「通信制高校に行かせることになってしまった」「もっと早く気づいてあげられたのでは」「親として申し訳ない」。お子さんが通信制高校を選ぶ、あるいは選ばざるを得ない状況になったとき、保護者の方が罪悪感を覚えることは少なくありません。
この記事では、通信制高校に行かせることへの罪悪感について、その背景にある気持ちと、お子さんの気持ち、そして気持ちを整理するためのヒントを整理します。心の状態には個人差があり、強い苦しさが続く場合は、専門の相談窓口もご活用ください。
罪悪感を
少しずつほどく視点
| 気持ち | 見方を変えるヒント |
|---|---|
| もっとできたのでは | 当時の状況で、精一杯だったと認める |
| 周囲にどう思われるか | 本人の安心を優先して考える |
| 将来が不安 | 進路の選択肢を具体的に調べる |
| 自分のせいかもしれない | 原因探しより、これからを考える |
※心の状態には個人差があります
通信制高校に行かせることへの罪悪感が生まれる理由
保護者の方が罪悪感を覚える背景には、さまざまな気持ちが重なっています。
- 「普通の高校生活を送らせてあげたかった」という思い
- お子さんがつらい思いをしていたことに、気づけなかったという後悔
- 周囲の目や、親戚・知人からの言葉への不安
- 「親の育て方が悪かったのでは」という自責の気持ち
- 将来への不安が、罪悪感として表れることもある
これらの気持ちは、お子さんを大切に思うからこそ生まれるものでもあります。まずは、そう感じている自分を責めすぎないことが大切です。
お子さんは、親の罪悪感をどう受け止めているか
保護者が罪悪感を抱えていると、その気持ちは言葉にしなくても、お子さんに伝わることがあります。お子さんが「自分のせいで親を悲しませている」と感じてしまうことも、あるかもしれません。
- 「ごめんね」と繰り返し言われると、自分が迷惑をかけていると感じる場合がある
- 親が落ち込んでいる様子を見て、本音を話しづらくなる場合がある
- 親が前向きに応援してくれると、安心して新しい環境に踏み出しやすくなる場合がある
もちろん、感情を隠す必要はありません。ただ、罪悪感を整理しながら、「これからを一緒に考えよう」というメッセージを伝えることは、お子さんの安心につながると言われています。
お子さんが保護者に求めているのは、完璧な解決策ではなく、「味方でいてくれる」という安心感であることが多いとされています。通信制高校を選んだ背景には、それぞれの事情や気持ちがあります。まずは、お子さんの話を聞くことから始めてみてください。
罪悪感を少しずつ整理するためのヒント
一人で抱えず
順番にほどいていく
※気持ちの整理のしかたには個人差があります
- 気持ちを書き出す(ノートやメモに、そのまま言葉にしてみる)
- 信頼できる人に話を聞いてもらう
- 同じ立場の保護者の体験談や、保護者向けの場を探す
- 専門の相談窓口(スクールカウンセラー、教育相談、保護者向けの相談など)を利用する
- 自分自身の休息や楽しみの時間を確保する
保護者の方が心身ともに疲れ切ってしまうと、お子さんを支える余裕もなくなってしまいます。自分を労わることは、わがままではなく、必要なケアです。

「通信制高校=逃げ」という見方を見直す
通信制高校を選ぶことを「逃げ」と捉えてしまう方もいます。しかし、今の環境が合わず、心身に負担がかかっているときに、環境を変えることは、状況を改善するための一つの方法とも考えられます。
- 合わない環境で無理を続けるより、学び続けられる環境に移るほうが、結果的に前に進める場合がある
- 通信制高校には、学び方・通い方・サポートの異なる学校がたくさんある
- 「選び直す」ことは、自分の状況を理解して行動した結果でもある
- 卒業資格は、全日制と同じ「高校卒業」として扱われる
「逃げ」という言葉にとらわれすぎず、「お子さんにとって、安心して成長できる環境はどこか」という視点で考えてみてください。
親戚や知人から、「なぜ通信制に?」「大丈夫なの?」と言われて、気持ちが揺らぐこともあるかもしれません。悪気のない言葉であっても、傷つくことはあります。すべてに応じる必要はなく、「うちの子には、この方法が合っています」と短く答えるだけでも十分です。
他の家庭の様子と比べて、「うちだけ」と感じることもあるでしょう。しかし、家庭ごとに事情や状況が異なります。比べる対象は、他の家庭ではなく、「以前のわが子」と「今のわが子」にしてみると、小さな変化に気づけることがあります。
