結論から書きます。サポート校のいちばん大きなデメリットは、費用が「通信制高校の分」と「サポート校の分」の二段になり、そのうちサポート校の分には国の就学支援金が使えないことです。次に大きいのは、サポート校が学校教育法第1条の「学校」ではないため、通学定期券や割引、公的な支援の扱いが学校ごとに変わることです。どちらも隠されているわけではなく、公式の資料に書かれています。読む場所を知っているかどうかの差です。
「二重に払う価値があるのか」「やめたほうがいいのか」を決めたいとき、口コミを何十件読んでも答えは出ません。決め手になるのは、(1)何にいくら払うのかを揃えて並べること、(2)合わなかったときにどうなるかを契約の前に確かめること、この2つだけです。この記事では、サポート校のデメリットを5つに数え上げ、そのうえで「それでも払う価値がある場合」と「払わなくてよい場合」を分け、契約の前に聞く質問を用意しました。
この記事は、2026年9月27日に、文部科学省の令和7年度通信制高等学校実態調査、e-Gov法令検索の学校教育法・高等学校通信教育規程・高等学校等就学支援金法・特定商取引法施行令、消費者庁の特定商取引法ガイド、そしてサポート校2校と通信制高校1社の公式ページを実際に開いて確認した内容で書いています。公式で確かめられなかったことは「確認できませんでした」と書き、金額はレンジで丸めずに、公表されている実額だけを載せました。
今の高校に通い続けるのが難しい場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高も高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。この記事に書くデメリットは、ニジ高にもそのまま当てはまります。だからこそ、後半に見出しを立てて正直に書きました。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:サポート校 デメリットの早見
- 費用が二段になる。就学支援金は法律で「高等学校等の授業料に充てるため」の制度と決まっていて、サポート校の分には届きません(高等学校等就学支援金法第1条・第2条)。
- 学校教育法第1条の「学校」ではない。通学定期券や学生割引について、確認できた1校では、サポート校ではなく在籍する通信制高校の学生証で手続きするという形でした。扱いは学校と鉄道会社の組み合わせで変わるため、使える・使えないは断定できません。
- やめたときの効き方が逆向き。サポート校をやめても卒業資格は在籍する通信制高校に残ります。逆に通信制高校をやめると、サポート校に通い続けても卒業はできません。
- 質の差が大きい。ただし在籍校が施設ごとに活動の評価と情報を公表する決まりがあります(高等学校通信教育規程第13条・第14条)。見る先はサポート校のパンフレットではありません。
- やめるときの条件が契約書の中にある。中途解約と返金の扱いは、入る前に書面で確かめる項目です。
- それでも払う価値があるのは、ひとりでは提出物が続かない場合・不登校の期間が長い場合・予定の管理が難しい場合・進路や探究に伴走が欲しい場合です。当てはまらないなら、通信制高校だけで足りることもあります。
- ニジ高も同じデメリットを持っています。高校ではなく、費用は二段で、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。
いちばん大きなデメリットは、費用が二段になり、サポート校の分に就学支援金が使えないことです
ここは仕組みの話なので、先に法律の条文から確かめます。高等学校等就学支援金の支給に関する法律の第1条には、この制度の目的が「高等学校等の生徒等が…当該高等学校等の授業料に充てるために高等学校等就学支援金の支給を受けることができることとする」と書かれています。つまり支援金は、生徒の手元に現金として届くお金ではなく、在籍する高等学校等の授業料に充てるためのお金です。
では「高等学校等」とは何かというと、同じ法律の第2条に列挙されています。高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校(第1学年から第3学年まで)、そして専修学校と各種学校のうち「高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学省令で定めるもの」です。サポート校はふつうこのどれにも入りません。だから、サポート校に払う入学金や授業料は、支援金の対象外になります。出典はe-Gov法令検索 高等学校等就学支援金の支給に関する法律(2026年9月27日確認)です。
