高校受験で欠席日数は関係ある?|47都道府県の公立入試の扱いと不登校への配慮を公式資料で解説【2026】

窓際の机でノートを開いて勉強する制服姿の生徒と、「高校受験と欠席日数の関係は?」の見出し

高校受験で欠席日数がどう扱われるかは、都道府県によって大きく違います。「出欠の記録は選抜資料にしない」と公式資料に書いている道県はごく一部ですが、調査書(内申書)から出欠の欄そのものをなくした県は年々増えています。そして多くの県に、欠席が多い人のための自己申告書などの仕組みがあります。

「不登校だったけれど、高校には行きたい」「欠席日数が多いと、もう公立は無理なのでは」。そんな不安を抱えている方に向けて、この記事では47都道府県の公式の入試要項・要綱などを読み、欠席日数の扱いを整理しました。あわせて、調査書に欠席がどう書かれるのか、不登校の生徒への配慮、私立高校・通信制高校という選択肢もまとめています。お住まいの県と、志望校のある県を探して読んでみてください。

目次

結論:高校受験と欠席日数の早見

  • 「出欠の記録は選抜資料にしない」などと公式資料に書いているのは、北海道・福島・兵庫・福岡・島根の5道県(福岡は例外の余地あり)
  • 調査書から出欠の欄がなくなった、または新様式にない県が8県(千葉・新潟・長野・広島・奈良・愛知・三重・岐阜)。愛知・三重・岐阜は令和9年度(2027年春)入試から
  • そのほかの多くの県は、「欠席日数を点数にする」と書いてはいませんが、「見ない」とも書いていません
  • 欠席が多い人向けに、自己申告書・副申書・長期欠席者向けの選抜を用意している県が多くあります
  • 欠席日数より影響しやすいのは「評定」。ルールは毎年変わるので、出願前に必ずその年度の要項を確認してください
自室の机でノートに向かう高校生の後ろ姿
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まず整理:「点数化」「選抜資料」「調査書に載る」は別の話

「出席日数は関係ない」という言葉には、実は3つの意味が混ざっています。

言葉意味
調査書に載る中学校が高校に出す書類に、欠席日数や理由が書かれている
選抜資料になる合否を決めるときに、高校がその情報を判断材料にしてよい
点数化される欠席日数が、そのまま何点という得点に換算される

たとえば「点数化しない」と書いてあっても、「総合的に判断する」資料として見られる可能性は残ります。逆に、調査書に載っていても、選抜資料にしないと決めている県もあります。この記事では、公式資料に書かれている言葉をそのまま使い、書かれていないことを「見ない」とは言いません。

調査書には、欠席がどう書かれる?

調査書は、中学校が作成して志望校に出す書類です。中心は各教科の評定(5段階の成績)ですが、県によっては「出欠の記録」などの欄もあります。愛知県の資料では、出欠の記録は「中学校第2学年及び第3学年の欠席日数を記録した項目」と説明されています。

調査書の主な欄内容最近の動き
学習の記録(評定)各教科の5段階の成績ほとんどの県で、点数化の中心
出欠の記録欠席日数や、欠席の主な理由千葉・新潟・愛知などで削除
行動の記録・総合所見など学校生活の様子や所見千葉は削除、新潟は評定のみの様式に

※千葉県「令和8年度 主な変更点」、新潟県「要項の主な改訂点」、愛知県「令和9年度入試からの変更点」(2026年10月確認)。

出欠の欄をなくす理由として、愛知県は「学ぶ場」の考え方の変化を挙げています。教育支援センターや、自宅でのICTを使った学習の日数を、中学校の記録(指導要録)上は出席として扱えるようになったためです。在籍する中学校で出席扱いが認められるかどうかは、学校に確認してみてください。オンラインで学んで受験に備える方法は不登校の中学生はオンライン授業で受験に備えられる?で紹介しています。

また東京都の要綱では、やむを得ない理由で調査書の一部が書けない場合、中学校長は書ける欄を記入し、理由書を出すとされています。書類の一部が整わない人も、参考にできる資料を使って選考すると定められています。

47都道府県の一覧

読み取れた内容を4つに分けました。表の年度は、確認できた資料の年度です。

47都道府県を欠席日数の扱いで分けた棒グラフ。出欠を選抜資料にしないと明記が5、調査書から出欠欄がなくなったが8、点数化の規定が見当たらないが31、確認できなかったが3
公式資料で確認できた範囲での分類です(令和8・9年度)。

A 出欠の記録を「選抜資料にしない」などと明記している(5道県)

