たとえば、SNSのグループで悪口を書かれている。自分の写真が勝手に貼られている。匿名のアカウントに、名前や学校名を出して書き込まれた。ネット上のいじめは、家に帰っても画面の中で続きます。「早く消したい」と「誰にも知られたくない」が、同時にやってくることもあります。
先に結論を書きます。消す前に、まず画面を残します。そのうえで、削除を頼む窓口と、相談する先を並行して使います。削除を頼む方法は1つではなく、自分で頼む・やり方を教わる・代わりに働きかけてもらう、の3通りがあります。
この記事は、いじめ防止対策推進法・情報流通プラットフォーム対処法・刑法の条文(e-Gov)、文部科学省の令和6年度の調査、総務省・法務省・警察庁の案内、相談窓口の公式ページを、2026年10月10日に実際に開いて確かめた内容で書いています。公式で確かめられなかったことは、確かめられなかったと書きます。学校への申立てと「重大事態」、クラスLINEの抜け方は、それぞれ別の記事にまとめているので、ここでは証拠・削除・相談先に絞ります。
ネット上のトラブルをきっかけに今の高校へ通うのが難しくなった場合は、学び方を変えるという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:高校生のネットいじめへの対応の早見
- ネット上の行為も、法律上の「いじめ」に含まれます(いじめ防止対策推進法 第2条第1項)。文部科学省の令和6年度の調査では、高等学校で「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」が2,627件、高等学校の認知件数18,891件の13.9%でした。
- 最初にするのは記録です。画面(スクリーンショットか印刷)、サイトやサービスの名称、URL、書き込んだ人の表示、日時、内容を残します(警察庁の案内)。削除を頼むのは、そのあとです。
- 削除は、本人か保護者が各サービスに頼めます。やり方が分からないときは違法・有害情報相談センター、法務局の人権相談、誹謗中傷ホットラインが使えます。
- 令和7年4月1日に施行された情報流通プラットフォーム対処法で、国が指定した9社は、削除の申出に原則7日以内に結果を知らせる義務を負いました。ただし、削除を約束する法律ではありません。
- 投稿した人の特定は、裁判所を通す発信者情報開示の手続です。事業者に記録が残る期間には限りがあるため、考えているなら早めに弁護士や法テラス(0570-078374)へ相談します。
- 侮辱罪は令和4年7月7日から法定刑が引き上げられました。処罰を望む場合や身の危険を感じる場合は警察へ。相談は#9110、緊急のときは110番です。
- 学校には、事実の確認と安心して学べる措置を求められます。欠席が増えてきたら出席と単位を別に確かめ、学び方を変える選択肢(通信制高校や、ニジ高のようなサポート校)も並べて考えられます。
消す前に、まず残します。そのあとで「消す」と「相談する」を並行して進めます
ひどい書き込みを見つけたとき、最初に浮かぶのは「消したい」だと思います。けれども、先に消えてしまうと困る場面があります。
警察庁は、削除依頼や関係機関への相談、警察への通報・相談の際に必要になるので、掲載されたページを印字し、サイトの名称・URL・書き込み者・書き込み日時・内容などを記録するよう案内しています。誹謗中傷ホットラインを運営するセーファーインターネット協会も、投稿の削除と一緒に、投稿した人を特定するための記録が消えてしまうサイトがあるとして、相手の特定を考える場合は削除を求める前に記録の保全を検討するよう書いています。
そこで、この記事では次の順番をおすすめします(順番はこの記事での整理です)。
- 残す。画面と、日時・URL・書き込んだ人の表示を記録します。
- 見えなくする。記録を取り終えたら、ブロックやミュートで本人の目に入らないようにします。機能の名前や操作はサービスごとに違います。
- 消す依頼を出す。各サービスのフォームや通報から頼むか、窓口に頼み方を相談します。
- 相談する・学校に伝える。削除を待つ間も、話を聞いてもらえる先と、在籍校への連絡を並行して進めます。
ご本人へ。言い返したり、同じ場所に書き込んだりする前に、まず記録だけ取ってください。記録を取るのがつらければ、家族や先生に画面を渡して代わりに残してもらってかまいません。
保護者の方へ。削除の依頼も相談も、保護者が本人に代わってできます。総務省は、削除の依頼は本人または代理人(未成年者であれば親などの保護者、弁護士)からできると案内しています。どこに何を伝えるかは、先に本人と話しておくことをおすすめします(この記事からの提案です)。