2026年度の支給の上限は、私立の通信制で1単位13,668円・年間337,200円まで、所得制限なしです(文部科学省 高校生等への修学支援)。この上限が丸ごと効くのは通信制高校の授業料の側だけで、サポート校の側はその外にあります。ここが「二重に払う」と言われる中身です。費用の内訳や、都道府県の補助の届く範囲まで細かく見たい場合は、サポート校 学費の記事に分けて書いています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
実際の金額を公式資料で見ると、サポート校の側が高校の側を上回ることがあります
相場の話は、まとめサイトの平均値を写しても意味がありません。ここでは、金額を公表している2校の公式資料から、確認できた実額だけを並べます。どちらも「サポート校の分のほかに通信制高校の分が必要」と、同じ資料の中に書かれている点が共通しています。
| 公表している学校 | 入学・出願時 | 授業料など |
|---|---|---|
| おおぞら高等学院(サポート校)2027年度 生徒募集要項 | 受験料 15,000円(税込) | みらい学科 基礎コース 年間396,000円(税込)/個別指導コース 年間580,800円(税込)。ほかに共通の授業料として1単位あたり15,000円 |
| 河合塾COSMO(サポート校)2026年度 10月入塾 | 入塾金 100,000円 | 授業料 高3学齢以上541,000円/高2学齢以下528,000円(いずれも消費税込。受講期間は2026年10月から2027年3月までの6か月分) |
| さくら国際高等学校(通信制高校)2026年度入学生 納付金(河合塾COSMOが提携校として公表している額) | 入学金 10,000円 | 授業料 270,000円、施設設備費 10,000円 |
出典はおおぞら高等学院 生徒募集要項と河合塾COSMO 学費、河合塾COSMO 提携校のご案内(いずれも2026年9月27日確認)です。金額はコース・入塾月・年度で変わるので、そのまま他校に当てはめないでください。河合塾COSMOの入塾金と授業料は、同ページに消費税込と書かれている額です。さくら国際高等学校の金額は、提携する河合塾COSMOの公式ページに載っている額で、さくら国際高等学校の公式サイトでは納付金の実額を確認できませんでした(2026年9月27日時点)。
読むときの注意が3つあります。1つ目は期間を揃えることです。河合塾COSMOの10月入塾の金額は6か月分で、さくら国際高等学校の金額は年額です。期間の違うものを足し算すると、総額を見誤ります。2つ目は単位あたりの費用が動くことです。おおぞら高等学院の募集要項には「前籍校での修得単位数によって、履修する単位数は変わります」と書かれています。転入・編入では、引き継げた単位の数で年ごとの金額が変わります。3つ目はどちらの資料にも「もう一方が必要」と書かれていることです。おおぞら高等学院の募集要項には「当学院の学納金以外に、通信制高校(屋久島おおぞら高等学校)の費用が必要となります」とあり、河合塾COSMOのよくある質問には「提携通信制高校の学費と、河合塾コスモの学費とが、それぞれ必要です」とあります。二段になることを隠している学校ではなく、読者が読み飛ばしているだけ、という場合が少なくありません。
なお、日本全体の通信制高校の学費そのものの読み方は通信制高校 学費にまとめています。

2つ目のデメリットは、法律上の「学校」ではないので、使える支援や割引が一律に決まらないことです
学校教育法の第1条には、こう書かれています。「この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする」。サポート校はここに入りません(e-Gov法令検索 学校教育法・2026年9月27日確認)。
国の制度の中でサポート校にいちばん近い位置づけは、高等学校通信教育規程が定める「学習等支援施設」です。同じ規程の第3条第1項第2号では、通信教育連携協力施設の一つとして「生徒の進路選択及び心身の健康等に係る相談、添削指導に附帯する事務の実施その他の学習活動等の支援について連携協力を行う施設であつて、面接指導等実施施設以外のもの」と定義されています。つまり高校そのものではなく、高校の通信教育に連携協力する施設という立場です。この位置づけの詳しい説明はサポート校とはに分けて書きました。
この「学校ではない」という一点から、実務上の不便がいくつも生まれます。たとえば在籍証明や成績の証明書を、学校として発行できるのは在籍する通信制高校の側です。都道府県の授業料減免も、対象は高等学校等に納める授業料などで、サポート校に払う分は入りません(対象の範囲は都道府県ごとに違い、授業料のほかに全員が一律に納める施設整備費などを含む例もあります)。授業料以外の教育費を支える高校生等奨学給付金は、教科書費・教材費など授業料以外の費用にあてる制度で、こちらも在学しているのが高等学校等であることが前提です(文部科学省 高校生等への修学支援・2026年9月27日確認)。制度の側から見れば筋が通っているのですが、家庭から見ると「同じように通っているのに、片方だけ扱いが違う」と感じる場面が出てきます。通信制高校そのものの仕組みを先に押さえたい場合は、通信制高校とはから読むと、この二層構造が分かりやすくなります。
