発達障害でマイペースな高校生はしつけのせい?|時間・切り替えの工夫【2026】

「朝の支度がいつまでも終わらない」「声をかけても今の作業をやめない」「家族が出かける時間になっても、自分の順番を崩さない」。高校生になってもマイペースすぎるわが子を見て、「しつけが足りなかったのでは」と自分を責めている保護者の方は少なくないと思います。

先に結論を書くと、発達障害のある高校生のマイペースさは、公的資料の説明に沿えばしつけだけの問題として片づけるものではありません。発達障害者支援法は発達障害を「脳機能の障害」と定義しており、発達障害情報・支援センターは、子どもの発達の特徴を親に伝えることで「親の育て方の問題」「子どものわがまま」という解釈を修正することになる、と説明しています(主に幼児期の子どもについての説明です)。そのうえで大切なのは、「マイペース」をひとまとめにせず、時間の感覚・切り替え・自分のペースの3つに分けて、家庭と学校の仕組みのほうを変えていくことです。

この記事は、発達障害情報・支援センター(国立障害者リハビリテーションセンター)、厚生労働省、文部科学省の資料を2026年9月27日に実際に開いて確認した内容で書いています。診断や治療の判断は扱いません。気になることがあれば、医療機関や地域の発達障害者支援センターに相談してください。なお、集団行動や順番待ちの苦手さは別のテーマなので、ここでは「時間・切り替え・自分のペース」に絞ります。

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目次

結論:発達障害の高校生の「マイペースすぎる」の早見

  • しつけ不足と決めつける必要はありません。発達障害者支援法は発達障害を「脳機能の障害」と定義し、発達障害情報・支援センターは「発達のしかたに生まれつき凸凹がある障害」と説明しています。
  • 「マイペース」は3つに分けると、打つ手が変わります。①時間の感覚(見積もりがずれる)②切り替え(今の活動をやめにくい)③自分のペース(周りの速さに合わせると崩れる)。
  • 厚生労働省の資料では、注意欠如・多動症(ADHD)の特性の例として「周囲のペースよりもエネルギッシュに様々なことに取り組む」こと、自閉スペクトラム症(ASD)の例として「見通しの立たない状況では不安が強い」ことが挙げられています。
  • 家庭で効きやすいのは、急かすより「終わりと次」を先に見せること。終わりの時刻を目に見える形にし、切り替えは予告してから求めます。
  • 一方で、発達障害情報・支援センターは「すべて本人の好き勝手にさせておく」ことも誤解として挙げています。守るペースと合わせる場面を、本人と一緒に決めます。
  • 学校には合理的配慮を相談できます。私立学校(学校法人など)も2024年4月1日から法的義務になりました。障害者手帳を持っている人に限られません。
  • 時間割そのものが合わない場合は、通信制高校など学び方の違う学校も選択肢です。オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で通信制高校の卒業をめざす方法もあります。
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「マイペースすぎる」は3つのずれに分けると、責める話から工夫の話に変わります

「マイペース」という言葉は便利ですが、中身がばらばらです。家庭で困っている場面を思い出してみると、多くは次の3つのどれかに入ります。これは医学の分類ではなく、家庭と学校で対策を考えやすくするための、この記事での分け方です。

1. 時間の感覚のずれ:「あと5分」が20分になる

出かける時刻から逆算して支度を始められない、課題にかかる時間を短く見積もってしまう、気づくと約束の時刻を過ぎている。本人は「間に合うつもり」でいることもあり、悪気があるとは限りません。叱るだけでは、次に同じ場面が来たときに同じことが起きてしまうこともあります。

2. 切り替えのずれ:今の活動をやめて、次に移れない

動画やゲーム、好きな作業に入り込むと、声をかけても手が止まらない。やっとやめても、次の行動に移るまでに時間がかかる。家族から見ると「言うことを聞かない」に見えますが、本人の中では、注意を今の活動から次へ移すところで引っかかっていることがあります。

3. 自分のペースのずれ:周りの速さに合わせると、かえって止まる

食事・入浴・勉強の順番や速さが本人の中で決まっていて、急かされると手順が崩れ、立て直すのにさらに時間がかかる。予定が急に変わると動けなくなる。周りから見ると「頑固」ですが、本人にとっては、決まった手順が安心の土台になっている場合があります。

