勉強はできるのに、学校がつらい。授業は退屈で、同級生とは話がかみ合わず、「優秀なんだから大丈夫でしょ」と言われて相談もしにくい。ギフテッドと呼ばれる高校生や、その保護者からは、こうした一見矛盾した悩みが聞こえてきます。
先に結論を書くと、この生きづらさは、文部科学省の有識者会議で「才能や特性があるがゆえに学習上、生活上の困難を抱えている」子どもたちの問題として正面から取り上げられています。この会議は「ギフテッド」という言葉を使わず、特定の基準や数値で才能を定義することもしないとしたうえで、困りごとに着目して支える方向を示しました。日本の高校に飛び級はありませんが、学校外の学びを高校の単位にする仕組み、大学への飛び入学、高校生が参加できる国の事業のプログラムはあります。
この記事は、有識者会議の「審議のまとめ」(令和4年9月26日)、その後の支援推進事業と中央教育審議会のワーキンググループの取りまとめ(案)、学校教育法と同施行規則(e-Gov)、文部科学省の飛び入学実施大学一覧、科学技術振興機構(JST)の公式ページを実際に開いて確認した内容でできています。ここに書くのは制度と公的資料の範囲です。お子さんが「ギフテッドかどうか」を判定するものではありません。
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結論:ギフテッドの高校生の生きづらさと、使える支援の早見
- 文部科学省の有識者会議は「ギフテッド」という言葉を使っていません。「特定分野に特異な才能のある児童生徒」と呼び、特定の基準や数値で才能を定義して線を引くことはしない、としています(審議のまとめ・令和4年9月26日)。
- 学校でのつらさとして、授業の内容をもう知っていて充実感がない、同級生と話がかみ合わない、音への敏感さやこだわりでストレスが大きいといった例が、有識者会議のアンケートで報告されています(要旨)。不登校になる場合があることも書かれています。
- 才能と学習上の困難をあわせもつ「2E(twice-exceptional)」の生徒もいると国の資料は指摘しています。診断名を急ぐより、何に困っているかを具体的に相談するところから始められます。
- 日本の高校に飛び級はありません。高校の修業年限は全日制が3年、定時制・通信制が3年以上です(学校教育法第56条)。そのかわり、大学などでの学修を校長の判断で高校の単位にでき、他校で取った単位と合わせて36単位までです(同施行規則第97条〜第99条)。
- 大学への飛び入学は、高校に2年以上在学した人が対象です。令和8年度は10大学が実施し、募集を停止した2大学を含めた累計入学者は161名です(文部科学省・令和8年7月時点)。
- JSTの「次世代科学技術チャレンジプログラム」や科学オリンピックなど、高校生が学校の外で力を試せる場は、国の事業のページで確かめられます。
- 学校そのものを変えるなら、時間の使い方を自分で決めやすい通信制高校(オンライン中心のサポート校を併用する形を含む)も選択肢の1つです。
「勉強はできるのに学校がつらい」は、国の会議でも取り上げられた困りごとです
「成績は悪くないのだから、つらいはずがない」。周りからそう見られるほど、本人は悩みを口に出しにくくなります。けれど、この組み合わせは珍しいものではありません。
文部科学省は令和3年6月、初等中等教育局長の下に「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議」を置きました。会議が本人・保護者・教師などに行ったアンケートには、808人から、のべ980事例の回答が寄せられています。事例の多くは小学校段階(703事例)で、中学校段階は163事例、高等学校段階は114事例でした。
令和4年9月26日にまとめられた「審議のまとめ」は、こうした子どもたちについて、その才能や特性があるがゆえに学校で著しい困難を抱えている場合に、その困難に着目して解消するとともに、才能を伸ばしていくことを基本に据えています。「できる子だから放っておいていい」ではなく、「できるからこそ困ることがある」と国の資料が認めているわけです。
