通信制高校から理系の大学へ進めるのか。数学Ⅲや物理・化学の授業はあるのか。理系に進みたい気持ちがあるほど、そこが気になって学校選びが止まってしまうと思います。
先に結論を書きます。通信制高校を卒業すれば、理系の大学も全日制と同じ資格で受験できます。ただし、数学Ⅲ・物理・化学は「卒業に要らない選択科目」なので、在籍する学校がそれを開講しているか、何年次に取れるかは学校ごとに違います。理系をめざすなら、学校を選ぶ段階でここを確かめることが一番の分かれ目になります。
この記事は、大学入試センターの令和9年度大学入学共通テストの出題科目、東京大学と名古屋大学の令和9年度入学者選抜要項、高等学校学習指導要領の標準単位数と通信制の添削指導・面接指導の標準、文部科学省のガイドライン、学校教育法施行規則(e-Gov)を実際に開いて確認した内容でできています。確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。
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結論:通信制高校から理系大学への早見
- 受験資格は全日制と同じです。通信制高校の卒業は高等学校の卒業なので、国公立・私立どちらの理系学部も受けられます。
- 卒業に必要な数学は数学Ⅰだけ、理科は基礎科目を中心に2〜3科目です。数学Ⅲ・物理・化学は選択科目で、開講や履修の時期は学校ごとに違います。
- 令和9年度の共通テストに数学Ⅲは出ません。理系が使うのは『数学Ⅱ,数学B,数学C』と、『物理』『化学』などの理科です。
- 国立大学の2次試験には数学Ⅲが入ります。東京大学の理科各類と名古屋大学の工学部は、どちらも数学Ⅰ〜Ⅲ・A・B・Cを課しています。名古屋大学の工学部は物理と化学の両方が必要です。
- 通信制の理科はスクーリングが多めです。面接指導の標準は1単位あたり4単位時間で、数学の4倍。物理基礎・物理・化学基礎・化学を全部取ると、標準で48単位時間になります。
- 在籍校に開講が無くても、他の高校で取った単位を校長が認めれば卒業単位に入ります(学外の学修と合わせて36単位まで)。受験用の学力は、単位とは別に塾や映像授業で足す方法もあります。
- オンライン中心のサポート校(ニジ高など)を使う場合も、履修できる科目を決めるのは在籍する通信制高校です。入学前に科目の一覧を確かめてください。
「通信制だから理系は無理」ではありません。ただし、卒業の科目と入試の科目は別物です
通信制高校は、学校教育法で高等学校に置かれる「通信制の課程」です。卒業すれば全日制・定時制と同じ高等学校の卒業になり、大学の受験資格も同じです。理系だから通信制は受けられない、という制度上の壁はありません。
壁があるのは別のところです。高校の卒業に必要なのは、学習指導要領で決められた必履修科目を含めて74単位以上を修得することです。一方、理系の大学入試は、数学Ⅱ・B・C、数学Ⅲ、物理や化学といった、必履修ではない科目を中心に出題されます。
全日制の普通科では、2年生ごろに文系・理系に分かれ、理系のクラスの時間割に数学Ⅲや物理・化学が組み込まれている学校があります。通信制高校のうち、生徒が自分で科目を選んで履修登録する学校では、「卒業はできるけれど、理系の受験に要る科目が学べない」という組み立てにもなりえます。ここが、通信制から理系を考える人が最初に知っておきたい点です。
もう1つ、通信制の卒業者で大学・短大に進んだ人は28.6%(文部科学省「学校基本調査」令和7年度)で、令和6年度間の卒業者では26,301人が大学・短大などへ進んでいます。進学の全体像や入試方式ごとの向き不向きは、通信制高校から大学進学の記事にまとめています。この記事は、理系に絞って「科目をどう揃えるか」を扱います。
令和9年度の共通テストに数学Ⅲは出ません。理系が使うのは数学②と『物理』『化学』などです
まず、大学入試センターが公表している令和9年度(2027年1月実施)の大学入学共通テストの出題科目のうち、理系に関わる部分を並べます。
| 教科 | 出題科目 | 出題範囲・選び方 | 試験時間(配点) |
|---|---|---|---|
| 数学① | 『数学Ⅰ,数学A』か『数学Ⅰ』 | 1つを選ぶ。数学Aは図形の性質、場合の数と確率 | 70分(100点) |