通信制高校を選んだ後の、親の関わり方
入学後の保護者の関わり方も、お子さんの安心に影響します。支えすぎず、放任しすぎず、距離感のバランスを探ってみましょう。
- できていることを認める声かけをする
- 学習や生活の状況は、本人が話したいときに聞く
- 困っていそうなときは、「手伝えることはある?」と尋ねる
- 学校の先生とは、必要に応じて情報共有する
- 小さな変化を、一緒に喜ぶ
入学後に、不安や迷いが出てくることもありますが、それは自然なことです。調整が必要なときは、学校の担当者に相談してみてください。
罪悪感の奥にある「願い」に目を向ける
罪悪感は、つらい感情ですが、その奥には「お子さんに幸せになってほしい」「安心して成長してほしい」という願いがあることが多いと言われています。罪悪感を無理に消そうとするのではなく、その願いを大切にしながら、これからできることを考えてみましょう。
- 罪悪感の奥にある願いを、言葉にしてみる
- その願いを叶えるために、今できる小さな行動を一つ決める
- お子さんと一緒に、これからの目標や楽しみを話し合う
- 過去の出来事より、今日と明日に目を向ける時間を増やす
過去を変えることはできませんが、これからの関わり方は選ぶことができます。小さな一歩でも、お子さんにとって大きな支えになる場合があります。

学校選びを通じて、親子で前に進む
通信制高校を選ぶ過程は、親子で将来を考える機会にもなります。学校の見学や個別相談に一緒に参加し、お子さんの反応や気持ちを確かめながら進めましょう。
- お子さんが「ここなら通えそう」と思える雰囲気かどうか
- 先生やスタッフが、お子さんの話を丁寧に聞いてくれるか
- サポート体制や、困ったときの相談先が明確か
- 保護者の不安にも、丁寧に応えてくれるか
- 費用や進路の考え方に、納得できるか
保護者の不安に寄り添ってくれる学校であるかどうかも、大切な選択基準の一つです。遠慮せずに、気持ちを伝えてみてください。
専門家や相談窓口を頼る
罪悪感や不安が強く、日常生活に影響しているときは、専門家の力を借りることも大切です。
- 学校のスクールカウンセラー
- 自治体の教育相談窓口・子育て相談
- 医療機関・心療内科(強い不調が続く場合)
- 通信制高校・サポート校の個別相談
- 保護者向けの交流の場・相談会
相談することは、弱さではありません。第三者の視点が入ることで、気持ちが整理されたり、新しい選択肢が見えたりすることがあります。
よくある保護者の声と、考え方のヒント
お子さんの不調やつらさに、あとから気づいたとき、「どうして気づけなかったのか」と自分を責めてしまうことがあります。しかし、子どもが悩みを隠したり、うまく言葉にできなかったりすることはよくあり、親が見抜けなくても自然なことだと言われています。気づいた「今」から、できることを考えていけば十分です。
不登校や学校への不適応には、学校の環境、友人関係、本人の特性、体調など、さまざまな要因が絡み合うことが多く、一つの原因に絞れない場合がほとんどです。原因探しに時間を使うより、これからどう支えるかに目を向けるほうが、前向きな力になることがあります。
同じように育てても、子どもによって個性や得意不得意は異なります。他の兄弟姉妹と比べて、「この子だけ」と感じるときは、一人ひとりに合った環境があるという視点に立ち返ってみてください。
通信制高校を卒業しても、進学や就職の道は開かれています。高校の形態そのものより、その後の経験や出会いによって、人生の選択肢は広がっていくと考えられます。不安な場合は、進路の実例を学校に尋ねてみるのも一つの方法です。

お子さんへの伝え方のヒント
お子さんに自分の気持ちを伝えるとき、罪悪感がそのまま言葉に出ると、お子さんが負担を感じることがあります。伝え方を少し工夫すると、気持ちが伝わりやすくなります。
- 「ごめんね」より「話してくれてありがとう」と伝える
- 「私が悪かった」より「これから一緒に考えよう」と伝える
- 「大丈夫」と言い切るより「何かあれば言ってね」と伝える
- お子さんの選択を尊重していることを、言葉と態度で示す
お子さんが安心して気持ちを話せる関係を保つことが、入学後の学校生活でも支えになります。
通信制高校を選んだ家庭の「その後」に多い声