出典:警察庁「インターネット上の誹謗中傷等への対応」/セーファーインターネット協会「誹謗中傷ホットライン」/総務省「インターネット上の違法・有害情報に関してお困りの方へ」/特設サイト「#NoHeartNoSNS」(2026年10月10日確認)
ネット上の行為も法律上の「いじめ」です。令和6年度、高校では2,627件が認知されました
「ネットの中のことは、学校のいじめとは別」と思われがちですが、法律はそう分けていません。いじめ防止対策推進法 第2条第1項は、「いじめ」を、同じ学校に在籍しているなど一定の人的関係にある他の児童生徒が行う、心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)で、対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの、と定めています。同条第2項で、この法律の「学校」には高等学校も含まれます。
「一定の人的関係」について、国の「いじめの防止等のための基本的な方針」は、学校の内外を問わず、同じ学校・学級や部活動の児童生徒、塾やスポーツクラブなどで関わっている仲間や集団を指す、としています。放課後や休日に、私的なグループの中で起きたことも対象になりえます。
同じ法律の第19条は、ネット上のいじめに絞った条文です。第1項は学校の設置者と学校による啓発を、第2項は国と地方公共団体が対処の体制の整備に努めることを定めています。第3項は、いじめを受けた児童生徒や保護者が、情報の削除を求めたり、発信者情報の開示を請求したりするとき、必要に応じて法務局・地方法務局の協力を求めることができる、としています。
件数も確かめました。文部科学省の令和6年度の調査で、いじめの態様のうち「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」は次のとおりです。
| 校種 | 件数 | 認知件数に占める割合 | いじめの認知件数 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 11,890件 | 1.9% | 610,612件 |
| 中学校 | 12,574件 | 9.3% | 135,865件 |
| 高等学校 | 2,627件 | 13.9% | 18,891件 |
| 特別支援学校 | 274件 | 7.5% | 3,654件 |
| 合計 | 27,365件 | 3.6% | 769,022件 |
高等学校では、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」(62.0%)、「仲間はずれ、集団による無視をされる」(15.5%)に次いで、3番目に多い態様でした。割合は4つの校種の中でもっとも高くなっています。
読むときの注意が2つあります。態様は複数回答で、1件のいじめが複数の項目に数えられることがあります。また、これは学校が認知した件数で、実際に起きた数ではありません。基本的な方針も、ネット上のいじめは外から見えにくく、匿名性が高いと書いています。
出典:いじめ防止対策推進法 第2条・第19条(e-Gov)/文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(2-7)いじめの態様(令和8年1月16日更新)/いじめの防止等のための基本的な方針(文部科学大臣決定・最終改定 平成29年3月14日)(2026年10月10日確認)


証拠は「画面・日時・URL・書き込んだ人」を、削除を頼む前に残します
何を残せばよいかは、警察庁とセーファーインターネット協会の案内に具体的に書かれています。2つを1つの表にまとめました。
| 残すもの | 残し方 | 案内している機関 |
|---|---|---|
| 投稿の画面 | スクリーンショットを撮る、またはページを印刷する | 警察庁・セーファーインターネット協会 |
| サイトやサービスの名称 | どのサービスの、どの場所かをメモする | 警察庁 |
| URL | 投稿ごとのURLを控える | 警察庁・セーファーインターネット協会 |
| 書き込んだ人 | 画面に出ているアカウント名などを控える | 警察庁 |
| 書き込まれた日時 | 投稿の日時が分かる形で残す | 警察庁・セーファーインターネット協会 |
| 内容 | 何が、どう書かれたかを記録する | 警察庁 |
警察署に相談に行くときは、この記録を持参するよう案内されています。法務省の「書き込み削除依頼の手引き」も、削除を頼む前に、削除したい投稿の正確なURLをコピーしておくことを手順の最初に置いています。