| 数学② | 『数学Ⅱ,数学B,数学C』 | 数列・統計的な推測・ベクトル・平面上の曲線と複素数平面の4項目から3項目を選ぶ | 70分(100点) |
| 理科 | 『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』『物理』『化学』『生物』『地学』 | 5つから最大2科目。基礎の科目は4つの範囲から2つを選ぶ | 1科目60分・2科目130分 |
| 情報 | 『情報Ⅰ』 | 情報Ⅰ | 60分(100点) |
出典:大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等」(2026年9月確認)
表から分かることは3つあります。
- 数学Ⅲは共通テストの範囲に入っていません。数学Ⅲが問われるのは、主に国公立大学の2次試験(個別学力検査)や私立大学の独自試験です。
- 数学②を受けるには、数学Ⅱ・B・Cの3つを学んでおく必要があります。どれも必履修ではない選択科目です。
- 理科は、基礎の科目と『物理』『化学』などを分けて出題します。次の節で確かめた2大学の理系学部は、どれも基礎ではない『物理』『化学』などを指定していました。
令和9年度の本試験は2027年1月16日・17日です。出願はWebで、期間は2026年9月15日から10月2日まで、検定料は3教科以上で18,000円です(大学入試センター 令和9年度試験・同実施要項)。通信制の生徒が自分で出願するときの注意は、共通テスト 出願 通信制の記事で書いています。

国立大学の2次試験では数学Ⅲと「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」が並びます(2大学の要項で確認)
次に、国立大学の理系学部が実際に何を課しているかを、令和9年度(2027年4月入学)の入学者選抜要項で確かめました。今回開いたのは、2026年7月に公表された東京大学と名古屋大学の要項です。
| 大学・学部(前期日程) | 共通テストの理科 | 2次試験の数学 | 2次試験の理科 |
|---|---|---|---|
| 東京大学 理科一類・二類・三類 | 『物理』『化学』『生物』『地学』から2 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C | 「物理基礎・物理」など4科目から2 |
| 名古屋大学 工学部(全学科) | 『物理』と『化学』 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C | 「物理基礎・物理」と「化学基礎・化学」 |
| 名古屋大学 農学部 | 『物理』『化学』『生物』『地学』から2 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C | 物理・化学・生物(各基礎を含む)から2 |
出典:東京大学「令和9(2027)年度 東京大学入学者選抜要項」/名古屋大学「令和9年度 入学者選抜要項」(どちらも2026年7月公表・2026年9月確認)
要項の注には、出題範囲も書かれています。東京大学の理科各類は、数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Aを全範囲から、数学Bは「数列」「統計的な推測」、数学Cは「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」から出題するとしています。名古屋大学の工学部・理学部・農学部なども、数学Ⅰ・A・Ⅱ・Ⅲを全範囲から出題します。「物理基礎・物理」は、物理基礎と物理の全範囲です。
配点も見ておきます。名古屋大学の工学部は、共通テスト635点に対して2次試験が1,300点(数学500・理科500・外国語300)です。東京大学は、共通テストを110点に換算し、2次試験440点と合わせた550点満点で判定します。国立大学の理系では、2次試験の数学・理科の比重が大きいことが分かります。
ここから言えるのは、国立大学の理系を考えるなら、数学Ⅲと、物理・化学(または生物)の基礎ではない科目まで学ぶ必要があるということです。どの科目を何科目課すかは大学・学部・日程ごとに違うので、志望校が決まったら、その大学の最新の要項で確かめてください。私立大学の理工系は、方式ごとに科目の組み合わせが多いため、今回は一覧にしていません。

卒業に必要なのは数学Ⅰと理科2〜3科目だけ。数学Ⅲ・物理・化学は「取らなくても卒業できる」科目です
