方を補います。
- 英検:公式の目安では、準2級が高校中級程度、準2級プラスが高校上級程度、2級が高校卒業程度です。2026年度の検定料は、2025年度より一律100円下がっています。受け方は、通っている学校や塾での団体申込、近くの一般受験者受け入れ団体での申込、個人申込の3通りがあり、日程・会場・検定料がそれぞれ違います。2026年度第2回の個人申込の受付は9月7日まででした。
- 漢検:2級は、高校生までに学ぶ常用漢字のすべてが対象です。2026年度第2回(10月18日)の申込受付は終わっています。
- 日商簿記:2級と3級のネット試験は、会場ごとに日程が決まります。2026年11月9日〜18日と2027年2月22日〜3月3日は、ネット試験の休止期間です。1級に合格すると税理士試験の受験資格が得られる、と日本商工会議所は案内しています。
- ITパスポート:法律にもとづく国家試験です。情報処理推進機構の案内では、システムの入れ替えにともなう試験の一時休止が2027年1月以降に予定されていて、2025年12月27日以降に申し込んだ人は2026年12月27日までに受験するよう呼びかけられています。再開の時期は、確認した範囲では書かれていませんでした。
お金の面では、国の就学支援金の対象は高校の授業料だけです。検定料や、有料の対策講座の費用は別にかかります。たとえば英検2級と漢検2級を1回ずつ受けると、検定料は合わせて14,200円です。高校にかかる費用の全体は通信制高校 学費の記事で整理しています。

高卒認定も考えているなら、英検準2級・数検2級・ITパスポートで試験科目が免除になります
検定の合格が役に立つ場面は、高校の単位だけではありません。高卒認定試験(高認)には、検定の合格によって試験科目が免除になる決まりがあります。文部科学省が公表している、令和8年度(2026年4月1日)からの要件は次のとおりです。
| 免除になる高認の科目 | 検定・試験 | 必要な級・区分 |
|---|---|---|
| 英語 | 実用英語技能検定(英検) | 1級、準1級、2級、準2級プラス、準2級 |
| 英語 | 全国商業高等学校協会の英語検定試験 | 1級または2級 |
| 数学 | 実用数学技能検定(数検) | 1級、準1級、2級 |
| 情報 | 情報処理技術者試験 | ITパスポート試験 |
| 歴史 | 歴史能力検定 | 世界史と日本史の両方で、それぞれ1〜3級のいずれか |
出典:文部科学省「免除要件」の「知識及び技能に関する審査(技能審査)の合格による免除要件」(令和8年4月1日から。2026年10月確認)。資料には国際連合公用語英語検定試験の級も載っていますが、令和7年度に事業を終了したと注記されています。同じページは、すべての科目の免除を受けて合格者となることはできず、1科目以上を受験して合格する必要がある、と注意しています。
高認は高校に在籍している人も受けられ、合格した科目は施行規則第100条第1号により、校長の判断で在籍する高校の単位として認められることがあります。ただし、第100条第1号が対象にしているのは高認で「合格点を得た試験科目」です。検定で免除になった科目まで単位の対象になるかは、条文からは読み取れませんでした。高認と通信制高校の関係は通信制高校 高認 違いの記事にまとめています。
大学入試で検定が使えるのは、「大学が要項に書いた方式」だけです
「資格があれば入試で有利」と一言で言われがちですが、実際に使えるのは、大学が入試要項で使い方を示した方式だけです。国の方針と、大学の例を分けて見ます。
文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」は、評価方法の1つとして「資格・検定試験等の成績の活用」を挙げ、信頼性の高い資格・検定試験等の活用を図ることが「望ましい」としています。英語については、英検やTOEFLなど4技能を測れる試験の結果を活用する例を示したうえで、受検の負担が大きい志願者のために、検定の結果を使わない選抜区分を設けるなどの措置を講じることも「望ましい」と書いています。また、活用するときは、得点の換算の方法などを志願者に分かりやすく示すことを求めています。
大学の例を2つ挙げます。どちらも、2027年春に入学する人の入試についての記載です。
| 大学 | 選抜 | 検定の使い方 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 立教大学(私立) | 一般入試(2027年1・2月実施) | 英語は、英検など6種類の試験の4技能スコアか、共通テストの英語の得点を使う。級の合否は問わず、スコアの最低基準はない(一部のコースを除く)。2月11日の文学部は大学独自の英語試験 | 大学公式のQ&A(2026年4月15日更新) |
| 広島大学(国立) | 一般選抜(前期・後期日程) | 出願の要件にはしない。大学が指定する試験でCEFR相当レベルB2以上(英検では準1級合格)の場合、共通テスト「英語」の得点を満点とみなす | 令和9年度 入学者選抜に関する要項 |