残すときに気をつけたい点を、この記事で3つ補います(公的な手順ではなく、上の案内を踏まえた整理です)。
- ブロックや退会の前に残す。相手をブロックしたり、グループを抜けたりすると、あとから画面を見られなくなることがあります。
- 時間がたつと消える投稿は、見つけたときに残す。
- URLの出し方はサービスごとに違います。アプリの画面でURLが見当たらないときは、各サービスのヘルプで確かめるか、相談窓口に聞きます。
出典:警察庁の同ページ/誹謗中傷ホットライン/法務省委託「インターネット上の誹謗中傷 書き込み削除依頼の手引き」(令和8年2月)(2026年10月10日確認)
削除の頼み方は3通り。自分で頼む・助言をもらう・代わりに働きかけてもらう
削除を頼む先は、書き込んだ相手ではなく、投稿が載っているサービスの運営者です。相手が誰か分からない匿名の投稿でも、削除の依頼はできます。法務省の手引きは、多くの場合、SNSやサイトに置かれた専用の削除依頼フォームから連絡するのが基本だとしています。
ただし、頼めば消えるとは限りません。同じ手引きは、書き込みを実際に削除するかどうかはプラットフォーム事業者などが判断し、その基準は利用規約やコミュニティガイドラインに定められている、と説明しています。
自分で頼む方法と、迷うときに使える窓口を、公式ページで確かめて並べました。
| 窓口 | すること | しないこと・注意 | 使える人・方法 |
|---|---|---|---|
| 各サービスの削除依頼フォーム・通報 | 運営者が利用規約などに照らして、削除するかを判断する | 削除するかどうかは運営者の判断 | 本人または代理人(未成年者なら保護者など) |
| 違法・有害情報相談センター | 相談者が自分で行う削除依頼の方法などを助言する。投稿者の特定の方法も相談できる | 削除依頼の代行、仲裁、内容についての法的な判断はしない | Webフォームからの相談のみ。無料 |
| 法務局の人権相談 | 削除依頼の方法を助言する。人権侵害に当たると認めた情報は、法務局からプロバイダなどへ削除を要請する | 要請するかの判断には時間がかかる場合がある | みんなの人権110番 0570-003-110(平日8時30分〜17時15分)、インターネット人権相談受付窓口、LINEなど |
| 誹謗中傷ホットライン(セーファーインターネット協会) | 国内外のプロバイダなどに、利用規約に沿った削除などの対応を促す通知を行う | 相談対応は行っていない。対応結果の個別の連絡はない | 原則として本人。本人が児童の場合は保護者・学校関係者も。無料 |
法務省の手引きの案内図には、このほか「セーフライン」(セーファーインターネット協会)が載っており、リベンジポルノの被害やいじめの動画・画像の通報も受け付けていると紹介されています。
削除依頼には注意点もあります。法務省の手引きは、掲示板によっては削除依頼があったことや依頼の文章がそのまま公開され、かえって注目が集まる場合があるとして、依頼文に個人情報を書かないこと、不安があるときは一人で判断せず、保護者や先生、法務局の人権相談窓口に相談することをすすめています。
出典:法務省委託「書き込み削除依頼の手引き」/違法・有害情報相談センター「相談受付について」/法務省「インターネット上の人権侵害をなくしましょう」/誹謗中傷ホットライン/警察庁の同ページ(2026年10月10日確認)
大きなSNSは、削除の申出に7日以内に返事をする義務を負うようになりました。ただし削除の約束ではありません
「依頼しても何の返事もない」という状況を変えるために、法律が改正されました。プロバイダ責任制限法は、令和6年の改正(令和6年法律第25号)で「情報流通プラットフォーム対処法」(正式名称:特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律)に名前が変わり、令和7年4月1日に施行されました。
この改正で、総務大臣が指定した大規模な事業者(大規模特定電気通信役務提供者)に、次の義務が課されました。
- 権利を侵害されたとする人が削除を申し出る方法を定め、公表する。オンラインで申し出られ、申し出る人に過重な負担をかけないこと(第22条)
- 申出があったら、遅滞なく必要な調査をする(第23条)。専門的な調査のために「侵害情報調査専門員」を選任する(第24条)
- 申出を受けた日から14日以内の総務省令で定める期間内に、削除したか、しなかった場合はその理由を、申し出た人に通知する(第25条第1項)。総務省の資料では、この期間は7日間です