では、高校の卒業には何が必要なのか。平成30年告示の高等学校学習指導要領が定める標準単位数と必履修科目を、数学と理科だけ抜き出しました。
| 教科 | 科目 | 標準単位数 | 卒業に必要か |
|---|---|---|---|
| 数学 | 数学Ⅰ | 3 | 必履修(2単位まで減らせる) |
| 数学 | 数学Ⅱ/数学A/数学B/数学C | 4/2/2/2 | 選択 |
| 数学 | 数学Ⅲ | 3 | 選択 |
| 理科 | 科学と人間生活 | 2 | 「科学と人間生活」を含む2科目、または基礎の科目を3科目 |
| 理科 | 物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎 | 各2 | 上の組み合わせの中で選ぶ |
| 理科 | 物理/化学/生物/地学 | 各4 | 選択 |
出典:文部科学省「平成30年改訂 高等学校学習指導要領 各学科に共通する教科・科目等及び標準単位数」(2026年9月確認)
つまり、数学は数学Ⅰだけ、理科は「科学と人間生活」ともう1科目だけでも卒業の条件は満たせます。物理基礎や化学基礎は必履修の選び方の1つとして取ることもできますが、『物理』『化学』(各4単位)と数学Ⅲは、学校が開講し、生徒が選ばなければ学ばないまま卒業します。
理系の受験に要る科目をすべて取るとどうなるか、計算してみます。数学は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・Cで合計16単位、理科は物理基礎・物理・化学基礎・化学で合計12単位。数学と理科だけで28単位になり、卒業に必要な74単位の4割近くを占めます。国語・英語・地理歴史・公民・保健体育・情報などの必履修と合わせて、3年間でこれを無理なく組めるかどうかが、通信制で理系をめざすときの設計の中心です。
通信制高校の卒業単位の数え方や、74単位の中身は通信制高校 卒業 単位数の記事で詳しく書いています。
通信制の理科はスクーリングが数学の4倍。物理・化学を取ると面接指導は標準で48単位時間です
通信制高校では、単位を「添削指導(レポート)」「面接指導(スクーリング)」「試験」で修得します。学習指導要領は、1単位あたりの添削指導の回数と面接指導の時間(1単位時間=50分)の標準を、教科ごとに決めています。
| 科目(標準単位数) | 添削指導の標準 | 面接指導の標準 | メモ |
|---|---|---|---|
| 数学Ⅰ〜Ⅲ・A〜C(計16単位) | 1単位3回→48回 | 1単位1単位時間→16単位時間 | 数学・国語・地歴・公民は同じ標準 |
| 物理基礎+物理(計6単位) | 1単位3回→18回 | 1単位4単位時間→24単位時間 | 理科は面接指導が数学の4倍 |
| 化学基礎+化学(計6単位) | 1単位3回→18回 | 1単位4単位時間→24単位時間 | 同上 |
| 合計(28単位) | 84回 | 64単位時間(約53時間) | 標準どおりに計算した場合 |
出典:文部科学省「通信制高校に関する関係法令等(抜粋)」(高等学校学習指導要領 第1章第2款5「通信制の課程における教育課程の特例」を含む。2026年9月確認)。回数・時間は標準からの計算で、実際の数は学校ごとに違います。
ポイントは、理科の面接指導の標準が1単位あたり4単位時間で、数学(1単位時間)の4倍に設定されていることです。物理と化学を基礎から全部取ると、理科だけで標準48単位時間、50分に直すと40時間になります。
ただし、学習指導要領には、ラジオ・テレビ・インターネットなどのメディアを使った学習を計画的に取り入れ、報告課題などで成果が認められれば、面接指導の時間数の10分の6以内を免除できるという規定もあります(生徒の実態から特に必要な場合は、複数のメディアを使って合わせて10分の8まで)。映像授業の多い学校では、実際に登校する時間は表より少なくなることがあります。どこまで免除しているかは学校の教育課程で決まるため、「理科のスクーリングは年に何日、どこで行うか」を個別に確かめるのが確実です。
※2026年9月時点の情報です。最新は文部科学省・大学入試センター・各大学の公式ページでご確認ください。

実験は家では完結しません。国のガイドラインは、スクーリング会場に実験の設備を求めています