この3つは、発達障害がなくても起きることがありますし、行動だけで発達障害かどうかを判断することはできません。大事なのは、どのずれで困っているのかによって、効く工夫がまったく違うという点です。時間の感覚のずれに「早く切り替えなさい」と言っても届きませんし、切り替えのずれに時計を見せるだけでは足りないことがあります。

切り替えのつまずきだけをもう少し知りたい場合は、発達障害の切り替えの苦手さの記事もあわせて読んでみてください。

朝の食卓で紙の予定表を一緒に見る保護者と高校生
時間の見通しを紙に書いて一緒に確かめるのも、家でできる工夫の一つです

公的資料は発達障害を「脳機能の障害」と定義し、「親の育て方の問題」という解釈を修正することの意義を説明しています

「しつけのせいではない」と言われても、根拠がないと安心できないと思います。今回、公的な資料で確認できたことを表にまとめました。

資料 書かれていること この記事での受け止め方
発達障害者支援法 第2条(厚生労働省の施策ページに掲載) 発達障害は、自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害などの「脳機能の障害」であって、症状が通常低年齢で現れるもの 法律の定義の段階で、脳機能の障害として位置づけられている
発達障害情報・支援センター「みなさんに、わかってほしいこと」 発達障害は「発達のしかたに生まれつき凸凹がある障害」。年齢とともに成長していく部分もある 凸凹は生まれつきのもの。ただし成長しない、という意味でもない
発達障害情報・支援センター「親に伝える」 子どもの発達に心配があるとき、多くの親が「自分の子育てに問題があったのではないか」と自責感に悩むことがある。専門家が発達の特徴を伝えることで「親の育て方の問題」「子どものわがまま」という解釈を修正することになる 自分を責めてしまうのは多くの親に起きること。特徴を知ることが、その見方を変える出発点になる
発達障害情報・支援センター「発達障害とは」 障害ごとの特徴は重なり合っていることが多く、年齢や環境で目立つ症状が変わる。大事なのは「その人」に目を向けること 診断名より、本人が何に困り、何が得意かを見る

出典:厚生労働省「発達障害者支援施策」/発達障害情報・支援センター「みなさんに、わかってほしいこと」/同「親に伝える」/同「発達障害とは」(いずれも2026年9月27日確認)

正確に書いておくと、「親に伝える」のページは、主に幼児期の子どもの特徴を専門家が保護者に伝える場面について書かれたものです。それでも、「育て方の問題」「わがまま」と受け止めて厳しいしつけに向かうと、子どもが苦痛を抱える可能性がある、という指摘は高校生の家庭にも通じる内容だと考えます。

厚生労働省の「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」の資料には、特性の代表例として次のような記述があります。職場で一緒に働く人向けの資料ですが、家庭でわが子を見るときの手がかりになります。

  • 自閉スペクトラム症(ASD):「見通しの立たない状況では不安が強いが、見通しが立つ時はきっちりしている」
  • 注意欠如・多動症(ADHD):「次々と周囲のものに関心を持ち、周囲のペースよりもエネルギッシュに様々なことに取り組むことが多い」

出典:厚生労働省「発達障害の特性(代表例)」(2026年9月27日確認)

「周囲のペースよりも」という言葉が、まさに家庭で見ている姿と重なる方もいると思います。また、発達障害情報・支援センターの「各障害の定義」の説明では、ADHDの多動や不注意が目立つのは一般的に学齢期で、思春期以降は目立たなくなるともいわれています。高校生になって落ち着いて見えても、時間や段取りで困っていないかは別に見ておくと、本人の困りごとを見落としにくくなります。

高校の通常の学級でも、行動面で著しい困難を示すとされた生徒は推定1.4%。ただし診断の数ではありません

「こんなに困っているのはうちの子だけでは」と感じる方のために、文部科学省の全国調査を紹介します。令和4年に、公立の小・中・高校の通常の学級を対象に行われた調査です。

学級担任等の回答から推定された割合 小学校・中学校 高等学校
学習面又は行動面で著しい困難を示す 8.8% 2.2%
行動面で著しい困難を示す 4.7% 1.4%
「不注意」又は「多動性-衝動性」の問題を著しく示す 4.0% 1.0%
うち「不注意」の問題を著しく示す 3.6% 0.9%
「対人関係やこだわり等」の問題を著しく示す 1.7% 0.5%

出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」・調査結果(概要)(2026年9月27日確認)

