夏休みにゲームばかりの中学生に、親ができる5つの関わり方
夏休みに入ってから、朝から晩までゲームばかりしている中学生のお子さんの姿に、頭を悩ませている保護者の方は多いのではないでしょうか。「注意しても聞かない」「取り上げたら大げんかになった」「このままで大丈夫なのか」と、不安や苛立ちを感じることもあるでしょう。この記事では、夏休みにゲームの時間が増える中学生について、やめられない理由と、親の関わり方を整理しました。叱って解決しようとするのではなく、お子さんの気持ちを理解し、一緒に考えるためのヒントとして、参考にしてください。
ゲームばかりの夏休み
5つの関わり方
1. ゲームをする理由を知ろうとする
お子さんがゲームに没頭している背景には、さまざまな理由があります。純粋に楽しい、友達とオンラインで会える、ゲームの中で役割や達成感を得られる、現実のつらさから離れられる、暇をつぶしたい、などです。理由が違えば、必要な関わり方も変わります。まずは、「何が面白いの?」と興味を持って聞いてみましょう。お子さんが話してくれたとき、否定せず、耳を傾ける姿勢が、信頼関係を築く第一歩になります。
2. 頭ごなしに叱らない
「いつまでゲームしてるの」「勉強しなさい」と、強い口調で叱ると、お子さんは反発したり、隠れてゲームをしたりするようになることがあります。心配する気持ちは自然ですが、感情的に叱るほど、お子さんは心を閉ざし、話し合いが難しくなります。伝えたいことは、落ち着いた口調で、短く、具体的に伝えるよう心がけてください。「夜遅くまで起きていると、朝がつらくなるのが心配なんだ」と、自分の気持ちとして伝える言い方が、受け入れられやすくなります。
3. 一緒にルールを決める
ゲームのルールは、保護者が一方的に決めるよりも、お子さんと話し合って決めたほうが、守られやすい傾向があります。ゲームをする時間帯、1日の合計時間、やる場所、ゲームの前にやるべきこと(食事、入浴、宿題など)、守れなかったときの対応などを、お子さんの意見も聞きながら決めましょう。決めたルールは、紙に書いて見える場所に貼ると、お互いに確認しやすくなります。最初から完璧を目指さず、様子を見ながら、見直していく柔軟さも大切です。
4. ほかの選択肢を用意する
ゲームの時間を減らしたいときは、禁止するだけでなく、ほかの選択肢を用意しておくことも効果的です。外出、スポーツ、料理、工作、読書、家族でのボードゲームなど、お子さんが興味を持てそうな活動を、押しつけにならない形で提案してみましょう。ゲームの内容に関連する話題から、広げていく方法もあります。たとえば、ゲームの舞台となる土地や歴史に興味を持つきっかけになることもあります。
5. 困ったときは専門機関に相談する
ゲームの時間が極端に長く、睡眠や食事、学校生活などに大きな支障が出ている場合や、やめようとしてもやめられない状態が続く場合は、専門機関に相談することも検討してください。学校のスクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口、児童精神科など、相談できる場所があります。早めに相談することで、状況の悪化を防ぎやすくなります。
ゲームをやめられない理由を、整理してみる
ゲームの時間が長くなる背景には、いくつかの心理や環境が関わっています。理由を知ることで、お子さんを責める気持ちが和らぎ、適切な関わり方が見えてきます。
ゲームの設計が、続けたくなる仕組みになっている
多くのゲームは、達成感や報酬を適度に与え、続けたくなる工夫がされています。レベルアップ、アイテムの獲得、ランキング、デイリーミッションなど、「あと少しだけ」と思わせる仕組みが組み込まれています。意志が弱いからやめられないのではなく、そもそもやめにくい設計であることを、理解しておくことが大切です。
友達とのつながりの場になっている
オンラインゲームは、友達と会話をしたり、協力したりする、大切な交流の場になっていることがあります。中学生にとって、友達との関係は大きな意味を持ち、ゲームを途中でやめると、仲間に迷惑がかかる、輪から外れてしまうという不安から、やめにくくなる場合もあります。
現実の疲れや不安から離れられる
学校でのストレス、勉強のプレッシャー、人間関係の悩みなど、現実のつらさから離れる手段として、ゲームを使っている場合もあります。この場合、ゲームを取り上げることは、安心できる居場所を奪うことにもなりかねません。ゲームの時間が増えた時期と、お子さんの気持ちの変化が重なっていないかを、見守ってみてください。
