「何度言っても伝わらない」「言い方を変えたつもりなのに、また言い合いになった」。発達障害や発達特性のある高校生の子に、どう声をかければいいのか分からなくなっている保護者の方へ向けた記事です。
先に結論を書くと、声かけで変えやすいのは「気持ち」より「言葉の形」です。抽象的な言葉を具体的な行動に言い換える、1回に1つだけ伝える、予告してから穏やかに伝える、できた部分をすぐ認める。これは国立特別支援教育総合研究所の指導資料や、厚生労働省の事業で作られたペアレント・トレーニングの手引きに書かれている考え方です。この記事では、それを朝・課題・失敗の直後・パニックの後・進路の話という5つの場面に当てはめ、「言いがちな言葉」と「言い換えの例」を表にしました。言い換えは相性があり、どの子にも同じように届くとは限りません。お子さんの様子を見ながら、合いそうなものから試してください。
この記事は、国立特別支援教育総合研究所 発達障害教育推進センター、厚生労働省の事業によるペアレント・トレーニングの実践ガイドブックと支援者用マニュアル、こども家庭庁の事業資料、発達障害者支援法(e-Gov)、日本小児心身医学会の解説を開いて確認した内容でできています。高校生になってからの親の関わり方の全体像は発達障害 高校生 親の記事に、親自身の支えは発達障害 高校生 子育て 辛いの記事にまとめています。ここでは「具体的な言葉」に絞ります。
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結論:発達障害の高校生への声かけ・言い換えの早見
- 「ちゃんとして」「まじめにやって」は具体的な行動に言い換えます。国立特別支援教育総合研究所は、抽象的な指示・長い指示・複数のことが含まれた指示は理解が難しいことが多い、としています。
- 1回に伝えるのは1つだけ。「着替えて、脱いだものも片づけて」ではなく、「制服をハンガーにかけて」のように1つで済む言い方を探します。
- 伝える前に予告し、穏やかに・近くで・落ち着いた声で。ペアレント・トレーニングでは「予告→CCQで指示→ほめて終了」という流れを学びます。思春期からは本人の意向も聞く、とされています。
- 全部できるのを待たず、4分の1できたところで認めます。やるべきことの25%でもできていれば、その部分をすぐにほめる「25%ルール」という考え方があります。
- パニックやかんしゃくの最中は言葉を減らし、話し合いは落ち着いてから。ペアレント・トレーニングの手引きにも、タイムアウト(危険な行動が繰り返されるときの対応)の前後に怒鳴ったり長々と説教したりしない、と書かれています。
- 朝起きられない日が続くなら、声かけより先に体の確認を。起立性調節障害は軽症例を含めると中学生の約10%にみられ、怠けと受け止められることがストレスになって症状を悪くする、と日本小児心身医学会は説明しています。
- 言い換えが続かない日があるのは自然なことです。発達障害者支援センターは家族からの相談も受けます(発達障害者支援法14条)。
言葉が届かないのは、あなたの言い方が冷たいからではありません。「具体的に・1つずつ」に変えると伝わり方が変わることがあります
国立特別支援教育総合研究所 発達障害教育推進センターの「行動面でのつまずきと指導・支援」のページに、中学1年の生徒の例が載っています。掃除をまじめにやらないと注意されることが多い生徒で、「まじめにやりなさい」「ちゃんと掃除をしなさい」と言われても、ほうきを持ったままふらふらしている。先生が様子をじっくり見て考えると、つまずきの要因として指示の具体的な内容を理解していない、やり方が分からない、集中できる時間が短い、といったことが推測された、という内容です。
そこで担任は、「この階段を掃いて」「ここからここまでの場所をモップで拭いて」のように具体的な行動を示し、1回に1つの指示にしました。資料には、こうした生徒は「指示に従わない」「不真面目」と見られてしまいがちだが、実は指示の中身が分かっていなかったことがよくある、と書かれています。出典:国立特別支援教育総合研究所「指示に従えず、また仕事を最後までやりとげないのですが・・・」
同じ資料は、「まじめにやる」「ちゃんとする」「迷惑をかけない」「頑張る」といった、私たちが何気なく使う表現は具体的な行動と結びつきにくい、と指摘しています。高校生になると見た目はもう大人に近いので、親もつい大人向けの言い方をしてしまいます。けれど、言葉を行動に置き換える部分でつまずいている場合は、年齢に関係なく具体的な言い方のほうが届きやすいことがあります。