出典:文部科学省 特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議「審議のまとめ」(2026年9月確認)
授業がつらくて休む日が増えているなら、進級への影響も気になるところです。先に高校 欠席日数の目安を確認しておくと、焦らずに次の手を考えられます。小中学生の弟や妹も学校が合わずに悩んでいる場合は、小中学生のオルタナティブスクールNIJINアカデミーという場もあります。

国の有識者会議は「ギフテッド」という言葉を使わず、IQなどの数値で線を引かないとしています
ニュースやSNSでは「ギフテッド」という言葉がよく使われます。ところが、審議のまとめは、この言葉を会議では使用しないと明記しています。理由は、突出した才能だけを指す人もいれば、才能と困難をあわせもつ子どもだけを指す人もいて、論者によって思い浮かべる子どもの姿が違うからです。
| 論点 | 審議のまとめの考え方(要旨) |
|---|---|
| 呼び方 | 「ギフテッド」は使わず、「特定分野に特異な才能のある児童生徒」と呼ぶ |
| 才能の領域 | 教科ごとの学問分野、芸術、スポーツなどさまざま。学問分野より狭い特定のテーマの場合もある |
| 才能の程度 | 非常に高いIQで示されるような極めて突出した才能だけに限られず、さまざまな程度がある |
| 線引き | 特定の基準や数値で才能を定義し、当てはまる子だけを対象として扱うことはしない |
| 見られる特性 | 強い好奇心や感受性、豊かな想像力、過敏な五感、能力の間の発達の偏りなど |
| 2E | 特異な才能と学習困難をあわせもつ児童生徒がいる |
| 目指す方向 | 困難に着目して解消し、才能を伸ばす。特定の基準で選抜して特別なプログラムを与えることを目指すものではない |
線を引かない理由として、審議のまとめは、特定の子どもへのラベル付けになりかねないこと、選抜のための過度な競争や経済状況による参加機会の差が生じうること、周りから異質な存在と見られて差別の対象になりかねないことを挙げています。周りの大人が才能を伸ばすことだけに力を注ぎ、子どもが過度な期待を背負って負担になる事態も避けなければならない、とも書かれています。
知能検査についても触れられています。才能を見いだす方法として、知能検査や学力テストなどが伝統的に使われてきた一方、今はそれだけでなく、制作物や発表、本人や教師への質問紙・チェックリストなどを組み合わせて見る例もある、という整理です。「IQが◯◯以上ならギフテッド」という公的な基準は、国の資料では確認できませんでした。
つまり、「ギフテッドと認定されないと支援を受けられない」わけではありません。国の考え方の出発点は、いま本人が何に困っているかです。
国の支援は令和5年度から実証研究が進み、新しい制度づくりは小中学校が先行しています
審議のまとめは、今後の施策を5つに整理しました。①教師の理解のための周知・研修、②多様な学習の場の充実、③特性を把握する際のサポート、④学校外の機関の情報を集めて届けること、⑤実証研究による実践事例の蓄積、です。
これを受けて、文部科学省は「特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業」を行っています。令和5年度・6年度は、教員向けの研修パッケージの作成(愛媛大学。動画が公開されています)、特性を把握するツールや支援プログラムの情報収集、教育委員会や大学による指導・支援の実証研究などが行われました。令和5年度の実証研究には、鎌倉市・京都市・名古屋市などの教育委員会や大学が参加しています。
令和7年度は、次の3つの実証研究に切り替わりました。
- 学校と連携した学習・支援プログラムの提供と評価の在り方(愛媛大学・東京学芸大学・長野県教育委員会)
- 学校と連携した地域単位の相談支援体制の構築(京都府教育委員会)
- 全国単位の相談支援体制の構築(愛媛大学)
全国単位の研究を担う愛媛大学教育学部附属才能教育センター(令和7年4月設置)は、公式サイトに「令和7・8年度」の事業として紹介しており、オンラインで相談やメンタリングができる仕組みの開発を進めていると説明しています。