通信制高校に進学した家庭からは、入学前に抱えていた罪悪感や不安が、時間とともに変化していったという声が聞かれることがあります。もちろん、すべての家庭に当てはまるわけではありませんが、参考として紹介します。
- お子さんの表情が少しずつ和らぎ、「選んでよかったかもしれない」と思えた
- 最初は不安だったが、学校の先生との面談を重ねて安心できた
- お子さんが自分のペースで学ぶ姿を見て、見守る余裕が生まれた
- 親自身が、周囲の目を気にしすぎなくなった
- うまくいかない時期もあったが、相談できる場所があることで乗り越えられた
一方で、思うように進まない時期や、学校との相性に悩むこともあります。そうした場合は、一人で抱え込まず、学校の担当者に相談し、必要に応じて環境の調整や見直しを検討してください。

親の「安心」が、子どもの「安心」につながる
保護者が穏やかな気持ちで過ごせていることは、お子さんの安心感に影響すると言われています。罪悪感を完全になくす必要はありませんが、少しずつ軽くしていく工夫を取り入れてみてください。
- 自分の気持ちを話せる相手を持つ
- 睡眠・食事・休息をおろそかにしない
- お子さんのことだけでなく、自分の楽しみの時間も持つ
- 完璧な親を目指さず、「十分に頑張っている」と認める
- 情報を集めすぎて不安にならないよう、見る範囲を決める
「親としてどうあるべきか」と考えすぎると、苦しくなることがあります。完璧を目指さず、できる範囲で寄り添う姿勢で十分です。
夫婦やパートナー、祖父母など、家族の間で意見が異なることもあります。それぞれの不安を否定せず、「お子さんにとって何が一番大切か」という共通の軸に立ち返って、話し合ってみてください。
きょうだいがいる場合は、その子の気持ちにも配慮が必要です。「あの子ばかり」と感じさせないよう、それぞれの子と向き合う時間を持つことも大切です。
通信制高校の仕組みを知ると、不安が整理されやすい
漠然とした不安は、情報不足から生まれることもあります。通信制高校の基本的な仕組みを知ることで、罪悪感や不安が整理されるきっかけになる場合があります。
- 卒業に必要な単位を、レポート・スクーリング・試験で取得する
- 卒業資格は、全日制の高校と同じ「高校卒業」
- 通学の頻度や学び方は、学校やコースで大きく異なる
- 進学・就職に向けた支援は、学校によって内容が異なる
- 学費は、学校や通い方によって差がある
制度や運用は学校によって異なります。具体的な内容は、資料請求や個別相談で確認してください。
お子さんの「今」を認めるために
お子さんが今、どんな状態で、何に困っていて、何を大切にしているのか。それを知ることが、親としての最初の一歩です。次のような問いかけが、参考になる場合があります。
- 最近、楽しいと感じることは何か
- 今の環境で、一番つらいと感じることは何か
- どんな環境なら、安心して過ごせそうか
- これからやってみたいことや、興味のあることは何か
すぐに答えが出なくても構いません。「話してもいい」という安心感を持ってもらうことが大切です。
まとめ:罪悪感を抱えながらも、前に進んでいい
通信制高校に行かせることへの罪悪感は、お子さんを思う気持ちの表れでもあります。無理に消そうとせず、自分を責めすぎず、お子さんの気持ちに目を向けながら、できることを少しずつ進めていきましょう。
学校選びや進路の悩みは、一人で抱え込まず、相談できる場所を活用してください。この記事は一般的な情報の提供を目的としており、心の状態に強い不調がある場合は、医療機関や専門の相談窓口にご相談ください。
保護者の方へ:今日からできる小さな一歩
- 今日あったことの中で、お子さんの「良かったところ」を一つ見つけて伝える
- 気持ちが重いときは、ノートに書き出してみる
- 信頼できる人に、「少し聞いてほしい」と声をかけてみる
- 気になる学校の資料を、気軽に取り寄せてみる
- お子さんと一緒に、好きなことを楽しむ時間をつくる
大きな決断をするよりも、小さな行動を積み重ねることが、気持ちを軽くするきっかけになる場合があります。焦らず、ご自身のペースで進めてください。
罪悪感を抱いたまま前に進むことは、決して悪いことではありません。お子さんと一緒に、少しずつ「これから」を作っていきましょう。
学校の見学や相談の場では、保護者自身の気持ちを率直に話してみるのも一つの方法です。罪悪感や不安を受け止めてくれる学校かどうかは、安心して任せられるかを考える手がかりにもなります。