- 削除の基準を定めて公表し(第26条)、実施の状況を毎年1回公表する(第28条)
発信者の意見を聴くときや専門員に調査させるときなどは、期間内にその旨を知らせ、判断のあとに遅滞なく通知すれば足りる、という例外もあります(第25条第2項)。
指定されているのは、2026年10月10日に総務省のページで確かめた時点で次の9社です。
| 事業者 | 総務省が参考として挙げるサービス名 | 指定日 |
|---|---|---|
| Google LLC | YouTube | 令和7年4月30日 |
| LINEヤフー株式会社 | Yahoo!知恵袋、Yahoo!ファイナンス、LINEオープンチャット、LINE VOOM | 令和7年4月30日 |
| Meta Platforms, Inc. | Facebook、Instagram、Threads | 令和7年4月30日 |
| TikTok Pte. Ltd. | TikTok、TikTok Lite | 令和7年4月30日 |
| X Corp. | X | 令和7年4月30日 |
| 株式会社ドワンゴ | ニコニコ(一部を除く) | 令和7年5月29日 |
| 株式会社サイバーエージェント | Amebaブログ | 令和7年5月30日 |
| 株式会社湘南西武ホーム | 爆サイ.com | 令和7年5月30日 |
| Pinterest Europe Limited | 令和7年5月30日 |
各社の削除申出の窓口は、総務省が一覧にして公開しています。知っておきたい限界が3つあります。
- 削除を義務づける法律ではありません。義務になったのは、窓口の公表、調査、期間内の通知、基準と実績の公表です。総務省の「プロバイダ責任制限法Q&A」(法律の名前が変わる前の名称で書かれています)も、情報の削除を求める権利を定めたものでも、事業者に削除を義務づける法律でもない、と答えています。
- 対象は指定された事業者のサービスです。指定されていないサービスや個人のサイトでは、これまでどおり各サイトの方法で頼みます。
- LINEについて挙がっているのは、LINEオープンチャットとLINE VOOMです。総務省の表のサービス名に、友だちどうしの通常のトークやグループは挙がっていません。クラスのグループトークで起きたことは、記録を残したうえで、学校や相談窓口に伝える道があります。
クラスLINEの入り方・抜け方や、抜けたときの表示は、通信制高校 クラスLINEの記事にまとめています。
出典:情報流通プラットフォーム対処法 第20条・第22条〜第28条(e-Gov)/総務省「インターネット上の違法・有害情報に対する対応(情報流通プラットフォーム対処法)」/同「令和6年改正法の概要」/同「省令・ガイドラインの概要」/同「削除申出窓口及び削除基準(一覧)」/同「プロバイダ責任制限法Q&A」(2026年10月10日確認)

相手の責任を問う道は2つ。投稿者の特定は裁判所、処罰を求めるなら警察です
削除とは別に、「誰が書いたのかを知りたい」「相手に責任を取ってほしい」と考える方もいます。道は、民事と刑事の2つに分かれます。進めるかどうかは急いで決めなくてかまいませんが、記録が残っているうちに相談だけしておく方法があります。
民事:発信者情報の開示を求める
情報流通プラットフォーム対処法 第5条第1項は、権利を侵害されたことが明らかで、損害賠償請求のために必要であるなど正当な理由があるとき、事業者に発信者情報の開示を請求できると定めています。裁判所が開示を命じる「発信者情報開示命令」(第8条)の手続は、令和3年の改正(2022年10月1日施行)でつくられました。発信者を特定できなくなるのを防ぐための「提供命令」(第15条)と「消去禁止命令」(第16条)もあります。
- 総務省のQ&Aは、技術上の理由などで特定できない場合もあり、時間が経つほど特定が難しくなるので、早めの相談をすすめる、としています。
- 法務省の手引きは、専門的な法律知識が必要な手続で、事業者に通信の記録が残る期間が限られるため、まず弁護士に相談するよう案内しています。相談先として、法テラス・サポートダイヤル(0570-078374。平日9時〜21時、土曜9時〜17時)と、弁護士会の「ひまわり相談ネット」(0570-783-110)が挙げられています。
- 総務省の逐条解説(令和5年3月更新。改正前の法律の解説)は、電子メールなどの1対1の通信は、この法律の対象である「特定電気通信」に含まれない、としています。メンバーが決まっているグループのトークがどう扱われるかは、この解説では確かめられませんでした。
刑事:警察に相談する