読むときの注意が3つあります。

  • 診断の数ではありません。学級担任等の回答に基づくもので、専門家チームの判断や医師の診断によるものではない、と文部科学省自身が明記しています。発達障害のある生徒の割合ではなく、特別な教育的支援を必要とする生徒の割合です。
  • 高校は全日制・定時制の1〜3年生が対象で、通信制は含まれていません。高校で対象になった生徒は34,565人です。
  • 高校の割合が小・中学校より低い点について、有識者会議は、入学者選抜があることや、課程・学科が多様であることとの関係を挙げ、小・中学校と高校は切り分けて考える必要があるとしています。

行動面の質問項目には、課題や活動を順序立てることの難しさや、日々の活動での忘れっぽさ、「自分なりの独特な日課や手順があり、変更や変化を嫌がる」といった内容が含まれています。この記事でいう「時間」「切り替え」「自分のペース」に近い困りごとが、全国調査の項目にも入っているということです。

もう1つ見ておきたいのは支援の状況です。高校で「学習面又は行動面で著しい困難を示す」とされた生徒のうち、通級による指導を受けているのは推定5.6%、授業中に教室内で個別の配慮・支援を受けているのは推定18.2%、個別の教育支援計画が作られているのは推定10.5%でした。困りごとがあっても、学校の支援につながっていない生徒が多いことがうかがえます。家庭から学校へ相談することには、十分な意味があります。

文部科学省の令和4年調査で、公立高校の通常の学級で行動面で著しい困難を示すとされた生徒が推定1.4%(小・中学校は4.7%)で、診断の数ではないこと、学習面又は行動面で困難とされた高校生のうち通級による指導を受けているのは推定5.6%であることを示す図
出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)」

「遅い」「やめられない」「予定が崩れると止まる」は、それぞれ効く工夫が違います

ここからは、家庭でよく見る場面ごとに、最初に試す工夫を整理します。「起きていそうなこと」は、上で紹介した公的資料にある特性の例(見通し、注意の向け方)を手がかりにした見立てで、診断ではありません。本人に聞いてみて、違っていたら本人の説明を優先してください。

家庭で見える姿 起きていそうなこと 最初に試す工夫
支度や課題が時間内に終わらない かかる時間の見積もりや、段取りがずれている 終わりの時刻を紙と時計で見える形にし、工程を短く区切る
動画・ゲーム・趣味をやめられない 今の活動から次へ注意を移すのに時間がかかる 「あと10分」と予告し、やめたあとの予定を先に伝える
急な予定変更で動けなくなる 見通しが崩れて不安が強くなっている 変更はわかった時点で早めに伝え、次に何をするかを具体的に示す
急かすほど遅くなる 自分の手順が崩れて、立て直しに時間がかかる 本人の手順を一度書き出し、合わせてほしい場面を1つに絞る
課題に手をつけず、期限の直前まで動かない どこから始めればいいかが見えていない 最初の一歩を5分でできる大きさにして、そこだけ一緒に決める

表を見るとわかるように、どの工夫も「本人を変える」より「時間や予定の見せ方を変える」ものです。うまくいかなかったら、本人のやる気の問題にせず、工夫の選び方が合っていなかったと考えて、別の行に移ってみてください。

家庭で効くのは、急かすことより「終わりと次」を先に見せることです

厚生労働省の「発達障害の特性(代表例)」には、配慮のポイントとして、自閉スペクトラム症の項目に肯定的・具体的・視覚的な伝え方(「○○をしましょう」といったシンプルな伝え方、図やイラストを使った説明など)と、手順を示したり新しく挑戦する部分を少しずつにしたりするスモールステップ、注意欠如・多動症の項目に短くはっきりとした言い方と、適応行動ができたことへのこまめな評価が挙げられています。職場向けの資料ですが、家庭での声かけを考えるときにも参考になる考え方です。3つのずれごとに、具体的な形にしてみます。

時間の感覚には:「早くして」ではなく「7時40分に玄関」

「早く」「そろそろ」は、時間の感覚がずれている人には伝わりにくいことがあります。代わりに、終わりの時刻を数字で伝えます。出発時刻から逆算した支度の順番を、本人と一緒に紙に書き出し、よく見る場所に貼っておくと、毎朝同じ説明をしなくて済みます。課題も「今日中に」ではなく「21時までに1ページ」のように、区切りの時刻と量をセットにします。