暇で、ほかにやることがない
夏休みは、時間がたっぷりある一方で、部活や習い事が少なく、友達とも会いにくくなります。ほかにやることが見つからず、ゲームに時間が流れていく、という状況も多く見られます。単に「暇だから」という理由であれば、ほかの活動を用意することで、自然とバランスが整うこともあります。
得意なこと・自信の源になっている
ゲームの中では、上手にできる、仲間から頼られる、認めてもらえるといった経験を得られる子もいます。現実で自信を持ちにくい時期には、ゲームが自己肯定感を保つ場になっていることもあります。ゲームの実力を、頭ごなしに否定せず、認めるところから関わると、会話が深まります。
避けたい関わり方と、望ましい関わり方
保護者の関わり方によって、お子さんのゲームとの向き合い方も変わります。つい取ってしまいがちな対応と、より良い対応を比べてみましょう。
ゲームをめぐる
関わり方の違い
| 場面 | 避けたい対応 | 望ましい対応 |
|---|---|---|
| ゲームが長いとき | 「いつまでやるの」と叱る | 「そろそろ区切りはどこ?」と聞く |
| ルールを決めるとき | 一方的に決めて押しつける | お子さんの意見も聞いて話し合う |
| 守れなかったとき | 即座に取り上げる | 理由を聞き、ルールを見直す |
| ゲームの話題 | 「くだらない」と否定する | 「どんなゲーム?」と興味を示す |
| ほかの活動の提案 | 無理やりやらせる | 選択肢を示して本人に選んでもらう |
「やめさせる」より「一緒に考える」
ゲームの時間を減らすことが目的のように見えても、本当に大切なのは、お子さんが自分で時間をコントロールできる力を育てることです。保護者が管理し続けるのではなく、お子さん自身が考え、調整できる経験を積んでいくことが、長期的には役立ちます。
保護者もゲームのことを知る
お子さんがどんなゲームをしているのか、どんな仕組みなのかを、保護者の方も知っておくと、会話しやすくなります。一緒にプレイしてみる、見せてもらう、ゲームの話を聞くなど、興味を持つ姿勢が、お子さんの安心につながります。ただし、監視のように受け取られないよう、あくまで対等な関心として関わることが大切です。
課金や安全面のルールも決めておく
オンラインゲームでは、課金や、知らない人とのやりとりに関するトラブルも起こり得ます。課金の上限、知らない人とのやりとりのルール、困ったときの相談の仕方などを、事前に話し合っておくと安心です。使用するアカウントの管理や、年齢に応じた設定の確認も、役立ちます。
家族全体のスマホ・ゲームの使い方を見直す
お子さんだけにルールを課すのではなく、家族全体で、スマホやゲームの使い方を見直すことも有効です。食事中は使わない、夜は居間に置くなど、家族共通のルールをつくると、お子さんも納得しやすくなります。保護者の方が、自分の使い方を振り返ることも大切です。

ルールづくりの具体的な進め方
ルールを決めるときは、話し合いの進め方も大切です。お子さんが納得し、守ろうと思える形で進めるための手順を紹介します。
話し合いのタイミングを選ぶ
ゲームの最中や、叱った直後は、話し合いに適しません。お互いに落ち着いている時間、たとえば食後や休日の昼間などに、「ゲームのことで少し話したいんだけど」と、前もって声をかけてから始めましょう。急に切り出すより、心の準備ができるため、冷静に話しやすくなります。
まず、お子さんの意見を聞く
最初に保護者の意見を伝えるのではなく、「今のゲームの時間について、どう思う?」とお子さんに聞いてみてください。自分でも長すぎると感じているかもしれませんし、やめたい気持ちを持っているかもしれません。お子さんの意見を尊重する姿勢が、話し合いを前向きなものにします。
保護者の気持ちも率直に伝える
お子さんの意見を聞いたうえで、保護者の方が心配していることも、率直に伝えましょう。「睡眠が足りなくなるのが心配」「体を動かす時間が減るのが気になる」など、具体的な理由を添えると、お子さんも理解しやすくなります。
お互いが納得できる着地点を探す
保護者の希望と、お子さんの希望が違うときは、歩み寄れる点を探します。「平日は2時間、休日は3時間」「夜10時以降はやらない」など、具体的な数字や時間帯で決めると、守りやすくなります。決めた内容は、紙に書いて、お互いが見られる場所に貼っておくとよいでしょう。
試す期間を決めて、見直す