通学定期券と学割は「在籍する高校の学生証」で手続きする形が基本で、扱いは学校と鉄道会社の組み合わせで変わります
ここは断定を避けて書きます。ネット上には「サポート校では通学定期が使えない」という説明も「使える」という説明も両方あり、どちらも一律には正しくありませんでした。公式ページで確認できた範囲だけを並べます。
| 確認した公式ページ | 書かれていたこと |
|---|---|
| 近畿日本鉄道 通学定期券のご案内 | 対象は「当社が指定した学校(指定学校)に在籍し、学校へ通学する目的で当社線をご利用のお客様」。「指定学校以外の学習塾などへ通われる場合や、入学前・卒業後のクラブ活動などの目的でご利用される場合は通学定期券を購入できません」 |
| 河合塾COSMO よくある質問 | 「Q. 学割定期は購入できますか?」に対して「購入できます。入学後に支給される提携高校の学生証や通学申請書を鉄道会社の定期券売場でご提示ください」 |
| 河合塾COSMO 学費ページ | 「通学定期券・長距離学割の利用について」の欄に「4月入塾者が対象です」「JR、私鉄、地下鉄、バスなどの公共交通機関の通学定期券を利用できます」 |
出典は近畿日本鉄道 通学定期券のご案内と前掲の河合塾COSMOの2ページ(2026年9月27日確認)です。
この3つを並べると、実務の形が見えてきます。確認できた1校では、割引の資格はサポート校ではなく、在籍する通信制高校の側から出るという形でした。使える・使えないは断定できません。河合塾COSMOの答えも「提携高校の学生証や通学申請書」を示す形になっています。一方で、鉄道会社の側は「指定学校への通学」を条件にしているので、サポート校の教室に通うための区間が同じように認められるかどうかは、その通信制高校とサポート校、そして鉄道会社の組み合わせで変わります。JR各社の指定学校の基準のページは、今回アクセスが拒否されて開けなかったため、JRの条文は確認できませんでした。
だから、この項目は「使えます」でも「使えません」でもなく、見学のときに聞く質問として扱ってください。聞き方は「通学定期券は、どの区間で、どこの学生証を使って買う形になりますか」です。答えられない学校は、そこが弱い可能性があります。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

3つ目のデメリットは、関係が分かりにくいこと。サポート校をやめても資格は残り、高校をやめると卒業できません
ここを取り違えると、判断そのものが狂います。単位と卒業資格は、すべて在籍する通信制高校のものです。サポート校は、その高校のレポートや面接指導を進めるための支えです。だから、やめたときの効き方が2つの方向で逆になります。
| やめる対象 | 卒業資格・単位 | 起きること |
|---|---|---|
| サポート校をやめる | すでに取った単位も在籍期間も、高校の側に残る | 高校には在籍したまま、レポートと面接指導を自分で進める形に戻る。費用は高校の分だけになる |
| 通信制高校をやめる | 在籍が切れるので、単位の積み上げが止まる | サポート校に通い続けても卒業はできない。別の高校に転入・編入し直す手続きが必要になる |
| 両方やめる | 取った単位は記録として残る | 転入・編入のときに、前の高校で修得した単位の認定を受けられる場合がある |
「サポート校をやめる」だけなら卒業への道は切れない、というのは知っておく価値があります。合わないと感じたときに、高校まで一緒にやめてしまう必要はないからです。逆に、費用を抑えたくて先に通信制高校の側を切る、という判断は成り立ちません。
もう一つ知っておきたいのは、サポート校と通信制高校の組み合わせは固定ではないということです。河合塾COSMOのよくある質問には、入塾のときに提携高校へ入学しなければいけないのかという問いに対して「いいえ。提携高校以外の通信制高校や定時制高校に通学している方も入塾できます」と書かれています(2026年9月27日確認)。すでに通信制高校に在籍している場合、在籍校を変えずにサポート校だけを足す形が取れることがあります。転入の費用そのものが気になる場合は通信制高校 転校 費用も合わせて読んでください。
4つ目のデメリットは、質の差が大きいこと。ただし「在籍校が公表する情報」という確かめ方があります