切り替えには:予告、区切り、次の行動の順に

いきなり「やめなさい」と言うと、切り替えが苦手な人ほどかえって止まってしまうことがあります。10分前に予告し、区切りのよいところ(動画1本、ステージ1つなど)を本人に選んでもらい、やめたら次に何をするかを先に伝える、という順番にすると、衝突が減りやすくなります。切り替えたあとに、すぐに好きなことへ戻れる予定が見えていると、手放しやすくなる人もいます。

自分のペースには:守る時間と合わせる時間を分ける

本人のペースを全部なくすことも、全部通すことも現実的ではありません。そこで、「ここは自分のペースでいい時間」と「ここは家族や学校に合わせる時間」を本人と分けて決めます。たとえば、朝の支度の順番は本人に任せ、玄関を出る時刻だけは守る、という分け方です。合わせる場面は最初から多くせず、1つか2つにします。

声かけは短く、できたことをその場で言葉にする

できなかったことを長く注意するより、「時間どおりに出られたね」とできたことを短く言葉にするほうが、次につながります。本人が高校生なら、うまくいった工夫を自分の言葉で説明できるようになることも大切です。それが、あとで学校に配慮をお願いするときの材料にもなります。

リビングの低いテーブルでノートに書く高校生と本を読む保護者
家での学び方も、本人のペースに合わせて一緒に工夫できます

「全部本人のペースに任せる」も「厳しく直させる」も、公的資料は勧めていません

「しつけのせいではない」と知ると、今度は「では何も言わないほうがいいのか」と迷うかもしれません。発達障害情報・支援センターは、支援方法についての誤解として「すべて本人の好き勝手にさせておく」と「有名な訓練方法を取り入れれば、それだけで治る」の両方を挙げています。発達障害では「きちんと教えてもらうこと」「きちんと止めてもらうこと」が必要な場合が多く、ただし一律のやり方ではなく、その人に合ったやり方を工夫しなければならない、という説明です。

よくある思い込み 公的資料の説明 家庭での置き換え
しつけが足りなかったから 発達障害は脳機能の障害と定義。特徴を知ることで「親の育て方の問題」という解釈を修正する 自分を責める前に、困る場面を時刻と一緒に書き出す
本人のペースに全部任せればいい 「すべて本人の好き勝手にさせておく」は誤解 守るペースと合わせる場面を、本人と決める
厳しく言えば直る 「わがまま」ととらえて厳しいしつけに向かうと、子どもが苦痛を抱える可能性がある 短く具体的に伝え、できたらその場で認める
個性だから配慮はいらない 配慮は必要がないと考えるのも行き過ぎ 学校に合理的配慮を相談する
高校生になれば自然に落ち着く 「配慮しないままでもそのうち何とかなる」は誤解。年齢とともに成長していく部分もある 困りごとが続くなら、早めに相談先につなぐ

出典:発達障害情報・支援センター「みなさんに、わかってほしいこと」/同「親に伝える」(2026年9月27日確認)

つまり、公的資料の立場は「責めない」と「放っておかない」の両立です。マイペースさを本人の人格の問題にせず、仕組みで支えながら、社会で必要な場面の合わせ方は具体的に教えていく。この2つは矛盾しません。

学校には「合理的配慮」を相談できます。私立学校も2024年4月1日から法的義務です

家庭の工夫だけでは、学校の時間割や提出期限までは変えられません。そこで使えるのが、障害者差別解消法にもとづく合理的配慮です。

文部科学省の通知によると、令和3年の法改正で、事業者による合理的配慮の提供が努力義務から法的義務に改められ、文部科学省の分野の対応指針も改正されて2024年(令和6年)4月1日から施行されています。対象の事業者には、私立学校を設置する学校法人などが含まれます。公立学校はこの指針の直接の対象ではありませんが、法に適切に対応するための参考にするよう求められており、各教育委員会には学校教育についての対応要領などを作るよう努めることが求められています。

押さえておきたいポイントは次のとおりです。

  • 対象は障害者手帳を持つ人に限られません。発達障害を含む障害があり、障害と社会的障壁によって日常生活や社会生活に継続的に相当な制限を受ける人が対象で、該当するかは個別に判断されます。
  • 本人・保護者からの「意思の表明」が出発点です。そのうえで学校と本人・保護者が「建設的対話」を通じて、実現できる対応を一緒に考えます。
  • 合意した配慮の内容は、個別の教育支援計画に明記することが重要とされ、合意したあとも状況に応じて見直せることを共通理解にするとされています。
  • 学校側が「過重な負担」と判断する場合は、理由を丁寧に説明し、代わりの方法を含めて検討することが求められています。