道県公式資料に書かれていること
北海道(令和8年度)一般入学者選抜の実施要項に「出欠の記録」は選抜の資料として使用しない、と明記
福島(令和8年度)要綱と基本方針に「出欠の記録」は選抜資料としない、と明記
兵庫(令和8年度)要綱に「出欠の記録は、調査書情報とはしない」
福岡(令和8年度)「出欠の記録」は、修学上はなはだしい支障のない限り等差をつける資料としない(はなはだしい場合は例外の余地あり)
島根(令和8年度)調査書の「欠席の記録」欄を削除。欠席の記録を「直接の合否判定の資料とはしない」

B 調査書から出欠の欄がなくなった(8県)

県公式資料に書かれていること
千葉(令和8年度)調査書の様式から「出欠の記録」欄を削除。自己申告書は選抜の資料とせず、提出による不利益な取扱いをしない
新潟(令和8年度)調査書の記載を評定のみとし、「出欠の記録」を削除。自己申告書の有無や内容は合否判定に影響しないとQ&Aに明記
長野(令和7年度〜)調査書の「出欠・健康の記録」欄を削除
広島(令和5年度入試〜)欠席日数が調査書の記載対象から削除された
奈良(令和8・9年度)調査書の様式に出欠の欄がない
愛知(令和9年度〜)調査書情報から「出欠の記録」を削除。令和8年度までは「合否を総合的に判断する資料の一つ」と説明されていた
三重(令和9年度〜)調査書の「欠席日数」「欠席理由」の欄を削除
岐阜(令和9年度)令和9年度の調査書様式に出欠の欄がない

C 欄はある(または確認できない)が、「点数化する」という規定も見当たらない(31都府県)

地域県ごとの様子
東北青森:欠席の状況欄あり。欠席がおおむね30日以上なら自己申告書を出せる
岩手:調査書点は評定の換算式で、欠席は含まれない(欠席を使わないという明記はなし)
宮城:調査書点は評定から算出。副申書を添付できる
秋田:調査書点は評定から作る値。自己申告書あり
山形:要項に出欠の扱いの記述が見当たらない
関東茨城:自己申告書を選抜資料に加える。不登校等で不利益な取扱いをしない
栃木:令和9年度暫定版は、評定のみを点数化し、それ以外は点数化しない。年間30日以上登校できなかった人は自己申告書を出せる
群馬:インタビューシートに欠席が多い事情を任意で書ける。書いても不利にならない
埼玉:調査書の得点は「学習の記録」「特別活動等の記録」「その他の項目」で、確認できた範囲では出欠は含まれない。不登校等を対象とした別の選抜では、出欠の記録を資料としない
東京:調査書点は評定(エンカレッジスクールは観点別評価)。出欠を使う記載は見つからず
神奈川:中2または中3(12月まで)で出席すべき日数の1/3以上欠席した人が申請すると、その学年の学習の記録を資料とせずに選考
北陸・東海富山:調査書に欠席の日数が載り、「他の記録」も審査する
福井:令和8年度は「他の記録を慎重に審査」。出欠が含まれるかは不明
山梨:欠席日数の多い生徒に事情説明書と自己申告書があり、総合判定の参考にできる。後期の特別選抜(長期欠席者等)は調査書を用いない
静岡:欠席等の状況を説明する自己申告書あり。一部校で長期欠席生徒選抜
近畿滋賀:要項に「欠席」の語がない
京都:点数の基準は評定。年間30日以上欠席の人向けの長期欠席者特別入学者選抜あり
大阪:点数化は評定が基本。要項に「欠席」の語がない
和歌山:調査書に「欠席等の状況」欄あり。副申書で事情を伝えられる
中国・四国鳥取:欠席欄あり。点数化の規定なし。長期欠席であることをもって不利益な取扱いをしない
岡山:一般選抜は出欠の扱いの規定なし。フレックス制(岡山御津高校)は調査書を選抜資料としない
山口:自己申告書を出すと原則面接
徳島:評定以外の記載事項も資料にする。出欠が含まれるかは不明
香川:要綱に出欠の扱いの記述なし
愛媛:令和7年度要項では調査書点は評定の合計
高知:チャレンジ選抜A(高知丸の内高校)のみ「出欠の記録」を選考資料としない
九州・沖縄長崎:基本方針に、調査書は評定に偏ることなく、その他の記載事項も十分尊重するとある。出欠の扱いの明記は確認できず
熊本:評定と学力検査が主たる資料。欠席が多い人は自己申告書を出せる
宮崎:年間30日以上の欠席で自己申告書を出せる
鹿児島:点数化の規定は見当たらない。年間30日以上で自己申告書
沖縄:自己申告書を出すと選抜資料に加える。要項に「欠席日数」の語は見当たらない