サポート校は学校教育法の学校ではないので、国が直接に設置を認可したり、学校としての評価を課したりする仕組みはありません。ここが「質の差が大きい」「第三者の評価がない」と言われる理由です。実際、文部科学省の令和7年度通信制高等学校実態調査では、学習等支援施設は全国で2,317施設(私立2,008・株式会社立309・公立0)と集計されています。これは学校ごとの施設を足し合わせたのべの数です(文部科学省 令和7年度通信制高等学校実態調査・調査時点2025年5月1日・2026年9月27日確認)。数が多いということは、当たりはずれの幅も広いということです。
ただし、確かめる手がかりが無いわけではありません。高等学校通信教育規程には、サポート校を連携協力施設として使う通信制高校の側に、次の義務が定められています。
| 条文 | 在籍校(実施校)に課されていること |
|---|---|
| 第4条第2項 | 連携協力施設ごとの定員を学則で定める |
| 第10条の二第2項・第3項 | 学習等支援施設の施設・設備は教育上および安全上支障がないものでなければならず、設置者がその基準に適合することの確認を行う |
| 第13条第1項・第2項 | 施設ごとに連携協力に係る活動の状況を評価して結果を公表する。保護者その他の関係者による評価も行い、公表するよう努める |
| 第14条第1項 | 施設ごとの名称と位置、教職員組織、入学・退学・転学・卒業の状況(進学者数・就職者数を含む)、授業料・入学料その他の費用徴収、学習や進路選択や心身の健康に係る支援について公表する |
出典はe-Gov法令検索 高等学校通信教育規程(2026年9月27日確認)です。
読み替えると、こうなります。サポート校のパンフレットではなく、在籍する(予定の)通信制高校の公表情報を見る。退学した人の数や卒業後の進路まで、施設ごとに公表することが省令で決まっています。パンフレットに載っている良い話より、こちらのほうが判断の材料になります。そして、検討しているサポート校がその高校の連携協力施設として位置づけられているのかどうか自体も、確認する項目です。位置づけられていないなら、上の表の公表は期待できません。
制度の側も動いています。2026年7月23日に公布された法改正で、文部科学大臣が通信制高校の運営についての基本的な指針を定めることになりました。施行は公布から6か月後の見込みで、検討会議は2026年8月31日から2027年3月31日までの予定です。中身は通信制高校 法改正の記事にまとめています。今は「制度が追いついていない部分がある」時期だと理解して、そのぶん自分の目で確かめる、という姿勢が現実的です。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

5つ目のデメリットは、合わなかったときの退会と返金の条件が、契約書を見ないと分からないことです
ここは誰も先に説明してくれない部分です。入学案内には「入学手続」の欄はあっても、やめるときの欄が無いことがあります。
目安になる制度があります。特定商取引法の「特定継続的役務提供」です。消費者庁の特定商取引法ガイドによれば、対象になる7つの役務にはエステや語学教室、家庭教師、学習塾が含まれ、学習塾は期間が2か月を超え、金額が5万円を超えるものが対象になります。対象になる契約では、クーリング・オフの期間が過ぎたあとでも、理由を問わずに将来に向かって契約を解除できます。そのときに事業者が請求できる額にも上限があり、学習塾の場合は役務の提供開始前なら1万1,000円、提供開始後なら「2万円又は当該特定継続的役務提供契約における1か月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額」に、すでに提供された分の対価を加えた額までです(消費者庁 特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供、e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律施行令 別表第四・いずれも2026年9月27日確認)。
気をつけたいのは、サポート校との契約がこの「学習塾」に当たるかどうかは、契約の内容によって決まるということです。施行令の別表第四の五の項では、対象は「入学試験に備えるため又は学校教育の補習のための学校教育法第一条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く。)の児童、生徒又は学生を対象とした学力の教授」と定義され、役務提供事業者が用意する場所で提供されるものに限る、という条件が付いています。教室に通う形でない場合は別の項に当たる可能性があり、上限の額も変わります。サポート校の中身は学力の教授だけではないので、一律に当たるとも当たらないとも言えません。サポート校を名指しした公的な解釈は見つけられませんでした。