さらに中央教育審議会では、才能のある子どものための「特別の教育課程」を検討するワーキンググループが開かれ、2026年8月4日付で取りまとめ(案)が公表されました。そこでは、飛び級のように上の学年に在籍する形ではなく、本来の学年に在籍したまま、才能に合わせた高度な内容を学べるようにする方向が示されています。対象は当面、小学校・中学校などの義務教育段階とされ、令和10年度から先行して実施できるようにする方向です。
高校については、同じ取りまとめ(案)で、今の制度でも学校外の学修を最大36単位まで単位にできること、英語や数学を念頭に、十分に修得している必履修科目の履修を免除して発展的な科目に振り替える仕組みが検討されていることが挙げられ、当面はこうした通常の教育課程の仕組みを使う整理になっています。まだ案の段階なので、確定した内容は文部科学省の発表で確かめてください。
出典:文部科学省 有識者会議のページ(令和5〜7年度の支援推進事業)/令和7年度 採択団体について/特別の教育課程ワーキンググループ取りまとめ(案)/愛媛大学教育学部附属才能教育センター(いずれも2026年9月確認)

学校での困りごとは「授業」「人間関係」「感覚やこだわり」に分かれ、重なることもあります
審議のまとめには、アンケートに寄せられた声が具体的に載っています。高校生の事例だけを集めたものではないので、そのまま当てはまるとは限りませんが、自分の困りごとに名前をつける手がかりになります。
| 困りごと | 報告された例(要旨) | 学校で相談できることの例 |
|---|---|---|
| 授業 | 教科書の内容はもう理解していて、授業中は暇を持て余す/習っていない解き方をテストで書くと×にされる/発言すると雰囲気を壊すと感じ、分からないふりをする | 発展的な課題、考え方を説明する機会、学校外の学修を単位にできるか |
| 人間関係 | 同級生と話がかみ合わず、大人と話すほうが楽/先生の間違いに気づいて指摘しても分かってもらえない | 同じ興味をもつ人と出会える学校外の場、担任との対話 |
| 気持ちの面 | 早熟な知能に比べて情緒の発達が追いつかず、ささいなことで言い合いになる、孤立する | スクールカウンセラー、養護教諭への相談 |
| 感覚・こだわり | 音に敏感で学校生活が難しい/ルールに厳格でストレスが大きい | 別室の利用、座席や時間の配慮 |
| 読み書き | 書く速さと頭の中の処理の速さが釣り合わず、プリント学習がつらい | ICTの活用、口述と筆記を選べるようにする |
同じ資料には、うまくいった関わり方も載っています。正しい答えだけでなく「なぜそう考えるのか」を発表させてくれた授業は楽しかった、手が空く時間に役割を任されて前向きに参加できた、ICTを使えるようにして読み書きの困難が軽くなった、保健室やスクールカウンセラーの支えで学校生活を送れるようになった、などです。
一方で、こうした支援があるかどうかは教育委員会や学校の理解・体制に左右される、とも書かれています。今の学校で相談して手応えがなかったとしても、それはあなたの訴え方が悪かったからとは限りません。
もう一つ、「できて当たり前」と見られることのしんどさもあります。少しの失敗で自分を強く責めてしまう、期待に応え続けなければと感じる、という人もいます。審議のまとめが、子どもが過度な期待を背負い、かえって負担を与えるような事態は避けなければならないと書いているのは、この点への注意でもあります。刺激や感情の受け取り方が強くて疲れやすい場合は、HSP 高校生の記事の整理も参考になるかもしれません。
2Eかもしれないと思ったら、診断名より先に「何に困っているか」を学校と共有します
2E(twice-exceptional)は、特異な才能と、学習上・生活上の困難(発達障害などによるもの)をあわせもつことを指す言葉です。審議のまとめは、こうした児童生徒が通常の学級にいることも、通級による指導を受けていることも、特別支援学級に在籍していることもある、と書いています。