また、通信制高校に関する制度や費用は、学校や年度によって異なります。最新の情報は、各学校の公式な案内でご確認ください。
気持ちが揺れたときに読み返したいこと
進路の選択は、後になって「あのとき、こうすればよかった」と思うことがあるかもしれません。しかし、その時点で、お子さんの状況と家庭の事情を踏まえて考え抜いた選択は、十分に意味のあるものです。
うまくいかない日があっても、それは「失敗」ではなく、調整のきっかけです。学校や家庭の関わり方を見直しながら、お子さんにとってより良い形を探していけば大丈夫です。
お子さんのペースと、ご自身のペースの両方を大切にしながら、一歩ずつ進んでいってください。
周囲の声に揺れたときは、「お子さんが安心して過ごせているか」という一点に立ち返ってみてください。その視点が、選択を支える軸になります。
また、気持ちを話せる相手がいない場合は、学校や自治体の相談窓口、通信制高校の個別相談など、外部の場を活用してみてください。
焦らず、少しずつで大丈夫です。

こんなときは、専門の相談先へ
ご家庭だけで抱え込むと、保護者の方もお子さんも、気持ちが追い詰められてしまうことがあります。次のような様子が数週間以上続くときは、早めに専門機関へ相談することも、大切な選択肢です。
- 食事がほとんど取れない、または眠れない状態が続いている。
- 強い落ち込み・不安・イライラが続き、日常生活に大きな支障が出ている。
- 「消えてしまいたい」など、命や安全に関わる言葉がある。
全国どこからでも。カメラ・マイクはオフのままで大丈夫です。
相談先としては、お住まいの自治体の教育支援センター、教育委員会、保健センター、学校のスクールカウンセラー、児童精神科・小児科・心療内科などがあります。お子さんの気持ちが心配なときは、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)といった公的な窓口も利用できます。相談することは「大ごとにすること」ではありません。話を聞いてもらうだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
ニジ高(NIJIN高等学院)ができること
NIJIN高等学院は、オンラインを中心に、一人ひとりのペースに合わせて学べる通信制サポート校です。「何から始めればよいか分からない」「まずは話を聞いてみたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。個別相談や、資料請求から、まずは情報を集めることもできます。
よくある質問
おかしいことではありません。多くの保護者が、「親としてもっとできたのでは」と感じることがあります。その気持ちは、お子さんを思うからこそ生まれるものとも言われています。
罪悪感を抱えたままでも、お子さんの話を聞く姿勢を持つことが大切です。自分を責める言葉を、お子さんにぶつけないよう意識してみてください。
自分に合う環境を選ぶことは、前向きな選択になりうると考えられます。「逃げ」かどうかは、本人が安心して学び、成長できるかという視点で判断することが大切です。
選んだ理由を、家族で整理しておくと説明しやすくなります。すべての人に理解してもらう必要はなく、本人が安心できる環境を優先して考えてみてください。
学校の先生、スクールカウンセラー、自治体の相談窓口、通信制高校の個別相談など、複数の相談先があります。保護者自身が相談することも大切です。
まとめ
- 罪悪感は、お子さんを思う気持ちの裏返しでもある
- 親の気持ちと、子どもの気持ちを分けて考える
- 通信制高校は、環境を選び直す前向きな選択になりうる
- 保護者自身も、相談できる場所を持つ
罪悪感を抱くことは、それだけお子さんを大切に思っている証でもあります。一人で抱え込まず、少しずつ気持ちを整理しながら、お子さんと一緒に歩んでいきましょう。
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執筆者:ニジ高編集部 2026年10月8日更新
参考文献
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について」
- 厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」(こころの健康に関する情報)
- お住まいの自治体の教育支援センター・教育相談窓口