そこで実務としては、次の順で確かめます。(1)契約書または入学手続の書類に、中途解約と返金の条項があるか。(2)年度の途中でやめた場合、授業料は月割りか、それとも返らないのか。(3)入学金・施設費は返るのか。(4)休会の制度があるか、休会中の費用はいくらか。(5)サポート校をやめたあと、在籍する通信制高校の手続きは誰が引き継ぐのか。この5つを、口頭ではなく書面で確かめます。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
「サポート校はやめとけ」と言われる理由は、3つに分けると判断できます
検索すると「やめとけ」という言葉が出てきます。これを1つの塊として受け取ると判断できないので、3つに分けます。
1つ目は、お金の話です。「二段になるほどの金額を払う中身があるのか」という問いです。これは正当な問いで、答えは学校ごとに違います。判断は、金額ではなく「何が付いてくるか」で行います。担任が付くのか、面談は月に何回か、レポートを一緒に進める時間が週にどれだけあるか。ここが薄い学校に高い金額を払うのは、たしかに合いません。
2つ目は、必要性の話です。「ひとりでできる子には要らない」という指摘です。これも当たっています。提出物を自分で管理でき、生活のリズムが安定していて、進路も自分で調べられるなら、通信制高校だけで卒業できます。文部科学省の実態調査では、令和6年度の卒業生90,872人(2022年度以降に開校した73校を除く集計)のうち3年間で卒業した人が42,667人(47.0%)、3年未満が44,062人(48.5%)でした。多くの人が想定どおりの年数で卒業しています。
3つ目は、相性の話です。「毎日通える場所が欲しかったのに、週1回しか行かなかった」「オンラインだけだと結局つながらなかった」という後悔です。これは中身の良し悪しではなく、形が合っていなかった場合です。ここで押さえておきたいのは、毎日通いたいならサポート校を足す以外の道もあるということです。同じ実態調査では、通信制高校の通学頻度別のコースで週5日のコースに37,505人(12.5%)が在籍しています。通信制高校そのものに週5日のコースがあるなら、サポート校を足さずにそこを選ぶ形も成り立ちます。
通信制高校の側のデメリットと混ざりやすいところなので、そちらは通信制高校 デメリットに分けて書いています。この記事はサポート校の側に絞っています。

それでも払う価値があるのは、ひとりでは続かない部分を人が補う場合です
デメリットを数え上げたうえで、場合分けをします。判断の軸は「サポート校が補うのは何か」です。
| いまの状態 | サポート校が補うもの | おすすめの形 |
|---|---|---|
| 提出物の期限を自分で管理できる。生活のリズムも安定している | ほとんど無い | 通信制高校だけで進める。学費を進路の費用に回す |
| レポートを始められない。気づくと期限が過ぎている | 一緒に進める時間と、期限の管理 | 週に何回、誰と、何をするかが決まっているサポート校を選ぶ |
| 不登校の期間が長く、中学の内容に穴がある | 中学範囲の学び直しと、少人数の関わり | 学び直しの教材と、人数の少ない場があるかを確かめる |
| 予定の管理や見通しを立てることが難しい | 予定を分解して一緒に組み立てる支援 | 担任制と面談の頻度、記録の残し方を確かめる |
| 大学進学や探究に、伴走してくれる人が欲しい | 小論文・面接・志望理由書の指導、探究のテーマ設定 | 進路指導の中身と、誰が担当するかを確かめる |
| 毎日行く場所が欲しい | 通う場所と、そこにいる時間 | サポート校を足す以外に、通信制高校の週5日コースも比べる |
予定の管理や特性に関わる部分は、環境の側を変えることで進みやすくなる場合があります。この点はもう一歩踏み込んだ記事を別に用意しているため、ここでは「面談の頻度と記録の残し方を確かめる」までにとどめます。診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門の機関にご相談ください。
比べ方そのものを整理したい場合は、通信制サポート校とはに、違いと選び方をまとめています。
契約の前に確認する12の質問を、4つのまとまりで用意しました
見学や説明会は、話を聞く場ではなく確かめる場です。次の12問を、そのまま読み上げてかまいません。答えが濁ったところが、その学校の弱い部分です。
お金(総額を揃える)
- 入学前に払う額と、毎年払う額を、それぞれ内訳で教えてください。
- 提携する通信制高校の側の金額は、いくらですか。合計は年でいくらになりますか。
- 就学支援金が使えるのは、どちらの分ですか。使ったあとの実際の負担はいくらですか。