D 今回の調査では確認できなかった(3県)

佐賀・大分は令和8年度の実施要項本文を読み取れず、石川は令和9年度の方針で自己申告書の規定だけを確認できました。この3県は、中学校の先生か県の教育委員会に確認してください。

※出典:各都道府県教育委員会が公表している入学者選抜要項・要綱・実施細則・調査書様式・変更点資料など(一覧は記事末の「参考」)。令和8年度は2026年春入試、令和9年度は2027年春入試にあたります。

明るい相談室で職員から予定表の説明を受ける保護者と高校生
志望校の説明会や相談会でも、欠席の扱いを聞いてみましょう。

欠席日数より影響しやすいのは「評定」

出欠の欄が見られない県でも、気をつけたいことがあります。調査書の中心は、各教科の評定です。ほとんどの県で、点数化されるのは評定です。学校に行けなかった期間があると、テストや提出物がそろわず、評価がつきにくい教科が出ることがあります。そのため、制度として手当てをしている県もあります。

  • 兵庫:出席が少なく評定が難しいときは、記号で評価し、中学校長の副申書と自己申告書を添える
  • 奈良:登校したくてもできない状況で評価できない教科は「―」とし、検査成績などを基に学習成績を算出。副申書に事情や指導の経過を書く
  • 神奈川:1/3以上の欠席で申請すると、その学年の学習の記録を資料にせず選考
  • 福岡:中学3年の欠席が一定以上の長期欠席者は、第3学年の評定を資料にせず、学力検査と面接で選考

つまり大切なのは、「欠席日数が何日か」より、「評価がついていない教科をどう扱ってもらえるか」です。ここは、中学校の先生に早めに相談してください。

不登校の生徒への配慮:自己申告書・副申書・長期欠席者向けの選抜

文部科学省の調査では、令和6年度に不登校だった中学生は216,266人(1,000人あたり67.9人)でした。文部科学省は令和元年の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」で、高校で学ぶ意欲や能力のある不登校の生徒を、高校入試で適切に評価することが望まれるとしています。各県の仕組みは、名前も扱いも違います。

仕組みどんなもの県の例
自己申告書本人や保護者が、欠席の理由や高校でがんばりたいことを書く。多くの県で任意新潟は合否判定に影響しない、千葉は選抜の資料にしない、茨城・沖縄は選抜資料に加える
副申書中学校長が、調査書だけでは伝わらない事情を補う宮城・和歌山・兵庫・奈良など
長期欠席者向けの選抜・申請条件を満たす人について、評定を資料にせず学力検査や面接を中心に選ぶ京都・山梨・静岡・福岡・神奈川など
調査書を使わない学校学力検査・調査書を使わず、面接や作文などで選ぶ東京都のチャレンジスクール

新潟県のQ&Aでは、自己申告書は「中学校において不登校経験等のある志願者のうちで、希望する人」が出すもので、提出は任意とされています。対象となる欠席日数(30日以上、出席すべき日数の1/3以上など)は県で違い、提出の締め切りが早いこともあります。出願のスケジュールを逆算して動きましょう。

東京都のチャレンジスクールは、不登校や中途退学などを経験した生徒が新たに目標を見つけてチャレンジする高校とされ、学力検査と調査書がなく、面接・作文・志願申告書で選抜しています。くわしくはチャレンジスクールとは?をご覧ください。

※文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」、同「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)、新潟県「自己申告書Q&A」、東京都教育委員会の発表資料(2026年10月確認)。

出願前に、中学校へ確認したいこと

県のルールがわかったら、次は自分の場合にあてはめます。中学校の先生に、次のことを聞いておきましょう。

出願前に中学校へ確認したいことのチェックリスト。要項の欠席の扱い、調査書の出欠欄、自己申告書の対象と締め切り、評価がない教科の扱い、出席扱いの有無、別室受検の可否
わからないことは、ノートに書き出してから相談すると話が進みやすくなります。
  1. 志望校のある県の、今年度の入学者選抜要項(要綱)のどこに欠席の扱いが書かれているか
  2. 調査書に欠席日数・欠席理由の欄があるか
  3. 自己申告書・副申書・長期欠席者向けの選抜の対象になるか。書類の締め切りはいつか
  4. 評価がついていない教科があるとき、評定はどうなるか
  5. 教育支援センターや自宅での学習が、出席扱いになっているか
  6. 別室での受検など、当日の配慮をお願いできるか