聞くだけでは理解が難しい子もいます。同センターは、指示が理解できないときは、注意が集中できないのか、聞いただけでは理解できないのかなどの要因を明らかにしたうえで、視覚的な補助や復唱を組み合わせる、としています(指示を理解するための指導・支援)。家庭なら、LINEで要点だけ送る、メモを1枚置く、「今言ったこと、1回言ってみて」と頼む、といった形に置き換えられます。
| よく言ってしまう言葉 | 伝わりにくい理由 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| ちゃんとして | 何をすればいいかが言葉に入っていない | 「かばんに明日の教科書を入れて」 |
| まじめにやって | 態度の話になり、行動が分からない | 「このページの問3まで解いて」 |
| 早くしなさい | いつまでに、がない | 「7時40分に家を出るよ。あと10分」 |
| 片づけて | どこまでが片づけかが人によって違う | 「机の上のものを全部この箱に入れて」 |
| 着替えて、洗濯物も出して、歯みがきもね | 複数の指示が一度に入っている | 1つ終わってから次を伝える |
※言い換えの例は、国立特別支援教育総合研究所の資料の考え方をもとに作った例です。
国の家族支援で学ぶ伝え方は「予告→穏やかに近くで→できた4分の1をほめる」の順です
ペアレント・トレーニングは、親がほめ方や指示の出し方などの具体的な関わり方を学ぶプログラムです。厚生労働省の障害者総合福祉推進事業で作られたペアレント・トレーニング実践ガイドブック(令和元年度)では、プログラムの核になる要素として、良いところ探しとほめる、行動を3つのタイプに分ける、行動の前後を観察する(ABC分析)、環境調整、子どもが達成しやすい指示、不適切な行動への対応の6つを挙げています。自治体や医療機関などで行われ、診断のある子どもだけでなく、その疑いのある子どもの親も対象になっている、とも書かれています。
指示の出し方は、ペアレント・トレーニング支援者用マニュアル(令和2年度)に具体的に載っています。
- 予告:手をとめてそばに行き、気が散るものを減らし、「あと5分したら○○」と今の行動を認めてから次の行動を予告する。約束の内容を復唱してもらうのも有効で、思春期からは本人の意向も聞く。
- CCQ:Calm(あなた自身が穏やかに)、Close(子どもに近づいて)、Quiet(声のトーンを抑えて)。お願い調・説教調・小言風にせず、はっきり短く。一度にひとつずつ具体的に。
- ほめて終了:何度か繰り返す必要があるかもしれないと心づもりをしておき、少しでも取りかかったらすぐに認める。おどしは使わない。
このプログラムの対象は、主に3歳から小学校3年生くらいまでの子どもの保護者です(同マニュアル)。高校生にそのまま使うと子ども扱いに感じられることもあります。マニュアルには、小学校高学年くらいからは「さらりと」ほめることや、「~してくれてありがとう」「~してくれて助かるわ」のように家族の一員として認める言い方が紹介されています。また、厚生労働省の市町村職員向けセミナー資料では、思春期の親向けのプログラムも開発されていると紹介されています(第157回市町村職員を対象とするセミナー資料)。
| 行動のタイプ | 高校生の家庭での例 | 手引きにある対応 |
|---|---|---|
| 好ましい行動(増やしたい) | 自分で目覚ましを止めて起きてきた | すぐに、具体的にほめる |
| 好ましくない行動(減らしたい) | 呼んでも返事をせずスマホを見続ける | 環境を整え、注目しすぎず、ほめるために待つ |
| 許しがたい行動 | 物を投げる、人をたたく | 予防が大前提。きっぱりと、納得できるルールを示す |
※「高校生の家庭での例」は、手引きの3つのタイプを高校生に当てはめた例です。
ここで2つ誤解されやすい点があります。1つは「ほめると甘やかすことになる」という心配です。手引きのほめ方は、できた行動を具体的に認めることで、何をすればいいかを分かりやすくするためのものです。もう1つは「無視すればいい」という受け止め方です。マニュアルは、無視とは子どもの存在を無視することではなく、望ましくない行動に過剰に反応しないことで、ほめることと一緒に使ってこそ意味がある、と書いています。さらに、自閉スペクトラム症の特性がある子は行動の土台に不安があることが多く、注目を外すより、環境を整えて不安を取り除いたり、見通しを伝えたりする対応が必要だ、としています。

5つの場面で言いがちな言葉と、言い換えの例を1枚の表にしました
ここからは場面ごとに見ていきます。まず全体を1枚にまとめます。どれも「この言葉を言えば伝わる」という正解ではなく、手がかりの例です。
| 場面 | 言いがちな言葉 | 言い換えの例 | 考え方の手がかり |
|---|---|---|---|