2026年8月の取りまとめ(案)には、もう一つ大事な指摘があります。才能に伴う激しさや過興奮性(刺激への強い反応)による行動が、誤って障害の枠組みだけで捉えられ、合わない対応がとられる場合がある、というものです。逆に、才能が目立つせいで、読み書きなどの困難が見過ごされることもありえます。だからこそ、ラベルより先に、具体的な困りごとを共有するのが現実的です。
高校で使える仕組みには、次のようなものがあります。
- 通級による指導:小中学校では平成5年度から、高校では平成30年から制度化されています。通常の学級で学びながら、障害に応じた特別の指導を一部受ける形です(学習障害・注意欠陥多動性障害・自閉症なども対象)。高校で実施しているかは学校によります。
- 合理的配慮:障害者差別解消法の改正で、2024年4月1日から、私立の学校などの事業者にも合理的配慮の提供が法的義務になりました(国公立の学校はそれ以前から義務)。本人や保護者から申し出て、学校と話し合って内容を決めます。
- 学校の相談体制:担任、スクールカウンセラー、養護教諭など。審議のまとめは、必要なときにすぐ相談できる校内体制をあるべき姿として挙げています。
発達の特性が気になるときは、主治医や医療機関に相談することを検討してください。診断や服薬の判断は医師が行うものです。地域の発達障害者支援センター(国立障害者リハビリテーションセンターの一覧)でも相談先を探せます。診断の有無と関係なく困りごとが続いている場合は、発達障害 グレーゾーン 高校生の記事で、配慮の頼み方や進路の考え方をまとめています。
出典:文部科学省「通級による指導の概要について」(令和4年7月)/文部科学省 通級による指導の手引(抜粋)/文部科学省所管事業分野における対応指針/内閣府「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」(いずれも2026年9月確認)

日本の高校に飛び級は無い。代わりに「学校外の学び」を高校の単位にできます
才能教育は、大きく「早修」と「拡充」に分けられます。早修は、上の学年の内容を早く学ぶこと。飛び級や早期入学のように上の学年・学校に在籍する「完全早修」と、学年はそのままで上の学年の科目を学ぶ「部分早修」があります。拡充は、学年の内容をより広く、深く学ぶことです(審議のまとめ)。
日本の高校の場合、学校教育法第56条で、修業年限は全日制が3年、定時制・通信制が3年以上と決まっています。学校教育法には大学の早期卒業の定め(第89条)はありますが、高校を早く卒業する定めはありません。飛び級で1年早く高校を卒業する、という道は無いと考えてください。
そのかわり、高校は小中学校より教育課程の自由度が大きく、審議のまとめも「学校外学修の単位認定」などを活用する方向を示しています。学校教育法施行規則には、次の定めがあります。
- 第97条:校長が教育上有益と認めるとき、他の高校で修得した単位を、在籍校の卒業に必要な単位に加えられる
- 第98条:校長が教育上有益と認めるとき、大学・高等専門学校・専修学校などでの学修、知識・技能の審査に係る学修、ボランティア活動などを、在籍校の科目の履修とみなして単位を与えられる
- 第99条:第97条と第98条による単位は、合わせて36単位まで
たとえば、大学の科目等履修生や公開講座で学んだ内容を、在籍する高校の単位として認めてもらえる可能性があります。ただし、どの学修を認めるかは在籍校の校長の判断と学校の規程によります。通信制高校も高校なので同じ施行規則の対象ですが、実際にどこまで認めているかは学校ごとに違います。申し込む前に、担任か教務の先生に確かめておくと、あとで慌てずにすみます。
また、審議のまとめによると、令和3年10月の施行規則の改正で、大学入学資格をまだもたない高校生などが科目等履修生として大学で修得した単位を、その大学に入学したあと修業年限に通算できるようになりました。
出典:e-Gov法令検索 学校教育法/学校教育法施行規則(2026年9月確認)
大学への飛び入学は「高校に2年以上在学」が条件で、令和8年度の実施は10大学です
高校を卒業しなくても大学に入れる例外が、学校教育法第90条第2項の飛び入学です。当該分野の大学院があり、特に優れた資質をもつ人を育てる実績と指導体制がある大学が、高校に文部科学大臣の定める年数以上在学した人で、その大学の定める分野で特に優れた資質があると認めた人を入学させられる、という仕組みです。