「通信制だと理科の実験はどうするのか」という疑問もよく聞きます。制度の上では、実験は主にスクーリング(面接指導)の中で行うものという位置づけです。
文部科学省の「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」は、通信制高校の本校に、教育課程に定めた科目の面接指導に必要な実験・実習のための施設と設備を備えることを求めています。さらに、本校以外でスクーリングを行う「面接指導等実施施設」についても、理科などでの観察・実験や実習が十分にできるよう、本校と同じように施設・設備を確保することとしています(文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」令和5年2月一部改訂・2026年9月確認)。
これを、学校選びの目線に置き直すと、次の3つを確かめることになります。
- 物理・化学のスクーリングを、どの会場で行うか。本校だけなのか、近くの会場でも受けられるのか。
- 実験がある日は、年に何日で、何年次か。集中スクーリング型の学校では、数日間にまとめて行うことがあります。
- 実験の内容を、レポートでどう扱うか。実験の結果や考察を書く課題があるかどうか。
文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」では、通学頻度別のコースの生徒のうち、集中スクーリング型が28.9%、月1〜2回や自由登校などの「その他」が33.2%でした。登校の少ないコースを選ぶほど、理科のスクーリングがどこにまとまっているかを先に知っておく意味は大きくなります。
入試との関係でいえば、名古屋大学の要項にある2次試験の出題方針では、化学で「観察・実験の目的と試薬・器具・条件・手順などとの関連を理解する力」を評価するとしています。物理についても、観察・実験を通じて原理・法則の理解を深めることを前提にしています。スクーリングでの実験を「単位のための作業」で終わらせないほうが、受験の理解にもつながります。
見落としやすいのは「数学Ⅲの開講」と「物理・化学を取れる学年」。高3の後半では準備と重なります
理系を考えている人が通信制高校を選ぶときに、見落としやすい点をまとめます。どれも学校の良し悪しではなく、自分の進路と教育課程が合っているかの問題です。
- 「進学コース」があっても、数学Ⅲが開講されているとは限りません。コース名ではなく、開講科目の一覧で確かめます。
- 物理・化学が「開講」されていても、取れるのが3年次だけのことがあります。共通テストの出願は高3の9月から10月、国立大学の2次試験は2月下旬です。3年次の後半にレポートとスクーリングが集中すると、受験の準備と重なります。
- 1年に履修登録できる単位数に上限を決めていないかも確かめます。上限があると、理系の科目を早めに取りたくても後ろにずれることがあります。
- 転入の場合、前の高校で取った単位は引き継げますが、転入先で続きの科目が開講されているかは別です。たとえば前の高校で物理基礎を取っていても、転入先に『物理』が無いことがあります。
- サポート校や学習センターの授業と、在籍する通信制高校の単位は別物です。サポート校で数学Ⅲの受験対策をしても、在籍校で数学Ⅲの単位を取ったことにはなりません。
特に5つ目は誤解が多いところです。調査書に載るのは、在籍する高校(と、校長が認めた学修)で修得した単位です。総合型選抜や学校推薦型選抜では調査書が主な資料になるため、理系の学部に出すなら、数学・理科の履修の記録がどう載るかを先に確かめておくと安心です。

入学前・転入前に、学校へ確かめたい7つの質問
説明会や個別相談で聞くときは、「理系に行けますか」と聞くより、次のように事実で答えられる形にすると、学校ごとの違いがはっきりします。
| 聞くこと | なぜ聞くか | 確かめたい答えの形 |
|---|---|---|
| 1. 数学Ⅱ・B・Cと数学Ⅲは開講していますか | 共通テストと2次試験の範囲 | 開講科目の一覧で確認 |
| 2. 『物理』『化学』(基礎ではない方)は開講していますか | 国立大学の理系で指定が多い | 科目名と単位数 |
| 3. それぞれ何年次から履修できますか | 高3後半の負担を避ける | 年次と年間の上限単位数 |
| 4. 理科のスクーリングは、どの会場で年に何日ですか | 実験の場所と通える距離 | 会場名・日数・時期 |