| 朝起きられない | 「何時だと思ってるの」「いつまで寝てるの」 | 「7時半だよ。カーテン開けるね」 | 時刻という事実だけを短く。体の不調も疑う |
| 課題が進まない | 「早くやりなさい」「ちゃんとやって」 | 「数学の最初の3問だけやろう。終わったら声かけて」 | 短い区切りに分け、1つずつ達成感を |
| 失敗した直後 | 「だから言ったでしょ」「どうせまた~でしょ」 | 「話してくれてありがとう。次どうするか一緒に考えよう」 | 責める言葉を足さない。自己評価を下げない |
| パニック・かんしゃくの後 | 「いいかげんにしなさい」長い説教 | 最中は「ここにいるね」。後で「何が一番いやだった?」 | 最中は言葉を減らす。原因の確認は落ち着いてから |
| 進路の話 | 「将来どうするの」「このままじゃ知らないよ」 | 「土曜の10時に15分だけ進路の話をしたい。紙に選択肢を書いておくね」 | 日時を予告し、選択肢を目で見える形に |
※言い換えの例は、国立特別支援教育総合研究所の資料とペアレント・トレーニングの手引きの考え方をもとにした一例です。
朝起きられない日は「何時だと思ってるの」より、時刻だけを短く伝えます。続くなら体の不調を疑います
朝の声かけがこじれやすいのは、親の焦りがそのまま言葉に乗りやすいからです。「何時だと思ってるの」は問いかけの形をしていますが、中身は叱責です。子どもには「怒られた」ことだけが残りやすく、ペアレント・トレーニングのマニュアルも、感情的に怒るだけの対応では何をすればよいのか分からない、と書いています。
言い換えるなら、時刻という事実と、次にしてほしい行動を1つだけ伝えます。「7時半だよ」「7時40分に出るなら、あと10分で着替えだね」。前の晩のうちに「明日は7時に1回だけ声をかけるね」と予告しておくのも一案です。朝の光については、厚生労働省のGood Sleepガイド(こども版)が、起きてから日中にかけて太陽の光を浴びることや、寝る前・寝床の中でデジタル機器を使わないことを挙げています。同ガイドでは中学・高校生の睡眠時間の目安は8〜10時間で、成長とともに夜ふかし・朝寝坊になりやすくなる、とも書かれています。
ただ、どれだけ言葉を工夫しても起きられない日が続くなら、声かけの問題ではなく体の問題かもしれません。日本小児心身医学会は、起立性調節障害(OD)を、軽症例を含めると中学生の約10%にみられる病気とし、頭痛・立ちくらみ・朝の起床困難などがあり、午前に強く午後に軽くなる傾向がある、と説明しています。そして、家族が症状を気持ちの問題や怠けととらえると、それが子どもの心理的ストレスになり、症状を悪化させてしまう、と書いています(日本小児心身医学会「起立性調節障害」)。
このときの声かけは「起きなさい」ではなく、「体がつらいなら、一度病院で相談してみようか」です。診断はお医者さんがするもので、親が判断する必要はありません。症状と学校の出席のことは起立性調節障害 高校生の記事に、欠席が続いたときの進級の目安は高校 欠席日数の記事にまとめています。

課題が進まないときは「早くやりなさい」より、「最初の3問だけ」と区切ります
「早くやりなさい」「ちゃんとやって」は、何を・どこまでが抜けている言い方です。国立特別支援教育総合研究所は、課題を最後までやり遂げられない場合、指示の中身が分かっていないのか、取り組み方が分からないのか、集中できる時間が短いのかを見分けたうえで、課題を短い時間でできる段階に細かく分け、段階ごとに達成感を味わえるようにする、としています。分からないときに助けを求めることを教える必要がある、とも書いています(指示に従って、課題や活動をやり遂げるための指導・支援)。
家庭での言い換えは、たとえば次のようになります。
- 「宿題やりなさい」→「英語のワーク、12ページだけやろう。終わったら見せて」
- 「いつまでかかってるの」→「今どこまで進んだ?ここまでできてるね」
- 「分からないなら聞きなさい」→「分からないところ、指でさしてくれる?」(うまく言葉にできなくても答えられる聞き方です)
- 「集中しなさい」→「スマホ、30分だけリビングに置いておこうか」(集中できる環境を先に整える)
取りかかったら、全部終わるのを待たずに声をかけます。ペアレント・トレーニングの「25%ルール」は、できていない部分に目を向けるのではなく、やるべきことの25%でもできていれば、その部分をすかさずほめる、という考え方です(前出の実践ガイドブック)。高校生なら大げさにほめるより、「進んでるね」「そこまでやったんだ」と短く事実を伝えるくらいが合うことも多いです。
「やってくれると助かる」のように親の気持ちを主語にした言い方(いわゆるIメッセージ)を使う家庭もあります。ただし、ペアレント・トレーニングのマニュアルは、指示そのものはお願い調にせず、はっきり短くと書いています。指示は短くはっきり、気持ちは終わったあとに「助かったよ」「ありがとう」と伝える、と使い分けると両立しやすくなります。