- 在学年数は2年(施行規則第153条)。中等教育学校の後期課程や高専に2年以上在学した人、高卒認定試験の全科目に合格して17歳に達した人なども「準ずる者」に含まれます(第154条)
- 大学は、在学する学校の校長の推薦を求めるなど、制度が適切に運用されるよう工夫する(第151条)
- 大学は運用状況を点検・評価し、結果を公表する(第152条)
| 大学(学部) | 制度導入 | 累計入学者 |
|---|---|---|
| 千葉大学(文・理・工・園芸・情報・データサイエンス) | 平成10年度 | 108名 |
| 名城大学(理工) | 平成13年度 | 27名 |
| エリザベト音楽大学(音楽) | 平成17年度 | 3名 |
| 会津大学(コンピュータ理工) | 平成18年度 | 11名 |
| 日本体育大学(体育) | 平成26年度 | 2名 |
| 東京藝術大学(音楽) | 平成28年度 | 2名 |
| 京都大学(医) | 平成28年度 | 1名 |
| 桐朋学園大学(音楽) | 平成31年度 | 1名 |
| 東京音楽大学(音楽) | 令和4年度 | 0名 |
| 名古屋音楽大学(音楽) | 令和4年度 | 3名 |
上の10大学が令和8年度に実施している大学で、累計入学者は令和8年7月時点の数です。募集を停止した昭和女子大学(1名)と成城大学(2名)を含めた累計は161名です。分野は理工系だけでなく、音楽や体育にも広がっています。要件や試験の内容は大学ごとに違うため、関心がある場合は各大学の募集要項を確かめてください。
注意点もあります。飛び入学した人は高校を中途退学して大学に入るため、以前は大学を途中でやめると「高校卒業」の扱いにならず、就職や資格試験で困ることがありました。これを受けて、令和4年4月から、飛び入学者を対象に高校卒業者と同等以上の学力を認定する制度(高等学校卒業程度認定審査)が始まっています(審議のまとめ)。
飛び入学を考えないとしても、大学の側から見た「高校生の力の示し方」は参考になります。大学入試では、学校外での研究や活動を評価する総合型選抜もあります。通信制高校から考えるなら、総合型選抜 通信制高校の記事で見分け方をまとめています。
出典:文部科学省 飛び入学実施大学一覧(令和8年7月時点)/文部科学省 大学への飛び入学について(2026年9月確認)
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

高校生が学校の外で力を試せる場は、国の事業のページで確かめられます
審議のまとめは、同級生と話が合わないときに、学校の外で興味を同じくする人と出会うことは有意義だと書いています。また、国際科学技術コンテストへの参加が自己肯定感を高めることにつながると指摘されている、とも記しています。高校生が使える主な場を、公式ページで確認できたものに絞って並べます。
| 名称 | 運営・主催 | どんな場か | 確かめること |
|---|---|---|---|
| 次世代科学技術チャレンジプログラム(STELLA) | JSTの事業。大学などが実施機関 | 理数系に意欲・能力のある小学校高学年〜高校生向けの育成プログラム。令和5年度開始 | 実施機関ごとの募集時期・対象・参加方法 |
| 科学オリンピック(数学・化学・生物学・物理・情報・地学・地理) | 各分野の主催団体(JSTが支援) | 国内大会から国際大会の日本代表へつながる | 各大会の参加資格と申し込み期間 |
| 日本学生科学賞 | 読売新聞東京本社(JSTが支援) | 自分の研究を出す課題研究のコンテスト。国際学生科学技術フェアにつながる | 応募の要項 |
| 大学の科目等履修生・公開講座 | 各大学 | 大学の授業を受ける | 在籍校が単位として認めるか(施行規則第98条) |
| 才能教育の相談窓口 | 愛媛大学教育学部附属才能教育センター | 問い合わせフォームに「才能教育支援に関する相談」の項目がある | 相談の対象や方法 |