| 5. 開講が無い科目を、他校の単位で補えますか | 施行規則97条の扱いは校長の判断 | 認める場合の手続き |
| 6. 理系の大学に進んだ卒業生の学部はどこですか | 実績の中身を見る | 学部名と人数の内訳 |
| 7. 受験の指導は誰がどの科目を担当しますか | 数学Ⅲ・物理の質問先 | 担当者と方法(対面・オンライン) |
6つ目の合格実績は、合格者の延べ人数だけでは中身が分かりません。見方は通信制高校の大学進学実績の記事で整理しています。
足りない科目は「在籍校で取る」「他校の単位を認めてもらう」「単位とは別に学ぶ」の3段で補います
在籍している学校、または入りたい学校に、数学Ⅲや『物理』『化学』が無かった場合の補い方を、制度の上で整理します。
| 補い方 | 卒業の単位になるか | 根拠・注意 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 在籍校のコース・科目を変える | なる | 同じ学校の中で理系の科目を取れる教育課程に移る | 在籍校に開講がある人 |
| 他の高校で一部の科目の単位を取る | 校長が認めればなる | 学校教育法施行規則97条。他校側の許可も要る | 在籍校に開講が無い人 |
| 大学の講座・検定など学外の学修 | 校長が認めればなる | 同98条。97条と合わせて36単位まで | 学外で学ぶ機会がある人 |
| 塾・予備校・映像授業・独学 | ならない | 受験の学力は付くが、調査書の履修は増えない | 単位は足りていて受験対策をしたい人 |
出典:学校教育法施行規則 第97条〜第99条(e-Gov・2026年9月確認)
学校教育法施行規則97条は、校長が教育上有益と認めるときに、他の高校で修得した一部の科目の単位を、卒業に必要な単位に加えられると定めています。同じ学校の全日制・定時制・通信制の間の併修にも準用されます。98条は、大学などでの学修を単位にできる規定で、99条が97条と98条の合計を36単位までと定めています。どちらも「できる」規定なので、認めるかどうか、どの学校のどの科目なら認めるかは在籍校の判断です。
最後の「単位とは別に学ぶ」方法は、一般選抜で学力検査の点を取るためには十分に意味があります。ただし、国立大学の理系を一般選抜で受けるなら、数学Ⅲと物理・化学を独学だけで仕上げるのは負担が大きいことも事実です。予備校・映像授業・個別指導・独学をどう組み合わせるか、1週間の中でレポートと受験勉強をどう分けるかは、通信制高校 勉強 物足りないの記事で詳しく書いています。
転入を考えている場合は、前の高校で取った数学・理科の単位は、転入先に引き継げます。単位修得証明書で、どの科目をすでに修得しているかを確かめてから、転入先の開講科目と照らし合わせると、残りの科目と年数が見えてきます。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
ここまで読んで、「理系の科目を揃えたいけれど、毎日通学するのは難しい」「一人でレポートと受験勉強を続けられるか不安」と感じた方もいると思います。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも自宅から参加でき、担任制で、カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しているので、数学の土台から積み直したい人にも合わせやすい設計です。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。
ただし、理系をめざす方には、特に次の点を正直にお伝えします。
- ニジ高そのものは高校ではありません。卒業資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
- 数学Ⅲや『物理』『化学』を履修できるか、何年次に取れるかは、在籍する通信制高校の教育課程で決まります。提携校ごとの開講状況は、この記事では確認できていません。理系を考えている場合は、個別相談で科目の一覧を一緒に確かめてください。
- ニジ高は、N高等学校やクラーク記念国際高等学校など、提携校以外の通信制高校に在籍したまま併用することもできます。理系の科目がそろった学校に在籍し、日々の学習や生活の支えにニジ高を使うという組み合わせも考えられます。その場合も、卒業資格・単位・スクーリング・調査書は在籍校のものです。