侮辱罪(刑法 第231条)は、令和4年7月7日に法定刑が引き上げられました。法務省のQ&Aによると、改正前の法定刑は「拘留又は科料」だけでした。引上げに伴い、公訴時効も1年から3年になっています。現在の条文は「1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です(2026年10月10日にe-Govで確認)。名誉毀損罪(第230条第1項)は「3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」です。
どちらの罪も、告訴がなければ起訴できない親告罪で(第232条第1項)、告訴は犯人を知った日から6か月を過ぎるとできなくなります(刑事訴訟法 第235条)。また、どちらの条文にも「公然と」という要件があります。閉じたグループや1対1のやり取りがこれに当たるかは、この記事では判断できません。画面の記録を持って、警察や弁護士に相談してください。
文部科学省は令和5年2月7日の通知の別添資料1で、学校が警察に相談・通報すべきいじめの事例を挙げています。ネットに関わる主なものは次のとおりです。
| 通知が挙げる事例 | 該当しうる罪 |
|---|---|
| 特定の人物を誹謗中傷するため、ネット上に実名をあげて身体的特徴を指摘し、悪口を書く | 名誉毀損、侮辱(刑法 第230条・第231条) |
| 断れば危害を加えると脅し、オンラインゲームのアイテムを購入させる | 恐喝(刑法 第249条) |
| 同級生に、自身の下着姿などの写真・動画を撮影して送るよう指示し、送らせる。同級生の裸の写真・動画をSNS上のグループに送信して多数の者に提供する | 児童ポルノ提供等(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第7条) |
| 元交際相手と別れた腹いせに、性的な写真・動画をネット上に公表する | 私事性的画像記録提供(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律 第3条) |
通知は、児童ポルノに関わるいじめについて、一刻を争う事態も生じるので、被害の拡大を防ぐため、学校は直ちに警察に相談・通報し、連携して対応すること、としています。性的な画像が関わるとき、住所や学校を特定されて身の危険を感じるときは、ほかの順番を待たずに警察へ相談してください。
警察への相談は、警察相談専用電話#9110か、都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口が入口です。警察庁は、相手の処罰を望む場合は最寄りの警察署に相談するよう案内し、事前に電話で担当者と日時を調整しておくと相談対応がスムーズに進む、としています。
出典:情報流通プラットフォーム対処法 第5条・第8条・第15条・第16条/刑法 第230条〜第232条/刑事訴訟法 第235条/私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(e-Gov)/法務省「侮辱罪の法定刑の引上げ Q&A」/総務省「プロバイダ責任制限法 逐条解説」/文部科学省「いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携等の徹底について(通知)」令和5年2月7日/法テラス(2026年10月10日確認)
※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
学校には、事実の確認と安心して学べる措置を求められます
ネット上で起きたことでも、相手が同じ学校の生徒など一定の関係にある場合は、在籍校に伝えることができます。いじめ防止対策推進法 第23条は、学校の動き方を定めています。
- いじめを受けていると思われるときは、速やかに事実の有無を確認する措置をとり、結果を学校の設置者に報告する(第2項)
- いじめが確認されたら、複数の教職員で、心理や福祉の専門家の協力を得ながら、受けた生徒と保護者への支援、行った生徒への指導を続ける(第3項)
- 必要があるときは、いじめを行った生徒に別の場所で学習させるなど、受けた生徒が安心して教育を受けられるための措置をとる(第4項)
- 犯罪行為として取り扱われるべきと認めるときは、所轄の警察署と連携して対処する(第6項)
ネット上のいじめについて、国の基本的な方針の別添2は、学校の対応のポイントとして、不適切な書き込みなどは被害の拡大を避けるため直ちに削除する措置をとること、名誉毀損やプライバシー侵害などがあった場合はプロバイダに速やかに削除を求めるなど必要な措置を講じること、必要に応じて法務局・地方法務局の協力を求めること、を挙げています。削除の依頼を家庭だけで抱えず、学校にも動いてもらえるかを聞くことができます。