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日)第6の4/立教大学「一般入試・共通テスト利用入試についてのQ&A」/広島大学「令和9年度 入学者選抜に関する要項」(2026年10月確認)
この2校は例であって、すべての大学が同じ扱いをしているわけではありません。気をつけたいのは次の3点です。
- 使える検定と、求められる級・スコアは大学ごとに違います。同じ英検でも、スコアで見る大学と、級の合格で見る大学があります。
- スコアには有効な期間があります。立教大学は、2025年1月以降に受験したスコアを有効としています。高1のときのスコアが、高3の出願で使えるとは限りません。
- 正式な条件は、その年度の入試要項で決まります。立教大学の入試要項は2026年11月上旬に公開の予定とされています。出願する年度の要項を見てください。
同じ実施要項には、志願者本人が書く「活動報告書」のイメージ例(参考様式)があり、そこに「資格・検定等に関する活動」(名称、級・スコア、取得の年月)を書く欄があります。要項は、こうした本人が書く資料を、特に総合型選抜や学校推薦型選抜で積極的に活用するとしています。検定の結果を、活動の記録の1つとして書ける場面です。通信制高校からの受験の全体像は、通信制高校から大学進学の記事で説明しています。
ここまでをまとめると、検定の合格が制度の上で生きる場面は、高校の単位、高卒認定の科目免除、大学入試の3つです。どれも、学校や大学が決めた範囲の中で使えるもので、合格すれば自動で認められるわけではありません。

よくある誤解:「資格を取れば卒業が早まる」「どの学校でも単位になる」は、どちらも違います
資格と単位の話には、思い込みが入りやすいところがあります。ここまでの内容をもとに、5つ挙げます。
- 「検定に合格すれば卒業が早まる」わけではありません。卒業には、74単位以上の修得のほかに、3年以上の在籍と特別活動への参加が必要です。検定で単位が増えても、在籍の年数は短くなりません。
- 「どの学校でも単位になる」わけではありません。第98条は校長が認めたときに「できる」という決まりです。対象の検定、級、単位数、年間の上限は学校ごとに違います。
- 「資格が取れる学校=学校が資格を出してくれる」ではありません。合格を決めるのは実施団体の試験です。学校の講座は、そこへ向けた準備の場です。
- 「検定料も就学支援金でまかなえる」わけではありません。対象は授業料だけです。検定料と有料の講座の費用は、家計から別に出すことになります。
- 「資格を優先すれば高校のほうは後回しでよい」とは言えません。通信制高校の単位は、レポート・スクーリング・試験の3つで取ります。検定の勉強でこの3つが止まると、卒業そのものが遠のきます。
反対に、資格の勉強が合っている人もいます。目標の日付と合格ラインがはっきりしているので、自分で計画を立てる練習になります。大切なのは、高校の学習と検定の勉強を同じカレンダーに書いて、重なる時期を先に見ておくことです。
資格を軸に学校を選ぶなら、説明会で聞いておきたいのはこの6つです
パンフレットの「資格取得をサポート」という言葉だけでは、中身は分かりません。候補の学校に、同じ形で次の6つを聞いてみてください。答えを並べると、違いが見えてきます。
- 検定の合格を単位として認めていますか。認めている場合、対象の検定と級、科目、単位数を教えてください。
- 年間と通算の上限は何単位ですか。高卒認定やほかの学校での修得単位と合わせた上限かどうかも聞きます。
- 入学する前に合格した検定は対象になりますか。申請の方法と、提出の期限も確かめます。
- 対策の授業や講座は、授業料の中ですか、別料金ですか。検定料は誰が、いつ払うのかも聞きます。
- その講座は、自分が通うキャンパスやコースで受けられますか。オンラインで受けられるかも確認します。
- 学校で団体受験ができますか。できない場合は、個人で申し込むことになります。
学校全体の比べ方は、通信制高校 選び方のページに8つの項目でまとめています。資格だけで決めず、スクーリングの場所や費用と合わせて見るのがおすすめです。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも参加でき、担任がつきます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。中学校の内容の学び直しや、授業のアーカイブ視聴にも対応していて、生活のリズムに波があっても学べる設計です。
資格や検定の話にかかわる範囲で、正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高は高校ではありません。卒業の資格も単位も、提携する通信制高校(ほかの通信制高校に在籍しながらニジ高を使う場合は、その在籍校)のものです。検定の合格を単位にするかどうかを決めるのも、その高校の校長です。