次世代科学技術チャレンジプログラムは、高校生向けだった「グローバルサイエンスキャンパス」と、小中学生向けの「ジュニアドクター育成塾」を統合して令和5年度に始まった事業です。
一方で、審議のまとめは、こうした学びの場が地域によって近くに無かったり、情報が届いていなかったり、費用の負担が大きかったりすることも課題として挙げています。住んでいる地域だけで探さず、公式ページから実施機関の一覧をたどるのが近道です。
出典:JST 次世代科学技術チャレンジプログラム 事業概要/JST 国際科学技術コンテスト支援事業 支援コンテスト一覧/愛媛大学教育学部附属才能教育センター お問い合わせ・相談窓口(いずれも2026年9月確認)
学校を変えるなら「時間の自由」と「卒業の条件」を両方見て選びます
今の学校で相談しても状況が変わらないとき、学校そのものを変えるのも1つの方法です。審議のまとめも、高校には全日制・定時制・通信制の課程や、普通科・専門学科・総合学科など、義務教育より選択肢が多いことを挙げています。
| 学び方 | 合いやすい点 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 今の全日制に残る | 友人関係や部活を続けられる。学校外学修の単位認定を相談できる | 授業の進み方は学級単位。支援の有無は学校の体制に左右される |
| 通信制高校に移る | 毎日の登校が前提ではないので、空いた時間を研究や講座、コンテストの準備に回しやすい | 卒業には3年以上の在籍と74単位以上が必要で、早く卒業はできない。リポートとスクーリングを自分で進める力が要る |
| 通信制高校+サポート校 | 自分で進めにくい部分を人に支えてもらえる。仲間と関わる場がある | 費用は通信制高校とサポート校の両方にかかる。サポート校の分に就学支援金は使えない |
通信制高校の卒業条件は、3年以上の在籍、74単位以上の修得、特別活動30単位時間以上です。「先取りして早く卒業する」ためではなく、自分の時間の使い方を自分で決めやすくするための選択肢と考えると、ずれが少なくなります。
転校の手続きは高校 転入の記事に、費用の見方は通信制高校 学費の記事に、学校の比べ方は通信制高校 選び方のページにまとめています。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも参加でき、担任制です。カメラ・マイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、授業のアーカイブ視聴にも対応しています。公式サイトでは、1クラス8人であることや、企業や地域と関わるリアルな体験、社会共創プロジェクト、総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座に取り組んでいることを紹介しています。
同級生と話がかみ合わずにつらかった人にとっては、全国の仲間とオンラインでつながれること、生徒会・サークル・学園祭などを自分たちで企画する側に回れることが、合う場合があります。発達の特性についても、ニジ高は、本人を変えるのではなく、学びの構造や環境を変えることで支援するという考え方をとっています。診断や服薬など医療の判断は、主治医・専門機関にご相談ください。
そのうえで、正直な注意点です。
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。ニジ高の中でのスクーリングはありません
- 通信制高校なので、卒業には3年以上の在籍が必要です。飛び級のように早く卒業する仕組みではありません
- 特定の分野を大学レベルまで深めたい場合は、この記事で紹介した大学やJSTのプログラム、科学オリンピックなど学校外の場と組み合わせて考えるのが現実的です。どこまでニジ高の時間割と両立できるかは、個別相談会で具体的に聞いてみてください
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内で確認できます
よく聞かれる質問はよくある質問のページにもまとめています。
迷ったときの進め方(3ステップ)
ステップ1:困りごとを「授業」「人間関係」「感覚・気持ち」に分けて書き出す