- 学院の中でのスクーリングはありませんが、提携校のスクーリングには参加が必要です。理科の実験も、在籍校のスクーリングで行うのが基本です。ニジ高は日程の調整と準備を支援しますが、宿泊型のスクーリングにスタッフは付き添いません。
- 費用は在籍校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内に載せています。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 志望する学部の「要る科目」を書き出す。大学名が決まっていなくても、「工学部なら物理と化学」「農学部なら生物も選べる」のように、この記事の表から近いものを選べば十分です。数学Ⅲが要るかどうかが最初の分かれ目になります。
- 今の学校(または候補の学校)の開講科目と照らし合わせる。上の7つの質問のうち、1〜5を聞けば、どの科目が在籍中に取れて、どれを外で補うかが決まります。転入なら、前の高校の単位修得証明書も用意します。
- 単位で取る科目と、受験のために外で学ぶ科目を分けて、学年ごとに並べる。物理・化学のスクーリングが高3の後半に来ないように、取る年次を相談します。
3つとも、学校を決める前から進められます。話を整理しながら考えたい場合は、体験説明会・個別相談で状況を聞かせてください。


理系の科目をどう揃えるか、在籍校選びから一緒に整理できます
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラオフ・チャット参加から始められ、転入・編入もできます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。数学Ⅲや物理・化学を履修できるかは在籍校の教育課程で決まるため、科目の一覧を一緒に確かめるところからご相談ください。
よくある質問
A. 受けられます。通信制高校の卒業は高等学校の卒業なので、受験資格は全日制と同じです。ただし、国立大学の理系は共通テストに加えて2次試験で数学Ⅲや物理・化学などを課すことが多く、その科目を学べる環境を自分で確保する必要があります。
A. 令和9年度の共通テストには出ません。数学は『数学Ⅰ,数学A』(または『数学Ⅰ』)と『数学Ⅱ,数学B,数学C』です。数学Ⅲは、東京大学の理科各類や名古屋大学の工学部など、国立大学の2次試験で出題されています。
A. 大学・学部によります。今回確認した要項では、名古屋大学の工学部は共通テスト・2次試験とも物理と化学の両方が必要で、東京大学の理科各類や名古屋大学の農学部は4科目または3科目から2つを選ぶ形でした。志望校の最新の要項で確かめてください。
A. まず、同じ学校の別コースに開講がないかを確かめます。無い場合、校長が認めれば他の高校で取った単位を卒業単位に加えられる制度があります(学校教育法施行規則97条、学外の学修と合わせて36単位まで)。単位にこだわらず受験の学力として学ぶなら、予備校や映像授業で補う方法もあります。
A. 実験は主にスクーリングの中で行います。理科は面接指導の標準が1単位あたり4単位時間と、数学の4倍に設定されており、文部科学省のガイドラインもスクーリング会場に実験の設備を求めています。どの会場で年に何日行うかは学校ごとに違うので、入学前に確かめてください。
理系への道は、科目を「先に確かめる」ことで開けます
通信制高校から理系の大学へ進むことは、制度の上では何も特別なことではありません。難しさがあるとすれば、数学Ⅲや物理・化学が「取らなくても卒業できる科目」であるために、気づかないまま学年が進んでしまうことです。
逆に言えば、学校を選ぶ段階や転入を考える段階で、開講科目と取れる学年を確かめておけば、その壁はかなり低くなります。今日すべてを決めなくて大丈夫です。まずは志望する学部に要る科目を1枚の紙に書き出すところから始めてみてください。
一人で組み立てるのが不安なら、在籍する学校の先生や、相談の場を頼ってください。理系に進みたいという気持ちは、学び方を変えても持ち続けられます。

志望学部に要る科目の確認から、相談を受け付けています
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。
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