失敗した直後は反省会をしません。ほめ言葉に「でも」を足さないことが第一歩です
テストの点が悪かった、提出物を出し忘れた、約束の時間に遅れた。こうした直後の一言は、子どもの記憶に強く残ります。ペアレント・トレーニングのマニュアルは、子どもにとってマイナスになるほめ方の例として、「上手にできたね。でも、どうして最初からしなかったの」を挙げ、言いそうになったら一呼吸おくことを勧めています。同じページには、「どうして~しないの!」「だから~なのよ」「どうせ~でしょ」「~しても知らないよ」が、ちょっと待ってほしい言葉として並んでいます。
ADHDについて、国立特別支援教育総合研究所は、自己評価の低下がみられる場合は自己有能感を高めることも大切だ、としています(ADHDのある子ども:その他の指導・支援)。失敗のたびに責められる経験が重なると、「どうせ自分は」という気持ちが強まりやすくなります。
| 言いがちな言葉 | 子どもに残りやすいこと | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| だから言ったでしょ | 親が正しかった、という結論だけ | 「そうだったんだ。話してくれてありがとう」 |
| どうせまた忘れるんでしょ | 次も失敗する前提で見られている | 「次はどこにメモしておくと思い出せそう?」 |
| できたね。でも最初からやれば | ほめられた部分が消える | 「できたね」で止める |
| もう知らないよ | 見放された感じ | 「困ったら言ってね。一緒に考える」 |
振り返りが必要なときは、失敗の直後ではなく、落ち着いた別の時間にします。そのときも「なぜ失敗したか」を問い詰めるより、「次に同じことが起きたら、何があると助かる?」と、次の一手を一緒に考える形のほうが話が進みやすくなります。

パニックやかんしゃくの最中は言葉を減らし、原因を聞くのは落ち着いてからにします
興奮しているときに長く説明しても、ほとんど入っていきません。ペアレント・トレーニングの実践ガイドブックも、タイムアウト(危険な行動が繰り返されるときの対応)の前後に怒鳴ったり長々と説教したりはしないと書いています。最中にかける言葉は、短く、少なく、が基本です。
- 最中:「ここにいるね」「落ち着いたら話そう」。周りの音や人を減らし、物理的に安全を確保する
- 落ち着いた直後:「水、飲む?」。まだ理由は聞かない
- しばらくしてから:「何が一番いやだった?音?予定が変わったこと?言われた言葉?」と、選べる形で聞く
選べる形で聞くのには理由があります。国立特別支援教育総合研究所は、自閉症のある子どもは相手の言っていることが分からなかったり、自分の気持ちをうまく伝えられなかったりすることが多く、それが強い不安や情動の不安定につながり、パニックの誘因になることもある、としています(コミュニケーションを促すための指導・支援)。また、感覚の過敏さが不安や混乱をもたらし、その結果としてかんしゃくなどが起こる場合がある(感覚過敏に対する指導・支援)、こだわっている理由を把握せずに強制的にやめさせようとすると混乱し、かえってこだわりが強くなることがある(こだわりに対する指導・支援)、とも書いています。
つまり、パニックの後にかける言葉の目的は、叱ることではなく「何がきっかけだったか」を一緒に見つけることです。きっかけが分かれば、次は予告する、音を減らす、逃げ場所を決めておく、といった「起きる前の工夫」に回せます。
一方で、自分や家族を傷つける行動が繰り返される場合は、家庭の声かけだけで抱えないでください。ペアレント・トレーニングの手引きでも、警告やタイムアウトといった対応は、親子関係が良好でない場合などにはかえって悪化させることもあるため、専門家の助言を得て慎重に行う、とされています。主治医や、次の章の相談先に早めにつないでください。かんしゃくそのものの理解は発達障害 高校生 かんしゃくの記事にまとめています。
進路の話は「将来どうするの」ではなく、日時を予告し、選択肢を紙に書いて始めます
「将来どうするの」は、答えの範囲が広すぎる質問です。国立特別支援教育総合研究所は、自閉症のある子どもは一般に長い文章や抽象的な内容の理解が苦手で、箇条書きのように短く簡潔な文章や、具体的な内容は比較的得意だとしています(文章や言葉の意味理解をさせるための指導・支援)。また、予定の変更は直前ではなく前日までに伝え、当日の朝にもう一度説明する、口頭だけでなく目で確認できるようにする、という方法も紹介しています(予定の変更に対応するための指導・支援)。