対応指針には、学校での配慮の具体例も載っています。時間や切り替えに関係しそうなものを抜き出しました。

困りごと 公的資料にある配慮の例 相談するときのコツ
試験が時間内に終わらない 入学試験や検定試験で、別室での受験や試験時間の延長を認める どの教科・どんな形式で時間が足りないかを具体的に伝える
意思を伝えるのに時間がかかる、人との関わりが難しい 学校生活全般で、活動時間を十分に確保したり、特性に応じて個別に対応したりする 予告があれば動ける、など家庭でうまくいった条件も伝える
落ち着かなくなって活動を続けられない 保護者から特性を聞き取ったうえで、落ち着ける個室などを提供する 落ち着くまでにかかる時間と、戻り方の目安を共有する
個別に指導を受けたい 高校でも平成30年度から通級による指導が制度化されている(文部科学省の令和4年調査の資料より) 在籍校で実施しているか、まず確認する

出典:文部科学省「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針について(通知)」(令和6年1月17日)・対応指針(別添)/文部科学省 通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(概要)(通級による指導の制度化。いずれも2026年9月27日確認)

なお、合理的配慮は教育の目的や内容の本質を変えるものではない、という線引きもあります。対応指針には、大学で卒業要件そのものを変える単位認定の要望について、支援策を示しつつ断る例が載っています。「提出期限の考え方」や「試験の受け方」は相談できても、「単位の条件をなくす」ことは難しい、と考えておくと話し合いがしやすくなります。

※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

障害者差別解消法の改正と文部科学省の対応指針により、2024年4月1日から私立学校でも合理的配慮の提供が法的義務になったこと、障害者手帳の所持者に限られないこと、本人・保護者の意思の表明と建設的対話で配慮を決めることを示す図
出典:文部科学省 対応指針について(通知)令和6年1月17日

学校を選び直すなら、「時間割の固さ」と「期限の出し方」で比べると合う形が見えます

家庭の工夫と学校の配慮を重ねても、毎日決まった時刻に始まり、授業ごとに教科が切り替わる時間割そのものが大きな負担になっている場合があります。そのときは、学び方の違う学校を選ぶことも1つの方法です。

通信制高校は、添削指導(レポート)、面接指導(スクーリング)、試験で単位を修得する仕組みで、3年以上の在籍と74単位以上の修得などで卒業できます。仕組みの全体は通信制高校とはの記事にまとめています。

文部科学省の令和7年度の実態調査では、通信制高校の生徒(正規外のコースを含む300,406人)のうち、週5日通うコースは12.5%、集中スクーリング型は28.9%、月1〜2回や自由登校などの「その他」は33.2%でした。同じ通信制でも、時間の使い方はコースによって大きく違います(出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」、2026年9月確認)。

ただし、通信制なら何でも自分のペースでよい、というわけではありません。レポートには提出期限があり、スクーリングや試験の日程は学校が決めます。時間の見積もりが苦手な人にとっては、自由度が高いぶん、期限の管理がかえって難しくなることもあります。学校を比べるときは、次の点を確かめてみてください。

  • レポートの期限は、細かく区切られているか、まとめて出す形か
  • 期限の前に、先生や担任から声をかけてもらえる仕組みがあるか
  • 授業の録画(アーカイブ)を、自分の時間に見られるか
  • スクーリングの日程は、いつ・どこで・何日間か。事前に見通しを持てるか
  • 合理的配慮の相談窓口や、個別の相談の時間があるか

発達特性のある生徒の学校選びは通信制高校 発達障害の記事で、特性ごとの注意点はADHD 通信制高校、ASD 通信制高校の記事で詳しく書いています。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも通え、担任がつきます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べる設計で、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しています。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。

ニジ高は、発達特性や障害を、本人を変えるのではなく学びの構造や環境を変えることで支援するという新しいアプローチを取っています。この記事で書いてきた「本人より仕組みを変える」という考え方と同じ方向です。一方で、診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。