審議のまとめは、困難は学習や生活の環境との相互作用の中で生じる、という見方を示しています。「自分がおかしい」ではなく、「どの場面で、何が合わないか」を書き出すと、相談の材料になります。
ステップ2:今の学校に、具体的な形で相談する
担任やスクールカウンセラーに、ステップ1のメモを見せながら話します。「発展的な課題はもらえるか」「大学の講座を単位にできるか」「別室や配慮は使えるか」など、学校が答えやすい形で聞くのがコツです。2Eかもしれないと感じる場合は、医療機関への相談もあわせて検討します。
ステップ3:学校の外の場を1つ試し、合わなければ学び方そのものを見直す
STELLAのプログラムや科学オリンピックなど、興味に合う場を1つ試してみます。学校の外で力が出せると分かれば、時間の使い方を変える通信制高校やサポート校も、現実的な候補として比べられます。転校を決めるのは、そのあとでもかまいません。


興味を深める時間を、オンラインの高校生活でつくる形もあります
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラオフ・チャット参加から始められ、全国の仲間と企業や地域と関わるプロジェクトに取り組めます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。学校外の学びとの両立も含めて、個別にご相談ください。
よくある質問
Q. ギフテッドかどうかを調べる検査はありますか?
A. 国の資料には、ギフテッドを判定する公的な基準や検査は示されていません。審議のまとめは、知能検査や学力テストが才能を見いだすのに使われてきた一方、今は制作物や発表、チェックリストなどを組み合わせて見る例もあると整理しています。発達の特性が気になる場合は、医師に相談することを検討してください。
Q. IQが高ければギフテッドと認められますか?
A. 文部科学省の有識者会議(審議のまとめ)は、特定の基準や数値で才能を定義して線を引くことはしないとしています。才能の程度も、非常に高いIQで示される突出した才能に限られないと書かれています。IQの数字を基準にした公的な定義は、確認できませんでした。
Q. 高校で飛び級や早期卒業はできますか?
A. できません。高校の修業年限は、全日制が3年、定時制・通信制が3年以上です(学校教育法第56条)。そのかわり、大学などでの学修を在籍校の単位にできる仕組みがあり、他校での単位と合わせて36単位までです(施行規則第97条〜第99条)。認めるかどうかは在籍校の校長の判断です。
Q. 飛び入学すると、高校卒業の資格はどうなりますか?
A. 飛び入学した人は高校を中途退学して大学に入るため、高校卒業にはなりません。ただ、令和4年4月から、飛び入学者を対象に高校卒業者と同等以上の学力を認定する「高等学校卒業程度認定審査」が始まっています。
Q. 通信制高校に移っても、コンテストや大学の講座に参加できますか?
A. 参加資格は大会やプログラムごとに決まっているので、各要項で確かめてください。学校外の学修を単位にするかどうかは学校ごとに違うため、転入前に通信制高校へ質問しておきましょう。高卒認定との違いも気になる場合は、高卒認定と通信制高校どっちの記事を参考にしてください。
「浮いている」と感じるのは、あなたに合う場所がまだ見つかっていないだけかもしれません
授業が退屈なこと、同級生と話がかみ合わないこと、音やルールに疲れてしまうこと。どれも、甘えやわがままとして片づけられるものではありません。国の資料も、才能や特性があるがゆえに困ることがあると認め、その困りごとを解消するところから考えようとしています。
今いる教室だけが、あなたの力を出せる場所ではありません。学校の中で頼れる仕組みを使うことも、学校の外に仲間を探すことも、学び方そのものを変えることもできます。どれを選ぶかは、一度に決めなくてかまいません。まずは困りごとを書き出すところから、一緒に始めてみませんか。
学校が合わないと感じる段階の相談から受け付けています
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