一度決めたルールを、ずっと続ける必要はありません。「まず1週間やってみて、また話し合おう」と、試す期間を決めておくと、お子さんも気楽に取り組めます。うまくいかなかった点を一緒に振り返り、調整していくことで、ルールがお子さん自身のものになっていきます。
守れたときは認める
ルールを守れたときは、「約束を守ってくれてありがとう」と、言葉で認めましょう。守れなかったことばかりを指摘するのではなく、守れたことに目を向けることが、続ける力になります。

ゲーム以外の時間を、豊かにする工夫
ゲームの時間を減らすには、ほかの時間が充実していることも大切です。無理に誘うのではなく、自然と興味が向くような環境づくりを意識してみましょう。
体を動かす機会をつくる
散歩、サイクリング、プール、キャッチボールなど、体を動かす機会は、気分転換や睡眠の質の向上にもつながります。保護者の方が一緒に参加するなど、誘いやすい形を工夫してみてください。お子さんが好きなゲームの要素を取り入れた運動(体感型ゲームなど)から始めるのも、ひとつの方法です。
家族で楽しめる時間を持つ
ボードゲーム、料理、映画鑑賞、旅行など、家族で一緒に楽しめる活動は、会話のきっかけにもなります。ゲームを敵視せず、家族で一緒にゲームを楽しむ時間を持つのもよい方法です。
興味を広げる体験をすすめる
お子さんの興味に合わせて、プログラミング、イラスト、動画編集、音楽、工作など、ゲームに近い興味を、別の活動につなげていく方法もあります。ゲームの世界観や、キャラクターが好きなら、絵を描く、物語を書くといった創作活動に発展することもあります。
友達と会う機会を後押しする
オンラインだけでなく、実際に友達と会って遊ぶ機会をつくることも大切です。ただし、無理に誘うのではなく、お子さんの気持ちを聞きながら、会いやすい環境を整える程度にとどめます。
進路や将来への興味を広げる
夏休みは、高校の説明会やオープンスクールの時期でもあります。進路に関する情報に触れることで、将来に向けた興味が広がることもあります。通信制高校のように、学び方や時間の使い方を柔軟に選べる学校もあることを、知っておくだけでも、保護者の方の安心感につながります。

ゲームの時間が増えたときのサインと、見守りのポイント
ゲームの時間が増えたとき、特に気をつけて見守りたいサインがあります。これらのサインが続く場合は、背景に別の悩みが隠れていないか、見つめ直してみましょう。
睡眠や食事が乱れている
夜中まで起きている、食事を抜く、体調をくずしやすいといった様子が続く場合は、生活リズムが大きく乱れているサインです。早めに生活全体を見直す必要があります。
家族や友達との会話が減った
以前は話していた家族や友達との会話が、極端に減った場合は、人間関係に何か問題が起きていないか、気にかけてみましょう。
ゲームができないと強いイライラが出る
ゲームを中断されたり、できなかったりしたときに、激しく怒る、物にあたるなど、感情の起伏が極端な場合は、専門機関への相談を検討するタイミングかもしれません。
学校や習い事への意欲が低下している
夏休み前は楽しめていた活動への意欲がなくなってきた、登校に強い抵抗を示すなどの変化がある場合は、ゲームが背景ではなく、結果として時間が増えている可能性もあります。お子さんの気持ちに、耳を傾けてください。
保護者自身の気持ちとの付き合い方
お子さんのゲームの時間が気になると、保護者の方自身も、イライラや不安を強く感じることがあります。その気持ちを抱えたまま関わると、つい強い言葉が出てしまうこともあります。保護者の方自身の気持ちを整えることも、大切な関わり方のひとつです。
不安の正体を見つめる
ゲームの時間が長いことが気になる背景には、「将来が心配」「勉強が遅れる」「周りと比べて不安」など、さまざまな思いがあります。何が一番不安なのかを、言葉にして整理してみると、気持ちが落ち着きやすくなります。
他の家庭と比べすぎない
SNSや周囲の話で、よその家庭の様子を耳にすると、焦りを感じることがあります。しかし、家庭ごとに状況は異なり、お子さんの性格や特性も一人ひとり違います。比べるよりも、ご家庭に合ったペースを大切にしてください。
頼れる人・場所を持つ
パートナー、友人、学校の先生、スクールカウンセラー、自治体の相談窓口など、悩みを話せる相手がいると、気持ちが楽になります。同じ悩みを持つ保護者との交流も、励みになることがあります。
小さな変化を見逃さない
ルールが守れた日、ゲームを自分から止められた日、ほかの活動に興味を示した日など、小さな変化に目を向けて、お子さんの努力を認めてあげてください。その積み重ねが、親子関係を温かく保つ力になります。