学校に伝えるときは、先に残した記録(画面・日時・URL・書き込んだ人)をそのまま渡せます。伝え方の紙のまとめ方、欠席が続いているときの「重大事態」(年間30日が目安)、学校の説明に納得できないときの申立て先は、いじめ 不登校 高校生の記事で詳しく書いています。
出典:いじめ防止対策推進法 第23条・第28条(e-Gov)/いじめの防止等のための基本的な方針 別添2(3)⑥(2026年10月10日確認)
欠席が増えてきたら、いじめの対応とは別に、出席と単位を在籍校に確かめます
休むことは、安全を守るための手段の1つです。そのうえで、休みが続いてきたら、いじめへの対応とは切り分けて、出席と単位の状況を在籍校に確かめておきます。
確かめたいのは次の3つです。
- いまの欠席・欠課の数と、進級や単位の認定に関わる学校の基準(高校の出席日数に国の統一基準はなく、学校ごとの規程で決まります)
- 別室での学習、課題の提出、オンラインでの参加などを、出席や評価にどう扱ってもらえるか
- 休んでいる間の連絡の方法(本人が画面を見るのがつらい時期は、保護者あてにしてもらう、など)
日数の数え方や、学校に聞くときの聞き方は高校 欠席日数の記事に、今の学校から移る場合の条件と手順は高校 転入の記事にまとめています。通信制高校を調べ始めるなら、通信制高校 選び方と通信制高校 学費が入口になります。
学校を変えても、ネット上に残った投稿が自動的に消えるわけではありません。削除の依頼と相談は、進路の話と並べて進めてください。
相談先は目的で選べます。番号と受付時間を公式で確かめました
削除の窓口とは別に、「まず話を聞いてほしい」「警察に行くほどか分からない」というときの相談先です。番号と受付時間は、2026年10月10日に各公式ページで確かめました。
| 相談先 | 番号・入口 | 受付 | 向いている相談 |
|---|---|---|---|
| 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省) | 0120-0-78310 | 夜間・休日を含む24時間。通話料無料 | いじめなど、子供のSOS全般。子供も保護者も |
| こどもの人権110番(法務省) | 0120-007-110 | 平日8時30分〜17時15分。無料。メール・LINEの入口もある | いじめなど、こどもの人権の問題。大人も利用できる |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 平日8時30分〜17時15分(都道府県警察本部で異なる)。通話料は利用者負担 | 犯罪に当たるか分からないが、警察に相談したいこと。緊急は110番 |
| 法テラス・サポートダイヤル | 0570-078374 | 平日9時〜21時、土曜9時〜17時 | 投稿者の特定や損害賠償など、法的な手続の入口 |
眠れない、食べられない、消えてしまいたい気持ちがある、というときは、いじめの解決とは別に、こころと体のケアを先にしてください。厚生労働省の「まもろうよ こころ」には、電話やSNSで話せる窓口がまとまっています。受診を検討する場合は、かかりつけ医や学校のスクールカウンセラーに相談するところから始められます。
出典:文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」・同ポスターのページ(通話料無料)/法務省「こどもの人権110番」/政府広報オンライン「警察に対する相談は警察相談専用電話『#9110』番へ」/警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」/厚生労働省「まもろうよ こころ」(2026年10月10日確認)

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
ここまでの対応を進めても、同じ教室に戻ることを考えるだけでつらい、という場合があります。そのとき、学び方を変えることも、安全に学び続けるための選択肢の1つです。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも参加でき、カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。担任制で、途中からの入学(転入・編入)ができ、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。小中学生のオルタナティブスクールNIJINアカデミーの高等部でもあります。
そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高そのものは高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内に載せています。
- オンライン中心なので、毎日通う場所を求める人には合わない場合があります。
- 学校を変えれば解決する、とは言えません。ネット上に残った投稿への対応は、この記事の前半の手順で、別に進める必要があります。
学び方や費用、スクーリングの形や日程は、体験説明会・個別相談で聞けます。個別相談会はオンライン(Zoom)で、参加は無料です。保護者の方だけでも参加できます。

迷ったときの進め方(3ステップ)
- 残す。画面と、サービスの名称・URL・書き込んだ人・日時・内容を記録します。ブロックや退会はそのあとにします。本人がつらいときは、家族が代わりに残します。
- 消す依頼を1つ出す。投稿があるサービスの削除依頼フォームか通報から頼みます。やり方が分からなければ、違法・有害情報相談センターか、法務局の人権相談に記録を見せて聞きます。全部の窓口に一度に当たらなくてかまいません。
- 学校と、家の外の相談先に伝える。在籍校に記録を渡して事実の確認を求め、あわせて24時間子供SOSダイヤルなど、話を聞いてもらえる先を1つ持っておきます。欠席が増えてきたら、出席と単位も確かめます。
性的な画像が関わるとき、脅されているとき、身の危険を感じるときは、この順番を待たずに警察(緊急は110番、相談は#9110)へ連絡してください。

学び方を変える選択肢も、話だけ聞いておく方法があります
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラとマイクをオフにして、チャットだけの参加から始められます。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。個別相談会は保護者の方だけでも参加でき、学び方や費用を聞けます。
よくある質問
Q. 書き込んだ相手が誰か分からなくても、削除は頼めますか。
A. 頼めます。削除の依頼先は、書き込んだ相手ではなく、投稿が載っているサービスの運営者です。相手を特定する手続(発信者情報の開示)は、削除とは別の、裁判所を通す手続です。
Q. 削除を頼んだら、どのくらいで消えますか。
A. 決まった日数はありません。国が指定した9社は、情報流通プラットフォーム対処法により、申出を受けた日から原則7日以内に、削除したか、しない場合はその理由を通知する義務があります。ただし、削除するかどうかは事業者が自社の基準で判断します。
Q. スクリーンショットだけで証拠になりますか。
A. 足りるかどうかは相談先や手続によって違い、この記事では判断できません。警察庁は、画面の印字に加えて、サイトの名称・URL・書き込み者・書き込み日時・内容の記録を案内しています。手元の記録を窓口に見せて確かめてください。
Q. 親が本人の代わりに、削除依頼や相談をしてもよいですか。
A. できます。総務省は、削除の依頼は本人または代理人(未成年者であれば親などの保護者、弁護士)からできると案内しています。こどもの人権110番も、大人が利用できます。
Q. 学校の外の、私的なグループで起きたことでも、学校に相談できますか。
A. できます。いじめ防止対策推進法の「いじめ」にはネットを通じて行われるものが含まれ、国の基本的な方針は、関係が学校の内か外かを問わないとしています。
画面を見続ける時間を、ひとりで抱えなくてかまいません
ネット上の書き込みは、気になって何度も画面を開いてしまうことがあります。記録を残したら、あとは見る役目を家族や窓口に渡してかまいません。
全部を一度にやらなくても進められます。今日は記録を残すだけ、明日は窓口を1つ選ぶだけ、という進め方でかまいません。相手の責任を問うかどうかも、すぐに決めなくてかまいません。記録が残っているうちに、相談だけ先にしておく方法があります。
そして、今の学校に戻るか、学び方を変えるかは、安心が少し戻ってから決めてください。選べる道は、1つではありません。
今の学校を続けるか迷う段階でも、個別相談会で学び方を聞けます
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
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