これを進路の話に当てはめると、次のような順番になります。
- 日時を予告する:「土曜の10時に、15分だけ進路の話をしたい」。夕食中に突然切り出さない
- 選択肢を紙に書く:「今の学校で続ける」「転校を考える」「少し休む」など、3つ程度を箇条書きで
- 本人の意向を先に聞く:「どれが一番気になる?」。親の案は後から出す
- その場で決めない:「今日は気になるものに丸をつけるだけ」で終える
「このままじゃ知らないよ」「みんなもう決めてるよ」は、比べる言葉と見放す言葉が重なっていて、話し合いの入り口をふさぎやすい言い方です。「あなたがどうしたいかを先に聞きたい」と言い換えると、話を続けやすくなります。
転校を含めて考える場合は、手続きの流れを高校 転入の記事に、学校の種類ごとの違いを通信制高校 選び方のページにまとめています。卒業後の進路や就職については発達障害 高校生 進路の記事も参考になります。発達障害者支援センターは、本人への就労の支援も業務の1つです(発達障害者支援法14条1項2号)。

言い換えが続かない日があって当然です。親が疲れているときは、家族向けの相談先を使えます
ここまで読んで、「分かっていても、疲れているとできない」と感じた方もいると思います。それは自然なことです。ペアレント・トレーニングの実践ガイドブックも、5回程度のプログラムでは終了後しばらくたつと「ほめる⇔ほめられる」関係が保てなくなると感じる親が少なくない、として、終了2~3か月後の振り返りの回を勧めています。1人で続けるのが難しいのは、方法が悪いからでも、あなたの力が足りないからでもありません。
家族を支える仕組みは、法律に書かれています。発達障害者支援法13条は、都道府県と市町村が、発達障害者の家族に対して相談、情報の提供や助言、家族が互いに支え合う活動の支援などを行うよう努めなければならない、と定めています。14条は、発達障害者支援センターの業務として、発達障害者とその家族などからの相談に応じることを挙げています(e-Gov 発達障害者支援法)。
| 相談先 | できること | 確認した資料 |
|---|---|---|
| 発達障害者支援センター | 本人と家族からの相談に応じ、助言する。都道府県・指定都市ごとに置かれている | 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター |
| ペアレント・メンター | 発達障害のある子を育てた経験のある親が、後輩の親を支える。各自治体で養成研修が進められている | ペアレント・トレーニング実践ガイドブック |
| 市区町村のペアレント・トレーニング等 | 子どもとの関わり方を講義やロールプレイで学び、同じ悩みの保護者と話せる場がある。実施の有無や対象は市区町村ごと | こども家庭庁 親子関係形成支援事業 |
| 親子のための相談LINE | 18歳未満の子どもと保護者などが、子育てや親子関係を相談できる(匿名でも可)。対応時間は地域ごと | こども家庭庁 |
| こころの健康相談統一ダイヤル | 0570-064-556。親自身の不調の相談。曜日・時間は都道府県ごと | 厚生労働省 まもろうよ こころ |
お住まいの地域の支援センターは、発達障害者支援センター・一覧で探せます。センターの事業内容は地域によって違うため、まずは電話で「家族だけの相談もできますか」と聞いてみるのが確実です。親自身の休み方や相談先の詳しい使い分けは、発達障害 高校生 子育て 辛いの記事にまとめています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
選択肢の1つとしてのオンラインの通信制高校・サポート校(正直な注意点)
声かけを工夫しても、毎朝の登校そのものが大きな負担になっている場合は、学ぶ環境を変えることも選択肢に入ります。環境が変わると、朝の「起きなさい」や「行きなさい」をめぐる言い合いそのものが減ることもあります。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも通え、担任制で、カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しています。ニジ高は、発達特性や障害を、本人を変えるのではなく学びの構造や環境を変えることで支援するという新しいアプローチを取っています。診断や服薬の判断は、主治医・専門機関にご相談ください。不登校の生徒を650名以上サポートしてきた実績があります(グループ全体)。中学生までのお子さんには、姉妹事業のNIJINアカデミーがあります。
そのうえで、先に知っておいてほしい注意点があります。
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取ります。