オンラインでも、全国の仲間とつながり、生徒会やサークル、学園祭、企業とのコラボに参加できます。生徒が行事を企画・運営する側に回ることもあります。

そのうえで、はじめに正直にお伝えしておくことがあります。

  • ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
  • ニジ高の中でのスクーリングはありませんが、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。ニジ高は日程の調整と準備を支援しますが、スクーリングの場にスタッフは付き添いません。予定の変化に不安が強い場合は、スクーリングの形や日程を入学前の個別相談で確かめてください。
  • レポートの期限など、在籍する通信制高校の決まりはあります。「期限がまったくない学校」ではありません。
  • 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分には就学支援金を使えません。金額は学費のご案内に載せています。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 1週間、困った場面を「時間・切り替え・自分のペース」に分けてメモする。責める言葉ではなく、時刻と場面、そのとき効いた声かけだけを書きます。どのずれが多いかがわかると、家庭の工夫も学校への相談も具体的になります。
  2. 本人と「守るペース」と「合わせる場面」を1つずつ決める。最初から全部を変えようとせず、玄関を出る時刻だけ、など1つに絞ります。うまくいった工夫は、本人の言葉で書き残しておきます。
  3. 学校に合理的配慮を相談し、困りごとが続くなら専門の相談先へ。担任や特別支援教育コーディネーターにメモを見せながら相談します。発達について専門的に相談したい場合は、地域の発達障害者支援センター(発達障害情報・支援センターの一覧)や医療機関につなぎます。一覧のページでは、まずお住まいの地域を担当するセンターに問い合わせるよう案内されています。

3つとも、診断があるかどうかや、学校を変えるかどうかが決まっていなくても始められます。

面談室で先生と話す保護者と高校生
学校に配慮を頼むときは、家で効いた工夫を具体的に伝えます
オンラインで学ぶニジ高の生徒

自分のペースを守りながら、高校卒業をめざす形もあります

ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。授業のアーカイブ視聴があり、カメラオフ・チャット参加から始められます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。時間の使い方の不安も含めて、個別にご相談ください。

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よくある質問

Q. マイペースすぎるのは、発達障害だからですか?

A. 行動だけで発達障害かどうかを判断することはできません。発達障害がなくても、時間の見積もりや切り替えで困ることはあります。困りごとが長く続き、学校生活や家庭生活に影響している場合は、医療機関や地域の発達障害者支援センターに相談してみてください。

Q. 診断がないと、学校に配慮をお願いできませんか?

A. 文部科学省の対応指針では、合理的配慮の対象は障害者手帳を持っている人に限られず、個別に判断されるとされています。まずは困りごとを具体的に伝えて、学校に相談することから始められます。どのような資料が必要になるかは、学校に確認してください。

Q. 叱らないと、甘やかしになりませんか?

A. 発達障害情報・支援センターは「すべて本人の好き勝手にさせておく」ことを誤解として挙げ、教えることや止めることが必要な場合も多いと説明しています。大切なのは叱るかどうかより伝え方です。「早くして」ではなく「7時40分に玄関」のように、短く具体的に伝えるほうが届きやすくなります。

Q. 高校生になっても変わらないのは、もう手遅れということですか?

A. 手遅れではありません。発達障害情報・支援センターは、発達障害のある人も年齢とともに成長していく部分があるとし、「障害だから治らない」という先入観は成長の可能性を狭めると書いています。一方で、配慮しないままでもそのうち何とかなる、という考えも誤解とされています。高校生の今から、合う仕組みを一緒に探すことに意味があります。

Q. 通信制高校なら、マイペースでも大丈夫ですか?

A. 通信制高校は学校やコースによって通学の頻度が違い、全日制のように毎日決まった時間割で通う形ばかりではありません。ただしレポートの期限やスクーリングの日程はあるので、時間の見積もりが苦手な人ほど、期限を管理する支援があるかどうかを確かめて選ぶことをおすすめします。

「マイペース」は直す対象より、守り方を一緒に決める対象です

マイペースすぎるわが子を前に、「自分の育て方が悪かった」と思ってしまうのは、多くの保護者に起きることです。公的な資料は、子どもの発達の特徴を知ることが、その見方を修正し、よりよい支援を始める出発点になると説明しています。

時間の感覚、切り替え、自分のペース。どこでつまずいているかがわかれば、責める言葉は、見通しを渡す工夫に置き換えられます。本人のペースを守る時間と、周りに合わせる時間を、高校生の本人と一緒に少しずつ決めていくことができます。

今の学校の時間割がどうしても合わないときは、学び方そのものを選び直す道もあります。どれにするかを決める前の段階の相談からでも、気軽に声をかけてください。

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わが子のペースに合う学び方の相談から受け付けています

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

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