夏休みのゲームの時間をめぐる悩みは、叱って解決するよりも、理由を理解し、一緒に考えることで、少しずつ和らいでいきます。焦らず、お子さんとの関係を大切にしながら、できることから取り組んでみてください。

2学期に向けて、ゲームとの付き合い方を整える
夏休みが終わりに近づくと、ゲームの時間をどう調整するかが、新たな課題になります。休み明けに向けて、無理なく切り替えるための工夫を考えておきましょう。
休み明けの生活リズムを見据える
夏休み中に夜更かしが続いていた場合、休み明けの数日前から、就寝時間と起床時間を少しずつ戻していくと、スムーズに切り替えやすくなります。ゲームをする時間帯も、夕方までにする、夜は早めに切り上げるなど、徐々に調整しておきましょう。
学校が始まってからのルールを決める
学校が始まると、宿題、部活、塾、友達付き合いなど、時間の使い方が変わります。夏休みのルールをそのまま続けるのではなく、2学期用のルールを、あらためて話し合っておくと安心です。平日と休日で時間を変える、宿題が終わってからにするなど、生活に合わせて調整します。
登校に不安があるときは、ゲームを責めない
休み明けに、登校への不安が強くなっているとき、ゲームの時間が増えることがあります。この場合は、ゲームを減らすことより、不安の背景に目を向けることが優先です。学校の先生やスクールカウンセラーに相談し、お子さんが安心して過ごせる方法を探してください。
学び方の選択肢を広げておく
学校生活が合わず、長く登校しづらい状態が続く場合に備えて、通信制高校や、オンライン学習など、学び方の選択肢を知っておくことも、ひとつの備えになります。選択肢があることを知っているだけで、保護者の方の気持ちにも、お子さんの気持ちにも、余裕が生まれます。
ゲームの経験を、次の学びにつなげる
ゲームを通して身についた力、たとえば、集中力、戦略を考える力、仲間と協力する力などは、現実の場面でも活かせる可能性があります。お子さんの強みとして認めつつ、その力を別の活動にも発揮できるよう、さりげなく後押ししてみてください。ゲームの話を通じて、お子さんの考え方や価値観を知ることは、親子の信頼関係を深める機会にもなります。
ニジ高(NIJIN高等学院)ができること
NIJIN高等学院は、オンラインを中心に、一人ひとりのペースに合わせて学べる通信制サポート校です。「何から始めればよいか分からない」「まずは話を聞いてみたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。個別相談や、資料請求から、まずは情報を集めることもできます。
よくある質問
一方的に取り上げると、反発や隠れて使う原因になることがあります。本人と話し合い、納得できるルールを一緒に決めるほうが、続きやすいと言われています。
一律の基準はなく、睡眠・食事・学習・対人関係に影響が出ていないかが目安になります。お子さんの様子を総合的に見てください。
生活に大きな支障が出ている、やめようとしてもやめられない状態が続くなどの場合は、専門機関への相談を検討してください。
ルールが厳しすぎたり、本人が納得していなかったりする場合があります。見直しながら、少しずつ調整してください。
無理に禁止するのではなく、本人が興味を持てる活動を、選択肢として用意しておく方法があります。

まとめ
- 夏休みにゲームの時間が増えるのは、多くの家庭で見られる現象
- やめられない背景には、楽しさ・安心・つながりなど複数の理由がある
- 頭ごなしに禁止せず、本人と一緒にルールを決める
- 生活への支障が大きい場合は、専門機関への相談も選択肢
ゲームの時間をめぐる悩みは、叱るよりも、理由を理解し、一緒にルールを考える姿勢で和らいでいきます。焦らず、お子さんとの関係を大切にしながら進めてください。
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執筆者:ニジ高編集部 2026年10月21日更新
参考文献
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について」(本人のペースを尊重する支援の考え方)
- お住まいの自治体の教育支援センター・教育委員会・保健センターの相談窓口
- 厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570-064-556)・「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)