- スクーリングの交通費・宿泊費・行事費は、この金額に入っていますか。
やめるとき(合わなかった場合)
- 年度の途中でやめた場合、授業料は月割りで返りますか。入学金・施設費は返りますか。
- 休会の制度はありますか。休会中の費用はいくらですか。
- サポート校だけをやめて、通信制高校に在籍を続けることはできますか。その手続きは誰が行いますか。
支援の中身(何にお金を払うのか)
- 担任は付きますか。1人の担任が何人を見ていますか。
- レポートを一緒に進める時間は、週に何回・何分ありますか。欠席した回の振り替えはありますか。
- 通学定期券は、どの区間で、どこの学生証を使って買う形になりますか。
在籍する通信制高校(土台の確かめ方)
- この教室は、その高校の通信教育連携協力施設として位置づけられていますか。学則には何と書かれていますか。
- その高校が公表している、この施設ごとの評価の結果と、退学・転学・卒業・進路の状況を見せてください。
最後の2問は、高等学校通信教育規程の第13条と第14条が在籍校に課している公表の内容です。ここを聞かれて困る学校はまずありません。逆に、聞いても出てこない場合は、その理由を確かめる価値があります。
選択肢の1つとしてのニジ高にも、同じデメリットがあります(正直な注意点)
この記事で数え上げたデメリットは、NIJIN高等学院(ニジ高)にも当てはまります。売り込む前に、そこを先に書きます。
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は、提携する通信制高校、または今すでに在籍している通信制高校で取ります。単位・評定・調査書も、その高校のものです。
- 費用は二段になります。在籍する高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内をご覧ください。
- 提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。宿泊を伴う場合があります。そして、そこにニジ高のスタッフは付き添いません。ニジ高がするのは、日程の調整と準備の支援までです。付き添いを前提に考えている場合は、ここが合いません。スクーリングの形や日程は、個別相談会で確認できます。
- オンライン中心です。毎日決まった場所に通うことを求めている場合、合わないことがあります。全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、相談のうえで通うこともできますが、主軸はオンラインです。
そのうえで、ニジ高が補おうとしているのは、この記事の場合分けの表の2段目から5段目です。カメラとマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、担任制で、8人のクラスで行事やプロジェクトを話し合うクラス会議があります。メタバースの校舎で担任や同級生と集まる時間もあります。希望する生徒には、スタッフが1対1で伴走します。授業はアーカイブで見直せて、中学範囲の学び直しにも対応しています。企業や自治体と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事があり、総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座にも力を入れています。転入・編入は通年で、出願の費用はかかりません。発達特性や障害については、本人を変えるのではなく、学びの構造や環境を変えることで支援するという考え方を取っています。
ニジ高は、提携校以外の通信制高校に在籍したままでも使えます。N高等学校、ルネサンス高等学校、クラーク記念国際高等学校など、いま通っている通信制高校をそのままにして、ニジ高を併用する形が取れます。この場合も、卒業資格・単位・評定は在籍校のもので、費用は両方にかかります。
迷ったときの進め方(3ステップ)
ステップ1:今の困りごとを1行にする。「レポートが始められない」「毎日行く場所がない」「進路の相談相手がいない」のどれなのかを、1行で書きます。ここが決まらないうちに学校を比べると、パンフレットの見た目で選ぶことになります。
ステップ2:金額の期間を揃えて並べる。候補ごとに、入学前に払う額・年に払う額・通信制高校の側の額・就学支援金を引いたあとの負担を、同じ様式の1枚に書き出します。期間の違うものを足さない、これだけで見え方が変わります。
ステップ3:やめるときの条件を書面で受け取る。入る前に、中途解約と返金の条項を紙かPDFで受け取ります。ここを先に済ませておくと、合わなかったときに「やめる」という選択が普通の選択肢になります。逃げ道を用意しておくことは、後ろ向きなことではありません。