- 学院の中でのスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
- 費用は、在籍する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。検定料もこれとは別です。金額は学費のご案内でご確認ください。
- 検定の学習との両立のしかたや、在籍する高校での検定の単位の扱いは、この記事では書いていません。公開の資料で確かめられなかったためです。個別相談会で聞けます。
途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。これまでにグループ全体で650名以上の不登校の生徒をサポートしてきました。総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座にも力を入れて取り組んでいます。個別相談会はオンライン(Zoom)で、参加は無料です。保護者の方だけでも参加できます。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- ステップ1:資格を取る目的を1つ決める。高校の単位にしたいのか、高認の科目免除に使いたいのか、大学入試で使いたいのか、就職や進学の準備なのか。目的によって、選ぶ検定と級が変わります。
- ステップ2:在籍校か、候補の学校に単位の扱いを聞く。上の6つの質問をそのまま使えます。大学入試で使いたい場合は、志望校の要項で、使える検定とスコアの有効期間を先に見ます。
- ステップ3:受ける回を決めて、日程と検定料を公式で確かめる。レポートの提出の期限やスクーリングの時期と重ならない回を選びます。申し込みの受付期間は検定ごとに違います。
3つとも、学校が決まっていなくても進められます。高校の学習と検定の勉強をどう組み合わせるかを整理したいときは、ニジ高の体験説明会・個別相談でも話を聞けます。


資格の勉強と高校卒業を、オンラインで両立したい方へ
NIJIN高等学院(ニジ高)はオンライン中心の通信制高校サポート校です。高校ではないため、卒業資格と単位は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。検定の学習との両立や、検定の単位の扱いは、個別相談会で聞けます。
よくある質問
Q. 通信制高校に通いながら、資格は取れますか。
A. 在学しながら受けられ、合格すれば取れます。この記事で確かめた英検・漢検・数検・日商簿記・ITパスポート・危険物取扱者(乙種・丙種)は、年齢や学歴で受験を制限していません。合格を決めるのは実施団体の試験で、学校は対策の授業や団体受験などで後押しをします。
Q. 英検や漢検に合格すると、高校の単位になりますか。
A. 学校によります。学校教育法施行規則 第98条第2号は、校長が教育上有益と認めるときに単位を与えることができる、と定めています。対象の検定・級・単位数は学校が決め、上限はほかの高校の単位と合わせて36単位(第99条)です。
Q. 高校に入る前に取った検定も、単位になりますか。
A. 今回確かめた文部科学省の資料には書かれていませんでした。高卒認定の合格科目を定めた第100条には「入学する前に行ったものを含む」とありますが、検定の根拠である第98条にはこの括弧書きがありません。入学を考えている学校に確かめてください。
Q. 検定料に就学支援金は使えますか。
A. 使えません。国の就学支援金の対象は高校の授業料だけです。検定料は1回ごとにかかり、2026年度は英検2級が9,000円、日商簿記3級が3,300円、ITパスポートが7,500円です。有料の対策講座の費用も別になります。
Q. 資格があると、大学入試で有利になりますか。
A. 大学が入試要項に書いた方式で使えます。たとえば広島大学の令和9年度の一般選抜は、英検準1級合格などの場合に共通テスト「英語」の得点を満点とみなします。使える検定、スコア、有効な期間は大学と年度で違うので、志望校の要項を見てください。
検定は、高校の学びと並べて自分のペースで積んでいける目印です
資格は、取れば何かが一気に変わるものではありません。それでも、日付の決まった目標に向かって準備し、結果が紙で返ってくるという経験は、次の一歩を決めるときの手がかりになります。
急いで何かを申し込む必要はありません。まずは、いまの学校や候補の学校が検定をどう扱っているかを聞いてみる。そこから、受ける検定と時期を1つだけ決める。その順番で進めてみてください。
検定と高校の学習の両立は、個別相談会で聞けます
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
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