県の窓口(教育委員会の高校教育課など)に直接聞くこともできます。不登校のまま高校受験に向かうときの全体の流れは、中学生の不登校と高校受験について整理した記事や不登校の中学生の高校選びもあわせてご覧ください。

自宅の机で学習計画を書き込む手元
出願までの予定を書き出すと、書類の締め切りを見落としにくくなります。

私立高校・通信制高校という選択肢

公立高校の入試は、年度が変わると決まりも変わります。「欠席日数が気になるから、今の状態で受けるのが不安」という場合は、別の進路もあわせて考えてみてください。

進路欠席との関係で知っておきたいこと
私立高校入試の方法や出願の基準は学校ごとに決めています。推薦・単願などで出欠の条件があるかは、募集要項や個別相談で確認
公立の特色ある学校チャレンジスクールなど、調査書を使わずに選ぶ学校や、長期欠席者向けの枠がある県も
通信制高校学力検査を課さず、面接や書類で入学を決める学校が多い。学校ごとに違うので募集要項を確認

私立高校は、説明会や個別相談で「中学校で欠席が多かったが出願できるか」を直接聞ける場合があります。通信制高校は、自宅などで学ぶ時間が多く、自分のペースで高校生活を始めやすいのが特徴です。なお、高校に入ってからの欠席や留年の決まりは中学校とはまったく別の話です。くわしくは高校の欠席日数は何日まで?で解説しています。

図書館の机でノートパソコンと教科書を広げて自習する高校生
通信制高校なら、自分のペースで学ぶ時間をつくりやすくなります。

NIJIN高等学院(ニジ高)の紹介と、正直な注意点

私たちNIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制サポート校です。中学校で学校に行けない時期があった人も、オンラインの校舎でホームルームや授業、サークルなどに参加できます。最初はカメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加することもできます。なお、私たちは公立高校の入試に関わる機関ではありません。この記事は公開されている資料を読んで整理したものなので、受検する県の最新の要項と、中学校の先生の案内を優先してください。

正直な注意点もお伝えします。ニジ高そのものは高校ではありません。高校の卒業資格は、提携する通信制高校で取ります。そのため、提携校のスクーリング(面接指導)への参加が必要です。費用は提携校の分とニジ高の分がかかり、ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内で公開しています。

高校生4人と大人のスタッフが小さな机を囲んで学習している様子

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よくある質問

Q. 欠席日数が多いと、公立高校は受けられませんか?

受けられます。欠席日数だけで出願が制限される制度は、今回確認できた範囲にはありませんでした。ただし、選抜で欠席が参考にされるかは県によって違います。

Q. 「出席日数は関係ない」と言い切れる県はありますか?

公式資料に「出欠の記録は選抜資料としない」などと書かれているのは、北海道・福島・兵庫・福岡(例外の余地あり)・島根です。要項は毎年改訂されるので、今年度の資料で確認してください。

Q. 出欠の欄がない県なら、不登校のことは高校に伝わりませんか?

調査書に欄がなくても、副申書や自己申告書、志願理由などで事情を伝える場合があります。評定がついていない教科の扱いも別に決まっています。中学校に確認しましょう。

Q. 自己申告書を出すと、不利になりませんか?

県によって扱いが違います。千葉は選抜の資料にせず、新潟は提出の有無や内容が合否判定に影響しないと明記しています。茨城・沖縄は選抜資料に加えます。提出前に志望校の要項を確認してください。

Q. 他県の公立高校を受けるときは、どの県のルールになりますか?

受検する高校がある県のルールです。県外の受検には別の条件や手続きがあることも多いので、早めに志望校に問い合わせてください。

まとめ:欠席日数の扱いは県ごとに違う。まずは要項と中学校に確認を

  • 欠席日数を「見ない」と公式に書いているのは、ごく一部の県
  • 出欠の欄をなくした県は増えていて、令和9年度から変わる県もある
  • 多くの県に、自己申告書・副申書・長期欠席者向けの選抜がある
  • 欠席日数より、評定がつくかどうかが大きい。中学校に早めに相談を
  • 私立高校・チャレンジスクール・通信制高校など、別の道もある

学校に行けなかった時期があっても、高校への道がなくなるわけではありません。自分の県のルールを知り、使える仕組みを早めに確認することが、安心して出願するための近道です。

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参考(出典)

各都道府県教育委員会などが公表している資料です。内容は年度ごとに改訂されるため、出願の際は最新の要項をご確認ください(いずれも2026年10月までに確認)。

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