- 提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。ニジ高の中でのスクーリングはありません。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内で確認できます。通信制高校の費用の全体像は通信制高校 学費の記事にまとめています。
- 転入・編入で途中から入れます。出願費用は無料です。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 今週、言い換えを1つだけ決める。この記事の表から、一番よく口にしている言葉を1つ選び、言い換えを冷蔵庫やスマホのメモに貼ります。全部を変えようとしないことがコツです。
- 1週間、うまくいった場面だけを記録する。言い換えられた日、子どもが少しでも動けた日を1行ずつ書きます。ペアレント・トレーニングの考え方と同じで、できた部分に目を向けることは親の側にも効きます。
- 続かないと感じたら相談先に電話する。発達障害者支援センターや市区町村の窓口で、家族向けの講座や相談の場があるかを聞きます。学ぶ環境を変えることも考えるなら、学校の資料を集めて話を聞いてみる段階から始めて大丈夫です。


言葉の工夫に加えて、学ぶ環境を変える道もあります
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、転入・編入もできます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。声かけに悩んでいる段階からご相談いただけます。
よくある質問
Q. 高校生にもなって、ほめるのは子ども扱いになりませんか?
A. そう感じる子もいます。ペアレント・トレーニングのマニュアルでは、小学校高学年くらいからは「さらりと」ほめること、「~してくれてありがとう」「~してくれて助かるわ」のように家族の一員として認める言い方が紹介されています。大げさな言葉より、「進んでるね」「そこまでやったんだ」と事実を短く伝えるほうが受け取りやすい場合があります。
Q. 言い換えても反発されます。やり方が間違っているのでしょうか?
A. すぐに変化が出ないのはよくあることです。マニュアルは、何度も繰り返す必要があるかもしれないと心づもりをしておき、口ごたえがあっても落ち着いた声で、してほしい行動を具体的に短く伝える、としています。思春期からは本人の意向も聞くこととされているので、「どう言われると動きやすい?」と本人に聞いてみるのも一案です。
Q. 診断がなくても、ペアレント・トレーニングや相談は受けられますか?
A. 実践ガイドブックには、ペアレント・トレーニングは診断のある子どもだけでなく、その疑いのある子どもの親も対象になっていると書かれています。発達障害者支援センターの受付の条件や、地域でどんな講座があるかは自治体によって違うため、お住まいの地域のセンターや市区町村に問い合わせてください。
Q. ペアレント・トレーニングはどこで受けられますか?
A. 実践ガイドブックによると、自治体や医療機関、発達支援機関などで行われています。こども家庭庁の親子関係形成支援事業のように、市区町村が実施するものもあります。ただし、支援者用マニュアルに載っているプログラムは3歳から小学校3年生くらいまでの子どもの保護者を対象としているように、年齢の幅はプログラムごとに違います。高校生の親が参加できるかは、実施先に確認してください。
Q. オンラインの学校に変われば、声かけの悩みはなくなりますか?
A. なくなるとは言えません。朝の登校をめぐる言い合いは減るかもしれませんが、課題の進め方や進路の話など、家庭での声かけが必要な場面は残ります。また、サポート校に通う場合も提携する通信制高校のスクーリングへの参加は必要です。環境を変えることと、言葉を工夫することは、どちらか一方ではなく組み合わせて考えるのが現実的です。
言い換えは、今日1つだけで十分です
毎日同じことを言い、同じところでぶつかっていると、「自分の言い方が悪いのでは」と自分を責めたくなります。けれど、伝わらなかったのは、あなたの気持ちが足りなかったからではありません。言葉の形が、お子さんの受け取り方と少しずれていただけかもしれません。
全部を変える必要はありません。「ちゃんとして」を1つ、具体的な行動に言い換えてみる。できた部分を1つ、短く認めてみる。うまくいかない日は、相談先に電話をかけてみる。そのくらいの小さな一歩で、十分に意味があります。
声かけに悩んでいる段階の相談から、お受けしています
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