3つとも、1日で終わる作業ではありません。学年の途中でも転入・編入はできるので、期限に追われて決める必要はありません。


二段になる費用と、やめるときの条件から先にご説明します
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。高校ではないため卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要で、ニジ高の分に就学支援金は使えません。個別相談会はオンラインで30分・無料。保護者の方だけでも、カメラとマイクをオフのままでも、日程を選ぶだけで参加できます。
よくある質問
Q. サポート校は必要ですか。無くても卒業できますか。
A. 卒業に必要なわけではありません。卒業の条件は在籍する通信制高校の側にあり、3年以上の在籍・74単位以上の修得・特別活動30単位時間以上です。文部科学省の実態調査でも、令和6年度の卒業生90,872人のうち3年間で卒業した人が47.0%、3年未満が48.5%でした。提出物を自分で管理できるなら、通信制高校だけで進められます。サポート校は、そこがうまくいかない場合に人の手を足す選択肢です。
Q. サポート校の費用に、就学支援金や都道府県の補助は使えませんか。
A. 就学支援金は、法律で「高等学校等の授業料に充てるため」の制度と定められていて、対象になるのは同法第2条が列挙する高等学校等です。サポート校はふつうここに入らないので、サポート校に払う分には使えません。都道府県の授業料減免も、対象は高等学校等に納める授業料などです(対象の範囲は都道府県ごとに違います)。高校生等奨学給付金は授業料ではなく、教科書費・教材費など授業料以外の教育費を支える制度で、こちらも在学しているのが高等学校等であることが前提です。どちらも、サポート校に払う分には届きません。内訳の詳しい読み方は、サポート校の学費の記事にまとめています。
Q. 合わなかったとき、サポート校だけをやめられますか。
A. 仕組みとしては、サポート校をやめても在籍する通信制高校の単位と在籍期間は残ります。ただし、やめる手続きと返金の条件は学校ごとの契約によります。入る前に、中途解約と返金の条項を書面で受け取っておいてください。逆に、通信制高校の側をやめるとサポート校に通っても卒業はできません。順番を取り違えないようにしてください。
Q. サポート校の質を、入る前に見分ける方法はありますか。
A. 高等学校通信教育規程の第13条と第14条で、在籍校の側に、連携協力施設ごとの評価の結果と、退学・転学・卒業・進路の状況、費用徴収の内容を公表することが定められています。サポート校のパンフレットではなく、その高校の公表情報を見てください。あわせて、その教室が連携協力施設として位置づけられているかどうかも確かめます。
Q. 通学定期券や学生割引は使えますか。
A. 一律には言えません。確認できた範囲では、割引の資格は在籍する通信制高校の側から出る形が基本で、河合塾COSMOのよくある質問にも「提携高校の学生証や通学申請書」を提示すると書かれています。一方、近畿日本鉄道の公式ページには、指定学校以外の学習塾などへ通う場合は通学定期券を購入できないと書かれています。区間と使う学生証は学校と鉄道会社の組み合わせで変わるので、見学のときに確かめてください。
Q. いま通信制高校に在籍しています。途中からサポート校を足せますか。
A. 足せる場合があります。河合塾COSMOのよくある質問には、提携高校以外の通信制高校や定時制高校に通学している人も入塾できると書かれています。在籍校を変えずに支援だけを足す形なら、転入の手続きも単位の引き継ぎも要りません。この形が取れるかどうかは、サポート校ごとに違うので確かめてください。
デメリットを数え上げたあとで残るものが、選ぶ理由になります
デメリットを先に全部書いたのは、そのほうが決めやすいからです。費用が二段になること、学校ではないこと、質の差が大きいこと、やめるときの条件が契約書の中にあること。これらは消えません。消えないまま、それでも払う価値があるかどうかを、ご家庭の事情で決めていただくほかありません。
迷っている時間は、無駄になっていません。「何が足りていないのか」を1行にするまでの時間が、いちばん大事な作業です。そこが決まってから学校を見ると、同じパンフレットがまったく違って見えます。
そして、今日決めなくてもかまいません。転入・編入は学年の途中でもできますし、一度決めた形を途中で変えることもできます。お子さんが1年後にどうなっているかは、今のご家庭の誰にも分かりません。分からないまま、戻れる道を用意して、半歩だけ進めば十分です。
費用もやめ方も、デメリットから先にご説明します
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

